HSCF: 付番トライアル003:七味

付番トライアル: 2025年12月6日

以下の入力により、結果が出力されています。情報は写真のみです。

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HSCFの回答


入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

  • 品名/用途:七味唐辛子(缶入り粉末香辛料)
  • 材質:唐辛子、陳皮、胡麻、山椒、麻種、青のり、生姜 ほか(缶ラベル記載の乾燥原料)
  • 構成・セット:単品(金属缶入り粉末香辛料)
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:内容量14g(ラベル表示)
  • 型番・画像:八幡屋礒五郎ブランドの七味唐辛子缶(ユーザー提供画像)
  • 通関国・前提:—(輸入国は特定されていないためHS2022汎用で検討)

日本語版

1) 結論

  • 推定HS(6桁):0910.91
    (その他の香辛料:章9注1(b)の混合物=香辛料の混合物)(世界税関機構)
  • 国別例示(任意):
    • JP:0910.91-000 など「香辛料の混合物」(日本輸入統計品目表)(税関ポータル)
    • US:0910.91.0000 “Mixtures of spices referred to in Note 1(b) to Chapter 9”(Descartes Datamyne)
    • EU:0910 91 00 “Mixtures referred to in Note 1(b) to this Chapter”(世界税関機構)
  • 要約:
    唐辛子を主体とし、陳皮・山椒・胡麻・麻種・青のり・生姜など複数の香辛料だけを乾燥粉末にしたブレンドスパイスであり、油・塩・だし・砂糖などの「調製」要素は見当たりません。
    HS章9注1(b)は、複数見出しにまたがる香辛料の混合物を見出し09.10の下にまとめ、さらに0910.91で「注1(b)の混合物」として細分しています。(Australian Border Force Website)
    したがって、本品は 0910.91(香辛料の混合物) と判断するのがもっとも妥当と考えます。
  • 確度(%):90%
    (一般的な七味唐辛子のレシピ・表示構成を前提。もし塩・砂糖・だし等が多量に入る特殊配合なら再検討の余地あり。)

2) 根拠

  • 適用通則・注
    • 通則1:品名・表示から「乾燥粉末の香辛料」と認められるため、第9類(コーヒー、茶、マテ及び香辛料)の見出しを優先的に検討。
    • 章9注1(b):
      • 0904〜0910に属する産品の混合物について、
        1. 同一見出し同士ならその見出し、
        2. 異なる見出し同士なら見出し09.10に分類する、
        3. さらに他の物質を加えても、香辛料としての本質が残る限り依然として本章に属する、
          と定められています。(Australian Border Force Website)
    • 見出し0910および0910.91:
      • 見出し09.10「しょうが、サフラン、うこん、タイム、月桂樹の葉、カレーその他の香辛料」のうち、「その他の香辛料」の細分として0910.91 “Mixtures referred to in Note 1(b) to this Chapter”(注1(b)にいう混合物=香辛料ミックス)を規定。(世界税関機構)
    • 章21注1(d):
      • 21類(雑種食用調製品)は「09.04〜09.10の香辛料又はこれらの産品」を含まないとされており、純粋な香辛料やその混合物は21.03(混合調味料)には行かず9類にとどまることが示されています。(世界税関機構)
  • 判定ポイント(主用途・主要材質・構成)
    • 主用途:
      • 麺類・ご飯・汁物などに少量振りかけて辛味と香りを付与する**香辛料(スパイスミックス)**であり、塩味やだし味を付与する「タレ」「ソース」ではない。
    • 主要材質:
      • ラベル記載の原材料は唐辛子・陳皮・胡麻・山椒・麻種・青のり・生姜等の乾燥植物性香辛料のみであり、油脂・でん粉・食塩・砂糖・うま味調味料などの調製要素は記載されていない。
    • 構成・混合関係:
      • 唐辛子(0904系)と、それ以外の香辛料(通常は0910系に属するその他の香辛料)を組み合わせた複数見出しにまたがる香辛料の混合物であり、章9注1(b)で典型的に想定されるケース。
    • 形態:
      • 小容量の金属缶に詰められた粉末で、国際的にも「spice mixtures」「red pepper mix」などとして流通している形態に合致。(Volza)
  • 仮定(入力不足を補う前提)
    • 塩・砂糖・だし・油脂など、香辛料以外の食品原料や添加物は実質的に含まれていないか、含まれていても香辛料としての本質を変えない微量である。
    • 原材料はいずれも乾燥した植物部分そのものであり、エキス状調味料や練りペースト等は含まれていない。
    • HS2022版を前提とし、対象国でもHS2022相当の構成で運用されている。
  • 排他・除外の理由(他の類・項ではない理由)
    • 0904.20(乾燥唐辛子・粉末)
      • 本品は唐辛子単体ではなく、山椒・陳皮・胡麻・麻種・生姜など複数の香辛料が相当量含まれる「ブレンド」である。
      • 章9注1(b)により「異なる見出しの産品の混合は09.10に分類」と規定されるため、0904ではなく09.10側に回送される。(Australian Border Force Website)
    • 0910.99(その他の香辛料)
      • 0910.99は単一のその他香辛料や、注1(b)に該当しないもの向けの残余区分。
      • 一方、本品はまさに「章9注1(b)に該当する混合物」であり、より限定的な0910.91が適用される。(商業統計局)
    • 2103.90(その他の混合調味料・シーズニング)
      • 章21注1(d)で09.04〜09.10の香辛料(およびその混合物)は21類から除外されている。(世界税関機構)
      • 2103に分類される典型的な「混合調味料」は、塩・砂糖・酢・油・でん粉・うま味調味料等を含む調製品(ソース・シーズニング)であり、香辛料以外の成分が味の主体となる。(cbsa-asfc.gc.ca)
      • 本品は香辛料そのもののみから成るため、2103ではなく9類が妥当。
  • 型番・画像
    • ユーザー画像から、日本国内で広く流通している八幡屋礒五郎の七味唐辛子缶と認識でき、国内表示上も香辛料原料のみが列挙されていることから、上記「香辛料ミックス」としての性格が確認できる。

3) 候補比較(代替HSコード)

(表の前後に空行を入れています)

候補HS品目例・説明採否・理由確度目安
0904.20乾燥唐辛子(粉末)など主成分は唐辛子だが、山椒・陳皮・胡麻・麻種・生姜など他の香辛料を相当量含み、章9注1(b)の「複数見出しにまたがる混合物」に該当するため、0904ではなく09.10に回送されるべきと判断。棄却(20%)
0910.99その他の香辛料(単品)本品は複数香辛料の混合であり、0910.99は注1(b)に該当しないその他の香辛料向け。0910.91がより特殊な規定。棄却(30%)
2103.90その他の混合調味料・シーズニング香辛料以外の食品原料がほぼ無い純粋なスパイスミックスであり、章21注1(d)により09.04〜09.10の香辛料に該当するものは21類から除外される。塩・だし・油を多量に含むような「調製調味料」とは異なる。棄却(10%)
0910.91香辛料の混合物(章9注1(b)の混合物)複数の異なる香辛料から成る乾燥粉末で、他の食品成分はほぼ含まれない。章9注1(b)および0910.91の文言に最もよく合致。採用(90%)

4) 争点・注意

  • 七味唐辛子の製品によっては、食塩・砂糖・だし粉末・油脂・でん粉などを加えた「調味七味」のような配合も存在し得ます。その場合、香辛料としての本質よりも「調味料」としての性格が強いと判断されると、21.03側(混合調味料)に分類が振り替えられるリスクがあります。(Australian Border Force Website)
  • 実務上、貿易データを見ると、日本発の唐辛子ミックスや七味類が0904(唐辛子)や0910.91(香辛料ミックス)のいずれかで申告されている例もあり、輸入国によって運用が分かれているケースも見られます。(Volza)
  • 最終的なHSコードの決定権は輸入国税関にあるため、大きな金額・頻度の取引であれば、その国の**事前教示制度(Advance Ruling)**を利用して、成分表・配合比・製造工程を添付したうえで公式な分類を取得しておくことをおすすめします。

5) 追加で必要な情報

より確度を上げる・輸入国側でのリスクを減らすために、次の情報があると安心です。

  • 原材料表示の完全な写し
    • 特に、食塩・砂糖・うま味調味料・油脂・でん粉・だし原料など香辛料以外の原料の有無とおおよその含有割合。
  • 香辛料ごとの配合比率(唐辛子 vs その他の香辛料、香辛料以外がある場合はその比率)。
  • 実際に輸出入する予定の通関国(EU・米国・アジア各国など)
    • 国により実行関税表の細分や解釈通達が異なるため。

6) 参考資料・出所

  • WCO HS2022 Nomenclature Chapter 9 “Coffee, tea, maté and spices”、Chapter 21 “Miscellaneous edible preparations”(世界税関機構)
  • 各国関税表(例:日本輸入統計品目表 0910.91、US HTS 0910.91.0000 など)。(税関ポータル)
  • WCO・各国税関によるChapter 9 注1(b)および香辛料混合物に関する解説。(Australian Border Force Website)
  • 日本税関「関税率表の解釈に関する通則」および関連解説資料。

7) 材料のHSコードも参考までに付番

Proバージョンでは、材料のHSコードも写真からの情報で取得可能です。


入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

  • 品名/用途:七味唐辛子の「材料」(各原料)のHSコードについて確認したい
  • 材質:七味唐辛子缶ラベルに記載された各原料(写真のみ提示)
  • 構成・セット:—(個々の材料単体として検討)
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:—
  • 型番・画像:七味唐辛子缶ラベル画像(ユーザー提供)
  • 通関国・前提:特定なし(HS2022ベースで一般的に検討)

日本語版

1) 結論

  • 推定HS(6桁):—(材料ごとに異なるため、下記一覧を参照)
  • 国別例示(任意):
    • ここではHS2022ベースの6桁レベルのみ提示。各国ごとの8〜10桁は、その国の実行関税表でさらに細分される。
  • 要約:
    七味唐辛子に典型的に用いられる各原料について、一般的な乾燥・粉末状態を前提にHS2022で整理すると、代表的には下記のように推定される。
    • 唐辛子(粉末):0904.22(とうがらし属・ピメンタ属の果実の破砕又は粉砕)
    • 陳皮(乾燥みかん皮など):0814.00(柑橘類又はメロンの果皮)
    • 胡麻(ごまの種):1207.40(セサム属の種子)
    • 山椒(日本山椒・花椒など):0910.99(その他の香辛料)
    • 麻種(麻の実・ヘンプシード):1207.99(その他の油糧種子)
    • 青のり(食用海藻粉末):1212.21(海草その他の藻類で主として食用のもの)
    • 生姜(粉末):0910.12(しょうがの破砕又は粉砕したもの)
  • 確度(%):
    • 唐辛子・胡麻・陳皮・生姜・麻種・青のり:概ね 85〜90%
    • 山椒(Zanthoxylum属):各国で運用差があるため 70〜80% 程度

2) 根拠

  • 適用通則・注
    • 通則1:原料ごとに名称・性状・用途が明らかなため、まず該当し得る見出しの条文・章注を直接適用。
    • 主な章・見出し:
      • 第9類:コーヒー、茶、マテ及び香辛料(見出し0904・0910)
      • 第8類見出し08.14:柑橘類又はメロンの果皮(生鮮・冷凍・乾燥等)
      • 第12類見出し12.07:その他の油糧種子及び油性の果実(胡麻・麻種など)
      • 第12類見出し12.12:海草その他の藻類(食用海藻)
  • 材料別の判定ポイント(概要)
    1. 唐辛子(赤唐辛子)
      • とうがらし属(Capsicum)の果実を乾燥・粉砕した香辛料。
      • HSでは、とうがらし属・ピメンタ属の果実は見出し09.04に含まれ、乾燥・未粉砕が0904.21、破砕・粉砕が0904.22 に細分されている。
      • 七味用はほぼ粉末なので0904.22を第一候補。
    2. 陳皮(みかん等の皮)
      • みかん等の柑橘類の果皮を乾燥したもの。
      • HS08.14は「柑橘類又はメロンの果皮(生鮮、冷凍、乾燥、塩水保存等)」をカバーし、0814.00で一括して扱う。
      • 用途が香辛料的であっても、条文上は明確に08.14範囲なので0814.00
    3. 胡麻(ごま)
      • 食用のセサム属の種子。
      • 見出し12.07「その他の油糧種子」において、サブヘディング1207.40がSesamum種の種子を特定。
      • 焙煎のみでは20類の「調製品」にはならず、一般に1207.40
    4. 山椒(日本山椒・花椒などZanthoxylum属)
      • Zanthoxylum属の果実・果皮を乾燥・粉砕したスパイス。
      • 見出し09.04はPiper属のペッパーと、とうがらし属・ピメンタ属の果実だけを対象としており、Zanthoxylum属は条文上含まれない。
      • 一方、見出し09.10「その他の香辛料」のうち、特定されないものは0910.99(その他)に含められ、実務上も四川山椒などを0910.99で扱う例が複数確認できる。
      • よって、0910.99を主候補とする。
    5. 麻種(麻の実・ヘンプシード)
      • Cannabis sativa の種子で、食用・油脂原料として使用。
      • HSでは、ヘンプシードは見出し12.07「その他の油糧種子」に含められ、多くの国で1207.99下に専用細分(例:1207.99.91、1207.99.010など)が設けられている。
      • 6桁レベルでは1207.99(その他)で整理される。
    6. 青のり(海藻粉末)
      • 食用の海藻を乾燥・粉砕したもの。
      • 見出し12.12は「海草その他の藻類」を含み、食用の乾燥海藻は1212.21(人の食用に適するもの)に分類される。
      • 味付け等の調製が無い素の青のりは1212.21
    7. 生姜(粉末)
      • しょうがの根茎を乾燥・粉砕した香辛料。
      • 見出し09.10のサブヘディング0910.11(乾燥・非粉砕)と0910.12(破砕・粉砕)があり、生姜パウダーは通常 0910.12 に分類される。
  • 仮定(入力不足を補う前提)
    • いずれの材料も、乾燥または乾燥粉末であり、塩・砂糖・油脂・調味液などで調製されていない。
    • 胡麻・麻種はペーストや油ではなく、種子の形態(ホールまたは軽度の焙煎)である。
    • 青のりは味付けをしていない素の海藻。
    • 山椒はソース・調味油などではなく、乾燥果実またはその粉末。
  • 排他・除外の理由(他の類・項ではない理由)
    • 唐辛子・生姜・山椒:
      • 塩・油などを加えた調製調味料ではないため、第21類の21.03(混合調味料)よりも第9類(香辛料)が優先。
    • 陳皮:
      • 香辛料的に使われる場合もあるが、条文08.14で「柑橘類又はメロンの果皮」が明示されており、09類の「その他の香辛料」ではなく08類に分類するのがWCO・各国関税表の解釈。
    • 胡麻・麻種:
      • 穀物(10類)ではなく油糧種子として12.07に包括されていること、また麻種については各国統計上1207.99系列で取り扱われていることから、他類への移行は考えにくい。
    • 青のり:
      • 味付け海苔・ふりかけなどのような調製品であれば20類や21類の可能性もあるが、本件は七味用の素の海藻粉末と仮定しているため12.12。

3) 材料別HSコード一覧(代表:HS2022・6桁)

(表の前後に空行を入れています)

材料名想定状態推定HS(6桁)補足説明
唐辛子(赤唐辛子)乾燥・粉末0904.22とうがらし属又はピメンタ属の果実で、破砕又は粉砕したもの。
陳皮(みかん等の皮)乾燥0814.00柑橘類又はメロンの果皮(生鮮・冷凍・乾燥等)。
胡麻乾燥種子1207.40Sesamum種の種子。食用・油脂用いずれも含む。
山椒(日本山椒・花椒等)乾燥・粉末0910.99その他の香辛料。Zanthoxylum属など、他見出しに属さないスパイス。
麻種(麻の実・ヘンプシード)乾燥種子1207.99その他の油糧種子。多くの国でヘンプシード向け細分(1207.99.○○)あり。
青のり(海藻)乾燥・粉末1212.21海草その他の藻類のうち、主として食用に供するもの。
生姜乾燥・粉末0910.12しょうが(破砕又は粉砕したもの)。

4) 争点・注意

  • 加工状態によるコード変更の可能性
    • 唐辛子・生姜・山椒などがペースト状・ソース状で、塩・油・酢などで調製されている場合は、21.03(混合調味料)や20類に移る可能性。
    • 青のりが「味付け海苔」「ふりかけ」等の調製品であれば、20.08や21.06など別見出しとなることもある。
  • 山椒(Zanthoxylum)の扱い
    • 国によってはペッパーとして09.04、調味料として21.03・21.06で扱った統計例も見られるため、大量輸出入の場合は輸入国の裁定・通達確認が望ましい。
  • 麻種と規制
    • HS上は1207.99でも、THC規制など各国の麻薬・薬事法令に基づく輸入規制が別途適用されることがあるため、分類とは別にコンプライアンス確認が必要。

5) 追加で必要な情報

  • 各原料について:
    • 粉末かホールか(破砕・粉砕の有無)。
    • 焙煎・味付けなど追加加工の有無。
  • 実際に輸出入を行う予定の国・地域:
    • 特定国の実行関税表・BTI・事前教示などで、山椒や麻種に特別な扱いがあるか確認するため。
  • 七味の材料リスト:
    • メーカーによっては、ここに挙げていない材料(けしの実、しそ等)が含まれる場合があり、その際は別途コード判定が必要です。

6) 参考資料・出所

  • WCO HS2022 Nomenclature(Chapter 8, 9, 12)。
  • 日本「輸入統計品目表」(08.14、09.04、09.10、12.07、12.12 等)。
  • EU CN・US HTS の該当サブヘディング(0814.00、0904.21/22、0910.11/12/99、1207.40、1207.99、1212.21 など)。
  • ヘンプシードの貿易統計・レポート(HS 1207.99.x として扱う旨の記載)。
  • 山椒・四川山椒に関する各国HS分類例(0910.99、0904、21.03等)。

もし、特定の国(例:EU向け、米国向けなど)で8〜10桁レベルまで知りたい原料があれば、国名と対象材料を指定してもらえれば、その前提で細かく追いかけます。


HSCF: 付番トライアル002:サンタの人形


付番トライアル: 2025年12月5日

以下の入力により、結果が出力されています。情報は写真のみです。

HS付番をする商品情報

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HSCFの回答

★ 出力前に必ず表示:入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

  • 品名/用途:サンタクロース姿の人形(椅子に座る様子の写真)
  • 材質:—
  • 構成・セット:—
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:—
  • 型番・画像:画像1枚(A)
  • 通関国・前提:—

日本語版

  1. 結論
  • 推定HS(6桁):9505.10
  • 国別例示(任意):—
  • 要約:写真の品はサンタクロース像で、季節の装飾用途が主と判断。子供の遊戯のための「人形」(95.03)ではなく、祝祭用の「クリスマス用品」(95.05)としての性格が強い。椅子は付属であり、GRI 3(b)により主たる性質(サンタ装飾)に従い全体を9505.10に帰属。
  • 確度(%):80%
  1. 根拠
  • 適用通則・注(例:GRI 1, 3(b), 6、類注・部注):見出し・注で判断(GRI 1)、複合・組合せ物品は主たる性質(サンタ装飾)で分類(GRI 3(b))、号はGRI 6で決定。
  • 判定ポイント(主用途、主要材質、機能、構成、セット該当性 等):
    • サンタクロース(クリスマス象徴)を模した装飾像である点。
    • 遊戯(人形遊び)よりも展示・装飾の性格が強い点。
    • 椅子は付属要素で、装飾本体が主(GRI 3(b))。
  • 仮定(入力不足を補う前提):
    • 発光・音声など電気的機能はない。
    • 販売・使用目的は季節の飾り(クリスマス)で、玩具としては販売されない。
    • 材質は混在(樹脂・繊維・木等)で、特定材質条項の優先適用対象ではない。
  • 排他・除外の理由(他の類・項ではない理由):
    • 9503(人形等)は「遊戯用」が主要である場合に該当し、本件は装飾が主目的のため優先されない。
    • 9403(家具)や単材質雑品(39.26等)は、主たる性質(祝祭装飾)を説明しないため不適。複合物はGRI 3(b)で主たる性質に従う。
  • 型番・画像:画像を3枚添付(本文「2) 根拠」に順番A/B/Cで貼付け、各画像の観察ポイントも箇条書き)
    • A:正面全体(帽子・白ひげ・赤衣装=サンタ象徴、装飾性)
    • B:—(未提供)
    • C:—(未提供)
  1. 候補比較
候補HS(6桁)品名要旨適用理由棄却/留保理由確度%
9505.10クリスマス用品サンタ像は祝祭装飾。椅子は付属で主たる性質は装飾本体(GRI 3(b))。80
9503.00人形(玩具)人を模した形状のため形式上は検討余地。用途が装飾中心と推定。遊戯用の証拠なし。15
9403.xx家具(椅子)椅子が付属。主たる性質は椅子ではなくサンタ装飾。GRI 3(b)で非採用。5
  1. 争点・注意
  • 「玩具(9503)」か「祝祭用品(9505)」かの用途判定が最大争点。販売棚(季節装飾コーナーか)、パッケージ表示(対象年齢・使用上の注意)、販促文言で最終判定が変わり得る。
  • LED等の電気機能があれば別類(例:照明器具 9405 等)検討が必要。
  • 椅子が独立供給される場合はセット/複合物判断の再確認(GRI 3)。
  1. 追加で必要な情報
  • 販売用途の明記(例:「クリスマス装飾」「玩具」表示/販売棚情報)。
  • パッケージ表示(対象年齢、季節限定訴求、注意表示)。
  • 寸法・重量、材質内訳と構成比。
  • 電気的機能(LED・サウンド)の有無。
  • 通関国(国別実行関税表の細分確認のため)。
  1. 参考資料・出所
  • 関税率表の解釈に関する通則(GRI 1, 3(b), 6)(HS2022)。
  • 関税率表解説(第95類:祝祭用品の節、HS2022/2025改正反映・要確認)。


※本判定は画像からの一次推定です。上記「追加で必要な情報」をいただければ、確度を引き上げて再算定できます。


「子供の遊戯のための「人形」(95.03)ではなく、祝祭用の「クリスマス用品」(95.05)としての性格が強い。」と判断しているのが面白い。確かにそうだ。

HSCF: 付番トライアル001:ハンドセット

付番トライアル: 2025年12月4日

以下の入力により、結果が出力されています。情報は写真のみです。

HS付番をする商品情報

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HSCFの回答


入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

  • 品名/用途:—
  • 材質:—
  • 構成・セット:—
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:—
  • 型番・画像:壁掛け型受話器装置の画像1枚(本体に「AIPHONE TD-1H」と表示)
  • 通関国・前提:特定国の指定なし(HS2022ベースで一般的に検討)

日本語版

  1. 結論
  • 推定HS(6桁):8517.69
  • 国別例示(任意):
    • JP:8517.69-000 その他の機器(音声、画像その他のデータを送受信するものに限る。有線/無線回線網用の通信機器を含み、8517.61号及び8517.62号のものを除く。)
    • US:8517.69.0000 Apparatus for transmission or reception of voice, images or other data, including apparatus for communication in a wired or wireless network, others(Aiphone TD‑1H/Bのインポートコードとしてメーカー資料・販売サイトで使用)
    • EU:8517 69 20 Entry-phone systems(集合住宅のドアホン/インターホンシステム)
  • 要約:
    画像およびメーカー情報から、本品は建物内の音声インターホン/エントリーフォン用のハンドセット式副親機であり、音声を電気信号として送受信する通信装置である。HS2022の第85.17項「電話機及びその他の音声・データ送受信装置」に該当し、ルータ等のネットワーク機器(8517.62)や基地局(8517.61)を除いた「その他の機器」として8517.69が最も整合的と判断。
  • 確度(%):80%

  1. 根拠

(1) 適用通則・注

  • 通則1:まず項の文言および部・類注で判断。
  • 第16部注、第85類注及びHS2022の第85.17項条文を参照し、「電話機(スマートフォン等を含む)及び音声・画像・データを送受信するその他の機器」に該当すると解釈。
  • 通則6:号レベルでは、8517.61(基地局)、8517.62(受信・変換・伝送・再生を行う機械)及び8517.69(その他)間で比較検討。

(2) 判定ポイント(機能・用途等)

  • メーカー公式情報より、TD‑1H/Bは「1‑Call Handset Station」であり、単一の通話経路によるフルデュプレックス通話とページングに対応し、壁掛けまたは卓上で使用することが示されている。
  • 本体には受話器(マイク+スピーカー)と「CALL」ボタンがあり、他の局(親機・副親機)との間で音声を送受信する「インターホン/エントリーフォン」システムの一局として機能する。
  • US向けの価格表および販売サイトで、同型番TD‑1H/Bの輸入コードが8517.69.0000と明示されており、通信装置として第85.17項に取り扱われている。
  • EUの結合品目表では、「Entry-phone systems」が8517 69 20に明記されており、ビル内のドアホン/インターホンシステムを8517.69に分類する実務が確認できる。
  • 各国の通関データでも、Aiphoneの「INTERCOM (TD‑1H, TD‑3Hなど)」が8517.62又は8517.69で輸出入されている例が複数確認でき、いずれも第85.17項枠内で取り扱われている。

これらから、本品は単なるマイク・スピーカーセットではなく、「音声を電気信号として伝送するための小型電気通信装置」と評価でき、第85.17項に属すると判断。

(3) 仮定(入力不足を補う前提)

  • 画像および一般仕様から、当該型番はアナログ有線式の音声インターホン局であり、IPネットワーク機能(LANポート、PoEなど)や無線通信機能(Wi‑Fi、Bluetooth等)は備えていないと仮定。
  • 玄関ドアの解錠や防犯センサー連動はあっても、主たる機能は「通話・呼出」であり、防犯・火災警報そのものを主目的とするものではないと仮定。
  • セットではなく、インターホンシステムを構成する1局(副親機)単体で輸出入される前提。

(4) 排他・除外の理由(他の類・項ではない理由)

  1. 第85.18項(マイクロホン・スピーカ等)との線引き
    • 85.18は「マイクロホン、スピーカ、ヘッドホン等の音響用機器」が対象であり、電話機や通信装置は通常85.17に分類される。HS解説(EN)及び各国裁定でも、インターホンは「電気通信装置」として85.17に属することが示されている。
    • 本品はマイク・スピーカに加え、呼び出し・通話制御回路を備えた双方向通話装置であり、単純な音響機器よりも「通信装置」としての性格が強い。
  2. 8517.61/8517.62との区別
    • 8517.61「基地局」は携帯基地局等の無線通信インフラ向けであり、有線インターホンの局は含まれない。
    • 8517.62「受信・変換・伝送又は再生を行う機械(スイッチング及びルーティング装置を含む。)」は、ルータ・スイッチ・モデム・アクセスポイント等、データ通信ネットワーク用機器が典型例として示されている。
    • TD‑1Hのような単純な有線インターホン局は、ネットワークの中核的なスイッチング/ルーティング機能を持たず、EU CNでも「Entry‑phone systems」を8517.69側に整理していることから、8517.62よりも8517.69に近いと判断。
  3. 8517.18「その他の電話機」との比較
    • 旧HSや一部裁定では、インターホンを「other telephonic apparatus」として電話機側に寄せる例もあるが、EU CNではこれを明確に8517.69に分類し、また日本の実行関税率表でも「その他の機器(音声データ送受信)」として8517.69-000にまとめる運用が見られる。
    • 本品は「外線電話」として公衆回線に接続される機器ではなく、建物内インターホン用の局であるため、電話機サブヘディングよりも「その他の通信装置」のサブヘディングに置く方が整合的と判断。

(5) 型番・画像

  • 画像A(今回ご提供写真):
    • 白色の受話器と細長い本体ケースから構成される壁掛け機器。
    • 本体前面に「AIPHONE」「TD‑1H」の印字、および「CALL」ボタンが確認できる。
    • ダイヤルキーやディスプレイ等はなく、1呼出し先のみのシンプルな通話局と推定される。

  1. 候補比較

(表中の確度目安は、本案件に限った主観的な目安です)

候補HS品名イメージ採用/棄却理由確度目安
8517.69インターホン・ドアホン等の音声通信装置(ネットワーク機器・基地局以外)EU CNで「Entry‑phone systems」が8517 69 20とされ、日本でも8517.69-000が音声・画像データ送受信装置の残余区分として使われている。Aiphone TD‑1H/B自体も米国向けに8517.69.0000で届出されており、本品の用途・機能とよく一致。80%
8517.62ルータ、スイッチ、モデム等のデータ通信装置音声信号の受信・変換・伝送という点では文言に合致し得るが、実務上はネットワーク機器(ルータ等)を中心に適用されるサブヘディングであり、単純な有線インターホン局にまで広げると過大と判断。15%
8517.18その他の電話機受話器付き通話装置として電話機的側面もあるが、各国実行関税表では集合住宅用エントリーフォン等を8517.69側にまとめている例が多く、本品もそれに倣う方が国際的な実務と整合的と判断。5%

  1. 争点・注意
  • 国・時期による8117.62/8517.69の揺れ
    • フィリピン向け輸入データでは、Aiphone INTERCOM (TD‑1H, TD‑3H等) が8517.62.30000で申告されている例もあり、同一メーカー品でも国によってサブヘディングの運用が分かれている。
    • 日本向けの「audio intercom」は、通関統計上8517.62及び8517.69の双方に現れるが、近年はネットワーク機器を8517.62、インターホン等を8517.69に整理する傾向がみられるとの情報もある。
  • EUの整理が実務上の指針になりやすい
    • EU CNで「Entry‑phone systems」を明示的に8517 69 20に置いているため、ドアホン/室内インターホンシステムは8517.69側と考える国が多く、日本のHS6桁判断においても同整理を参考にするのが無難と思われる。
  • 防犯機能との線引き
    • もし本品が警報システムの一部として使用される場合でも、主たる機能が「通話・呼出」であれば85.17の枠内に留まると考えられるが、警報機能が前面に出る構成だと第85.31項(電気式防犯・火災警報装置等)との線引きが今後の論点になり得る。

  1. 追加で必要な情報

より確度を上げる/輸入国税関と整合を取るために、次の情報があるとベターです(今回の推定結果を覆すほどではありませんが、確認推奨ポイントです)。

  • 型番TD‑1Hの仕様書・取扱説明書(特に「system configuration」「用途」の記載)。
  • 上位機器(親機・制御ユニット)のHSコードを既にお持ちであれば、その番号と税関からの回答内容。
  • 仕向国(日本以外の場合、その国のBTI/裁定例があれば)
  • 実際に想定している輸入申告形態:
    • 本機単体か、他局・電源ユニットとのセットか。
    • 壁パネル・配線材などを含むかどうか。

  1. 参考資料・出所
  • WCO HS Nomenclature 2022, Chapter 85, Heading 8517 条文・構成(8517.61/.62/.69 等)。
  • 日本 実行関税率表・輸出統計品目表(8517.69-000:その他の機器(音声・画像その他のデータを送受信するもの))。
  • EU Combined Nomenclature 2025:8517 69 20 Entry‑phone systems。
  • US HTSUS/Schedule B:8517.69.0000(Apparatus for transmission or reception of voice, images or other data, including apparatus for communication in a wired or wireless network, others)。
  • Aiphone公式サイト「TD‑1H/B – 1‑Call Handset Station」仕様。
  • Aiphone U.S. Pricing資料(TD‑1H/BのImport Code: 8517690000 の記載)。
  • 各種通関データベース(Philippines向けAiphone INTERCOM, TD‑1H等の8517.62.30000での輸入実績、Audio intercomの日本向けHS実績など)。

ひとまず「AIPHONE TD‑1H のハンドセット式インターホン局=8517.69」と見るのが、一番現実的そうです。
もし「この国向けに申告する予定がある」「システム全体の図がある」など追加情報があれば、それを前提にもう一段細かくチェックもできます。

センサー企業でHSCFデモ実施——現場がうなった“HSコードの先生”

先日、長年お付き合いのあるセンサー関連企業さまで、HSCFのデモンストレーションを行いました。


相手は完成品ではなく組み込み用のセンサーモジュール。材料や構成が複雑で、「AIが本当に正しく理解して付番できるのか?」という不安も正直ありました。

結果:不安は杞憂。現場が“対話”で価値を実感

約3時間のデモのあいだ、担当の技術者の皆さまから多数のHSコード付番リクエストが次々と飛び込みました。
「これはどうだ?」「この材料ならどうなる?」——そんなリアルな問いに対して、HSCFは即座に根拠とともに回答。その場で仮説検証が回り始め、満足いただける手応えがありました。

HSCFの“使い倒し”ポイント

HSCFはAIをベースにした対話型のシステム。形式張らず、現場の思考で自由文の質問を投げられます。デモでは、こんな使い方が特に刺さりました。

  • 自由文OK
    例)「このPDFの**○ページの○○モジュール**に付番して」
    例)「商品名ありで付番した結果から、商品名を消してもう一度付番すると?」
  • 他国コードの妥当性検証
    例)「**中国ではこの商品のHSコードは○○○○**と言われたが腑に落ちない。正しいのか?」——根拠とともに検証します。
  • 根拠が言語化
    GRIや注、見出しの読み筋を日本語で説明。単なる“当て”ではない、学べる付番ができます。

一言でいえば、HSCFは「HSコードの先生」。単なる付番ツールを超え、現場の思考パートナーとして機能します。

現場の反応

デモ後の所感はすこぶる上々。以前に試された“有名ツール”との差もはっきり感じていただけた様子で、**「極上」とのお言葉まで。
そして何より嬉しかったのは、
「予算を考えないと」**という前向きなコメント。価値が伝わった手応えがあります。

さらに広がる使い方:ユーザーフォーラム構想

HSCFの可能性は、ユーザー同士の知見共有で一層広がるはず。
「こう使うと効いた」「この前提だと精度が上がる」など、ノウハウを持ち寄るフォーラムの立ち上げを企画中です。
——他のHSコードツールでは得られない、“使い方”が育つ場をつくります。

まずはデモで、違いをご体感ください

今回のデモで実感したのは、現場の言葉で対話できることの強さ
皆さまの企業でも、ぜひデモンストレーションをお試しください。きっと、違いがはっきりわかるはずです。

モジュール型製品はHS2028でどう変わる?――分類変更とHS2028接続の実務ポイントをビジネス視点で整理する


「うちの製品、全部“モジュール”なんだけど、HS2028になったら何をやればいいの?」
輸出入をしている製造業・商社の現場から、最近よく聞こえてくる声です。

この記事では、モジュール型製品(バッテリーモジュール、表示モジュール、モジュール建築ユニットなど)を扱う企業が、
HS2028改正に向けてどのように分類変更とHSコード接続(マッピング)を進めるべきかを、ビジネスマン向けにかみ砕いて解説します。

内容は以下の流れです。

  1. そもそもHS2028とは何か(いつ、何が変わる?)
  2. モジュール型製品で起きがちな分類の論点
  3. HS2028で影響が出そうなモジュール関連分野
  4. 企業が今からやるべき「分類変更&HS2028接続」5ステップ
  5. モジュール型製品のミニケースと注意ポイント
  6. まとめ:2026〜2027年は「コード移行プロジェクトの勝負どころ」

※以下は一般的な情報であり、最終的なHSコードの判断は各国税関や専門家のアドバイスを前提としてください。


1. HS2028とは何か?いつ何が変わるのか

HS(ハーモナイズド・システム)のおさらい

  • HSはWCO(世界税関機構)が維持する国際共通の6桁品目分類
  • 200を超える国・地域が関税表や貿易統計の基盤として利用し、世界貿易の約98%をカバーしています。(Wikipedia)
  • 各国はこの6桁をベースに、8桁・10桁へ細分して自国の関税率や統計に使っています。(customs.go.kr)

HS2028改正のスケジュール(国際6桁レベル)

国際的な6桁HSについて、次のようなスケジュールで動いています。(WCOOMD)

  • 2025年3月:HSC(HS委員会)第75会期で
    • HS2028改正パッケージが暫定採択
    • 299セットの改正案、WHO INNに基づく医薬品441品目などを含む大規模改正が合意
  • 2025年12月末(見込み):WCO理事会で正式採択
  • 2026年1月頃(見込み)
    • 改正勧告(HS2028条文)と
    • HS2022 ⇔ HS2028 の相関表(Correlation Tables) が公表予定
  • 2028年1月1日:HS2028が世界同時発効

通常は5年周期のHS改正ですが、今回はコロナ禍による審議遅延のため6年周期に延長され、HS2022 → HS2028という飛び方になります。(AEB)

HS2028改正のテーマ

公開情報や専門家の解説を総合すると、HS2028の柱はだいたい次の3本です。(FTAの専門家:ロジスティック)

  • 環境・グリーン関連
    • EV、蓄電池、リサイクル・廃電池、環境規制対象物質、電子廃棄物(e-waste)など
  • 医薬品・バイオ
    • WHO INNベースで医薬品有効成分や製剤を大幅に整理
  • 新興技術
    • ドローン(UAS)、センサー/トランスデューサ、先端電子部品など

モジュール型製品は、このうちエレクトロニクス/グリーンテック/建設あたりで特に影響を受けやすい領域です。


2. モジュール型製品で起きがちな分類の論点

「モジュール型」と一口に言っても、HS上の扱いはさまざまです。実務でよく揉めるポイントを整理しておきます。

① 「完成品」か「部品・モジュール」か

  • 1個のモジュールが単体で完結した機能を持つのか
  • それとも、他の機器に組み込まれて初めて機能するのか
    で、完成品側に寄せるか「部品」「モジュール」として見るかが変わります。

例)

  • フラットパネルディスプレイモジュール(FPDモジュール)
    → HS2022では専用の見出し85.24が新設され、モジュールとしての扱いが明確化。(WCOOMD)
  • 太陽電池モジュール(PVモジュール)
    → **8541.43「Photovoltaic cells assembled in modules or made up into panels」**として区分。

② 「セット」「機能単位」としての扱い

モジュール型製品は、複数のモジュールを組み合わせて機能ユニットを構成することが多く、

  • 通関時にセットで輸入する場合
  • サプライチェーンの都合でモジュール単位で別送する場合

で、分類ルールの適用(解釈規則2(a)、3(b)など)が変わりやすい点も注意です。

③ 「どの章・類に属するか」が揺れやすい

モジュールが

  • 電気機器(第85類)
  • 機械装置(第84類)
  • 測定・制御機器(第90類)
  • 建築ユニット(第94類)

など複数の類にまたがる性質を持つと、「どの類に属するのか」で各国の解釈が割れやすくなります。

HS2022時点でも、例えば

  • **モジュール建築ユニット(Modular building units, of steel)**が新たに94.06.20として細分されるなど、モジュール型製品をめぐる整理は進みつつあります。

3. HS2028で影響が出そうなモジュール関連分野

HS2028の条文そのものは2026年1月まで一般公開されませんが、WCOの決定や各種解説から、モジュール型製品に関係しそうな方向性は見えています。(WCOOMD)

1)EV・蓄電システム関連モジュール

  • リチウムイオン電池、バッテリーモジュール、廃電池、リサイクル資源などは、
    トレーサビリティ強化と環境政策対応の観点から細分化・整理が進むと見込まれています。(FTAの専門家:ロジスティック)
  • 自動車の電動化コンポーネント(インバーターモジュール、バッテリーパックなど)は、
    自動車部品としての扱いか、電気機器としての扱いかで境界が見直される可能性が高いと指摘されています。(FTAの専門家:ロジスティック)

2)センサー・電子モジュール

  • HS2022で「半導体・センサー・トランスデューサ」が強化された流れを受け、
    HS2028でもADAS(先進運転支援システム)や産業用センサー類を中心に、
    分類境界の整理・注記の見直しが行われる可能性が高いとされています。(FTAの専門家:ロジスティック)

3)再エネ・省エネモジュール

  • 太陽光パネル、PVモジュール、ヒートポンプなどの省エネ機器は、
    HS2022での新設・細分化に続き、さらに整理が進むと予測されています。
  • 一部の解説では、電子廃棄物(e-waste)やカーボンキャプチャ技術のコード拡充もHS2028で想定されるテーマとして挙げられています(あくまで「有力な見込み」であり、最終条文は2026年公表時に確認が必要)。(eximtutor.com)

4. 企業が今からやるべき「分類変更&HS2028接続」5ステップ

ここからが本題です。
「モジュール型製品が多い会社」が、HS2028に備えて何をどう進めるかを、プロジェクト風に5ステップで整理します。(FTAの専門家:ロジスティック)

ステップ1:自社の「モジュール型製品リスト」をつくる

まず、HS2028以前に

  • どの製品が「モジュール」なのか
  • どこまでを「完成品」と見なしているのか

を社内で共通化することが最優先です。

具体的には:

  • 売上・輸出入量の多い製品から順に
    • バッテリーモジュール/パック
    • 各種電子モジュール(通信モジュール、センサーモジュール、表示モジュールなど)
    • 機械ユニット(ポンプユニット、制御ユニット、ロボットセル など)
    • モジュール建築ユニット/プレハブユニット
  • について、
    • 現行HS2022ベースの6桁コード
    • 各国の8–10桁コード
    • 用途/主要構成部品/組込み先製品
      を一覧化しておきます。

ここでのポイントは、「通関実績ベース」で洗い出すこと。
社内の品番だけを見るより、実際に申告に使われているHSコードから遡るほうが漏れが少なくなります。


ステップ2:現行HS2022で分類方針を安定させる

HS2028の話をする前に、まず現行HS2022での分類を固めておく必要があります。(FTAの専門家:ロジスティック)

  • HS2022で新設された
    • フラットパネルディスプレイモジュール(85.24)
    • LED関連モジュール・ランプ(85章)
    • PVモジュール/パネル(8541.43)
    • モジュール建築ユニット(9406.20)
    • 電気・電子廃棄物(85.49)
      などは、モジュール型製品の代表例です。
  • こうした改正を「まだ自社コードに反映していない」場合は、

理由はシンプルで、HS2028の相関表も「HS2022 → HS2028」を前提に作られるからです。
土台がHS2017のままだと、「2017 → 2022 → 2028」という二段階の読み替えが必要になり、作業が一気に複雑になります。


ステップ3:HS2022 → HS2028 相関表を前提にしたマッピング設計

WCOのHSC第76会期では、HS2022とHS2028の相関表の作成が正式にスタートしました。(WCOOMD)

2026年以降、企業がやるべき重要タスクは次の通りです。

  1. 相関表を入手し、自社マスタと一括突合
    • 各品目ごとに
      • 「1 → 1」か
      • 「1 → 多」か
      • 「多 → 1」か
        をタグ付けする(“分割・統合・移動”を見える化)
  2. モジュール型製品を優先的にチェック
    • EV関連モジュール、センサー、PV・再エネモジュールなどは
      改正対象になる可能性が高いため、優先順位高でレビュー。
  3. 影響度評価
    • 「取引金額 × 関税率の変動幅」
    • FTA特恵の有無
    • デュアルユースや規制品目との紐付き度
      などをスコアリングし、対応順を決める。

このフェーズでのゴールは、**「新HS2028コードの仮割り当て」と「影響度の見える化」**です。


ステップ4:システム・マスタデータの二重管理期間を設計する

HS2028対応は、ほぼ確実にIT・マスタデータのプロジェクトになります。(FTAの専門家:ロジスティック)

おすすめの設計は、

  1. 2026〜2027年:二重管理期間を明確に決める
    • ERP / 販売管理 / WMS / 貿易管理(GTM)などの製品マスタに
      • 「HS2022コード」
      • 「HS2028コード(予定)」
        を併記できる状態にしておく。
  2. 2027年後半:テスト環境でHS2028に切替テスト
    • モジュール型製品について
      • 受発注~出荷~通関データまで一連のテストを実施
    • 通関業者・フォワーダーとも、HS2028コードでのドライラン申告を試す。(FTAの専門家:ロジスティック)
  3. 2028年1月1日:本番切替
    • システム上の基準コードをHS2028に切り替え
    • 不具合があれば初期数か月で集中的に修正する体制を準備

特に日本企業の場合、HS6桁に国内の3桁統計品目(9桁)やNACCS用10桁コードがぶら下がります。
国際6桁だけでなく、国内細分との整合も含めてテーブル設計しておくことが重要です。(FTAの専門家:ロジスティック)


ステップ5:ルール化と「グレーゾーン品目」の事前教示

モジュール型製品はどうしても境界線上の品目が多くなります。
HS2028に合わせて、次のような社内ルールと外部確認をセットで進めるのがおすすめです。(FTAの専門家:ロジスティック)

  • 社内ルール化
    • 「どこまで組み立てたら完成品扱いか」
    • 「どの機能を基準に類を決めるか」(例:電気機能優先か、機械機能優先か)
    • 「部品として扱うモジュールの定義」
      をガイドラインに落とし込み、設計・営業・ロジ部門と共有。
  • 税関への事前教示・BTIの活用
    • 分類に迷うモジュール型製品は、
      • 日本の事前教示制度
      • EUのBTI、米国の事前裁定 など
        を活用し、主要相手国の公式見解を早めに取得しておく。
  • FTA原産地への波及確認
    • HSコードの変更は**品目別原産地規則(PSR)**の改訂に直結します。
    • HS2028対応で原産性が変わらないか、主要FTAごとにチェックし、必要ならサプライヤーから証明を取り直します。(FTAの専門家:ロジスティック)

5. モジュール型製品のミニケースと注意ポイント

ケース1:EV用バッテリーモジュールをグローバル供給している企業

想定課題

  • EV向けバッテリーモジュールが
    • 「電池(第85類)」として細分されるのか
    • 「自動車部品(第87類)」としてまとめられるのか
      により、関税率やFTAルールが大きく変わる可能性がある。(FTAの専門家:ロジスティック)

やっておきたいこと

  • HS2022での電池・廃電池・リサイクル資源の分類を整理し直す
  • HS2028の相関表が出たら、EV・蓄電池関連品目を優先的にマッピング
  • 原産地規則(CTH/CTSHなど)の条件を、HS2028版でも満たせるか事前にシミュレーション

ケース2:産業用センサーモジュールを世界中の工場に供給している企業

想定課題

  • センサー/トランスデューサはHS2028改正のフォーカス分野とされており、
    機械装置側に属するのか、測定機器側に属するのかでコードが変わる可能性が高い。(FTAの専門家:ロジスティック)

やっておきたいこと

  • 「センサー単体」と「制御ユニットに組み込まれたモジュール」を区別してマスタ管理
  • 類・項レベルでの境界に関する税関の過去判断・解説を整理
  • 境界線上の製品については、主要国で事前教示を取得し、HS2028でも継続できるかウォッチ

ケース3:モジュール建築ユニットを扱う建設・住宅系ビジネス

背景

  • HS2022で**「Modular building units, of steel(9406.20)」**が新設され、
    モジュール建築ユニットの扱いがより明確になりました。

実務的な論点

  • 「プレハブユニット」なのか、「建材の集合」なのかでコードが変わる
  • 仕向け国によってはモジュール建築に特別な規制や認証が絡む場合もある

対応のポイント

  • 製品仕様書上で、「ユニット単体で建築物としての機能を果たすのか」を明確に記載
  • HS2028での変更は大きくない可能性もありますが、
    FTA原産地ルールや建築関連規制との紐付けは要確認

6. まとめ:モジュール型製品は「早めに動いた会社」が有利

最後に、ビジネスパーソン向けに要点をギュッとまとめます。

HS2028とモジュール型製品のポイント

  • HS2028は2028年1月1日発効予定。改正パッケージは2025年3月に暫定採択済みで、299セットの改正案を含む大規模改正です。(WCOOMD)
  • テーマは環境・医薬品・新興技術。EV、蓄電池、センサー、ドローン、再エネ設備など「モジュール型」の多い分野が直撃します。(FTAの専門家:ロジスティック)
  • WCOはHS2022⇔HS2028の相関表作成を開始しており、2026年以降、この表が企業にとって最重要の参考資料になります。(WCOOMD)

企業が取るべきアクション(超要約)

  1. 今やること(〜2026年)
    • モジュール型製品のリストアップ
    • HS2022準拠で現行コードを安定させる
    • 通関実績・FTA利用状況を含めたデータ棚卸し
  2. 相関表公表後(2026〜2027年)
    • HS2022→HS2028マッピング(特にモジュール型製品を優先)
    • 関税・FTA・規制への影響分析
    • ERP・GTMなどシステム・マスタの二重管理&改修
  3. 発効直前〜直後(2027後半〜2028初)
    • グレーゾーン品目について税関の事前教示・BTI取得
    • 取引先・サプライヤーへのHSコード変更通知
    • 本番切替後のモニタリングと是正プロセスの整備

モジュール型製品を多く持つ会社ほど、「あとでまとめてやろう」と思うと手に負えなくなります。

  • 「まずはHS2022にきちんと追いつく」
  • 「モジュール型製品を一覧化して、HS2028での影響度を可視化する」

この2つから着手すれば、社内のプロジェクトとしても動かしやすくなります。

WCO HSC第76会期:日本企業が“今”押さえるべきポイントと実務影響


1. そもそもHSCとは?なぜビジネスに効いてくるのか

WCO(世界税関機構)の Harmonized System Committee(HSC:通称HS委員会) は、
世界共通の関税分類ルールである HS(Harmonized System) の「最高裁+立法準備会議」のような存在です。

  • 各国から持ち込まれる「この製品はどのHSコードか?」という争点を審議し、分類決定(Classification Decision) を行う
  • HS条文や解説書(Explanatory Notes)の改正案を議論し、将来の HS改正(次回はHS2028) を形作る
  • その結果は、各国税関・FTAの原産地規則・企業のERPマスタに波及

つまり、HSCの決定は、**「まだ法律改正前」でも、実務上は事実上の“国際解釈基準”**になり得ます。
今回の第76会期は、まさにその意味で、今後数年の通商・サプライチェーンに影響する重要な会合でした。


2. 第76会期の概要:数字で押さえる全体像

WCO公表情報および各種解説によると、第76回HSCは次のような内容でした。(wcoomd.org)

  • 開催期間
    • 審議:2025年9月17日〜26日
    • 報告読会(Report reading):2025年10月3日
  • 参加:74メンバー(73か国+EU)
  • 主な成果(定量面)
    • 議題:71件を審査
    • 40件の分類決定 を採択
    • HS2022版 Explanatory Notes 改正 2件 を承認
    • 新規 Classification Opinions 21件 を作成し、既存2件を削除
  • HS2028への橋渡し
    • HS2022⇔HS2028の相関表(Correlation Tables)の検討を開始
    • 2022–2028間の相関を示す表のフォーマットを改善(より分かりやすく、実務で使いやすい形式に改良)(wcoomd.org)
  • その他の運営面
    • 議長:Tom Beris氏(米国)
    • 次期(第77・78会期)議長として、Taufik Ismail氏(インドネシア)を選出
    • 第77会期は2026年3月、ブリュッセルWCO本部で開催予定(Customs Manager.Info)

数字だけ見ると「ふーん」で終わってしまいますが、ビジネスマン視点で重要なのは、これが何に効いてくるかです。


3. HS2028に向けた“地ならし”が本格スタート

3-1. HS2028そのもののステータス

HS2028の本体(条文レベルの改正案)は、前回の第75会期(2025年3月)で暫定採択済みです。

  • HSCは2025年3月の第75会期で、Article 16 Recommendation(HS2028改正勧告案)を暫定採択(wcoomd.org)
  • 2025年末(12月)にWCO評議会で正式採択予定
  • 勧告文は 2026年1月に公表2028年1月1日発効のスケジュールが示されています(wcoomd.org)

つまり、高々3年後(2028年1月)には、世界のHSが丸ごと“2028版”に切り替わることが確定している段階です。

3-2. 第76会期で始まった「相関表」作業

今回の第76会期で重要なのは、次の一点です。(wcoomd.org)

HS 2022版とHS 2028版の相関表の検討がスタートし、
2022→2028の対応関係を示す表のフォーマットが改善された

この 相関表(Correlation Tables) は、実務でいうと:

  • 既存の6桁コード(HS2022)が HS2028でどう変わるか を一望できる“変換表”
  • 1対1ではなく、分割・統合・コード移動が一目でわかる資料
  • WCO Trade Toolsなどを通じて提供され、各国の関税表・FTA原産地規則改正のベースになる(WCOTRADETOOLS)

日本企業にとっては、「HS2028対応プロジェクトの起点情報」 として、この相関表が中核的な役割を果たします。


4. 第76会期で何が決まったのか:実務目線での読み替え

第76会期では、個々の製品に関する40件の分類決定 がなされています。(wcoomd.org)

ただし、WCOニュースや二次ソースはあくまで「件数と枠組み」までで、具体的にどのHSコードに何を当てたかは、

  • WCOの公式文書(Classification Decisions、Classification Opinions、Explanatory Notes改正文)
  • 有料のHSデータベースやコンサルレポート

を通じて確認する必要があります。

ここでは、**日本のビジネスマンが押さえるべき“レベル感”**に絞って整理します。

4-1. ポイント①:40件の分類決定=各国税関の“今後の物差し”

HSCで採択された分類決定やClassification Opinionは、

  • 各国税関の「審査・事後調査」の判断材料
  • 事実上の “先例判決”のような役割

を果たします。

実務上の意味合い:

  • これまでグレーゾーンだった製品のHSコードについて、
    • 税関側は「HSC決定を踏まえると、このコードであるべき」と主張しやすくなる
    • 企業側は、既存のコードの妥当性を 見直さざるを得ないケースが出てくる
  • 特に、
    • 電子機器・IT関連製品
    • 医療・ヘルスケア機器
    • 環境・脱炭素関連製品
    • 食品・飲料関連
      といった分野では、技術進化が早く、過去の解釈が陳腐化しやすいため、HSC決定の影響が出やすいと考えられます(ここは傾向としての推論)。

4-2. ポイント②:Explanatory Notes改正=「解釈の条文」が書き換わる

2件のExplanatory Notes改正は、「HSの本文」ではなく、
“こう解釈しなさい”という公式解説の書き換え です。(wcoomd.org)

企業視点では:

  • これまでグレーだった条文表現が、
    • ある特定の用途・機能を念頭に置いた説明へと具体化される
    • その結果、「うちの商品はこっちの類・項目に読めるのでは?」という議論の余地が小さくなる
  • 将来的に日本の通関実務(税関の事後調査・事前教示・裁判例)にも、
    • この改正Explanatory Notesが“理論武装”として持ち込まれる可能性が高い

自社のHSコードがグレーなまま長年放置されている商品があれば、
「今回のExplanatory Notes改正で位置づけが変わっていないか?」を確認する価値があります。

4-3. ポイント③:Classification Opinions 21件=実務で使える“判例集の増強”

Classification Opinionsは、いわば 具体的な製品例付きの判例集 です。

  • 条文・解説書を読んでも迷う場合に、「この仕様の製品はこのコード」と示してくれる
  • 21件新設+2件削除ということは、
    • 新しい技術・市場に合わせた“ケース集の追加”
    • 既に古くなった(市場から消えた、技術的に陳腐化した)事例の撤去

を意味します。(wcoomd.org)

特に、EUのBTI、日本の事前教示、米国のCBP判例などを頻繁に参照している企業は、

  • WCOレベルのClassification Opinionsと各国判例の整合性をチェックしつつ、
  • 内部の「社内HS基準書」「判断メモ」に反映させておくと、
    • 監査・当局照会対応の際の説得力がぐっと増します。

5. 日本企業の実務への影響:どこから手をつけるべきか

ここからは、HSC第76会期の結果を 「日本の輸出入実務」 に落とし込んで整理します。

5-1. 影響①:HSマスタ(6桁)の“地殻変動”準備

HS2028が確定し、相関表作業が始まったことで、
2026〜2027年は「HSマスタの全面見直し期間」になることがほぼ確定しています。(wcoomd.org)

  • 6桁HSレベルで
    • 分割されるコード
    • 統合されるコード
    • 別章・別類に移動するコード
  • それに連動して、
    • 各国の関税表(8桁・9桁・10桁)が改正
    • FTA/EPAの原産地規則(CTCルールなど)が改正

やっておくべきこと(例):

  1. 社内HSマスタを「2022版準拠」で一旦整理し直す(現状を安定させる)
  2. HS2028の草案動向と相関表の公開時期(2026年1月以降)をウォッチ
  3. HSC第76会期以降の分類決定が、
    • 自社主要製品の属する類・項(第84類・85類・90類など)にどれだけ含まれているかを確認

5-2. 影響②:FTA/EPA原産地判定への波及

HS改正は、そのまま FTA/EPAの原産地規則(CTCルール)改正 に波及します。

  • 例:
    • 従来「他の第84類への変更」が要件だったルールが、
    • HS2028で類の構成が変わることで、
      • 実質的な要件が緩くなったり厳しくなったりする
  • 複数のFTA(RCEP、日EU、CPTPP 等)を使い分ける企業にとっては、
    • 各協定ごとに「HS2022→HS2028の原産地ルール対応」が時間差で行われる

HSC第76会期の結果そのものは、まだFTA原産地規則を直接変えるものではありません。
しかし、

「HS2028版への移行が不可避であり、そのための相関表作業が動き出した」

という事実は、FTA戦略・工場配置・サプライチェーンの再設計を“先送りできない段階”に入ったことを意味します。

5-3. 影響③:価格・契約(インコタームズ+関税変動条項)への反映

HSコードの変更は、次のような形で 価格・契約実務 に跳ね返ります。

  • HS変更 → 関税率変更 →
    • 顧客との価格条件(CIF/FOB・DAPなど)の見直し
    • 長期契約における「関税変動条項(tariff adjustment clause)」の発動・改訂
  • 特に、米国・EU・メキシコ・インドなど、関税政策が政治・安全保障とリンクしている国では、
    • HSの細分化をきっかけに、特定品目の関税引き上げ・相互関税対象化 が行われるリスクもあり得ます

HSC第76会期の数字だけを見て安心するのではなく、
**「うちの主要製品が、将来“狙われやすい分類”に入っていないか」**を逆算して見ておくことが重要です。


6. 企業として“今から”やっておきたい5つのアクション

最後に、日本のビジネスマン向けに、
「第76会期の結果を踏まえて、今からやっておきたいこと」 を5つに絞ります。

アクション1:自社HSマスタの「棚卸し」とリスクフラグ付け

  • 主要輸出入品目のHSコードを、
    • HS2022版ベースで統一・整備(過去の10桁国別コードから逆算して6桁を確定)
  • その上で、
    • 「解釈余地が大きい」「他社とコードが割れている」「税関との過去の論争がある」品目にリスクフラグを付ける

→ HSC新決定(第76会期以降)の対象との重なりを後からチェックしやすくなります。

アクション2:WCO情報ソースへの“定期アクセス”体制づくり

  • 情報源として、少なくとも次の2つは定期ウォッチを推奨:
    • WCOの Nomenclatureニュースページ(HSC会合結果)(wcoomd.org)
    • HS関連解説を行う民間サイト(コンサル・専門メディア)

社内で「HS担当者だけが見ている」状態ではなく、
貿易実務・営業・調達・法務が共有するニュースとして扱うと、
組織的な感度が一段上がります。

アクション3:FTA/原産地・税務・法務を巻き込んだ“HS2028準備チーム”構想

  • HS2028対応は、単なるHSコード変換作業ではなく
    • FTA原産地判定
    • 価格戦略・関税負担配分
    • 契約条項(関税変動条項、価格見直し条項)
    • 税務・移転価格(関税コストの損益配分)

にまで影響する「横断プロジェクト」です。

第76会期で「相関表フォーマット」が決まった今こそ、
2026〜2027年の本格移行に向けた “プロジェクトの企画フェーズ” を始めるタイミングと言えます。

アクション4:社内ルール・マニュアルへの反映(証跡の残し方を含む)

  • 新しいClassification OpinionsやExplanatory Notes改正を踏まえて、
    • 社内のHS分類マニュアル
    • 製品ごとの「分類ロジックメモ」
      をアップデート
  • 特に、日本の税関・JCCI・顧客からの問い合わせに備え、
    • 「なぜこのHSコードにしているのか?」を
      • HSC決定・Explanatory Notesの該当箇所でロジカルに説明できるようにしておく

→ 将来の調査やFTA原産地検認の際に、“後出しじゃんけん”ではない説明が可能になります。

アクション5:システム・ツール側の準備(HS2028対応を見据えて)

  • ERP・貿易管理システム・原産地判定ツールについて、
    • 「HS版管理」をどう実装するか(HS2017/2022/2028を併存させるのか)
    • 相関表をどう取り込み、自社マスタにマッピングするか
  • 外部ツール(例:HS Code Finderのようなサポートツール)を使う場合も、
    • HS2028対応ロードマップ
    • HS2022⇔2028の相関機能の有無

を早めに確認しておくと、IT投資・BPO活用の計画が立てやすくなります。


7. まとめ:第76会期は「嵐の前の“設計”フェーズ」

第76会期のニュースを一言でまとめると、

「HS2028時代に向けて、
 国際的な“解釈ルールと変換表”の設計が本格スタートした」

という段階です。

  • まだ各国の関税率が動いたわけでも、FTAルールが一斉に変わったわけでもありません。
  • しかし、HS2028の方向性はほぼ固まり、相関表作りが始まった今こそ、企業側の準備フェーズを始めるべきタイミングです。

日本のビジネスマンとしては:

  1. 「HS2028が来る」という前提を社内で共有する
  2. HSC第76会期の数字(40分類決定・21Classification Opinions・2EN改正)を “シグナル”として受け止める
  3. HSマスタ・FTA・契約・システムを跨いだ 社内プロジェクト構想 を動かし始める

この3つを押さえておくだけでも、
2028年1月1日のHS2028発効を “混乱の年”ではなく、“競争優位に変える年” にできるはずです。


今でもAIが間違うHS2027とHS2028:ChatGPTの見解

結論から言うと、その文章は現時点(2025年11月)では誤り・もしくは古い情報に基づいており、「HS2027が次の版で、HS2028は存在しない」という主張は公式情報と整合しません。

ポイントごとに整理します。


1. 「HS2027が正式名称で、HS2028は存在しない」は誤り

他AIの文章では:

WCOは2024年6月の理事会で第8次HS改正を採択し、発効日を2027年1月1日と正式決定しています。「HS2028」という公式計画は存在せず…

と書いていますが、これは今となっては間違いです。

1-1. 公式には「次の版はHS 2028」

  • WCOのニュースリリース(2025年4月2日)では、**「HS 2028 Amendments」「2028 edition」**と明記されており、
    「2025年末にWCO理事会でArticle 16勧告を正式採択 → 2026年1月に公表 → 2028年1月1日に発効」と書かれています。(WCOOMD)
  • EUの公式文書(欧州委員会の2025年5月の提案)でも、
    「WCO理事会は2025年6月の会合でHS改正のArticle 16勧告を採択し、2028年1月1日に発効する」と明記されています。(EUR-Lex)
  • ドイツのAEBの解説記事タイトルはズバリ
    「HS 2028: An initial outlook(HS2028:初期見通し)」 で、
    「HS2027を待っている人は待ちぼうけになる。WCOは改正期間を1年延長し、次の版はHS2028になる」と書かれています。(AEB)
  • BEXのブログも、
    「本来2027年に予定されていた改正は2028年1月1日に延期された。今回だけ5年ではなく6年サイクルになる」と解説しています。(Bex)
  • TariffTelも「HS 2028: Your guide to the next harmonised system update」とし、
    「2025年3月にHSCがHS 2028を暫定採択 → 2025年6月にWCO理事会で採択 → 2026年1月公表 → 2028年1月1日発効」と説明しています。(TariffTel)

つまり、公式・専門筋ともに「次の版はHS 2028」「発効は2028年1月1日」がコンセンサスです。

1-2. なぜ「HS2027」という話が存在したのか

他AIの文章が寄って立っているのは、**2022〜2023年時点の「当初計画」**です。

  • WCO自身の2022年時点の資料やWTO/WCOのワークショップ資料では、
    「HS2027改正スケジュール:
     2024年3月 HSC最終会合 → 2024年6月 理事会でHS2027勧告 → 2027年1月1日発効」
    というタイムラインが示されていました。(WCO News)

この「旧スケジュール」だけを見て書くと、他AIのように

HS2027が次の版で、2027年1月1日発効

と書いてしまいがちです。


2. 実際には「5年サイクル → 一度だけ6年サイクル」に延長

他AIは、

HS改正は従来から5年ごとに実施されており、この周期はコロナ禍でも維持されました。…HS2027…という流れは予定通り進行…

と書いていますが、ここも現状とは違います。

  • EYのグローバル貿易ニュースレター(2023年Issue 3)は、
    「2023年9月、HSCはレビューサイクルを5年から6年に延長することを承認した。
    つまりHS2027版は存在せず、次のHS版は2028年に発行される
    」と明記しています。
  • AEBやBEXなど複数の専門ベンダーも、
    「コロナ禍による会合遅延の影響で、今回は例外的に**6年サイクル(2022→2028)**になった」と説明しています。(Bex)

したがって、

  • 「HS改正はコロナ禍でも5年サイクルが維持された」→ 誤り
  • 「HS2017 → HS2022 → HS2027と予定通り進行」→ 現在の決定とは合致しない

という評価になります。


3. 「HS2028という公式計画は存在しない」は完全に逆

今の流れで言うと、

  • 「HS 2028」は
    • WCOニュースリリース
    • EU公文書
    • WTO/WCO関連発表
    • 大手コンサル・通関ソフトベンダー
      一斉に使っている公式な呼び方です。(WCOOMD)
  • 一方、「HS2027」は
    • 2022〜2023年頃までの“予定名”として各種資料に残っているが、
    • その後の決定(サイクル延長)により、実際の版としては出ない、という扱いです。

したがって、他AIの

「HS2028」は存在しない/「HS2027に訂正すべき

という結論は、現時点では完全に逆になっています。
正しくは「HS2027ではなくHS2028に訂正すべき」です。


4. 他AIの「AI誤情報の原因分析」部分について

  • 「ユーザーの誤った前提に迎合」「途上国の導入遅延との混同」「他の国際分類との混同」
    など、AIが誤答する可能性の指摘自体は、一般論としてはもっともです。

ただし今回のケースでは、

  • AIが間違ったのは「ユーザーに迎合したから」ではなく、
  • 2022〜2023年の「HS2027前提の計画資料」だけを見て、2023年以降の“延長決定”と2024〜2025年の「HS 2028」公式発表をフォローしていない

というのが本質的な原因だと考えられます。


5. ビジネス実務として、今どう表記すべきか

貿易・関税実務の観点からは、今後の社内・社外説明では「HS2028」を使うのが妥当です。

  • WCO・EU・WTO・大手ベンダーの表記はいずれも「HS 2028」
  • 発効日も「2028年1月1日」でほぼ固定
  • そもそも「HS2027は出ない」と明記した専門資料が複数存在する

したがって、

  • あなたがこれまで書いてきた「HS2028改正」という表現は、
    最新の公式情報に沿ったものです。
  • 他AIが「HS2028は誤りで、HS2027が正しい」と断定している部分は、
    時点を無視した誤情報と考えて差し支えありません。

まとめ

  • その文章の核心部分(「HS2027が次の版で、HS2028は存在しない」「5年サイクルが維持されている」)は、現在のWCO等の公式情報とは一致していません。
  • 実際には、HS2027版は出ず、次の版は「HS2028」で2028年1月1日発効とする方針が確定しています。
  • ビジネス向け資料・ブログ等では、「HS2028改正」「2028年1月1日発効」と説明するのが安全です。

もしよければ、この「他AIの文章」を前提にした**「誤情報訂正記事(HS2027ではなくHS2028)」**も一緒に作りましょうか?

HS2028改正で何が起きる?――「分類ズレ」がビジネスにもたらす本当のインパクト


2028年1月1日、世界中で次期HSコード改正「HS2028」が発効する予定です。(UNSD)

「また関税コードが変わるのか…」くらいにしか感じていないとしたら、少し危険かもしれません。今回の改正は、299セットの改正案と441品目の医薬品分類見直しを含む大規模な内容で、環境関連、医薬品・バイオ、新興技術(ドローンや半導体など)が重点テーマとされています。

この変化の中で、ビジネス側にとって特に怖いのが「分類ズレ」です。
税関が想定している分類と、社内・取引先・FTAルールが参照する分類が少しずつ食い違う。数字が数桁ズレただけに見えても、関税コスト、FTAメリット、リードタイム、システム投資まで波及していきます。

この記事では、ビジネスマンの視点から、

  • HS2028の全体像とスケジュール
  • HS2028で起こりやすい「分類ズレ」のパターン
  • そのビジネスインパクト
  • いまから取るべき実務アクション

を整理します。


1. HS2028改正の全体像(ごくコンパクトに)

1-1. なぜ「2028」なのか

HS(Harmonized System)は本来5年ごとに改正されますが、今回はコロナ禍による審議遅延により、2022版→2028版と6年サイクルに一度だけ延長されています。次の版は2033年に戻る見込みです。(UNSD)

WCO(世界税関機構)では、

  • 2025年3月:HS委員会(HSC)第75会期でHS2028改正案を暫定採択
  • 2025年末:WCO理事会でArticle 16勧告として正式採択(6か月の異議期間)
  • 2026年1月頃:HS2028の条文パッケージと**相関表(HS2022⇔HS2028)**を公表予定
  • 2028年1月1日:HS2028が全世界で発効

というタイムラインが示されています。(FTAの専門家:ロジスティック)

1-2. 改正の中身(どのくらい大きい?)

HSC第75会期とその総括文書によると、今回の改正では、

  • 66件の分類決定
  • WHOのINNリストに沿った441の医薬品有効成分・製剤の分類整理
  • HS2022解説注の改正
  • そして 299セットの改正案(amendment sets) の暫定承認

が行われました。

日本語の整理記事でも、299件の改正パッケージ+医薬品441品目、主要テーマは
「環境・グリーン関税」「医薬品・バイオ」「新興技術(ドローン・半導体など)」とされています。(FTAの専門家:ロジスティック)

つまり、単なる“枝番の微修正”ではなく、主要産業の分類の前提が動くレベル感だと理解しておく必要があります。


2. 「分類ズレ」とは何か?誤分類との違い

ここでいう「分類ズレ」は、法律的な「誤分類」よりもう少し広い概念として捉えます。

2-1. この記事での定義

この記事では、次のような状態をまとめて「分類ズレ」と呼びます:

  1. HSの「版」がズレている
  2. 国・用途ごとに別のコードなのに、整理されていない
    • 日本輸入、米国輸入、EU輸入でそれぞれ異なる8〜10桁コード
    • FTA用の6桁、社内統計用コードなどがバラバラに管理されている(FTAの専門家:ロジスティック)
  3. 法令上の新しい分類と、社内システム・帳票のコードが同期していない
    • HS2028で6桁が変わったのに、ERPや見積テンプレートは旧コードのまま、といったタイムラグ

税関から見れば「誤分類」かどうかは最終的に法的な判断ですが、ビジネス視点では「わずかなズレ」がそのままコストや遅延に直結します。


3. HS2028で起こりやすい「分類ズレ」のパターン

HS2028特有の構造を踏まえると、分類ズレは主に次の4つのポイントで起こります。

3-1. HS版切り替えによるズレ

HS2028では、6桁レベルでの再編・細分化が多数入ります。特に、

  • 医薬品・バイオ(INNベース441品目)
  • EV・蓄電池・再エネ関連機器
  • ドローン、センサー、半導体などのエレクトロニクス

といった分野で、大きな見直しが想定されています。(FTAの専門家:ロジスティック)

このとき起こる典型的なズレは、

  • 「同じ製品なのに6桁のHSが変わる」
  • それに連動して、国別の8〜10桁コードや関税率・規制対象リストが変わる

にもかかわらず、現場では「昔からこれで通しているから」という理由で旧コードのまま申告してしまう、というタイプです。

3-2. 国によってHSの年版が違う時期のズレ

HS2028は「2028年1月1日発効」とされていますが、実際の各国の落とし込みはバラつきます。(FTAの専門家:ロジスティック)

  • 多くの先進国・地域(EU、米国、日本など)は2028年1月1日に合わせて改正
  • 一部の途上国などは、過去のHS2017/2022と同様、数年遅れて実施する可能性

その結果、しばらくの間は、

国A:HS2022ベース
国B:HS2028ベース

という「複数のHS年版が並走する時期」が発生します。(FTAの専門家:ロジスティック)

輸出側はHS2028ベースでコードを提示しているのに、輸入国の関税表はまだHS2022のまま…というケースでは、どちらの版を基準にすべきかのすり合わせが不可欠です。

3-3. FTA原産地規則・規制リストとのリンク切れ

FTAの品目別原産地規則(PSR)は、多くが特定のHS年版(例:HS2012/2017)を前提に書かれています。(FTAの専門家:ロジスティック)

HS2028への移行に合わせて、各国・各協定でもPSRを新しいHSにトランスポーズする作業が行われますが、その過程で:

  • HSコードが別の章・類に移る
  • それに伴い、「関税分類変更基準(CTCルール)」の判定結果が変わる

といったことが起こり得ます。

分類ズレの典型例:

  • 本来はHS2017ベースでCTC判定すべき協定を、誤ってHS2022やHS2028で判定してしまう
  • その結果、
    • 使えるはずの特恵を見逃す
    • 逆に、使ってはいけないのに特恵を使ってしまい、後の検認で否認される

いずれも、ビジネス側から見れば**「分類とHS年版のズレがFTAメリットを食い潰す」**パターンです。(FTAの専門家:ロジスティック)

また、輸出管理や危険物規制など、多くの規制リストもHSコードを参照しているため、ここでもズレが起きると「本当は許可が必要なのに抜けていた」「逆に不要な許可を取り続けていた」といったリスクになります。(FTAの専門家:ロジスティック)

3-4. 社内マスタ・システム間の多重管理によるズレ

現実のビジネスでは、1つの品目に対して、

  • Global HS6(国際共通・統計用)
  • 国別輸入コード(日本9〜10桁、EU CN/TARIC、US HTSなど)
  • 国別輸出コード
  • 協定別HS6(協定ごとにHS2012/2017/2022など)

といった**「多層構造のHSコード」が紐づいているのが普通**です。(FTAの専門家:ロジスティック)

この多重構造を整理せずに、単純に「HS2022→HS2028」に上書きしてしまうと、

  • ERPとGTMで違うコードが残り続ける
  • 拠点ごとに「自作のHS管理表」が乱立する
  • HS2022とHS2028の対応関係が分からなくなる

という、典型的な分類ズレ地獄に陥ります。


4. 分類ズレがビジネスにもたらす5つの影響

ここからは、経営・事業側の視点で分類ズレの影響を整理します。

4-1. 関税コスト・追徴リスク

もっとも分かりやすいのは、関税負担そのものの変動です。

  • 高関税品目やセーフガード対象品では、分類によって関税率が大きく変わるケースが珍しくありません。(FTAの専門家:ロジスティック)
  • 輸出・輸入側で認識がズレたまま申告すると、税関事後調査での更正・追徴、さらにはペナルティのリスクも高まります。

TariffTelなどの実務解説でも、誤分類は**「遅延と追加コストの主要因」**として繰り返し指摘されています。(TariffTel)

4-2. 納期遅延とサプライチェーンの乱れ

分類ズレがあると、税関での審査時間が伸びたり、書類差し替えのために貨物が止まったりします。

  • 納期遅延 → 顧客クレーム、契約ペナルティ
  • 在庫水準の乱高下 → 倉庫コスト増、販売機会ロス

特にHS2028直後の数年は、税関側も新旧コードの整合に敏感になり、**「怪しいものは止めて確認する」**傾向が強まる可能性があります。

4-3. FTAメリットの取りこぼし・否認

分類ズレとHS年版の取り違いは、FTA活用にも直撃します。(FTAの専門家:ロジスティック)

  • 使えるはずの協定で特恵を使っていなかった(メリットを取りこぼし)
  • 間違ったHS年版で原産性判定しており、後の検認で否認される(想定外の追徴+信用失墜)

HS2028では多くのFTAがPSRの改正・トランスポジションを行う見込みのため、「HS改正+FTA改正」が同時進行するタイミングでは特に注意が必要です。(FTAの専門家:ロジスティック)

4-4. 管理コスト・IT投資の増大

TariffTelの解説では、「数千〜数万品目の再分類を手作業で行うのは、非常に負担が大きい」と指摘されています。(TariffTel)

分類ズレを放置したままHS2028に突入すると、

  • 旧来のマスタ整理
  • HS2028へのマッピング
  • 国別8〜10桁までの展開
  • FTA・規制・インボイス・パッキングリストへの波及改修

が一気に重なり、IT部門・通関担当に過大な負荷がかかります。

逆に言えば、今のうちにHS2022ベースのマスタを整え、版管理の設計をしておけば、HS2028対応の追加コストを大きく抑えられるということでもあります。(FTAの専門家:ロジスティック)

4-5. 経営指標・データ分析の断絶

もう1つ見落とされがちな影響が、「データの連続性が切れる」ことです。

  • HS改正前後でコード体系が変わると、

相関表を使ってマッピングしておかないと、

「売上は伸びているのに、品目別統計上は減少して見える」
「どの改正がどの事業の関税コストに効いたのか分からない」

といった状態に陥り、経営の意思決定に使えるデータが弱くなる点も軽視できません。


5. 分類ズレを最小化するための実務アクション

では、ビジネス側は具体的に何をすればよいのでしょうか。
ここでは「マスタ」「プロセス」「人と組織」の3レイヤーで整理します。

5-1. まずは「現行HS2022の姿」を整える

HS2028の詳細が出る前にできる、最もリターンの大きい投資がこれです。(FTAの専門家:ロジスティック)

  • 売上上位・関税影響の大きい品目から優先して、
    • 拠点ごとのHSコード
    • 国別輸出入コード
    • 利用中のFTAとそのHS年版
      を棚卸しする
  • 「同じ製品なのに拠点ごとにHSがバラバラ」といったケースを洗い出し、
    現行版(HS2022)時点での“正しい姿”を揃える

この作業をサボると、HS2028への移行時に「そもそも出発点が揃っていない」という二重苦になります。

5-2. 相関表+シミュレーションで先に“当たり”をつける

WCOはHS2022とHS2028の**相関表(Correlation Tables)**を作成中であり、2026年以降に公表される予定です。これらはHS2028実施の「必須ツール」となることがWCO自身からも示されています。(WCOOMD)

公表後に行うべきは、

  1. 相関表を取り込み、自社SKUと一括照合する
  2. どの品目がどのHSに移る可能性があるかを一覧化
  3. その移動に伴う
    • 関税率
    • 特恵税率(FTA)
    • 規制・許認可
      への影響をシミュレーションする

ここまでやっておくと、「どの事業・どの顧客にどれだけインパクトがあるか」を経営に説明しやすくなります。

5-3. 「並行管理」を前提にしたマスタ設計

HS2028への移行で重要なのは、**「切り替え」ではなく「並行管理」**だと考えるべき点です。(FTAの専門家:ロジスティック)

1品目あたり、マスタ上に少なくとも次のスロットを用意するイメージです:

  • Global HS6(HS2022版)
  • Global HS6(HS2028版)
  • 国別輸入コード(日本/EU/米国など)
  • 国別輸出コード
  • 協定別HS6(RCEP用、日EU用…)+それぞれのHS年版

そして、それぞれに

  • 有効期間
  • 参照したHS年版・条文・注
  • 事前教示番号などの根拠情報

を持たせておきます。(FTAの専門家:ロジスティック)

こうしておけば、

マスタ上は「多重HS」だが、申告時にはシステムが国・用途に応じて適切な1つを自動選択する

という設計が可能になり、分類ズレを構造的に減らすことができます。

5-4. FTA・規制リストの「版管理」を明確にする

HS2028は、FTAと規制リストにとっても「大きな節目」になります。(FTAの専門家:ロジスティック)

実務的には、

  • 主要FTA(RCEP、日EU、CPTPPなど)ごとに、
    • 参照HS年版(2012/2017/2022 etc.)
    • HS2028への改正・適用時期
      を一覧化
  • 利用額の大きい品目については、
    • HS2028移行後も原産性を満たせるか
    • むしろ関税メリットが増えるのか/減るのか
      を事前に試算する

規制リスト(危険物・環境条約・デュアルユースなど)についても、HS参照が変わるタイミングで「漏れ」と「やり過ぎ」の両方が出ないよう総点検する必要があります。(FTAの専門家:ロジスティック)

5-5. 経営レポーティングに「HS2028対応KPI」を組み込む

HS2028対応は、担当部署だけのプロジェクトにしない方がうまく回ります。

例えば、経営レポートには次のようなKPIを入れておくと、経営層と同じ言語で議論しやすくなります。

  • HS2028でコード変更が発生するSKU数・売上比率
  • 関税コスト増減の見込み(主要国・主要事業別)
  • FTA利用額のうち、「HS2028でPSR改正対象」となる比率
  • HS2022⇔HS2028のマスタ整備進捗(〇%完了)

これにより、HS2028対応が「単なる通関の話」ではなく、関税コスト・FTA戦略・IT投資を含む経営テーマであることを共有できます。


6. ざっくりタイムライン:2025〜2028年に何をするか

最後に、ビジネス側のロードマップを簡単に整理しておきます。(FTAの専門家:ロジスティック)

〜2025年末:準備フェーズ

  • HS2028の基本情報・対象分野の把握
  • 社内プロジェクト体制の立ち上げ(貿易・調達・営業・IT・経理を巻き込む)
  • HS2022ベースでの品目マスタ棚卸し・ズレ解消

2026年:差分分析フェーズ

  • WCOが公表するHS2028条文・相関表の入手
  • SKUごとの新旧HS6桁マッピング
  • 関税率・FTA原産地・規制への影響分析
  • マスタ・システム改修の詳細設計開始

2027年:システム・実務検証フェーズ

  • ERP/GTM/原産地管理システムなどの改修・テスト
  • 国別8〜10桁コード(日本9桁、EU CN、US HTSなど)の追随状況確認
  • 主要仕向地でのテスト申告(通関業者とのドライラン)
  • 営業・物流・調達部門向けの社内教育

2028年以降:本番運用+継続的なHS改正マネジメント

  • HS2028での本番申告開始
  • 各国の運用差・FTA PSR改正への継続フォロー
  • すでに動き始めているHS2033モダナイゼーションを念頭に、
    「HS改正への対応力」を社内の標準機能にしていく。(AEB)

7. まとめ:分類ズレは「見えにくいが大きな経営リスク」

HS2028改正は、数字だけ見れば「6桁コードが少し動くだけ」に見えます。
しかし実際には、

  • 関税コスト
  • FTAメリット
  • 規制コンプライアンス
  • サプライチェーンの安定性
  • IT投資と運用コスト
  • そして経営指標としてのデータの連続性

といった領域に、じわじわと影響を及ぼします。

その起点にあるのが、今回取り上げた**「分類ズレ」**です。

  • 「1製品=1HSコード」の発想を捨て、
  • 国別・版別・用途別の**“多重HS”を前提としたマスタ設計**を行い、
  • 相関表とシミュレーションを活用して、影響を“見える化”する

これができれば、HS2028改正は「ただ耐えるイベント」ではなく、

・関税コスト最適化
・FTA活用の高度化
・マスタデータ整備と業務標準化

のチャンスにもなり得ます。


最後に

本記事の内容は、2025年11月時点で公表されているWCO資料や各国当局・専門ベンダーの情報をもとに整理しています。(UNSD)

ただし、最終的なHS2028条文・国別の実施スケジュール・各FTAのPSR改正内容は、必ず最新の公式情報で確認したうえで、自社の判断・対応方針を固めてください。

あなたの会社としては、

「HS2028対応=分類ズレをいかにコントロールするかの勝負」

だと捉えると、どこから手を付けるべきかが見えてくるはずです。