日本が参加するFTA/EPAにおけるHS2028更新予測(あくまで予想)

日本が締結済みのFTA/EPA(19協定)とHS年次

協定名発効年現行HS年次HS2028更新可能性備考
多国間協定
RCEP2022年HS2022◎ 確実最新版を使用、定期更新実績ありfftaconsulting+1
CPTPP(TPP11)2018年HS2017◎ 確実主要国が2028年1月対応予定​
日ASEAN包括的EPA2008年HS2017○ 予定2023年にHS2002→2017へ更新実績ありblog.conocer+1
日米貿易協定2020年HS2017○ 予定米国は先進国として対応見込み
二国間協定(アジア・オセアニア)
日シンガポールEPA2002年HS2002△ 未定最も古いHSバージョン使用[jaftas]​
日メキシコEPA2005年HS2002/2007△ 未定古いバージョン使用
日マレーシアEPA2006年HS2007/2012△ 未定
日チリEPA2007年HS2007△ 未定
日タイEPA2007年HS2017○ 予定ASEAN協定で2017版に更新済[fftaconsulting]​
日インドネシアEPA2008年HS2017○ 予定ASEAN協定で2017版に更新済[fftaconsulting]​
日ブルネイEPA2008年HS2007/2012△ 未定
日フィリピンEPA2008年HS2007/2012△ 未定
日ベトナムEPA2009年HS2012/2017○ 予定CPTPP加盟国として対応見込み
日インドEPA2011年HS2007/2012△ 未定
日ペルーEPA2012年HS2012△ 未定
日豪EPA2015年HS2017○ 予定先進国として対応見込み
日モンゴルEPA2016年HS2012△ 未定
二国間協定(欧州)
日スイスEPA2009年HS2007/2012△ 未定
日EU EPA2019年HS2017◎ 確実2026年2月に運用ガイドライン第一案合意
日英EPA2021年HS2017○ 予定先進国として対応見込み

更新確実度の分類

◎ 確実(2028年1月対応)

RCEP(地域的な包括的経済連携協定)

現在HS2022年版を使用しており、定期的な更新実績があるため、HS2028への移行が最も早いと予想されます。2023年1月にHS2012からHS2022へ更新した実績があります。blog.conocer+1

日EU EPA(運用ガイドライン方式)

2026年2月4日、日本とEUの貿易当局間で、HS2028に向けた運用ガイドラインの第一案が実質的に合意されました。協定条文を改正するトランスポジション(転換)ではなく、相関表を用いた読み替え指針を公式化する現実的な解決策が採用されます。

この方式では、協定の原産地規則はHS2017のまま維持し、公式相関表を通じてHS2028コードとHS2017コードを紐付けます。企業は通関用にHS2028コードを使用しつつ、原産地判定ではHS2017のルールを適用する二重管理体制が必要になります。scgr+1

○ 予定(2028年中に対応見込み)

CPTPP、日豪EPA、日英EPA

先進国が中心の協定で、現在HS2017年版を使用しており、2028年1月1日または同年中の早い時期に更新される可能性が高いです。

日ASEAN包括的EPA、日タイEPA、日インドネシアEPA

2023年にHS2002からHS2017へ更新した実績があり、HS2028への更新も予定されていると考えられます。ただし、ASEAN加盟国によって実装時期にバラつきが生じる可能性があります。blog.conocer+1

△ 未定(更新時期不明)

古いHSバージョン(HS2002、HS2007、HS2012)を使用している協定は、HS2028への更新時期が不透明です。特に日シンガポールEPAはHS2002年版を使用しており、26年間のギャップが生じることになります。[jaftas]​

HS2028対応の実務上の課題

相関表を用いた読み替え方式

日EU EPAで採用された相関表方式は、他の協定にも波及する可能性があります。この方式では以下の対応が必要です。global-scm+1

  • 通関用コード:最新のHS2028コードを使用(輸入申告書)
  • 原産地判定用コード:協定で定められた旧HSコード(HS2017など)に読み替え
  • 相関表の参照:公式相関表を使用してHS2028とHS2017を紐付け
  • 二重管理体制:製品マスタに「通関用」と「EPA判定用」の2種類のHSコードを保持

複数バージョンの並走期間

2028年前後は、取引相手国によって参照するHSバージョンが異なる状況が生じます。国Aは2028年版、国Bは2022年版、国Cは2017年版という状態で、企業は国別に異なるHSコードを管理する必要があります。[global-scm]​

項番変更のリスク

技術革新により製品の機能定義が変わり、HSコードの項番(上4桁)が変わるような改正があった場合、関税分類変更基準(CTC)の判定結果が変わる可能性があります。最新コードだけを見ていると、誤った原産地判定をしてしまうリスクがあります。[scgr.co]​

企業が取るべき準備

2026年~2027年の対応

  • 主要FTA(RCEP、日EU、CPTPPなど)ごとに、参照HS年版と2028年への改正時期を一覧化
  • 製品マスタに「EPA判定用HSコード」フィールドを追加global-scm+1
  • 重点国×重点品目について、新HSベースの原産地シミュレーションを実施
  • WCOの公式相関表(2026年公開予定)を入手し、社内の変換ロジックを構築

2027年末~2028年初

  • 主要取引先や通関業者と切替日、旧コード併記の要否を調整[meti.go]​
  • 新旧HSコードの併記期間を社内ルール化[meti.go]​
  • 2028年1月前後は通関混雑が予想されるため、在庫・物流計画を調整[meti.go]​

免責事項:

本情報は2026年2月時点の公表情報に基づくものであり、各協定の正式な改正時期は各締約国の合意および国内手続きにより変更される可能性があります。実際の適用時期は各協定の公式発表をご確認ください。