HS2022 第46類:わら、エスパルトその他の組物材料の製品並びにかご細工物及び枝条細工物(Manufactures of straw, of esparto or of other plaiting materials; basketware and wickerwork)

用語(本文中で統一します)

  • 類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)

根拠となるHSの範囲は「HS(6桁)」です。日本の「国内コード(統計番号など)」に触れる場合は、必ず「国内コード」と明記します。


0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)

  • この類に入る代表例(3〜6個):
    • 竹・籐(ラタン)・わら等の組物材料で作った「すだれ」「ござ」「むしろ」「マット類」(シート状のもの)→主に 4601
    • 組物材料から直接造形した「かご」「バスケット」「収納用品」「枝条細工物(ウィッカー)」→主に 4602
    • プラスチックの単繊維・ストリップ等を“編んで”作ったかご(いわゆる人工ラタン系の編み)→4602.90(代表的)
    • **紡績してない天然繊維(例:マニラ麻)**を束ねて組んだ材料から作るマット等(「糸」ではなく“未紡績繊維束”がポイント)→46類側に寄りやすい
    • へちま(loofah)の製品 → 4602(号は材質等で判断)
  • この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
    • 壁面被覆材(ストロー等を貼った壁紙など)→ 48.14(類注で除外)
    • ひも・綱・ロープ・ケーブル(組んであるか否かを問わない)→ 56.07(類注で除外)
    • 履物・帽子(及びその部分品)→ 第64類・第65類(類注で除外)
    • かご細工製の車両・車体(例:ベビーカー等の“車両”扱い)→ 第87類(類注で除外)
    • 籐(ラタン)家具・照明器具(椅子、テーブル、ランプ等)→ 第94類(類注で除外)
    • 編んでいない成形プラスチックのバスケット(射出成形等)→ 第39類側(※46類は「組物材料」+編組プロセスが核)
  • 実務での最重要分岐(1〜3個):
    1. 材料が「組物材料(plaiting materials)」に該当するか(単繊維/ストリップ、未紡績繊維束を含む一方、第54類の単繊維等は除外など)
    2. 形状が「シート状素材・すだれ等(4601)」か、「直接造形した製品(4602)」か
    3. 類注の除外(48.14/56.07/94類など)に当たらないか
  • (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
    • 「バッグ」等の品名だけで 42.02 に寄せる誤り(42類注で46.02を明確に除外
    • 「プラスチック製=39類」と短絡し、編組(組物)構造を見落とす誤り(税関の分類事例でも 46.02 扱いが示されます)

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)

1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)

  • この類で特に効くGIR(例:GIR1/GIR6など)を、ビジネスマン向けに説明
    • GIR1(見出し+部注/類注で決める):第46類は、類注で「組物材料」の定義と除外(48.14/56.07/94類等)が明確なので、まずここで大枠が決まります。
    • GIR6(6桁レベルの選択):4601/4602の中で、竹・籐・その他植物性・その他(例:プラスチック)へ振り分けます。
    • GIR3(複合材・セット):鉄フレーム+編組チューブ等の複合品は「何が本質か(重要な特性)」が争点になりやすいです(実例として、編組部分を“組物材料”と捉え 46.02 とした事例があります)。
    • GIR2(a)(未完成・未組立):未組立のバスケットキット等でも、提示時点で完成品の重要な特性があれば完成品扱いになる可能性があります。
  • 「品名だけで決めない」ための観点(用途、材質、状態、加工度など)
    • 材質(素材):竹/籐/わら/いぐさ/紙ストリップ/プラ単繊維など(類注の“組物材料”の範囲確認が必須)。
    • 製法(編む・組む・平行に束ねて綴じる等):46類は“編組(plaiting/interlacing)に適する状態・形状”という製法適合が軸です。
    • 最終形状:シート状(マット/すだれ等)か、立体物(かご等)かで 4601/4602 が分かれやすいです。

1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)

  • Step1:素材は「組物材料」か?
    • 例:わら、竹、籐、いぐさ、木のストリップ、未紡績天然繊維束、プラ単繊維/ストリップ、紙ストリップ → Yes
    • 例:糸(yarn)、紡織用繊維のロービング、第54類の単繊維/ストリップ → 原則 No(46類注で除外)
  • Step2:形状・用途はどちらか?
    • 4601:プラット(さなだ)・類似品、または“平行に束ねて綴じた/織った”シート状(例:すだれ、ござ、マット)
    • 4602:組物材料から直接造形した立体物、または 4601 の物品から作った製品(例:かご、収納バスケット)
  • Step3:類注の除外(他章へ飛ぶ)に当たらないか?
    • 壁面被覆材(48.14)/ひも・綱(56.07)/履物・帽子(64/65)/車両・車体(87)/家具・照明(94)
  • よく迷う境界(例:第○類と第○類の境界):
    • 46類(編組) vs 39類(成形プラスチック雑貨):**“編んでいるか”**が決定打になりやすいです。
    • 46.02(組物材料製のバッグ等) vs 42.02(旅行用具・バッグ類):42類注で 46.02 を除外しています(品名「バッグ」で短絡しない)。
    • 46類(シート状のすだれ等) vs 48.14(壁面被覆材):壁紙用途は 48.14 側へ。
    • 46.02(かご) vs 94類(籐家具):椅子・テーブル等の“家具機能”は 94類へ(類注で除外)。

2. 主な項(4桁)とその内容

2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)

  • 原則:第46類は4桁見出しが少ないため「全列挙」です。
項番号(4桁)見出しの要旨(日本語)典型例(製品名)重要な分岐条件/除外/注意点
4601さなだ・組物材料のシート状品(敷物、すだれ等を含む)竹すだれ、ござ、むしろ、マット、平行に束ねて綴じたシート「組物材料」の範囲が前提。壁面被覆材(48.14)やひも・綱(56.07)は類注で除外。
4602かご細工物・枝条細工物等(組物材料から直接造形/4601から製造)+へちま製品籐かご、竹かご、収納バスケット、編組プラチューブかご、へちま製品家具・照明(94類)や車両(87類)は類注で除外。バッグ形状でも“組物材料製”なら 42.02 ではなく 46.02 へ。

2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)

  • 分岐条件(例:重量、成分割合、用途、加工状態、形状、包装、規格)の整理
    第46類の6桁分岐は、主に (A)品目タイプ(マット/すだれ等か、それ以外か)(B)材料(竹/籐/その他植物性/その他=プラ等) の組合せです。
    • 4601系(シート状/さなだ等)
      • 4601.21/22/29:植物材料製の「敷物・すだれ等」グループで、竹・籐・その他に分岐
      • 4601.92/93/94/99:**その他(上記以外)**で、竹・籐・その他植物性・その他に分岐
    • 4602系(かご等の立体製品)
      • 4602.11/12/19:植物材料製(竹・籐・その他)
      • 4602.90:その他の材料(例:プラスチックストリップ等で編んだかご)
  • 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
    1. 4602.19(植物材料のその他) vs 4602.90(その他材料)
      • どこで分かれるか:素材が「植物材料」か(竹/籐以外の植物を含む)/それ以外(プラ単繊維・ストリップ等)か
      • 判断に必要な情報:原材料の材質証明(仕様書、材質表示、SDS)、写真(編組構造)、場合によりサンプル
      • 典型的な誤り:「プラスチック製だから39類」「雑貨だから39類」と短絡(実際は 46.02 とされた例あり)
    2. 4601.21(竹の敷物・すだれ等) vs 4601.92(竹のその他)
      • どこで分かれるか:製品が「敷物・すだれ等(シート状の完成品寄り)」か、あるいは「さなだ等の材料・その他」か
      • 判断に必要な情報:用途(完成品として使用するか、加工用材料か)、形状(縁加工の有無など)、販売形態
      • 典型的な誤り:シート状なら何でも“敷物”扱いにしてしまう(実態は加工用さなだ等)
    3. 4601.94(その他植物材料) vs 4601.99(その他)
      • どこで分かれるか:「その他植物材料」か、それ以外(紙ストリップ、プラストリップ等)か
      • 判断に必要な情報:素材の定義(植物か、紙か、プラか)、材料構成比、層構造(貼り合わせ等)
      • 典型的な誤り:「紙っぽい=紙製品(48類)」と決め打ち(紙ストリップは“組物材料”に含まれ得る)
    4. 42.02(バッグ類) vs 46.02(組物材料製のバッグ等)(※HS6同士の比較ではありませんが誤り頻出)
      • どこで分かれるか:バッグ形状でも、組物材料製の製品は42.02から除外され46.02へ
      • 判断に必要な情報:外面素材(革/繊維/プラシートではなく“編組した組物材料”か)、製法(編み)
      • 典型的な誤り:インボイス品名「handbag」で42.02に分類してしまう

3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)

3-1. 関連する部注(Section Notes)

  • ポイント要約:
    • 第46類(Section IX)は、実務上は**第46類注(Chapter Notes)**が中心で、ここで「組物材料」の定義・除外を押さえるのが近道です。
  • 実務での意味(具体例つき):
    • “材質が植物っぽい”ではなく、**編組(plaiting)に適する形状(ストリップ・単繊維等)**かどうかが鍵です。
  • “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
    • この部(Section IX)では、典型的には**類注(第46類注2)**により 48.14/56.07/94類等へ飛びます。

3-2. この類の類注(Chapter Notes)

  • ポイント要約:
    • 類注1:**「組物材料」**の定義(含むもの/含まないものを列挙)
    • 類注2:第46類に含めないもの(48.14、56.07、64/65、87、94)
    • 類注3:4601の用語「平行につないだ物品」の意味(シート状にしたもの、綴じ材が紡績糸か否かは不問)
  • 用語定義(定義がある場合):
    • 「組物材料」:編組・組合せ等に適する状態/形状の材料。植物材料のストリップだけでなく、未紡績の天然繊維、プラ単繊維・ストリップ、紙ストリップも含み得る一方、第54類の単繊維・ストリップ等は除外とされています。
  • 除外規定(除外先の類・項も明記):
    • 壁面被覆材(48.14)/ひも・綱・ケーブル(56.07)/履物・帽子(64/65)/車両・車体(87)/家具・照明(94)

4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)

この章は「類注があるからこそ起きる分岐」を可視化することが目的です。

  • 影響ポイント1:“素材が何か”より先に「組物材料」該当性(形状・状態)を見る
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 材料がストリップ/単繊維/未紡績繊維束など「編める形」か
      • 第54類の単繊維等に該当しないか(糸・フィラメント扱いの可能性)
    • 現場で集める証憑:仕様書(寸法・形状)、SDS/材質証明、製造工程図、現物写真(編組構造)
    • 誤分類の典型:
      • “プラスチック製=39類”としてしまい、編組構造と類注1(プラ単繊維等も組物材料に含む)を見落とす
  • 影響ポイント2:ひも・綱(56.07)への除外で、46類の「編み」と56類の「ロープ」が分かれる
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 物品が“シート状(すだれ・マット等)/立体物(かご)”なのか、“ロープ状(綱)”なのか
      • ロープ状の場合、類注2(b)で56.07へ除外
    • 現場で集める証憑:形状写真、用途説明、商品カタログ、梱包形態
    • 誤分類の典型:
      • “編んである=46類”と誤認し、56.07(ひも・綱)を見落とす
  • 影響ポイント3:家具・照明(94類)への除外で、籐製品が46.02から外れる
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 物品の本質が「収納用のかご」なのか、「座る/置く等の家具機能」なのか、「照明器具」なのか
      • 家具・照明は類注2(e)で94類へ
    • 現場で集める証憑:用途説明、寸法・耐荷重、組立説明書、電気部品有無(照明の場合)
    • 誤分類の典型:
      • 籐椅子を「籐製=46.02」としてしまう(実際は家具)

5. 分類でよくある間違い(原因→対策)

  1. 間違い:ストローハンドバッグ等を 42.02(バッグ)で申告
    • なぜ起きる:インボイス品名が“bag/handbag”で、形状(バッグ)だけ見てしまう
    • 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):42類注で「組物材料の製品(46.02)」を 42.02 から除外しています。素材が組物材料で、製法が編組なら 46.02 を検討します。
    • 予防策:外面素材(編組材か)、製法、材料一覧(BOM)を事前に確認。「外面は何でできていますか?(革/繊維/シート状プラではなく、編んだストロー等ですか?)」を社内質問に入れる。
  2. 間違い:プラスチック製の“編みかご”を 39類(プラスチック製家庭用品等)へ短絡
    • なぜ起きる:材質だけで決め、46類注1がプラ単繊維/ストリップ等を「組物材料」に含める点を見落とす
    • 正しい考え方:編組したプラチューブのかごを 46.02(4602.90)とした税関分類事例があり、編組構造・類注1が根拠になります。
    • 予防策:写真(編組構造)、材質証明、工程(編み込みか/成形か)を必須提出物に。
  3. 間違い:籐(ラタン)椅子・家具を 46.02 で申告
    • なぜ起きる:「籐=かご細工」という先入観
    • 正しい考え方:第46類注2(e)で第94類(家具・照明等)を除外。籐椅子は家具として94類側が原則です。
    • 予防策:用途(座る/置く/照明等)を確認し、家具機能なら 94類を起点に再検討。商品仕様(耐荷重・組立)を回収。
  4. 間違い:ロープ状の物品(なわ等)を 46類で申告
    • なぜ起きる:“組んである=46類”という誤解
    • 正しい考え方:第46類注2(b)で、ひも・綱・ケーブル(56.07)を46類から除外。
    • 予防策:形状がロープ状かシート状か、用途(結束/吊り下げ/敷物)を確認。サンプル写真を税番検討票に添付。
  5. 間違い:ストロー等の壁面材(壁紙)を 4601(マット類)にしてしまう
    • なぜ起きる:見た目が「シート状」なので 4601 に寄せがち
    • 正しい考え方:第46類注2(a)で 48.14(壁面被覆材)を除外。壁面被覆用途は48類側を検討します。
    • 予防策:用途(壁面施工用か)、裏面処理(接着剤塗布等)、施工方法の資料を入手。
  6. 間違い:竹箸・竹の板材など、編組していない竹製品を 46類に入れる
    • なぜ起きる:「竹=組物材料」の連想
    • 正しい考え方:46類は“組物材料として編組した製品”が中心。編組していない竹の木製品は第44類側の検討が通常です(※最終判断は個別仕様)。
    • 予防策:製法(編む/組む/切削・成形)を工程表で確認し、編組がない場合は44類など他類も併走検討。
  7. 間違い:未紡績天然繊維束を“糸”と誤認し、56類/58類へ寄せる
    • なぜ起きる:繊維=紡織品と決めつける
    • 正しい考え方:46類注1は「紡績してない天然の紡織用繊維」を組物材料に含めます。分類例規でも、未紡績束→46類側で整理されています。
    • 予防策:繊維が“紡績されているか(糸か)”を仕様で確認。束の写真・断面・撚りの有無を保存。
  8. 間違い:4601(シート状)と4602(直接造形品)を混同
    • なぜ起きる:どちらも“編み物”に見える
    • 正しい考え方:4602は「直接造形した製品」または「4601から製造した製品」。立体物の最終製品は4602に寄りやすいです。
    • 予防策:販売形態(完成品/中間材)、形状(立体/シート)、用途(収納/敷物)をチェックシート化。

6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点

6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係

  • HSの付番がPSR選択に直結すること(誤ると原産性判断が崩れる)
    PSRは通常、最終製品のHS(多くは6桁)で引かれます。第46類は「バッグ」等で42.02と誤るとPSRが別物になり、原産性判断(CTC/RVC等)を誤るリスクがあります。
  • よくある落とし穴(材料のHS、最終製品HS、工程の評価軸)
    • 最終製品が 4602 なのに、材料(例:プラストリップ)側のHSだけで議論してしまう
    • “組物材料”の定義(未紡績繊維束など)を誤り、材料HSがずれる

6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)

  • 「当該協定が参照するHS版(例:HS2012参照 等)」を明記
    例(日本の代表例):
    • CPTPP(TPP11):HS2012参照
    • 日EU・EPA:HS2017参照
    • RCEP:HS2012ベースからHS2022へ置換されたPSRが採択され、2023-01-01からHS2022版PSRで運用
  • 協定本文・運用が参照するHS版がHS2022とズレる場合の注意
    • 自社の品番管理がHS2022でも、協定がHS2012/2017参照なら、PSRはその版で読まないとズレます。
    • RCEPは、PSRはHS2022に置換でも、制度運用上「HS2012を暫定的に使う部分が残る」旨の注意喚起があります(税率差ルール関連)。
  • トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論)
    • 旧版HS→新版HSの対応は、相関表・当局ガイダンスでコードの“読み替え”を行い、PSRの対象コードを確定します(協定・税関ガイダンス優先)。

6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)

  • 材料表(BOM)、原価、工程、原産国、非原産材料のHS、RVC計算の前提
    • 組物材料(例:籐ストリップ、プラストリップ等)のHS、原産国、重量/価額
    • 加工工程(編組・縫製・フレーム組立)と、それがPSRの「工程基準」に関係するか
  • 証明書類・保存要件(一般論)
    • 協定・税関ガイダンスに従い、サプライヤー証明、工程資料、計算根拠を保存(年限・形式は協定ごとに要確認)。

7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)

7-1. 変更点サマリー(必須:表)

比較(例:HS2017→HS2022)変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更)該当コード変更の要旨実務への影響
HS2017→HS2022変更なし(第46類としての項・号構成/類注に実質変更なし)4601/4602(Chapter 46)4桁は2項、6桁区分(竹/籐/その他植物/その他)と類注の除外構造が同一分類ロジックは継続。協定(PSR)が参照するHS版(2012/2017/2022)の違いには引き続き注意。

7-2. 「違うことになった根拠」(必須)

  • 参照した根拠資料(相関表、WCO条文、各国税関の解説、協定付属書など)と判断根拠
    • WCOのHS条文(HS2022 Chapter 46)では、項(46.01/46.02)、号(4601.21〜、4602.90など)、類注1〜3が示されています。
    • WCOの旧版条文(HS2007 Chapter 46)を確認すると、同一の項・号構成と同趣旨の類注が掲載されています。
    • 以上より、少なくともHS2007→HS2022の間で、第46類のHS6レベルの骨格(4601/4602の構造、類注の主要要素)は維持されていると判断できます(中間版のHS2012/2017でも大幅改変があった形跡は通常相関表等に現れます)。

8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード

第46類は、少なくともHS2007とHS2022で項・号の枠組みが同一であり、主要な追加・削除・再編は確認できません。

(整理表:主要コードの“同一維持”の確認)

変遷主要コード旧コード→新コード(または行き先不明)メモ
HS2007→HS2012→HS2017→HS202246014601→4601(変更なし)竹/籐/その他の区分構造が維持
HS2007→HS2012→HS2017→HS202246024602→4602(変更なし)植物材料(竹/籐/その他)+その他(例:プラ)構造が維持

9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)

  • 事例名(短く):ストロー壁紙を4601で申告
    • 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):第46類注2(a)(48.14の壁面被覆材は除外)
    • 起きやすい状況:品名が「ストローマット」「シート」で、用途(壁面施工)を書かない
    • 典型的な影響:修正申告、追加納税、検査強化・遅延(一般論)
    • 予防策:用途(壁面被覆)・施工方法・裏面処理を資料化し、48.14との比較メモを残す。
  • 事例名(短く):なわ・綱を46類で申告
    • 誤りの内容:第46類注2(b)(56.07のひも・綱等は除外)
    • 起きやすい状況:輸送・梱包資材として「編んだ素材」だけで判断
    • 典型的な影響:修正申告、分類照会、遅延(一般論)
    • 予防策:形状(ロープ状/シート状)を写真で明確化。用途(結束用/敷物用)をインボイス品名に反映。
  • 事例名(短く):籐(ラタン)椅子を4602で申告
    • 誤りの内容:第46類注2(e)(家具は94類)
    • 起きやすい状況:「籐=かご細工」と素材名で判断、用途(座る家具)を見落とす
    • 典型的な影響:修正申告、追加納税、検査強化(一般論)
    • 予防策:商品カテゴリ(家具)・用途・耐荷重・組立説明書で94類を先に確認。
  • 事例名(短く):編組プラチューブかごを39類で申告
    • 誤りの内容:第46類注1(プラ単繊維・ストリップ等を組物材料に含む)を見落とす
    • 起きやすい状況:材質欄に「plastic」だけ書かれ、編組構造の説明・写真がない
    • 典型的な影響:分類差戻し、サンプル提出、遅延(一般論)
    • 予防策:編組構造が分かる写真+税関の類注根拠メモを準備(類似事例の存在も参考)。
  • 事例名(短く):ストローバッグを4202で申告
    • 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):42類注3(A)(b)(46.02を除外)
    • 起きやすい状況:インボイス品名が「handbag」「shopping bag」だけ
    • 典型的な影響:税番更正、税率・原産地規則(PSR)見直し(一般論)
    • 予防策:外面素材(編組材)と製法(plaited)を品名・明細に入れる。

10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)

  • {日本}前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
  • 検疫・衛生(SPS等)
    • 植物検疫(植物防疫所)
      • 輸入植物検疫は、病害虫付着のおそれがある植物が対象で、高度に加工されたもの等は対象外になり得ると整理されています(ただし個別判断)。
      • 一方で、規程上「わら類(稲わら、麦わら、なわ、むしろ等)」が検疫対象として扱われる場面があるため、わら・むしろ等は要注意です(検査や消毒等の措置が規定され得ます)。
      • 税関手続では、植物防疫所の証明等が関税法70条の「他法令証明」として扱われる運用整理があります(該当時は書類不備で止まりやすい)。
    • (用途によって)動物検疫(家畜伝染病予防法)
      • わら・乾草は、用途・態様により動物検疫の対象となる整理があります(例:飼料・敷料用途等)。取り扱いは事前確認が安全です。
  • ワシントン条約(CITES)等の種規制
    • 第46類の典型素材(竹・籐等)はCITESの中心ではないことが多い一方、材料植物がCITES掲載種に該当する場合は、輸出国のCITES許可書等や、種によっては日本側の輸入承認等が必要になります。
    • 確認のコツ:通称名ではなく、可能なら学名(属・種)まで押さえて照合します。
  • 安全保障貿易管理(該当する場合)
    • 第46類の一般的な民生雑貨は該当しにくい傾向ですが、輸出先・用途・付属品(例:照明の電気部品等)によって別観点が入ることがあります(個別確認)。
  • その他の許認可・届出
    • 中古品(中古のむしろ等)や植物由来品の一部は、検疫指定物品として追加要件が出る可能性があるため、取引形態(新品/中古)も確認します。
  • 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
    • 税関:関税率表解説・分類例規、カスタムスアンサー
    • 農林水産省 植物防疫所:輸入植物検疫の対象/FAQ
    • 経済産業省/税関:CITES輸入手続
  • 実務での準備物(一般論):
    • 仕様書(材質・寸法・製法)、写真、用途説明、材料証明(SDS等)、必要に応じて検疫・CITES書類

11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)

  • 分類前チェック(製品情報の収集)
    • 材料:竹/籐/わら/紙/プラ単繊維・ストリップ等(混材の場合は割合も)
    • 製法:編組(plaiting)か、成形(molded)か、貼り合わせ(wall covering)か
    • 形状:シート状(4601寄り)/立体物(4602寄り)
    • 仕様資料:写真、カタログ、工程図、サンプル
  • 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
    • 類注1(組物材料の定義)と類注2(除外)を再確認
    • バッグ形状なら42類注(46.02除外)も横断確認
  • 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
    • 品名に「plaited / woven」「material(bamboo/rattan/PP strip等)」を入れて誤解を減らす
    • 国内コードで面積申告が必要なもの(例:畳表)等は計算法に注意(付録A参照)
  • FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
    • 協定が参照するHS年版(2012/2017/2022)を確認し、必要なら相関表で読み替え
    • BOM、非原産材料HS、工程、原価(RVCなら計算根拠)を保存
  • 規制チェック(許可/届出/検査)
    • わら・むしろ等:植物検疫(場合により動物検疫)を事前確認
    • 素材植物の学名が不明な場合:CITES該当性を確認(該当ならMETI/税関手続)

12. 参考資料(出典)

  • WCO(HS条文)
    • HS Nomenclature 2022 – Chapter 46(0946_2022E) (参照日:2026-02-21)
    • HS Nomenclature 2007 – Chapter 46(0946_2007E) (参照日:2026-02-21)
    • Correlation Tables HS 2017–2022(案内ページ) (参照日:2026-02-21)
  • 日本税関・公的機関のガイド
    • 関税率表(輸入統計品目表)の解釈に関する通則(tuusoku) (参照日:2026-02-21)
    • 第46類 類注(46r.pdf) (参照日:2026-02-21)
    • 分類例規(46rd.pdf:畳表/畳床、むしろ等の国内コード論点) (参照日:2026-02-21)
    • 分類事例:ポリエチレン製チューブを組み上げたかご(46.02) (参照日:2026-02-21)
    • 第42類 解説(42r.pdf:42.02から46.02を除外する注) (参照日:2026-02-21)
  • 検疫・規制
    • 植物防疫所:輸入植物検疫の対象とならない植物(概要) (参照日:2026-02-21)
    • 植物防疫所:輸入植物検疫規程(わら類等の取扱いの例) (参照日:2026-02-21)
    • 税関通達:輸入植物等の通関時取扱い(他法令証明の扱い等) (参照日:2026-02-21)
    • 農林水産省(動物検疫関連):わら及び乾草の輸入検疫要領 (参照日:2026-02-21)
    • 経産省:ワシントン条約規制対象貨物の輸入承認手続き (参照日:2026-02-21)
    • 税関:ワシントン条約該当物品の輸入規制(カスタムスアンサー等) (参照日:2026-02-21)
    • 外務省:ワシントン条約(CITES)の概要 (参照日:2026-02-21)
  • FTA/EPA本文・付属書・運用ガイダンス
    • 税関:RCEP協定 HS2022版PSRの採択・実施(案内) (参照日:2026-02-21)
    • 外務省:RCEP協定 HS2022に従ったPSR採択(案内) (参照日:2026-02-21)
    • 経産省:RCEP(税率差ルール)手続に関する注意(HS版の扱い) (参照日:2026-02-21)
    • 税関:協定・法令等/EPAとは (参照日:2026-02-21)
    • 税関:TPP11(CPTPP)及び日EU・EPA 原産地規則(実務編) (参照日:2026-02-21)

免責事項

本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。