FTAの戦略的活用

最近の相談で増えてきたのはFTAの戦略的活用。

関税減免の効果をいかに輸出社側が獲得するか、FTAのメリットを得るためにサプライチェーンをどう変えるべきかなど、様々な要素があります。

鍵は経営陣の関与。それなかりせば、活用はおぼつきません。

その領域に踏み込もうとする企業が増えるのは私の本懐です。

FTAの影響がこんなところにも

私はセミナーのビデオを撮影し、YouTubeにあげることをしています。

通常はビデオカメラを使いますが、いかんせん運ぶのにかさばる。

そこで今はやりのアクションカメラに手を染めました。コンパクトでそれなりに映像が撮れるのですが、望遠がない。それ故に、セミナーのスライドをプロジェクタで投影したものをビデオで撮ろうとすると、なかなかうまく画角にはまらない。

最近は、カメラでもとてもいい映像が撮れるそうで、コンパクトカメラならばと探すのですが、撮影時間が30分で、セミナービデオには余りにも短すぎる。

なぜ、30分なのか。これはEUでカメラとビデオの境界線が30分だからだそうです。30分以上撮影ができるとビデオになるそうで、30分でビデオ撮影ができなくなるものがほとんどです。

しかし、それも変わってきました。日EU EPAで関税が無税になることから、カメラのビデオ扱いでも関税上問題が無くなり、この制限を破る商品が出てきました。

とても喜ばしいことです。

ただ、カメラで動画をとると、解像度によりカメラが熱を持って止まってしまうのですね。違う事件のチャレンジが必要なんだとよく分かりました。

このことが分かるのに、カメラだらけになってしまいましたが。

FTAにおける原産取り消し

とあるお客様から「原産性がないまま1年間特定原産地証明書を使っていたことが判明した。どうしたらいい?」

「私は経済産業省でも、商工会議所でもないので、商工会議所に言うかどうかは、御社次第としか言いようがありませんね。」「どうしたいですか」

「正直に伝えたい。払う関税額も大きくないし」

原産地規則を違うものを適用する事で実質的に原産であることを言えればいいのですが、どうやら日本でないところで生産しているようです。

この会社は商社で、多くの商品を原産地証明付きで輸出しています。

少し前は、原産取り消しがあるとその商品が記載された原産地証明書の他の商品の原産性の確認が要求されたのですが、最近はそれはなく、対象産品の原産性だけのようです。

ただ、輸入国が原産取り消し産品が記載されている証明書全部を原産否認する事があるようです。堂々と意義を唱え、対象品だけとなるように対応して下さい。
原産性をしっかり証明すると同時に定期的に原産性を確認することがなにより肝心です。

VAでの原産証明における証拠書類

商工会議所の指摘でなるほどと思ったことを一つ。

エクセルシートなどでVAの計算書を作る人が多いと思いますが、小数点などが四捨五入されて自動合計されますね。

表面的な数字を足すと、エクセルでの合計と違うことがあります。

0.3+0.3+0.3

整数だけを見せるエクセルだと

0+0+0=1

になりますね。合計が0.9なので1が合計に記されます。

ですが、資料を見る側からすれば合計は0になるはず。

この点を指摘され、合計は、見えている数値を別途合計して記すように指導されました。

若いコンサルタントが不用意にワークシートの結果を見せ、内部で指摘される基本的なところです。

考えなしに計算シートを使ってはいけないという例です。

気をつけましょう。

最近、FTA利用においてHSコードが輸入国で否認されることが続きました

コンサルティングの中で、必ず伝えるのは、輸出商品のHSコードは輸入税関で必ず確認する様にということ。

極々当たり前のことなのですが、輸入者が確認できていないのか、違うHSコードを輸入国税関で言われて、再取得するケースを多く経験しています。

ちゃんと対応してもらえていれば問題のないことなのですが、

「HSが違いましたので、違うHSコードで証明お願いしまーす」という風に考えるようです。

対象の商品の特定原産地証明書で通関ができなかったわけですから、その原産地証明書は、発給した商工会議所に返すこと、違う原産判定を取り下げること、その後に、改めて「正しい」HSコードで照明を取り直すことになります。

面倒ですので、商品のHSコードは輸入税関の指定するもので原産照明を行ってください。

日米貿易協定の合意が発表されました

日米貿易協定の合意が日米両政府から発表されました。

かなり無茶なスケジュールで、ご担当の人は不眠不休のご努力をされ、ここに至ったと思います。

印象ですが、FTAとしてみれば失敗作。自動車の関税上昇を防いだと考えれば、合格なのではないでしょうか。

FTAとは呼べず、WTO協定違反とも言われています。

メリットのある産業はあるので、当社としても追いかけて行って、まずは、「協定を読み解く」冊子のシリーズに送球に加えたいと思います。

 

RCEPとインド

第37回FTA戦略的活用研究会でも話がありましたが、最終的な合意を迎えるのにどうやらやはりインドが障害になっているようです。

RCEPには中国も入っています。インドの一番の懸念は中国からの輸入が増え、輸入での赤字が拡大すること。かと言って、おいしいところだけを取ることは出来ません。

最近のインドの新聞では、即時撤廃率がインドで28%位。守りたいところですが、それは度の国も同じ事。特に中国はアメリカとの関係もあり、自由貿易の枠組はアジアで担保したいところです。

インドがネックで年内大筋合意が出来ない可能性もあり、前から言われていたことですが、「インドをRCEPから除外するのも仕方なし」という空気があるとのこと。

インド側も仲間はずれは嫌ですが、中国との貿易赤字も大きな問題。

そこで、ASEANや日本、韓国とのCEPAのアップグレードを画策しています。中国を除いて同等の成果が個別FTAで出れば、インドはRCEPに拘る必要がないので。

今後の交渉が楽しみです。

昨今のFTA原産地証明担当者の苦悩

お盆も終わり、皆さんも仕事を始められたかと思います。

当方は、手が付いていなかった、以下の本の作成を終えました。

  • HS2012
  • 日スイスEPA
  • 日チリEPA

既存FTAでは、ペルー、ブルネイ、モンゴルを残すのみとなりました。

また、EPAデスクでの対面相談が今日あります。

その中で、「今までの証明パターンで日本商工会議所はOKだったのに、厳しくなってダメだと言われた。何が悪いのか。」という相談がありました。

担当者が直さなければならない点も確かにありましたが、「厳しくなった」でダメになっている部分も確かにあり、「それでは今までの証明はダメなのか」という問いに答えられていません。

もう少し、明示的にしないと、税務調査的なもののようになっていますね。

【コンサルタントの独り言】RCEPでは自己証明がやはり導入されそうだ

以下は、私の独り言。何の責任も持ちません。

毎日、FTA関連の情報を探してタイトルを弊社HPでアップしている。

その中にアジアの新聞がRCEPの原産地証明で自己証明が導入されるだろうとの情報が出ていた。ほぼ決定事項としての記事があった。

日本の省庁はすべてが決まるまで、口外しない。

ただ、日本以外から情報が出てくることもある。今回の自己証明の件もそうなのだろう。

RCEPでの自己証明はEU型か、TPP型か。どちらにしても、その対応策を今後考えていこう。

社内向けのFTAに関する講演を行いました。そこでの営業からの質問が、心からの叫びでした。

本日、とある自動車関連部品の大きな生産者にFTAに関しての講演を行いました。

内部データも頂戴して、会社の問題も理解した上で、企業が何をすべきかをお話ししました。

本部長も参加され。合計で60名の講演でした。

終わった時に。営業の部長からの質問。「サプライヤー証明は断ったらダメなのか。」

馬鹿な質問に思えるかもしれませんが。アセンブリメーカーから三桁単位でサプライヤー証明を短期間に要請されれば。嫌になります。会社もとても対応できません。

今日の講演ではその対処法を話しました。

いい解決策をこの企業が取れればいいですね。