用語は以下で統一します。
- 類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)
0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)
- この類に入る代表例(3〜6個):
- この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
- 実務での最重要分岐(1〜3個):
- (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)
1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)
- この類で特に効くGIR:
- 「品名だけで決めない」ための観点(用途、材質、状態、加工度など)
1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)
- Step1:鉱物性生産品か?(第5部:第25〜27類)
- 鉱物・土石・塩・硫黄・石灰・セメント系 → 次へ
- 化学品として“反応・精製”をしている → 第28類〜(要検討)
- Step2:加工度チェック(第25類注1)
- Step3:除外規定(注2)に当たらないか
- 昇華硫黄(2802)/鉄分70%以上のアースカラー(2821)/ドロマイトラミングミックス(3816)/舗装石(6801等)/筆記用チョーク(9609)…など (世界関税機関)
- よく迷う境界(例:第○類と第○類の境界):
2. 主な項(4桁)とその内容
2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)
| 項番号(4桁) | 見出しの要旨(日本語) | 典型例(製品名) | 重要な分岐条件/除外/注意点 |
|---|---|---|---|
| 2501 | 塩(食塩・変性塩含む)、純塩化ナトリウム、海水 | 工業用塩、食用塩、海水 | 添加(固結防止等)を含み得るが、調製の程度に注意 (世界関税機関) |
| 2502 | 焼いていない黄鉄鉱 | 黄鉄鉱(未焙焼) | 焙焼したものは別検討 (世界関税機関) |
| 2503 | 硫黄(昇華・沈降・コロイドを除く) | 粉状硫黄、塊状硫黄 | 昇華硫黄等は2802へ(注2(a)) (世界関税機関) |
| 2504 | 天然黒鉛 | 粉状黒鉛、フレーク黒鉛 | 天然/人工(別類)で分かれやすい (世界関税機関) |
| 2505 | 天然砂(全種)※第26類の金属含有砂を除く | 珪砂、鋳物砂、砂 | 「金属含有砂」は第26類(但書) (世界関税機関) |
| 2506 | 石英(砂を除く)、珪岩(石英岩) | 石英塊、珪岩ブロック | 砂(2505)との区別に注意 (世界関税機関) |
| 2507 | カオリン等のカオリン質粘土(焼成の有無を問わない) | カオリン、焼成カオリン | “焼成OK”が明記されている点が重要 (世界関税機関) |
| 2508 | その他の粘土等(膨張粘土=6806除外)、耐火鉱物等(焼成の有無を問わないもの含む) | ベントナイト、耐火粘土、ムライト等 | 「膨張粘土」は6806へ(見出し内で除外) (世界関税機関) |
| 2509 | チョーク(天然) | 天然チョーク(原料) | “筆記用チョーク”は9609へ(注2(k)) (世界関税機関) |
| 2510 | 天然リン酸塩等 | リン鉱石系(天然リン酸塩) | 粉砕の有無で号分岐 (世界関税機関) |
| 2511 | 重晶石、炭酸バリウム(焼成の有無問わず)※酸化バリウム除外 | バライト、ウィザライト | 酸化バリウム(2816)除外が明記 (世界関税機関) |
| 2512 | 珪質の化石粉等(焼成可)※見掛比重1以下 | 珪藻土、キースルグール | 数値条件「見掛比重1以下」 (世界関税機関) |
| 2513 | 軽石・エメリ等の天然研磨材(加熱処理可) | 軽石、ガーネット砂 | 研磨材用途でも“天然”か等確認 (世界関税機関) |
| 2514 | スレート(粗/単純切断まで) | スレート原石、スレートブロック | 屋根用等の製品は6803(注2(f)) (世界関税機関) |
| 2515 | 大理石等の建築石材(見掛比重2.5以上)/アラバスター | 大理石ブロック | 2.5以上要件、加工度(“単純切断まで”) (世界関税機関) |
| 2516 | 花崗岩等の建築石材(粗/単純切断まで) | 花崗岩ブロック、砂岩ブロック | タイル等は第68類へ行きやすい (世界関税機関) |
| 2517 | 砂利・砕石等(道路/鉄道バラスト等)/タールマカダム等 | 砕石、道床バラスト、タールマカダム | 注3により“2517優先”の特則あり (世界関税機関) |
| 2518 | ドロマイト(焼成・焼結の有無を問わない) | ドロマイト、焼成ドロマイト | ドロマイトラミングミックスは3816へ (世界関税機関) |
| 2519 | 菱苦土石、溶融マグネシア、焼結マグネシア、酸化マグネシウム等 | マグネサイト、マグネシア | “耐火原料”でも混合・調製は注意 (世界関税機関) |
| 2520 | 石膏・無水石膏、プラスター(焼石膏等) | 天然石膏、焼石膏(プラスター) | 石膏/プラスターで号分岐 (世界関税機関) |
| 2521 | 石灰石フラックス等(石灰/セメント製造に用いる種類) | 石灰石(製造用) | 建築石材(2515/2516)との峻別 (世界関税機関) |
| 2522 | 生石灰・消石灰・水硬性石灰(ただし2825の酸化/水酸化Ca除外) | 生石灰、消石灰 | 2825除外の注意(化学品との境界) (世界関税機関) |
| 2523 | 各種セメント(ポルトランド、アルミナ等)/クリンカー | セメントクリンカー、白色セメント | “クリンカー”と“セメント”で分岐 (世界関税機関) |
| 2524 | 石綿(アスベスト) | クリソタイル等 | 規制・禁止が絡む(後述) (世界関税機関) |
| 2525 | 雲母(スプリッティング含む)/雲母くず | 雲母、雲母粉 | 粉・くずで号分岐 (世界関税機関) |
| 2526 | ステアタイト(滑石岩)、タルク | タルク、滑石 | “粉砕の有無”で号分岐 (世界関税機関) |
| 2527 | (欠番)現行HSでは見出しなし | ー | HS版違いの古い資料で出てきたら要注意 (世界関税機関) |
| 2528 | 天然ホウ酸塩等(焼成可) | ホウ砂鉱、天然ホウ酸(85%以下) | “天然か/分離品か”など確認 (世界関税機関) |
| 2529 | 長石、白榴石等、蛍石(フルオルスパー) | 長石、蛍石 | 蛍石はCaF2含有率で号分岐(97%) (世界関税機関) |
| 2530 | 他に該当しない鉱物 | バーミキュライト(未膨張)、天然硫酸Mg等 | 注4で例示あり(“未膨張”など) (世界関税機関) |
2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)
- 分岐条件の整理(この類で頻出)
- 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
- 2505.10(珪砂・石英砂) vs 2505.90(その他の天然砂) (世界関税機関)
- どこで分かれるか:砂の鉱物学的性状(シリカ/石英砂か、それ以外か)
- 判断に必要な情報:鉱物成分(SiO₂比率、粒度)、用途(鋳物・ガラス原料等)、試験成績
- 典型的な誤り:「鋳物砂」を用途だけで決めてしまい、実体がシリカ砂なのに“その他”へ入れる
- 2507.00(カオリン・カオリン質粘土) vs 2508.xx(その他の粘土等) (世界関税機関)
- どこで分かれるか:粘土の鉱物種(カオリン系か、ベントナイト等か)
- 判断に必要な情報:鉱物分析(XRD等)、製造工程(焼成の有無は両方で許容され得る点に注意) (世界関税機関)
- 典型的な誤り:「白い粘土=カオリン」と決め打ち(実際は他粘土・混合の可能性)
- 2515/2516(建築石材ブロック等) vs 2517.41/2517.49(石材の粒・粉) (世界関税機関)
- どこで分かれるか:**ブロック/スラブ(粗・単純切断)**なのか、粒・チップ・粉なのか
- 判断に必要な情報:形状(ブロック・スラブ・粒)、加工(研磨・表面加工の有無)、用途(骨材等)
- 典型的な誤り:大理石チップを「大理石(2515)」とだけ見て分類(実際は2517.41/49)
- 2517の“優先ルール”(類注3):2517に該当し得るなら他の項より2517へ (世界関税機関)
- どこで分かれるか:同じ“石”でも、道路用砕石・バラスト等の性格を持つか
- 判断に必要な情報:用途(契約書・仕様)、粒度規格、写真、試験成績
- 典型的な誤り:「素材は花崗岩だから2516」とし、砕石用途(2517)を見落とす
- 2518(ドロマイト) vs 3816(ドロマイトラミングミックス) (税関ポータル)
- どこで分かれるか:ドロマイトそのもの(焼成/焼結含む)か、**耐火物の“ミックス(ラミングミックス)”**として調製されたものか
- 判断に必要な情報:配合(混合の有無、結合材・添加物)、用途(耐火物施工用)、SDS/仕様書
- 典型的な誤り:HS2017の感覚で2518.30相当として申告(HS2022では注2(e)で除外され3816へ) (世界関税機関)
- 2505.10(珪砂・石英砂) vs 2505.90(その他の天然砂) (世界関税機関)
3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)
3-1. 関連する部注(Section Notes)
- ポイント要約:
- 第5部(鉱物性生産品:第25〜27類)は、部注が設定されていない扱いで運用される例があり、実務上は各類(Chapter)注の影響が大きいです。 (カナダ国境サービス機関)
- 実務での意味(具体例つき):
- 「第25類に入るか」は**第25類の注(加工度・除外)**が実質の基準になります。
例:同じ硫黄でも「昇華硫黄」は注2(a)で第28類へ、一般硫黄は2503へ。 (世界関税機関)
- 「第25類に入るか」は**第25類の注(加工度・除外)**が実質の基準になります。
- “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
- (部注がない前提なので)“部注で飛ぶ”というより、各類注・見出しの除外で飛ぶのが典型です(第25類注2 → 第28類/第38類/第68類 等)。 (世界関税機関)
3-2. この類の類注(Chapter Notes)
- ポイント要約:
- 注1(加工度の上限):粗品、洗浄、粉砕、粉状化、ふるい分け、浮遊選鉱・磁選等の物理処理(結晶法除く)まで。焼成・混合・過度の加工は原則含まない。またアンチダスティング剤の添加は、用途特化にならない範囲で許容。 (世界関税機関)
- 注2(除外):昇華硫黄(2802)、鉄分70%以上のアースカラー(2821)、ドロマイトラミングミックス(3816)、舗装石・モザイク等(6801〜6803)、筆記用チョーク(9609)等。 (世界関税機関)
- 注3(2517優先):2517と他項の両方に該当し得る場合は、2517へ。 (世界関税機関)
- 注4(2530の例示):未膨張のバーミキュライト等、アースカラー、琥珀、海泡石(加工の程度に制限あり)等が例示。 (世界関税機関)
- 用語定義(定義がある場合):
- 明確な“定義語”より、加工度を縛る規定(注1)が実務上の“定義”として機能します。 (世界関税機関)
- 除外規定(除外先の類・項も明記):
- 注2(a) 昇華硫黄等 → 2802
- 注2(b) Fe₂O₃として70%以上のアースカラー → 2821
- 注2(e) ドロマイトラミングミックス → 3816
- 注2(f) 舗装用石・モザイク等・屋根用スレート → 6801〜6803
- 注2(ij)/(k) ビリヤードチョーク → 9504、筆記用/テーラースチョーク → 9609 (世界関税機関)
4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)
- 影響ポイント1:加工度(注1)で第25類に残る/外れる
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 工程(洗浄・粉砕・ふるい・選鉱・焼成・混合の有無)
- 添加剤の有無と目的(アンチダスティングか、用途特化か)
- 現場で集める証憑:
- 製造工程フロー、SDS/MSDS、成分表、粒度分布、写真、カタログ
- 誤分類の典型:
- “原料鉱物っぽい”という印象で第25類に入れるが、実際は焼成・混合で別章に該当(注1/注2の見落とし) (世界関税機関)
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 影響ポイント2:除外(注2)の“飛び先”が明確に決まる
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 該当品が注2(a)〜(k)のどれに当たるか(硫黄の形態、鉄分割合、用途/製品形態など)
- 現場で集める証憑:
- 分析表(Fe₂O₃%、CaF₂%等)、形態説明(昇華・沈降等)、用途資料
- 誤分類の典型:
- 天然チョーク(2509)と筆記用チョーク(9609)を混同する (世界関税機関)
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 影響ポイント3:2517優先(注3)で“素材”より“区分ルール”が勝つ
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 道路用骨材/バラスト等の性格(用途・粒度)
- 現場で集める証憑:
- 用途契約、規格書、粒度試験、荷姿写真
- 誤分類の典型:
- 花崗岩砕石を、素材(2516)で分類してしまう(注3の特則見落とし) (世界関税機関)
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
5. 分類でよくある間違い(原因→対策)
- 間違い:“硫黄=2503”と決め打ちし、昇華硫黄等を含めてしまう
- なぜ起きる:品名が同じ「硫黄」だから
- 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):注2(a)で昇華硫黄等は第28類(2802)へ (世界関税機関)
- 予防策:
- 硫黄の製法・形態(昇華/沈降/コロイド/通常)をSDSで確認
- 取引品名に“sublimed / precipitated”が入っていないか確認
- 間違い:アースカラーを2530や2508で申告したが、Fe₂O₃として70%以上だった
- なぜ起きる:顔料用途=土石類という思い込み
- 正しい考え方:注2(b)で70%以上は2821へ (世界関税機関)
- 予防策:
- 分析表でFe₂O₃換算を必ず取得(社内:品質保証/分析部門に依頼)
- 仕様書に「iron oxide content」を記載させる
- 間違い:砂を2505にしたが、実は金属含有砂だった
- なぜ起きる:「砂=2505」と思い込む
- 正しい考え方:2505は「第26類の金属含有砂を除く」と明記 (世界関税機関)
- 予防策:
- 鉱物名(例:イルメナイト砂、ジルコン砂等)・金属含有の有無を確認
- “metal-bearing sands / mineral sands”の表記がないかチェック
- 間違い:石材タイル・舗装石を2515/2516で申告
- なぜ起きる:素材が大理石・花崗岩だから
- 正しい考え方:注2(f)で舗装用石・モザイク等は第68類へ(6801〜6803等) (世界関税機関)
- 予防策:
- 加工度(切断・研磨・面取り・規格形状)を写真と図面で確認
- “tile / setts / curbstone / flagstone / mosaic”の文言をインボイスで拾う
- 間違い:砕石を素材の項(2515/2516)で分類し、2517(砕石等)を外す
- なぜ起きる:素材名に引っ張られる
- 正しい考え方:注3により、2517に該当し得る場合は2517へ (世界関税機関)
- 予防策:
- 用途(道路/鉄道/コンクリ骨材)の確認、粒度規格の入手
- 砕石かブロックか(荷姿写真)を必須資料にする
- 間違い:ドロマイトラミングミックスを2518のまま運用(過年度踏襲)
- なぜ起きる:HS2017時代のコード・マスタが残る
- 正しい考え方:HS2022で注2(e)により第25類から除外、3816へ (世界関税機関)
- 予防策:
- “ramming mix”の有無(配合品か)を仕様書で確認
- HS改正時に「対象品目の再棚卸し」を実施(購買・生産・通関の合同)
- 間違い:天然チョーク(2509)と筆記用チョーク(9609)を混同
- なぜ起きる:日本語でどちらも「チョーク」
- 正しい考え方:注2(k)で筆記用/テーラー用は9609へ (世界関税機関)
- 予防策:
- 形態(スティック状、包装、ブランド)と用途(筆記/図画)を確認
- “chalk sticks / writing chalk”表記があれば要注意
- 間違い:蛍石(フルオルスパー)の号を分析なしで決める
- なぜ起きる:外観で判断できない
- 正しい考え方:2529.21/2529.22はCaF₂含有率97%で分岐 (世界関税機関)
- 予防策:
- CaF₂%の試験成績書を必須化(購買条件に入れる)
- サプライヤーが出せない場合は第三者分析
6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点
6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係
- HSの付番がPSR選択に直結します(誤ると原産性判断が崩れます)。
- 例:同じ“耐火材料系”でも、HS2022でドロマイトラミングミックスが3816へ移ると、適用PSRそのものが変わり得ます。 (税関ポータル)
- よくある落とし穴:
- 最終製品のHSは合っているが、非原産材料のHSがズレていてCTC判定が崩れる
- “混合・調製”で章が変わるのに、原料の感覚で第25類のまま扱う
6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)
- RCEPのPSR(付属書3A)は、原文としてはHS2012に基づく旨が明記されています。 (Australian Border Force Website)
- 一方で、RCEPはHS2022へトランスポーズ(移し替え)したPSRが採択され、2023-01-01から各締約国で実施とされています(日本の公表資料でも同趣旨)。 (外務省)
- CPTPPは、PSRや関税約束が(少なくとも当初は)HS2012ベースで確定している旨の説明があります。 (Australian Border Force Website)
- トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論):
- 協定本文/運用文書でどのHS版を参照するかを確認
- 会社のHSマスタ(HS2022)と協定PSR(HS2012等)の間は、税関・関係当局が出すトランスポーズ版/対応表を使って突合(独自変換は事故の元)
6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)
- 原産性判断に必要になりやすい情報
- 材料表(BOM)、原価(RVCの場合)、工程フロー、原産国
- 非原産材料のHS(少なくとも6桁)
- 証明書類・保存要件(一般論)
- 原産地申告(自己申告を含む)では、最低限のデータ要件としてHSの分類(6桁)が含まれる旨のガイダンスがあります。 (税関ポータル)
- 実務Tip(第25類らしい論点)
- 「採掘しただけ」なのか、「焼成・混合」したのかで、WO(完全生産品)相当の整理になるか、CTC/RVCが要るかが変わりやすい
7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)
7-1. 変更点サマリー(必須:表)
| 比較(例:HS2017→HS2022) | 変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更) | 該当コード | 変更の要旨 | 実務への影響 |
|---|---|---|---|---|
| HS2017→HS2022 | 範囲変更(移行)/削除 | 2518.30 → 3816.00 | ドロマイトラミングミックスを第25類から第38類へ移行(第25類注2(e)で除外、3816に含める) | 旧マスタ踏襲で誤申告・PSR誤適用リスク。耐火物原料の扱い見直しが必要 (税関ポータル) |
| HS2017→HS2022 | 文言修正/範囲明確化 | 第25類 注2(e) | 第25類の除外に「ドロマイトラミングミックス(3816)」を追加 | 第25類に残れないことが明確化。仕様書で“ramming mix”確認が必須 (税関ポータル) |
7-2. 「違うことになった根拠」(必須)
- 参照した根拠資料(相関表、各国税関の解説等):
- どの資料のどの情報に基づき、何が変わったと判断したか:
- 相関表で「旧:2518.30 → 新:3816.00」の移転が示されていること、かつ HS2022の注2(e) で第25類から除外されることから、「第25類ではなく第38類(3816)で扱うのがHS2022の整理」と判断できます。 (税関ポータル)
- 補足(相関表の位置づけ):
- WCOの相関表は“実施を助けるガイド”であり法的地位はない旨も説明されています。最終判断は各国税関に依ります。 (世界関税機関)
8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード
- HS2007→2012→2017→2022の流れでの整理(主要なもの)
- 本回答で一次資料として根拠を示せている範囲では、**第25類で明確に大きな動きとして確認できるのはHS2017→HS2022の「ドロマイトラミングミックス移行」**です。 (税関ポータル)
- それ以前(HS2007→2012→2017)の第25類内の改正については、取引対象品目が多い場合、WCO/税関の相関表で個別確認する運用を推奨します(協定PSRのHS版差も絡むため)。
- 参考としての“欠番”注意:
- 第25類には [25.27] のように見出しが設定されていない番号が存在します(古い資料・社内コードで「2527」を見た場合はHS版と対応関係の点検が必要です)。 (世界関税機関)
9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)
- 事例名(短く):“ramming mix”を原料ドロマイトとして申告
- 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):注2(e)(ドロマイトラミングミックスは第25類除外) (世界関税機関)
- 起きやすい状況:インボイスが “Dolomite” とだけ書き、混合・施工用の実態が伝わらない
- 典型的な影響:修正申告、追加納税、原産地判断や契約価格条件の見直し(一般論)
- 予防策:仕様書に「ramming mix」「binder有無」「用途(耐火物施工)」を明記
- 事例名:石材を“ブロック”扱いで申告したが実は舗装石
- 誤りの内容:注2(f)(舗装用石等は第68類へ) (世界関税機関)
- 起きやすい状況:“setts/curbstone/flagstone”を訳さず「石材」としてしまう
- 典型的な影響:検査強化、分類補正(一般論)
- 予防策:写真・寸法図、加工内容(面取り、規格形状)を事前提出
- 事例名:天然チョーク原料と筆記用チョークの混同
- 誤りの内容:注2(k)(筆記用/テーラー用は9609) (世界関税機関)
- 起きやすい状況:品名が “chalk” のみ
- 典型的な影響:税率差・統計誤り、補正(一般論)
- 予防策:用途(筆記か原料か)、形状(スティック包装か粉体か)を明確化
- 事例名:昇華硫黄を2503で申告
- 誤りの内容:注2(a)に抵触(2802へ) (世界関税機関)
- 起きやすい状況:化学品サプライヤーのSDS情報を通関へ共有していない
- 典型的な影響:差し戻し、検査、補正(一般論)
- 予防策:SDSと製法(sublimed等)の共有を必須に
10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)
- 日本前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
- 検疫・衛生(SPS等)
- **食用の塩(食品)**は、食品衛生法に基づき輸入届出が必要で、検疫所で審査・検査要否判断が行われます(届出済証が通関で必要になるケース)。 (厚生労働省)
- ワシントン条約(CITES)等の種規制
- 第25類そのものは“動植物”ではないため通常は中心論点になりません(ただし混載品・副材料は別途)。
- 安全保障貿易管理(該当する場合)
- 第25類は一般に原料鉱物が多く、個別該非は品目・用途次第です(特定用途向けの調製品や関連装置等は別章の可能性)。
- その他の許認可・届出
- 検疫・衛生(SPS等)
- 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
- 実務での準備物(一般論):
11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)
- 分類前チェック(製品情報の収集)
- 鉱物名(英名・学名)、用途、形状(粉/粒/ブロック)
- 工程(洗浄・粉砕・焼成・混合・添加剤)
- 分析表(Fe₂O₃%、CaF₂%、粒度、比重など)
- 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
- 第25類注1(加工度)、注2(除外)、注3(2517優先)
- 第26類(鉱石)・第28類(化学品)・第68類(石材製品)への飛び先を再点検 (世界関税機関)
- 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
- インボイス品名に “calcined / sintered / ramming mix / chalk / setts” 等の要注意語がないか
- 代表写真、仕様書、SDSを添付できる状態に
- FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
- 協定のHS版(HS2012/HS2022等)を確認(RCEPはHS2022トランスポーズ版あり) (Australian Border Force Website)
- 自己申告等で必要な最低限データ(HS6桁等)を準備 (税関ポータル)
- 規制チェック(許可/届出/検査)
12. 参考資料(出典)
- WCO(HS2022条文、相関表、改正パッケージ等)
- 日本税関・公的機関のガイド
- FTA/EPA本文・付属書・運用ガイダンス
- RCEP:PSR(HS2012に基づく旨の明記)[参照日:2026-02-18] (Australian Border Force Website)
- RCEP:PSR(HS2022トランスポーズ版、2023-01-01実施)[参照日:2026-02-18] (税関ポータル)
- CPTPP:HS版(HS2012ベース等)に関する実務ガイド[参照日:2026-02-18] (Australian Border Force Website)
- その他(規制・手続)
- 厚生労働省:石綿含有製品等の製造・輸入等の禁止に関する情報(法令抜粋含む)[参照日:2026-02-18] (厚生労働省)
- 日本税関:労働安全衛生法に係る有害物等の輸入通関手続(石綿関連の通関実務含む)[参照日:2026-02-18] (税関ポータル)
- 厚生労働省:食品等輸入手続(食品衛生法の輸入届出)[参照日:2026-02-18] (厚生労働省)
- JETRO:塩の輸入手続(日本)[参照日:2026-02-18] (ジェトロ)
- (参考)第5部(鉱物性生産品)の部注がない扱いの例(カナダ税関:Section Notesの案内)[参照日:2026-02-18] (カナダ国境サービス機関)
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