HSコード付番における日本企業の問題点と解決策 「たかが番号」が経営を揺るがす理由と、実務で使える対策の全体像

2026年3月12日


はじめに

国際貿易において、HSコード(Harmonized System Code)の正確な付番は、関税計算・通関手続き・FTA優遇税率の適用・輸出管理規制の判定など、ほぼすべての貿易業務の起点となる。 にもかかわらず、日本企業の多くは今もExcelとメールのやりとりで付番を管理しており、特定の担当者の記憶と経験に全体が依存した状態が続いている。kxxr.hatenablog+1

2025年の関税政策の激変——米国による鉄鋼・アルミニウムへの50%追加関税や派生製品の大幅拡大——は、HSコード付番の誤りが経営上の重大リスクに直結することを改めて示している。 本稿では、日本企業に特有のHSコード付番問題を体系的に整理し、今日から着手できる解決策を提示する。[youtube]​


問題の全体像——なぜ誤分類は繰り返されるのか

問題1:相手先提示コードのコピペ採用

現場で最も頻出するパターンが、取引先の見積書・インボイス・カタログに記載されたHSコードをそのまま自社の申告・社内マスタに転用するやり方だ。 工数ゼロという手軽さが支持される一方、元の分類が誤っていた場合には誤りを大量に再生産するリスクがある。また、HS改正のたびに統廃合・細分新設が発生するため、「以前は正しかった番号」が気づかないうちに誤分類に変わっているケースも多発している。HSは概ね5年ごとに改正されており、直近では2022年改正が実施済みで、次のHS2028改正が2028年1月に発効する予定だ。global-scm+1

問題2:根拠の不在と説明責任の弱さ

「商品名が似ていたから」「前回の通関が通ったから」という理由だけでHSコードを決定し、根拠となる通則(一般解釈通則・GRI)や関税率表の注の当てはめを一切記録していない企業が少なくない。 この状態では、税関からの事後照会・社内監査・取引先からの説明要求が入った際にまったく対応できず、担当者が異動・退職するたびに付番がブレるという属人化が深刻化する。ベテランと新人で品質がばらつく状態は、組織的なリスクそのものだ。jpn.nec+1

問題3:桁体系の混同

HSコードは6桁を国際共通単位とするが、日本では9桁(HS6桁+国内細分3桁)の統計品目番号が通関・統計の標準となっている。 一方、米国のHTSコードは10桁、EUのCNコードも8桁のうえにTARICが10桁と、輸入国ごとに体系が異なる。 他国の10桁コードを日本の9桁にそのまま移植しようとしたり、6桁止まりのまま社内処理したりすることで、国ごとの細分のズレを見逃すミスが頻発する。dhl+1

問題4:「二重HSコード時代」の管理複雑化

近年、1つの品目に対して複数の目的・複数の国向けのHSコードを並走させる「二重HSコード時代」が到来している。 輸出時は日本の輸出統計品目番号(9桁)、米国向け輸出ではSchedule B(10桁)、輸入国での申告にはHTSやCNなど、さらにEPA原産性判定用のコードが別途必要になることもある。ERP・貿易管理システム・原産地管理システム間でコードが二重・三重に登録され、整合性維持に膨大な工数が発生するという状況が多くの企業で生じている。[global-scm]​

問題5:HS改正対応の遅れと「HS2028」への備え不足

WCO(世界税関機構)は2026年1月にHS2028改正案を公表しており、2028年1月の発効に向けて約299項目の変更が予定されている。 日本企業が今から対応しなければならないのは、HS2022との相関表に基づいた品目マスタの一斉更新だ。マスタ管理が手薄な企業ほど対応コストが跳ね上がると専門家は指摘しており、特に次期改正ではEV関連部材・デジタル製品・再生可能エネルギー機器など日本企業が多く扱う製品に変更が集中する見込みであるため、早期着手が不可欠だ。tkao+1[youtube]​

問題6:FTA/EPA誤適用によるコスト損失

HSコードの誤分類がFTA/EPA活用に直接損害を与えた事例は多数ある。原産地証明書に記載したHSコードとインボイス記載のコードに相違があるだけで、ASEAN向け輸出においてFTAの関税特恵が適用されなくなり、現地で高額な関税を徴収されたケースが報告されている。 EPAを前提に価格設計している企業では、誤分類一件が商談全体の採算を破綻させかねない深刻なリスクとなる。[aroundthe-world]​

問題7:誤分類が「脱税」と見なされる法的リスク

意図的な誤分類はもちろん、過失による誤申告も「脱税」や「違法行為」と見なされる場合がある。 罰金・追徴課税に加え、悪質と判断された場合は刑事訴追に至ることもある。米国CBP(税関国境警備局)は2025年2月の1ヶ月だけで28件の監査を実施し、約290万ドルの未払い関税を発見した。過去の累計では7,450万ドル以上の追徴課税と罰金が徴収されており、取り締まりは年々厳格化している。 日本企業も米国向け輸出において同様のリスクにさらされており、経営層・現場担当者の双方が法的責任を問われる可能性がある。[newji]​[youtube]​


解決策——体系的な付番管理に向けた六つのアプローチ

解決策1:事前教示制度の戦略的活用

最も即効性が高い公的ツールが、税関が提供する「事前教示制度」だ。 輸入・輸出予定の商品について、正式な申告前にHSコード分類・関税率・原産地判断を税関に照会し、公式見解を書面で取得できる制度で、日本の税関でも無料で利用できる。取得した事前教示は一定期間有効であり、後日の事後調査でのリスクを大きく低減できる。illogs+1

この制度を最大限活用するには、「このHSコードで合っていますか」という受け身の照会ではなく、企業側が分類根拠となる通則の当てはめと法的論拠を明示したうえで照会することが重要だ。 特に年間輸入・輸出額が大きい品目、複合製品・電子機器・化学品、EPAを前提に価格設計している品目の三類型については、事前教示を「コスト」ではなく「リスク回避投資」として積極的に活用すべきだ。aog-partners+1

解決策2:AI税番判定ツールの導入

属人化と工数増大の問題を根本的に解決する手段として、AI活用ツールの導入が急速に広がっている。現時点で実務への導入が進んでいる代表的なサービスとして、以下の2つが挙げられる。

一つ目は、FTA専門家集団ロジスティックが提供する「HSCF(HSコード・ファインダー)」だ。 HSコードに関する体系的な知識ベースとAIを組み合わせたツールで、品目説明を入力するとHSコード候補を根拠とともに提示する。FTA専門家が監修していることから原産地判定との連動性が高く、EPA活用を重視する企業に特に適した構成となっている。global-scm+1

二つ目は、デロイトが提供するクラウド型HSコード検索エンジン「Trade Search」だ。 関税率表解説・WCO勧告意見・各国税関の事前教示など複数のデータソースと分類品目を効率的に結びつけることができ、FTA原産性判定にも対応している。大手グローバル企業での導入実績があり、多品目・多国展開を行う企業のコンプライアンス強化に向いた設計となっている。[deloitte]​

解決策3:分類根拠台帳の整備

付番の属人化を防ぐための最も基本的な施策が、品目ごとの分類根拠台帳の整備だ。 HSコード・関税率・過去申告実績・適用した通則の根拠・事前教示の取得状況を一元的に記録し、新製品導入・仕様変更・HS改正のたびに必ず再確認を実施する仕組みをつくる。これにより、担当者が変わっても分類の継続性が保たれ、税関照会や社内監査への対応力も大幅に向上する。aog-partners+1

解決策4:多重HSマスタ管理体制の構築

二重HSコード時代に対応するには、1品目に対して国別・協定別・版別の複数のHSスロットを持つ「多重HSマスタ」の設計が求められる。 ERP・貿易管理システム・原産地管理システム間でコードの整合性を確保するための設計案を今から策定し、90日以内の3フェーズ(現状分析・構造設計・パイロット運用)でマスタ再構築に着手することが推奨されている。 HS2028対応を「単発プロジェクト」ではなく「継続的マネジメント」として位置づけることが、長期的なコスト削減につながる。[global-scm]​

解決策5:部門横断の情報連携体制の整備

HSコードの正確な付番は、貿易・通関担当者だけでは完結しない。設計、調達、品質管理、出荷担当、法務など複数部署が連携した判定フローを設けることが不可欠だ。 特に設計変更・新製品導入時にはHSコードの再検討を仕組み化し、「最新の解釈・ルール」に常に保つ体制を整える必要がある。外部の通関業者任せにせず、輸入者・輸出者として自ら分類を把握・理解する姿勢が、コンプライアンス上も法的責任の観点からも求められる。newji+1

解決策6:HS2028への早期準備

WCOが公表したHS2028改正に向け、今から着手すべき準備は三点ある。一つ目は、自社製品の現行HSコードがHS2028改正の影響を受けるかどうかの影響分析。二つ目は、HS2022からHS2028への相関表(コレレーション表)を使った品目マスタ更新計画の策定。三つ目は、原産地証明やEPA適用への影響確認だ。 WCOの相関表はHS改正時に公式提供されるが、それを待ってから対応を始めるのでは間に合わない企業も多く、2026年中に影響品目の洗い出しを終えることが理想的なスケジュールとなる。[youtube]​[global-scm]​


実務担当者が今すぐ始められる三つのアクション

整理すると、優先度の高い即時アクションは次の三点だ。まず今月中に、自社の主要輸出入品目について「分類根拠がどこにも記録されていない品目」を洗い出す。次に、取引額上位品目のうち事前教示を取得していないものを特定し、税関への照会準備を開始する。そして、自社のERPや通関管理システムにおいてHS2028対応に必要な多重HSスロットの設計が現行の仕組みで対応可能かどうかを確認する。illogs+2

HSコードの誤分類は「事務ミス」ではなく、関税追徴・FTA優遇喪失・輸出差し止め・法的責任という四重のリスクを同時に引き起こす経営課題だ。 取引環境が激変し続ける今こそ、付番管理の仕組みを根本から見直す好機といえる。[youtube]​aroundthe-world+1


免責事項

本記事は2026年3月12日時点で公開されている情報をもとに作成した解説記事です。HSコードの分類・付番に関するルールは、WCOによるHS改正、各国税関の解釈変更、国内関税関係法令の改正等により予告なく変更される場合があります。本記事の内容は最新の法令・規制を完全に反映していない可能性があります。実際の輸出入申告・関税分類・EPA適用判断に際しては、日本税関の公式通達・事前教示制度、またはライセンスを有する通関士・弁護士等の専門家にご相談ください。本記事の情報に依拠して生じた損害について、筆者および掲載媒体は一切の責任を負いません。

タイ向け輸出ビジネスにとって、HSコードとAHTN2022、そして健康関連製品の追加認証は、もはや無視できない経営リスクになりつつあります

タイはHS2022 / AHTN2022で動いている

タイは現在、世界税関機構のHS2022をベースにしたASEAN版のAHTN2022を採用しており、この分類に基づいて関税率と規制対象品目を管理しています。digima-japan+3
AHTN2017からAHTN2022への改正により、一部品目でコードが変わっており、過去にタイ向け実績のある企業も最新コードの再確認が推奨されています。jetro.go+1

実務上、同じ商品でも2017年時点のコードで社内登録されているケースが多く、社内マスタと現行AHTN2022の齟齬が、誤税額や通関遅延の火種になっています。nissin-asia+1
まずやるべきことは「自社タイ向け品目のHSコード棚卸し」です。[digima-japan]​

HSコードが「税率」と「規制」を同時に決める

タイでは、関税率はおおむね0~80%の幅で設定されており、その適用税率はHSコードとFTA適用の有無で決まります。jetro.go+1
同じ商品でも、HSコードを一桁・二桁違えるだけで、税率も適用FTAも変わるため、コード選定は価格競争力に直結します。nissin-asia+1

さらに重要なのは、HSコードが「どの規制機関の許可が必要か」を決めるトリガーにもなっていることです。belaws+2
たとえば健康食品、化粧品、医療機器、サプリメントなどは、該当するHSコードを切った瞬間に、タイFDAなど所管官庁の許可や登録が必須になります。trade+2

2025年以降、健康関連製品で追加認証が拡大

2025年以降、タイでは従来比較的スムーズに通関できていたカテゴリーの一部で、追加の認証・許可が必要になる動きが強まっています。nissin-asia+3
具体的には、健康製品、化学物質、化粧品、食品サプリメントなどが、別途ライセンスや事前登録の対象とされる代表例です。belaws+3

健康関連商品を輸入する場合、多くはタイFDA(食品医薬品局)での事前ライセンスや製品登録が求められ、ラベル表示や成分情報の提出なども厳格化されています。fda.moph+2
要件を満たさない場合は、輸入通関段階で保留や差し止めとなり、販売機会の喪失や追加コストが発生します。thailandcustomsclearance+2

電子通関・Thai NSWでの「事前準備」が必須に

タイ税関はe-CustomsやThai National Single Window(Thai NSW)といった電子通関システムを標準化し、各省庁の許可情報を連携させる方向に進んでいます。thailandcustomsclearance+3
2025年の新たな告示では、管理対象の健康関連製品について、Thai NSW経由での電子申請と許可取得が義務化されており、紙ベースや事後対応は通用しにくくなっています。belaws+1

電子通関では、輸入申告書、インボイス、パッキングリスト、原産地証明、許可証などの情報がデータとして照合されるため、HSコードと商品説明が少しでも不整合だと、自動的に審査対象となります。nissin-asia+1
「何となく近いコード」で申告すると、AIリスクスコアリングに引っかかり、追加資料の要求や貨物の検査が入りやすくなります。[thailandcustomsclearance]​

2026年、低額輸入免税枠の撤廃と「1バーツ目から課税」

2026年の大きな変化として、タイは低額輸入品の免税枠(いわゆるデミニミス)を撤廃し、「申告価格1バーツから関税とVATを課税する」方向に舵を切りました。couriersandfreight.com+1
これにより、これまでECなどで少額配送していたビジネスモデルも含めて、すべての貨物が課税対象となり、税額計算と通関の精度が求められます。couriersandfreight.com+1

タイのガイドでは、2026年ルールとして、平均10%前後の関税(HSコードにより変動)と7%のVATが、原則すべての輸入貨物に適用されると説明されています。[thailandcustomsclearance]​
健康関連製品のような規制品は、税負担だけでなく、許可取得の有無も同時にチェックされるため、コストとリードタイムの両面で影響が出やすい領域です。trade+2

健康製品・化粧品・サプリで起こりやすいトラブル

タイFDAが所管する製品(加工食品、医療機器、医薬品、ビタミン、化粧品など)は、輸入前にライセンスや製品登録を済ませておく必要があります。fda.moph+2
特にサプリメントや機能性表示をうたう健康食品では、ラベル文言や成分表示の不備が、登録拒否や通関保留の主因になっています。trade+1

また、一部の薬事品や生物学的製剤では、ロットごとの証明書(Lot Release)やGMP証明など、通常よりも重い証拠書類が求められます。[belaws]​
これらは取得に時間がかかるため、商談成立後に準備を始めると、初回出荷が半年以上遅れるケースも珍しくありません。[belaws]​

ビジネスへの実務影響:リスクと機会

健康系商材をタイに輸出している企業にとって、HSコードと追加認証の強化は、次のようなリスクにつながります。nissin-asia+3

  • 通関時の許可不足による貨物ストップ、保管費や返送費用の発生
  • HSコード誤りによる追徴課税や過少申告ペナルティのリスク
  • 新ルール対応の遅れによる発売時期の遅延や競合への遅れ

一方で、適切に対応できれば、次のような機会も生まれます。jetro.go+2

  • 正しいHSコード・FTA活用による関税負担の最適化
  • Thai FDA登録済みの安全・高品質ブランドとしての差別化
  • 電子通関への対応力を強みにした、現地パートナーからの信頼獲得

「面倒だからタイは後回し」にすると、市場が成熟してから参入しようとしても、既に認証とブランドを固めた競合に後れを取るリスクが高まります。jetro.go+1

企業が今すぐ取るべき実務ステップ

タイ向けに健康関連商材を扱う企業にとって、最低限押さえておきたいアクションは次の通りです。digima-japan+5

  1. 自社品目のタイ向けHSコードの棚卸し
    過去の輸出実績や社内マスタを洗い出し、AHTN2022ベースで最新コードを確認する。必要に応じて現地通関業者や専門家にも照会する。digima-japan+1
  2. 規制対象かどうかのマッピング
    各HSコードについて、タイFDAなどどの機関の許可が必要かを整理し、「FDA登録済み」「登録準備中」「登録不要」などのステータスを一覧化する。nissin-asia+2
  3. タイFDAなどへの事前登録計画
    新規商材や売れ筋商品のうち、タイでのポテンシャルが高いものは、優先順位をつけて登録スケジュールを組む。ラベル要件や成分確認も同時に進める。fda.moph+2
  4. 通関書類・電子申請の標準化
    e-CustomsやThai NSWに対応したフォーマットで、インボイス記載事項、HSコード、商品説明を標準化し、「どの表現で申告するか」を社内でルール化する。nissin-asia+2
  5. 低額貨物も含めた税コスト試算
    サンプルや少額販売も1バーツ目から課税される前提で、税負担と物流コストを織り込んだ価格設計に見直す。couriersandfreight.com+1

こうした対応を「貿易実務部門だけの話」とせず、営業、マーケティング、開発、経営層を巻き込んで進めることが、タイ市場で持続的にビジネスを拡大する前提条件になりつつあります。nissin-asia+2

まとめ:HSコードと認証を「コスト」ではなく「戦略」として扱う

タイ通関におけるHSコードと健康製品の追加認証強化は、単なる事務作業の増加ではなく、「市場参入の許可証」をどう設計するかという戦略課題です。trade+3
HSコードの精度を高め、必要な認証を先回りして取得できる企業ほど、新ルールの中でも安定したサプライチェーンと価格競争力を維持できます。thailandcustomsclearance+3

タイを重要市場と位置づけるのであれば、いまのうちにHSコードと規制対応を見直し、「通関リスクを織り込んだ事業設計」にアップデートすることをおすすめします。digima-japan+4

最後に、御社のタイ向け主要商材は「健康関連製品(食品・サプリ・化粧品など)」が中心でしょうか、それとも工業製品や部材が中心でしょうか。

【免責事項】
本記事は、公開情報を基にタイの通関・規制動向を一般的に解説したものであり、特定企業・特定案件に対する法的助言、税務アドバイス、通関判断を提供するものではありません。trade+5
実際の輸出入手続きやHSコード分類、各種許認可取得については、必ずタイ税関、所管官庁、ならびに専門の通関業者や専門家に個別に確認のうえで意思決定してください。nissin-asia+2

欧州輸出の落とし穴。2026年版「EU結合品目分類(CN)」本格運用が日本企業に迫る決断

2026年3月9日

2026年が幕を開け、欧州連合(EU)の新たな関税・統計分類である2026年版「結合品目分類(CN:Combined Nomenclature)」の運用が本格化しています。

年初のシステム移行期間を経て、3月現在、欧州の税関現場では新コードに基づく厳格な審査が日常となりました。一見すると単なる「関税コードの年次更新」に思えるこのニュースですが、実は脱炭素社会を目指すEUの強烈な産業政策が反映されており、対応を誤れば日本企業のサプライチェーンを停止させかねない破壊力を秘めています。

本記事では、国際通商ルールの専門家の視点から、2026年版CNコードの変更点が持つ真の意味と、欧州市場へ展開する日本企業が直ちに行うべき実務上の防衛策について解説します。

1.2026年版CNコードの核心は「環境と先端技術」の精緻化

そもそもCNコードとは、世界共通の6桁のHSコードに、EU独自の2桁を加えた「8桁の品目分類番号」のことです。EU域内へ輸入されるすべての貨物は、この8桁のCNコードに基づいて関税率や各種規制の適用が決定されます。

2026年版の最大の特徴は、EUが推進する環境政策(グリーンディール)に直結する次世代技術のコードが、かつてないほど細分化された点にあります。

具体的には、これまで「その他の蓄電池」や「その他の機械部品」として大まかに分類されていた製品群にメスが入りました。電気自動車(EV)向けのリン酸鉄リチウム(LFP)電池用素材、水素燃料電池のコア部材、さらには風力タービン用の特殊部品などに対して、全く新しい専用のCNコードが新設されています。

これは、EUが自国の環境・エネルギー戦略に不可欠な最先端部材の貿易フローを、データとして正確に把握し、必要に応じて関税や補助金によるコントロールを効かせるための強力な布石です。

2.コード更新を怠る企業を待ち受ける3つの経営リスク

社内の製品マスターデータに古いCNコードを残したまま放置することは、現代のデジタル化されたEU通関システムにおいて致命的なエラーを引き起こします。具体的には以下の3つの大きなリスクが直撃します。

通関の自動停止と物流コストの増大

EUでは現在、輸入管理システム(ICS2)による事前データ照合が厳格に稼働しています。インボイスに記載された品名と、申告されたCNコードの間に矛盾がある場合、あるいは既に廃止された古いコードを使用した場合、システムが即座にエラーを弾き出し、貨物は港や空港で自動的に足止めされます。これにより、高額な倉庫保管料が発生するだけでなく、顧客への納期遅延という深刻な信用問題に発展します。

日欧EPA(経済連携協定)の免税メリット喪失

日本からEUへの輸出において、日欧EPAを活用して関税ゼロの恩恵を受けている企業は非常に多いはずです。しかし、EPAの特恵税率を適用するための「原産地証明」は、正確な品目コードに基づいていることが大前提です。CNコードが変わったにもかかわらず古いコードで申告を行えば、EPAの適用を否認され、本来払う必要のない基本関税を徴収されるリスクがあります。

炭素国境調整措置(CBAM)の申告違反リスク

EUが導入した炭素国境調整措置(CBAM)は、対象となる品目をCNコードで厳密に指定しています。自社の製品が新しいCNコードに移行した結果、意図せずCBAMの報告義務対象品目に該当してしまうケースが存在します。これを見落とすと、EU当局からの罰則や、現地輸入者(顧客)からの取引停止を招く恐れがあります。

3.直ちに実行すべき3つの実務アップデート

この見えない貿易障壁を乗り越え、欧州ビジネスを安定させるために、経営層および実務担当者は以下の対策を急ぐ必要があります。

1.製品マスターデータの大規模な棚卸し 自社がEU向けに輸出している全製品について、2026年版の最新のCN関税率表(欧州官報で公表済み)と照らし合わせ、コードの変更や細分化の影響を受けていないかを全件確認してください。特に、環境関連、電池、電子部品、機械類を扱う企業は必須の作業となります。

2.物流パートナーおよび現地輸入者との合意形成 特定した新しいCNコードについて、通関手続きを委託しているフォワーダー(海貨業者)や、EU側の輸入者(バイヤー)と情報を共有し、インボイスに記載する8桁の番号を完全に一致させてください。双方での認識のズレが、通関時の最大のトラブル要因となります。

3.日欧EPAの原産地資格の再判定 製品のCNコードが変更になった場合、その製品が「日本製」であると証明するためのルール(品目別規則:PSR)を満たしているかどうかの再判定が必要になるケースがあります。専門部署や外部コンサルタントを交え、EPA適用の法的根拠を再構築してください。

おわりに:データコンプライアンスが競争力を決める

2026年版CNコードの本格運用は、貿易手続きが単なる「モノの移動」から、高度な「データ・コンプライアンスの競争」へと完全にシフトしたことを物語っています。

製品自体の品質がどれほど優れていても、それに付随するデータ(CNコード)が不正確であれば、欧州市場の入り口でシャットアウトされる時代です。この変化を「面倒な事務作業」と捉えるか、「サプライチェーンの強靭化を図る好機」と捉えるかが、今後のグローバル市場における企業の生き残りを分ける分岐点となるでしょう。

免責事項 本記事は専門的な視点からの一般的な情報提供およびビジネス動向の解説を目的としたものであり、特定の企業に対する法的助言や通関業務の最終判断を構成するものではありません。各国の税関システムや通商ルールは随時更新されるため、実際の輸出入業務にあたっては、欧州委員会の公式ポータルサイト(TARIC等)、ご利用の物流業者、および有資格の通関専門家による最新の一次情報を必ずご確認ください。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、作成者は責任を負いかねます。

第85類と第90類の境界をどう見抜くか

直近事例から学ぶ、ビジネス現場の判断軸

はじめに

HSコードの第85類と第90類は、実務で最も迷いやすい境界の一つです。理由は明確です。最近の製品ほど、電気機器であると同時に、測定機器、検査機器、光学機器、医療機器としての性格も持つからです。

日本税関は、品目分類が関税だけでなく、原産品判定や貿易統計の基礎になると説明しています。実務では、関税率表、関税率表解説、分類例規、事前教示事例をあわせて確認することが重要です。特に関税率表解説は、WCOのExplanatory Notesを基礎として整備されています。(customs.go.jp)

第85類は電気機器やその部分品を広く受け止める類です。一方、第90類は、光学機器、写真用機器、測定機器、検査機器、精密機器、医療機器などを扱います。したがって、スマート化された装置ほど両者がぶつかりやすくなります。電子回路が入っているから第85類、センサーがあるから第90類、という見方だけでは足りません。(customs.go.jp)

第85類と第90類の境界を見る三つの軸

1 主たる機能は何か

日本税関の説明では、第90類に属する測定、試験、検査、選別、調整機器は、測定可能な量や値を検出して表示または記録できるもの、試験条件を与えて性能や精度を評価できるもの、検出した値に基づいて調整や選別を行うものとして整理されています。つまり、単に電気で動くかどうかではなく、何を測り、その結果をどう使うのかが核心になります。(customs.go.jp)

2 部分品そのものが独立した項に当たるか

第90類の注では、部分品や附属品であっても、その物品自体が第84類、第85類、第90類、第91類の特定の項で表現されるなら、原則としてその項に分類するとされています。日本税関の解説でも、変圧器、電磁石、コンデンサー、抵抗器、リレー、ランプなどは、たとえ第90類機器に組み込まれる用途であっても、第85類に残る例として示されています。最終用途だけで第90類に移るわけではない、という点は実務上とても重要です。(customs.go.jp)

3 単体ではなくシステムとして一つの機能を果たすか

日本税関は、第90類でも機能ユニットの考え方を採ると説明しています。複数の構成品が一つの明確な機能に直接寄与し、通常は同時に輸入されるような場合には、全体を一体として評価します。複数機能が併存する場合は、主たる機能で決めるという整理です。複雑な装置ほど、この視点を落とすと誤判定が起きやすくなります。(customs.go.jp)

直近事例で見る、境界の動き方

事例1 家庭用の電子血圧計は第90類

日本税関の2025年9月1日適用の改正概要では、腕帯、加圧ポンプ、血圧センサー、表示部などから成り、血圧と脈拍を自動測定する家庭用の電子血圧計が第9018.19号に分類されています。ここで効いているのは、家庭用であるかどうかよりも、生理学的な値を測定する医療系機器としての性格です。消費者向け製品であっても、測定対象と機能の中心が医療的な計測にあるなら、第90類に入ることがあります。(customs.go.jp)

事例2 光療法用の装置は第85類

同じく2025年9月1日適用の改正概要では、家庭用や美容施設、ヘルスケア施設向けに設計され、ハロゲン光源と光学ユニットで偏光を照射する光療法用装置が第8543.70号に分類されています。創傷治癒、疼痛緩和、皮膚疾患への使用などが説明されていても、それだけで自動的に第90類の医療機器になるわけではありません。ここで学ぶべきなのは、ヘルスケアや療法という販売上の言葉と、HS上の所属は一致しないことがある、という点です。(customs.go.jp)

事例3 インバーター関連は第85類と第90類に割れる

日本税関の分類例では、非同期電動機の速度制御に用いる電子速度制御装置が第8504.40号に分類される一方、三相非同期電動機の速度、トルク、位置の制御を確保することを主機能とし、リアルタイム測定カードなどを備えた電子周波数インバーターは第9032.89号に分類されています。両者の違いは、電力変換や駆動が中心なのか、測定値を取り込み、比較し、自動調整する仕組みが中心なのかという点です。見た目や商品名が似ていても、制御ロジックまで追わなければ結論は出ません。(customs.go.jp)

事例4 ゴーグル型製品は、電気製品より光学・眼鏡類として見られることがある

公開されている事前教示事例では、液晶シャッターを備えた3-Dゴーグルについて、第85.43項の固有の機能を有する電気機器よりも、第90.04項の眼鏡類の方が具体的であるとして、第9004.90号に分類しています。また、日本税関の分類例では、CPU、レンズ、各種センサー、接続端子を備え、特定のスマートフォンと組み合わせて使うVRヘッドセットも第9004.90号に分類されています。電子部品が多く入っていても、眼鏡やゴーグルとしての具体的な性格が勝つ場合がある、という好例です。(customs.go.jp)

事例5 制度改正そのものが境界の難しさを示している

HS2022では、第85.24項としてフラットパネルディスプレイモジュールの項目が新設されました。日本税関の資料では、その背景として、こうしたモジュールが従来は第85.28項や第85.29項、さらには第90類の測定機器などに分かれて分類され、統一的ではなかったことが説明されています。つまり、第85類と第90類の境界が難しいのは、担当者が迷うからではなく、制度側も整理を必要としたほど構造的に難しいからです。(customs.go.jp)

ビジネス現場で外さない見方

営業資料より、仕様書と機能説明を見る

税関資料から逆算すると、社内で第85類と第90類を見分けるときは、少なくとも次の順で確認すると精度が上がります。何を測るのか。測定値を表示または記録するのか。目標値との比較があるのか。その比較結果に基づいて自動調整するのか。単体品として輸入するのか、システムとして一体で輸入するのか。さらに、構成部品それ自体がすでに第85類などの独立した項に当たるのか。

結局のところ、営業資料のキャッチコピーより、仕様書、回路構成、制御ロジック、輸入形態のほうが分類には効きます。(customs.go.jp)

重要案件では事前教示を使う

継続輸入品や、税率、原産品判定、通関運用への影響が大きい案件では、文書による事前教示を使う価値があります。日本税関は、文書回答による事前教示について、原則として全国の税関で3年間尊重され、通関の迅速化にもつながると案内しています。一方で、貨物内容が回答時と異なる場合、期間を過ぎた場合、法令改正があった場合などは、その前提が崩れます。大事なのは、一度判断して終わりにしないことです。モデルチェンジ、ソフト更新、センサー追加、セット内容変更があれば、分類も見直す前提で運用したほうが安全です。(customs.go.jp)

まとめ

第85類と第90類の境界で問われるのは、電子化の度合いではありません。主たる機能は何か。測定や検査が本質なのか。測定値に基づく自動調整まで行うのか。部分品自体が独立した項に当たるのか。システム全体で一つの機能を果たしているのか。この順で見れば、迷いはかなり減ります。

最近の公表例が示しているのも、結局は同じことです。名前ではなく機能で見る。販促表現ではなく条文で見る。これが、第85類と第90類の境界で判断をぶらさないための基本姿勢です。(customs.go.jp)

免責事項

本記事は、日本税関その他の公的資料に基づく一般的な解説であり、個別貨物の最終的な所属区分、税率、原産品判定、通関結果を保証するものではありません。実際の品目分類は、輸入申告時の現況、構造、機能、用途、セット構成、同時輸入の有無、法令改正などによって変わり得ます。重要案件については、最新の関税率表と公表資料を確認したうえで、必要に応じて税関の文書による事前教示を利用してください。

EU向け輸出の巨大な壁。ICS2による「商品説明・HSコード不備」が招く自動拒絶の衝撃と対策。 2026年3月6日


欧州連合(EU)への輸出実務において、現在最も警戒すべきシステムが存在します。それが、EUの新しい輸入管理システムである「ICS2(Import Control System 2)」です。

航空貨物(フェーズ1・2)に先行導入されていたこのシステムは、海上・道路・鉄道貨物への適用(リリース3)が2024年6月以降段階的に拡大し、2025年9月1日に全モードで完全義務化されました。さらに2026年2月3日には旧メッセージ形式が完全廃止となり、欧州向けビジネスを展開するすべての日本企業に甚大な影響を及ぼしています。特に現場で多発しているのが、ENS申告における商品説明(Cargo Description)とHSコードの不備を起因とする自動拒絶のトラブルです。

本記事では、国際物流と通関ルールの専門家の視点から、この自動拒絶がなぜ起きるのか、そして自社のサプライチェーンを守るためにどのような対策を講じるべきかを解説します。


1.ICS2と「自動拒絶」のメカニズム

ICS2は、テロ対策や危険物の流入阻止を目的とした、EUの高度なセキュリティ・セーフティシステムです。最大の特徴は、貨物がEUに到着する前、あるいは「船に積み込まれる前」の段階で、ENS(Entry Summary Declaration:入域要約申告) と呼ばれる詳細な貨物データの提出を義務付けている点です。

⚠️ 適用対象はEU27ヶ国だけではありません。スイス・ノルウェー・北アイルランド向けまたは経由の貨物にも適用されます。

このENS申告において必須となるデータ項目の一つが、世界共通の品目分類番号である「HSコード(最低6桁)」です。

現在、EU税関の監督機関であるDG TAXUD(欧州委員会・税関間接税総局)は、ENS申告データに対するセキュリティリスク分析システムを極めて厳格に運用しています。ENS上に記載された**「商品説明(Cargo Description)」と、申告された「HSコード(6桁)」**の間に論理的な矛盾や不備が見られる場合、人間の審査官を通すまでもなく、システムが即座にエラーを検出し、ENS申告そのものを拒絶。有効なENS番号(MRN)が発行されず、当該貨物は積み込みができなくなります。

❌ こんな品名は即アウト

TaxUDは使用を禁止する品名リストを公開しており、随時更新されています。以下のような汎用的すぎる品名は、システムが自動的に弾く対象です。

  • Parts / Auto Parts / Metal Parts
  • Machine / Goods / Merchandise
  • Various Items / General Cargo

過去の慣例に頼った不正確なHSコードの使用も直接的なリスク要因となります。


2.日本企業を直撃するサプライチェーンの危機

このシステムの恐ろしい点は、エラーが発覚するタイミングと、それがもたらす物理的なダメージの大きさにあります。

🚢 積み地(日本側)でのコンテナ滞留リスク

海上貨物の場合、ENSデータは原則として「船積み前」に提出し、MRNを取得する必要があります。申告内容にデータ不備があると 「Do Not Load(積載禁止)」 の指令が発令され、貨物は日本の港で留め置かれます。

💸 予期せぬコスト増と納期遅延

港での滞留は、高額な保管料(ストレージ)やデマレージの発生に直結します。さらに、予定していた船便を逃すことで、EU側の顧客への納期遅延が確定します。現代のジャスト・イン・タイムを前提とした製造業や、季節性の高い消費財ビジネスにおいて、数日から数週間の遅れは致命的な契約違反や取引停止に発展する危険性をはらんでいます。

⚖️ 責任の所在を巡るトラブル

データ不備による遅延が発生した場合、その責任が「不正確な情報を提供した輸出者(荷送人)」にあるのか、「申告手続きを代行したフォワーダー(海貨業者)」にあるのかで、多額の損害賠償を巡るトラブルに発展するケースが急増しています。


3.今すぐ実行すべき3つの実務アクション

✅ アクション① 製品マスターデータの大掃除

自社が取り扱う全製品について、最新のHSコード(6桁以上)が正確に付与されているか、またENS申告に使用する商品説明(Cargo Description)がそのコードを客観的に裏付ける具体的な英語表記になっているかを全件見直してください。TAXUD禁止品名リストへの抵触有無も合わせて確認が必須です。

✅ アクション② フォワーダーとの情報連携の強化

通関業者やフォワーダーに対して、正確なHSコードと詳細な製品情報を余裕を持ったスケジュールで提供する体制を構築してください。ENSデータ提出の締め切りが従来よりも大幅に前倒しされていることを、営業部門・出荷担当者にも周知徹底することが不可欠です。

✅ アクション③ EU側バイヤーとの事前合意

HSコードの解釈は輸出側と輸入側で意見が分かれることがあります。EUに到着後の輸入通関をスムーズに行うためにも、事前にEU側の輸入者と協議し、ENS申告で使用するHSコード(6桁)および商品説明について双方で完全な合意を取っておくことが極めて重要です。


おわりに:データ精度が物流を制する時代へ

「通関書類は事務作業」という認識が、企業を危機に追い込む。

EUのICS2による自動拒絶は、貿易実務における「データ精度」が、物理的な「物流のスピード」を直接左右する時代が到来したことを明確に示しています。

経営層はこれをサプライチェーン全体の重要課題と位置づけ、コンプライアンス体制とデータ管理への投資を直ちに行う決断が求められています。


免責事項

本記事は専門的な視点からの一般的な情報提供およびビジネス動向の解説を目的としたものであり、特定の企業に対する法的助言や通関業務の最終判断を構成するものではありません。各国の税関システムや通商ルールは随時更新されるため、実際の輸出入業務にあたっては、欧州委員会の公式ガイダンス、ご利用の物流業者(フォワーダー)、および有資格の通関専門家による最新の一次情報を必ずご確認ください。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、責任を負いかねます。


📢 HSCF、さらに賢くなりました。AIエンジンがバージョンアップ!


「あの写真、本当にHSコードの判定に使えるの?」 そんな疑問を持ったことはありませんか。答えはYES、そしてこれからはもっと正確になります。

AIエンジンが5.2 → 5.4へ進化

HSコード・ファインダー(HSCF)の頭脳として動くAIエンジン「ChatGPT」が、バージョン5.2から5.4へアップグレードされました。

「数字が変わっただけ?」と思った方、注目すべきはその中身です。今回のバージョンアップで特に強化されたのが、画像認識の精度。HSCFが得意とする「写真を使ったHSコード判定」において、商品画像からより多くの情報を、より正確に読み取れるようになりました。

📦 写真を撮って送るだけで、複雑なHSコードが特定できる。そのパワーが、今日からさらに磨かれました。

進化は”2本の車輪”で回る

HSCFの強みは、AIに頼り切らない点にあります。HSCFは ①独自アルゴリズム②AIエンジン の両輪で継続的に進化し続けています。

今まさに、独自アルゴリズムのさらなる高度化も進行中。近々、その成果をお披露目できる予定です。AIが上がれば精度が上がる。アルゴリズムが育てば判断力が上がる。 この二重の進化構造こそが、HSCFが高い判定精度を維持し続ける理由です。

貿易実務者の”右腕”として

HSコードの誤分類は、関税の過払い・輸出入規制違反・通関遅延など、ビジネスに直結するリスクを生みます。HSCFは、そのリスクを「写真一枚」から減らす力を持つツールです。

今回のアップグレードで、その力はさらに確かなものになりました。

次のアップデートにも、ぜひご期待ください。


修正・追加したいトーンや強調ポイント(例:特定業種向け、SNS投稿用に短縮など)があればお気軽にどうぞ。

HS2028とFTA別PSRの基準差を読み解く

2028年に向けた原産地管理の実務ポイント

はじめに

HS2028への移行は、単なる品目番号の更新ではありません。多くのFTAやEPAの品目別原産地規則(PSR)は、協定本文や附属書で参照するHSの版が固定されているため、通関実務で使う最新HSと、PSR評価で参照すべきHSの版がズレることがあります。ズレを放置すると、原産性判定の誤り、優遇税率の取りこぼし、事後検証での説明負荷に直結します。 (税関総合情報)


1. HS2028は何が変わるのか

HS2028は2028年1月1日に発効する

WCO(世界税関機構)は、HS2028がHS(品目分類)の第8版として2028年1月1日に発効するとしています。 (世界 Customs Organization)

改正規模は大きく、分類の再設計が含まれる

WCOによれば、HS2028の改正は299セットの改正から成り、体系としては1,229の項(heading)と5,852の号(subheading)になると説明されています。HS2022と比べて、新設・削除も含む構造的な変更が行われるため、品目番号の読み替え(転記)が実務上不可避になります。 (世界 Customs Organization)

企業実務に効く、HS2028の注目ポイント

HS2028は、特定分野で分類の切り直しが示されています。例としてWCOは、ワクチンの分類を見直し、従来30.02に含まれていたものを、人用ワクチンとそれ以外で別の項に再分類する構造変更を挙げています。また、栄養補助食品については新しい項(21.07)を設け、プラスチック廃棄物の分類(39.15)もバーゼル条約の区分に整合させる方向で再構成するとしています。 (世界 Customs Organization)

2028年までに相関表が整備される見込みだが、協定の転記とは別問題

WCOは、HS2022とHS2028の相関表(correlation tables)の作成や解説書類の更新を進める方針を示しています。これは分類移行の強い助けになりますが、FTAやEPAのPSRが自動的にHS2028に切り替わることを意味しません。協定側でPSRの転記や運用変更が決まらない限り、原産性判定は従来版HSを参照するケースが残ります。 (世界 Customs Organization)


2. PSR基準差はなぜ起きるのか

基準差の正体は3層ある

現場で起きる「基準差」は、だいたい次の3層で発生します。

1層目:協定が参照するHSの版の違い
同じ品目でも、協定ごとにHS2012、HS2017、HS2022など参照版が異なることがあります。 (税関総合情報)

2層目:PSR設計の違い
PSRは、関税分類変更(CC、CTH、CTSH等)、付加価値基準(RVCや非原産材料割合の上限)、特定加工工程など、複数タイプが組み合わさって規定されます。協定によって、同じ産品でも採用する条件が異なり得ます。

3層目:転記(transposition)の時期差
HS改正に合わせてPSR表を新HSへ転記する作業は、協定ごとに進捗と適用時期が異なります。よって「ある協定はすでにHS2022」「別の協定はHS2017のまま」といった状態が同時に起きます。

日本の実務で特にややこしい点:申告HSと協定HSは一致しないことがある

日本の税関サイトは、EPA等のPSR検索に関して「入力したHSコードと協定が採用しているHS版が異なると、検索結果に誤りがある場合がある」旨を明示しています。さらに「輸入通関申告の際には最新のHSコードを使用する」旨も記載されています。
つまり、申告は最新HS、PSR判定は協定HS、という二重運用が起き得る前提で設計しないと事故になります。 (税関総合情報)


3. 協定別に見る「PSRが参照するHS版」の現在地

ここでは、HS2028を見据えて影響を受けやすい「協定の参照HS版」と「転記の実績・状況」を、根拠資料ベースで整理します。

RCEP:PSRはHS2022に転記済み、ただし例外的にHS2012が残る領域がある

RCEPのPSR(品目別規則)は、HS2022に転記されたPSRが2022年6月30日に採択され、各締約国が2023年1月1日から実施すると明記されています。
一方、日本の経済産業省は、2023年1月1日以降の日本の原産地証明ではPSRはHS2022版を使うが、協定第2.6条第3項に基づきRCEP原産国を決定するための附属書I付録については、HS2022に変換された付録の最終版が通知されるまでHS2012版を継続適用すると説明しています。
RCEPは「すでにHS2022へ完全移行」と思い込みやすいですが、用途や条項により参照HSが混在し得る、という点が重要です。 (経済産業省)

AJCEP:附属書2(PSR)をHS2017へ更新し、2023年3月1日発効

日本の外務省は、AJCEP協定の附属書2(品目別規則)をHS2002ベースからHS2017ベースへ更新する改正であり、改正附属書2が2023年3月1日に発効する旨を公表しています。 (外務省)

日インドネシアEPA:附属書2(PSR)をHS2017へ更新し、2024年2月5日発効

外務省は、日インドネシアEPAの附属書2(PSR)改正について、HS2002ベースからHS2017ベースへ更新することが主目的であり、改正附属書2は2024年2月5日に発効するとしています。 (外務省)

日EU・EPA:PSR表はHS2017ベースで整理されている

日本税関が公開している日EU・EPAのPSR(Annex 3-B)資料では、PSR表の見出しとして「Harmonized System classification (2017)」が示されています。HS版が明示されているため、HS2028時代には「申告HS2028」と「PSR評価用のHS2017」の橋渡しが必要になります。

日英EPA:Annex 3-A/3-B等がHS2017(2017年1月1日改正のHS)ベース

日英EPAの附属書(Annex 3-A)では、Annex 3-A、Annex 3-B、Annex 3-Cが「2017年1月1日に改正されたHSに基づく」と明記されています。日英も、HS2028への移行局面では協定側転記の有無を確認しながら運用する必要があります。

CPTPP:PSR(Annex 3-D)はHS2012ベース、転記は段階的に議論・合意が進む

CPTPP(TPP11)のPSR(Annex 3-D)は、表の見出しとしてHS Classification (HS2012)が明記されています。 (ニュージーランド外務貿易省)
そのうえで、CPTPPの委員会文書では、PSRをHS2012からHS2017へ転記する作業について、メンバーが転記に同意したことが示されています。ただし、改訂されたHS版をどう採用するかのプロセスは未解決で、次回以降も議論する旨が記載されています。 (国際問題カナダ)
さらに、別の委員会文書では、HS2017からHS2022への転記案が検討され、提案された変更の多くが暫定確認された一方で、一部は追加議論が必要とされています。
また、2022年時点の文書では、HS2012からHS2017の転記作業の残課題の整理や、将来的なHS2022実装時期の見通し(理想として2024年1月開始)などが議論されていたことが分かります。

ここから言えるのは、CPTPPは転記の方向性が進んでいるものの、企業側は「いつ、どの版を、どの手続で」使うのかを公的情報で都度確認しながら運用設計する必要がある、ということです。


4. HS2028で現場が詰まりやすいパターン

パターン1:HS改正でコードが分割され、PSR条文が見当たらない

HS2028では、ワクチンや栄養補助食品、プラスチック関連などで構造的な再分類が示されています。こうした分割・新設が起きると、申告用の新HSコードでPSR表を引いても、協定側のPSR(旧HSベース)に該当行が存在しない、という検索上の違和感が発生しやすくなります。 (世界 Customs Organization)

パターン2:同じ製品でも協定ごとに満たすべきPSRが違う

たとえば、ある協定ではCTH(4桁変更)で足りるのに、別の協定ではRVC条件もセット、あるいは特定工程条件が必要、ということが起こり得ます。PSRは協定附属書で規定され、要件の種類(関税分類変更、加工工程、非原産割合、域内価値割合など)が明示されています。

パターン3:社内外の証憑が「HS版違い」で混在し、監査対応が難しくなる

取引先から受け取る原材料明細やサプライヤー申告書がHS2017表記、社内ERPの品目がHS2022表記、輸入申告が最新HS表記、という具合に、証憑が版違いで並ぶことがあります。税関側も「協定が採用しているHS版で検索すべき」と明示しているため、版違いを説明可能な形で証憑体系を整えることが重要です。 (税関総合情報)


5. 2026年からの実務ロードマップ

(本稿執筆時点は2026年3月)

ステップ1:協定ごとに「PSRの参照HS版」を棚卸しする

まず、対象協定ごとにPSRがどのHS版に基づいているかを棚卸しします。税関の注意書きのとおり、協定のHS版を外すと検索や判定の誤りが起き得ます。 (税関総合情報)
最低限、次の管理項目を持つだけで事故率が下がります。

・協定名
・PSRの参照HS版(HS2012、HS2017、HS2022など)
・参照版の根拠資料(条文・附属書・政府公表)
・自社運用の適用開始日(自社の判定基準日)

ステップ2:マスターデータに「申告HS」と「協定HS」を分けて持たせる

実務上は、次の2つを分離して管理する設計が現実的です。

・通関申告用の最新HSコード(日本の申告要件に合わせる) (税関総合情報)
・協定別のPSR判定用HSコード(協定が採用する版に合わせる) (税関総合情報)

HS2028移行期は、申告HSが更新されても協定のPSRが直ちに転記されない可能性があるため、この分離が効きます。 (世界 Customs Organization)

ステップ3:相関表と転記情報が公表されたら、影響分析を自動化する

WCOはHS2022とHS2028の相関表整備を進める方針を示しています。相関表が出てから慌てないために、以下を先に決めておきます。 (世界 Customs Organization)

・自社品目ごとに、HS改正で分割・統合されそうな領域を抽出する
・分割が起きた場合に、どの根拠資料で新コードへ割り当てるかのルールを決める
・協定別に、PSRが転記された場合の差分検知(ルール変更か、単なる番号読み替えか)を分けて扱う

ステップ4:原産地証明の根拠書類を「HS版込み」で保全する

PSRの根拠は、材料表、工程表、原価資料、仕入書類など複数にまたがります。CPTPPに関する日本税関のガイドラインでも、PSRを満たすための証憑例(材料表、工程表、原価資料など)が示されています。 (税関総合情報)
HS2028移行期は、同じ品目でもHS版が違うと説明が通りにくくなるため、保全時に次の一言を必ず付ける運用が現場で効きます。

・この資料のHSコードは、どの版に基づく表記か
・PSR判定に用いた協定と、参照したPSR表のHS版は何か
・相関表を使ったなら、どの相関表で、どう読み替えたか


6. まとめ

HS2028は2028年1月1日に発効予定で、改正規模も大きく、分類の切り直しが含まれます。 (世界 Customs Organization)
一方で、PSRは協定ごとに参照するHS版が異なり、転記や適用開始の時期も揃いません。さらに日本の実務では、申告は最新HS、PSR判定は協定HSという二重運用が起き得ることが明示されています。 (税関総合情報)

だからこそ、HS2028対応は「分類担当だけの仕事」にせず、原産地管理の仕組みとして、協定別に参照HS版を持つ、相関表で読み替えた痕跡を残す、という運用設計に落とし込むことが最短ルートになります。


免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の取引、品目分類、原産性判定、申告手続についての法務・税務・通関上の助言を構成するものではありません。実際の適用にあたっては、最新の協定本文・附属書、税関・関係当局の公表資料、並びに必要に応じて専門家の助言をご確認ください。

HS2022 第96類:雑品(Miscellaneous manufactured articles)

用語は次で統一します。

  • 類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)

0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)

  • この類に入る代表例(3〜6個):
    • ほうき・ブラシ・モップ等(9603)
    • ボタン、スナップ、プレススタッド等(9606)
    • スライドファスナー(ジッパー)及び部品(9607)
    • ペン・シャープペン・替芯等(9608)/鉛筆・クレヨン等(9609)
    • 生理用品・おむつ等(材料を問わない)(9619)
    • 三脚・一脚・自撮り棒(セルフィースティック)等(9620)
  • この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
    • 化粧用鉛筆(例:アイブロウペンシル)→ 第33類(章注で明示)
    • 模造身辺細貨類(イミテーションジュエリー) → 7117
    • 第82類の刃物等(完成品):彫刻用材料の柄が付いていても本体は第82類(ただし柄を単独提示なら9601/9602の余地)
    • 医療・獣医の特殊ブラシ → 9018(章注で例示)
    • 家具・照明器具 → 第94類(章注で除外)
    • がん具・遊戯用具・運動用具 → 第95類(章注で除外)
  • 実務での最重要分岐(1〜3個):
    • 「章注の除外」(第33類/66類/71類/82類/90類/94類/95類/97類など)に当たらないかを最初に確認
    • 9619は材質で迷わない(紙・不織布・プラスチックでも「衛生用品」なら9619に寄せて検討)
    • 9620は“スタンド一般”ではない(マイクスタンド等は除外、武器用に特化した三脚も除外)
  • (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
    • 9601(象牙等)を含む製品:ワシントン条約(CITES)・国内規制の影響が大きい(差止・手続き遅延リスク)
    • 9613(ライター):**PSCマーク(消費生活用製品安全法)**の対象になり得る(輸入後販売の可否に直結)

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)

1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)

  • この類で特に効くGIR:
    • GIR1(品目表の文言+注):第96類は「注(Notes)」が強く、除外規定も多いので、まず章注を読み、外れるものを落とします。
    • GIR6(6桁の号までの選定):同じ項でも、非詰替式/詰替式(ライター)歯ブラシ/その他ブラシ(9603)、**ボタンの材質(9606)**などで号が分かれます。
    • (セット品のとき)GIR3(b):たとえば9605(旅行用セット)は、構成品の寄与(本質)・小売用セット性が論点になります(※要件充足の確認が前提)。
  • 「品名だけで決めない」ための観点:
    • 用途(例:化粧用途か、筆記用途か)
    • 状態(完成品か、部分品か、半製品か)
    • 材質が決め手になるか(9606等)/材質を問わないか(9619等)

1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)

  • Step1:章注1の除外に当たらないか?
    • 化粧用鉛筆(33類)、模造身辺細貨類(7117)、家具(94類)、がん具(95類)など。
  • Step2:除外でなければ、機能で項を特定
    • 例:ブラシなら9603、ボタンなら9606、ファスナーなら9607、筆記具なら9608/9609、衛生用品なら9619、三脚等なら9620。
  • Step3:完成品/部分品の切り分け
    • 例:真空容器(完成品)=9617、ガラス内瓶は除外(70.20)
  • Step4:6桁(号)へ(材質・構造・詰替可否・用途等で分岐)
  • よく迷う境界(例:第○類と第○類の境界):
    • 9609(鉛筆等) vs 33類(化粧用鉛筆)
    • 9608(一般の筆記具) vs 9017(製図用からす口等)
    • 9603(一般のブラシ) vs 9018(医療用・歯科用などの特殊ブラシ)
    • 9620(三脚等) vs 8518(マイクスタンド)/93類(武器用に特化した三脚等)

2. 主な項(4桁)とその内容

2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)

  • 原則:第96類は実務上も見出しが整理されているため、全列挙します。
項番号(4桁)見出しの要旨(日本語)典型例(製品名)重要な分岐条件/除外/注意点
9601動物性の彫刻用/細工用材料(加工品)とその製品象牙・骨・貝殻・角の加工品、装飾パーツ「加工したもの」が前提。種規制(CITES等)に要注意。
9602植物性/鉱物性の彫刻用材料(加工品)等、ろう等の成形品、未硬化ゼラチン製品コロゾ等の彫刻品、琥珀・海泡石加工品、ろう模型、未硬化ゼラチン製品「植物性又は鉱物性の彫刻用材料」の定義に注意。35.03のゼラチンは除外。
9603ほうき・ブラシ類、モップ、ダスター、刷毛、結束毛束等歯ブラシ、塗装用刷毛、掃除用ブラシ、モップ医療・獣医の特殊ブラシは90.18へ。結束毛束は章注3の定義が前提。
9604手用ふるい・手用ふるい分け料理用ふるい「手用」が前提。
9605旅行用セット(化粧/裁縫/靴・衣類清掃)旅行用裁縫セット、靴磨きセットセットの構成・提示形態が重要(GIR3論点)。
9606ボタン、スナップ、プレススタッド等と部品・ブランクシャツボタン、ホック、スナップ服飾金具でもバックル等は他章の可能性。材質で号が分岐。
9607スライドファスナー(ジッパー)と部品ジッパー、スライダー、チェーン部品は9607.20。
9608ボールペン等、万年筆等、シャープペン、ホルダー、部品ボールペン、サインペン、万年筆、替芯、ペン先インキカートリッジ(32.15)や製図用からす口(90.17)等は除外。
9609鉛筆、クレヨン、鉛筆芯、パステル、チョーク等木軸鉛筆、クレヨン、鉛筆芯、パステル化粧用鉛筆は33類へ(章注1(a))。
9610筆記/図画面付きのスレート・ボード携帯用黒板・ボード「筆記/図画用の表面」がポイント。
9611日付印・封印・番号印等(手押し)日付スタンプ、ナンバリングスタンプ手で操作する設計が前提。
9612タイプリボン等、インクパッドタイプリボン、インクリボン、スタンプ台リボン(9612.10)かパッド(9612.20)か。
9613ライター及び部品(火打石・芯を除く)使い捨てガスライター、詰替式ライター、電子ライター安全規制(PSC等)に注意。火打石・芯は本項から除外。
9614喫煙用パイプ、シガー/シガレットホルダー等パイプ、パイプボウル、ホルダー部品も含む。
9615くし、ヘアスライド、ヘアピン、カーラー等櫛、ヘアクリップ、ヘアピン模造身辺細貨類(7117)相当の装身性が強い場合は注意(章注1(c))。
9616香水噴霧器等(マウント・ヘッド含む)、化粧用パフ等アトマイザー、スプレーヘッド、化粧用パフ容器単体は材質別へ、機械式噴霧器は84類の可能性等。
9617魔法瓶その他の真空容器(完成品)と部品(ガラス内瓶除く)真空断熱ボトル、真空ジャー、外部ケース、ふたガラス内瓶は除外(70.20)。外部ケースなしの真空断熱ボトルも含み得る。
9618洋裁用ダミー等、ショーウインドー用自動人形等トルソー、マネキン、動く展示装置人形玩具は95類、実物説明用模型は90.23等に注意。
9619生理用ナプキン、タンポン、おむつ等(材料を問わない)生理用品、紙おむつ、成人用失禁パッド、吸水性の母乳パッド「材料を問わない」が核心。吸収性のない物品や用途が違う医療用吸収パッド等は除外。
9620一脚・二脚・三脚・自撮り棒等カメラ三脚、一脚、自撮り棒マイクスタンド(8518)等は除外。93類用に特化設計のものも除外。

2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)

  • 分岐条件の整理(この類で頻出):
    • 材質で分かれる:9606(ボタン)、9615(くし類:硬質ゴム/プラ vs その他)など
    • 用途で分かれる:9603(歯ブラシ/化粧用筆/塗装用刷毛/機械用ブラシ等)
    • 構造・詰替可否で分かれる:9613(ガス・ポケットライターの詰替可否)
    • 完成品/部品で分かれる:9607(部品)、9613(部品)、9617(部品:ガラス内瓶除外)
  • 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
    • グループ1:9619(衛生用品) vs 材質別の章(紙製品、繊維製品、プラスチック製品など)
      • どこで分かれるか:用途が「生理用品・おむつ等(吸収性を有する同類品)」かどうか
      • 判断に必要な情報:吸収体の有無、用途(失禁用・母乳用など)、医療用ドレープ等との違い
      • 典型的な誤り:「不織布だから繊維」「プラ外層があるからプラ製品」等で材質に引きずられる
    • グループ2:9620(三脚・自撮り棒) vs 8518(マイクスタンド)
      • どこで分かれるか:カメラ・スマホ等の“無作為の動き抑制”の支持具か、マイク用スタンドか
      • 判断に必要な情報:取付対象(何を載せるか)、構造(雲台・クイックリリース等)、仕様書
      • 典型的な誤り:スタンド類を一括で9620に寄せる
    • グループ3:9608(筆記具) vs 90.17(製図用からす口等)
      • どこで分かれるか:「一般筆記具」か「製図・計測用途の機器/器具」か
      • 判断に必要な情報:用途(製図用か)、カタログの用途説明、構造(製図器具か)
      • 典型的な誤り:高級・精密=90類、あるいはペン形状=9608と短絡
    • グループ4:9617(真空容器) vs 70.20(ガラス内瓶)
      • どこで分かれるか:「真空容器の完成品/外装部品」か「単独のガラス製内部容器」か
      • 判断に必要な情報:輸入形態(完成品か部品か)、部品の材質・用途(内瓶か)

3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)

3-1. 関連する部注(Section Notes)

  • ポイント要約:
    • 第96類の章注1(d)は、「はん用性の部分品(parts of general use)」(Section XV 注2で定義)を第96類から除外します。
  • 実務での意味(具体例つき):
    • 例えば「金属製の汎用クリップ・金具」など、**別章で一般的に扱う“はん用性の部分品”**は、第96類の“雑品”に寄せず、まずSection XVや該当章で検討します(※実務上は品名だけでなく規格・用途・取付形態が重要)。
  • “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
    • 9606/9607等の周辺部材を「ボタン・ファスナー」と誤認し、実は“はん用性の部分品”だった、というパターン(章注1(d)で除外の方向)。

3-2. この類の類注(Chapter Notes)

  • ポイント要約:
    • 注1:第96類に入らないもの(化粧用鉛筆、66類、模造身辺細貨類、はん用性の部分品、90類、94類、95類、97類等)を列挙
    • 注2:9602の「植物性又は鉱物性の彫刻用材料」の定義(コロゾ等、琥珀、海泡石、黒玉等)
    • 注3:9603の「結束し又は房状にした物品」の定義(未装着で、ほうき/ブラシに組み込める状態)
    • 注4:貴金属・真珠・宝石等を含む場合の扱い(9601〜9606・9615は“微量使用”に限る等)
  • 用語定義(定義がある場合):
    • 9602の「植物性又は鉱物性の彫刻用材料」
    • 9603の「prepared knots and tufts」相当
  • 除外規定(除外先の類・項も明記):
    • 例:化粧用鉛筆→33類、医療用特殊ブラシ→90.18、玩具→95類、家具→94類など

4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)

この章は「類注があるからこそ起きる分岐」を可視化することが目的。

  • 影響ポイント1:章注1(除外リスト)で“第96類に行く前に落とす”
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):用途(化粧/医療/玩具/家具等)、製品説明、販路(化粧品売場か等)
    • 現場で集める証憑:カタログ、パッケージ表示、取扱説明書、用途が分かる商品ページ写し
    • 誤分類の典型:アイブロウペンシルを9609へ(実際は章注1(a)で33類)
  • 影響ポイント2:9619(材料を問わない)の“材質ブレ”を止める
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):吸収性の有無、用途(生理用/失禁用/乳児用/母乳用等)、医療用途との違い
    • 現場で集める証憑:断面構造図、材質構成(内層/吸収体/外層)、用途説明
    • 誤分類の典型:不織布だから繊維章、プラ外層だからプラ章と判断して9619を見落とす
  • 影響ポイント3:9620に“自撮り棒(セルフィースティック)”が含まれる
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):地面に接地させる支持具か、手持ち自撮り用途か、取付対象(スマホ/カメラ等)
    • 現場で集める証憑:仕様書(伸縮・ホルダー・リモコン有無)、写真
    • 誤分類の典型:スマホ周辺機器として別章に寄せる/マイクスタンド等まで9620に入れる

5. 分類でよくある間違い(原因→対策)

  1. 間違い:アイブロウペンシル等を9609(鉛筆)にする
    • なぜ起きる:形が鉛筆状で、品名も“pencil”表記になりやすい
    • 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):章注1(a)で化粧用鉛筆は第33類へ除外
    • 予防策:用途の確認(化粧/筆記)、化粧品としての表示・販売形態の取得
  2. 間違い:象牙等の柄付きナイフ(完成品)を9601/9602にする
    • なぜ起きる:高価な材料(象牙等)に目が行き、材料主導で分類してしまう
    • 正しい考え方:章注1(e)により、刃物等(第82類)が原則。9601/9602は“柄を単独提示”などの局面で問題になる
    • 予防策:輸入形態(完成品か、柄単体か)を確認し、商品構成図を入手
  3. 間違い:製図用のからす口等を9608(ペン)にする
    • なぜ起きる:見た目がペンに近い
    • 正しい考え方:96.08の解説で製図用からす口(90.17)を除外として明示
    • 予防策:用途(製図/計測か)と製品カタログの“Designed for drafting”相当の記載を確認
  4. 間違い:成人用失禁パッド等を材質で分類して9619を外す
    • なぜ起きる:紙/不織布/プラのどれが主かで迷う
    • 正しい考え方:9619は生理用品・おむつ等を“材料を問わず”包含し、成人用失禁者向け等も含む
    • 予防策:断面構造(内層・吸収体・外層)と用途説明(失禁用等)を資料化
  5. 間違い:自撮り棒をスマホアクセサリとして別章(通信機器系など)へ寄せる
    • なぜ起きる:スマホと一緒に売られるため
    • 正しい考え方:9620の解説で自撮り棒(セルフィースティック)を含む旨が明記
    • 予防策:カメラ支持具としての機能説明、ホルダー構造・伸縮・リモコン有無を確認
  6. 間違い:香水噴霧器の“容器だけ”を9616にしてしまう
    • なぜ起きる:製品名がatomizerで一括されやすい
    • 正しい考え方:9616の解説では、噴霧器の容器(瓶など)を単独提示する場合は材質で分類する旨が示される
    • 予防策:輸入形態(ヘッド付き完成品か、容器単体か)をインボイス・写真で確認
  7. 間違い:魔法瓶のガラス内瓶(単体)を9617にする
    • なぜ起きる:魔法瓶関連部材=9617と短絡
    • 正しい考え方:9617はガラス内瓶を除外(解説で70.20を示唆)
    • 予防策:部品図で「glass inner」かを確認、材質証明を取得
  8. 間違い:歯ブラシと医療用ブラシを9603で一括する
    • なぜ起きる:どちらも“brush”
    • 正しい考え方:章注1(f)で医療・獣医の特殊ブラシ(90.18)を例示して除外
    • 予防策:用途(歯科治療用/日用品)と販売先(医療機関向け等)を確認

6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点

6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係

  • HSの付番がPSR選択に直結します。誤ったHSでPSRを見てしまうと、原産性判断(CTC/RVC等)の前提が崩れます(一般論)。
  • よくある落とし穴:
    • 最終製品(例:ボールペン=9608)と、非原産材料(例:替芯、インキカートリッジ、金属部品)のHSを混同
    • “材質で分類すると思い込む”ことで、9619(材質不問)などの大前提がズレる

6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)

  • 経済連携協定等は、採用しているHS版が異なることがあり、協定が参照するHS版で検索すべき旨が税関のPSR検索画面でも注意喚起されています。
  • 協定本文・運用が参照するHS版がHS2022とズレる場合の注意(一般論):
    • 「HS2022でのコード」→「協定が採用するHS版への読み替え(トランスポジション)」が必要
    • コード番号が同じでも、文言が変わっている場合がある(第96類ではHS2022で一部文言修正あり)

6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)

  • 材料表(BOM)、原価、工程、原産国、非原産材料のHS、RVC計算の前提
  • 証明書類・保存要件(一般論)
  • 実務のコツ:
    • 「完成品のHS(6桁)」と「主要材料のHS(6桁)」を並べた管理表を作り、改正時は相関表で更新(一般論)

7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)

7-1. 変更点サマリー(必須:表)

比較(例:HS2017→HS2022)変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更)該当コード変更の要旨実務への影響
HS2017→HS2022文言修正(表現整理)9617.00「complete with cases」→「complete」等、完成品表現の整理外部ケースの有無に引きずられず“完成品としての9617”を再確認
HS2017→HS2022文言修正(範囲の明確化)9619.00「napkins」表現を「napkins (diapers)」等と明確化・整理“おむつ等”であることを明示。材質・対象者で迷わず9619を起点に検討
HS2017→HS2022文言修正(軽微)章注1(k) 等例:「lamps」→「luminaires」等の用語調整第94類除外の趣旨自体は同じ(実務影響は限定的)
HS2017→HS2022変更なし(番号体系)9601〜9620見出し番号・号の体系は維持(第96類内での新設・削除は確認できず)税率・国内コード細分は別途改正の可能性があるため最新表を確認

7-2. 「違うことになった根拠」(必須)

  • 根拠資料として、WCOのHS2017版とHS2022版の第96類(Chapter 96)を突合し、9617および9619の見出し文言がHS2022で整理されていることを確認しました。
  • また、日本税関の「HS2022改正について」では、HS改正に伴う新旧対応としてWCO作成の相関表が案内されています(一般的に、改正影響の確認は相関表・新旧条文の突合で行う、という位置付け)。
  • なお、第96類については、HS2017→HS2022で見出し番号や号の“新設・削除・分割”よりも、文言の明確化・整理が中心であることを、本章の条文比較から判断しました。

8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード

主要な流れ(HS2007→2012→2017→2022)を、条文(WCO品目表)ベースで整理します。

変遷変更タイプ旧コード → 新コード(または行き先)要旨実務メモ
HS2007→HS2012新設(HS2007に該当コードなし)→ 9619.00生理用ナプキン・タンポン・おむつ等を“材料を問わず”扱う見出しが追加材質別に分散しがちな品目を「用途」で束ねる設計へ
HS2007→HS2012統合(再編)9608.31/9608.39 → 9608.30“万年筆その他のペン”の細分(インディアンインク製図ペン等)を一本化旧版コードでの資料(BOM/契約/PSR)参照時に注意
HS2012→HS2017新設(HS2012に該当コードなし)→ 9620.00一脚・二脚・三脚等を独立見出し化“カメラ支持具”の定番分類。自撮り棒の扱い整理にも影響
HS2017→HS2022文言修正9617.00/9619.007章参照(完成品表現、diapers明記等)コードは同じでも“文言”更新により説明資料の更新が必要

9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)

  • 事例名(短く):化粧用ペンシルを鉛筆として申告
    • 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):章注1(a)の除外(化粧用鉛筆は33類)
    • 起きやすい状況:インボイス品名が “cosmetic pencil” ではなく “pencil” のみ
    • 典型的な影響:修正申告、追加納税、説明資料要求
    • 予防策:用途説明、化粧品表示、成分・用途資料を添付
  • 事例名:象牙柄のナイフを9601で申告
    • 誤りの内容:章注1(e)(第82類の刃物は第96類ではない。柄単体なら別)
    • 起きやすい状況:材料が高価で、材料主導で分類してしまう
    • 典型的な影響:分類更正、検査強化(場合により種規制の追加確認)
    • 予防策:完成品/部材単体の輸入形態、構成部品リストの整備
  • 事例名:成人用失禁パッドを材質別で申告
    • 誤りの内容:9619(材料を問わない)を見落とし
    • 起きやすい状況:不織布・プラ・紙など複合材で判断が散る
    • 典型的な影響:分類更正、追加納税、品目説明補完要求
    • 予防策:断面構造、吸収体の有無、用途資料(失禁用等)
  • 事例名:自撮り棒を通信機器の付属品として申告
    • 誤りの内容:9620に含まれるべき物品を別章へ
    • 起きやすい状況:スマホ売場の周辺機器扱い
    • 典型的な影響:分類更正、統計品目の修正
    • 予防策:支持具としての仕様(伸縮、ホルダー、リモコン等)を提示

10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)

  • 日本前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
  • ワシントン条約(CITES)等の種規制(該当し得る代表):
    • 9601(象牙等の動物性材料の加工品)は、原材料がCITES/国内法の対象になり得ます。日本国内では象牙製品等の取引が原則禁止を前提に、例外的に管理下で取引可能となる制度が案内されています。
    • 象牙製品等の国内取引を業として行う場合の登録・記録保存等(制度詳細は公的案内に従う)。
    • 輸出(CITES対象貨物)の場合、METI側で輸出承認・CITES許可書等の手続き案内があります。
  • その他の許認可・届出(消費生活用製品安全法:ライター):
    • 9613(ライター)は、ディスポーザブル(使い捨て)式ライター多目的ライターが、消費生活用製品安全法の枠組みで対象製品として整理されています(PSCマーク制度の案内)。
    • 実務では、輸入時点だけでなく「国内で販売できる状態か」(適合性検査・表示等)まで含めて確認が必要です。
  • 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
    • 種規制:環境省の象牙規制案内、METIのCITES手続き案内
    • 製品安全:経済産業省(PSCマーク制度)
  • 実務での準備物(一般論):
    • 仕様書(材質・用途・構造)、写真、原材料の由来情報(動物由来の場合)、製品安全の適合資料(該当品のみ)

11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)

  • 分類前チェック(製品情報の収集)
    • 用途(化粧/医療/一般)、構造(完成品/部品)、材質、セット構成、写真
  • 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
    • 章注1の除外に当たらないか(33/66/71/82/90/94/95/97等)
    • 9619(材質不問)・9620(自撮り棒含む)など“特別に迷いやすい項”の再点検
  • 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
    • インボイス品名が用途を誤誘導しないか(pencil/brush/stand等)
    • 断面構造図・カタログ添付で説明力を上げる
  • FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
    • 協定が参照するHS版の確認(税関PSR検索の注意喚起を踏まえる)
  • 規制チェック(許可/届出/検査)
    • 9601:象牙等なら種規制の該当性確認
    • 9613:PSC対象のライター類は適合性・表示等の確認

12. 参考資料(出典)

  • WCO(HS条文)
    • HS2022 Chapter 96(WCO PDF)
    • HS2017 Chapter 96(WCO PDF)
    • HS2012 Chapter 96(WCO PDF)
    • HS2007 Chapter 96(WCO PDF)
    • HS2017–2022 Correlation Tables(WCO案内)
  • 日本(税関・公的機関)
    • 関税率表解説 第96類(日本税関)
    • HS2022改正について(相関表の位置付け等:日本税関)
    • 事前教示(品目分類)検索(日本税関)
    • Eメール事前教示制度(品目分類)(日本税関)
    • 事前教示制度(カスタムスアンサー:品目分類)(日本税関)
    • 品目別原産地規則(PSR)検索(HS版違いの注意喚起:日本税関)
  • 規制(日本)
    • 象牙の国外持ち出し規制/国内取引規制(環境省)
    • 特別国際種事業者登録(象牙関連:自然環境研究センター等)
    • ワシントン条約(CITES)輸出承認手続き(METI)
    • PSCマーク制度(ライターを含む:METI)
      ※Web参照日:2026-03-02

付録A. 国内コード(日本)での主な細分と注意点(任意)

  • 国内コード(日本の統計品目等)は、HS6桁(国際共通)より細かく分かれ、税率・統計・規制実務に影響します。
  • 第96類は特に、9613(ライター)、9619(衛生用品)などで国内細分が運用上重要になり得るため、必ず最新の輸入統計品目表(国内コード)を確認してください(本稿はHS6桁の整理です)。

付録B. 税関の事前教示・裁定事例の探し方(任意)

  • 税関の公開情報として、**事前教示回答(品目分類)**の検索が可能です(一般的品名、税番、貨物概要等)。
  • 相談を早めるために揃えるとよい情報(一般論):
    • 製品の用途・構造・材質(必要なら断面図)
    • 写真(外観・梱包・表示)
    • カタログ、取扱説明書、成分表(該当品のみ)
  • 申請ルート:Eメールを用いた事前教示制度の案内もあります(実務は管轄税関の案内に従ってください)。

免責事項

本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。

HS2022 第95類:玩具、遊戯用具及び運動用具並びにこれらの部分品及び附属品(Toys, games and sports requisites; parts and accessories thereof)

  • (用語の統一)
    類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)

0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)

  • この類に入る代表例(3〜6個):
    • 三輪車・スクーター等の車輪付き玩具、人形、その他の玩具、パズル(95.03)
    • 家庭用ゲーム機(外部モニターに映すタイプ)や、画面内蔵の携帯型ゲーム機(95.04のうち、主に9504.50の対象)
    • クリスマス装飾などの祝祭用品(95.05)
    • スポーツ・屋外遊戯用の用具(ゴルフ、テニス、卓球、プール等)(95.06)
    • 釣りざお・釣針・リール等の釣具(95.07)
    • 遊園地の乗り物(ジェットコースター等)、ウォーターパーク設備、射的場などの興行用設備、巡回劇場設備等(95.08)
  • この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
    • ゲームソフト(ディスク等の記録媒体):85.23(第95類注1(m)や95.04の解説で明示)
    • 無人航空機(いわゆるドローン):88.06(第95類注1(p)で除外)
    • ストリングライト(イルミネーション等):94.05(第95類注1(u)/95.05の除外でも言及)
    • 玩具っぽい外観でも、実体がポンプ・モーター・フィルター等の機械/電気機器:84類・85類など(第95類注1(m)で例示)
    • 実用性のある生活用品(衣類・寝具・リネン等):材質により別類(注1(x)の考え方)
  • 実務での最重要分岐(1〜3個):
    1. 「遊ぶ/競う/運動する」ための品か、それ以外の実用品(機械・電気製品・衣類等)か(注1で“他章へ飛ぶ”頻度が高い)
    2. ゲーム機本体(95.04)と、ゲームソフト(85.23)の切り分け
    3. 95.08(遊園地・興行設備)に該当する“設備”の範囲(ユニット同時提示・本質的必要ユニットの考え方)
  • (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
    • 家庭用ゲーム機・アーケード筐体(9504.30/9504.50の分岐、周辺機器・ソフトの除外)
    • 遊園地設備(95.08)(大型・高額で、誤ると税率や許認可確認、PSR(原産地規則)へ波及しやすい)

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)

1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)

  • 第95類は、見出し(品名)だけで決めると事故りやすい類です。理由は、注1で機械・電気・実用品などへ広く除外されるためです。
  • 実務では次が効きます:
    • GIR1:まず見出しと注(特に類注)で当たりを付ける
    • GIR6:4桁(項)→6桁(号)の分岐に落とす(例:9504.30 vs 9504.50、9508の細分など)
    • GIR3(b):複数品の組合せ(セット)で「主要な性質(essential character)」が問題になるケース(玩具の組合せ等)
  • 「品名だけで決めない」ための観点:
    • 用途(遊戯・運動・興行設備か/実用機器か)
    • 機能の実体(“玩具風デザイン”でも中身がポンプ・モーター等なら注1(m)で除外されうる)
    • 提示のされ方(95.08は“設備として一式”かが重要)

1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)

  • Step1:その品は「玩具/ゲーム/祝祭用品/スポーツ用品/釣具/遊園地・興行設備」のいずれですか?
  • Step2:第95類注1の除外に当たりませんか?
    • 記録媒体(85.23)、無人航空機(88.06)、ストリングライト(94.05)、機械・電気機器(84/85類)等
  • Step3:95.03〜95.08のどれに最も素直に当てはまりますか?(2章の表で確認)
  • Step4:6桁(号)まで落として、分岐条件(支払手段の有無、設備の類型、水上か否か等)を確認
  • よく迷う境界:
    • 玩具(95.03) vs 無人航空機(88.06)(“飛行するもの”は注1(p)の影響が大きい)
    • ゲーム機本体(95.04) vs 記録媒体(85.23)
    • 家庭用遊具(公園・住宅向け) vs 95.08(遊園地設備)(95.08の定義・要件で整理)

2. 主な項(4桁)とその内容

2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)

  • 原則:
    • 第95類は4桁(項)が多くないため、**実務上は原則「全列挙」**が読みやすいです。
項番号(4桁)見出しの要旨(日本語)典型例(製品名)重要な分岐条件/除外/注意点
9503玩具(車輪付き玩具、人形、縮尺模型、パズル等)三輪車・キックボード(玩具)、人形、レゴ等、ジグソーパズル注1(m)(p)(u)等の除外に注意(ドローン/電気機器/記録媒体等)
9504ビデオゲーム機・卓上/室内ゲーム、コイン作動娯楽機等家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、トランプ、ビリヤード用品、アーケード筐体9504.30(支払手段で作動)と9504.50(家庭用等)の分岐ゲームソフト(85.23)除外
9505祝祭・カーニバル等の装飾用品、手品用品、いたずら用品クリスマス飾り、仮装用小物(実用品でないもの)、手品道具実用性がある物品(衣類・食器等)は除外ストリングライト(94.05)除外
9506スポーツ・屋外遊戯・プール等ゴルフクラブ、テニスラケット、卓球用品、スキー用品、プール章内で細分が多い。衣類・靴・バッグ等は別類になりやすい
9507釣具釣りざお、釣針、リール、釣り具セットの一部糸など未仕上げは別類、周辺小物も材質・用途で除外あり
9508遊園地の乗り物、ウォーターパーク設備、興行用設備(射的場等)、巡回劇場設備、巡回サーカス/動物園設備ジェットコースター、回転木馬、ウォータースライダー設備、射的設備“設備として一式”要件/ユニット同時提示他類により特定される設備は除外

(注)WCOのHS上、**[95.01]・[95.02]は欠番(表示のみ)**で、実務的には9503以降が中心です。

2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)

  • 分岐条件の整理(頻出ポイント):
    • 9504.30 vs 9504.50
      • 9504.50は「外部画面に映すコンソール」または「画面内蔵のビデオゲーム機」等をカバーし、
      • 硬貨・紙幣・カード・トークン等の“支払手段で作動するもの”は9504.30へ、という整理が明示されています。
    • ゲームソフト(記録媒体):ゲーム機に専ら使う光ディスク等でも、記録媒体は85.23へ除外されます(95.04の解説で明示)。
    • 9508の細分(HS2022で重要度が上がった)
      • 9508.10:巡回サーカス・巡回動物園の設備
      • 9508.21〜.29:遊園地の乗り物/ウォーターパーク娯楽設備(ジェットコースター等、水上設備等)
      • 9508.30:興行用設備(射的場等)
      • 9508.40:巡回劇場の設備
  • 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
    1. 9504.30(支払手段で作動) vs 9504.50(それ以外のビデオゲーム機)
      • どこで分かれるか:“コイン等の支払手段で作動するか”
      • 判断に必要な情報:
        • 筐体がアーケード用途か(運用形態)
        • 支払モジュール(コインメック等)の搭載有無、仕様書
      • 典型的な誤り:家庭用ゲーム機を9504.30に入れる/逆にアーケード筐体を9504.50に入れる
    2. 95.04(ゲーム機本体) vs 85.23(ゲームソフト等の記録媒体)
      • どこで分かれるか:“物がハードか、記録媒体か”
      • 判断に必要な情報:
        • 商品形態(ディスク・カートリッジ・ダウンロードコード等)
        • セット販売の内訳(インボイス明細)
      • 典型的な誤り:ゲームディスクを95.04扱い
    3. 9503(玩具) vs 8806(無人航空機)
      • どこで分かれるか:“無人航空機(88.06)に該当するか”(第95類注1(p)で95類から除外)
      • 判断に必要な情報:
        • 飛行のための構造・機能(仕様書、取説、カタログ)
        • 用途(単なる玩具か、航空機としての機能を持つか)
      • 典型的な誤り:“玩具だから9503”と即断する(注1(p)の見落とし)
    4. 9508(設備) vs 「単品部材」
      • どこで分かれるか:通常の活動に本質的に必要なユニットを含む“設備一式”か。また、単独なら他類の物品でも、設備を構成し同時提示される場合に95.08となりうる、という整理があります。
      • 判断に必要な情報:
        • 出荷単位(ユニット構成表、据付図、BOM)
        • 同時提示(同梱)か、別送か
      • 典型的な誤り:設備一式を部材単品として別類へ分断して申告

3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)

3-1. 関連する部注(Section Notes)

  • ポイント要約:
    • 第95類の注1(k)で参照される「はん用性の部分品(Section XV 注2)」は、玩具・スポーツ用品に使うものであっても、原則として各材質の類で扱う、という考え方と相性が良いです。
  • 実務での意味(具体例つき):
    • 例:スポーツ用具の「汎用ボルト・ナット」「汎用ヒンジ」「汎用バネ」等は、部品だからといって95類に寄せず、まず“はん用性の部分品”かを疑います。
  • “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
    • 「専用品に見えるが、寸法・規格が一般用で流通している」=はん用性の部分品として別章へ

3-2. この類の類注(Chapter Notes)

  • ポイント要約:
    • 注1:第95類からの広範な除外(記録媒体85.23、無人航空機88.06、ストリングライト94.05、機械・電気機器84/85類など)
    • 注3(部品・附属品):原則として“当該物品に専ら又は主として使用する”部品・附属品は同じ項で扱うが、注1で除外される物品は含めない(=部品でも注1で落ちる)
    • 注6(95.08の用語定義):遊園地の乗り物/ウォーターパーク設備/興行用設備の範囲・定義が整理され、さらに「95.04の設備は含まない」「他で特定される設備は除く」等の方向性が示されます。
  • 用語定義(定義がある場合):
    • 95.08の「amusement park rides」「water park amusements」「fairground amusements」等の定義と、95.04との境界(95.04の設備は含まない)が整理されています。
  • 除外規定(除外先の類・項も明記):
    • 記録媒体:85.23
    • 無人航空機:88.06
    • ストリングライト:94.05

4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)

この章は「類注があるからこそ起きる分岐」を可視化することが目的。

  • 影響ポイント1:注1(m)で “玩具っぽい電気製品/メカ” が95類から落ちる
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 中核機能(ポンプ、モーター、トランス、フィルター等)と該当章(84/85類)
      • 記録媒体(85.23)かどうか
    • 現場で集める証憑:
      • 仕様書、回路図、取説、構成部品表、販売ページ(用途表示)
    • 誤分類の典型:
      • 「子ども向けデザイン」だけで玩具扱い
      • 逆に、玩具としての遊戯機能が主であるのに機器扱いへ寄せる(用途・市場実態の見落とし)
  • 影響ポイント2:注1(p)で “無人航空機(88.06)” が95類から除外
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 飛行のための構造・性能(推進、制御、滞空など)
      • 商品説明・用途(撮影等の機能)
    • 現場で集める証憑:
      • 仕様書、取説、技術資料、構造図、販売カタログ
    • 誤分類の典型:
      • “玩具ドローン”を一律に9503へ(注1(p)の見落とし)
  • 影響ポイント3:注3(部品・附属品)で「部品=一律部品分類」にならない
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 専用性(専ら又は主として95類品に使用か)
      • 注1で除外される部品(例:記録媒体85.23等)ではないか
    • 現場で集める証憑:
      • 互換表、適用機種一覧、図面、取説、梱包表示
    • 誤分類の典型:
      • ゲームソフト(85.23)を“ゲーム機の部品”として95類に寄せる
  • 影響ポイント4:95.08は「設備一式」か「単品」かでコードが変わり得る
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 設備として通常活動に必要なユニットを含むか、同時提示か
    • 現場で集める証憑:
      • 据付図、ユニット構成表、出荷単位、契約範囲(EPC範囲)
    • 誤分類の典型:
      • 設備一式を部材単位に分断して別類へ(結果として税関説明が難しくなる)

5. 分類でよくある間違い(原因→対策)

  1. 間違い:ゲームディスク(ソフト)を95.04に入れる
    • なぜ起きる:商品名が「ゲーム」で同じに見える
    • 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):
      • 記録媒体は注1(m)で例示され、95.04の解説でもゲームソフトの光ディスクは85.23と整理されています。
    • 予防策:
      • インボイスで「console」「controller」「disc」等を分ける
      • 形態(媒体か機器か)の写真を添付
  2. 間違い:家庭用ゲーム機を“コイン作動機”側(9504.30)へ入れる
    • なぜ起きる:アーケードと家庭用の境界を見ず、見た目で判断
    • 正しい考え方:
      • 9504.50のカバー範囲と、9504.30への除外(支払手段で作動)を確認します。
    • 予防策:
      • 支払手段の有無、運用形態(店舗設置か家庭用か)を仕様書で確認
  3. 間違い:“玩具っぽい外観の電気製品”を無条件に玩具(9503)へ
    • なぜ起きる:キャラクター形状=玩具と短絡
    • 正しい考え方:
      • 注1(m)で機械・電気機器への除外が広く示されます。
      • さらに日本では電安法上、子供向け装飾等の条件で「電熱式おもちゃ/電動式おもちゃ」相当になるかの考え方も示されています(分類ではなく規制面の注意ですが、製品属性整理に役立ちます)。
    • 予防策:
      • 目的(遊戯か調理・乾燥等の実用か)を取説・広告で確認
      • 電源・発熱・駆動部の仕様を入手
  4. 間違い:祝祭柄の“実用品”(食器・衣類など)を95.05へ
    • なぜ起きる:“クリスマス柄”だけで祝祭用品と思い込む
    • 正しい考え方:
      • 95.05の解説では、祝祭デザインでも実用性がある物品(衣類、リネン等)は除外されます。
    • 予防策:
      • 「使い捨て装飾か/通常使用の実用品か」を機能で判断
  5. 間違い:イルミネーション(ストリングライト)を95.05へ
    • なぜ起きる:クリスマス装飾=95.05と連想
    • 正しい考え方:
      • 注1(u)および95.05の除外で、ストリングライトは94.05に整理されています。
    • 予防策:
      • 電気照明か否か(電源、光源)を必ず確認
  6. 間違い:飛行する機体(ドローン)を“玩具”として9503へ
    • なぜ起きる:“子ども用”表示だけで決める
    • 正しい考え方:
      • 注1(p)で無人航空機(88.06)が除外されます。
    • 予防策:
      • 飛行性能・構造を確認し、88.06の検討を必須化
  7. 間違い:95.08(設備)を単品部材扱いでバラバラ申告
    • なぜ起きる:輸送・工事都合で分納され、税番も分けたくなる
    • 正しい考え方:
      • 95.08は「通常の活動に本質的に必要な全ユニットを含む場合」に属し得る、という枠組みが示されます。
    • 予防策:
      • 契約範囲(設備一式)と出荷単位を紐付け、税関説明資料(ユニット表)を準備

6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点

6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係

  • HSの付番がPSR(品目別規則)の選択に直結します。最終製品HSが誤ると、PSRの条項自体がズレます。
  • よくある落とし穴:
    • 材料HS(部材の税番)と最終製品HSの混同
    • 95.04(ハード)と85.23(ソフト/媒体)の取り違えが、PSR・材料表を崩す

6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)

  • 協定により参照HS版が異なる場合があり、HS2022の6桁とPSRの6桁がズレることがあります。
  • 日本税関の原産地関連情報(PSR検索等)では、協定・品目による取り扱いを確認できます。
  • トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論):
    • まず協定が参照するHS版を特定
    • 次に相関表(WCO/税関の対応表)でコード対応を確認

6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)

  • 材料表(BOM)、原価、工程、原産国、非原産材料のHS、RVC計算の前提
  • 証明書類・保存要件(一般論):
    • 工程図、原価計算根拠、仕入書、製造記録などを“後から説明できる形”で保存
    • 95.08のような設備案件は、ユニット構成・据付範囲の説明資料が重要

7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)

7-1. 変更点サマリー(必須:表)

比較(例:HS2017→HS2022)変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更)該当コード変更の要旨実務への影響
HS2017→HS2022分割(細分化)95.08(9508.90等→9508.21〜.40等)95.08の構造が再設計され、遊園地の乗り物・ウォーターパーク設備・興行設備・巡回劇場等がより明確に区分9508周りのトランスポジション必須。設備案件の分類説明・PSR適用にも影響
HS2017→HS2022範囲変更(注の影響)注1(p)関連新設の88.06(無人航空機)へ品目移転があり、95類では無人航空機が除外に明示“玩具ドローン”の扱い検討が増える。輸入規制・航空法等の確認にも波及

7-2. 「違うことになった根拠」(必須)

  • 95.08の細分化については、HS2022-HS2017相関表側で「95.08の構造が再設計された」旨が明記され、かつ日本税関の解説でも9508.21〜9508.40等の区分が示されています。
  • 無人航空機(88.06)の新設と品目移転は、HS2022-HS2017相関表で新設理由(無人航空機のための新見出し)とともに示され、また第95類注1(p)で95類からの除外が確認できます。

8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード

(主要なものを抜粋。詳細は相関表で最終確認してください)

期間主な動き旧コード → 新コード(代表)コメント
HS2007→HS2012ビデオゲーム関連の再整理9504.10(TV用ビデオゲーム)→(2012以降は9504.50側へ整理)HS2007の9504.10はHS2012以降の構造で置換された位置づけ
HS2017→HS202295.08の細分化9508.90(等)→ 9508.21〜.29、9508.30、9508.40 など95.08の範囲自体というより、統計・監視等を意識した区分の明確化
HS2017→HS2022無人航空機の新設に伴う整理(旧:88.02の一部等)→ 88.06新設、95類からも除外明示95類での“飛行する玩具”の検討が増える

9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)

  • 事例名:ゲーム機とソフトを一括で「9504」申告して差戻し
    • 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):注1(m)の見落とし(記録媒体85.23)
    • 起きやすい状況:セット販売、インボイスが「game set」とだけ記載
    • 典型的な影響:修正申告、資料要求、審査長期化(一般論)
    • 予防策:ハード・媒体・周辺機器を明細分離、写真添付
  • 事例名:“玩具ドローン”を9503で申告→88.06の疑いで保留
    • 誤りの内容:注1(p)の見落とし(無人航空機は88.06へ)
    • 起きやすい状況:商品名にtoy/droneが混在、仕様書なし
    • 典型的な影響:分類照会、輸入規制(航空法等)の追加確認(一般論)
    • 予防策:飛行仕様・用途を示す資料を準備(取説、仕様表)
  • 事例名:祝祭柄の衣類を95.05で申告して否認
    • 誤りの内容:実用性ある物品は除外(95.05解説の考え方)
    • 起きやすい状況:コスチューム・仮装衣装の境界
    • 典型的な影響:税番修正、繊維製品側の追加要件確認(一般論)
    • 予防策:素材・縫製・耐久性・反復使用性を整理し、実用品か仮装用かを説明
  • 事例名:遊園地設備(95.08)の“分納”で税番が分断
    • 誤りの内容:95.08の「設備一式(本質的必要ユニット)」の考え方の不整合
    • 起きやすい状況:建設工事案件、複数船積
    • 典型的な影響:説明困難、審査・検査の増加(一般論)
    • 予防策:ユニット構成表・据付図・契約範囲で“設備一式”として説明できるよう整備

10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)

  • {COUNTRY}前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)

製品安全(乳幼児用玩具:子供PSCマーク)

  • 令和7年(2025年12月25日)から、3歳未満向け玩具(乳幼児用玩具)に新たな規制が開始され、技術基準適合、警告表示、子供PSCマーク等が求められます(製造・輸入事業者の義務、販売事業者の販売規制も記載)。
  • 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
    • 経済産業省(乳幼児用玩具の規制案内)
    • 消費者庁(子供PSCマークの周知)
  • 実務での準備物(一般論):
    • 対象年齢根拠(設計意図、試験、説明書)
    • 技術基準適合の確認記録、表示版下、サプライヤー情報

食品衛生(指定おもちゃ等)

  • おもちゃに関する食品衛生の基準行政は、2024年4月1日に厚生労働省から消費者庁へ移管された旨が明記されています。
  • 「指定おもちゃ」の考え方(乳幼児が口に入れたり舐めたりすることが想定されるもの等)や、運用上の“乳幼児”の扱い(例:6歳未満として運用)など、通知Q&Aで整理されています。
  • 確認先:
    • 消費者庁(食品衛生基準審査)
    • 関連通知・Q&A(厚労省掲載資料として参照可能)

電気安全(電安法:電熱式おもちゃ/電動式おもちゃに該当し得るもの)

  • 子供向けの装飾を施した電気製品が、状況により「電熱式おもちゃ」または「電動式おもちゃ」として扱われ得る判断基準例(対象年齢表示、玩具としての販売形態、装飾の占める割合(例:投影面積の1/16超)等)が示されています。
  • HS分類そのものとは別ですが、**製品の性質整理(用途・販売実態)**に関して通関実務にも影響し得るため、該当可能性がある場合は早めに確認するのが安全です。

ドローン(無人航空機:HS上は95類除外になり得る)

  • HS上、無人航空機(88.06)は第95類から除外されます。
  • さらに日本では、無人航空機の登録や飛行ルール等の制度案内が国交省から提供されています(分類の前後でコンプライアンス確認が必要になる典型例)。

11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)

  • 分類前チェック(製品情報の収集)
    • 仕様書(機能・材質・サイズ・電源・対象年齢)
    • 写真(全体、銘板、付属品)
    • 取説・カタログ(用途表示、販売実態)
  • 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
    • 注1(85.23、88.06、94.05等)に当たらないか
    • 95.04はハード/媒体の切り分けができているか
    • 95.08は設備一式の要件整理ができているか
  • 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
    • 「console」「disc」「controller」等、形態別に明細化
    • セット品は内訳と主要性(GIR3(b)想定)を説明できるように
  • FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
    • 協定が参照するHS版の確認、相関表でのトランスポジション
  • 規制チェック(許可/届出/検査)
    • 乳幼児用玩具:子供PSCマーク制度、表示、技術基準適合
    • 指定おもちゃ:食品衛生関連の対象確認
    • 無人航空機:登録・飛行ルール等(必要に応じて)

12. 参考資料(出典)

  • WCO:HS Nomenclature 2022 Edition, Section XX / Chapter 95(参照日:2026-03-02)
  • 日本税関:関税率表解説 第95類(95r.pdf)/分類例規(95rd.pdf)(参照日:2026-03-02)
  • 日本税関:HS2022-HS2017 相関表(参照日:2026-03-02)
  • WCO:HS2007/HS2012(Chapter 95)および日本税関HS2012-HS2007相関表(参照日:2026-03-02)
  • 経済産業省:乳幼児用玩具の新規制(子供PSCマーク等、開始日含む)(参照日:2026-03-02)
  • 消費者庁:子供PSCマーク周知(参照日:2026-03-02)
  • 厚生労働省:器具・容器包装、おもちゃ関連(食品衛生基準行政の移管案内含む)(参照日:2026-03-02)
  • 厚生労働省(通知資料):指定おもちゃの範囲等に関するQ&A(参照日:2026-03-02)
  • 経済産業省:電気用品安全法の解釈(電熱式/電動式おもちゃ判断例)(参照日:2026-03-02)
  • 国土交通省:無人航空機登録・飛行ルール等(参照日:2026-03-02)
  • 日本税関:EPA/原産地関係(PSR検索等)(参照日:2026-03-02)

免責事項

本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。

HS2022 第94類:家具、寝具、照明器具及びプレハブ建築物(Furniture: bedding…: luminaires…: prefabricated buildings)

  • 用語(この文書内の呼び方を統一します)
  • 類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)

0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)

  • この類に入る代表例(3〜6個):
    • 椅子・ソファ・オフィスチェア等の「腰掛け」(9401)
    • 医療・歯科・理髪向けの専用家具(手術台、診察台、理髪椅子等)(9402)
    • 収納家具・テーブル・台所家具・寝室家具など「その他の家具」(9403)
    • マットレス、布団、枕、寝袋などの寝具類(9404)
    • 天井灯、壁付け灯、デスクライト、クリスマス用ライト(電飾)や発光サイン等(9405)
    • 工場で完成/要素として提示され現地組立するプレハブ建築物(木製、鋼製モジュール等)(9406)
  • この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
    • 空気・水を入れて使うマットレス/枕/クッション:第39類・第40類・第63類(類注1(a))
    • 床置き用の鏡(姿見など):70.09(類注1(b))
    • 蝶番・取手・錠前・ねじ等の「はん用性の部分品」:第15部(部注2の定義)や83類等(類注1(d))
    • 電球・LEDランプ・LEDモジュール等の「光源そのもの」:第85類(類注1(f))
    • 歯科用機器を組み込んだ歯科用椅子等:90.18(類注1(ij))
    • 三脚・一脚(モノポッド等):96.20(類注1(m))
  • 実務での最重要分岐(1〜3個):
    • 「家具(9401〜9403)」として扱えるか:床・地面に置いて使う設計が原則(類注2)。例外(壁付け棚等)もあります。
    • 「照明器具(9405)」か「光源(第85類)」か:**器具(ルミネア)光源(LEDランプ/モジュール等)**を分けて考えます。
    • 「プレハブ建築物(9406)」か「建材・部材」か:建築物として一式提示か、部材が単独提示かで分かれます。
  • (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
    • LED照明:9405(器具)と85類(光源)の取り違えで、税率だけでなく電気用品安全法(PSE等)対応の社内手順が噛み合わないことがあります(分類そのものは別ですが、実務上の影響が大きい)。

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)

1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)

  • この類で特に効くGIR
    • GIR1(品名+部注/類注):第94類は類注(特に注1〜4)が強力で、まずここで「入る/除外」を決めます。
    • GIR2(a)(未組立・分解状態):フラットパック家具など、分解・未組立でも「部品一式で提示」される場合、完成品として扱うのが基本です(国内解説でも明記)。
    • GIR6(6桁の分岐):HS2022では9405(照明)がLED対応で細分化され、6桁の選択が実務上重要です。
  • 「品名だけで決めない」ための観点
    • 家具:設置形態(床置き/壁付け)、可動性、用途(医療用か一般用か)
    • 寝具:中材(発泡ゴム/プラか、その他か)、空気/水を入れて使うか(除外)
    • 照明:器具光源か、LED専用設計か、太陽光発電(PV)か
    • プレハブ:現地組立の「建築物」一式か、部材単体か、鋼製モジュール(コンテナ形状)か

1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)

  • Step1:対象物は「家具/寝具/照明器具/発光サイン/プレハブ建築物」のどれですか?
    • 家具・腰掛け → Step2へ
    • 寝具・マットレス等 → Step3へ
    • 照明器具・発光サイン → Step4へ
    • プレハブ建築物 → Step5へ
  • Step2(家具):床・地面に置く設計ですか?(原則)
    • Yes → 9401(腰掛け)/9402(医療等専用)/9403(その他)へ
    • No → 例外(食器棚・本箱・棚付き家具、ユニット家具、腰掛け/寝台)は家具扱いの余地あり。設計・提示形態を確認。
    • なお、家具でも機械の専用部分品(冷凍機器・ミシン等)なら除外の可能性(類注1(e)(g)等)。
  • Step3(寝具):空気/水を入れて使うタイプですか?
    • Yes → 第39類/第40類/第63類の可能性(第94類から除外)
    • No → 9404(マットレス、布団、枕、寝袋等)へ
  • Step4(照明):それは「光源そのもの(電球・LEDランプ・LEDモジュール)」ですか?
    • Yes → 第85類の可能性(第94類から除外)
    • No(器具・本体) → 9405(照明器具/発光サイン/部品)へ。LED専用設計かで6桁が変わる。
  • Step5(プレハブ):建築物として「一式提示」されていますか?
    • Yes → 9406へ(木製/鋼製モジュール/その他)
    • No(部材単体) → 原則として各部材の該当項へ(9406の部品としては扱わない)
  • よく迷う境界(例:第○類と第○類の境界):
    • 9405(照明器具) vs 第85類(LEDランプ/LEDモジュール等の光源)
    • 9404(寝具) vs 第39/40/63類(エアマット等)
    • 家具の「部分品(9401.91/9403.91等)」 vs ガラス板・石板(第70類/第68類等:類注3(A))
    • 9406(プレハブ) vs “ただの鋼製コンテナ/自立ユニット”(設計要件で分岐)

2. 主な項(4桁)とその内容

2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)

項番号(4桁)見出しの要旨(日本語)典型例(製品名)重要な分岐条件/除外/注意点
9401腰掛け(医療等専用を除く)及び部分品オフィスチェア、ソファ、車両用シート家具の定義(床置き原則)に注意。未組立でも一式提示なら完成品扱いのことが多い。
9402医療・外科・歯科・獣医用家具、理髪いす等及び部分品手術台、診察台、病院用ベッド(機構付き)、理髪椅子歯科用機器を組み込んだ歯科用椅子は90.18へ除外の可能性(類注1(ij))。
9403その他の家具及び部分品食器棚、ワードローブ、キッチンキャビネット、プラ家具壁付け棚等の例外(類注2)を確認。ガラス板・石板は家具部品に含めない(類注3(A))。
9404マットレスサポート、寝具等マットレス、敷布団、掛け布団、枕、寝袋空気/水式は除外(類注1(a))。9404品を家具の部分品として扱わない(類注3(B))。
9405照明器具、イルミネーションサイン等及び部分品LED天井灯、デスクライト、クリスマスライト、発光看板光源(電球・LEDランプ等)は第85類へ(類注1(f))。LED専用設計の有無で6桁が分岐(HS2022)。
9406プレハブ建築物プレハブ住宅、現場事務所、鋼製モジュール建築工場完成または要素一式で提示→9406。部材単体提示は各項へ。鋼製“モジュール建築”は9406.20。

2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)

  • 分岐条件の整理(この類で頻出)
    • 材質(木製か否か):9401(回転昇降いす/ソファベッド/部分品)、9403(部分品)で「木製」分岐あり。
    • 中材(発泡ゴム/プラか否か):マットレス(9404.21/9404.29)。
    • LED専用設計か否か:照明器具(9405.11/19、.21/29、.31/39、.41/42/49、.61/69)。
    • 太陽光発電(PV)か:9405.41(PVかつLED専用)。
    • 建築物の形態(モジュール建築):9406.20(鋼製モジュール) vs 9406.90(その他)。
  • 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
    1. 9405.11(LED専用の天井/壁付け) vs 9405.19(その他)
      • どこで分かれるか:器具が「LED光源のみで使用する設計」かどうか。
      • 判断に必要な情報:取扱説明書(対応光源)、口金/ソケットの有無、LEDモジュール内蔵か、交換式か、製品仕様(適合ランプ)
      • 典型的な誤り:LED電球(光源)を“照明器具”として9405に入れる(実際は第85類の可能性)。
    2. 9405.41(PVかつLED専用)/9405.42(LED専用・PV以外)/9405.49(その他)
      • どこで分かれるか:太陽光発電(PV)の有無+LED専用設計の有無。
      • 判断に必要な情報:電源仕様(ソーラーパネル、蓄電池の構成)、光源仕様、カタログ
      • 典型的な誤り:ソーラー式ガーデンライトを“電気機器(85類)”と早合点(器具として9405側の検討が必要)。
    3. 9406.20(鋼製モジュール建築) vs 9406.90(その他のプレハブ)
      • どこで分かれるか:標準的な輸送用コンテナサイズ/形状で、内部が相当に(又は完全に)設備済みで、複数ユニットを組み合わせ恒久建築物を作る設計か。
      • 判断に必要な情報:設計図、結合方法(連結金具等)、内装/設備の施工状況、プロジェクト仕様(組合せ前提か)
      • 典型的な誤り:単体で完結し、他モジュールと組み合わせ前提でない“鋼製ユニット/コンテナ”を9406.20扱い(除外の考慮が必要)。
    4. 9404.21(発泡ゴム/プラのマットレス) vs 9404.29(その他素材)
      • どこで分かれるか:中材がセル状ゴム/プラスチックか。
      • 判断に必要な情報:材料構成(発泡PU、ラテックス等)、断面、MSDS/SDS、仕様書
      • 典型的な誤り:「ウレタン=ゴム」と決め打ちして誤る(素材定義は技術資料で確認)。
    5. 9404.40(布団・掛け布団・ベッドカバー等) vs 9404.90(その他)
      • どこで分かれるか:品目が“Quilts, bedspreads, eiderdowns and duvets”に該当するか。
      • 判断に必要な情報:商品名だけでなく用途(掛け寝具か)、構造(詰物、カバー)、販売形態
      • 典型的な誤り:寝具一括りで9404.90に寄せる(HS2022で9404.40が新設)。

3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)

3-1. 関連する部注(Section Notes)

  • ポイント要約:
    • 第94類の類注1(d)は「はん用性の部分品」を除外します。この“はん用性の部分品”の定義は第15部注2にあります。
    • 第15部注2では、配管継手、チェーン、ねじ類(73類など)や、ばね、さらに錠前・金具類(83.01/83.02等)などを「parts of general use」として定義しています。
  • 実務での意味(具体例つき):
    • 例:家具用の蝶番・取手・金属レール・錠前 → 形状が家具向けでも、原則「はん用性の部分品」側(83類等)で検討し、9403の“家具の部分品”に安易に入れません。
    • 例:照明器具に使う汎用ねじ・ばね → 9405の部分品としてではなく、部注2の扱いを確認します。
  • “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
    • 家具部品と称して「ガラス天板」「大理石天板」だけを輸入 → 類注3(A)で家具部品ではなく、ガラス/石材側へ。
    • 家具の金具(蝶番・金属取付具) → 第15部注2の“parts of general use”として第83類等へ。

3-2. この類の類注(Chapter Notes)

  • ポイント要約:
    • 注1:第94類からの除外(空気/水マットレス、床置き鏡、71類、はん用性の部分品、85類の光源等、90.18歯科機器付き椅子、玩具家具、96.20三脚等)。
    • 注2:9401〜9403の物品は原則「床・地面に置いて使用する設計」のものに限る。ただし棚付き家具・ユニット家具、腰掛け/寝台は例外。
    • 注3(A):9401〜9403の“部分品”に、ガラス板・石板等(単独のシート/スラブ)は含めない。
    • 注3(B):9404の物品を「家具の部分品」として9401〜9403に分類しない。
    • 注4:9406の“プレハブ建築物”の定義。HS2022では鋼製モジュール建築も含む旨が明記。
  • 用語定義(定義がある場合):
    • 「家具」の実務的定義(国内解説):可動性があり床/地面に置く設計の実用品が中心。ボルト固定設計でも可動性家具とみなす点など、運用上の注意が示されています。
    • 「プレハブ建築物」:工場で完成、または要素として提示され現地組立される建築物。鋼製のモジュール建築(コンテナ形状、内部設備済み、組合せで恒久建築)も含む。
  • 除外規定(除外先の類・項も明記):
    • 空気/水式寝具 → 39/40/63(注1(a))
    • 光源(ランプ/LED等) → 85類(注1(f))
    • ねじ・金具等(はん用性の部分品) → 73類/83類等(注1(d)、第15部注2)
    • 歯科機器付き椅子等 → 90.18(注1(ij))

4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)

  • 影響ポイント1:類注2(家具の定義:床置き原則+例外)
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 設置形態(床置きか、壁固定か)、可動性、用途、提示形態(棚+支持具セットか)
    • 現場で集める証憑:
      • 組立説明書、設置図、取付金具の有無、製品写真、カタログ
    • 誤分類の典型:
      • 壁に掛ける棚板単体(支持具なし)を9403扱いにしてしまう(実際は材質・形状により他類の可能性)。
  • 影響ポイント2:類注3(A)(家具“部分品”から板材を除外)
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • その部材が「板(シート/スラブ)単体」なのか、他部材と結合した“部品”形態なのか
    • 現場で集める証憑:
      • 図面(穴加工・金具取付の有無)、加工工程、部品表(BOM)、梱包明細
    • 誤分類の典型:
      • ガラス天板・鏡板(単体)を家具部品として9403.91/9403.99に入れる。
  • 影響ポイント3:類注1(f)+9405(照明器具)と85類(光源)
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 製品が「器具(ルミネア)」か「光源(LEDランプ/モジュール)」か。LEDモジュールとLEDランプの区別(口金の有無等)は第85類側の定義も参照。
    • 現場で集める証憑:
      • 仕様書(光源部の構造)、口金/コネクタ、交換方式、電気回路の範囲、適合規格資料
    • 誤分類の典型:
      • “LED照明”という商品名だけで9405に決める(実態がLEDランプ単体の場合がある)。
  • 影響ポイント4:類注4(9406:プレハブ建築物)
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 一式提示か、部材単体か。鋼製モジュール建築としての設計(複数ユニット組合せ前提)か。
    • 現場で集める証憑:
      • 出荷形態(セット構成)、設計図、連結方法、内装設備の施工状況、契約仕様書
    • 誤分類の典型:
      • 建築物一式でなく部材単体なのに9406で申告、または組合せ前提でない鋼製ユニットを9406.20で申告。

5. 分類でよくある間違い(原因→対策)

  1. 間違い:エアマットレス(空気注入式)を9404に入れる
    • なぜ起きる:商品名に「マットレス」「ベッド」とあるため
    • 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):類注1(a)で空気/水式の寝具は第94類から除外(39/40/63へ)。
    • 予防策:
      • 確認資料:構造断面、バルブの有無、取説
      • 社内質問例:「空気を入れて使いますか?」「中材は発泡材ですか?」
  2. 間違い:LED電球(口金付き)を9405(照明器具)として扱う
    • なぜ起きる:「LED照明」という表現が広く、器具と光源が混同される
    • 正しい考え方:類注1(f)で“ランプ/光源”は第85類。LEDモジュール/LEDランプの区別も第85類の定義参照。
    • 予防策:
      • 確認資料:口金の有無、交換可能性、製品構成(光源単体か)
      • 社内質問例:「これは器具ですか?それとも電球(光源)ですか?」
  3. 間違い:ガラス天板(単体)を“家具の部分品(9403.91/9403.99)”に入れる
    • なぜ起きる:最終用途がテーブルの天板なので部品に見える
    • 正しい考え方:類注3(A)で、ガラス(鏡含む)や石材等の板(単体)は9401〜9403の部分品に含めない。
    • 予防策:
      • 確認資料:板単体か、金具等と結合されているか、梱包明細
      • 社内質問例:「他の部材と一体ですか?穴加工や金具固定はありますか?」
  4. 間違い:マットレス単体を“ベッド(家具)の部品”として扱う
    • なぜ起きる:「ベッドの一部」という商流上の言い方
    • 正しい考え方:類注3(B)により、9404品は9401〜9403の部分品として扱わない。
    • 予防策:寝具は寝具として個別分類する前提でBOMを整理(ベッドフレーム/マットレスの別明細)
  5. 間違い:フラットパック家具(未組立)を部材ごとに別コードで申告する
    • なぜ起きる:箱が複数で、部材ごとに見える
    • 正しい考え方:分解・未組立でも一式提示なら完成品扱い(GIR2(a)の考え方、国内解説にも言及)。
    • 予防策:
      • 確認資料:セット構成表、梱包リスト、組立説明書
      • 社内質問例:「1セットとして販売されますか?不足部材はありますか?」
  6. 間違い:壁付け収納(ユニット家具要素)を“家具ではない”として別類へ
    • なぜ起きる:床置きでないため家具から外す誤解
    • 正しい考え方:類注2の例外で、棚付き家具やユニット家具は壁付け等でも9403等に分類し得る。
    • 予防策:支持具付き提示か、ユニット要素として提示かを確認
  7. 間違い:歯科用機器を組み込んだ歯科用椅子を9402に入れる
    • なぜ起きる:見た目が「歯科用椅子」そのもの
    • 正しい考え方:類注1(ij)で、歯科用機器を組み込むものは90.18へ。
    • 予防策:機器(スピットン、治療ユニット等)の組込み有無を仕様書で確認
  8. 間違い:鋼製の輸送コンテナ風ユニットを一律に9406.20とする
    • なぜ起きる:HS2022で“モジュール建築”が新設されたため拡大解釈
    • 正しい考え方:9406.20は“モジュール建築ユニット”として組合せ前提等の要件を確認。単体で自己完結し組合せ前提でないものは除外され得る旨の国内解説も参照。
    • 予防策:設計意図(組合せ前提か)、連結構造の有無を必ず確認
  9. 間違い:三脚(撮影用等)を家具の一種として扱う
    • なぜ起きる:スタンド=家具的と誤認
    • 正しい考え方:類注1(m)で三脚等は96.20へ除外。
    • 予防策:用途(撮影/測量等)と構造(雲台等)の確認

6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点

6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係

  • HSの付番がPSR選択に直結します。最終製品のHS(例:9403家具、9405照明器具)を誤ると、参照すべきPSR自体が変わるため原産性判断が崩れます(一般論)。
  • よくある落とし穴(一般論)
    • 「器具(9405)」と「光源(85類)」の取り違え → PSRが別物になる
    • 家具の「部分品」扱い(9403.91/9403.99 等)と完成品(9403.xx)の混同
    • 材料HS(非原産材料)を“社内呼称”で済ませ、正しいHS(6桁)で管理していない

6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)

  • 日本の輸出入申告など国内手続は、HS2022に基づく表記で行われています。
  • 一方、EPA等の品目別規則は、協定ごとに採用しているHS版が異なる旨が公表されています(日本税関)。
  • RCEPについては、HS2012ベースのPSRをHS2022へ置き換えたPSRが合同委員会で採択され、2023年1月1日から実施とされています。
  • トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論)
    • ①協定の採用HS版を確定 → ②相関表で旧↔新を対応 → ③PSRの適用条文・運用を確認
    • HS2022で新設された6桁(例:9406.20、9404.40、9405のLED細分)は、協定側HS版にない場合があるため、必ず相関で“協定側の行き先コード”に落とします。

6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)

  • 必須に近いデータ(一般論)
    • 材料表(BOM)、原価、工程、原産国、非原産材料のHS(6桁)、RVC計算の前提
  • 第94類で特に効く資料例
    • 家具:主要材料(木/金属/プラ)、表面材、金具類(parts of general useの扱い)
    • 照明:光源部(LEDモジュール/ランプ/器具)、電源(PV有無)、交換可否
    • プレハブ:一式提示の範囲、モジュール結合設計、内装設備の施工範囲
  • 証明書類・保存要件:協定・輸出入国で異なるため、最新の協定運用ガイドを確認(一般論)

7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)

7-1. 変更点サマリー(必須:表)

比較(例:HS2017→HS2022)変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更)該当コード変更の要旨実務への影響
HS2017→HS2022分割9401.30 → 9401.31/9401.39回転・昇降いすを「木製」「その他」に細分木材/非木材でHS6が変わり、統計・PSR選択に影響
HS2017→HS2022分割9401.40 → 9401.41/9401.49ソファベッド等を「木製」「その他」に細分同上
HS2017→HS2022分割9401.90 → 9401.91/9401.99腰掛けの部分品を「木製」「その他」に細分部品輸出入でHS6の統一管理が必要
HS2017→HS2022分割9403.90 → 9403.91/9403.99家具の部分品を「木製」「その他」に細分家具部品ビジネスでのHS見直しが必須
HS2017→HS2022新設(分割)9404.90 → 9404.40+9404.90掛け布団等(quilts等)を9404.40として独立寝具のHS6が変わる可能性(協定HS版とのズレ注意)
HS2017→HS2022分割(LED対応)9405.10/20/30/40/60 → LED専用・その他へ照明器具・発光サインを「LED専用設計」等で細分LED関連の分類精度が求められ、旧コード運用だとズレが出る
HS2017→HS2022新設9406.20鋼製モジュール建築ユニットを独立コンテナ型建築の分類で要件確認が必須

7-2. 「違うことになった根拠」(必須)

  • 根拠資料として、(1) WCO公表のHS2017/HS2022の第94類条文(品目表と類注)を比較し、(2) 日本税関のHS2017↔HS2022相関表(改正理由の備考付き)で変更の方向性(分割/新設)を確認しました。
  • 例えば、照明(9405)はHS2022条文上で「Designed for use solely with LED…」のサブヘディングが追加され、HS2017の9405.10/20/30/40/60がLED対応で細分化されています(条文比較)。
  • プレハブ(9406)はHS2022で9406.20(鋼製モジュール建築ユニット)が新設され、類注4にも鋼製モジュール建築が含まれる旨が追記されています。
    • なお、日本税関の相関表の備考欄で“9404.20”と読める箇所がありますが、同じ行で新設コードは9406.20として示され、類注4の追記内容とも整合します(実務上は9406.20の理解で整理するのが自然です)。

8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード

主要な流れ(HS6桁)を中心に整理します(コードの“文言修正”は割愛し、実務に効きやすい再編を優先)。

期間主な追加・削除・再編(要旨)旧コード→新コード(代表)コメント
HS2007→HS2012HS6桁レベルの大きな再編は少ない(少なくとも第94類の主要見出し構造は同型)例:9406.00(2007)→9406.00(2012)条文(WCO公表)上、主要見出しは同型。
HS2012→HS2017竹/とう(ラタン)を分ける細分、プレハブの木製区分の新設など9401.51→9401.52/9401.53、9403.81→9403.82/9403.83、9406.00→9406.10/9406.90日本税関の相関表により確認。
HS2017→HS2022木製/その他の区分追加(9401/9403の部分品等)、寝具の新設(9404.40)、LED対応細分(9405)、鋼製モジュール建築(9406.20)9405.40→9405.41/9405.42/9405.49 等セクション7のとおり。

9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)

  • 事例名(短く):エアマットレスを寝具(9404)で申告
    • 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):類注1(a)(空気/水式の除外)
    • 起きやすい状況:EC品名が「Air mattress」「エアベッド」だけで、材質・構造情報が不足
    • 典型的な影響:修正申告、追加納税、検査強化、納期遅延(一般論)
    • 予防策:構造(空気注入か)を事前に仕様書・写真で確定
  • 事例名:ガラス天板を家具部品として申告
    • 誤りの内容:類注3(A)(板材は家具部品に含めない)
    • 起きやすい状況:テーブル部材として同梱されるが、通関書類上は単体部材
    • 典型的な影響:分類変更、課税標準の再計算、通関遅延
    • 予防策:部材の提示形態(結合の有無)を梱包明細で管理
  • 事例名:LED電球を9405で申告
    • 誤りの内容:類注1(f)(光源は85類)
    • 起きやすい状況:「LED照明」としか書いていないインボイス
    • 典型的な影響:分類再判定、規制対応の手戻り(一般論)
    • 予防策:インボイス品名に「lamp/bulb」「luminaire/fixture」を分けて記載
  • 事例名:鋼製ユニットを9406.20に誤投入
    • 誤りの内容:類注4の“モジュール建築”要件の取り違え
    • 起きやすい状況:コンテナ形状の製品を一括りで「モジュール建築」と誤解
    • 典型的な影響:分類修正、確認資料の追加提出、遅延
    • 予防策:設計(複数ユニット組合せ前提)を図面で確認

10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)

  • 日本前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
  • 検疫・衛生(SPS等)
    • 木製家具など加工品は、一般に輸入植物検疫の対象とならないものとして整理されています(ただし個別事情は要確認)。
  • ワシントン条約(CITES)等の種規制
    • 家具・建材に規制対象種の木材(例:ローズウッド等)が含まれると、輸出入に許可書等が必要になることがあります。日本の制度はワシントン条約と種の保存法に基づきます。
  • その他の許認可・届出
    • 照明器具(9405)の一部は、電気用品安全法(DENAN)の対象になり得ます。対象・非対象の解釈例や対象品目情報が公表されています(PSE対応の要否は製品仕様で判断)。
    • プレハブ建築物や一部の家庭用品等で、石綿(アスベスト)含有リスクがある場合、日本では0.1%超含有品の製造・輸入等が禁止され、輸入時の確認が求められます。
  • 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
    • 電気用品安全法:経済産業省(DENAN関連ページ)
    • 植物検疫:農林水産省 植物防疫所
    • CITES:環境省(種の保存法・ワシントン条約)
    • 石綿:厚生労働省(アスベスト関連)
  • 実務での準備物(一般論):
    • 仕様書(電気仕様・材料)、SDS、木材樹種情報、構造図、試験報告書(必要な場合)、取扱説明書、写真

11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)

  • 分類前チェック(製品情報の収集)
    • 家具:床置き/壁付け、可動性、用途(医療用か)、主要材質、未組立か
    • 寝具:空気/水式か、素材(発泡材か)
    • 照明:器具か光源か、LED専用設計か、PVか
    • プレハブ:一式提示か、モジュール組合せ前提か
  • 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
    • 類注1(除外)に当たらないか(特に85類光源、39/40/63のエア寝具)
    • 類注2(家具定義)、類注3(部分品の範囲)を再確認
  • 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
    • 「luminaire(器具)」と「lamp/light source(光源)」を品名で分ける
    • 未組立家具は“1 set”としての提示形態を説明できるようにする
  • FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
    • 協定の採用HS版を確認し、HS2022との相関を取る
    • 材料HS(非原産)を6桁で確定してBOM管理
  • 規制チェック(許可/届出/検査)
    • 照明:電気用品安全法の対象性確認(必要に応じPSE)
    • CITES:木材樹種と原産地、許可書の要否
    • 石綿:含有確認(0.1%超は輸入禁止)

12. 参考資料(出典)

  • WCO(HS条文)
    • WCO HS2022 第94類(2094_2022e.pdf) (参照日:2026-03-02)
    • WCO HS2017 第94類(2094_2017e.pdf) (参照日:2026-03-02)
    • WCO HS2012 第94類(2094_2012e.pdf) (参照日:2026-03-02)
    • WCO HS2007 第94類(2094E.pdf) (参照日:2026-03-02)
    • WCO HS2022 第15部注(parts of general use の定義:1500_2022e.pdf) (参照日:2026-03-02)
    • WCO HS2022 第85類(LEDモジュール/LEDランプの定義が含まれる箇所) (参照日:2026-03-02)
  • 日本(税関・公的機関)
    • 税関:関税率表解説 第94類(94r.pdf) (参照日:2026-03-02)
    • 税関:HS2017↔HS2022 相関表(PDF) (参照日:2026-03-02)
    • 税関:HS2012↔HS2017 相関表(PDF) (参照日:2026-03-02)
    • 税関:EPA/原産地規則におけるHS版の違い(案内) (参照日:2026-03-02)
    • 税関:RCEP HS2022版PSRの採択(案内) (参照日:2026-03-02)
    • 税関:RCEP HS2022版PSR(PDF) (参照日:2026-03-02)
    • 経済産業省:日本の国内手続がHS2022表記で行われる旨(EPA関連説明) (参照日:2026-03-02)
    • 経済産業省:電気用品安全法(特定電気用品一覧) (参照日:2026-03-02)
    • 経済産業省:電気用品安全法(対象/非対象解釈例:照明器具の例を含む) (参照日:2026-03-02)
    • 農林水産省 植物防疫所:輸入植物検疫の対象外(加工品としての家具等) (参照日:2026-03-02)
    • JETRO:木材の輸入手続きQ&A(植物検疫/CITES言及あり) (参照日:2026-03-02)
    • 環境省:ワシントン条約と種の保存法 (参照日:2026-03-02)
    • 厚生労働省:アスベスト含有製品の輸入禁止等(0.1%超) (参照日:2026-03-02)

免責事項

本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。