電子部品の写真をGoogleから拝借して、HSコード付番を実践。
そのHSコード付番プロセスをYouTubeにてわかりやすく解説しました。
ぜひご覧下さい。
スライドは以下でも閲覧、ダウンロード出来ます。
世界で有利に戦うための考え方
2026年1月16日時点で公的情報として確認できる「世界で検討・交渉されているFTA/EPA」を、交渉中・署名済/発効待ち・検討中・中断/停止のカテゴリーで整理しました。WTOのRTAデータベースでは、通知済みで発効中のRTAが380件とされています。[rtais.wto]
本一覧は主要案件を中心に構成しており、各国・各地域が公式に更新している一次ソースも併記しています。
| 主体 | 案件 | ステータス | 直近のポイント | 実務で先に見る論点 |
|---|---|---|---|---|
| EU | EU-インド(FTA/投資保護/GI) | 交渉中 | 2026年1月27日に署名予定と報道[india-briefing] | 工業品関税、農産品、データ/デジタル、GI、持続可能性条項 |
| EU | EU-豪州FTA | 交渉中(2018年開始) | 交渉継続中 | 農業市場アクセス、GI、原産地規則(累積・許容度) |
| EU | EU-マレーシアFTA | 交渉中(2025年再開) | 再開済みとしてEUが明示 | 電機・化学の関税/非関税、TBT、サプライチェーン規律 |
| EU | EU-フィリピンFTA | 交渉中 | EU側一覧で交渉中と整理 | 自動車・電機、サービス、投資、労働・環境条項 |
| EU | EU-タイFTA | 交渉中(2023年再開) | 再開をEUが明示 | 自動車・電機の関税/ROO、TBT、持続可能性条項 |
| EU | EU-UAE FTA | 交渉中(2025年再開) | EU側一覧で交渉中 | ルール整備(投資・サービス・調達)、制裁/輸出管理との整合 |
| 日本 | 日トルコEPA | 交渉中 | 外務省の交渉中リストに掲載 | 自動車・化学・鉄鋼、ROO(CTC/VA)、累積の設計 |
| 日本 | 日コロンビアEPA | 交渉中 | 外務省の交渉中リストに掲載 | 自動車部品、農産品、原産地証明運用 |
| 日本 | 日中韓FTA | 交渉中 | 外務省の交渉中リストに掲載 | サプライチェーン累積、機微品目、ルールの収斂 |
| 日本 | 日バングラデシュEPA | 交渉中 | 外務省の交渉中リストに掲載 | 繊維・縫製ROO、通関円滑化、投資・人の移動 |
| 日本 | 日GCC EPA | 交渉中 | 2024年からの交渉再開方針に言及 | エネルギー・化学、投資、原産地(域内加工) |
| 日本 | 日UAE EPA | 交渉中 | 外務省の交渉中リストに掲載 | デジタル/データ、サービス、政府調達 |
| 英国 | 英-韓(高度化FTA) | 交渉中 | 交渉優先案件として明記 | サービス・デジタル、原産地の簡素化、TBT |
| 英国 | 英-スイスFTA | 交渉中 | 交渉優先案件として明記 | 医薬・精密機器、原産地、金融/データ |
| 英国 | 英-トルコ(高度化) | 交渉中 | 交渉優先案件として明記 | 自動車・繊維、原産地累積、関税割当 |
| 英国 | 英-GCC FTA | 交渉中 | 交渉中と整理 | エネルギー、政府調達、サービス/人の移動 |
| カナダ | カナダ-ASEAN FTA | 交渉中 | 2026年の妥結目標に言及 | 自動車・電機のROO、原産地自己申告/証明、関税削減表 |
| カナダ | カナダ-フィリピンFTA | 交渉中 | 2025年11月5日に交渉開始意向を公式通知 | 農水産・電機、SPS/TBT、原産地と証明運用 |
| カナダ | カナダ-メルコスールFTA | 交渉中(再開) | 交渉再開を公式発表 | 農産品・鉱物、投資、政府調達、累積/不足分の扱い |
| カナダ | カナダ-UAE CEPA | 交渉開始 | 2026年2月に第1回交渉ラウンド開始予定[visahq] | エネルギー、投資、サービス、輸出管理の整合 |
| インド | インド-複数国FTA | 交渉中 | インド政府が「進行中のFTA交渉」として列挙 | 対象が多いので品目別に優先度付け(EU/米/豪/NZ/韓/ペルー等) |
| EAEU | EAEU-モンゴル(暫定/一時協定) | 交渉開始 | 2024年5月8日に交渉開始をEECが公表 | 限定品目の関税撤廃・軽減、品目表と原産地運用 |
| 主体 | 案件 | 現状 | 直近のポイント | 実務で先にやること |
|---|---|---|---|---|
| EU-メルコスール | パートナーシップ協定+暫定貿易協定 | 署名・批准プロセス段階 | 2026年1月17日にパラグアイで署名[portugalglobal] | 影響品目(農産・自動車・化学)をHS別に棚卸し、ROO要件と証憑を先行設計 |
| EU-メキシコ | 近代化グローバル協定 | 交渉終結→採択/批准待ち | 2025年1月17日に交渉終結、2025年9月3日に署名・締結に向けた提案採択 | 既存協定との差分(関税/調達/原産地)をギャップ分析 |
| EU-インドネシア | CEPA/投資保護 | 交渉終結(2025年9月23日) | EUが「交渉を最終化」と公表 | 対象品目の関税スケジュール、パーム油等のセンシティブ領域、原産地手当 |
| EU-シンガポール | デジタル貿易協定(DTA) | 署名済み・発効待ち | 2025年5月7日署名、双方の批准後に発効[eurocham.org] | 越境データ、電子契約/署名、ソースコード等の条項を社内規程に反映 |
| EU-チリ | 暫定貿易協定(ITA)+枠組み協定(AFA) | ITAは発効、AFAは批准待ち | ITAは2025年2月1日発効、AFAは加盟国批准待ち | ITAで使える特恵の適用開始(CO/ROO手順)を先に運用化 |
| EFTA-メルコスール | FTA | 署名済み・発効待ち | 2025年9月16日署名、発効は未了 | 欧州向け(EFTA4国)輸出のROO・証明書式を事前準備 |
| 英国-インド | 貿易協定 | 署名済み・発効待ち | 英政府が「署名済み未発効」に整理 | 英向け・印向けの関税削減表と原産地証明の運用設計 |
| EAEU-インドネシア | FTA | 署名済み・発効待ち | 2025年12月21日署名とEECが公表[global-scm] | EAEU向け(180百万人市場)で、対象関税ライン・ROOの事前検証 |
| EAEU-イラン | FTA | 発効済み(2025年5月15日) | 90%程度の品目を対象とする旨の説明 | 既存取引がある企業は、適用開始済みとして遡及・証憑整備を確認 |
| 区分 | 案件 | 現状 | 根拠(一次情報) | 実務の意味合い |
|---|---|---|---|---|
| メガFTAの参加 | CPTPP:コスタリカ | 参加作業部会で協議継続 | 作業部会設置の決定文書 | 加盟時にROO累積と関税削減の適用範囲が広がる可能性 |
| メガFTAの参加 | CPTPP:ウルグアイ | 参加作業部会を設置しプロセス開始 | 2025年11月に公式決定[dfat.gov] | 中南米サプライチェーンに波及 |
| メガFTAの参加 | CPTPP:2026年に開始し得る候補 | UAE、フィリピン、インドネシア(条件付き) | 共同閣僚声明等で明示 | 中東・ASEANの累積設計が変わる。輸出入双方で影響 |
| メガFTAの参加 | CPTPP:その他申請国 | 中国、エクアドル、台湾、ウクライナ等の申請があるとの整理 | 英議会資料に申請国一覧 | 地政学リスクも含め、採否でサプライチェーン戦略が変動 |
| メガFTAの参加 | RCEP:参加打診 | 香港、スリランカ、チリ、バングラデシュ等が参加を模索 | 2025年9月のASEAN経済閣僚会合で言及[thestar.com] | 累積原産地の範囲拡大や品目別関税の再計算が必要になる可能性 |
| 共同研究 | 日イスラエルEPA | 可能性検討の共同研究実施中[arabnews] | METIが共同研究実施を掲載 | 交渉入り前でも、想定論点(デジタル・投資)を先読み可能 |
| アフリカ域内 | AfCFTA:追加議定書・附属書 | デジタル貿易等の議定書採択後、附属書などの作業が残る | AU関連資料で採択・交渉アジェンダに言及 | アフリカ向け取引は、関税だけでなくデジタル/規制面が段階的に整備される |
| 主体 | 案件 | 現状 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 日韓EPA、日加EPA | 中断 | 外務省が「In Suspension」として掲載 |
| EU | EU-GCC(国別)など | 長期停止の案件がEU一覧に整理 | バーレーン等は2008年以降停止など |
交渉中の協定では、関税率そのものよりも、原産地規則と証明運用の変化が実務コストに直結します。特に、累積(域内累積・二国間累積)、デミニミス、CTCの粒度、自己申告の可否、電子CO/データ交換などが重要です。EUや日本の公式一覧を定点観測することで、早期に対応できます。
EU-メルコスール、EU-メキシコ、EU-インドネシアなどは、交渉終結済みとしてEUが整理しており、発効準備(HS別影響分析、ROO証憑、サプライヤー宣誓取得)を先に進める価値があります。[reuters]
CPTPPは、コスタリカ・ウルグアイの作業部会に加え、2026年に開始し得る候補が共同声明等で明記されています。採否が不確実でも、候補国が自社のサプライチェーンに含まれる場合は、優先的に監視すべきです。[gub]
一次ソース参照先
本日届いたメール「Key Updates on HS 2028 and Classification」は、通関担当者だけが読む情報ではありません。HS改正は、関税コストやEPA・FTAの原産地判定、輸出入規制、社内マスタやBIの集計軸まで、企業の意思決定に直結する基盤データの更新です。特にHSの改正は、現場が気づいた時にはシステム改修やデータ整備が間に合わず、誤申告やコスト増に繋がるケースが起きやすいテーマです。
この記事では、メールの要点を踏まえつつ、HS2028の背景、企業に起こる現実的な影響、そして今から取るべき準備を、経営・事業サイドの視点で整理します。根拠は一次情報を優先し、公式発表を中心に組み立てます。wcoomd

メールの短い文面を、ビジネス視点で言い換えるとポイントは次の3つです。
WCOの第75回HS委員会は、2025年3月にHS2028改正勧告(Article 16 Recommendation)を暫定採択しました。 この勧告は2025年末に正式採択され、2026年1月に公表、2028年1月1日に発効する予定です。 つまり、企業に残された時間は「まだ2年ある」ではなく、「本格対応のための猶予が実質2年しかない」という意味です。strtrade+1
メールが示唆する「HS2022→HS2028のマッピング開始」は、単なるコード置換ではありません。多くの場合、旧コード1つが新コード複数に分岐したり、統合されたりします。結果として、商品マスタ、BOM、購買カテゴリ、輸出入統計の集計軸まで影響します。WCOのHS委員会第76回会合(2025年9月)では、HS2022とHS2028の相関表(Correlation Tables)の作成に着手し、改善された形式を採用することで明確性と使いやすさを高める方針が示されました。customsmanager+1
HSは世界共通の6桁ですが、各国はその先の桁で自国の関税率表や統計品目表を作ります。したがって、企業にとっての本番は「自社が輸出入する国で、いつ、どのように関税率表や規制が改正されるか」です。米国ではUSITCが2025年8月にHTS改正のための調査(Investigation No. 1205-032)を開始し、2026年2月に予備案を公表、2026年9月に大統領へ報告する予定です。 これは、主要国がすでに国内実装に動き出していることを示す分かりやすい例です。usitc+1
意思決定で重要なのは、社内の工程表に落とせる形で公式の流れを押さえることです。
2025年3月
WCOのHS委員会第75回会合がHS2028改正勧告(Article 16 Recommendation)を暫定採択しました。 改正パッケージは299セットの改正で構成されています。aeb+2
2025年6月
WCO理事会がHS2028改正案を採択し、HS条約締約国に回付しました。 締約国は6か月の留保期間中に異議を提起できます。tarifftel
2025年12月末
正式採択の予定です。wcoomd+1
2026年1月
HS2028勧告が公表されます。 これが企業にとって全体像を把握できる最初のタイミングです。strtrade+2
2028年1月1日
HS2028が発効し、各国の関税率表・統計品目表が順次HS2028ベースへ切替わります。tarifftel+2
このスケジュールを見ると、企業が主導できる余地が大きいのは2026年から2027年にかけてです。ここでマスタ整備と影響分析を終えておかないと、2028年直前は各国の実装情報が押し寄せ、火消し型の対応になりがちです。
HSは6桁の国際共通コードで、各国・地域はこれに独自の枝番を付けて関税率表や統計品目表を運用しています。EUでは、HS6桁を土台に8桁のCN(Combined Nomenclature)が構成され、通関や統計に使われます。 つまり、国際共通部分(最初の6桁)が動くと、その上に乗る各国の体系が連鎖的に動きます。siccode
ビジネスに効くポイントは次の通りです。
HS2028の改正は、単なる整理ではなく「政策目的を持ったアップデート」です。299セットの改正は、貿易パターンの変化、新技術の登場、そして社会・環境・安全保障上の要請に対応するためです。 具体例として、プラスチック廃棄物、ワクチン等の健康関連品目、農業分野で重要度が増した品目群、食品強化用のミックス、食品サプリメント、eバイク、半導体やトランスデューサ、清掃ロボット、ドローンなど、新製品・市場変化を踏まえた分類の整合が含まれます。aeb+2
この点は経営層にとって重要です。なぜならHS改正は、次のような企業リスクを「構造的に増やす」からです。
メール題名にあるClassificationは、単にHS改正だけでなく、日々積み上がる分類判断(分類裁定、分類意見、解説書の改正など)も含むと捉えるのが実務的です。
WCOのHS委員会は、HSの統一的解釈のために分類判断や解説の改正を継続的に行っています。第75回会合では105件の改正案、5件の解説注改正を採択し、第76回会合(2025年9月)では40件の分類決定を採択、21件の新規分類意見を作成し、2件の既存意見を削除しました。 また、HS2028とHS2022の相関表の議論も開始されています。wcoomd+2
ここから導ける実務の教訓は明確です。分類は一度決めて終わりではなく、制度側の判断が積み重なっていく領域です。HS2028の大改正は、その積み重ねが一気に体系変更として表面化するイベントだと言えます。
HS改正は通関や貿易管理の話に見えますが、事業PLの要素に分解すると、経営会議で議論しやすくなります。
HSコードが変われば、各国の関税率表で適用税率が変わる可能性があります。税率が同じでも、追加要件(統計単位、特別措置、規制コード付与など)が付くことがあります。国別の実装が確定するまで見通しは立ちにくいので、影響が大きい品目から順にシナリオ分析するのが現実的です。usitc
多くの協定では関税分類(項、号など)を使って原産地規則を定義します。HSが改正されると、ルールの適用解釈や、協定側の改訂・経過措置が論点になります。調達や生産設計の意思決定に影響するため、貿易管理部門だけに閉じない論点です。
HSコードが規制の入口になっているケースは少なくありません。分類の精度がコンプライアンスの前提になります。
HSを商品分類のキーとして社内集計に流用している企業は多いはずです。HS変更は、経営ダッシュボードの前年対比や市場シェア分析の連続性を壊し得ます。ここは財務・経営企画が早めに関与すべき領域です。
関税コストが変われば、価格改定や契約条項(関税負担、価格改定条項、長期契約の見直し)に波及します。特にBtoBで長期契約が多い業界は、HS改正が「誰が追加コストを負担するか」の交渉材料になります。
ここからが本題です。HS2028対応は、プロジェクトとして切り出すと成功確率が上がります。おすすめは次の6ステップです。
コードだけを並べても、変更時に判断が揺れます。製品仕様、用途、材質、機能、構造、技術資料など、分類根拠の証跡を揃えます。
相関表を使う場合でも、単純な置換ではなく、分岐・統合の扱いが肝になります。WCO側でも相関表は重要な実装ツールとして議論されています。 社内では「自社の品目がどの分岐に該当するか」を決める必要があります。customsmanager+1
HSは各国で枝番と税率が付くため、国別ウォッチが必要です。特に輸出入量が多い国は、官報、税関告示、関税率表改正、関連機関のパブコメなどを定常監視に入れます。米国向け取引がある場合、USITCのHTS改正プロセスのように、ドラフトが公表されるタイミングを先に工程表へ入れられます。starusa+1
HSの年版(例:HS2022、HS2028)と適用期間をデータ項目として持ち、いつの時点でどのHS体系を使ったのかを追える設計にします。ここを曖昧にすると、監査対応とBIの整合が崩れます。
通関業者、フォワーダー、海外子会社、主要サプライヤーに対し、いつから何を切り替えるかを共有します。データ連携をしている場合は、マッピングテーブルの配布・受領、テスト計画まで含めます。
現場任せにすると、進捗が見えません。次の指標は、経営側でもモニタリングしやすいです。
HS2028は大きな節目ですが、そこがゴールではありません。WCOは継続的にHSの解釈と適用の統一を推進しており、今後も定期的な改正サイクルが続きます。 つまり、企業としては「改正のたびに頑張る」のではなく、「改正に強い運用能力」を作ることが投資対効果の高い戦略になります。wcoomd+1
HSは通関のための番号に見えて、実態は利益管理と規制対応の共通キーです。今日のメールをきっかけに、2028年の切替を、リスク回避だけでなく、データ基盤整備と意思決定スピード向上の機会として設計していくのが得策です。
HS2028で影響が出そうな項目がいくつかあります。
それらを項目別に整理して、説明をしていきたいと思います。
・今回ではなく次回以降
・HSコード専用のブログでご案内します。
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HSコードの知識とAIによるHSコード・ファインダー (HSCF)

また、これらを簡単にまとめたセミナーを行う予定にしています。ぜひご参加ください。
メキシコ向けサプライチェーンの実務を、制度変更で崩さないために
メキシコで繊維・アパレルの製造や輸出入を行う企業にとって、IMMEXとPROSECはコスト構造を決める中核制度です。ところが2024年末以降、繊維・アパレル分野を名指しする形で、関税(IGI)の一時引き上げと、IMMEXによる完成品の一部取扱い制限が制度として明文化され、運用設計を更新しないと、輸入可否や納期、原価、監査対応に連鎖的な影響が出やすい環境に変わりました。
本稿では、繊維分野の現場で起きやすい論点に絞り、何が変わり、何を更新すべきかを、ビジネス判断に落ちる形で整理します。

制度名はセットで語られがちですが、目的と効き方は別物です。誤解したまま設計すると、制度の「穴」ではなく「地雷」を踏みます。
IMMEXは、輸出を前提にメキシコ国内で製造やサービス提供を行う企業に対し、原材料や部材などの投入物を関税負担を抑えて受け入れやすくする枠組みとして説明されます。運用の肝は、輸入したものを適正用途に使い、所定の期限内に戻す(輸出やリターン等で整理する)ことです。
そして、制度は近年「使い方」を強く問う方向へ動いています。完成品を入れて国内に滞留させるような運用が問題視され、IMMEXの取消しや取締りが実際に公表されています。
PROSEC(セクター別振興プログラム)は、指定セクターの生産者が、特定の原材料・中間材・機械等を輸入する際のIGIを優遇する制度です。PROSECには「繊維・アパレル」セクターが明記されており、繊維関連の品目が対象に含まれます。
重要なのは、PROSECはIMMEXの代替ではないという点です。IMMEXが「輸出加工のための一時輸入」を軸に設計されるのに対し、PROSECは「対象品目の輸入関税率そのものを低くする」設計です。国内販売を含むビジネスでも使われる余地があり、逆に言えば、IMMEXで通らなくなった領域をPROSECで置き換える発想は、ケースによっては有効ですが、制度目的と輸入形態(暫定か確定か)を揃えないと成立しません。
ここからが本題です。現場の設計を変えるべき「制度の変化」を、繊維分野に絞って押さえます。
2024年12月19日付の政令で、繊維・アパレル分野に対して次の方針が示されています。
制度文面には、輸入と輸出(リターン)の数量ギャップが記載されており、運用実態を根拠に「戻っていない」ことが問題視されている点が読み取れます。
つまり、繊維分野のIMMEXは、単なる書類整合ではなく、実際のフローとして「投入して、加工して、戻す」を裏付けられる運用へ戻すことが求められていると理解すべきです。
ビジネス上の含意はシンプルです。
完成品寄りの輸入をIMMEXに寄せていた企業ほど、調達形態の見直しが必要になり、見直しが間に合わないと「輸入できない」「輸入できても原価が跳ねる」「監査で説明が破綻する」のいずれかが起きやすくなります。
PROSEC側も動いています。2024年8月の改正では、繊維・アパレル産業(セクターXX)に関連する品目として、高強力ポリエステル糸などに関する関税分類が追加されています。
これは「関税優遇の対象が、川上の素材や工業用テキスタイルへ拡張・調整されている」ことを示唆します。繊維分野の競争力や供給網の強化を狙う政策の流れとして、原材料や中間材に寄せた投資判断と相性が良い一方、完成品の輸入を薄利で回すモデルとは、制度設計の方向がズレていきます。
2025年8月の改正では、完成品の靴(章64の一部)がAnexo Iに追加され、IMMEXでの一時輸入ができない品目が拡大しました。
靴は繊維そのものではありませんが、「完成品の一時輸入を通じた国内滞留」に対して、制度側が対象品目を広げながら抑えにいく流れが読み取れます。繊維・アパレル企業としては、章61〜63に限らず、完成品扱いされる境界領域の品目でも、同様の視点で見られると考えて運用を固めるのが安全です。
制度の変更点を知っても、運用に落ちていなければ意味がありません。ここでは、繊維分野の企業が更新すべき論点を、失敗パターンから逆算してまとめます。
2024年12月の政令は、完成品として扱われる領域と、裁断生地として扱われる領域を明確に意識した書きぶりです。
このため、次のようなズレが致命傷になりやすくなります。
・実物はほぼ完成品なのに、社内マスター上は中間材扱い
・原産地表示、ラベル付け、梱包形態が完成品寄りで、説明が通りにくい
・輸出側の品目(完成品)と輸入側の品目(中間材)の紐付けが弱く、戻した証明ができない
対応は、単にHSコードを見直すだけでは不十分です。
品目定義、検品基準、ラベル工程、梱包仕様、輸出時の品目マスターを含めて「完成品扱いされる要素」を潰し込み、税関や監査に耐える説明線を作る必要があります。
完成品に近いものをIMMEXで回していた企業は、モデルを2つに分けて考えると整理が速いです。
・輸出向け加工モデル
原材料や中間材を輸入し、メキシコで工程価値を乗せ、輸出でクローズする。IMMEXと相性が良い。
・国内販売も見据えた製造モデル
国内向けの確定輸入が避けられない場合、PROSECでIGIを抑えられる余地がある。PROSECの繊維セクターには対象品目が明記されており、品目更新も進んでいる。
この切り分けが曖昧なまま、現場が同じ品目を同じ手順で処理し続けると、輸入形態の不整合が起き、結果として関税・IVA・監査対応の三重苦を招きます。
メキシコでは輸入者としての登録(Padrón)が前提になります。SATの案内では、RFCが有効であること、e.firmaが有効であること、税務義務の履行状況が良好であること、住所が確認可能であること等が要件として示されています。
さらに、特定品目ではセクター別登録が必要になり、繊維・アパレルはSector 11に該当します。
ここで重要なのは、登録そのものよりも、登録維持の前提条件です。
税務のステータスや住所の状態は、制度側が自動チェックしやすい領域で、IMMEX側の要件とも連動しているため、輸入手続き以前に崩れていると、現場はどうにもなりません。
繊維・アパレルでは、自動輸入許可が絡む場面が出ます。公開されている手続情報では、次が重要ポイントです。
・許可の有効期間は60日で、内容変更はできない
・申請時に商業インボイスの写しとスペイン語訳の添付が必要
・海上港を通す場合、手続上追加書類(輸出書類)とスペイン語訳が求められる
・原則として、関税分類、品名、単価、原産国などの条件ごとに許可が必要
・申請自体はデジタル窓口で処理され、発行後、一定の営業日経過後に有効となる旨が示されている
・許可情報とインボイス等の記載が不一致だと無効になり得る
つまり、自動許可は「申請して終わり」ではなく、見積や発注の段階で、単価・原産国・品名・分類が固まっていないと、運用が詰みます。
実務設計としては、営業が値決めをした後に貿易が慌てるのではなく、
品目マスターと見積条件を連動させ、変更が起きたら許可も取り直す前提で、リードタイムを最初から織り込むのが現実的です。
なお、VUCEMの手続マニュアルでも、申請のステップや添付書類をPDFで提出する流れが示されています。申請の属人化を防ぐため、社内手順書の更新対象にする価値があります。
IMMEXは、在庫管理と証跡が崩れた瞬間に、制度メリットが裏返ります。
・年次報告
IMMEX保有企業は、売上や輸出実績等の年次報告を電子的に提出する義務があり、提出遅延は制度上の停止につながり得ることが明記されています。
・要件維持
e.firma、RFC、住所、税務上のリスト該当有無、納税状況など、制度側が求める前提条件が列挙されており、これを落とすと止まる構造です。
・在庫管理システム(Anexo 24)
特定の認証企業では、輸入・輸出等の情報を48時間以内に更新し、当局がオンラインでアクセスできるようにし、ユーザー名とパスワードを当局へ提供する旨が明記されています。
そして、取締りの動きも現実に進んでいます。公式発表の中で、制度を悪用して完成品を国内販売している疑いを理由に、IMMEXの取消しを進めている旨が示されています。
繊維分野の運用更新とは、要するに次の問いに答えられる状態を作ることです。
何を入れ、どの工程で付加価値をつけ、いつ、どの形で戻したのか。
この一本線を、品目・数量・単価・原産国・許可情報まで含めて説明できるかどうかが勝負になります。
最後に、実務に落とすための手順を、社内プロジェクトとして回しやすい形にまとめます。
・自社が扱う全品目を、章61〜63や関連する寝具類の領域に照らして棚卸しする
・完成品寄りの輸入がないか、輸入形態(暫定か確定か)と用途を再確認する
・輸出でクローズできない品目がある場合、制度設計(モデル分離)を検討する
・Padrón登録の前提条件(RFC、e.firma、納税状況、住所)を点検する
・繊維・アパレルに該当する場合、Sector 11の要件を確認し、必要書類と責任部署を決める
・自動輸入許可が必要な品目について、インボイス、スペイン語訳、原産国、単価、品名をマスター化する
・見積条件の変更が許可の再取得につながる前提で、営業と貿易のハンドオフを作り直す
・Anexo 24の更新時間、オンラインアクセス、当局対応の手順を、ITと貿易で共通理解にする
・年次報告の締切(社内締切を前倒し)と、要件維持(税務ステータス)の定期チェックをカレンダー化する
繊維分野のIMMEX/PROSEC運用更新は、制度の要約を覚えることではありません。
完成品と中間材の境界、許可と見積条件の同期、輸入と輸出の紐付け、年次報告と在庫管理の証跡。これらを一本線でつなぐ「運用の設計図」を更新することです。
制度変更はコスト要因にもリスク要因にもなりますが、逆に言えば、先に運用を更新した企業ほど、納期の読みと原価の安定を取り戻しやすくなります。メキシコの繊維ビジネスを続けるなら、いまは制度対応を「一回限りの対応」ではなく、運用の常態に組み込むタイミングです。
「これほどの成果が出るとは」 クライアント様から頂いたその言葉が、これまでの努力を最高の喜びに変えてくれました。
昨年度のFTA-BPO年次評価(FTA-BPOとは、FTA業務の一括アウトソーシング事業)。そこで明かされた数値は、私たちがいただいた報酬を遥かに凌駕する「巨額の関税削減」という明確なリターンでした。 FTA活用における商品の選定はクライアント様のご判断によるものですが、その意思決定を支え、実務を完遂させた私たちのチームワークが、大きなインパクトを生んだことは間違いありません。
意識の高い担当者様と共に、「さらに上へ」を目指す体制づくりがすでに始まっています。日本を代表する大企業のなかで、私たちの取り組みが「理想的な成功事例」として波及していく——。 この高揚感を原動力に、私たちはFTAの可能性を信じ、更なる高みへと挑み続けます。
ロジスティックのFTAにおけるアウトソーシングビジネス、ご関心のある方はご連絡ください。
EU-メルコスール協定は、「何が合意されたか」以上に、「いつ・どの範囲が・どの手続で動き出すか」を押さえることが実務の肝になります。nordiskpost+1
2026年1月9日、EU理事会は、EU-メルコスール・パートナーシップ協定(EMPA)と暫定貿易協定(iTA)の署名を承認し、手続きは署名・欧州議会同意・締結のフェーズへと進みました。europediplomatic+1
ビジネス側としては、正式発効まで数年単位の待ち時間が生じ得ることを前提に、「先に動く部分」と「EMPA全面発効まで動かない部分」を切り分けて準備するのが合理的です。policy.trade.europa+1
以下では、2026年1月14日を基準日として、制度構造と企業の実務アクションをセットで整理します。nordiskpost+1

EU-メルコスール協定パッケージは、法的に二つの文書に分かれて並走します。policy.trade.europa+1
この結果、
EU理事会は2026年1月9日、EMPAとiTAの署名を認める二つの決定を採択し、EU側として署名に進む権限付与が完了しました。lapresse+1
今後は、EUおよびメルコスール各国による署名、欧州議会の同意、EU理事会による正式な締結という順で進みます。policy.trade.europa+1
一方で、農業分野を中心に反発は根強く、特にフランスなどで大規模な抗議行動が継続しています。internazionale+1
こうした政治的摩擦は、欧州議会での同意や一部加盟国の批准プロセスに不確実性として跳ね返る可能性があります。reuters+1
以下は、政治合意から全面発効までの主なステップを、企業が見るべきポイントと合わせて整理し直したものです。europediplomatic+1
条約プロセスの用語は混同されやすいため、実務での意味合いに絞って整理します。policy.trade.europa+1
欧州議会は、協定テキストを細かく修正するのではなく、賛否の二択で同意を与えるかどうかを決めます。europediplomatic+1
反対票が多数となれば、EMPAだけでなくiTAも進まず、貿易部分全体が止まる結果となります。safefoodadvocacy+1
EU域内では、農業団体を中心に「安価な南米産品との不公正競争」「環境・衛生基準のギャップ」に対する懸念が強く、フランスなどで継続的な抗議行動が行われています。reuters+2
これらの反発は、加盟国政府のスタンスや欧州議会内の投票行動に影響を及ぼし得るため、政治的リスクとしてモニタリングが必要です。reuters+1
理事会や欧州委の説明では、敏感な農産品分野の市場攪乱に迅速対応できるよう、特別なセーフガード措置を含めることが政治的受容性を高める鍵とされています。safefoodadvocacy+1
企業としては、自社の取扱品が「敏感品目」やセーフガードの対象となり得るかを確認し、発動時の価格・数量リスクを契約条件に織り込む必要があります。edit.wti+1
批准待ちの期間を「待機時間」ではなく「設計時間」として前倒しで使うことが、実務上の勝ち筋になります。europediplomatic
特に、貿易分野がiTAで先行適用される設計である以上、関税よりも前に原産地規則・通関運用の設計を固めておくことが重要です。policy.trade.europa+1
迷ったときは、以下の三つに立ち返ると構造が把握しやすくなります。policy.trade.europa+1
本日、日本企業の方々へHSコード判定支援システム「HSCF」のデモンストレーションを実施しました。
複数部署から多くの方にご参加いただき、実際の案件を用いたトライアルの結果をご覧いただいたのですが、そこで改めて浮き彫りになったのは「HSコード判定の過酷さ」でした。
■ 現場の悩み:細かな「注釈」との格闘 お客様はこれまで、膨大な「類注・項注」を読み解きながら、パズルのような作業で答えを導き出されていました。「とにかくややこしくて大変……」という切実な声が印象的でした。
■ HSCFが提案する「新しい体験」 デモ中、提供いただいたデータだけでは情報が不足し、判定が難しい場面がありました。しかし、ここからがHSCFの真骨頂です。 不足していた情報を言葉でサッと補足するだけで、システムが即座に再判定。
HSCFは、単にデータを入力して結果を出すだけの「機械的なツール」ではありません。「足りない情報を補いながら、専門家に相談して正解に近づいていく」。そんな人間味のあるプロセスが、ユーザーの使いやすさに繋がっています。
■ 納得いくまで、何度でも伴走します HSCFはシステムの貸し出しを行っていない分、デモンストレーションは何度でも、納得いただけるまで実施します。
「自分たちの商材でも判定できるのか?」 少しでも気になったら、ぜひ一度HSCFのデモを体験してみてください。
HSCFのブログありますので、そちらもご覧下さい。
2026年8月3日から、日ペルーEPAに基づく第一種特定原産地証明書(CO)の発給は、専用紙からPDFファイルによる電子発給に切り替わります。meti+1
紙の原本がなくなる「だけ」に見えますが、実務のボトルネックは「輸出書類の必須項目を、誰が・いつ・どの根拠で確定させるか」という工程設計に移ります。jcci
結論から言うと、必須項目そのものは協定に付属するCO様式と記載要領で定義されており、PDF化によってフィールド構成が大きく変わるわけではありません。customs+1
一方で、PDF化により、これまで紙運用の中で吸収されていた誤記や手戻りが減り、入力品質がそのまま通関品質・原産地管理品質として露呈しやすくなります。
以下では、まず日付と対象範囲を整理したうえで、協定様式に沿って必須項目をフィールド単位で分解し、PDF化でミスが増えやすい箇所と、社内フロー再設計のポイントまで落とし込みます。meti+1
今回の切り替えで重要なのは、「出荷日」ではなく、発給審査システム上の「承認日」が紙とPDFの境目になる点です。jcci
COの必須項目は、協定の運用手続に付属する様式(見本)および記載要領で定義されており、PDF化によって項目自体が増減するわけではありません。acuerdoscomerciales+1
日ペルーEPAのCO様式も、Exporter、Producer、Importer、Shipment details、Description of goods/HS、Origin criterion、Quantity、Invoice、Remarks、署名欄等のフィールド構成は維持されます。mofa+1
ただし、PDF化は次の意味で「必須項目の重み」を変えます。
以下は、日ペルーEPAのCO様式・記載要領に沿って、実務上チェックすべき主なフィールドを整理したものです。acuerdoscomerciales+1
括弧内は、PDF化で特に増えやすいミスの傾向です。
これらのフィールド定義、HS6桁要件、インボイスおよび第三国インボイスの取扱い、遡及発給・再発給時の定型文言、署名・スタンプの電子印字容認といった点は、協定の運用手続および関連ガイダンスに明記されています。customs+3
特に、2026年7月末前後は「承認日」が紙・PDFの境目となるため、「7月末船積だから紙で間に合うはず」という感覚的な判断は危険です。jcci
承認までに必要な情報の確定時期を、営業・生産計画・通関担当間で明確にしておく必要があります。
社内だけで推測してルール化するのではなく、輸入者、現地通関業者、SUNATの運用に合わせて、
最後に、PDF化に向けて現場がそのまま使える形に落とし込んだ、社内フロー見直しの観点を整理します。jcci+1
これらはいずれも、HS6桁要件や品名記述の水準、第三国インボイス時の注記ルールとして、原産地証明関連のガイダンスに位置付けられている事項です。jcci+2
これらは、日本商工会議所のPDF発給案内に示された「ダウンロード提供」「窓口受渡し・郵送なし」「現金払い廃止」といった運用方針に対応した社内整備事項です。jcci+1
日ペルーEPAの第一種特定原産地証明書は、2026年8月3日からPDF発給へ切り替わり、専用紙での発給は2026年7月31日までに承認された申請分に限定されます。meti+1
紙の時代に現場で暗黙に吸収されていた誤記や手戻りは、PDF発給ではそのまま通関リスク・原産地否認リスクに直結するため、入力品質の管理がこれまで以上に重要になります。
必須項目は協定様式と記載要領で決まっていますので、Field 1~11を一つずつ根拠付きで再点検し、とくにField 4(船積情報)、Field 5(HS6桁+品名)、Field 8(インボイス)、Field 9(備考・注記)について、社内ルールとして突合・レビュー手順を明文化するのが最短ルートです。customs+2
本稿は、経済産業省・日本商工会議所などの公開情報および日ペルーEPA協定文書に基づく一般的な実務整理であり、個別案件における原産性の判断、証明書発給の可否、通関での取扱いを保証するものではありません。meti+2
具体的な案件については、輸入者側の通関実務を踏まえつつ、発給機関、通関業者、専門家等に確認の上で判断してください。
2026年8月3日から、日ペルーEPA(日本・ペルー経済連携協定)に基づく第一種特定原産地証明書(CO)は、専用紙での発給からPDFファイルでの発給に切り替わります。 経済産業省と日本商工会議所は、指定発給機関である日本商工会議所の発給審査システム上の「承認日」を基準に、紙・PDFの扱いを明確に整理しています。meti+1

ポイントは次の3点です。jcci+1
「7月末船積だから紙で間に合うはず」という感覚的な運用ではなく、「7月31日までに日商システム上で承認を取れるか」を基準に工程を組む必要があります。jcci
経済産業省は、EPAの利用拡大・利便性向上のため、指定発給機関による原産地証明書の電子化を順次進めています。 日ペルーEPAのCO電子化は、その一環として実施される施策であり、2026年8月3日以降、ペルー向けCOについてはPDFでの発給が標準となります。jaftas+1
他協定では、PDF発給だけでなく、日インドネシア・日タイEPAのように、税関間のデータ交換(いわゆるeCO)が導入されている案件もありますが、日ペルーEPAについては「eCOデータ連携」ではなく、CO様式をPDFファイルとして発給する方式である点を切り分けて理解すると整理しやすくなります。jaftas+1
日本商工会議所の案内によれば、発給審査が終了し、手数料の入金確認後に発給システム上のステータスが「交付済」となった時点で、利用者はシステムからCOのPDFファイルをダウンロードできます。 従来行われていた、商工会議所窓口での紙原本の受け渡しや、原産地証明書の郵送は行われなくなります。jcci+2
これまで「紙COを受領してから輸出書類一式を完成させる」フローだった企業ほど、社内手順書の更新と、ダウンロード・保管・対外送付の役割分担を明確にする必要があります。jcci+1
日商の案内では、原産地証明手数料の支払い方法として、窓口での現金支払いが廃止され、事前振込(クレジットカード決済、インターネットバンキング振込等)または後日払いに変更されるとされています。 発給システム上で「交付済」となる条件に入金の確認が含まれるため、支払いの遅れはそのままCOのダウンロード遅延につながる可能性があります。archive.jcci+2
経理・貿易実務・現場担当の間で、「どの支払方法を標準とするか」「締め日と申請タイミングをどう合わせるか」を事前に決めておくことが、通関スケジュールの安定化につながります。jcci+1
PDF発給への切替に伴う発給システムのプログラム改修・停止時期等の詳細は、日商から別途案内されることとされています。 移行直前期には、申請の集中とシステム停止が重なるリスクも想定されるため、7月下旬〜8月上旬に紙CO・PDF COいずれも必要となる案件については、余裕ある申請計画を立てておくことが安全です。archive.jcci+1
経済産業省と日本商工会議所は、ペルー側(SUNAT)での輸入申告時の提出方法について、「現地手続についてペルー税関に確認する必要がある」と明示しています。 とくに、次の点は取引先・現地通関業者によって運用が分かれ得るため、事前確認を怠るとトラブルにつながります。global-scm+2
この確認を後回しにすると、「L/C条件で紙の原本提出が要求されていた」「現地通関業者が紙提出前提の社内ルールを維持していた」といった理由で、船積後に書類要求が変わり、差し替えや追加送付が発生するリスクがあります。jetro+1
次の条件に当てはまる取引は、優先的に洗い出しておくとリスク管理しやすくなります。global-scm+1
判断基準は、「2026年7月31日までに発給審査で承認を得られるかどうか」であり、社内の申請締切日から逆算して、書類準備・支払手続を含む工程表を組むことが実務的です。jcci+1
PDF発給を前提に、少なくとも次の点を明文化しておくと、従来よりも早く・確実にCOを回せるようになります。jcci+1
物理的な郵送が不要になる分、電子送付のログ管理(いつ・誰に・どのファイルを送付したか)を残すルールも合わせて設計しておくと、監査・トラブル時の説明が容易になります。global-scm+1
現金払いの廃止に伴い、以下のような論点を社内で整理しておくことが望まれます。archive.jcci+1
これにより、「COは承認済だが入金が遅れてダウンロードできない」というボトルネックを避けやすくなります。jaftas+1
日ペルーEPAの特恵税率を適用するには、輸出者は指定発給機関である日本商工会議所に対し、日本原産品であることを示す資料を提出し、原産品判定を受けたうえで第一種特定原産地証明書の発給申請を行う必要があります。 CO自体は法的に絶対義務ではありませんが、特恵税率を利用するための証拠書類として、輸入側での申告に不可欠な位置づけとなります。jetro+2
初めて第一種特定原産地証明書の取得に取り組む企業では、事前登録や原産品判定に時間を要するケースもあるため、PDF切替とは別次元の準備リードタイムとして織り込んでおくことが重要です。epa-info+1
2026年8月3日から、日ペルーEPAのCOはPDF発給に切り替わり、2026年7月31日までに承認された分のみ専用紙での発給が可能であることが、経済産業省と日本商工会議所から明示されています。 7月31日以前に専用紙で発給されたCOは、協定上の有効期間内であれば、8月3日以降もペルー税関で受理されると案内されています。meti+2
一方で、PDFをペルー側でどのような形で提出するか(印刷要否・電子添付可否等)はSUNATや現地通関業者の実務に依存するため、取引先と事前に確認しておくことが、現場レベルでは最重要ポイントになります。 日本側社内では、PDFダウンロードを前提にした受領・保管・送付手順と、現金廃止後の支払フローを先に整備しておくことで、移行期のトラブルを抑えつつ、COのリードタイム短縮というメリットを享受しやすくなります。global-scm+2