AIを単純に使ってHSコードを特定した場合:気をつけること

私のモデルは、HSコード特定のプロセスや考え方、事例を理解して付番する形にしています。

最近はGoogleで検索してもAIが回答する事が多くなりました。(Geminiだと思います)

最近「空調服」を実例で使ってHSコード特定をしてみました。

Google検索でのAIの回答

「空調服のHSコードは、構成材料や機能によって異なりますが、一般的には 6211.42-090 (その他の衣類、織物製、女性用または女児用) または 6211.43-090 (その他の衣類、化学繊維製、女性用または女児用) が使用されます。」

こんな結果が出ていますが、私のHSコード付番モデル(ChatGPTのカスタムGET)では、75%の推定精度で、6201.40(男子用)/6202.40(女子用)と出ました

結論が違いますね。汎用のAIだと、HSコードの付番プロセスが理解出来ていないこともあり、違う答えになるようです。

ですので、Google検索下でのAIを使ってHSコードを付番することは気をつけましよう。

AIの種類により、カスタムGPTでも答えが違っている

GeminiのカスタムGPTのGemでも間違います。詳しくは、別の投稿を見てください。きちんと教え込まないと、AIによっては答えが間違います。

安易にAIだからといって、答えを求めないようにしましょう。

CAS 番号 があると確実に役立ちますが、必須ではありません

化学品でCASがあるとHSコードが決まるということが言われていますが、以下の事を考えてください。

1. そもそも CAS 番号と HS コードは別モノ

項目目的・特徴
CAS RN① 化学物質を一意に識別する “番号”
② 物質そのものの構造情報を示す
HS コード① 貿易統計・関税計算のための “分類”
物質+形状・濃度・用途など通則・部注の条件で細分

2. 「CAS→HS」対応表は存在するが“公式ではない”

  • WCO(世界税関機構)や各国税関は CAS と HS の紐付け表を公式には公表していません
  • 民間データベース・ツール(例:ChemIDplus, Chemspider, AACT’s HS-CAS Mapping, TariffTel など)が独自に作成した対照表はありますが、
    • 最新の HS 改定に追随していない場合がある
    • 物質の形態・混合物かどうかでヘディングが変わるケースを十分にカバーできない

3. CAS だけでは足りない代表例

具体例HS 分類で追加確認が必要な項目
酸・塩基(硫酸など)濃度(重量%)により 2807 か 3824 かに分岐
有機溶剤(アセトン等)含有不純物割合、混合溶剤か単一か
ポリマー(ポリエチレンなど)粒状かシートか、一次形態か仕上げ製品か(3901 vs. 3920 など)
医薬品原体医薬品表の収載有無で 2933/2941 と 3003/3004 が変わる

CAS RNの意義

  • メリット
    1. 物質を一意に特定できる
      • 同じ名前でも構造が違う異性体・塩・水和物を区別できます。
    2. SDS・化審法届出など周辺情報にアクセスしやすい
      • SDS の Section 3 から含有比率・不純物・濃度を素早く把握でき、HS 分類に必要な追加データを揃えやすくなります。
    3. 税関・検査機関との対話がスムーズ
      • 日本の「輸入事前教示」申請書や欧州 BTI 等でも CAS の記入欄があり、添付すると照会が減る傾向があります。
  • ただし CAS だけでは決まりません
    HS コードは **「化学構造 × 形態・濃度 × 用途」**で細分されるため、以下も必須情報です。 追加で必要な主な項目具体例物理形態粉末・顆粒・溶液・ペースト・樹脂ペレットなど純度・濃度95 % アセトン vs. 50 % 水溶液 ⇒ 2807 か 3824 に分岐混合物の組成溶剤ブレンド、製剤中の有効成分含量用途・包装形態医薬用原体か一般化学品か、一次形態か最終製品か関連法規への収載医薬品表、農薬リストなどに載っているか

うまく活用する手順例

  1. CAS で PubChem / SciFinder から IUPAC 名・官能基を確認
  2. HS 第28・29類(無機・有機化学品)の類注・号注に当たりを付ける
  3. SDS で 濃度・形態を確認し、液体なら 3824 系、固体なら 292X–293X 系など候補を絞り込む
  4. 部注・実行関税率表解説で最終確定
  5. 不明点が残れば 事前教示で公式回答を取得

まとめ

  • CAS RN は「スタート地点」としてとても有用
  • 最終的な HS 付番には 形態・純度・用途など追加情報が不可欠

インドの税関でHSコード紛争:その6

判決年
2025

税関(港・空港等)
ムンバイ港

輸入品・申告HSコード
Samsung Remote Radio Head(8517.62)

税関主張HSコード
無線送受信機(8517.62)
※輸入者は免税請求

結果
CESTATは輸入者勝訴
免税維持

HSコードのご相談は、ロジスティックまで

AIによるHSコード符番システム

先日から、お話ししているAIを使ってのHSコード符番システムですが、割とこなれてきました。

現在二つのプラットフォームで開発し、正確性などを比べています。
・ChatGPT
・Gemini

FTA-BPOサービスでの活用に限定するか(つまりは、外部には提供しない)か、ビジネスとして展開するかは思案中です。

当然、結論は皆さんのご興味次第であります。

他にもHSコードのAIはありますが、当方は、専門家の知見を組み込んだ内容となっています。

ご関心のある方、こちらからお知らせ下さい。
・競合となる方からのご関心には返答しないこともありうることをご理解下さい。

AIによるHSコード符番:続報

以前に、HSコードの符番をAIで行う事をトライしていることをお伝えしました。

お知り合いのHSコードのプロの方にお使いいただき、正しく符番できない項目を教えて頂きました。

それを直そうと思ったのですが、ふと、AIによるモデリングがそもそもよくないことに気づき、修正をしました。
 ・プロンプト構成
 ・参照する情報(情報そのものではなく、持たせ方)

それを修正して、正しく符番できないものを再度トライアル。

結果は、間違った問題全問正解!!!

これから符番が正しくできないものも出てくるとは思いますが、AIに正しい情報を伝えることが当たり前ですが、先ずは肝心ですね。

ロジスティックのAI-powered HS Code Finder (続:他にない強み)

ロジスティクスのAIを使ったHSコード附番ツールは、他にはない強みが必須です。

このツールでは、税関が提示する情報を基盤としつつ、ロジスティックとして長年培ってきた独自の情報もソースとして活用しています。具体的には、当社を支援いただいているHSコードのプロフェッショナルによるセミナー資料、Web学習ツール、コンサルティング時の資料など、現場から生まれた貴重な情報を積極的に取り入れています。

これらの独自ソースを加えることで、ツールの精度はさらに向上し、より実用的なものとなります。

引き続き、開発に尽力してまいります!

FTA-BPOチームのHSコード専門家でも悩む事象

弊社が行っているサービスでFTAーBPOではHSコード符番の正しさは、大きな売りのポイントでもあります。

その品質を支えてくれるHSコードの専門家は元税関でHSコードを長年担当してこらえた人々で私は絶大な信頼を寄せています。

そういった人でもHSコード符番に悩むことがあります。

HSコードの符番方法には基本的なプロセスがありますが、大事な要素には類注を読み解いて符番をすることがあります。

問題はその類注の日本語が分かりにくいこと。もともと日本語は構造的な言語ではないので、言葉のかかり具合が分かりにくいのです。

その際にはこの注を作り出したオリジナルの文章である英語を読むことになります。それにより内容の正確さをつかみ取り、HSコード符番を行うのです。

その英語でも分かりにくい場合が発生します。そうなると解釈の問題にもなります。

更に問題を悪くするのはオリジナルの文章がHSコードの後半の章ではフランス語だったりするのです。そうなると原点に立ち返っても読むことが難しくなります。

昨今は翻訳ツールも発展していますが、正しく翻訳できているかわからない事もあります。

そういったところで悩んでしまうのです。

こういう問題がありますから、AIを活用したHSコード符番ツールが正しいかどうかは、最終的には人間の判断が必要になる気がしています。

HSコード付番の無料ワークショップを開催します

本来ですとFTA戦略的活用研究会の一環として予定していたのですが、席にゆとりがありますので、会員の企業様以外にも解放することとしました。

開催まで1週間ないのですが、もしお時間が合うのでしたら、ご参加下さい。

■1■ HSコード付番 ワークショップ ■■
GEFでは、「HSコード付番 ワークショップ」を実施します。

第91回FTA戦略的活用研究会として実施しますが、若干の席がございますので、皆さんにもご案内する次第です。

来週なので、既にご予定がおありでしょうが、お時間がございましたらご参加をご検討ください。

「HSコード付番 ワークショップ」
FTA戦略的活用研究会で有名な元税関の篠崎先生に、HSコードを特定する問題を数問お出しいただきます。
当日、グループを組んで、その商品のHSコードは何か、その理由を考えてもらいます。
そして、篠崎先生から解答と解説をしていただく、研究会の人気コンテンツです。

当然、新作問題が出題されます。当日は、HSコードに関する情報を得られるような、書籍、PC、タブレットをお持ちください。
 ・ ネットを使われる場合は、各自でご用意ください。

日時
2024年5月22日(水) 14:00~17:00

場所
東京国際フォーラム 会議棟G402
東京都千代田区丸の内3丁目5ー1

費用
無料

定員
40名(10名ほどの空きがございます。)

申込み
https://smoothcontact.jp/front/output/7f00000117af41338f6c2c7c047a8ee

■2■ HSコードの付番の方法 Web学習ツール ■■

今回のワークショップに関係するサービスです

FTA・EPAにおいて、HSコードの付番はとても大切となりますが、その一方、その方法を学ぶ方法があまりありません。

また、主たるサイトで間違った付番方法を説明しており、FTAを活用する方々へ謝った知識を与えています。

HSコードの付番方法は、検認などで相手の税関にHSコードの妥当性を問われた時に正しい方法で説明する必要がある大切なもので、その妥当性を巡り訴訟になることも少なくありません。

皆様にその正しいHSコード付番方法を理解していただくために、Webでの学習ツールを開発しました。

説明動画(YouTube)
https://youtu.be/a1XODc2oE0Y

説明資料
https://www.dropbox.com/scl/fi/38gfograwyvdm8ai7hxlu/HS-code-20230814-HS.pdf?rlkey=eym207uho7pzptlaisbz4ery8&dl=0

サンプル問題の利用、お申し込み
https://smoothcontact.jp/front/output/7f0000014673dbcfef77861268ac5a

第91回FTA戦略的活用研究会のご案内

第91回FTA戦略的活用研究会は以下の内容で開催します。

「HSコード付番 ワークショップ」
FTA戦略的活用研究会で有名な元税関の篠崎先生に、HSコードを特定する問題を数問お出しいただきます。
当日、グループを組んで、その商品のHSコードは何か、その理由を考えてもらいます。
そして、篠崎先生から解答と解説をしていただく、研究会の人気コンテンツです。

当然、新作問題が出題されます。当日は、HSコードに関する情報を得られるような、書籍、PC、タブレットをお持ちください。
 ・ ネットを使われる場合は、各自でご用意ください。

日時
2024年5月22日(水) 14:00~17:00

場所
東京国際フォーラム 会議棟G402
東京都千代田区丸の内3丁目5ー1

申込み
会員の方にはメールでもう仕込みサイトのURLを通知いたします。また、研究会のフォーラムにても掲示しております。