輸出者が指定する商品のHSコード:本当に正しいの?

最近、代行で原産地証明書を作成する際に、商品のHSコードが(正直余りに)ひどいことがあります。

受ける側からすれば、顧客である輸出者、特に商社の主張するHSコードと違うHSコードで証明した場合、もし間違っていれば責任は受ける側にあり、少なくとも金銭的被害は補償しなくてはいけません。

だからといって、「これおかしいだろう」というHSコードで証明する事は、コンプラ上も問題があります。

先ずは輸出者にそのHSコードの正しさを確認してもらい、そのHSコードで証明するが、HSコードが間違っていた場合、非は証明者側にない事を納得してもらう必要があります。

違うHSコードを指定するのは、HSコードの知識がない事が大半でしょうが、意図的に関税が下がるHSコードにしている場合もあります。そういうものに加担するのは問題です。

輸出者が主張するHSコードに対して責任所在を明確にして、原産性の証明をした場合、日本商工会議所から、商品のHSコードの疑義をもらう事が多々あります。(まあ、日本商工会議所が疑義を持たれるのも当然ですが)

そこでの日本商工会議所とのやりとりも本当に面倒ですね。(それをしなければならない日本商工会議所の方、ご愁傷様です)

FTA戦略的活用研究会 東京会場 終了しました

2024年10月25日のFTA戦略的活用研究会東京会場終了しました

テーマのせいか、出席者は通常よりも少ない回となりました。
 ・一つはNACCSのお話しだったもので

ただ、今後のFTA戦略的活用研究会の運営に関する討議を行い、皆さんからためになる意見を頂戴できたのが何よりです。

まず、

現在、メールを通じで行っているFTA戦略的活用研究会への申込みはメンバーフォーラムからの開催通知に対して返事をすることで対応する事になります。案内もフォーラムを通じて行い、メールでの案内は第100回で終了しまします。

フォーラムは固有のURLから入っていただき、登録をして頂く必要があります。このURLはFTA戦略的活用研究会の会合で案内しております。それ以外ではお伝えしません。

FTA戦略的活用研究会での主たるテーマは、企業によるFTAの活用情報、問題点の共有を中心とします。

また、企業からアンケートを募り、例えば、「CTCでのグルーピングはどの様なパターンで行っているか」など実際の業務に関する調査と結果報告をすることで他社と自社の運用形態の比較が出来る調査なども行っていきます。「自社は他社と比べてやり方が違う。このようにすればいいのか」などの気づきが得られればと思います。関心として多いのは「検認」の現状。これもアンケートを採り、企業を特定しない範囲で皆さんとシェア出来ればと考えています。

FTA戦略的活用研究会の会に参加するには、企業プレゼン(簡単なものでいいのです)が必要ですが、既に100回近く行っている為に、改めて企業プレゼン(のアップデート)をメンバーが自主的に名乗りを上げて行ってくれています。「昔はこうだったが、今はこうなっている」などをお話し頂いています。次回はDICさんがお話ししてくれます。

新規FTAがない中で提供できる情報も減ってきました。その中で改めて研究会の目的に回帰して役に立つ情報をシェアできる研究会にしたいと思っています。

FTA原産地証明業務の最終報告にお客さんのところへ訪問しました

9月中に集中して行っていたFTA原産地証明業務が終わり、最終報告に顧客をお邪魔しました。

20件近くの商品の原産地証明がメインの業務でした。

報告には、会長と社長も出ていただき、経営からのFTAの論点をお伝えし、原産地判定での経過、検認を見越しての論点などをご理解頂きました。

FTAにおける原産材料のみから完全に生産される産品(PE:Producted Entirely)での原産証明

顧客からの依頼で原産地証明の証拠書類を作成したところ、原産材料のみから完全に生産される産品(原産材料のみから完全に生産される産品( PE:Producted Entirely )での原産証明)での原産証明を利用しての証明となった商品がありました。

私としては工業品を扱うこともあり、CTCでの証明、必要に応じてVAの証明を利用していますが、PEでの証明は初めてでした。

材料は自社品と言うよりは他社からの仕入れ品であり、HSコードが完成品と変わらずだったので、サプライヤ証明を依頼。

材料が全て同一の会社からの購入だったので、サプライヤ証明をお願いする手間も余りかからず。

また、当社が進める方法でサプライヤ証明書をお願いしたために、証明での証拠書類の確かさ、お願いからサプライヤ証明書の受領までの迅速さは顧客の支援もあってとても早い者になりました。

日本商工会議所への申請でも一工夫しました。それ故に迅速な原産判定をいただくことが出来ました。

割と気持ちのいい原産地証明ですね。「気持ちのいい」というのもいい方がおかしいですが。

原産地証明をスムーズに取得するには

本日、仕事を頂戴している会社の商品で、日本商工会議所に判定の申請をしていたものが軒並み判定が下りてほっとしています。

日本商工会議所の方も「人」です。

初めて見る証拠書類で初めて見る商品を理解し、その構造を理解し、判定基準に合致しているかどうかを理解する必要があります。

そういう方が分かるような書類にする必要があるのですが、なかなか簡単にできないことなのでしょう。

もう少し第三者の目で自己の証明がどう見えるかを検討して見てください。

スムーズに判定が下りるようになります。

簡単な商品の原産地証明は意外と難しい

簡単な商品の原産地証明は意外と厄介です。

特に部分品の証明の場合、部分品の部分品は基本的にHSコードが同じです。

CTCが使えません。

そうなると余り使いたくないVAを使わざるを得ません。

部分品ですから、それほどのマージンを取れていない場合、VAでも証明ができない。

そうなると材料である部分品の部分品を作っている企業にサプライヤ証明をお願いしなければならなくなります。

その企業がFTA(EPA)に知識があればいいのですが、そうではないケースが多いため時間と手間がかかります。

昨日、そのような場面に遭遇しました。

対策は考えていました。

顧客の甚大なる支援もあり、なんとお願いした当日に証明内容の確実な「サプライヤ証明」を捺印付きで取得できました。

そのついでに、原産判定を日本商工会議所に依頼。

なんとスムーズだったことか。

第7回FTA原産地証明試験が行われました

第7回FTA原産地証明試験が行われました。

今回は問題数を20問から15問に減らして、実施致しました。

合格点は変わらず85点としました。今回も残念ながら合格者が出ませんでしたが、84点を取られた方が3人いらっしゃいました。

また、弊社のWeb学習ツールで勉強されている方がその中の2名だったのが印象的でした。

学習ツールの為に申しますが、同一の問題はございません。2名の方の実力です。

平均点は45.8点。

最近の平均点が前回を除き50点前後なので、少々残念です。

今回、試験用のIDとPWをメールで送付したのですが、一部の方がメールが届かないとのお知らせを頂きました。その方々の会社のシステム・セキュリティによりはじかれている様で、また、アクセス先のURLもアクセス出来ない場合も少ないですがありました。

問題のあるサーバーを使っているわけではないので、次回以降はもう少し早めにアナウンスし、事前の対策を講じた方がいいと考えています。

ご不便をおかけした方々、申し訳ございませんでした。

試験結果は、試験終了と同時に結果と解答と共に提供されます。また、別途解説動画を取っており、そのリンク先もお出しいたしました。

より詳細の試験結果分析を作成し、お出しする予定です。

受験されたかた、大変お疲れ様でした。

第7回FTA原産地証明試験を7月24日(水)にWebにて無料開催します

第7回FTA原産地証明試験を7月24日(水)にWebにて開催します。
 ・無料です
 ・開始時間は14:00ですが、14:00~15:00の間の時間で30分間試験を受けて頂けます
 ・つまり、14:00~14:30の間に試験を開始すれば、30分フルに受けられます
 ・14:30以降に開始しても試験時間が短くなるだけで受験は可能です

今回は、問題数を減らします。20⇒15問とします。じっくりと問題に取り組んでください。

詳しくは、こちらのサイトをご覧下さい。申し込むことも出来ます。
 ・受験に関しては、FTAを活用することができますが、注意書きをお読みください。

とある企業の社長とお話ししました

中堅企業の社長とお話ししました。人材を確保するのがなかなか難しいとのことで、特に今後注力したい海外への販売に対する人材はなかなか集まらないとのこと。

その一方でFTAに対応してほしいという輸入側の企業や輸出してくれる商社の要望に応えるのが難しいらしい。人を割り当てるのだが、なかなか成長しないし、対応も難しいと泣きついてくる。聞けばこのFTA原産地証明スキルは本業とは関係の無いものであり、仕事をアサインした人には申し訳ないとのことだった。「元の仕事に戻してやりたいのだがね。」と社長。

こういう悩みを抱えている社長は他にもまだいらっしゃるだろう。当方のサービスに関心を持って頂いたので、今度詳しく話してみよう。

依頼されていた3件のEPA原産地証明の証拠書類作成を終了。日本商工会議所から判定番号をスムーズに頂戴しました。

依頼されていた3件のEPA原産地証明の証拠書類作成を終了。日本商工会議所から判定番号をスムーズに頂戴しました。日本商工会議所からの質問も特になく、かなりのスピードで承認を頂きました。(大阪商工会議所)

日本商工会議所へ申請する際に気をつけるべき点があります。

申請する側からすれば、質問も無く、かつスムーズに判定を頂戴するのが理想ですが、そのためには、提出する証拠書類を日本商工会議所が判定しやすい形式にすることです。

今回のスムーズさに対して、今年の1月に申請したものは3週間、日本商工会議所都のやりとりは5回以上ありました。

その際の問題は、日本商工会議所が納得してもらえるような証拠書類用のデータがなかったこと。それ故に顧客から情報を集めるのに時間がかかったことに起因します。

今回のスムーズな申請は、それとは正反対で、作っている自分でも「問題なし」と思える情報を頂戴したので、非常に短時間で判定を頂きました。

FTAの原産地証明をも鑑みた情報の整理も企業は今後考えるべきだと思います。