※用語統一:類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)
0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)
- この類に入る代表例(3〜6個):
- 小麦粉(1101)
- 小麦以外の穀粉(例:米粉、オート粉、そば粉、ライ麦粉等)(1102)
- セモリナ/グリッツ/ミール(穀粒を砕いたもの)(1103)
- 押し麦・オートミール(ロールド/フレーク)・精麦(パール化)など「穀粒を“加工(worked)”したもの」(1104)
- 麦芽(モルト)(1107)
- でん粉(小麦でん粉、コーンスターチ、馬鈴しょでん粉等)・イヌリン(1108)、小麦グルテン(1109) (国際税関機構)
- この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
- 実務での最重要分岐(1〜3個):
- (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
- ふすま/ぬか等(2302)と、粉類(1101/1102)を取り違える(課税・統計・原産地規則に波及)
- オートミール(1104)を「穀物(第10類)」で出してしまう(加工度の見落とし)
- でん粉(1108)と“加工でん粉(第35類:3505等)”を混同(用途・性状のズレが出やすい)

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)
1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)
- この類で特に効くGIR:
- 「品名だけで決めない」ための観点
- 加工度:洗浄・乾燥のみ(第10類寄り)なのか、**圧ぺん(rolled)、フレーク、パール化、粉砕、でん粉抽出、発芽(麦芽)**などがあるのか
- 形状と粒度:粉か、粗砕か、穀粒形状が残るか(ふるい基準が効く) (国際税関機構)
- 成分/性状:でん粉が“未加工”か、“化学的に加工されたもの”か(第35類へ行きやすい)
1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)
- Step1:これは「食品原料/工業原料」としての粉・加工品ですか?(穀粒そのものではない)
- YES → Step2
- NO(穀粒そのもの)→ 第10類(穀物)側を検討
- Step2:“調製品”ですか?(砂糖・乳成分等を加えたミックス、朝食用シリアル等)
- YES → 第19類(1901/1904等)へ(類注で除外) (国際税関機構)
- NO → Step3
- Step3:製粉副産物(ふすま/ぬか/ミドリング等)に近いですか?
- YES → 類注2(でん粉含量・灰分)で第11類か2302かを判定 (国際税関機構)
- NO → Step4
- Step4:品目タイプで4桁(1101〜1109)へ
- 粉(小麦)→1101/粉(その他穀物)→1102
- 粗砕(groats/meal)・ペレット→1103
- 押し/フレーク/精麦等の加工穀粒・穀物胚芽→1104
- いも粉/フレーク→1105、豆粉/タピオカ粉等→1106
- 麦芽→1107、でん粉/イヌリン→1108、グルテン→1109 (国際税関機構)
- よく迷う境界:
2. 主な項(4桁)とその内容
2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)
第11類は項が多くないため全列挙します(1101〜1109)。 (国際税関機構)
| 項番号(4桁) | 見出しの要旨(日本語) | 典型例(製品名) | 重要な分岐条件/除外/注意点 |
|---|---|---|---|
| 1101 | 小麦粉・メスリン粉 | 小麦粉(薄力/強力等の商業分類はHSでは直接決め手になりにくい) | 「小麦/メスリン」以外は1102へ。ふすま等は2302へ落ち得る(類注2) (国際税関機構) |
| 1102 | 小麦/メスリン以外の穀粉 | 米粉、そば粉、オート粉、ライ麦粉、コーンフラワー(※“コーンミール”は1103側のことも) | 1102.20(とうもろこし粉)と1102.90(その他)で分岐。HS2007の「ライ麦粉1102.10」はHS2012で削除(現在は1102.90側) (国際税関機構) |
| 1103 | 穀類のグローツ、ミール及びペレット | セモリナ、グリッツ、コーンミール、粗挽き粉、飼料用ペレット | 「groats/meal」の定義は類注3(ふるい基準)。ペレットは部注の定義(結合剤3%以下等)も確認 (国際税関機構) |
| 1104 | 穀粒の加工品(押し/フレーク/精麦等)・穀物胚芽 | オートミール(ロールドオーツ)、押し麦、精麦(パール麦)、コーングリッツ以外の加工穀粒、小麦胚芽 | 類注2で「穀物胚芽は常に1104」と明示。押し/フレークか、その他加工穀粒かで6桁が分かれる (国際税関機構) |
| 1105 | ばれいしょ(じゃがいも)の粉・フレーク等 | ポテトフレーク、ポテト粉、ポテトグラニュール | でん粉(1108.13)と混同注意(抽出でん粉か、粉/フレークか) (国際税関機構) |
| 1106 | 豆類/タピオカ等/果実の粉 | ひよこ豆粉、えんどう豆粉、タピオカ粉(キャッサバ粉)、バナナ粉 | 原料が「乾燥豆(0713)」か「根茎(0714)」か「果実(第8類)」かで分岐 (国際税関機構) |
| 1107 | 麦芽 | 大麦麦芽(未焙燥/焙燥)、醸造用麦芽 | 麦芽エキスは1901。焙燥の有無で6桁分岐 (国際税関機構) |
| 1108 | でん粉、イヌリン | 小麦でん粉、コーンスターチ、片栗粉(馬鈴しょでん粉)、タピオカでん粉、イヌリン | **加工でん粉(例:化学的に修飾)**は第35類へ行きやすい。イヌリンは1108.20 (国際税関機構) |
| 1109 | 小麦グルテン | 小麦グルテン(乾燥/湿潤) | 調製食品(味付け・調理等)になると他類の検討余地。6桁は1109.00のみ (国際税関機構) |
2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)
- 分岐条件の整理(この類で頻出)
- 穀粉(1101/1102)か、ミール/グローツ(1103)か、加工穀粒(1104)か
- 類注2(B)の「ふるい通過率(315µmまたは500µm)」、類注3の「groats/mealのふるい基準(2mm/1.25mm・95%)」が判断材料です。 (国際税関機構)
- ペレット(1103.20、1105.20等)
- 「結合剤3%以下」等の部注定義を踏まえて、実態がペレットかを確認します。 (国際税関機構)
- でん粉(1108)
- 原料由来(小麦/とうもろこし/じゃがいも/キャッサバ等)で6桁が分かれます。 (国際税関機構)
- 麦芽(1107.10/1107.20)
- 焙燥(roasted)の有無が分岐です。 (国際税関機構)
- 穀粉(1101/1102)か、ミール/グローツ(1103)か、加工穀粒(1104)か
- 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
- 1102.20(とうもろこし粉) vs 1102.90(その他の穀粉)
- どこで分かれるか:原料穀物が「とうもろこし」か否か
- 判断に必要な情報:原料名、配合(混合粉の場合は配合比・表示)、仕様書
- 典型的な誤り:「コーンミール(粗い)」を1102.20にしてしまう(粒度次第で1103側の検討が必要) (国際税関機構)
- 1103(グローツ/ミール) vs 1104(加工穀粒:押し/フレーク/精麦等)
- どこで分かれるか:
- 1103は「砕いたもの(fragmentation)」で、類注3のふるい基準に合う粒度 (国際税関機構)
- 1104は「押し・フレーク・精麦・スライス・キブル」など“加工穀粒”
- 判断に必要な情報:製造工程(粉砕なのか、圧ぺんなのか、精麦なのか)、粒度データ、写真
- 典型的な誤り:オートミール(ロールド)を「ミール(1103)」と誤認
- どこで分かれるか:
- 1107.10(未焙燥麦芽) vs 1107.20(焙燥麦芽)
- どこで分かれるか:焙燥(roasting)の工程の有無
- 判断に必要な情報:工程表、製造仕様、色調(参考)、用途(コーヒー代用品等)
- 典型的な誤り:焙燥麦芽を“コーヒー代用品”用途で販売しているのに1107のままにする(類注1で除外され得る) (国際税関機構)
- 1108.13(馬鈴しょでん粉) vs 1105.10/1105.20(ばれいしょの粉/フレーク等)
- どこで分かれるか:でん粉抽出品(starch)か、じゃがいも自体を乾燥粉砕/フレーク化したものか
- 判断に必要な情報:製造方法(抽出/分離の有無)、成分表(でん粉比率)、製品写真
- 典型的な誤り:ポテトフレークを「片栗粉系」と混同
- 1108(でん粉) vs 第35類(加工でん粉等)
- どこで分かれるか:化学的修飾・糊化等により性状が変わっているか(“改質”の内容)
- 判断に必要な情報:SDS/仕様書、加工内容、用途(接着剤用途等)
- 典型的な誤り:「プレゲル化」等の処理を未確認で1108に固定してしまう(実態で検討)
- 1102.20(とうもろこし粉) vs 1102.90(その他の穀粉)
3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)
3-1. 関連する部注(Section Notes)
- ポイント要約:
- 第II部(植物性生産品)には「ペレット」の定義があります(圧縮で凝集、または結合剤を重量3%以下加えて凝集したもの等)。 (国際税関機構)
- 実務での意味(具体例つき):
- 1103や1105等で「pellets」と書かれていても、実物が“単なる固形物”ではなく、ペレット定義に合致するか(結合剤比率・圧縮工程)を仕様書で確認するのが安全です。 (国際税関機構)
- “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
- 穀粉・でん粉を接着剤用途や混合調製した結果、性状が変わっている場合は、部注・類注の外側(第19類/第35類等)に飛ぶことがあります(まずは「調製品か否か」を確認)。
3-2. この類の類注(Chapter Notes)
- ポイント要約(第11類の核):
- 除外規定(類注1):調製粉(1901)、コーンフレーク等(1904)、コーヒー代用品としての焙燥麦芽(0901/2101)、化粧品等の性状をもつでん粉(第33類)等は第11類に入らない。 (国際税関機構)
- 製粉副産物の線引き(類注2(A)):
- 指定穀物(小麦・ライ麦・大麦・オーツ・とうもろこし/ソルガム・米・そば)由来の製粉品は、でん粉含量(乾燥基準)と灰分が基準を満たすと第11類、満たさないと原則2302へ(ただし穀物胚芽は常に1104)。 (国際税関機構)
- 粉(1101/1102)と粗砕品(1103/1104)の線引き(類注2(B)):
- ふるい(315µmまたは500µm)通過率で、粉(1101/1102)か、1103/1104かを整理しています。 (国際税関機構)
- groats/mealの定義(類注3):
- 1103の「groats/meal」は、ふるい(とうもろこしは2mm、その他は1.25mm)を95%以上通過する砕粒、と定義されています。 (国際税関機構)
- 用語定義(定義がある場合):
- 「groats」「meal」(1103用)は、上記のとおり**“ふるい基準”で定義**されています。 (国際税関機構)
- 除外規定(除外先の類・項も明記):
4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)
この章は「類注があるからこそ起きる分岐」を可視化することが目的。
- 影響ポイント1:“粉に見える副産物”が第11類か2302か(類注2(A))
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 対象穀物由来か(小麦/大麦/米等)
- **でん粉含量(乾燥基準)と灰分(添加ミネラル控除後)**が基準を満たすか (国際税関機構)
- 現場で集める証憑(仕様書、成分表、MSDS、カタログ、写真、工程図など):
- 成分分析(第三者試験でも可)、製造工程(ふすま/ミドリング等の副産物か)、用途表示
- 誤分類の典型:
- 「wheat bran(ふすま)」を1101(小麦粉)で申告(類注2の基準を見ていない)
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 影響ポイント2:1101/1102(粉)と1103/1104(粗砕・加工穀粒)の線引き(類注2(B)・類注3)
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 粒度分布、ふるい通過率(315µm/500µm、1103用は2mm/1.25mm) (国際税関機構)
- 現場で集める証憑:
- 粒度証明(ふるい試験結果)、製品写真、品質規格書(メッシュ等)
- 誤分類の典型:
- 「コーンミール(粗い)」を1102.20(とうもろこし粉)にしてしまう
- セモリナ(粗砕)を1101(小麦粉)としてしまう
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 影響ポイント3:“調製品”に当たると第19類へ(類注1)
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 原材料(砂糖・乳成分・香料等)と配合、用途(パンケーキミックス等)
- 現場で集める証憑:
- 原材料表、配合表、製品ラベル、製造仕様
- 誤分類の典型:
- ホットケーキミックス等を「小麦粉」扱いで1101にしてしまう (国際税関機構)
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
5. 分類でよくある間違い(原因→対策)
- 間違い:オートミール(ロールドオーツ)を第10類(穀物)で申告
- なぜ起きる:品名が“oats”で、加工(圧ぺん/フレーク)を見落とす
- 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):加工穀粒は1104(押し/フレーク等)に入り、穀粒そのもの(第10類)と区別されます (国際税関機構)
- 予防策:
- 仕様書で工程(rolled/flaked/pearled等)を確認
- “粒のままか、形状が変わっているか”の写真を入手
- 間違い:ふすま・ぬか・ミドリング等を1101/1102(粉)で申告
- なぜ起きる:見た目が粉で、製粉副産物の扱いを知らない
- 正しい考え方:類注2(A)により、でん粉含量・灰分が基準を満たさない場合は2302へ整理されます (国際税関機構)
- 予防策:
- 成分分析(でん粉・灰分)を取り、根拠を残す
- “bran / middlings / residue”表記がある場合は要注意
- 間違い:セモリナ(粗砕小麦)を1101(小麦粉)としてしまう
- なぜ起きる:「小麦由来=小麦粉」と短絡
- 正しい考え方:1103(groats/meal)は類注3のふるい基準で定義され、粉(1101)と区別されます (国際税関機構)
- 予防策:
- 粒度分布(ふるい結果)を入手
- 取引名(semolina/grits/meal)だけで決めない
- 間違い:小麦胚芽(wheat germ)を1101/1102に寄せる
- なぜ起きる:粉状で“フラワー(flour)”に見える
- 正しい考え方:類注2(A)で、穀物胚芽は常に1104と整理されています (国際税関機構)
- 予防策:
- 原料が胚芽(germ)である旨を仕様書・ラベルで明確化
- 間違い:麦芽(1107)と麦芽エキス(1901)を混同
- なぜ起きる:“malt”表記が同じで、形態(抽出物か粒状か)を見ない
- 正しい考え方:第11類の除外として、調製品(1901)側が明示されています(麦芽エキス等) (国際税関機構)
- 予防策:
- “extract”の有無、製造工程(抽出・濃縮の有無)を確認
- 製品形態(粉末/シロップ等)と成分表を確認
- 間違い:焙燥麦芽を「コーヒー代用品」用途で売っているのに1107のまま
- なぜ起きる:焙燥麦芽=1107.20、と機械的に判断
- 正しい考え方:類注1で「コーヒー代用品としての焙燥麦芽」は第11類から除外され得ます (国際税関機構)
- 予防策:
- 用途(coffee substitute)表示の有無をチェック
- パッケージ表示・販促資料も含めて確認
- 間違い:でん粉(1108)と加工でん粉(第35類)を混同
- なぜ起きる:“starch”とだけ書かれていて、改質の有無を追っていない
- 正しい考え方:第11類はでん粉(starches)だが、性状や加工内容次第で他類(第35類など)を検討する必要があります
- 予防策:
- SDS/仕様書で「modified」「pregelatinized」「etherified」等の記載確認
- 用途(接着剤用途等)を確認
- 間違い:ポテトフレーク(1105.20)を「でん粉(1108.13)」としてしまう
- なぜ起きる:粉っぽい見た目で“starch”と誤認
- 正しい考え方:でん粉は抽出・分離品、1105はポテト自体の粉/フレーク等です (国際税関機構)
- 予防策:
- 製造方法(抽出/分離の有無)を工程表で確認
6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点
6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係
- HSの付番がPSR選択に直結します。第11類は「原料(第10類の穀物)→製粉品(第11類)」と**品目転換(CTC)**が起きやすく、誤分類すると原産性判断が崩れます。
- よくある落とし穴:
- 原料(小麦:1001等)のHSと、製品(小麦粉:1101等)のHSを混同
- 「ふすま等(2302)」に落ちるかどうかでPSRの前提が変わるのに、成分分析を取っていない
6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)
- 多くの協定では、付属書(PSRや譲許表)がHS2012参照など、HS2022と版がズレることがあります(協定ごとの正文・付属書で確認が必要です)。
- ズレがある場合の注意(一般論):
- まず「協定が参照するHS版」で製品HSを確定し、HS2022との対応は**相関表(correlation tables)**で裏取りする
- WCOの相関表は実務上の手掛かりになりますが、法的な分類決定そのものではない点に注意します (国際税関機構)
6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)
- 原産性判断に必要になりやすいデータ
- BOM、原料原産国、製造工程(製粉/抽出/焙燥等)、非原産材料のHS、原価情報(RVCの場合)
- ふすま等の境界品は、**成分分析(でん粉・灰分)**があると強い(類注2の根拠にもなる) (国際税関機構)
- 証明書類・保存要件(一般論)
- 仕様書・工程表・分析結果・取引書類を、協定で求められる期間の範囲で保存
7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)
7-1. 変更点サマリー(必須:表)
| 比較(例:HS2017→HS2022) | 変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更) | 該当コード | 変更の要旨 | 実務への影響 |
|---|---|---|---|---|
| HS2017→HS2022 | 変更なし(実質) | 第11類(1101〜1109) | 見出し・号構成および類注1〜3について、HS2017とHS2022で実務上の差異は確認できません | HS6桁の運用は継続しやすい。一方、協定(PSR)の参照HS版や各国国内コードは別途確認が必要 (国際税関機構) |
7-2. 「違うことになった根拠」(必須)
- 参照した根拠資料:
- 上記に基づき、HS2017とHS2022で第11類の条文(類注1〜3、見出し・号)に実務上の差異がないため、「変更なし」と整理しました。 (国際税関機構)
8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード
- HS2007→2012→2017→2022の流れで、主要な追加・削除・再編を表で整理(第11類で実務に影響しやすいところ中心)
| 流れ | 主要な追加・削除・再編 | 旧コード→新コード(または行き先) | 実務コメント |
|---|---|---|---|
| HS2007→HS2012 | 1102.10(ライ麦粉)の削除(低取引量等を理由に整理) | 1102.10 → 1102.90(その他の穀粉側に統合) | 「ライ麦粉=1102.10」と古い情報を参照して誤るケースがあるため、協定HS版・社内マスタの更新が重要 (関税庁) |
| HS2012→HS2017 | 大きな構造変更は見当たらない | (実質変更なし) | 第11類は安定。ただし各国の国内コード更新は別 (国際税関機構) |
| HS2017→HS2022 | 大きな構造変更は見当たらない | (実質変更なし) | 第11類のHS6桁は継続的に使いやすい (国際税関機構) |
9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)
- 事例名(短く):ふすまを「小麦粉」で申告
- 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):類注2(A)の枠組み(でん粉含量・灰分基準を見ずに1101へ) (国際税関機構)
- 起きやすい状況:インボイスが “wheat bran/flour” と曖昧、成分分析が無い
- 典型的な影響(一般論:修正申告、追加納税、検査強化、遅延など):修正申告、検査強化、通関遅延
- 予防策(事前確認、税関相談、書類整備など):成分分析(でん粉・灰分)、工程説明、必要なら事前教示
- 事例名:ホットケーキミックスを1101で申告
- 誤りの内容:類注1(調製粉は第19類)に反する可能性 (国際税関機構)
- 起きやすい状況:商品名に “flour mix” 程度しか書かれていない
- 典型的な影響:差戻し、補正、食品表示・検査対応の追加
- 予防策:原材料・配合表、ラベル、用途資料を準備
- 事例名:オートミール(ロールド)を第10類で申告
- 誤りの内容:加工穀粒(1104)を見落とし
- 起きやすい状況:“oats”とだけ書かれた書類、写真なし
- 典型的な影響:補正、検査、納期遅延
- 予防策:工程(rolled/flaked)を確認し、写真・仕様書を添付
- 事例名:でん粉(1108)と加工でん粉(他類)の取り違え
- 誤りの内容:類注1(化粧品等の性状のものは第33類)等の除外や、実態の改質を見落とす (国際税関機構)
- 起きやすい状況:仕様書に“modified”の記載があるが確認不足
- 典型的な影響:税番差、規制・表示・用途要件の齟齬
- 予防策:SDS/仕様書で改質内容を特定、必要なら税関相談
10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)
- 日本前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
- 検疫・衛生(SPS等)
- その他の許認可・届出
- 第11類は食品原料が中心のため、まずは「食品衛生」「植物検疫」の2軸を優先して確認するのが実務的です(用途が化粧品/医薬品寄りの場合は別法令の可能性)。
- 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
- 実務での準備物(一般論):
- インボイス、パッキングリスト、B/L
- 商品仕様書(原料、工程、粒度、用途)、ラベル/写真
- 成分分析(ふすま等の境界品、でん粉・改質でん粉の境界品で特に有効)
- 必要に応じて、植物検疫・食品衛生の届出/証明書類 (厚生労働省)
11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)
- 分類前チェック(製品情報の収集)
- 原料(穀物/豆/いも/果実)、加工工程(製粉、圧ぺん、精麦、抽出、焙燥等)
- 形状(粉、粗砕、フレーク、ペレット)と粒度データ
- 混合・調製の有無(砂糖、乳成分、添加物等)
- 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
- 類注1(第19類等への除外)
- 類注2(2302へ落ちる/落ちない、ふるい基準で1101/1102か1103/1104か)
- 類注3(groats/mealの定義) (国際税関機構)
- 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
- “flour/meal/grits/rolled/flake/germ/extract/modified”などキーワードが書類にあるか確認
- 仕様書・写真・分析表を、申告時に提出できる形で整理
- FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
- 協定の参照HS版を確認し、必要なら相関表で読み替え(一般論)
- 原料(第10類)→製品(第11類)の変化がPSRに影響する前提で検証
- 規制チェック(許可/届出/検査)
12. 参考資料(出典)
- WCO:HS2022 第11類(Chapter 11)条文(類注1〜3、見出し・号) (国際税関機構)(参照日:2026-02-14)
- WCO:HS2017 第11類(Chapter 11)条文 (国際税関機構)(参照日:2026-02-14)
- WCO:HS2012 第11類(Chapter 11)条文 (国際税関機構)(参照日:2026-02-14)
- WCO:HS2007 第11類(Chapter 11)条文(旧1102.10の存在確認等) (国際税関機構)(参照日:2026-02-14)
- WCO:第II部(植物性生産品)部注(ペレットの定義:結合剤3%以下等) (国際税関機構)(参照日:2026-02-14)
- WCO:相関表(HS2017↔HS2022)の位置づけ説明 (国際税関機構)(参照日:2026-02-14)
- 日本税関:HS2012↔HS2007相関表(1102.10削除の注記等) (関税庁)(参照日:2026-02-14)
- 日本税関:品目分類の事前教示(Advance Ruling on Classification) (関税庁)(参照日:2026-02-14)
- 厚生労働省:食品衛生法に基づく輸入届出(Import Procedure under Food Sanitation Act) (厚生労働省)(参照日:2026-02-14)
- 農林水産省 植物防疫所:植物検疫(輸入検査) (農林水産省)(参照日:2026-02-14)
- 規制改革推進室(英語):Plant Protection Law(輸入時の検査・証明書確認等の概要) (内閣府ホームページ)(参照日:2026-02-14)
付録A. 国内コード(日本)での主な細分と注意点(任意)
- HSは国際的には6桁(号)ですが、日本の通関実務では**国内コード(8桁/9桁等)**で細分されることがあります。
- 第11類は「穀粉の種類」「用途(食品/飼料/工業)」「成分」等で国内細分が設けられることがあるため、最終的な申告は日本の国内コード表で必ず確認してください(HS6桁と混同しない)。
付録B. 税関の事前教示・裁定事例の探し方(任意)
- 税番に迷う場合、税関の**事前教示(品目分類)**を活用できます。 (関税庁)
- 相談が早くなる情報(一般論)
- 製品仕様書(原料、製造工程、粒度、用途)
- 原材料表・配合表(調製品疑いのとき必須)
- 成分分析(でん粉・灰分、改質の有無など)
- 現物写真、ラベル、サンプル可否
免責事項
本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。
