RCEPとAJCEPのBack-to-Back CO比較

**最大の違いは「日本の発給機関(日本商工会議所)が対応しているかどうか」**です 。日本商工会議所はAJCEPのBack-to-Back CO発給を行わないのに対し、RCEPでは発給しています 。jaftas+1


根本的な差異:日本側の発給対応

AJCEPでは、日本国内で「中継国として原産資格が変更されていないことを確認する方法が困難」という実務上の理由から、現時点では日本商工会議所がAJCEPのBack-to-Back COを発給しないと公式に決定されています 。これは協定上認められていても運用上発給しないという判断であり、日本が中継国になる三国間取引ではAJCEPが使えないことを意味します。[jcci.or]​

一方RCEPは、日本商工会議所がBack-to-Back COの発給に対応しており 、シンガポール税関も「日本からの輸出COに基づいてBack-to-Back COを発給できる」と明示しています 。tokushuko+1


主要項目の比較表

比較項目AJCEP(Form AJ)RCEP
根拠条文Annex 4 OCP Rule 3(4) [jcci.or]​第3.19条 [tokushuko.or]​
日本商工会議所の発給不可(公式決定)[jcci.or]​ jaftas+1
日本が中継国の場合実質不可 [jcci.or]​対応可 [tokushuko.or]​
締約国の範囲日本+ASEAN10か国(11か国)[customs.go]​日本・ASEAN10か国・中国・韓国・豪州・NZ(15か国)[tokushuko.or]​
自己証明(認定輸出者)国によって未整備 [global-scm]​認定輸出者制度あり(日本では経済産業大臣認定)[jetro.go]​
発給様式Form AJ(Box 13にチェック)[damvietxnk.weebly]​締約国が決定する様式・英語作成 [tokushuko.or]​
有効期間発給日から12か月 [global-scm]​発給日から1年間 [tokushuko.or]​
遡及発給との組み合わせ遡及発給COを元COとして使用可 [global-scm]​船積後1年以内に遡及発給可・Back-to-Back COとの組み合わせ可 [tokushuko.or]​
税関管理下の要否原則として管理下での確認が必要 [global-scm]​税関管理下にあるか否かを問わない(ただし検認対象)[tokushuko.or]​
インドネシアでの受理シンガポール発行分の拒否事例あり [jmcti]​RCEPで別途確認が必要
中国・韓国との取引対象外対象(RCEPの強み) [bakermckenzie.co]​

RCEPの「税関管理下を問わない」規定の重要性

ATIGAやAJCEPでは中継国での貨物管理が**「税関管理下にあること」を実質的な前提としており、一般倉庫に搬入した後の非加工確認が困難になる問題がありました 。RCEPはこの制限を「税関管理下か否かを問わない」**と緩和しており 、工場や民間倉庫に入庫した貨物に対してもBack-to-Back COの申請が理論上可能です。ただし検認の対象にはなるため、証跡管理の重要性は変わりません 。jetro.go+1


協定選択の実務的判断フロー

三国間取引のBack-to-Back COを検討する場合

├─ 日本が中継国か?
│ YES → RCEP一択(AJCEPは日本JCCI発給不可)[web:152]
│ NO → 次へ

├─ 中国・韓国・豪州・NZが絡む取引か?
│ YES → RCEP一択(AJCEPは対象外)[web:156]
│ NO → 次へ

├─ 最終輸入国がインドネシアか?
│ YES → ATIGAを第一候補(AJCEPの拒否事例あり)[web:17]
│ NO → 次へ

└─ ASEAN間の取引でシンガポール中継?
YES → ATIGAまたはAJCEP(シンガポール発給実績が最も豊富)[web:141]

実務上の結論

Back-to-Back COの汎用性・日本側の対応・締約国の広さの観点では、RCEPがAJCEPを上回っています 。AJCEPはASEAN側の発給機関が中継国になる案件(シンガポール・タイ・マレーシア等)では引き続き有効ですが、日本が三国間取引の中継点になる案件ではRCEPへの切り替えが現状の最有力な選択肢です 。jetro+1

 

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