※用語統一:類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)
0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)
- この類に入る代表例(3〜6個):
- 原毛皮(生鮮・塩蔵等で“なめし未満”):例)塩蔵ミンク原皮、フォックス原皮(4301)
- なめした/仕上げた毛皮(毛付きのまま):例)なめし済みミンク毛皮、毛皮パネル(衣類未満の素材)(4302)
- 毛皮製の衣類・衣類附属品:例)毛皮コート、毛皮マフラー、毛皮の衿(4303)
- 人造毛皮(定義に合う“フェイクファー”)とその製品:例)人造毛皮のマフラー、(定義に合う)人造毛皮シート(4304)
- この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
- 羽毛皮(羽毛・ダウン付きの鳥皮):第05.05項または第67.01項
- (特定動物の)毛付き原皮:第41類(第41類注1(c)ただし書の範囲:牛・馬・通常の羊皮等の“毛付き原皮”など)
- 革×毛皮(または革×人造毛皮)の手袋:第42.03項(第42類)
- 履物:第64類、帽子:第65類、玩具等:第95類
- 織物・編物で作った“ボア/ファー風”生地:多くは第58類(例:5801)や第60類(例:6001)側(=「人造毛皮」の定義から外れる場合)
- 実務での最重要分岐(1〜3個):
- 本物の毛皮か/人造毛皮か/織編物のパイル生地(ボア等)か(ここを誤ると類が変わる)
- 原皮(なめし前)か/なめし・仕上げ済みか/製品(衣類等)になっているか
- 衣類で“単なるトリミング”か、それとも“裏張り・全面貼付等で本質的に毛皮が効いている”か(注4で43類へ飛ぶ)
- (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
- CITES(ワシントン条約)対象種の毛皮:必要書類不足は通関保留・差止め等のリスク(分類だけでなく“種の特定”が鍵)。

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)
1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)
- この類で特に効くGIR
- GIR1(見出し文言+注):第43類は「類注(注1〜5)」で除外や衣類の扱い(注4)、**人造毛皮の定義(注5)**が明確に書かれており、まずここで決まります。
- GIR6(6桁の決定):4301/4302は「動物種」「全形か切れ端か」「組み合わせ(assembled)か」で6桁が分かれます。
- GIR3(b)(複合品の本質):毛皮×他素材の複合品(例:外側が革・内側が毛皮の衣類等)で迷うときに検討。ただし衣類については注4が優先的に効くので、先に注4の対象か確認します。
- 「品名だけで決めない」ための観点
- 動物種(学名レベルが望ましい):第41類/第43類境界、CITES判定に直結。
- 加工状態:原皮(保存処理のみ)か、なめし/仕上げ済みか。
- 形状・完成度:毛皮“素材”(毛皮パネル等)か、衣類等の“製品”か。
- 人造毛皮の製法:織編物のパイルか、基布に毛を縫い付け/接着したタイプか。
1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)
- Step1:対象物は「毛付きの皮」または「毛皮風の素材/製品」ですか?
- いいえ → 第43類以外(繊維、革製品、玩具など)へ
- Step2:本物の毛皮(動物由来の皮+毛)ですか?それとも人造毛皮ですか?
- 本物 → Step3へ
- 人造 → Step6へ
- Step3:本物の毛皮は**原毛皮(なめし前)**ですか?
- はい → 4301(ただし第41類注1(c)の例外に当たる“毛付き原皮”は第41類へ)
- いいえ(なめし/仕上げ済)→ Step4へ
- Step4:なめし/仕上げ済毛皮は、衣類等の形状になっていますか?
- いいえ(毛皮パネル、切れ端等、素材段階)→ 4302
- はい(衣類・衣類附属品・その他製品)→ 4303
- Step5:注2の除外に該当しませんか?(革×毛皮手袋=42.03、履物=64類、帽子=65類、玩具=95類 等)
- Step6:人造毛皮は注5の定義に合いますか?(毛を基材に縫い付け/接着等。織編物のパイル生地は外れることが多い)
- 合う → 4304
- 合わない → 第58類/第60類(例:5801/6001)等を再検討
- よく迷う境界(例:第○類と第○類の境界):
- 第41類 ↔ 第43類:同じ“毛付きの皮”でも、動物種と加工段階で分かれます(第41類注1(c))。
- 第43類 ↔ 第58/60類:フェイクファーが「人造毛皮(4304)」か「織編物のパイル生地」か(注5)。
- 第43類 ↔ 第61/62類・第42類:衣類で毛皮が“単なるトリミング”か、裏張り等で本質を持つか(注4)、手袋の特則(注2(c))。
2. 主な項(4桁)とその内容
2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)
(第43類は4項のみのため全列挙)
| 項番号(4桁) | 見出しの要旨(日本語) | 典型例(製品名) | 重要な分岐条件/除外/注意点 |
|---|---|---|---|
| 4301 | 原毛皮(毛皮業者向けの頭・尾・足等や切れ端を含む) | 塩蔵ミンク原皮、フォックス原皮、毛皮用の切れ端 | なめし前。ただし“毛付き原皮”でも第41類注1(c)の例外は第41類へ。 |
| 4302 | なめし又は仕上げした毛皮(未組立て/組合せ(他素材追加なし)) | なめし済み毛皮パネル、毛皮の切れ端(素材) | 製品形状(衣類等)未満が中心。衣類等になれば4303へ。 |
| 4303 | 毛皮製の衣類・衣類附属品・その他の毛皮製品 | 毛皮コート、毛皮マフラー、毛皮ラグ(毛皮製) | 注3・注4が重要(他素材を加えた毛皮製品や、裏張り衣類の扱い)。手袋は注2(c)で42.03へ。 |
| 4304 | 人造毛皮及びその製品 | 人造毛皮のマフラー、人造毛皮のラグ等 | 注5の定義が核心。織編物のボア/ファー風生地は第58/60類に回りやすい。衣類で裏張り等は注4で4304へ。 |
2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)
- 分岐条件の整理(第43類で効く軸)
- 4301(原毛皮):動物種(ミンク/フォックス/ラム等)+「全形」か「頭・尾・足・切れ端」か
- 4302(なめし・仕上げ済):「全形」か「部分」か/「組合せ(assembled)」か(ただし衣類等は4303)
- 4303:「衣類・衣類附属品」か「その他の製品」
- 4304:注5に合う“人造毛皮”かどうか(製法で判断)
- 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
- 4304.00(人造毛皮) vs 第58類/第60類(織編物のパイル生地)
- どこで分かれるか:「人造毛皮」の定義(注5)に合うか。
- 判断に必要な情報:
- 生地の製法(織物/編物/タフテッド/基布に毛を接着・縫着 等)
- 断面写真、製造工程図、メーカー仕様書
- 典型的な誤り:
- “フェイクファー”という商品名だけで4304にしてしまう(実は6001等)。
- 4303.10(毛皮の衣類・衣類附属品) vs 61/62類(繊維衣類)
- どこで分かれるか:衣類に毛皮が**裏張り(ライニング)**されている、または外側に毛皮が付いている(単なるトリミング除く)場合、注4により43.03/43.04へ。
- 判断に必要な情報:
- 毛皮の使用箇所(全面裏張りか、衿・袖口だけのトリムか)
- 取り外し可否、面積比、製品写真
- 典型的な誤り:
- “毛皮付きコート”を全部4303にしてしまう(衿だけのトリムなら61/62類に残ることが多い)。
- 4302.30(組合せ毛皮:素材段階) vs 4303(毛皮製品)
- どこで分かれるか:毛皮が**パネル状(毛皮業者の素材)**なのか、衣類・ラグ等の製品形状なのか。
- 判断に必要な情報:
- 形状(裁断パターン済みか、縁処理、裏地・付属品の有無)
- 用途(furrier用素材として販売か、消費者向け製品か)
- 典型的な誤り:
- “縫い合わせてある=製品”と早合点し、4303へ(実は素材パネルで4302.30)。
- 革×毛皮の手袋:4303(と思いがち) vs 4203(正解になりやすい)
- どこで分かれるか:**注2(c)**で“革と毛皮(または人造毛皮)から成る手袋等”は42.03へ除外。
- 判断に必要な情報:
- 手袋の主要構成(革部位と毛皮部位の関係、縫製仕様)
- 典型的な誤り:
- “毛皮手袋”の名称だけで4303へ。
- 毛付き原皮:4301(と思いがち) vs 第41類(毛付き“原皮”の一部)
- どこで分かれるか:第41類注1(c)のただし書に入る“毛付き原皮”(例:牛・馬・通常の羊皮など)は第41類。
- 判断に必要な情報:
- 動物種(羊でも“アストラカン等の特定ラム”は例外になり得る)
- 原皮か、なめし/仕上げ済みか
- 典型的な誤り:
- “毛が付いているから毛皮(43類)”と決め打ち(原皮は第41類に残るケースあり)。
- 4304.00(人造毛皮) vs 第58類/第60類(織編物のパイル生地)
3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)
3-1. 関連する部注(Section Notes)
- ポイント要約:
- 第8部(Section VIII)には、WCO公開条文の構成上、他の部にあるような独立した「部注(Section Notes)PDF」が見当たらず、実務上は主に各類注(Chapter Notes)で判断します。
- 実務での意味(具体例つき):
- 第41類〜第43類は隣接しており、“材料(原皮・革)”と“製品(革製品・毛皮製品)”、さらに**“毛付きかどうか”**で飛びやすいです。
- “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
- この部では、実質的に**類注(第41類注1(c)、第43類注2・4・5等)**が「他章へ飛ぶ」役割を持ちます。
3-2. この類の類注(Chapter Notes)
- ポイント要約(第43類 注1〜注5の実務訳)
- 注1(用語定義):この類でいう「毛皮」は、原則として毛付きの獣皮で、なめし又は仕上げしたもの(ただし4301の原毛皮は別扱い)。
- 注2(除外):羽毛皮(05.05/67.01)、第41類注1(c)ただし書の毛付き原皮、革×毛皮の手袋(42.03)、履物(64類)、帽子(65類)、玩具等(95類)を除外。
- 注3(4303の範囲拡張):他素材を加えて組み合わせた毛皮、衣類等の形状に縫い合わせた毛皮等も4303に含める。
- 注4(衣類の特則):毛皮/人造毛皮を裏張り、または外側に付けた衣類等(単なるトリミング除く)は4303/4304へ。
- 注5(人造毛皮の定義):人造毛皮(4304)の定義を置き、織編物の模造毛皮等を区別する(典型的には58.01/60.01へ)。
- 用語定義(定義がある場合):
- 「毛皮」=“なめし又は仕上げした毛付き獣皮”が中心(注1)。一方で4301は“原毛皮(なめし前)”。社内文書では「原毛皮(raw)」と「なめし毛皮(tanned/dressed)」を分けて呼ぶと事故が減ります。
- 除外規定(除外先の類・項も明記):
- 革×毛皮(革×人造毛皮)の手袋 → 第42.03項(注2(c))
- 履物 → 第64類、帽子 → 第65類、玩具等 → 第95類(注2(d)〜(f))
4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)
- 影響ポイント1:衣類の裏張り・外側貼付(注4)で「衣類の類」が変わる
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 毛皮/人造毛皮が裏地として全面か、外側に面として付くか
- “衿だけ・袖口だけ”等の単なるトリミングか
- 現場で集める証憑:
- 製品写真(表・裏・タグ)、仕様書、パターン/縫製指示書、BOM
- 誤分類の典型:
- レザーコート(42.03相当)や繊維コート(61/62類)として申告してしまうが、実は全面ファーライニングで43.03/43.04に寄る。
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 影響ポイント2:人造毛皮(注5)か、織編物パイル(58/60類)かで類が変わる
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 製法(織/編/タフテッド/接着・縫着)
- 基材(皮革/織物等)と毛の固定方法
- 現場で集める証憑:
- 断面写真、メーカー工程説明、仕様書(「pile knit」「bonded」「tufted」等の記載)
- 誤分類の典型:
- フェイクファー生地を一律4304としてしまい、税率・統計・PSRが崩れる。
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 影響ポイント3:手袋の特則(注2(c))で42.03へ強制移動
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- “手袋・ミトン・ミット”で、革と毛皮(または人造毛皮)の組合せか
- 現場で集める証憑:
- サンプル写真、素材構成、縫製仕様
- 誤分類の典型:
- “毛皮手袋”として43類へ。
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 影響ポイント4:第41類注1(c)との連動で、毛付き“原皮”の類が分かれる
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 動物種(牛・馬・羊等)と、原皮か/なめし済みか
- 現場で集める証憑:
- 仕入先の獣種証明、学名、加工証明(tanned/dressed の有無)
- 誤分類の典型:
- “毛がある=毛皮(43)”と決め打ち(原皮は41に残るものがある)。
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
5. 分類でよくある間違い(原因→対策)
- 間違い:フェイクファー生地を全部 4304(人造毛皮)にしてしまう
- なぜ起きる:商品名(faux fur)に引きずられる/製法確認が抜ける
- 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):注5で“人造毛皮”を定義し、織編物の模造毛皮等は別扱いになり得ます。
- 予防策:
- 確認すべき資料:メーカー工程、断面、仕様書(knit pile / woven pile / bonded 等)
- 社内で聞く質問例:「毛は編み込まれている?それとも基布に接着/縫着?」
- 間違い:毛皮“パネル”(素材)を 4303(製品)にしてしまう
- なぜ起きる:“縫い合わせがある=製品”と誤認
- 正しい考え方:4302は“なめし毛皮(素材段階)”、4303は“衣類等の製品形状”が中心。
- 予防策:
- 仕様書で「最終用途(furrier用素材か)」を確認
- 写真で縁処理・裏地・付属品の有無を確認
- 間違い:革コート(4203)として申告したが、実は全面ファーライニング
- なぜ起きる:外側素材(革)だけで判断
- 正しい考え方:衣類の裏張り・外側貼付は注4で43.03/43.04に寄せるルール(単なるトリミング除く)。
- 予防策:
- 社内質問例:「毛皮は衿だけ?それとも胴裏全面?取り外し可能?」
- 製品写真(内側)を必須化
- 間違い:毛皮付きコートを“全部”4303にする
- なぜ起きる:“毛皮付き”という販売表現
- 正しい考え方:注4は「単なるトリミング」を除外。衿・袖口だけ等は衣類側(61/62類等)に残ることが多い。
- 予防策:
- トリム面積・縫付位置を確認(写真+仕様書)
- 間違い:革×毛皮の手袋を 4303 にする
- なぜ起きる:“毛皮手袋”という品名
- 正しい考え方:注2(c)で 42.03 に除外。
- 予防策:
- まず「手袋か?」を確認し、該当なら注2(c)をチェック
- 間違い:毛付き“原皮”を 4301 としてしまう(実は第41類)
- なぜ起きる:毛付き=毛皮、と短絡
- 正しい考え方:第41類注1(c)のただし書に入る毛付き原皮は第41類。
- 予防策:
- 動物種の特定(学名)+加工状態(raw / tanned)を仕入先へ確認
- 間違い:毛皮のブーツ/帽子を 43類にする
- なぜ起きる:「素材=分類」と誤解
- 正しい考え方:注2(d)(e)で履物=64類、帽子=65類へ除外。
- 予防策:
- 形状(履物・帽子)を先に確定 → 該当類の規定へ
- 間違い:ぬいぐるみ(玩具)を 4304 としてしまう
- なぜ起きる:表面素材(人造毛皮)だけで判断
- 正しい考え方:注2(f)で玩具等(95類)へ除外。
- 予防策:
- 用途(玩具/装飾/衣類)をインボイス品名と仕様書で一致させる
6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点
6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係
- HSの付番がPSR選択に直結します。**最終製品(例:4303)と材料(例:4301/4302/別章)**のHSが崩れると、CTH/CTSH判定やRVCの前提が崩れます。
- よくある落とし穴
- フェイクファーを4304にしてPSRを引いたが、実際は織編物(58/60類)でPSRが別物だった
- 毛付き皮の材料を41類/43類で取り違えた(第41類注1(c)との境界)
6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)
- 経済連携協定等によって、採用しているHSバージョン(HS2002/2007/2012/2017など)が異なります。協定が採用しているバージョンでPSRを検索し、輸入申告は最新HSを使う、という整理が必要です。
- トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論)
- まず「協定PSRのHS版」を確定 → 次にWCO相関表で 旧HS⇔最新HS の対応を確認 → 材料HS・製品HSを揃えて検証、が安全です。
6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)
- 必要データ(最低限)
- 材料表(BOM)、工程フロー(なめし/仕上げ/縫製/接着)、原産国、非原産材料のHS(協定版で)
- 原価情報(RVC採用時)
- 証明書類・保存要件(一般論)
- 仕様書、製造記録、仕入書、原産地証明(自己申告/第三者証明いずれの場合も)を、協定の保存年限に沿って保管(協定本文・運用ガイドで確認)。
7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)
7-1. 変更点サマリー(必須:表)
| 比較(例:HS2017→HS2022) | 変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更) | 該当コード | 変更の要旨 | 実務への影響 |
|---|---|---|---|---|
| HS2017→HS2022 | 変更なし(相関表上、Chapter 43の改正項目が見当たらない) | 4301〜4304 | HS2022で第43類の項・号の改廃なし | 付番の連続性が高い。主なリスクは「注4/注5の読み違い」や「第41類境界」。 |
7-2. 「違うことになった根拠」(必須)
- 根拠資料:
- WCO作成の HS2017↔HS2022 相関表(Correlation Table) を確認し、第43類(4301〜4304)に関する改正(新設・削除・統合・分割等)の記載が見当たらないことから、HS2017→HS2022でコード体系上の変更はないと判断しました。
- 併せて、HS2022の第43類条文(見出し・類注)を参照し、実務上の分岐が主に注2・注4・注5に集中する点を確認しました。
- 変更がない場合の明示:第43類はHS2017→HS2022で「変更なし」(上記相関表に基づく)。
8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード
第43類については、入手できる相関表の範囲では、主要改正(追加・削除・再編)は確認できませんでした。
| 改正サイクル | 主要な追加・削除・再編 | 旧コード→新コード(主要) | 根拠 |
|---|---|---|---|
| HS2007→HS2012 | 変更なし(第43類の改正記載が見当たらない) | 4301〜4304 → 同左 | 日本税関 相関表(HS2012↔HS2007) |
| HS2012→HS2017 | 変更なし(第43類の改正記載が見当たらない) | 4301〜4304 → 同左 | 日本税関 相関表(HS2017↔HS2012) |
| HS2017→HS2022 | 変更なし(第43類の改正記載が見当たらない) | 4301〜4304 → 同左 | WCO 相関表(HS2022↔HS2017) |
※実務メモ:コード体系が安定している分、「フェイクファーの製法(注5)」と「衣類の裏張り/トリム(注4)」、および**第41類との境界(注1(c))**が事故原因になりがちです。
9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)
- 事例名(短く):全面ファーライニングのレザーコートを4203で申告
- 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):第43類注4の見落とし(裏張り衣類は43.03/43.04へ)
- 起きやすい状況:品名が「leather coat」で、内側仕様が共有されていない
- 典型的な影響:修正申告、追加納税、検査長期化
- 予防策:内側写真・仕様書を通関資料に添付、社内で「トリムか裏張りか」を必ず確認
- 事例名:フェイクファー生地を4304で申告したが実は編物パイル
- 誤りの内容:注5に合わないのに4304(人造毛皮)扱い
- 起きやすい状況:調達先が「faux fur fabric」とだけ表記
- 典型的な影響:分類変更(58/60類へ)、税率やEPAのPSR再計算
- 予防策:工程資料(knit/woven/bonded)を入手し、断面写真で確認
- 事例名:革×毛皮の手袋を4303で申告
- 誤りの内容:注2(c)に抵触(42.03へ除外)
- 起きやすい状況:商品名が「fur gloves」
- 典型的な影響:修正申告、品名是正要求
- 予防策:手袋カテゴリは注2(c)チェックを定型化
- 事例名:CITES対象種の毛皮を“合成”として申告し書類不足
- 誤りの内容:分類以前に規制確認不足(CITES輸出許可+METI輸入承認等が必要)
- 起きやすい状況:サプライヤーから学名・許可書が出てこない
- 典型的な影響:輸入不許可、差止め、返送/廃棄のリスク
- 予防策:学名(ラテン名)とCITES書類を発注条件に組み込み
10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)
- 日本前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
10-1. 検疫・衛生(SPS等)
- 原皮・毛皮は加工度によって動物検疫(家畜伝染病予防法等)の対象になり得るとされ、輸出国政府機関の証明書や日本の動物検疫所での手続が必要になる場合があります。
- 実務の準備物(一般論):原産国、動物種、加工度(塩蔵/乾燥/なめし等)、衛生証明書の要否、事前相談記録
10-2. ワシントン条約(CITES)等の種規制
- CITES該当貨物の輸入では、輸出国のCITES輸出許可書等に加えて、経済産業省(METI)の輸入承認等が必要になる旨が税関FAQで整理されています(輸入申告時に税関へ提出)。
- METIの案内でも、種によって「輸入承認証」や「事前確認書」等が必要であること、また場合により他制度(動物の輸入届出制度等)も関係し得ることが示されています。
- 国内流通(販売・譲渡・広告)についても、環境省の案内のとおり、国際希少野生動植物種等は原則として取引が規制され、登録等が必要になる場合があります(毛皮やその加工品が対象になり得る)。
10-3. その他の許認可・届出(輸出先国規制の注意)
- 日本からの輸出でも、輸出先国で犬・猫毛皮の輸出入/販売が禁止されている例があります(EU:規則1523/2007、米国:19 U.S.C. §1308)。犬猫毛皮や混入リスクがある製品は、輸出先の規制確認が必須です。
10-4. 確認先(行政・公式ガイド・窓口)
- CITES:税関案内/METI(ワシントン条約規制対象貨物の輸入承認手続)
- 国内取引規制:環境省(種の保存法:取引規制・登録制度)
- 検疫:農林水産省 動物検疫所(AQ)/JETROの手続整理(参考)
10-5. 実務での準備物(一般論)
- 物品情報:学名、原産国、加工度(raw/tanned/dressed)、用途(衣類/素材/玩具等)、写真
- 規制書類:CITES許可書、METI輸入承認等、必要に応じ検疫証明書
- 通関資料:インボイス品名を「fur」「faux fur」だけにせず、動物種・加工度・製法を補足
11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)
- 分類前チェック(製品情報の収集)
- 動物種(学名)、加工度(原皮/なめし/仕上げ)、毛の有無
- 人造毛皮の場合は製法(織/編/接着/縫着)を工程資料で確定
- 写真(表・裏・断面・タグ)、仕様書、用途
- 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
- 第43類注2(除外)に当たらないか(手袋、履物、帽子、玩具等)
- 衣類は注4で43類に飛ぶか/単なるトリミングか
- 第41類注1(c)の境界に触れていないか(毛付き原皮)
- 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
- 品名に「tanned/dressed」「mink/fox」「bonded faux fur」等、分類に効く語を入れる
- 検査対応用に写真・仕様書を添付できる状態にする
- FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
- 協定のHS版を確認→相関表で整合→PSR適用
- BOM・工程・原価・原産国資料の保存
- 規制チェック(許可/届出/検査)
- CITES該当の有無(学名で照合)→必要書類(輸出許可+METI輸入承認等)
- 必要に応じ動物検疫(加工度・対象動物)
- 輸出先国の毛皮規制(犬猫毛皮等)
12. 参考資料(出典)
- WCO(HS2022条文、相関表、改正パッケージ等)
- WCO HS2022 第43類条文(0843_2022E)参照日:2026-02-21
- WCO HS2022 第41類条文(0841_2022E:注1(c)境界)参照日:2026-02-21
- WCO 相関表(HS2022↔HS2017)参照日:2026-02-21
- 日本税関・公的機関のガイド
- 税関「関税率表解説 第43類(43r)」参照日:2026-02-21
- 税関「品目別原産地規則(PSR)検索」注意事項(HS版の違い)参照日:2026-02-21
- 税関(FAQ)CITES輸入規制概要(1808)参照日:2026-02-21
- CITES・国内規制
- 経済産業省:ワシントン条約規制対象貨物の輸入承認手続き 参照日:2026-02-21
- 環境省:種の保存法(取引規制・登録制度・Q&A)参照日:2026-02-21
- 検疫
- JETRO:原皮・革の輸入手続き(検疫等の整理)参照日:2026-02-21
- 農林水産省 動物検疫所:動物の輸出入(概要)参照日:2026-02-21
- 輸出先国規制(例)
- EU:犬猫毛皮の流通・輸出入禁止(Reg. 1523/2007、EC説明ページ)参照日:2026-02-21
- 米国:犬猫毛皮製品の輸出入禁止(19 U.S.C. §1308)参照日:2026-02-21
付録B. 税関の事前教示・裁定事例の探し方(任意)
- どの情報を揃えると相談が早いか(一般論)
- ①製品写真(表・裏・断面)、②素材構成(動物種/学名・繊維組成)、③加工度(raw/tanned/dressed)、④用途、⑤製造工程(特に人造毛皮は製法)
- 迷うポイント(注4の該当、注5の該当、第41類注1(c)境界)を「質問」として明文化すると回答が早いです。
免責事項
本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。
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