HSCF: 付番トライアル011:インターフォンの親機で実験

試したもの
インターフォンの親機の写真でHSコードの判定を試した

入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

  • 品名/用途:—
  • 材質:—
  • 構成・セット:—
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:—
  • 型番・画像:画像1枚(壁面に取り付けられた機器の写真)
  • 通関国・前提:—

日本語版

1) 結論

  • 国別例示(任意):
    • JP:8517.62-000(有線・無線ネットワーク用の音声・画像等の受信・変換・送受装置)
    • US:8517.62.0090(Machines for reception, conversion and transmission or regeneration of voice, images or other data, other)
    • EU:8517 62 00(Machines for the reception, conversion and transmission or regeneration of voice, images or other data)
  • 要約:壁面設置のモニター・受話器・マイクを一体化した室内用インターホン(ドアホン)と判断。音声・画像を相互にやり取りする通信機器に該当し、警報器(85.31)や単体モニター(85.28)ではないため、85.17に分類。
  • 確度(%):75%

2) 根拠

  • 適用通則・注(例:GRI 1, 6、16部注、85類注):項の記載(85.17)に基づきGRI1で判断。必要に応じてGRI6で号を特定。
  • 判定ポイント(主用途、主要材質、機能、構成、セット該当性 等):
    • 主用途:来訪者との通話・映像確認・解錠操作を行う室内親機。
    • 機能:音声(マイク・スピーカー)と画像(カメラからの映像受信)を通信線でやり取りする装置。
    • 構成:受話器、スピーカー開口、表示パネル、解錠ボタン等が一体。
    • セット性:写真は室内親機単体だが、通常は屋外カメラ子機等と組み合わせて通信機能を発揮。
  • 仮定(入力不足を補う前提):
    • 本体は屋外子機と有線で接続され、音声・画像信号の送受を行う。
    • アラーム専用ではなく、通話・映像確認が主機能。
    • 一体の機能装置として提示(部分品ではない)。
  • 排他・除外の理由(他の類・項ではない理由):
    • 85.31(電気式の可視・可聴信号装置:ベル・警報等):本機の主眼は警報ではなく、双方向通話・映像通信であるため不適。
    • 85.28(モニター・プロジェクター):単なる映像表示装置ではなく、音声入出力を含む通信機器であるため不適。
    • 85.25(テレビカメラ等):屋内親機は送受の通信装置であり、撮像機器に限定されないため不適。
  • 型番・画像:ユーザー提供画像(1枚)
    • 画像A(全体):受話器・表示パネル・スピーカー開口・解錠ボタン様のUIを確認。
    • 画像B(操作部):通話・解錠などの機能ボタンがあり、通話機能が主機能であることを示唆。
    • 画像C(配線想定):壁面据付・背面配線前提の親機形状で、屋外子機との有線通信を想定。

候補比較(代替候補の比較表)

候補HS(6桁)見出しの趣旨該当する可能性棄却・採用理由確度(%)
8517.62音声・画像等データの受信・変換・送受装置高い双方向の通話・映像通信を行う室内親機に整合75
8531.80電気式可視・可聴信号装置(ベル、警報盤等)呼出音は付随機能。主たる性質は通信のため不採用15
8525.89テレビカメラ等のその他本体は撮像機ではなく通信親機。用途不一致5
8528.59その他のモニター表示のみではなく通話・制御を伴うため不採用5

※ 表の前後に空行を入れ、列数は全行で統一しています。

3) 争点・注意

  • セット提示か単体提示か:屋外カメラ子機とセットで提示される場合も、通信機能の本質から85.17の枠内で構成品を判断(必要に応じGRI3(b)又は16部の部分品規定を検討)。
  • 部分品に該当する場合:室内親機が「専ら又は主として」当該インターホンに使用されるなら85.17の部分品(8517.70相当;各国の細分に依存)となる可能性。
  • IP型(LAN接続)か否か:いずれも85.17の通信装置の範囲に含まれるが、無線/有線・プロトコルにより各国細分が異なる場合あり。
  • 解錠制御の有無:解錠は付随機能。主機能(通話・映像通信)による分類が優先。

4) 追加で必要な情報

  • 正式な品名・型番(例:銘板写真、取扱説明書)
  • 接続方式(2線式/4線式、IP(LAN)/RS-485 等)、無線対応の有無
  • 単体提示か、屋外子機・電源アダプタ等との「小売用のセット」提示か
  • 防犯警報機能の有無(アラーム専用ではないことの確認)
  • 市場国(通関国)と適用HS版(HS2022 など)

5) 参考資料・出所

WCO解説、各国実行関税表、裁定・裁決番号、メーカー仕様書 等


※ 本判定は画像のみを根拠とした暫定案です。型番・接続方式の確定により、**8517.70(部分品)**や各国細分への落とし込みが変わる可能性があります。

写真だけの“無茶ぶりデモ”で、HSCFが本気を出した日

先日、自動車部品関連の会社へ伺い、HSCFのデモを実施してきました。
会場の空気は終始なごやか。雑談もはさみながら、肩の力を抜いてスタート……のはずが、いきなり飛んできたのは、HSCFにとってかなり手強いお題でした。

今回の条件はシンプル、しかし苛烈。
文字情報はゼロ。写真だけ。

お題その1:断面写真、ぱっと見は「お菓子」

一つ目は断面を写した写真。
一瞥すると、正直「これ、お菓子じゃない?」と思っても不思議じゃない見た目。
材料も用途も書かれていない。ここからHSコードの方向性を掴むのは、人間でも悩むやつです。

お題その2:粉末の小山、何にでも見える

二つ目は粉末が小山になった写真。
砂?顔料?金属粉?樹脂?鉱物?
見る人の想像力に合わせて姿を変える、まさに“正体不明”。

「これは厳しい」からの、トライアル開始

思わず口から出たのは、
「これは厳しいですね……」
という率直なひと言。

でも、だからこそやってみる価値がある。
そのままトライアルを開始しました。

結果は、100%の正解ではありませんでした。
ただ、出てきた答えは驚くほど近い。

その瞬間、お客さまの表情が変わりました。
「え、そこまで行くんですか」
という驚きが、空気にスッと混ざる感じ。あれは忘れられません。

追加情報で確度90%へ。到達が早いのは正義

さらに、追加の情報を入力して条件を補強。
すると、確度90%まで一気に到達しました。

この「答えにたどり着くまでの時間が短い」ことが、実務では本当に効きます。
迷いの時間が減る。社内確認の回転が速くなる。次の作業にすぐ移れる。
このスピード感は、デモの場でもはっきり体感できました。

観察眼が鋭い。写真から“消去法”で絞り込む力

特に印象的だったのが、観察にもとづく絞り込みです。例えば、

「金属粉末特有の強い光沢や、片状黒鉛の反射は見られない。」

こうした見立てが入ると、候補が一気に狭まります。
写真だけという不利な条件でも、見える特徴から外せる選択肢を外していく。
この“静かな推理”が効いてくるのは、なかなか痛快でした。

まとめ:難題でこそ見える、HSCFの実力

今回のデモは、いわば写真だけの無茶ぶりテスト。
それでもHSCFは、かなり近い答えを返し、追加情報で確度90%まで短時間で到達しました。

現場で感じたのは、これです。
難しいからこそ、価値が浮かび上がる。
そして、答えに近づくスピードは、実務を前に進める力になる。

次は、もう一段“意地悪”な課題でも試してみたくなりました。

HSコードは番号から説明責任へ:ドシエの必要性が税関により強く推奨される

HSコードは、正しい番号を当てるだけの業務ではなくなりつつあります。製品が高度化し、機能や用途が複合化するほど、分類の論点は増え、判断の揺らぎも起きやすくなります。だからこそ近年は、結論としてのHSコードに加えて、その結論に至った根拠をどれだけ明確に示せるかが、通関スピードや事後対応の負担を左右する局面が増えています。

この流れの中で注目されているのが、HSコード分類根拠書、いわゆるドシエです。ドシエは追加の書類ではありません。経営の視点でいえば、通関停滞、追加照会、事後調査、再分類といった不確実性を下げ、サプライチェーンの時間とコストを安定させるための説明責任インフラです。

税関がドシエを推奨する理由

税関がドシエを重視する背景は、実務上の必要性に集約されます。
第一に、審査を速く正確に進めるためです。仕様や用途の情報が不足すると、税関は照会を増やして確認せざるを得ません。最初から仕様と根拠が整理されていれば、審査の起点が共有され、照会の往復が減り、結果として通関が速くなります。

第二に、判断の一貫性を高めるためです。人や部署、時期によって解釈のブレが出やすい領域ほど、事実と根拠を文書化しておくことで、同じ判断を再現しやすくなります。

第三に、事後調査や紛争のコストを抑えるためです。過去にどんな事実認定をし、どの根拠で結論に至ったかが整理されている企業ほど、説明が短期間で済み、修正が必要な場合でも影響範囲の特定が速くなります。

ドシエに入れるべき中身

ドシエの目的は、難しい文章を書くことではなく、事実と論理を一体で提示できる状態を作ることです。基本の骨格は次のとおりです。

  1. 製品の客観仕様
    材質、構造、機能、用途、製造工程、構成部品、型番体系、性能値など
  2. 証拠資料
    仕様書、図面、写真、カタログ、取扱説明書、SDS、分析成績、工程表など
  3. 候補コードと除外理由
    なぜそのコードで、なぜ他の候補ではないのか。境目となる条件は何か
  4. 法的根拠
    解釈に関する通則、部注・類注、関連する参考資料や先例など

この構造を揃えるだけで、社内承認の速度も、対外説明の再現性も大きく変わります。

ドシエで使うべき言語

ここは輸入と輸出で考え方を分けるのが現実的です。

日本に輸入する場合

日本の税関対応を前提にするなら、日本語で要点が整理されていることが最も有利です。理由は単純で、誤解が減り、照会が短くなりやすいからです。外国語の資料が添付されること自体は珍しくありませんが、少なくとも要点と論点は日本語で押さえておくほうが、結果として通関が安定します。

輸出する場合

輸出側のドシエは、英語が事実上必須になる場面が多いです。相手国の通関関係者、輸入者、通関業者、保税倉庫、監査担当など、関与者が国境を越えて増えるため、共通言語として英語が標準になりやすいからです。
加えて、輸出では自社だけで完結しません。相手先が輸入申告を行う国では、分類の説明責任は輸入者側に置かれるのが一般的です。輸入者が説明できなければ、結果として貨物は止まり、追加照会や保留が発生します。このとき、英語で整理されたドシエがあるかどうかが、輸入者の対応力と通関スピードを左右します。

なお、相手国によっては英語だけで十分とは限らず、現地語の補足が有効な場合もあります。現実解としては、次の二段構えが運用しやすいです。
・社内の正本として日本語版を整備し、意思決定と統制を固める
・対外共有用として英語版を整備し、輸入者や海外拠点と同じ論点で会話できる状態を作る

ここでHSCFが有益になるポイント

ドシエ運用のボトルネックは、知識不足よりも、情報収集と論点整理と文書化です。HSCFが効くのはまさにこの部分です。

  1. 証拠の回収を速くする
    写真、PDF、仕様書など、現場に散らばる材料を起点に検討を始められると、ドシエの土台作りが前に進みます。
  2. 不足情報を対話で特定し、抜けを減らす
    分類が割れる多くの原因は、必要な仕様が欠けていることです。追加確認すべきポイントを早い段階で洗い出せれば、照会されやすい穴を先回りして塞げます。
  3. 候補と分岐点を明示し、除外理由を作りやすくする
    ドシエで最も価値が出るのは、なぜ他のコードではないかの説明です。候補の並列提示と論点の切り分けができると、除外理由が短時間で固まります。
  4. 日英の併用運用に向く
    輸入は日本語、輸出は英語という二重運用は、理屈は正しくても現場負担が重くなりがちです。HSCFを活用して、日本語で統制を固めながら、英語の対外共有版も同じ骨格で整える運用にできると、スピードと再現性が両立します。用語や表現のブレを抑えられることも、海外とのコミュニケーションでは効いてきます。

まとめ

ドシエが重視されるのは、分類の正しさだけでなく、説明可能性が通関速度とコストを左右するからです。税関側にとっても、企業側にとっても、審査の起点となる情報と論理を共有できることが、最大の合理化になります。

そして言語は、輸入は日本語での明確化、輸出は英語での対外共有が鍵になります。輸出では英語のドシエがあるかどうかが、相手国側の通関を動かす実務上の決め手になり得ます。
この二重運用を現場で回すための加速装置として、証拠収集、論点整理、候補比較、文書化を一気通貫で支援できるHSCFは、有益な選択肢になります。

HSCF: 付番トライアル010:JRで見つけたハイテク・コインロッカー

家に帰る途中でJRの駅で見つけたコインロッカーで試してみました。

判定に使った写真

  • 品名/用途:—(画像のみ)
  • 材質:—
  • 構成・セット:—
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:—
  • 型番・画像:画像1枚(IMG_5034.JPG)
  • 通関国・前提:—

1) 結論

  • 推定HS(6桁):9403.20(その他の金属製の家具)
  • 国別例示(任意):
    • JP:9403.20-000(その他の金属製の家具)
    • US:9403.20.00(Other metal furniture)
    • EU:9403 20 80(Other metal furniture)
  • 要約:駅等で使われるコインロッカーは、本質が「荷物を一時保管するロッカー=家具」。支払い・電子解錠部は従属機能のため、第94.03項の金属製家具(9403.20)に分類が妥当。
  • 確度(%):85%

2) 根拠

  • 適用通則・注(例:GRI 1, 3(b), 6、類注・部注):
    項・注の文言を優先(GRI 1)、複合物品は主たる性質で決定(GRI 3(b))、号レベルは同水準比較(GRI 6)。本品は「収納家具」として把握し、附属の電子端末は主機能を変えないため家具の号へ帰着。
  • 判定ポイント(主用途、主要材質、機能、構成、セット該当性 等):
    • 主用途:利用者の手荷物を一時保管するロッカー群=家具用途が支配的。
    • 主要材質:外装・仕切りは金属(画像から一般的に推測可能)。
    • 機能:タッチパネル・投貨/IC読取は施錠管理の附属装置。物品全体の主たる性質は収納にある(GRI 3(b))。
    • 構成:多数扉のロッカー+集中操作盤の一体設備。小売用セットではなく、単一設備として提示される想定。
  • 仮定(入力不足を補う前提):
    金属筐体・屋内据付、耐火金庫等の「装甲仕様」ではない、決済は硬貨/IC等の電子制御…(いずれも画像から合理的に想定)。
  • 排他・除外の理由(他の類・項ではない理由):
    • 83.03(8303.00:金庫・強化金庫等):対象は装甲・強化構造の金庫類や金庫室用保管箱。一般的なコインロッカーはそこまでの防護を目的とせず、収納家具に該当。
    • 84.76(自動販売機等):商品を販売・払出す機械。ロッカーは「収納の賃貸」であり払出機構の主機能を持たないため不適。
    • 84.79(他の個別機能機械):家具として特定できるため包括項は使わない(GRI 1優先)。
  • 型番・画像(観察メモ):
    • 画像A(全体):ロッカー列と集中端末、各扉の取手・表示灯が見える=収納家具の構成が明確。
    • 画像B(操作部):タッチパネル、投貨口/IC読取、券口等=施錠管理の附属機構。
    • 画像C(扉部):個別扉・電子ラッチ・表示灯=収納機能が主。

3) 候補比較

候補HS理由(該当可能性)棄却理由確度%
9403.20金属製ロッカー=家具。電子決済・解錠は従属機能。85
8303.00金庫・強化金庫・金庫室用保管箱(ベースメタル製)。一般的コインロッカーは装甲金庫ではなく銀行保管箱でもない。10
8476.89自動販売機(その他)。商品払出し機能を有さず、主機能は収納家具。5

4) 争点・注意

  • 装甲・耐火・耐工具等の仕様(扉厚・鋼板・UL/EN規格)を満たす場合は83.03の可能性が生じうる。
  • ロッカー部と端末を別送する場合:通則2(a)/3(b)・16部注等の適用関係に留意し、単体品は性質に応じて別分類(端末単体は85類相当の可能性)。
  • 据付(アンカー固定)か可搬かで国内統計細分の切り分けが変わることがある。

5) 追加で必要な情報

  • 材質・構造:板厚、補強・耐火・耐工具の有無(83.03との境界判定の核心)。
  • 端末仕様:決済方式(硬貨/IC/QR等)、通信・遠隔管理の有無。
  • 輸入形態:完成一体か、ロッカー部と端末部の別送か。
  • 据付方法:アンカー固定、壁面固定の有無。

6) 参考資料・出所

  • 関税率表の解釈に関する通則(GRI 1, 3(b), 6)。
  • 関税率表解説(第94類家具・第83.03 金庫等の範囲)。
  • 税関・講習資料/分類の基礎(複合物品の主たる性質、実務留意点)。
  • HS商品インデックス(日本関税協会)。

補足:本回答は画像に基づく推定であり、仕様確認により最終分類が変動し得ます(特に83.03との境界)。必要なら、仕様書・構造図(板厚・耐火性能・施錠ユニット)をご提示ください。

デモ依頼が増える理由 曖昧な情報でも結論まで導くHS判定の進め方

今日のデモ依頼は「情報が揃わない」現場あるある

今日も、ある企業さまからHSCFのデモのご依頼をいただきました。テーマは、現場で本当によく起きる悩ましいケースです。情報が揃いきらない状態でも、どこまで精度を上げて判断できるか。ここが今回の焦点でした。

ご相談は大きく3つ

今回のご相談は、次の3点に集約されました。

  1. 写真がややぼけている商品の判定を、SDSと突き合わせてどう進めるか
  2. 3Dプリンタで作成した補助具を、どの考え方で整理するか
  3. CTCでの部材HSコード付番を、HS年次変換込みでどう揃えるか

1つ目:写真がぼけていても、SDSで判断の筋道は作れる

写真がややぼけている商品は、見た目だけで判断すると誤判定につながりやすい一方で、SDSには組成や性状の重要な手掛かりが詰まっています。

HSCFでは、写真の情報を補いながら、SDSの要点を根拠として整理し、判断の筋道を見える形にするところまで一気に進めました。
ポイントは、見た目の印象ではなく、根拠として残せる情報に判断軸を寄せることです。


2つ目:3Dプリンタ補助具は、用途と組み込み方で結論が変わる

次は、3Dプリンタで作成した補助具の扱いです。用途や設計思想、最終的にどの機械や工程にどう組み込まれるかで結論が変わりやすく、担当者が最も迷いやすい類型のひとつです。

デモでは、判断に必要な追加質問を最短距離で引き出し、結論に至るロジックを分解して説明しました。
曖昧さを減らす鍵は、仕様や役割を言語化し、判断に必要な条件を先に揃えることにあります。


3つ目:CTCは部材HS付番の一貫性と年次差の整理が勝負

3つ目は、CTCでの部材のHSコード付番です。部材点数が多いほど、付番の一貫性と、年次の違いによる齟齬がボトルネックになります。

今回は、HS年次変換を織り込みながら、部材ごとの付番とCTC判定の前提条件を揃えるところまで確認しました。
CTCの議論は、前提が揃った瞬間にスムーズになります。逆に言えば、前提が揃っていないと、議論がいつまでも終わりません。


デモの反応は良好、そして話題は自然にFTA検証へ

得意領域の案件だったこともあり、デモ後の反応はかなり良好でした。
ただ、印象的だったのは、その後の会話が自然にFTAの原産地検証の話へ移ったことです。

実務では、HSコードが正しくても、運用や証明の組み立てが弱いと、検証対応で時間とコストを失います。
逆に言えば、ここを整えるだけで、FTAは守りではなく攻めの武器になります。


私たちが提供しているのは、HSだけではなくFTAの戦略活用まで

私どもは、HSコードの支援にとどまらず、FTAをどう戦略的に活用するかまで含めてコンサルティングしています。そこで最後に、「ご心配があれば、証明方法や運用が適切かを点検するFTA診断もあります」とお伝えしました。


まとめ:HSCFのデモも、FTAの相談も歓迎です

HSCFのデモはもちろん、FTAの運用設計や検証対応の不安、証明の仕組みづくりまで、相談は大歓迎です。
現場で詰まりやすい論点ほど、早めに整えて、安心して攻めに転じられる状態を一緒に作っていきましょう。

HSCFのアップデート予定

HSCF、HS2028対応に向けて動きます(HS2022とHS2028を同時表示へ)

HS2028の内容が、少しずつ輪郭を帯びてきました。
分類が変わるということは、現場の「調べる」「付番する」「説明する」の手間が、これまでと同じでは済まないということでもあります。

そして当然、HSCFも“何もしない”わけにはいきません。

そこで今回、HSCFの機能拡充を企画しています。


いまのHSCFは「HS2022の付番ツール」

正式にHS2028が運用開始されるまでは、HSCFは基本的に HS2022のHSコード付番・検索ツールとしてお使いいただく形になります。

ただ、HS2028が近づくにつれ、こんなニーズが増えてくるはずです。

  • 「HS2022ではこのコードだけど、HS2028だとどうなる?」
  • 「分類変更の影響を、早めに把握しておきたい」
  • 「取引先や社内に、変更点を説明できる材料がほしい」

そこで:HS判定結果に「HS2028だとどう変わるか」も表示します

HSCFでHSコードを検索・判定したときに、

  • HS2022での検索結果(現行)
    に加えて、
  • HS2028ではどうなるか(変更見込み)

並べて確認できるようにする予定です。

つまり、ひと目で「現行」と「次期」の差分がつかめる状態を目指します。


※ただし、HS2028確定までは「暫定表示」です

この機能は、HS2028が正式に確定するまで、あくまで暫定情報としての提示になります。
(確定版が出次第、表示内容も順次アップデートしていく想定です。)


HS2028の本格運用が始まってから慌てるのではなく、
“変わる前提で準備できる”状態を、HSCFでつくっていきます。

HSCF: 付番トライアル009:Googleで拾った電子部品

付番トライアル: 2026年1月15日

電子部品は、判定が難しいと考え、HSCFのチャレンジとしてトライしました。

Googleで「電子部品」というキーワードで検索、写真のみでHSコードの特定を図りました

このようなものをトライしました。

HSCFの回答はこちら

日本語版

1) 結論

推定HS(6桁):8542.33

国別例示(任意):

  • JP:8542.33(電子集積回路(アンプ))
  • US:8542.33(電子集積回路(アンプ))
  • EU:8542 33(電子集積回路(アンプ))

要約:写真の部品は、樹脂封止の8ピンDIP形状の電子集積回路(IC)に見え、表示からアンプ用ICとして扱うのが最も自然なため、電子集積回路の「アンプ」に該当する8542.33を第一候補とします。

確度(%):78%

2) 根拠

適用通則・注(例:GRI 1, 6、類注・部注):通則1(項の文言と注)により「電子集積回路」に該当する見出し8542を選択し、通則6により号レベルで「アンプ」に該当する細分(8542.33)を選択。

判定ポイント(主用途、主要材質、機能、構成、セット該当性 等):単体の半導体IC(樹脂モールドのDIPパッケージ)として提示されており、完成品機器ではなく「電子集積回路」そのものとして分類するのが自然。型番表示からアンプ用途のICとして扱うのが合理的。

仮定(入力不足を補う前提):写真上の印字(例:8002C等)はオーディオ/信号増幅用のアンプIC(パワーアンプ/オペアンプ等)を示すものと仮定。基板実装品ではなく、単体ICとして輸入される前提。

排他・除外の理由(他の類・項ではない理由):ダイオード/トランジスタ等のディスクリート半導体(8541)ではなく、複数素子を一体化した集積回路形状であるため8542を優先。単体で特定機能機器として扱う8543等より、品目が明確に特定される8542が優先。

型番・画像:画像A/B/C(観察ポイント)

A. 全体像(外観・形状)

  • 8ピンDIP形状の樹脂モールド部品に見える
  • 片側に4本のリードが見える(DIP-8想定)

B. 天面印字(メーカー/型番の手掛かり)

  • 天面に英数字の印字が確認できる(型番・ロット等の可能性)
  • 表示からアンプ系ICとしての推定材料になる

C. リード/端子部(単体部品としての提示)

  • リードフレーム(端子)が個別に露出し、基板実装前の単体部品形態に見える
  • モジュールや完成基板ではない

3) 候補比較

候補の比較表は以下です。

候補HS(6桁)理由棄却理由確度(%)
8542.33電子集積回路で、用途が「増幅(アンプ)」と判断できる場合の細分78
8542.39電子集積回路である点は同じだが、アンプ用途の確証が弱い場合の受け皿印字/型番情報がアンプを示すなら8542.33がより適合20
8542.31プロセッサ/コントローラ等に該当する場合DIP-8の一般的用途や印字からは該当性が低い2
8541.10ディスクリート半導体(例:ダイオード等)の場合形状が集積回路(多端子パッケージ)であり通常該当しない0

4) 争点・注意

「アンプ(8542.33)」か「その他(8542.39)」かは、型番の正式仕様(データシート)で確度が大きく上がります。

もしIC単体ではなく、プリント基板に実装済み(アセンブリ)で輸入する場合は、分類論点が変わる可能性があります(完成品機器/ユニットの扱い)。

税番は6桁(HS2022)までが共通ですが、各国の統計細分(7桁以降)や規制は別途確認が必要です。

5) 追加で必要な情報

  • 正式な型番(例:メーカー型番、型番末尾のパッケージ記号)
  • データシートURLまたは主要仕様(用途、増幅の有無、機能ブロック)
  • 輸入形態(単体ICか、基板実装品か、セット品か)
  • 通関国(JP/US/EU等)と、求めたい国内細分(統計品目番号)

6) 参考資料・出所

(参考)税関公表資料:品目分類の基礎、事前教示制度資料

WCO Explanatory Notes(HS2022) 第85.42項(電子集積回路)

関税率表の解釈に関する通則(通則1・6)

封止材に書かれた情報他から、いろいろ調べてかなり精度の高い判定をしてくれました。

データシートを見つけましたので、それを追加の情報として、インプット。

結論は、同じ。確度が92%にアップしました。

HSCFチャレンジ!複雑な部材付番も「CTC対比表」なら一瞬で解決できるか?

こんにちは!HSコード付番ツール「HSCF」チームの嶋ですです。 先日、あるお客様から「実戦形式でのデモ」というエキサイティングな挑戦状をいただきました!

依頼内容は、「実際の商品を使い、部材のHSコード特定からFTA向けの年次変換までを一括で行うこと」

ここで活躍したのが、私たちの自信作である『CTC対比表』機能です。 通常、部材のHSコードを最新版から古い年次のFTA向けに一つひとつ照らし合わせるのは、まさに「苦行」。しかし、HSCFならこれらを自動で紐付け、一括で対比表を作成します。

材料のHSコードはそれぞれその確度を示しますので、情報不足で更なる調査をした方がいいかも分かります。

今回のデモで実証されたこと:

  1. 圧倒的な時短:手作業での調査時間を大幅に削減。
  2. ミスの排除:複雑な年次跨ぎの判定も、システムで正確に実行。
  3. 信頼の可視化:根拠が明確になることで、監査にも強いデータが完成。

「自社の商品でもできるのかな?」と思った皆様。ぜひ、貴社のデータでHSCFの実力を試してみませんか?無料デモンストレーションのお申し込みをお待ちしております!

もう「注釈」の迷宮で悩まない。HSコード判定を「専門家への相談」に変える方法

本日、日本企業の方々へHSコード判定支援システム「HSCF」のデモンストレーションを実施しました。

複数部署から多くの方にご参加いただき、実際の案件を用いたトライアルの結果をご覧いただいたのですが、そこで改めて浮き彫りになったのは「HSコード判定の過酷さ」でした。

■ 現場の悩み:細かな「注釈」との格闘 お客様はこれまで、膨大な「類注・項注」を読み解きながら、パズルのような作業で答えを導き出されていました。「とにかくややこしくて大変……」という切実な声が印象的でした。

■ HSCFが提案する「新しい体験」 デモ中、提供いただいたデータだけでは情報が不足し、判定が難しい場面がありました。しかし、ここからがHSCFの真骨頂です。 不足していた情報を言葉でサッと補足するだけで、システムが即座に再判定。

HSCFは、単にデータを入力して結果を出すだけの「機械的なツール」ではありません。「足りない情報を補いながら、専門家に相談して正解に近づいていく」。そんな人間味のあるプロセスが、ユーザーの使いやすさに繋がっています。

■ 納得いくまで、何度でも伴走します HSCFはシステムの貸し出しを行っていない分、デモンストレーションは何度でも、納得いただけるまで実施します。

「自分たちの商材でも判定できるのか?」 少しでも気になったら、ぜひ一度HSCFのデモを体験してみてください。