拒否への対処法は**「輸入申告前か後か」で根本的に異なります**。輸入申告後にMFN税率で輸入許可が下りてしまうと選択肢が大幅に狭まるため、申告前の段階での対処が最も重要です 。[customslegaloffice]
ケース①:輸入申告前に拒否された場合
選択肢が最も豊富で、以下の対応が可能です 。[customslegaloffice]
対応A:Form Dの訂正・再発給を申請する
記載ミスが原因であれば、元の発給当局に訂正証明書(Corrected Copy)または再発給(Re-issuance)を申請します 。ただし中間国の発給機関との往復に数日〜1週間以上かかるため、貨物の保管料・滞船料との兼ね合いで現実的かどうかを判断します。container119+1
対応B:BP(輸入許可前引取承認)を利用する
日本の税関では貨物の**輸入許可前引取承認(B/P:Before Permission)**を申請することで、原産地証明書の問題が解決するまでの間に貨物を先に引き取ることができます 。COの問題が解決した時点で特恵税率を適用します。実務上最も現実的な対処法の一つです 。[customslegaloffice]
対応C:MFN税率で通関する(一時措置)
Back-to-Back COの問題解決が間に合わない場合、MFN(最恵国)税率で輸入申告を行い、後から特恵税率への変更(還付申請)を目指す暫定的な方法です 。ただしこの後の扱いは申告後ケースと同じになるため注意が必要です(後述)。[container119]
ケース②:輸入申告後(MFN税率で許可済み)の場合
日本の関税法上、**「一旦MFN税率で有効に輸入許可された後に、適正なCOを事後取得しても更正は認められない」**という厳格なルールがあります 。これは税関の確定的な扱いであり、CO「後出し」は原則不可です。[customslegaloffice]
例外:事後適用制度(更正申告)が使える協定の場合
日・ASEAN EPAを含む一部のEPA・FTAでは、輸入申告後一定期間内(通常1年以内)に原産地証明書を提出して特恵税率を事後適用(還付申請)できる制度が設けられています 。ただしこれはBack-to-Back COではなく通常のCOが対象の規定であり、Back-to-Back CO案件で一度否認されたケースに適用できるかは各国の税関判断に依存します。[container119]
インドネシアの実例:税関裁判による逆転勝訴
インドネシア租税裁判所の判例(PUT.57357/PP/M.IXB/19/2014)が重要な事例を示しています 。[aseanlawobservers.wixsite]
シンガポールからのプロピレン共重合体のATIGA Form Dについて、インドネシア税関がBox 13(サードカントリー・インボイシング)へのチェックマークが「発給機関のオリジナルではない」として10%のMFN税率を適用。輸入者が不服申立て→シンガポール税関がForm Dの正当性を書面で証明→税関裁判所がATIGA特恵税率0%を認めた。
この事例から得られる教訓は、Form Dの記載ミスと判断された場合でも発給当局による正式な確認書を取得すれば覆せる可能性があるということです 。[aseanlawobservers.wixsite]
申告段階別の対処フロー
Back-to-Back CO拒否
│
┌───┴────────────────────────────────┐
申告前 申告後(MFN許可済み)
│ │
├─ A. Form D訂正・再発給 ├─ 原則:更正不可 [web:43]
│ (時間的余裕がある場合) │
├─ B. BP(輸入許可前引取) ├─ 例外①:事後適用制度(協定次第)[web:99]
│ (貨物を先に引き取る) │
├─ C. MFN税率で仮通関 ├─ 例外②:発給当局の正式確認書で
│ →後から還付申請 │ 不服申立て→税関裁判 [web:98]
└─ D. 協定切替(ATIGA↔AJCEP) └─ 例外③:遡及発給COで還付申請
(受入可能な協定へ変更) (発行機関・輸入国の許可要)[web:99]
申告後の不服申立て手続き(最終手段)
MFN税率適用に不服がある場合、各国の関税不服申立て制度(日本では税関長への不服申立→再調査の請求→審査請求→租税裁判)を経る方法があります 。時間・コストがかかるため、インドネシアの判例のように発給当局(Singapore Customs等)から正式な確認書(Certificate of Authenticity)を取得してから申立てると成功率が上がります 。いずれにせよ、拒否リスクを訴訟で解決するコストは非常に大きいため、事前の書類確認と関係者間のドキュメント共有が最大の防衛策となります 。aog-partners+3
FTAでAIを活用する:株式会社ロジスティック