ATIGA Back-to-Back COの条件は、Annex 8(OCP:Operational Certification Procedures)のRule 11に明示されています 。2020年のOCP改正でRule 11が大幅改訂されており、改正後の内容を条文ベースで整理します 。vntr.moit.gov+1
Rule 11の発給主体と申請要件
中間加盟国(中継国)の発給当局が、輸出者の申請に基づいてBack-to-Back Form Dを発行できます 。「任意規定(may issue)」であるため、発給当局が国内法上の根拠を持たない場合は拒否できる点は変わりません 。fta.miti.gov+1
Rule 11の発給条件(全条件)
条件(a):元Proof of Originの提示
有効な元のProof of Origin(Form DまたはOrigin Declaration)の原本を提示することが必要です 。原本が提示できない場合は**Certified True Copy(認証謄本)での代替が認められます。2020年OCP改正後は、Form Dだけでなく認定輸出者によるOrigin Declaration(自己証明)**も元の証明書として認められるようになりました 。global-scm+2
条件(b):情報の引き継ぎと全欄記載
Back-to-Back Form Dは元のProof of Originと同種の情報を一定程度引き継ぎつつ、全ての欄を完全に記載しなければなりません 。特に以下が明示的に義務付けられています。[vntr.moit.gov]
- Box 9:中間加盟国(中継国)のFOB価格を記載する
- 元のProof of Originの参照番号・発給日を所定欄に明記する
- 複数の元COを使う場合は全ての参照番号を記載する[global-scm]
条件(c):部分輸出(分割出荷)時の価格記載
部分輸出(Partial Export Shipments)の場合は、**当該部分輸出分の価格(Partial Export Value)**をBack-to-Back Form Dに反映します 。元COの総額をそのまま転記するのではなく、出荷分に案分した価格を記載する必要があります。[vntr.moit.gov]
条件(d):数量超過の禁止
Back-to-Back COで発行する数量の累計が元のProof of Originの数量を超えてはなりません 。複数回に分けて発行する場合は、中継国の発給当局が累計数量を管理します。global-scm+1
条件(e):検証(Verification)の適用
Back-to-Back COに対して最終輸入国から検証要請が来た場合、Back-to-Back COを発行した中継国の発給当局にも検証手続きが適用されます 。中継国は元のCOを含むすべての証跡を保管する義務があります。vntr.moit.gov+1
2020年OCP改正による追加要件:コンソリ出荷
2020年のATIGA OCP改正でRule 11(1)・(2)にコンソリデーション出荷のBack-to-Back CO規定が追加されました 。重要な点は以下のとおりです。[miti.gov]
コンソリ出荷のBack-to-Back COでは、元のProof of Originは1か国の輸出加盟国が発行したものに限る。
つまり、複数の異なるASEAN加盟国から集荷したコンソリ貨物については、元COが複数国から発行されている場合はBack-to-Back COを1通にまとめることができないという制限が設けられています 。[miti.gov]
認定輸出者(CE)によるBack-to-Back Origin Declaration
ATIGAでは発給当局経由のForm D以外に、認定輸出者(Certified Exporter)がBack-to-Back Origin Declarationを自己作成できる枠組みもあります 。条件はForm Dと基本的に同じで、以下が追加要件となります。[global-scm]
- 同一品目について認定輸出者の認定を受けていること
- 元のProof of Originを保有していること
- 認定輸出者のコードを記載すること[global-scm]
ASEAN各FTAの根拠条文の対応表
各協定でBack-to-Back COの根拠条文が異なります 。[customs.gov]
| 協定 | 様式 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| ATIGA(AFTA) | Form D | Annex 8 OCP Rule 11 [customs.gov] |
| AJCEP | Form AJ | Chapter 3, Annex 4 OCP Rule 3 [customs.gov] |
| ACFTA(ASEAN・中国) | Form E | Attachment A OCP Rule 12 [customs.gov] |
| AKFTA(ASEAN・韓国) | Form AK | Annex 3 Appendix 1 OCP Rule 7 [customs.gov] |
| AIFTA(ASEAN・インド) | Form AI | Appendix D OCP Article 11 [customs.gov] |
| AANZFTA(ASEAN・豪NZ) | Form AANZ | First Protocol Appendix 2B OCP Rule 10 [customs.gov] |
Rule 11の条件を一覧で整理
| 条件 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 申請者 | 中継国の輸出者または代理人 | Rule 11柱書き [vntr.moit.gov] |
| 元COの提示 | 原本またはCertified True Copy | Rule 11(a) [vntr.moit.gov] |
| 全欄記載 | Back-to-Back COの全欄を埋める | Rule 11(b) [vntr.moit.gov] |
| FOB価格記載 | Box 9に中継国のFOB価格を記載 | Rule 11(b) [vntr.moit.gov] |
| 参照番号記載 | 元COの番号・発給日を所定欄に記載 | Rule 11(b) [global-scm] |
| 分割出荷 | 当該分の価格を案分記載 | Rule 11(c) [vntr.moit.gov] |
| 数量超過禁止 | 累計発行量が元COの数量以内 | Rule 11(d) [global-scm] |
| コンソリ出荷 | 元COは1か国発行のものに限る | Rule 11(1)(2) 改正 [miti.gov] |
| 検証適用 | 中継国にも検証手続きが及ぶ | Rule 11(e) [global-scm] |
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