AIによるHSコード符番GPTs

最近の投稿は、AIがらみばかりですいません。

作ったGPTsをHSコードのプロの方に使っていただきました。

判定が間違っている例を出していただき、感謝しています。

これからこのモデルに対してプロのご意見を伺ってチューニングしていきます。

ロジスティックのAI-powered HS Code Finder

ロジスティックのAIを使った、HSコード符番ツールを作成中であることをお話ししました。

企業が作るAIを用いたHSコード符番ツールは、

 ・ 企業の対象の材料、商品に限定

 ・ 企業の持つ情報を用いて、HSコードを符番

 ・ (多分)ピンポイントでHSコードを提示

するものであると感じています。

立場の違いがあるので、同じものを作ること、特にピンポイントでHSコードを特定するのは、初手では難しいと考えています。

私が作るのは、

 ・ 広くHSコードをカバー

 ・ 曖昧な検索から始まって、可能性のあるHSコードを提示。その妥当性もAIにより提示

 ・ より正しくHSコードを特定するためのポイントを提示

するものにしています。

例えば、「ガスケット」を調べると、現段階ではこのような答えを出します。

推定HSコード

4016.93 (加硫ゴム製ガスケット・ワッシャーその他のシール)

わかりやすい解説

  • 40類は「加硫ゴム製品」を扱います。
  • 4016項は「その他の製品(加硫したゴム(硬質ゴムを除く。)製)」で、その中の 4016.93号が “ガスケット、ワッシャーその他のシール” と明示されています。
  • 合成ゴム/天然ゴム、形状の違いを問わず、金属を含まない単一のゴム製ガスケットはここに分類されるのが原則です。
  • 実務上も、イソプレンゴム製やNBR製の円形フランジガスケットを 4016.93 へ分類した事例が示されています。

確からしさ(推定精度): 60 %

ご提示いただいた情報が「ガスケット」という一般名のみのため、材質・用途・構造が不明です。代表的なゴム製であれば上記コードである可能性が高いものの、次のような条件で別コードになる点にご留意ください。

主な材質・構造代表6桁HSコード補足
プラスチック(シリコーン樹脂など)3926.90“その他のプラスチック製品”として扱われた事例あり
金属単体(鉄鋼・銅等)でワッシャー形状7318.21(鉄鋼)7415.21(銅合金)座金(ワッシャー)として分類
金属+非金属の複合(メタルシート+非金属芯など)8484.10 / 8484.90金属と他材質の複合品やセット品は 84.84 項へ
アスベスト繊維を含むもの6812.99 など68類 “石綿製品”
未加硫ゴムシート状(加工途中)4008.21 など素材の段階であれば 40.08 項のシートに該当する例

次のステップ(精度を上げるために教えてほしいポイント)

  1. 材質:ゴム・プラスチック・金属・複合材 など
  2. 用途/機械名:自動車エンジン、配管フランジ、冷蔵庫用など
  3. 構造:単層? 金属シート+フィラー? セット販売か?

これらを教えていただければ、9桁統計番号まで含めてさらに的確なコードをご提案できます。

といった可能性を絞り込む答えを出してくれます。

問題はどの様に精度を上げるかですね。

使ってもらって、その精度を上げたいと思います。

FTAの原産地証明における商品のHSコード:日本商工会議所東京事務所の見解

最近、東京商工会議所への原産判定申請で、以下の見解をもらいました。

FTAの原産地証明の原産判定基準は商品のHSコード、取りわけ輸入税関のHSコードに依存します。

しかし、最近、東京商工会議所は「輸出時のHSコードは何番ですか」と聞いてきます。また、「通関士にこの商品のHSコードを確認してもらってください。」と言ってきます。このHSコードが輸入時と違う場合、輸出時のHSコードでも輸出時のHSコードは究極統計目的です。輸出時には余り真剣にHSコードの付番をしているとは言えません。それでもそのコードで証明をしなければなりません。

確かに、相手国でのHSコード判断には首をかしげる部分がたまにあります。しかし、それを主張されている以上、原産証明はそれで行わないと相手国で原産とは見なしてもらえません。それ故に原産地証明はこのHSコードで行います。

それに加えて、輸出時のHSコードが違った場合、それでも証明しなさい、なのですから、困惑します。証明をダブルでせよということです。

輸入税関でHSコードが違った場合、輸入者、そして輸出者が困ります。でも、企業の責任です。輸出時のHSコードでも原産性を確認するのは何のためなのか?

検認の際に違ったHSコードでも証明が成立していることを示すためなのでしょうか。仮に商工会議所が商品のHSコードに疑義を持った場合、それをストレートに言われるならまだしも、余り重要性をもっていない輸出時のHSコードの確認とそれでの証明にどんな意味があるのでしょうか。

検認時に起こりうることを考えるのですが、こういった対応をする必要性にまだ至っていません。

どなたか、ご意見を下さいませんか。

FTAの原産地証明、対応が間違っていませんか?

最近のFTA戦略的活用研究会でのやりとり、相談事を考えると違うのではないかと思うことが多くあります。現段階での私見を下記に書きますので、参考になればうれしいです。

FTAで輸入側での関税が減免される(可能性がある)ことがメリットですよね。それは、FTAがあれば何でも関税の減免が得られるということではなく、FTAの協定で定められた原産地規則を満たしている事で、その恩典が受けられるということです。

FTAを活用することで下がるコスト

輸入時の関税を減免する恩恵は輸入者に与えられますが、その条件がFTAの原産地規則に則って輸出側が原産地証明を行う事で得られる恩典です。そして一番大事なところですが、損をするのは関税が得られない輸入国です。

輸入国は何でもかんでも輸入したものの関税を減免することは避けたい。ですので、輸入品の原産性を確認する権利が与えられています。それを「検認」と言います。

FTA毎にその協定での原産地規則が決まっています。大筋は決まっているのですが、細部では違っていることが厄介です。

一般的な原産地規則は、以下の通りです。このスライドはかなり昔から使っているのですが、皆さんのご理解が進んでいない印象があります。伝える私の責任であります。

この3つを満たすことが、FTAでは必要となってきます。2は協定毎に地少し違っていることには気をつける必要があります。

これだと何を準備するのかわかりにくいので、私は作るべき資料を以下の様に示しています

赤枠の資料を、原産地規則に従って作成し、それを証拠書類としています。

後気をつけるのは、先に述べたFTAの違いで原産地規則の表記が違うため、対象の競艇を確認すべきです。原産地規則の章はさほどページは多くありません。横着せずに読むべきと思います。

自己証明などは別として、特にアジアの国に対してFTAを使う場合、日本商工会議所の原産判定が必要となります。

そのために、資料を作って提出するのですが、日本商工会議所が見ているのは右側の「原産地規則に基づき評価」の資料です。右側は要求されていないようです。(ただ、一部の商工会議所では提出を要求されることがあります)

まあ、右側でおおよそのことが分かります。原産判定に最終的な責任を持たない、チェック機能としての商工会議所であれば、件数も多いため、右側だけの対応となるでしょう。実際に聞いた話ですが、日本商工会議所のシステムでの提出書類の区分には、右の箱の文言は書かれますが、左側の文言は書かれていません。

であれば、右側だけでいいのだろうと思うでしょうが、私はそう思いません。

日本商工会議所が行う原産判定の際の資料提出と確認は、OKが出たとしても日本商工会議所がお墨付きを出したと言うことではありません。

過去を遡れば、証拠書類の提出はいまみたいに100%ではなく、ラフに計算してみた事があるのですが、20%程度でした。そこで経済産業省が、「証拠書類を全て見よ」という指示を出して、日本商工会議所も抵抗はしたのですが、押し切られた形で証拠書類の確認をするようになりました。

必要な書類を全て見るのではなく、必要最低限を見ているというのが私なりの解釈です

日本商工会議所のチェックは通って当たり前ですが、通ったから検認も問題ないということにはならないのです

原産地証明の際に、出来ればやらなくてもいい仕事は省きたいものです。サプライヤから情報(特に材料リスト)をもらって証明をする際に、私なら必ずもらったリスト(総部材表)にサプライヤの承認を示す印をもらいます。その情報の責任の所在を明らかにするためです。

が、「印がなくてもいいだろう」ということを言ったのかどうか分かりませんが、印がなくても済む対応を経済産業省の証拠書類の例示で示しました。

そのことは、なくてもいいのではなくて、検認が発生したときには、企業がそのリストの正しさを示すのですよという意味と理解しています。OKと言われたことは、後ほどその正しさを企業がちゃんと示さねばならないことであって、「楽ができた」ことにはならないと思っています。

先の図の左側の「総部材表」、「生産工程表」も要らないのではなく、聞かれたらちゃんと説明できるようにしてね、ということです。

最近はEUやRCEPの中韓からも検認が来るようになりました。当社が主催しているFTA戦略的活用研究会で定期的に「検認」のユーザー調査をすることになり、第1回を行いましたが、検認の際にかなり細かいことを聞かれるようになっています。

回答日数も少なく、検認は急に来ますから、受ける方はバタバタします。数年前の話ですので、資料を探すのも苦労することがあるようです。

原産判定をした時にちゃんと証拠書類を作っておいたらいいのにと思うのですが、人間の性でしょうか、とりあえず通したいのでしょうね。

そういった事例は他にもあります。

準備するのは大変だと言いますが、実際に原産地証明を代行で行っていて、大変だとは思いません。

関税の減免を受けるために、必要であれば、その原産性の正当性をちゃんと説明できるものをあらかじめ用意するのは当然です。

私は、日本商工会議所の原産判定の際には、先の資料を全て出します。商品の写真も添付します。その方が会議所の方も内容が分かっていただける。

サプライヤ証明も、証明書だけを付けるのではなく、当方で推定して証拠書類を作成し、サプライヤに修正確認をしてもらい、捺印をもらったものを提出しています。

商工会議所から指摘された記述もほとんどを取り入れて、記載しています。

結果としてよく理解していただき、かなりスムーズな申請が出来ていると思います。

CTCやVAだけを提出するよりは少し手間ですが、逆に手間をへらす工夫もかなり行っていますので、時間はさほどかかりません。

楽をすることで後で苦しみたくない。検認の際にはスムーズな対応が出来るようにして、突発的にやって来る検認対応で通常業務に支障が出ないようにしています。

多くのFTAが発行した数年前に比べて、FTA担当の人が入れ替わっている印象が強くあります。

当時はセミナーも多くあったために勉強する場がありました。また、FTAの書籍(当方も出版しています)を買い求めて勉強して対応する方も減りました。

企業の中で引き継ぎがされているのですが、基礎が分からず「とりあえずこうしておけ」的なことが多くあると最近の担当者から聞いています。

商工会議所の原産判定を通すという視点ではなく、原産性をちゃんと説明できる証拠書類を作成することを念頭に置いた対応をされた方がいいと思います。

輸出者が指定する商品のHSコード:本当に正しいの?

最近、代行で原産地証明書を作成する際に、商品のHSコードが(正直余りに)ひどいことがあります。

受ける側からすれば、顧客である輸出者、特に商社の主張するHSコードと違うHSコードで証明した場合、もし間違っていれば責任は受ける側にあり、少なくとも金銭的被害は補償しなくてはいけません。

だからといって、「これおかしいだろう」というHSコードで証明する事は、コンプラ上も問題があります。

先ずは輸出者にそのHSコードの正しさを確認してもらい、そのHSコードで証明するが、HSコードが間違っていた場合、非は証明者側にない事を納得してもらう必要があります。

違うHSコードを指定するのは、HSコードの知識がない事が大半でしょうが、意図的に関税が下がるHSコードにしている場合もあります。そういうものに加担するのは問題です。

輸出者が主張するHSコードに対して責任所在を明確にして、原産性の証明をした場合、日本商工会議所から、商品のHSコードの疑義をもらう事が多々あります。(まあ、日本商工会議所が疑義を持たれるのも当然ですが)

そこでの日本商工会議所とのやりとりも本当に面倒ですね。(それをしなければならない日本商工会議所の方、ご愁傷様です)

FTAにおける「生産」の定義

FTAにおいて、最終生産は原産地証明上重要な要素です。また、これは曖昧ではありますが、FTAの協定内に記載されています。

協定文を読むこと無く、自分の判断で生産と決めている方がたまにおられます。

検品とこん包をしているから、生産しているなど。

間違いのもとなので、正しい知識を身につけましょう。協定文を読むのも忘れずに。

第6回FTA原産地証明試験の解説動画をオープンしました

第6回FTA原産地証明試験の解説動画をオープンしました。

この解説動画は当日試験を受けた方にURLを記載したメールをお送りします。

復習にお役立てください。

第6回FTA原産地証明試験終了しました。

FTA戦略的活用研究会の第90回として行いました「第6回FTA原産地証明試験」、昨日終了しました。

20問の新作問題を30分で解いていただくもので、31名の方に受験頂きました。

試験結果は、合格点85点のところ、最高点は79点。合格まであと一歩でした。

また、平均点は今回はかなり低く37点。過去2回が50点だったので、少々難しかったと思います。

試験の後に、TSストラテジーの藤森さんから試験の解説を頂きました。

FTA戦略的活用研究会の恒例の懇親会も実施。20名の方にご参加頂きました。

第7回はもう少し先ですが、実施していきたいと思います。

今回の結果をバネにして、FTAの原産地証明知識・スキルを向上して頂けると幸です。

知識、スキルアップには弊社が用意していますFTA原産地証明Web学習ツールをぜひご活躍ください。

当日の写真がこちら

最近のとある商工会議所への原産判定申請が厳しくなった件

とある企業の原産地証明をお手伝いして感じるのはとある商工会議所への原産判定申請が簡単に通らなくなったこと。

問題点を指摘頂き、大変助かります。ただ、かなり厳しくなったなと感じています。

とあるお客様のところで証明を担当している人にその話をしたら共感を得た。この人はかなりの期間証明を行っていらっしゃるのですが、「最近時間がかかるようになりました。この前のものは1か月かかりました。」

厳しくチェックすることは商工会議所にもメリットばかりではない。摘まれている案件が山のようになるはずですね。

最近、検認が増えているために、チェックが厳しくなっているのでしょうか。