HS2022 第6類:生きている樹木その他の植物並びに球根、根その他これらに類するもの;切花及び装飾用の葉(Live trees and other plants; bulbs, roots and the like; cut flowers and ornamental foliage)

用語は次で統一します:類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)

0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)

  • この類に入る代表例(3〜6個):
    • 園芸用の球根・塊根など(例:チューリップ球根、ユリ球根、ダリア塊根)→ 0601(球根等)
    • 苗木・苗(例:果樹苗、バラ苗、ツツジ苗、野菜苗)→ 0602(その他の生きている植物)
    • きのこ種菌(mushroom spawn)→ 0602(明示あり)
    • 切花・花芽(例:バラ、カーネーション、ラン、菊、ユリ)→ 0603
    • 装飾用の枝葉・苔など(例:ブーケ用の葉物、モミ枝、装飾用の苔)→ 0604
    • 花束・リース等(付属リボン等があっても一定条件で0603/0604に含めて扱う)
  • この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
    • じゃがいも(種いも含む)、たまねぎ、にんにく等の第7類の品目(「植え付け用」でも第6類にしない、が重要)
    • 種子(播種用の種=第12類 1209が典型)※苗(0602)と混同しがち
    • 造花・人工の装飾花材(例:プラスチック花)→ 第67類(6702など)※「生花っぽい」名称で誤りやすい
    • コラージュ等の装飾板(植物を貼り付けた装飾プラーク等)→ 9701(注で除外)
  • 実務での最重要分岐(1〜3個):
    1. 生きている(苗・鉢植え・球根)か/切花・枝葉か(0601/0602 vs 0603/0604)
    2. 「園芸・植栽・装飾」用途の植物として流通するものか、それとも**第7類の野菜・根菜(種いも等)**か(類注で明確に線引き)
    3. 花束・リース等の“付属品(リボン・ワイヤ等)”が本体を変えるか(注とGIRで判断)
  • (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
    • 植物検疫(輸入・輸出):苗・球根・切り花等は検疫対象になりやすく、証明書や検査が絡むため、遅延・廃棄リスクが実務コストに直結します。
    • ワシントン条約(CITES):ラン・サボテン等は許可証がないと持込み不可例が示されており、差止・没収リスクがあります。

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)

1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)

  • この類で特に効くGIR(例:GIR1/GIR6など)を、ビジネスマン向けに説明
    • GIR1:まずは「見出し(Heading)の文言」と「部注・類注」で決めます。第6類は、類注で「含む/含まない」が比較的はっきり書かれているため、品名より注の確認が最優先です。
    • GIR6:6桁(号)は、同一項内で同じレベルの号同士を比べて決めます(例:0603の中で「生鮮のバラ」か「その他の生鮮」か、など)。
    • GIR3(b):花束・リース、鉢+装飾など、複数要素があるときは「本質的な特性(essential character)」で決める場面があります。
    • GIR5(b):通常の梱包(紙巻き・ラッピング等)は原則として中身と一緒に分類されますが、**反復使用できる容器(花瓶など)**は別扱いになり得ます。
  • 「品名だけで決めない」ための観点(用途、材質、状態、加工度など)
    • 状態:生きている(発根している/鉢植え/休眠球根)か、切ってある(切花/枝葉)か。
    • 部位:花(花芽)か、花のない葉・枝か(0603と0604の核心)。
    • 用途・取引実態:「苗・園芸用品として流通」か「食用の野菜・根菜として流通」か(第7類との境界)。
    • 付属品:リボン・ワイヤ・籠などが「付属品の範囲」か、それ自体が商品の本体か(注とGIRで調整)。

1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)

  • Step1:それは**植物(または植物の部分)**ですか?
    • 造花・人工物なら第67類(例:6702)側をまず疑います。
  • Step2:生きている(苗・鉢植え・球根・穂木等)ですか?
    • Yes → 0601(球根等) or 0602(その他の生きている植物)へ。
    • No(切ってある)→ Step3へ。
  • Step3:切ってあるものは**花(花芽)**ですか、花のない枝葉・苔等ですか?
    • 花(花芽)→ 0603。
    • 花がない枝葉・草・苔・地衣類等(装飾用)→ 0604。
  • Step4:**第7類の除外(じゃがいも・たまねぎ・にんにく等)**に当たりませんか?
    • 「植え付け用」でも、第6類に入らない代表例が明示されています(ここで落とし穴が多い)。
  • Step5:花束・リース等の場合、付属品の範囲か、別の「物品(例:再使用できる花瓶、装飾板)」が本体かを確認
    • 注の考え方(付属品は“無視”できることがある)+GIRで整理します。
  • よく迷う境界(例:第○類と第○類の境界):
    • 第6類 vs 第7類:苗(0602)と、じゃがいも・たまねぎ等(第7類)の「植え付け用」を混同。
    • 0603 vs 0604:花が入るかどうか(混在するとGIR3)。
    • 自然物(0603/0604) vs 造花(67類):素材が天然植物か人工材料か。

2. 主な項(4桁)とその内容

2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)

  • 原則:第6類は4桁見出しが少ないため全列挙します(0601〜0604)。
項番号(4桁)見出しの要旨(日本語)典型例(製品名)重要な分岐条件/除外/注意点
0601球根・塊茎・塊根・球茎・クラウン・根茎(休眠/生育・開花中)+チコリーの植物・根(1212の根を除く)チューリップ球根、ユリ球根、ダリア塊根、球根の寄せ植え材料休眠か/生育・開花中かで6桁が分かれます。食用の根菜との混同に注意。
0602その他の生きている植物(根付き含む)、挿し穂、挿し木、きのこ種菌果樹苗、バラ苗、ツツジ苗、野菜苗、穂木、きのこ種菌**“苗として流通する生植物”**が中心。第7類の除外(じゃがいも・たまねぎ等)を類注で確認。
0603切花・花芽(花束/装飾用に適するもの:生鮮〜乾燥・染色等)バラの切花、カーネーション、ラン、菊、ユリ、切花セット**花(花芽)**がある→0603。花束・籠・リースも一定条件で含む(注)。
0604花のない枝葉等、草、苔、地衣類(花束/装飾用に適するもの:生鮮〜乾燥・染色等)葉物(ユーカリ等)、モミ枝、シダ、装飾用苔花(花芽)がないこと、かつ装飾用に適する取引実態が鍵。

2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)

  • 分岐条件の整理(この類で頻出)
    • 0601(球根等)
      • 0601.10(休眠)/0601.20(生育中・開花中、チコリーの植物・根を含む)
    • 0602(生きている植物)
      • 0602.10(未発根の挿し穂・挿し木)
      • 0602.20(果樹・ナッツの樹木等)
      • 0602.30(ツツジ・シャクナゲ)
      • 0602.40(バラ)
      • 0602.90(その他)
    • 0603(切花)
      • 生鮮の内訳(バラ/カーネーション/ラン/菊/ユリ/その他)+ 0603.90(その他=生鮮以外)
    • 0604(枝葉等)
      • 0604.20(生鮮)/0604.90(その他)
  • 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
    1. 第6類(苗・球根) vs 第7類(じゃがいも・たまねぎ等)
      • どこで分かれるか:**類注で「第7類の品目(potatoes, onions, shallots, garlic等)は除く」**が明示される点。
      • 判断に必要な情報:
        • 品目の特定(一般名+できれば学名)
        • 形状(種いも=塊茎そのもの、等)
        • 取引実態(園芸苗としての流通か、野菜としての流通か)
      • 典型的な誤り:「植え付け用」=第6類と短絡し、種いも等を第6類にしてしまう。
    2. 0602(苗) vs 1209(種子)
      • どこで分かれるか:“生きている植物(苗、挿し木、穂木)”か、“種子”か
      • 判断に必要な情報:
        • 出荷形態(発芽済み苗/プラグ苗/種子袋)
        • 発根の有無(未発根の挿し穂は0602.10)
      • 典型的な誤り:品名が「○○シードリング(seedling)」でも、実際は種子(1209)だった、など。
    3. 0603(花・花芽) vs 0604(花のない枝葉等)
      • どこで分かれるか:花(花芽)が含まれるか
      • 判断に必要な情報:
        • 写真(全体・接写)
        • セット内容(花材明細、束の構成)
      • 典型的な誤り:見た目が「グリーン中心」でも、少量の花が入っていて0603寄りになる可能性を見落とす(混在はGIR3検討)。
    4. 花束・リース(0603/0604) vs “別の物品が主”になるケース
      • どこで分かれるか:注では花束・籠・リース等を含め得る一方、コラージュ等の装飾板は除外とされます。また容器が反復使用できる場合はGIR5の影響が出ます。
      • 判断に必要な情報:
        • 付属品の材質・価値・役割(花瓶、木板、フレーム等)
        • 「使い捨ての梱包」か「反復使用の容器」か
      • 典型的な誤り:花束+花瓶を一律に0603扱い(実際は“セット”で判定が必要)。
    5. 0602(きのこ種菌) vs 第7類(食用きのこ)
      • どこで分かれるか:**栽培用の種菌(spawn)**か、**食用のきのこ(青果扱い)**か。0602にspawnが明示されています。
      • 判断に必要な情報:
        • 商品仕様(菌糸体、培地付、食用部分の有無)
        • 用途(栽培用か食用か)
      • 典型的な誤り:英文品名“Mushroom”だけで食用と誤認/逆にspawnを青果側に寄せる。

3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)

3-1. 関連する部注(Section Notes)

  • ポイント要約:
    • 第6類は**第II部(VEGETABLE PRODUCTS)**に属し、この部には「pellets(ペレット)」の定義が置かれています(圧縮等で凝集し、結合剤が一定割合以内等)。
  • 実務での意味(具体例つき):
    • 第6類そのものはペレット形態になりにくいですが、**同じ第II部の他章(例:飼料・植物性原料等)**では、粉体→ペレット化で品目解釈が絡むことがあります。
  • “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
    • 第6類では頻度は低いものの、「植物性の加工品」側へ寄る場合は第II部内で章移動が起きやすい、という理解でOKです。

3-2. この類の類注(Chapter Notes)

  • ポイント要約:
    • 第6類は基本的に**「園芸・植栽・装飾用途として流通する生植物・切花・装飾用枝葉」**が対象です。加えて「野菜苗(seedling vegetables)」も含み得ます。
    • ただし、類注で第7類の代表品(じゃがいも、たまねぎ、エシャロット、にんにく等)を除外する旨が明確に書かれています。
    • 0603/0604は、花束・籠・リース等を(付属品は度外視して)含む一方、コラージュ等の装飾板(9701)は除外されます。
  • 用語定義(定義がある場合):
    • ここでいう「花束・籠・リース等」は、0603/0604の植物材料からなるものを想定し、付属品(例:リボン、ワイヤ等)を“本体の分類に影響しないもの”として扱う趣旨です(ただしGIR5との整合が必要)。
  • 除外規定(除外先の類・項も明記):
    • 第7類(野菜・根菜):じゃがいも、たまねぎ、にんにく等。
    • 9701:コラージュ等の装飾板。

4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)

この章は「類注があるからこそ起きる分岐」を可視化することが目的です。

  • 影響ポイント1:「苗(第6類)なのか、野菜(第7類)なのか」問題
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 商品の正体(一般名・学名)
      • 出荷形態(苗、球根、塊茎、球、根)
      • 用途表示(植栽用/食用)+取引実態(園芸資材として売られているか)
    • 現場で集める証憑:
      • 仕様書(学名、品種)
      • 写真(サイズ、形状)
      • カタログ(園芸用か食用かの表示)
      • インボイスの品名(“seed potato” “onion set” 等の表現に注意)
    • 誤分類の典型:
      • 「植え付け用だから第6類」として、類注の除外対象(じゃがいも等)を0601/0602にしてしまう。
  • 影響ポイント2:花束・リース等の“付属品は無視できる”の範囲
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 付属品が「付属(accessories)」と言えるか、反復使用の容器・台座か
      • セットの価格構成(花材 vs 容器・装飾品)
      • 形態(台紙に固定、額装、板に貼付=9701の可能性)
    • 現場で集める証憑:
      • 商品写真(全体、裏面、固定方法)
      • 構成明細(花材・籠・リボン・花瓶など)
      • 商品説明(再使用容器かどうか)
    • 誤分類の典型:
      • 花束+再使用できる花瓶を、付属品と誤認して0603のまま申告(GIR5の検討漏れ)。
      • 植物を貼り付けた装飾板を0603/0604で申告(注で9701除外)。

5. 分類でよくある間違い(原因→対策)

  1. 間違い:種いも(じゃがいも)を0601/0602で申告
    • なぜ起きる:品名に「種」「植え付け用」が入ると、園芸資材と誤解しやすい。
    • 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):第6類の類注で、じゃがいも等は第7類とする趣旨が明示されています。
    • 予防策:
      • インボイスに「seed potato」「tuber」等がある場合は、第7類の可能性を必ず再点検
      • 写真・仕様書で「塊茎そのもの」か確認
  2. 間違い:野菜苗(トマト苗等)を一律に第7類としてしまう
    • なぜ起きる:「野菜=第7類」という思い込み。
    • 正しい考え方:第6類の類注は「seedling vegetables(野菜苗)」を含み得る前提で書かれています(ただし、じゃがいも等の除外は別途あり)。
    • 予防策:
      • 「苗(live plant)」として流通しているか(プラグ苗等)を確認
      • 除外対象(potatoes, onions, shallots, garlic等)に当たらないかを確認
  3. 間違い:種子(播種用)を0602(苗)にしてしまう
    • なぜ起きる:英文“seedling/seed”の混同、または見積段階の情報不足。
    • 正しい考え方:0602は「生きている植物(根付き含む)・挿し穂等」。種子は別章(第12類1209が典型)。
    • 予防策:
      • 形態(袋入り種子/発芽済み苗)を写真で確認
      • 仕様書に「発根の有無」「苗齢」を記載させる
  4. 間違い:切花(0603)と枝葉(0604)の取り違え
    • なぜ起きる:商品名が「グリーン」「フラワーアレンジ」等で曖昧。
    • 正しい考え方:花(花芽)があれば0603、花がなく枝葉等なら0604が基本です。
    • 予防策:
      • 花材明細(何が入っているか)と写真を必須化
      • 混在ならGIR3(本質的特性)で判断する運用ルールを社内に置く
  5. 間違い:花束・リースの付属品を過大評価/過小評価
    • なぜ起きる:注の「付属品は度外視」の理解が極端になりがち。
    • 正しい考え方:注は「花束・籠・リース等を含む」方向の整理ですが、GIR5で“反復使用容器”は別扱いになり得ます。
    • 予防策:
      • 付属品の材質・用途(使い捨てか再使用か)を確認
      • 価格構成(花材と容器の比率)を把握
  6. 間違い:コラージュ(装飾板)を0603/0604で申告
    • なぜ起きる:「植物でできているから第6類」という短絡。
    • 正しい考え方:注で9701のコラージュ等を除外しています。
    • 予防策:
      • “板・額・フレームに固定されているか”を写真で確認
      • 商品説明に「wall décor」「plaque」等があれば要注意
  7. 間違い:きのこ種菌(spawn)を食用きのこ扱いで青果側へ
    • なぜ起きる:品名が“Mushroom”だけで、栽培用か食用か不明。
    • 正しい考え方:0602にmushroom spawnが明示されています(栽培用の種菌は0602側)。
    • 予防策:
      • 用途(栽培用)・形態(培地付菌糸体等)を仕様書に明記
  8. 間違い:ラン・サボテン等でCITES/植物検疫の確認漏れ
    • なぜ起きる:HS分類だけで手続きが完了すると誤認。
    • 正しい考え方:日本では植物検疫が広く適用され、証明書・検査が必要な場面がある。さらにラン・サボテン等はCITESで許可が必要になり得ます。
    • 予防策:
      • 取引開始前に「輸入条件DB」「植物防疫所」照会、学名の確定
      • CITES該当性(Appendix)と許可の要否を確認

6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点

6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係

  • HSの付番がPSR選択に直結すること(誤ると原産性判断が崩れる)
    • 多くの協定では、PSR(品目別規則)がHSコードに紐づきます。まず**最終製品のHS(少なくとも6桁)**を確定し、そのHSに対応するPSRで検証するのが基本です。
  • よくある落とし穴(材料のHS、最終製品HS、工程の評価軸)
    • 花束・寄せ植えなど複合品は、HSがブレるとPSRもブレます(CTC型/付加価値型/加工工程型など)。
    • 第6類は「栽培・育成(wholly obtainedに近い判断)」が絡む一方、輸入苗を国内で短期保管して再輸出などは原産性が取りにくいことがあります(一般論)。

6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)

  • 「当該協定が参照するHS版(例:HS2012参照 等)」を明記
    • 例:EPA相談デスクの整理では、CPTPPはHS2012、日EU・EPAはHS2017、RCEPはHS2022等、協定により参照版が異なるとされています。
  • 協定本文・運用が参照するHS版がHS2022とズレる場合の注意
    • HS版が違うと、同じ製品でもPSR表のコード体系が一致しないことがあります。輸出先・協定別に「参照HS版」を先に確認するのが安全です。
  • トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論)
    • 協定がHS2012参照でも、税関実務・申告はHS2022で動くケースがあり得ます。その場合、**旧HS→新HSの対応(相関表)**を使って読み替えます(ただし最終判断は各当局運用)。

6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)

  • 材料表(BOM)、原価、工程、原産国、非原産材料のHS、RVC計算の前提
    • 第6類は製造業ほどBOMが重くないことも多いですが、少なくとも以下は揃えるとブレが減ります:
      • 生産地・栽培記録(どこで育成/収穫したか)
      • 輸入苗・球根の原産国と仕入書類
      • 花束等の構成材料(花材ごとの原産国・HS)
  • 証明書類・保存要件(一般論)
    • 協定ごとに保存年限等が異なるため、社内で「協定別フォルダ」を作るのが実務的です。

7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)

7-1. 変更点サマリー(必須:表)

比較(例:HS2017→HS2022)変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更)該当コード変更の要旨実務への影響
HS2017→HS2022変更なし(第6類の範囲・号立て)0601〜0604第6類の類注(2本)と、0601〜0604の6桁構成は同一内容のまま分類実務は原則継続。ただしEPA/FTAは参照HS版が別途あるため、協定側のHS版確認は必須

7-2. 「違うことになった根拠」(必須)

  • 参照した根拠資料(相関表、WCO条文、各国税関の解説、協定付属書など)を列挙し、
    “どの資料のどの情報に基づき、何が変わったと判断したか”を文章で説明します。
  • 本回答では、WCOが公開しているHS2017の第6類テキストHS2022の第6類テキストを見比べ、(1)類注2本の文言、(2)0601〜0604の見出し文言、(3)各項の6桁(号)列挙が一致していることから、HS2017→HS2022で第6類に「構造変更(新設/削除/分割/統合等)」がないと整理しました。
  • なお、WCOの相関表は「実装支援のガイド」であり法的地位を持たない旨が明記されています(参考情報)。

8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード

  • HS2007→2012→2017→2022の流れで、主要な追加・削除・再編を表で整理(可能な範囲)
    • 第6類は4桁(0601〜0604)という骨格は長期的に安定していますが、6桁(号)レベルでは再編があったことが確認できます(例:0604の号構成、0603のユリ区分)。
版の流れ主な追加・削除・再編(6桁中心)旧コード → 新コード(目安)コメント
HS2007 → HS20120603(切花)の「ユリ」を独立区分(0603.15)として明示(HS2007では“その他”側に含まれていた構成)0603.19(Other fresh)→(一部が)0603.15(Lilies)“その他”の一部が再配分されたと読むのが自然ですが、厳密な境界は相関表・当局運用で確認が安全です。
HS2007 → HS20120604(装飾用枝葉等)の号が、HS2007の「苔・地衣類(0604.10)+その他(0604.91/0604.99)」型から、HS2012以降の「生鮮(0604.20)/その他(0604.90)」に再編0604.91(Fresh)→ 0604.20(Fresh)/0604.10・0604.99 → 0604.90(Other)号の切り方が「品目群別」→「生鮮/その他」に整理された形です。
HS2012 → HS2017大きな変更なし(第6類テキスト一致)類注・号立てが同一。
HS2017 → HS2022大きな変更なし(第6類テキスト一致)類注・号立てが同一。

9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)

  • 事例名(短く):「植え付け用種いも」を第6類で申告してしまう
    • 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):第6類の類注で第7類の品目(じゃがいも等)を除外する趣旨に反する。
    • 起きやすい状況:インボイス品名が “seed potato / planting” で、園芸品として処理してしまう。
    • 典型的な影響:修正申告、差額関税・加算税、検査強化、リードタイム悪化(一般論)。
    • 予防策:品目の同定(学名/写真)、第7類の可能性チェック、事前教示の活用。
  • 事例名(短く):花束を「装飾板(plaque)」に固定した商品を0603/0604で申告
    • 誤りの内容:0603/0604の注で、コラージュ等の装飾板(9701)を除外している趣旨に抵触。
    • 起きやすい状況:EC向け壁飾り(植物素材+木板/額)を「花材」とだけ説明してしまう。
    • 典型的な影響:分類変更、通関保留、追加資料要求(一般論)。
    • 予防策:固定方法・台座の有無を写真で提示、商品説明を正確に。
  • 事例名(短く):リースの付属品(花瓶・器)を“付属品”と誤認
    • 誤りの内容:注の「付属品は度外視」の趣旨はあるが、GIR5で反復使用容器は別扱いになり得る点を無視。
    • 起きやすい状況:フラワーアレンジ(器付き)のギフト商品。
    • 典型的な影響:分類再検討、追加資料要求、申告修正(一般論)。
    • 予防策:器の再使用性、価格比率、セット性(小売向けセット)を整理して説明。
  • 事例名(短く):花(花芽)入りの装飾枝葉を0604で申告
    • 誤りの内容:0604は「花または花芽のない」枝葉等が前提。花が入ると0603寄り、またはGIR3で本質的特性判断が必要。
    • 起きやすい状況:「グリーン中心」の混合束で、花が少量だけ混ざる。
    • 典型的な影響:再分類、検査・照会(一般論)。
    • 予防策:花材明細の提出、写真、構成比の説明。

10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)

  • 日本前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
  • 検疫・衛生(SPS等)
    • 植物検疫(植物防疫所):輸入植物検疫の対象は「苗、穂木、球根、種子などの栽培用植物」だけでなく「切り花」等も含む、とされています(=第6類の品目が広く該当し得ます)。
    • 検査証明書(Phytosanitary certificate):海外から植物を日本に持ち込む場合、輸出国政府機関が発行する検査証明書を添付して輸入検査を受ける必要がある、証明書がない場合は廃棄処分となり得る旨が案内されています(例外あり)。
    • 実務上のポイント:
      • 通関スケジュールに「植物検疫のリードタイム」を織り込む
      • インボイス品名を具体化(一般名+学名が望ましい)
      • 仕向地国への輸出でも、相手国側の植物検疫要件(輸出検査・証明書)を要確認
  • ワシントン条約(CITES)等の種規制
    • 日本税関の案内では、許可証がないと持込みできない典型例として「Orchid(ラン)」「Cactus(サボテン)」が挙げられています。
    • 経産省(METI)はCITESの目的(野生動植物の国際取引が存続を脅かさないようにする)や附属書(Appendices)の考え方を説明しています。
    • 植物防疫所の輸出FAQでも、サボテン・ランの一部種はCITESで輸出入が禁止/制限される旨に触れています。
  • 安全保障貿易管理(該当する場合)
    • 第6類は通常、安保輸出管理の中心品目ではありませんが、最終用途・仕向地等で別途規制がかかる可能性はゼロではないため、社内の輸出管理フローに従って確認してください(一般論)。
  • 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
    • 植物防疫所(輸入植物検疫、輸出の検査証明)
    • 税関(CITES関連の注意喚起)
    • 経産省(CITES概要、該当種の確認導線)
  • 実務での準備物(一般論):
    • 学名・品種が分かる仕様書/ラベル
    • 写真(全体・梱包状態)
    • 検査証明書(Phytosanitary certificate)原本/写し
    • CITES許可書(該当する場合)
    • 花束等は構成明細(花材別に)

11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)

  • 分類前チェック(製品情報の収集)
    • 生きているか/切花か/枝葉か
    • 花(花芽)の有無(0603/0604)
    • 学名・品種・用途(植栽用/装飾用/食用)
    • 梱包・付属品(器、籠、リボン、台座、固定方法)
  • 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
    • 第6類類注で第7類除外に当たらないか(じゃがいも、たまねぎ等)
    • 花束・リース等で注の適用可否(装飾板は除外)
    • 混在品はGIR3・GIR5を当てて説明できるか
  • 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
    • インボイス:一般名+(可能なら)学名、状態(fresh/dried)、用途(ornamental/for planting)
    • 数量:本数・束・鉢数・球根数など、相手国/検疫で求められる単位に注意
    • 写真・カタログ・成分表(染色・漂白等の有無)
  • FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
    • 協定が参照するHS版(HS2012/2017/2022)を確認
    • 花束等は構成材料の原産国が混在しやすい点に留意
    • 保存要件(協定別)に沿って証憑管理
  • 規制チェック(許可/届出/検査)
    • 植物検疫対象か(苗・球根・切り花等は対象になりやすい)
    • Phytosanitary certificate要否、輸入検査の段取り
    • ラン・サボテン等のCITES該当性(許可書)

12. 参考資料(出典)

※Web参照の参照日:2026-02-13

  • WCO(HS2022条文)
    • HS Nomenclature 2022(Chapter 6)
    • HS Nomenclature 2022(General Rules for the Interpretation:GIR)
    • HS2017(Chapter 6)
    • HS2012(Chapter 6)
    • 相関表(HS2017–HS2022)案内ページ
  • 日本の公的機関(規制・手続)
    • 植物防疫所:輸入植物検疫(対象範囲の説明)
    • 植物防疫所:海外からの持込みFAQ(検査証明書・検査等)
    • 植物防疫所:輸出FAQ(サボテン・ランとCITES言及)
    • 日本税関:ワシントン条約(注意喚起例:Orchid/Cactus)
    • 経産省:CITES概要
  • FTA/EPA(HS版・運用)
    • EPA相談デスク:協定別の参照HS版(CPTPP=HS2012、日EU=HS2017、RCEP=HS2022等)
    • ジェトロ:RCEPがHS2022ベース運用に移行(2023-01-01開始)
  • その他(参考:HS2007の章構成確認)
    • Indian Trade Classification (HS) 2007 Chapter 6(0604の旧号立て等の比較用)

免責事項

本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。