HSCFチャレンジ!複雑な部材付番も「CTC対比表」なら一瞬で解決できるか?

こんにちは!HSコード付番ツール「HSCF」チームの嶋ですです。 先日、あるお客様から「実戦形式でのデモ」というエキサイティングな挑戦状をいただきました!

依頼内容は、「実際の商品を使い、部材のHSコード特定からFTA向けの年次変換までを一括で行うこと」

ここで活躍したのが、私たちの自信作である『CTC対比表』機能です。 通常、部材のHSコードを最新版から古い年次のFTA向けに一つひとつ照らし合わせるのは、まさに「苦行」。しかし、HSCFならこれらを自動で紐付け、一括で対比表を作成します。

材料のHSコードはそれぞれその確度を示しますので、情報不足で更なる調査をした方がいいかも分かります。

今回のデモで実証されたこと:

  1. 圧倒的な時短:手作業での調査時間を大幅に削減。
  2. ミスの排除:複雑な年次跨ぎの判定も、システムで正確に実行。
  3. 信頼の可視化:根拠が明確になることで、監査にも強いデータが完成。

「自社の商品でもできるのかな?」と思った皆様。ぜひ、貴社のデータでHSCFの実力を試してみませんか?無料デモンストレーションのお申し込みをお待ちしております!

HTSUS2026版:8桁差分の実務チェックリスト

HTSUS 2026で「8桁差分」を見落とさないための実務チェックリスト
ビジネス現場で役に立つ、差分確認から社内展開までのやり方

米国向けの輸入ビジネスでは、HTSUSの番号は「一度決めたら終わり」ではありません。usitc
HTSUSは議会立法や大統領布告などを通じて改正され、年次版の発行に加えて補遺やオンライン改訂が入る仕組みで運用されています。usitc+1​
USITCは、年次版(Basic Edition)を毎年公表したうえで、その後も電子版HTSを補遺・改訂のたびに更新し、PrefaceやChange Recordで変更点を示すことを明確にしています。(例:2024年Supplement発行告知など)usitc

そのため、年度が変わるタイミングや途中改訂のタイミングで、同じ品物でも該当する番号や読み方が動く可能性がある、という前提で実務を設計する必要があります。usitc

この記事では、HTSUS 2026を念頭に、8桁レベルの差分を業務として潰し込むためのチェックリストを、現場目線で解説します。
結論として、差分確認は関税率の確認だけでは不十分です。
番号の新設・統合・付け替え、条文やインデントの更新、注釈の変更、章98・99の適用関係まで含め、社内マスタと通関実務に確実に反映するところまでを一連のプロセスとして組み込むことが重要です。usitc


なぜ「8桁」を軸に見るのか

まず、実務で混乱が起きやすいポイントから整理します。

  • HTSUSは4桁がHeading、6桁と8桁がSubheadingという階層構造になっています。usitc
  • 法的なテキスト(legal text)は8桁レベルで完結し、関税率も8桁レベルで割り当てられます。usitc
  • 一方、実務上の輸入申告では10桁の番号を入力します。usitc

10桁は「8桁の法的サブヘディング+2桁の統計サフィックス(statistical suffix)」で構成され、統計上は重要ですが、統計サフィックスとその説明文、数量単位は「法的テキストではなく、行政的に採用されたもの」とされています。usitc
それでも、USITCは「輸入申告では10桁番号を使わなければならない」と明記しています。usitc

ここから導かれる実務上のポイントは次のとおりです。

  • 8桁差分は、関税率や法的な区分の変更に直結しやすい。usitc
  • 10桁差分は、統計区分や申告要件(報告単位など)の整合性に直結しやすい。usitc
  • どちらも放置すると、申告の不備や誤課税、統計不整合のリスクになる。usitc

したがって、まず8桁差分を軸に影響評価を行い、そのうえで10桁レベルまで落とし込んで通関入力に耐える形に仕上げる、という順番が実務的に有効です。usitc


「8桁差分」で何が変わり得るか

差分の中身を、現場で起こりがちなパターンに分解します。
ここが曖昧なままだと、チェックリストが単なる作業レベルに留まり、抜け漏れが増えます。

1. 番号の新設・統合・付け替え

  • ある品目が細分化されて新しい8桁が増える。
  • 複数の8桁が統合されて廃止される。
  • 条文再編に伴い、番号が付け替えられる。

4桁・6桁レベルのHS構造はWCOで国際的に合意された枠組みであり、一定周期で改正が行われます。
その枠組みの下で、米国は8桁および10桁レベルに独自の細分(domestic detail)を設けており、国内運用上の事情に応じて改訂が行われることがあります。wcoomd+1​

2. 文言やインデントの変更

番号自体が同じでも、次のような変更で対象範囲の読み方が変わることがあります。

  • 説明文の追加・削除・書き換え。
  • インデントレベルの変更(同じ見出し配下か、より狭い範囲の規定か)。

USITCは、HTSの分類では電子検索だけでは不十分で、条文の構造を確認し、同一インデントレベルで最も具体的な規定を選ぶ必要があると説明しています。usitc

3. 注釈(Notes・Additional U.S. Notesなど)の変更

法的テキストは、見出しや番号だけでは完結しません。

  • 一般解釈規則(GRI)。
  • Section Notes / Chapter Notes / Subheading Notes。
  • Additional U.S. Notes など。

USITCは、法的テキストは解釈規則や各種注釈、見出し・小見出しの用語で構成され、タイトル(章名など)は便宜上のものであり法的効力はないと説明しています。usitc
タイトルや脚注だけを見て判断すると、法的根拠のある条文を見落とすリスクがあります。usitc

4. 関税率や特恵の見え方の変更

HTSUSの税率欄には、次のような情報が並びます。

  • 一般税率(General)。
  • 特恵税率(各種FTAや特恵制度)。
  • 国別の追加税や特別列(必要に応じて)。

USITCは、特恵欄の記号や税率は協定や優遇制度の適用を示すものであり、条件を満たしていても輸入者が申告で主張しない場合は一般税率が適用されることがあると説明しています。usitc
差分確認では、番号変更だけでなく、税率欄や特恵プログラムの記号の変化もセットで確認する必要があります。usitc

5. 章98・章99の適用関係の変化

多くの貨物は章01〜97で分類されますが、場合によっては章98や章99により別扱いとなることがあります。usitc
差分確認で章99の参照や追加措置が絡む場合、通常分類(章01〜97)の更新だけ見て終わると危険です。
また、USITC FAQは、脚注やエンドノートは法的効力を持たない一方で、他のHTSコードや追加情報へユーザーを誘導するために用いられることを説明しています。usitc
参照先の変更や参照の新設は、実務上の追加確認ポイントになります。


HTSUS 2026版でまずやるべきこと

ここから「実務チェックリスト」に入ります。
読み進めながら、そのまま社内のタスクに落とし込める構成にしています。

ステップ0 範囲と責任分界を最初に固定する

最初に決めるべきは、細かい作業量ではなく「責任とスコープ」です。

  • 対象範囲
    • 全SKUを対象とするか。
    • 対米輸入SKUのみを対象にするか。
    • 直近1年出荷SKUなどに絞るか。
  • 判断責任
    • 分類の一次責任者。
    • 最終承認者(マネージャー、コンプライアンス担当など)。
    • ブローカーとの窓口担当。
  • 反映先
    • ERP品目マスタのHTSUS番号・税率ロジック。
    • 通関指示書やインボイス、品目説明テンプレート。
    • 見積・原価計算ロジック、契約条項(関税負担条件など)。
  • 期限
    • 年次版切替の適用日。
    • 途中改訂(Supplement)の反映タイミング。

USITCの案内でも、輸入品の分類責任はまず輸入者にあり、HTSの解釈と適用はCBPの所掌であると整理されています。usitc
社内で責任分界が曖昧なままだと、差分が見つかった際に判断や承認が止まりやすくなります。


実務チェックリスト:8桁差分を「業務として」潰す手順

以下が本題のステップです。
チェック項目は多いですが、「順番」を固定しておくことで手戻りを減らせます。

ステップ1 公式データを入手し、版と改訂を固定する

最優先は、「どのデータを正とするか」を固定することです。

  • 入手元はUSITCの公式HTS(電子版)を基準にする。usitc
  • 2026年Basic Editionだけでなく、当年の補遺・改訂を含めた参照範囲を決める。usitc
  • PrefaceとChange Record(変更履歴)を必ず確認する運用を決める。usitc

USITCは、電子版HTSを補遺や改訂が出るたびに更新し、その変更点をPrefaceとChange Recordに示すと説明しています。usitc

さらに、業務システムに取り込みやすい形でのデータ入手も押さえておくと効率的です。
Data.govでは、USITCが提供するHTS Basic EditionがCSV・Excel・JSON形式で公開されており、マスタ更新や差分抽出の入口として実務上使いやすい形になっています(現時点で2024版の公表が確認できる)。usitc

ステップ2 差分抽出は「番号」だけでなく「法的テキストの変化」を拾う

差分抽出でよくある落とし穴は、「番号の増減だけ見て終わる」ことです。
現場で使えるレベルにするには、差分を次の観点に分類して管理します。

  • 8桁の新設。
  • 8桁の廃止。
  • 8桁番号の付け替え(条文の移動・再構成)。
  • 説明文の変更(対象範囲に影響しやすい)。
  • 注釈の変更(General Rules、Section Notes、Chapter Notes、Subheading Notes、Additional U.S. Notesなど)。
  • 税率欄・特恵欄の変化。
  • 10桁統計サフィックス(Stat. suffix)の新設・統合・削除・説明変更。

USITC FAQは、法的テキストは解釈規則や各種注釈、見出し・小見出しの用語で構成され、タイトルは法的効力を持たないと説明しています。usitc
番号比較だけでは拾えない差分が、この「テキスト側」の変更に集約されます。usitc

ステップ3 影響度トリアージで、先に見るべきSKUを決める

全件を同じ熱量で見ると、担当者が疲弊します。
ビジネスインパクトを起点に、優先順位の軸を明確にしておきます。

  • 金額インパクト:年間輸入額が大きいSKU。
  • 税率インパクト:税率が高い、あるいは追加措置(章99など)が絡む可能性があるSKU。
  • 品質・規制インパクト:分類変更で規制・許認可や届出義務が変わり得るSKU。
  • 納期インパクト:通関で止まると生産が止まる重要部材。
  • 監査インパクト:過去にCBPや税関から指摘実績のある分類群。

狙いは、「全部を完璧にすること」ではなく、「ビジネス損失が大きい領域から優先的に堅めること」です。

ステップ4 各SKUの「分類根拠」を更新し、監査証跡を残す

差分が出たSKUは、「番号だけ付け替え」ではなく、分類根拠そのものの見直しが必要です。

最低限そろえておきたい根拠情報の例は次のとおりです。

  • 商品の用途と実際の使用形態。
  • 材質構成比(重量比・体積比・価額比など)と主要機能。
  • 仕様書、図面、写真、成分表。
  • セット品か単品か(GRI 3の可能性)。
  • 商業上の品目説明と、実態との整合。

USITCガイドは、電子検索だけで分類できないこと、同じインデントレベルの規定を比較して最も具体的な規定を選ぶことの重要性を指摘しています。usitc
根拠情報が薄いと、この比較・検証作業ができず、後の監査にも耐えにくくなります。

ステップ5 迷ったらCROSSと拘束力ある判断を使い分ける

判断が割れる領域では、参照できる公式情報を増やすのが得策です。

  • 既存判断の探索:CBPのCROSSで類似品目のruling(公表判断)を検索する。
  • 不確実性が高い場合:事前に拘束力のあるrulingをCBPへ申請することを検討する。ecfr

Trade.govは、CROSSをHTS番号に関する拘束力のあるrulingsを含む公式データベースとして紹介しています。usitc
また、CBPへのruling requestについては、19 CFR 177.2で、関連する事実関係を完全に記載すること、用途、商業上の呼称、複数素材なら比率など分類に関係する情報を含めるべきことが具体的に定められています。law.cornell+1​
これらは、社内で分類根拠を整理する際のチェックリストとしても有用です。

ステップ6 税率と特恵の影響を「8桁で」把握し、「10桁で」申告可能にする

実務では、「10桁の差分=税率差分」と誤解されることが少なくありません。

USITCは、10桁番号は8桁の法的区分に統計サフィックスを加えたものであり、同じ8桁配下の10桁統計番号は同一の関税率を適用されると説明しています。usitc
したがって、税率影響の一次評価は8桁レベルで行うのが合理的です。usitc

一方、特恵税率については次の点が重要です。

  • 特恵欄は、協定や優遇制度の適用可否と税率を示す欄である。
  • 条件を満たしていても、輸入者が申告で特恵を主張しない場合は一般税率となることがある。

USITC FAQも、特恵欄の記号や税率が協定等の適用を示し、主張しなければ一般税率が適用されるケースがあると説明しています。usitc
差分確認では、「番号や税率」だけでなく、「特恵の見え方・適用欄の変化」まで確認する必要があります。usitc

さらに、HS改正時に原産地規則側の改訂が必ずしも同時に完了していない場合があることが、公的ガイダンスでも指摘されています。wcoomd+1​
更新された見出し・小見出しと既存の原産地規則との間で整合しない場合には、所管当局や専門家への相談を検討すべきであり、担当者が見落としがちなポイントです。wcoomd

ステップ7 章98・章99や参照注記を必ず確認する

差分が章99の追加措置や参照変更に関係している場合、通常分類の更新だけでは不十分です。

USITC FAQは、脚注(footnotes)やエンドノート(endnotes)は法的効力を持たないが、ユーザーを他のHTSコードや追加情報へ誘導するために用いられると説明しています。usitc
差分確認では、次のような変化を軽視しないことが安全です。

  • 章98・章99への参照が新たに追加された。
  • 既存の参照先HTSコードが変更された。
  • 参照注記が削除され、別の注記に整理された。

これらは、追加税・免税扱い・特別プログラム等に関する確認漏れにつながり得ます。

ステップ8 社内マスタとブローカー指示を「同日に」更新できる形に整える

差分を確認しただけでは、現場に影響が届きません。
最低でも以下の対象に反映する設計が必要です。

  • ERP・品目マスタのHTSUS番号と税率ロジック。
  • インボイスおよび品目説明テンプレート。
  • ブローカー向け通関指示書(HTSUS 10桁・特恵主張方針)。
  • 見積・原価計算の税率ロジック。
  • 社内の分類根拠ファイルと監査用資料。

ここで重要なのが「10桁入力の必須性」です。
USITCは、統計サフィックス自体は法的テキストではない一方、輸入申告では10桁番号を使用する必要があると明確に述べています。usitc
社内マスタが8桁止まりの企業は、差分対応の最終工程として必ず10桁まで落とし込むフローを組み込むべきです。usitc

ステップ9 継続監視を仕組みとして組み込む

HTSUSは「年次版だけ見ていればよい」わけではありません。

USITCは、HTSが議会立法や大統領布告等により定期的に改正され、年次版に加えて途中改訂(補遺)があり、電子版は補遺や改訂のたび即時更新されると説明しています。usitc+1​
継続監視はコストではなく、誤申告リスクを下げるための保険と位置づけるべきです。

加えて、中長期ではHS自体の大きな改正にも備える必要があります。
USITCの告知や業界情報では、USITCが「Recommended Modifications in the HTS, 2028」の調査を開始し、WCOによるHS 2028改正に整合させるための改訂案を大統領に勧告するプロセスが説明されています。strtrade+1​
WCOは、2025年のHSCでHS 2028改正の勧告案を暫定採択し、2025年末の正式採択後、2026年1月に公表、2028年1月1日発効を予定していると案内しています。wcoomd
一見先の話に見えますが、分類設計やデータ基盤の刷新を見据えるうえで無視できない情報です。usitc+1​


付録:印刷して使える「HTSUS 2026 8桁差分」チェックリスト

社内でそのままタスク化できるよう、チェックボックス形式に整理します。

  • 参照するHTSUSの版(Basic Edition)と改訂範囲(Supplement等)を固定した。usitc
  • 公式データの入手元をUSITC(電子版・Data.gov等)に統一した。usitc
  • PrefaceとChange Recordを確認する運用を決めた。usitc
  • 8桁の追加・廃止・付け替えを抽出した。usitc
  • 説明文とインデントの変化を抽出した。usitc
  • 解釈規則や各種注釈(Section Notes、Chapter Notes、Additional U.S. Notes等)の変化を抽出した。usitc
  • 影響SKUをトリアージし、ビジネスインパクトに応じて優先度を付けた。
  • 影響SKUごとに分類根拠を更新し、証跡を整備した。law.cornell
  • CROSSで類似の公表判断(rulings)を確認した。usitc
  • 判断が割れるSKUについて、ruling request(19 CFR 177.2)の要否を検討した。ecfr+1​
  • 税率影響は8桁で一次評価し、10桁レベルまで落として申告可能な状態にした。usitc
  • 特恵の主張要件と原産地規則の整合を確認し、必要に応じて当局への確認方針を決めた。wcoomd+1​
  • 章98・章99との関係、参照注記や脚注の変化を確認した。usitc
  • ERP品目マスタとブローカー向け通関指示書を同じタイミングで更新した。usitc
  • 監査証跡として、根拠資料と判断履歴を体系的に保管した。law.cornell
  • 年次版だけでなく、途中改訂も含めた継続監視プロセスを開始した。usitc+1​

まとめ:8桁差分は「分類作業」ではなく「経営の保全策」

HTSUSの差分対応は、現場では分類担当だけの仕事に見えがちです。
しかし実際には、コスト、納期、コンプライアンス、監査対応をまとめて守るための仕組みづくりです。

8桁差分を起点に、法的テキストの変化まで拾い、影響SKUを絞って分類根拠を更新し、10桁の申告要件まで落とし込んだうえで、ブローカーと同じタイミングで更新する。
この一連のサイクルを回せる会社は、年度更新やHS大改正のたびに慌てずに済むようになります。usitc+1​

必要であれば、このチェックリストを貴社の業態(食品、化学品、機械、アパレル、医療機器など)の特性に合わせ、「優先度の付け方」と「根拠資料の型」まで落とし込んだ業種別版に再構成することも可能です。

  1. https://www.usitc.gov/harmonized_tariff_information/frequently_asked_questions
  2. https://www.usitc.gov/press_room/news_release/2025/er0812_67410.htm
  3. https://www.strtrade.com/trade-news-resources/str-trade-report/trade-report/august/next-round-of-htsus-modifications-anticipated-to-take-effect-in-2028
  4. https://www.wcoomd.org/en/media/newsroom/2025/april/hsc-provisionally-adopts-the-recommendation-for-hs-2028-amendments-at-75th-session.aspx
  5. https://www.ecfr.gov/current/title-19/chapter-I/part-177/subpart-A/section-177.2
  6. https://www.law.cornell.edu/cfr/text/19/177.2
  7. https://www.usitc.gov/faq_subsection/definitions_and_classifications
  8. https://www.dhl.com/discover/en-my/faq/customs/shipping-regulations
  9. https://www.federalregister.gov/documents/2023/05/22/2023-10047/revisions-and-confidentiality-determinations-for-data-elements-under-the-greenhouse-gas-reporting
  10. https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2022-06-21/pdf/2022-09660.pdf
  11. https://www.epa.gov/system/files/documents/2023-05/Supplemental%20Proposal%20and%20Preamble%20to%20GHGRP%20June%202022%20Proposal.pdf
  12. https://www.govinfo.gov/link/cfr/19/177?link-type=pdf§ionnum=2&year=mostrecent
  13. https://www.hitachi-automotive.us/Supplier/Handbook/Supplier%20Handbook%20Condensed%2010.13.2021.pdf
  14. https://www.scribd.com/document/920512893/Global-Sourcing-in-the-Textile-and-Apparel-Industry-Jung-Ha-Brookshire-Z-Library
  15. https://www.ecfr.gov/current/title-19/chapter-I/part-177

自動車用センサー群のHS2028切替判断を深掘りする


車載センサーは、いまやクルマの付加価値の中心です。ところが貿易実務の現場では、センサーは関税分類が揺れやすい代表格でもあります 。なぜなら、車両の部品なのか、電気機器なのか、計測機器なのか、あるいは半導体デバイスなのかという境界線上に立ち続けているからです。wcoomd

そして2028年1月1日にHS2028が発効します 。HSの最初の6桁が変われば、輸出入申告、原産地証明、社内マスター、取引先との品目管理まで連鎖的に影響します。特にセンサー群は、分類根拠が曖昧なままだと、切替時に一斉に火を噴きやすい領域です。aeb+1​

この記事では、HS2028で自動車用センサー群の切替判断をどう進めるべきかを、経営・事業・SCM・貿易管理の目線で、実務に落とせる形まで深掘りします。制度の正確性を優先し、確度の高い一次情報に基づいて整理します。

まず押さえるべきHS2028の公式タイムライン

HS2028は、単に「2028年に番号が変わる」という話ではありません。準備の起点は2026年1月です 。wcoomd

世界税関機構(WCO)は、2025年3月の第75回HSC会合でHS2028改正勧告を暫定採択し、2025年12月末に正式採択された後、2026年1月に公表され、2028年1月1日に発効すると明記しています 。aeb+1​

またWCOは、HS2028と現行HS2022の相関表(Correlation Tables)を整備しており、実装のための重要な参照資料になると説明しています 。global-scm+2​

つまり企業側の現実的な勝負どころは、2026年から2027年にかけて、どれだけ分類根拠とマスター整備を詰められるかです。

なぜ自動車用センサーは分類が揺れやすいのか

車両部品扱いにしたくても、HSのルールがそれを許さないケースがある

現場で頻出する誤解は「車に使うのだから車両部品(第87類)でよい」という発想です。ところが、HSは用途だけで決める体系ではありません 。janronconsult

HSのSection XVII(車両等のセクション)のNote 2では、「部品・付属品」として分類されないものを明確に列挙しており、その中に「第85類の電気機器」と「第90類の機器(計測・検査等)」が含まれます 。traide+1​

言い換えると、あるセンサーが第85類や第90類に該当するなら、たとえ車載専用品であっても、原則として車両部品として分類できない構造になっています 。ここが、センサー分類の根本的な難しさです。janronconsult

半導体としてのセンサーという概念が、すでにHSの中に組み込まれている

HS2022では、半導体デバイスの定義の中で「Semiconductor-based sensor(半導体ベースのセンサー)」が定義されています 。圧力、加速度、磁場、光、湿度などの物理・化学量を検知し、電気信号へ変換するもの、という考え方です 。hts.usitc

さらに重要なのは、これらの定義に該当する物品について、見出し8541や8542が他の見出しより優先される、という優先規定が存在する点です 。customsmobile

この構造があるため、同じ「センサー」という呼び名でも、

  • 半導体デバイスとしてのセンサー
  • 計測機器としてのセンサー
  • 電気機器としてのセンサー
  • 車両部品としてのセンサー

に分岐し得ます。HS2028への切替判断は、この分岐を放置したまま相関表だけで置換すると、高確率で破綻します。

切替判断の前提を揃える

HS2028対応は、コードの付け替え作業ではなく、分類根拠の棚卸しです。センサー群では特に、次の2つを先に揃えると後工程が崩れにくくなります。

製品群を「素子」「モジュール」「アセンブリ」で分ける

自動車用センサーと一口に言っても、輸出入される姿が違います。分類が変わるのは、むしろここです。

  • 素子寄り: ダイ、ウェハ、パッケージICに近いもの
  • モジュール寄り: PCB、コネクタ、筐体、補正回路、通信インタフェースを含むもの
  • アセンブリ寄り: ハーネス一体、ブラケット一体、車両の特定機能ユニットに統合されたもの

同じ機能を担うセンサーでも、この姿の違いで候補章が変わることがあり、HS2028の相関表だけでは吸収できません。

技術情報は「分類のための記述」に翻訳して整理する

分類の議論で行き詰まる会社ほど、設計資料があっても分類判断に必要な記述になっていません。最低限、次の項目を製品ごとに揃えると判断速度が上がります。

  • 検知対象(圧力、加速度、光、電磁波など)と検知原理
  • 出力が電気信号なのか、データ通信なのか
  • 内蔵回路の範囲(信号変換のみか、演算・制御まで含むか)
  • 実装形態(半導体チップ、パッケージ、基板実装、筐体一体)
  • 車両以外への転用可能性(専用品か汎用品か)
  • 輸出入時の構成品(付属品、ケーブル、ソフトの扱い)

この翻訳ができると、HSのセクション注・類注の適用可否を論理的に追えるようになります。

自動車用センサー群のHS2028切替判断フレーム

ここからが本題です。HS2028の切替判断を、意思決定と実装の両面で崩れにくい形にします。

ステップ1 現行コードの根拠を分類する

まず、現行HSコードが「なぜそのコードなのか」を4つに分類します。

  • 税関の文書回答や事前教示に基づく
  • 類似品の公的な分類事例に基づく
  • 通関業者や取引先の提示を採用した
  • 社内慣行で決めた

この4つは、HS2028移行時のリスクがまったく違います。特に、後ろ2つは相関表を当てる前に根拠の再構築が必要です。

ステップ2 まず6桁で論点を収束させる

HSは6桁が国際共通の基礎で、各国はその下に細分を付けます。HS2028の改正も、まず6桁のレベルで構造が変わります 。wcoomd

センサー群の切替判断は、いきなり国別の細分(日本の9桁など)から詰めるより、6桁の所属の筋を通した方が早く確実です。ここで重要になるのが、前述のセクション注です 。車両部品に寄せたくても、第85類や第90類に該当するなら排除される可能性があることを先に踏まえます。janronconsult

ステップ3 相関表は「置換表」ではなく「出発点」として使う

WCOはHS2028とHS2022の相関表を整備し、実装の重要な参照資料になるとしています 。wcoomd

ただし、相関表は次を保証しません。

  • 旧分類が正しかったこと
  • 国別の細分がそのまま対応すること
  • 複合品やモジュールの本質的な所属判断

したがって、相関表を当てた後に、センサー群の中でも境界品目だけは必ず再判定の対象に残すのが実務的です。

ステップ4 影響評価は関税だけで終わらせない

ビジネス判断としての切替では、税率だけを見ると失敗します。特に自動車部品はEPA利用比率が高く、原産地規則との整合が利益に直結します。

つまりHS2028切替は、関税率の変更だけでなく、原産地判定ロジックや、協定バージョン管理にも波及します 。global-scm

判断が難しいセンサー群ほど、事前教示を戦略的に使う

センサーは、複合品・新技術・半導体境界の要素が重なりやすく、社内だけで決め切るとブレます。ここで効くのが税関の事前教示です。

日本税関は、輸入前に関税分類と税率を照会し、文書による回答を得られる制度として事前教示を案内しています 。これにより、原価計算や販売計画を立てやすくなり、申告前に税番が固まることで通関が円滑になるとされています 。global-scm

さらに、文書による回答は原則として一定期間尊重されることや、全国の税関で一貫して扱われることなど、実務上の安定性も示されています 。global-scm

HS2028の切替判断では、全品目を事前教示に出す必要はありません。費用対効果が高いのは、次のタイプです。

  • 8708(車両部品)と85類・90類の境界にいるセンサー
  • 素子とモジュールの境界にいる製品(同じ型番でも出荷形態が複数ある)
  • 高関税国向けで、税率差が利益を左右する製品
  • EPA適用可否が案件の採算を左右する製品

経営と現場が合意しやすい「切替判断」の落としどころ

ここまでの話を、意思決定に落とし込みます。ポイントは、分類の正解を当てることより、社内で再現可能な判断基準を作ることです。

切替判断を3層に分ける

センサー群は、製品ごとに確実性が違います。判断を次の3層に分けると、意思決定が進みます。

  • 確定層: 公的根拠があり、HS2028でも相関表で素直に移れる見込みが高い
  • 要検証層: 相関表は引けるが、境界論点が残るため再判定が必要
  • 要外部確定層: 事前教示や主要国の判断を取りに行くべき

この区分があると、2026年に全社的な作業量とコストを見積もれます。

マスターは二重持ちが現実解になりやすい

HS2028の発効日は2028年1月1日です 。輸入申告は原則その時点で最新HSで行う前提になるため、直前での一括更新は危険です 。wcoomd+2​

多くの企業で現実的なのは、

  • 現行HS(運用用)
  • 次期HS(HS2028想定)

をマスターで併存させ、取引・国・時点で使い分けられる設計にすることです。特に、協定ごとにHSバージョンが違う原産地判定では、この設計が後から効いてきます。

2026年からの実務ロードマップ

最後に、企業の動き方を具体化します。WCOの公式スケジュールに合わせると、2026年が準備の起点です 。wcoomd

2026年上期

  • WCO公表のHS2028改正内容を精読し、センサー群の影響範囲を特定
  • 現行分類の根拠を棚卸しし、要検証層と要外部確定層を切り分け
  • 相関表を使った一次マッピングの試作を開始(暫定)

2026年下期から2027年

  • 境界品目の再判定と、社内分類基準の文書化
  • 必要品目は事前教示の取得を進める(特に高関税国、EPA重要品)
  • ERP、PLM、貿易システム、顧客提出書類の二重コード運用を設計

2027年下期から2028年直前

  • 国別細分の確定版への置換、最終テスト
  • 取引先との品目マスター突合、インボイス記載やEDI影響の最終確認
  • 発効日に合わせて運用切替

まとめ

自動車用センサー群のHS2028切替判断で一番危険なのは、相関表で機械的に置き換え、現行の分類根拠の弱さをそのまま引き継ぐことです。センサーは、第87類の車両部品に見えても、第85類や第90類に該当すれば部品扱いが排除され得るという、HSの構造的な難しさを抱えています 。janronconsult

一方で、タイムラインは明確です。2026年1月に改正勧告が公表され、2028年1月1日に発効します 。aeb+1​

この2年の間に、センサー群を素子・モジュール・アセンブリで棚卸しし、根拠の強い分類に再構築し、必要なものは事前教示で確定させ、マスターとシステムを二重運用に耐える形へ整備する。これが、経営にとっても現場にとっても、最も損失が出にくい切替判断になります。


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  2. https://www.aeb.com/en/magazine/articles/hs-code-2028.php
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  4. https://transx.com/wco-issues-correlation-tables-for-the-2022-harmonized-system-changes/
  5. https://www.wcoomd.org/en/topics/nomenclature/instrument-and-tools/hs-nomenclature-2022-edition/correlation-tables-hs-2017-2022.aspx
  6. https://www.janronconsult.com/analysis-of-section-xvii-of-the-hs-nomenclature/
  7. https://traide.ai/en/blog/customs-tariff-and-vehicle-parts-how-to-classify-them
  8. https://hts.usitc.gov/search?query=8542
  9. https://www.customsmobile.com/rulings/docview?doc_id=NY+N020350&highlight=NY+N020350
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  11. https://www.tarifftel.com/blog/hs-2028-your-guide-to-the-next-harmonised-system-update/
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  13. https://www.youtube.com/watch?v=1tMy0_mKtR4
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  17. https://www.customs.go.jp/kyotsu/yogosyu.htm
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  19. https://www.jetro.go.jp/world/qa/J-150902.html

HS2028と半導体分類の前提


半導体は、関税・原産地・輸出入規制・統計・契約条件まで巻き込んでビジネスを動かす中核品目です。 その土台となるのが、HSコードを中心とした品目分類であり、2028年1月1日に次期版HS(通称HS2028)が発効します。wcoomd+1​

WCOの公表では、HS2028に向けた改正パッケージは「299セットの改正」としてHS委員会(HSC)で暫定採択され、2025年末のWCO理事会(Council)での正式採択を経て、2026年1月に公表され、2028年1月1日に発効するタイムラインが示されています。 HS改正は単なる「コード表の更新」ではなく、発効日をまたぐ取引、在庫、長期契約、サプライチェーン全体のデータ連携に一斉に影響します。global-scm+2​


なぜERP対応が重くなるのか

WCOは、HS改正の実装には「事実上約2年半」の準備期間が必要であると整理しており、その中に相関表(Correlation Tables)の整備、解説書改正、各国の関税率表・関連法令改正、システム更新を含めています。 企業側では、ERPや関連システムのマスタ更新・インターフェース改修・周辺業務の見直しが、このスケジュールに乗って進むことになります。wcoomd+1​

つまりHS改正は、貿易実務だけでなく「データとシステムの大規模改修」を前提にした国際ルールであり、その中核にERPが位置します。youtube​


HS2028で半導体が注目される理由

WCOや各国解説によれば、HS2028改正は新技術や貿易実態の変化への対応を目的としており、その改正議題の一つとして半導体および半導体ベースのトランスデューサー(一般に各種センサー類を含む)が明示されています。 このため、半導体は「たまたま変わるかもしれない品目」ではなく、「改正射程に入っている品目」と位置づけられます。global-scm+1​

半導体とその周辺(センサー、モジュール、基板、製造装置、材料)は、次の広い領域に直結します。global-scm+1​

  • 関税とコスト:HSコードは関税率、追加関税、免税措置の起点であり、特に地政学的に政策が動きやすい分野ほど分類精度がコストに直結する。
  • 原産地判定とFTA/EPA:品目別規則(PSR)はHSコードに紐づくのが一般的であり、版が変わると参照関係や運用が揺れる。
  • 輸出入申告とリードタイム:差戻しや照会は出荷遅延や違約リスクにつながる。
  • 統計・KPI・管理会計:HSコードは通関統計だけでなく社内品目体系にも使われるため、分類変更は前年対比やカテゴリ別粗利の見え方を変える。

半導体分類が難しい理由

8541と8542を軸とする体系

現行HS2022では、半導体デバイスは8541、電子集積回路は8542が分類の中心です。tsukanshi+1​

  • 8541:半導体デバイス(ダイオード、トランジスタ、半導体ベースの変換器=トランスデューサー等)kanzei+1​
  • 8541.51:半導体ベースの変換器(semiconductor-based transducers)dutyskip+1​
  • 8542:電子集積回路(プロセッサ・コントローラ、メモリ、アンプ、その他、などの6桁区分)deepbeez

このように、半導体は「とりあえず電子部品」で片付ける領域ではなく、国際的に細かい切り分けが前提の領域です。tsukanshi

境界線で起きやすい3つの論点

半導体分類で揉めやすいポイントは、そのままERPマスタ設計上の事故ポイントと重なります。global-scm

  • 単体デバイスか、集積回路か、モジュールか
    同じ「チップ」に見えても、ウェハ、ダイ、パッケージ、マルチチップ、モジュール化などで扱いが変わります。 これに合わせて過去の改正や注釈が見直されてきました。global-scm
  • トランスデューサー(センサー)なのか、測定機器なのか
    素子単体か、ハウジングや補正回路を含むか、表示や制御機能を持つかで、8541系・90類等との境界が変わります。 ERP上で「品目名」と「型番」だけでは、こうした属性差が情報として落ちてしまい、後で分類根拠を再構成できません。deepbeez+2​
  • 部品か、特定機器の部分品か
    多用途な半導体は、機器側の部品として見たくなる一方で、注釈上は半導体側の番号を優先する考え方が採られる例があります。 このため、どの属性に基づいて分類したかをERP内で残せる設計が必須になります。deepbeez+1​

ERP設計の中核思想

HS2028対応を「HSコードの置換作業」として捉えると失敗しやすく、「分類データの版管理プロジェクト」として設計する必要があります。 半導体分類のHS2028対応において、ERPに求められる設計思想は次の4点です。global-scm+2​

設計思想1:HSコードを「値」ではなく「版付きデータ」として持つ

ERPの品目マスタにHSコード欄が1つだけ、という設計はリスクが高く、少なくとも以下を持たせる必要があります。global-scm

  • HS版(例:HS2022、HS2028)を明示するフィールド
  • 有効開始日・有効終了日
  • 判定根拠(社内判断メモ、仕様書リンク、事前教示・裁決、通関士見解など)を紐づける仕組み

HS2028は2028年1月1日発効であり、発効日前後にまたがる出荷・輸入は必ず発生します。 日付で切り替えられない設計は、現場を破綻させます。wcoomd+1​

設計思想2:グローバル6桁と国別拡張桁を分離する

HSは6桁が国際共通で、その下の桁は各国が独自に拡張します。 ERPでは、グローバル6桁と国別桁を論理的に分離した方が安定します。tarifftel+1​
推奨される持ち方の例:

  • グローバルHS6桁(全社共通キー)
  • 国別品目番号(各国の追加桁、必要な国だけ)
  • 取引条件別例外(委託加工、キット、サンプル等)の管理テーブル

こうしておくと、HS2028で6桁が動く場合でも、国別追加桁・国内制度変更を切り離して管理できます。global-scm

設計思想3:品目属性を「分類可能な粒度」で持つ

半導体分類で効いてくる属性は、型番だけでは表現できません。 最低限、次のような属性をERP内で保持する必要があります。global-scm+1​

  • 形態:ウェハ、ダイ、パッケージ、モジュール、基板実装品
  • 種別:半導体デバイス、半導体ベースのトランスデューサー、電子集積回路、部分品
  • 構成:単体、マルチチップ、複合化(マルチコンポーネント等)
  • 機能カテゴリ:プロセッサ・コントローラ、メモリ、アンプ等(8542の区分に対応)

設計思想4:分類変更を「ワークフロー」として扱う

Excelマッピングで置換して終わらせ、登録ルールや承認フローを変えないのが、HS改正対応で最も危険なパターンです。global-scm

  • 誰が、いつ、どの根拠で、どの版のHSコードに変更したか
    を、ERP内の承認フローとログで追える状態にする必要があります。 分類は監査対象であり、「説明可能性」がガバナンスの中核となります。global-scm

HS2028に向けたERP実装ステップ

HS2028改正に対して半導体関連企業が現実的に動くためのステップを、業務成果物ベースで整理します。global-scm

ステップ1:影響範囲の確定

成果物:対象品目リスト、リスク優先度、責任部門の割当。global-scm

  • 自社品目を、半導体関連の観点でセグメント(ディスクリート、IC、センサー素子、モジュール、基板実装品、部分品、試作品等)。
  • 売上・調達額、国別取引量、関税影響、監査リスクを軸に優先度を付与。

半導体は品番数が多いため、全品目を同じ熱量で扱うと破綻します。リスクベースで切るのが現実的です。global-scm

ステップ2:ERPデータモデル改修

成果物:マスタ項目設計、版管理設計、入出力IF仕様。global-scm
必須要件:

  • HS版と有効日管理
  • 国別コードの分離
  • 根拠資料リンク・分類メモ・承認フロー
  • 申告システム、通関業者、物流EDIとの連携項目の整合

ステップ3:HS2022→HS2028マッピング設計

成果物:マッピングルール、例外判断基準、再判定フロー。global-scm

  • WCO相関表に基づく自動変換範囲を定義(一対一は自動、分岐は再判定へ)。global-scm
  • 再判定に必要な技術情報の収集ルート(設計、品質、サプライヤー)を整備。半導体は「データがない」ことが最大のボトルネックになりやすい領域です。global-scm

ステップ4:周辺業務への波及対応

成果物:業務手順書改定、教育資料、統制ポイント設計。global-scm
見落とされやすい連鎖:

  • 原産地判定ロジック(PSR参照、社内原産地計算)
  • 価格条件(関税転嫁条項、DPP・見積ロジック)
  • 出荷停止ルール(HS未設定・承認未了・例外コード)
  • 監査対応(説明責任を果たせる資料保管)

ステップ5:テストと切替計画

成果物:移行手順、発効日跨ぎテスト、例外取引テスト。global-scm
半導体企業で必須となるテスト例:

  • 2027年末受注・2028年初出荷
  • 2027年末輸入・2028年以降補正申告
  • 返品・無償交換・サンプル・修理逆流
  • 同一品目の複数国出荷(国別桁の相違)

ステップ6:運用定着

成果物:分類ガバナンス、定期棚卸、モニタリング指標。global-scm

  • 分類変更の窓口を一本化。
  • 仕様変更・製造委託先変更・梱包形態変更など、変更検知の仕組みを整備。
  • 申告差戻し率、分類照会件数、監査指摘件数をKPI化。

よくある失敗パターンと回避策

  • 失敗1:HSコード欄だけ差し替えて終わる
    回避策:有効日・版・根拠・承認の4点セットでデータモデルを設計し、まずERP内の「データの姿」を変える。global-scm
  • 失敗2:センサーやモジュールを一括で同じ分類に寄せる
    回避策:形態と機能を属性として持ち、分類判断の再現性を確保する。半導体は同一カテゴリに見えて境界論点が多い領域です。global-scm
  • 失敗3:国別実装差を無視してグローバル統一を強行する
    回避策:グローバル6桁と国別桁を分離し、国別例外を許容する設計にする。tarifftel+1​
  • 失敗4:発効日を跨ぐ取引の例外処理が決まっていない
    回避策:受注日、出荷日、輸入申告日、インボイス日など、どの日付でHSを確定するかを業務ルールとして明文化し、システム参照日付を統一する。global-scm

経営層に伝えるべきポイント

HS2028対応は貿易部門だけのテーマではなく、半導体・センサー領域では分類が政策と市場の両方に直結しやすいため、ERP全体に影響が及びます。 WCOの議論やEU文書でも、改正対象例として半導体・トランスデューサーが挙げられており、今後の相関表や各国実装で具体的なコード変更が明らかになります。global-scm+2​

だからこそ、HS2028対応を「一度きりの置換作業」と見るのではなく、「分類データを版管理し、説明可能な形で維持できる企業体質への転換」として位置づける方が、投資対効果は高くなります。global-scm+1​


本稿の要点整理

  • HS2028は2028年1月1日発効、2026年1月公表のスケジュールで進んでいる。wcoomd
  • HS2028勧告パッケージは299セットの改正から成り、半導体ベースのトランスデューサーを含む半導体・センサー領域が改正議題に含まれている。global-scm
  • 半導体は8541・8542を軸に国際的に細分化されており、トランスデューサーやIC区分など、ERPで属性を持たないと分類根拠を再現できない領域である。kanzei+2​
  • ERP対応の核心は、HSコードを「版・有効日・根拠付きのデータ」として管理し、グローバル6桁と国別桁を分離し、分類変更をワークフロー化する設計にある。global-scm+1​
  1. https://global-scm.com/blog/?p=3807
  2. https://www.wcoomd.org/en/media/newsroom/2025/april/hsc-provisionally-adopts-the-recommendation-for-hs-2028-amendments-at-75th-session.aspx
  3. https://global-scm.com/blog/?p=3325
  4. https://www.wcoomd.org/-/media/wco/public/global/pdf/topics/nomenclature/activities-and-programmes/exploratory-study-on-a-possible-strategic-review-of-the-hs/final-report-of-the-hs-exploratory-study-2024-english.pdf?db=web
  5. https://www.youtube.com/watch?v=1tMy0_mKtR4
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  7. https://global-scm.com/hscf/archives/34
  8. https://tsukanshi.com/hscode/code/14416/
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  12. https://www.tarifftel.com/blog/hs-2028-your-guide-to-the-next-harmonised-system-update/
  13. https://global-scm.com/hscf/archives/477
  14. https://www.youtube.com/watch?v=Mtvc5-iCCeM
  15. https://global-scm.com/hscf/