FTA原産地証明のシステム化の落とし穴

FTAにおける原産地証明を自動化されたい企業は多くあります。

システム化することは複雑な情報を確実に処理することができ、人によるエラーを防ぐにはいいことであると思います。

ただ、気をつけていただきたいことがあります。情報システムももとは人が作るロジックに従って処理をするものであり、そのロジックが間違っていれば、間違った証明を量産することになります。「検認」でこのことが発覚すれば、大問題です。

また、そのロジックは作った人しか分からないので、年数が経つと、そのロジックが分からなくなります。このことは「検認」時に大きな問題になります。「システムが原産地証明を作成したから」という理由は通らないことは明確でしょう。人間が確実にロジックをフォローしないと大事になります。

AIが騒がれていますが、AIにより証明されるとさらにロジックが曖昧になります。AIの判断が入るからでその判断が企業がなされたものと見なされますから、もしその理屈づけが間違っていたら厄介です。

情報システムによる証明の簡略化は進める際に上記のことを考えて、対策を講じていただくのがよろしいかと存じます。