本資料では、**類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)**として用語を統一します。
0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)
- この類に入る代表例(3〜6個):
- 天然コルク(粗のもの/単に調製したもの)、コルクくず、破砕・粒状・粉砕コルク(例:粒状コルク断熱材、コルク粉)〔45.01〕
- 鬼皮を除いたコルク、粗く角にしたコルク、長方形(正方形含む)ブロック・板・シート・ストリップ、角が鋭い栓用ブランク〔45.02〕
- 天然コルクの製品(例:コルク栓、丸縁ブランク、ディスク/ワッシャー、マット、ハンドル、ガスケット等)〔45.03〕
- 凝集コルク(アグロメレート)とその製品(例:パネル、ブロック、タイル、円柱・円盤、その他成形品)〔45.04〕
- この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
- 履物・履物部分品(例:コルク底・コルク中敷き等)→ 第64類(類注で除外)
- 帽子・帽子部分品(例:コルクを用いた帽体/つば等)→ 第65類(類注で除外)
- 玩具・遊戯用具・運動用具等(例:釣り糸用のうき等を含む)→ 第95類(類注で除外)
- 卑金属製の王冠(クラウンキャップ)+コルクディスク → 83.09(「金属製品」が本体のため)
- コルク製カートリッジワッド → 93.06
- リノリウム等の床材としての性質を持つもの → 59.04(凝集コルクの説明上の除外)
- 実務での最重要分岐(1〜3個):
- 天然コルクか/凝集コルク(粒を固めたもの)か(45.03⇔45.04の分岐)
- 「素材の形(ブロック・板・シート・ストリップ)」段階か/「製品(栓・マット等)」か(45.02⇔45.03の分岐)
- コルクが“主役”か“従属部品”か(複合栓・注ぎ口付き栓等はGIR3(b)で他章へ行くことあり)
- (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
- 食品用の栓・栓部材(輸入):HS誤りが原因で、原産地規則(PSR)選択ミスや、食品接触材としての届出・試験要否の判断がずれる可能性があります(結果:通関遅延・追加対応)。

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)
1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)
- この類で特に効くGIR
- GIR1(品目表の文言+注):第45類は類注(除外)が短く明確なので、まず「履物/帽子/第95類か」を注で落とします。
- GIR6(号=6桁の選択):45.01/45.03/45.04は6桁で用途・形状が分かれるため、最終的に6桁の文言で詰めます。
- GIR3(b)(複合品・結合品):例えば「注ぎ口(プラスチック)+コルク栓」のように、コルクが従属的な場合は、全体に本質的特性を与える材料/部分で分類が変わります(第45類にならないことがある)。
- 「品名だけで決めない」ための観点
- 材質:天然コルクか、粒状コルクを固めた凝集コルクか(接着剤使用の有無も含む)。
- 加工度/形状:粗・単に調製(45.01)→鬼皮除去・角取り/長方形素材(45.02)→製品(45.03)という“加工段階”の発想が重要です。
- 用途(客観用途):栓、密封ディスク、マット、断熱材、釣り用うき等で他類へ飛びやすいです。
1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)
- Step1:「履物・帽子・玩具/スポーツ用品」用途/形態か?
- Yes → 第64/65/95類へ(第45類注で除外)
- No → Step2へ
- Step2:天然コルクか/凝集コルクか?
- 天然 → Step3へ(45.01/45.02/45.03のどれか)
- 凝集(粒を固めたもの)→ 45.04(ただし床材の“リノリウム的性質”が強い場合は59.04の可能性)
- Step3:天然コルクの場合、素材段階か製品か?
- 粗・単に調製/くず/粒状・粉状 → 45.01
- 鬼皮除去・粗く角にした/長方形素材・角が鋭いブランク → 45.02
- 上記以外で「栓・マット・ガスケット等の製品」→ 45.03
- Step4:6桁で確定(例:栓なら4503.10、その他製品は4503.90…)
- よく迷う境界(例:第○類と第○類の境界):
- 45.02(長方形素材) vs 45.03(製品):長方形以外の形状に切った板・シート等は「製品」扱いになりやすいです。
- 45.03(天然製品) vs 45.04(凝集製品):見た目が似ていても、粒を固めた“凝集”かどうかが決定的です。
- 45.03(コルク部品) vs 83.09/93.06/95類:王冠、弾薬部材、釣り用具など、用途・組合せで他類へ移ります。
2. 主な項(4桁)とその内容
2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)
| 項番号(4桁) | 見出しの要旨(日本語) | 典型例(製品名) | 重要な分岐条件/除外/注意点 |
|---|---|---|---|
| 4501 | 天然コルク(粗・単に調製)、コルクくず、破砕/粒状/粉砕コルク | 剥いだままのコルク樹皮、トリミングコルク、コルクくず、粒状コルク | 鬼皮除去や粗く角取りしたものは4502へ。凝集(固めた)ものは4504へ。 |
| 4502 | 天然コルク(鬼皮を除いたもの等)・長方形ブロック/板/シート等(鋭角ブランク含む) | debacked cork、粗く角にしたコルク、長方形のコルク板、角が鋭い栓用ブランク | 長方形以外に切った板等は“製品”扱いで4503へ。丸縁ブランクは4503へ。 |
| 4503 | 天然コルクの製品 | ワイン用コルク栓、ディスク/ワッシャー、マット、ハンドル、ガスケット | 複合栓でコルクが従属なら他類へ。王冠(83.09)、弾薬ワッド(93.06)、釣り糸うき等(95)に注意。 |
| 4504 | 凝集コルク(結合剤あり/なし)とその製品 | 凝集コルクパネル、コルクタイル、円柱・円盤、断熱材成形品 | 床材でリノリウム等の性質が強い場合は59.04の可能性。 |
(出典:WCO HS2022 Chapter 45、税関「関税率表解説」第45類)
2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)
- 分岐条件の整理(この類で多い軸)
- 加工度:粗/単に調製(4501.10)⇔鬼皮除去・角取り(4502.00)⇔製品(4503/4504)
- 形状:長方形素材(4502.00)⇔長方形以外に成形・切断(4503扱いになりやすい)
- 天然 vs 凝集:天然製品(4503)⇔凝集製品(4504)
- 用途(栓か否か):栓(4503.10)⇔その他(4503.90)
- 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
- 4501.10(粗/単に調製) vs 4502.00(鬼皮除去・粗く角取り・長方形素材)
- どこで分かれるか:鬼皮を完全に除去したか/粗く角にして両面が平行に近いか、長方形素材に加工したか。
- 判断に必要な情報:加工工程(削り・焼き・洗浄・蒸気処理の有無)、写真(表裏・端部)、寸法形状、製品仕様書。
- 典型的な誤り:「表面清浄=鬼皮除去」と誤認して4502にしてしまう(実際は4501.10の範囲)。
- 4502.00(鋭角ブランク含む) vs 4503.10(栓・丸縁ブランク)
- どこで分かれるか:角が鋭い(鋭角)ブランク=4502/縁が丸いブランク(栓として確認可能)=4503.10。
- 判断に必要な情報:ブランクの形状(角の丸み)、用途(栓としての同定可能性)、加工(面取り/丸め)。
- 典型的な誤り:栓用ブランクを全部4502に寄せる(“丸縁”の要件を見落とす)。
- 4503.10(栓) vs 4503.90(その他)
- どこで分かれるか:容器を閉鎖する「栓」か、ディスク・ワッシャー・マット等の「その他製品」か。
- 判断に必要な情報:用途(容器閉鎖か)、形状(円柱・角柱形等)、販売形態(栓として販売されるか)。
- 典型的な誤り:王冠用の薄いコルクディスクを「栓」として4503.10にする(一般に4503.90側で扱われる注意点あり)。
- 4503(コルク部品) vs 83.09(王冠)
- どこで分かれるか:卑金属製の王冠が本体でコルクが裏張りなら83.09へ。
- 判断に必要な情報:構成(王冠+裏張り材)、主要材料、完成品としての機能。
- 典型的な誤り:コルクが入っているだけで第45類に寄せる。
- 4504(凝集コルク) vs 59.04(リノリウム等の床材)
- どこで分かれるか:凝集コルクでも、リノリウム等に類する床材としての性質を持つ場合は59.04側の検討が必要。
- 判断に必要な情報:組成(コルク粉+樹脂/油等)、裏打ち(繊維基材の有無)、製品規格・用途(床材としての性能)。
- 典型的な誤り:床材は全部4504と決め打ちする。
- 4501.10(粗/単に調製) vs 4502.00(鬼皮除去・粗く角取り・長方形素材)
3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)
3-1. 関連する部注(Section Notes)
- ポイント要約:
- 第45類が属する第9部(Section IX)には、独立した「部注(Section Notes)」が置かれていません(WCOの章立て上、Section IXは章(44〜46)の列挙から始まります)。
- 実務での意味(具体例つき):
- 「部注で一括除外」というより、各類注(Chapter Notes)と見出し文言で境界を作る部です。
- したがって第45類は、まず**類注(第45類注1)**を最優先で確認するのが近道です。
- “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
- 該当なし(※飛び先は主に第45類注と、各項の解説上の除外で発生します)。
3-2. この類の類注(Chapter Notes)
- ポイント要約:
- 第45類注はシンプルで、(a)履物(第64類)、(b)帽子(第65類)、(c)第95類の物品を除外します。
- 用語定義(定義がある場合):
- 類注自体に詳細定義は多くありませんが、実務上は「天然コルク」「凝集コルク」「鬼皮除去」などを、解説(Explanatory Notes相当)で具体化して考えます。
- 除外規定(除外先の類・項も明記):
- 履物・履物部分品 → 第64類
- 帽子・帽子部分品 → 第65類
- 玩具・遊戯用具・運動用具等 → 第95類
- 参考:解説上、王冠(83.09)、**カートリッジワッド(93.06)**なども第45類から外れる例として挙げられています。
4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)
この章は「類注があるからこそ起きる分岐」を可視化することが目的です。
- 影響ポイント1:用途が第64類/第65類/第95類に当たると、コルク製でも第45類に残れない
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 製品カテゴリ(靴か、帽子か、玩具・スポーツ用品か)
- 使用実態(例:釣り糸用のうき=釣り用具としての扱い)
- 現場で集める証憑:
- 商品カタログ/EC表示(用途表示)
- 形状写真(装着部位が履物/帽子か、スポーツ用具の一部か)
- セット構成(玩具セット等)
- 誤分類の典型:
- 「素材がコルクだから45類」と決め打ちし、用途(履物・帽子・スポーツ用途)を見落とす。
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 影響ポイント2:“漁網用”のうき(例示)と、“釣り糸用”のうき(除外例示)のように、同じ“うき”でも帰属が変わる
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- うきが「漁網に取り付ける資材」なのか、「釣り糸の仕掛け(釣り用具)」なのか
- 販売チャネル(漁業資材か、レジャーフィッシング用品か)
- 現場で集める証憑:
- 用途説明(仕様書・パッケージ)
- 使用写真、取付方法図
- 誤分類の典型:
- うきを一律に45.03へ入れる(第95類側の可能性を確認しない)。
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
5. 分類でよくある間違い(原因→対策)
- 間違い:「コルクシート=全部4502」としてしまう
- なぜ起きる:形状(シート)だけ見て、天然/凝集や長方形以外の成形を見ないため。
- 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):4502は「天然コルクの長方形素材」が中心。凝集なら4504、長方形以外に切断・成形して“製品”なら4503寄りになります。
- 予防策:
- 仕様書に「天然/凝集」「粒状を固めたか」「接着剤の有無」を入れる
- 図面で“長方形(正方形含む)”かどうかを明確化
- 間違い:4501.10(単に調製)と4502.00(鬼皮除去)を取り違える
- なぜ起きる:「表面処理=鬼皮除去」と思い込みやすい。
- 正しい考え方:4501.10には、表面清浄・端部整理・殺菌、温湯/蒸気処理後に平坦化したもの等が含まれ得る一方、鬼皮を除いたものや粗く角取りしたものは4502側です。
- 予防策:
- 工程表(削り・焼き・剥離の範囲)を入手
- 表裏の写真を要求(外皮が残っているかの確認)
- 間違い:栓用ブランクを全部4502.00にしてしまう
- なぜ起きる:「ブランク=素材」という先入観。
- 正しい考え方:鋭角ブランクは4502に含まれる一方、縁が丸い等、栓として確認可能なブランクは4503.10側に入る扱いがあります。
- 予防策:
- 角の形状(面取り/丸め)を仕様書に記載
- “最終用途(栓)としての同定可能性”を明示
- 間違い:「注ぎ口付き栓(ポアラー)」を4503.10にしてしまう
- なぜ起きる:商品名が「コルク栓」として売られているため。
- 正しい考え方:金属・プラスチックの注ぎ口が主体で、コルクが従属なら、GIR3(b)で本質的特性により他類へ行き得ます(解説でも“コルクが従属的な栓”は他項へ、という趣旨が示されています)。
- 予防策:
- 部品構成比(材料・重量・価額)と機能の中心を整理
- “コルク部分が交換可能か/単なる保持部材か”を確認
- 間違い:王冠(クラウンキャップ)を「コルク部材があるから45類」とする
- なぜ起きる:裏張り材(コルク)だけに注目する。
- 正しい考え方:卑金属製王冠であれば、裏張りがコルクでも83.09側が示されます。
- 予防策:
- 完成品の主要材質(外殻)と機能(密封機構)で分類検討
- “裏張り材だけ別HS”と考えない
- 間違い:コルク製カートリッジワッドを45類に入れる
- なぜ起きる:材質がコルクで、見た目がディスク/ワッシャーに似るため。
- 正しい考え方:弾薬部材は93.06に行く除外例が示されています。
- 予防策:
- 用途(弾薬・カートリッジ用途)をインボイス/仕様書に明示
- ミリタリー/狩猟用途の有無を社内ヒアリング
- 間違い:凝集コルク床材を全部4504にしてしまう
- なぜ起きる:「コルク床=4504」と単純化するため。
- 正しい考え方:凝集コルクでも、リノリウム等に類する床材としての性質がある場合は59.04の検討が必要(解説上の注意)。
- 予防策:
- 組成(コルク粉+油/樹脂/充填材)・裏打ち(繊維)を確認
- MSDS/SDS・技術データシートを入手
- 間違い:ガスケット/シールを単品の45類で申告するが、実は“セット”として8484に該当
- なぜ起きる:部品単品発想でセット性を見落とす。
- 正しい考え方:解説では、ガスケット等でも「84.84項に含まれる取りそろえてセットにしたもの」は除外される旨が示されています。
- 予防策:
- 梱包明細(セット同梱の有無)を確認
- “用途が特定機械のシールセットか”をヒアリング
6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点
6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係
- HSの付番がPSR選択に直結すること
- PSRは通常、項(4桁)や号(6桁)単位で規則が決まるため、例えば「4503(天然コルク製品)」か「4504(凝集コルク製品)」かを誤ると、原産性判断の前提が崩れます。
- よくある落とし穴
- 材料のHSと最終製品のHSを混同(材料が4501でも、最終が4503/4504になり得る)
- 複合品(キャップ付き栓など)でGIR3(b)の結果が変わる→PSRも変わる可能性
6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)
- 経済連携協定等によって、採用しているHSコードのバージョンが異なり、協定が採用していないHS版で検索すると結果が誤る可能性がある旨が税関PSR検索画面で注意喚起されています。
- 具体例(代表例として)
- RCEP:当初はHS2012に基づくPSRでしたが、税関案内では「HS2022に置き換えたPSRが採択され、2023/1/1から実施」とされています。
- 日EU・EPA:EU側案内(Access2Markets)では、関税確認に用いる品目コードはHS(HS2017)に基づく旨が示されています。
- トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論)
- ①通関申告は原則「最新の国内コード」で行う
- ②原産地証明・PSR判断は「協定が参照するHS版」で行う
- ③必要に応じて、旧HS版⇔新HS版の対応(トランスポジション)を使って整合させる
(この運用の注意喚起自体は税関のPSR検索画面・案内にも記載があります。)
6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)
- 材料表(BOM)、原価、工程、原産国、非原産材料のHS、RVC計算の前提
- コルク原料(4501/4502)→加工(成形・凝集・打抜き等)→最終品(4503/4504)を工程で説明できるようにする
- 証明書類・保存要件(一般論)
- 税関の原産地規則マニュアル等、協定別の運用ガイドを参照し、必要書類(材料証明、製造工程資料、計算根拠等)を保存します。
7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)
7-1. 変更点サマリー(必須:表)
| 比較(例:HS2017→HS2022) | 変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更) | 該当コード | 変更の要旨 | 実務への影響 |
|---|---|---|---|---|
| HS2017→HS2022 | 変更なし | 第45類(4501〜4504) | 見出し・号の構成が同一 | 章内のコード移行対応は原則不要(ただし国内コードや協定HS版の差は別途注意) |
| HS2012→HS2017 | 変更なし | 第45類(4501〜4504) | 同上 | 同上 |
| HS2007→HS2012 | 変更なし | 第45類(4501〜4504) | 同上 | 同上 |
7-2. 「違うことになった根拠」(必須)
- 根拠資料
- WCOのHS条文(Chapter 45)について、HS2007/2012/2017/2022の各版を突合し、項(45.01〜45.04)および号(4501.10/4501.90/4502.00/4503.10/4503.90/4504.10/4504.90)の構成・文言が実質的に同一であることを確認しました。
- 何が変わったと判断したか
- 上記のとおり、**第45類に関しては改正(新設/削除/分割/統合等)が確認できないため、「変更なし」**と整理しました。
8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード
第45類は、少なくともHS2007→HS2012→HS2017→HS2022の範囲で、主要コード体系(4501〜4504、各6桁)が継続しています。
| HS2007 | HS2012 | HS2017 | HS2022 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 4501 | 4501 | 4501 | 4501 | 継続(同一構成:4501.10/4501.90) |
| 4502 | 4502 | 4502 | 4502 | 継続(4502.00) |
| 4503 | 4503 | 4503 | 4503 | 継続(4503.10/4503.90) |
| 4504 | 4504 | 4504 | 4504 | 継続(4504.10/4504.90) |
※ただし、**各国の国内コード(8桁/9桁等)**や、FTA/EPAが参照するHS版は別問題として変動し得ます(後述)。
9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)
- 事例名(短く):コルク中敷きの45類申告
- 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):第45類注で「履物・部分品(第64類)」除外に抵触
- 起きやすい状況:商品名が「コルクインソール」「コルクソール」で材質が強調される
- 典型的な影響:修正申告、検査強化、納期遅延(一般論)
- 予防策:用途(履物の部分品)を先に確定し、64類を起点に検討。写真・装着例を添付。
- 事例名:コルク製帽体パーツの45類申告
- 誤りの内容:第45類注で「帽子・部分品(第65類)」除外に抵触
- 起きやすい状況:ハンドメイド材料として輸入し、品名が曖昧
- 典型的な影響:差止・補正要求・説明資料追加(一般論)
- 予防策:最終用途(帽子部材)と形状(つば/帽体)を明示、65類で検討。
- 事例名:釣り糸用コルクうきの45類申告
- 誤りの内容:第45類注で「第95類の物品」除外に抵触(解説でも釣り糸用うきが例示)
- 起きやすい状況:漁網用資材(45.03側)と混同
- 典型的な影響:税番更正、通関遅延(一般論)
- 予防策:用途証明(釣り用具か漁業資材か)を仕様書・販売資料で明確化。
- 事例名:“スポーツ用”コルク部材の45類申告
- 誤りの内容:第45類注の「運動用具等(第95類)」除外に抵触
- 起きやすい状況:「スポーツ用品の部品」でも材質がコルクだと45類に寄せがち
- 典型的な影響:追加資料要求、分類変更(一般論)
- 予防策:第95類の範囲確認、機能・用途で判断。必要なら事前教示。
10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)
- 日本前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
- 検疫・衛生(SPS等)
- 植物検疫(輸入):植物防疫所の案内では、「籐及びコルク」は輸入植物検疫の対象とならないとされています。税関のカスタムスアンサー(植物防疫法)でも、コルクは検査不要の例として記載されています。
- 食品衛生(輸入・用途次第):販売・営業用に輸入する「食品等」には、食品、添加物、器具、容器包装等が含まれ、検疫所への輸入届出が必要とされています。コルク栓等が「容器包装」や「器具」に該当し得るため、食品用途(ワイン・飲料の栓等)では該当性を確認してください。
- ワシントン条約(CITES)等の種規制
- コルク(Quercus suber等)自体は通常CITESの典型対象ではありませんが、輸入国側の規制は別途あり得るため、産地・樹種の特定が必要な取引は注意してください(一般論)。
- 安全保障貿易管理(該当する場合)
- 第45類単体は一般に該当しにくいですが、最終用途・最終需要者・他部材との組合せで審査が必要になるケースはあり得ます(一般論)。
- その他の許認可・届出
- 輸出先がEU等の場合:食品接触材(Food Contact Materials)規制への適合情報提供が求められることがあり得ます(包装・栓用途の場合)。
- 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
- 植物検疫:農林水産省 植物防疫所(「対象とならない植物」等)
- 食品衛生:厚生労働省「食品等輸入手続」/検疫所窓口
- FTA/EPA:税関(PSR検索、協定別案内)
- 実務での準備物(一般論):
- 仕様書(材質、天然/凝集、加工工程)
- 写真(表裏・端部・断面)
- 成分/材料情報(接着剤や裏打ち材がある場合)
- 用途資料(食品用途・スポーツ用途・履物/帽子用途などの判断資料)
11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)
- 分類前チェック(製品情報の収集)
- 天然コルクか凝集コルクか(製法、粒状の有無)
- 形状(長方形素材か、成形品か、栓か)
- 複合品なら構成部材(材質・重量・価額・機能)と“主役”はどれか
- 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
- 第45類注:履物(64)・帽子(65)・第95類に該当しないか
- 解説上の典型除外:83.09/93.06/59.04等の検討漏れがないか
- 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
- “cork sheet”“cork stopper”など曖昧品名を避け、加工度・用途を補う
- 画像・仕様書を添付できる体制(税関照会対策)
- FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
- 協定が参照するHS版でPSR確認(HS版ズレ注意)
- BOM、工程説明、原価/付加価値計算根拠を保存
- 規制チェック(許可/届出/検査)
- 植物検疫:コルクは原則対象外の整理(ただし例外がないか念のため確認)
- 食品用途:器具・容器包装該当性と輸入届出の要否を確認
12. 参考資料(出典)
- WCO(HS条文)
- HS Nomenclature 2022:Chapter 45 “Cork and articles of cork”(参照日:2026-02-21)
- HS Nomenclature 2017:Chapter 45(参照日:2026-02-21)
- HS Nomenclature 2012:Chapter 45(参照日:2026-02-21)
- HS Nomenclature 2007:Chapter 45(参照日:2026-02-21)
- 日本 税関・公的機関
- 税関「関税率表解説」第45類(参照日:2026-02-21)
- 税関 カスタムスアンサー(植物防疫法:コルクは検査不要の例)(参照日:2026-02-21)
- 税関:品目別原産地規則(PSR)検索画面(HS版違い注意)(参照日:2026-02-21)
- 税関:RCEP(HS2022版PSR採択の案内)(参照日:2026-02-21)
- 税関:事前教示(品目分類)検索(参照日:2026-02-21)
- 日本(衛生・検疫)
- 農林水産省 植物防疫所「輸入植物検疫の対象とならない植物」(籐及びコルク)(参照日:2026-02-21)
- 厚生労働省「食品等輸入手続」(器具・容器包装を含む)(参照日:2026-02-21)
- 輸出先規制(例)
- JETRO:EUの食品接触材(FCM)に関する留意点(参照日:2026-02-21)
付録A. 国内コード(日本)での主な細分と注意点(任意)
- 注意:以下は国内コード(統計品目番号)の例です。HS(6桁)とは別で、改正されることがあります。申告時点の最新版で確認してください。
- 例(日本の関税率表・統計コード例:2012年版の表示)
- HS 4501.10 → 国内コード例 4501.10-000
- HS 4501.90 → 国内コード例 4501.90-000
- HS 4502.00 → 国内コード例 4502.00-000
- HS 4503.10 → 国内コード例 4503.10-000
- HS 4503.90 → 国内コード例 4503.90-000
- HS 4504.10 → 国内コード例 4504.10-000
- HS 4504.90 → 国内コード例 4504.90-000
付録B. 税関の事前教示・裁定事例の探し方(任意)
- どの情報を揃えると相談が早いか(一般論)
- ①製品概要(用途・機能) ②材質(天然/凝集、結合剤) ③加工工程 ④形状寸法図 ⑤写真(表裏・断面) ⑥サンプル(可能なら)
- 探し方
- 税関の「事前教示回答(品目分類)」は、一般的品名・税番・貨物概要等で検索できます。
- 英語でもAdvance Rulingの概要が整理されています(海外拠点向け説明に便利)。
免責事項
本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。
