タイ(Thailand)のHSコード「事前教示」

タイ(Thailand)のHSコード「事前教示」(Advance (Tariff) Ruling / Advance Classification Ruling: ACR)の実務まとめ(確認日: 2025-10-06 JST)です。要所は公式資料直近の専門解説を併記しました。


1) 相手国の対応組織とURL

  • 対応組織:Thai Customs Department(タイ関税局)― 関税分類(Tariff Classification)を所管
    • Advance Tariff Ruling(制度解説)https://en.customs.go.th/content.php?ini_content=traders_and_business_151006_01(英語) en.customs.go.th
    • Advance Ruling(入口ページ)https://en.customs.go.th/list_strc_simple.php?ini_content=advance_ruling&lang=en&left_menu=menu_advance_ruling(英語) en.customs.go.th
    • 様式集(申請・見直しフォームを含む)https://en.customs.go.th/list_strc_download.php?ini_content=forms&lang=en&left_menu=menu_forms(英語。例:Request for Review of Advance Tariff Rulingen.customs.go.th
    • 制度説明(タイ語PDF)https://www.customs.go.th/data_files/01cd989a73e4fbfe8258619f8c6319fb.pdf(「Advance Ruling on Tariff Classification」) customs.go.th

2) 事前教示のプロセス(概要)

  1. 所定様式で申請(申請先:Thai Customs)。予定輸入日の「少なくとも30官庁日前」に提出する取扱いが明記。書類不備は発出遅延・不可・無効化の原因。 NEDA
  2. 審査:必要に応じ追加資料の提出を求められる(通知受領後15官庁日以内に補充)。補充完了後に30又は60官庁日の標準期間が起算。 wtocenter.vn
  3. 結果通知:書面の裁定(分類見解)が付与。最近の実務解説では**「30〜60営業日」**程度の見込み感も示される。 Tilleke & Gibbins

備考:2024年1月から**非拘束の事前相談(Non-binding consultation)**が開始。ACRとは別に、分類当局と事前に擦り合わせが可能です。 taxnews.ey.com


3) 事前教示をもらうために必要な情報(最小パック)

  • 製品名/商標・型番、用途、具体的特徴、成分・構成、製造工程
  • 写真・カタログ・図面・分析結果など識別に資する資料(必要に応じサンプル提出
  • (追加要請時は)15官庁日以内に補充提出
    これらはタイ関税局説明資料(および配布資料に引用される要件)で具体化されています。 wtocenter.vn

4) 結果が出るまで必要な期間(目安)

  • 公式ガイダンス30官庁日(案件により60官庁日)。追加資料要求があれば、受領後に上記期間を起算。 wtocenter.vn
  • 実務解説(2025年)30〜60営業日程度。 Tilleke & Gibbins
  • 提出タイミング予定輸入の30官庁日前までに申請するのが原則。 NEDA

5) 事前教示の有効期間

  • 現在の実務3年間(法令・事実変更まで/申請内容と同一性が前提)。 Tilleke & Gibbins+1
  • 参考(古い資料):かつては2年との記述も流通(古い当局配布資料)。更新・見直しで3年運用に移行した旨の近年解説あり。 wtocenter.vn

6) 事前教示を得るために必要な費用

  • 手数料2,000バーツ/件(Advance Tariff Ruling申請手数料)。 en.customs.go.th
    ※同法体系では原産地・評価のAdvance Ruling2,000バーツの規定あり(関税法2017の手数料表)。 customs.go.th

7) その他大切な項目(実務上の注意)

  • 拘束力:ACRの結果は申請者とタイ関税の間で拘束的(前提条件が同一の場合)。有効は原則3年taxnews.ey.com
  • 見直し・不服Advance Tariff Rulingの「見直し申請」フォームが公開。見直し決定は最終で、発出日から2年間有効の取扱いが明記(見直し決定に関する規定)。 en.customs.go.th+1
  • 公開性中央公開DBは限定的だが、**「HSコード検証の前例(precedent rulings)」**が初期参照用に言及されることあり(一般向け体系的DBとは別)。 wtocenter.vn
  • 提出単位:実務上は品目ごとに申請し、完全な技術資料を添付するのが通例(多品目同時は非推奨)。 NEDA+1
  • タイのコード体系:タイの通関申告は11桁(AHTN8桁+国内3桁)。ACRの分類結果は**タイ関税品目表(AHTN準拠)**に基づくため、申告11桁への写し替え整合に留意。 blog.tradewin.net+1
  • 相談メニュー:2024年開始の非拘束の事前相談は、ACR申請前の論点整理に有用(費用はACRとは別。制度目的が異なる)。 taxnews.ey.com

申請前チェックリスト(実務TIP)

  • 組成・工程・用途・写真/図面分類特定に十分な粒度で揃っているか。
  • 第三者根拠(WCO分類意見・他国裁定等)があれば添付。
  • 追加資料要請15官庁日で応答できる体制(社内・サプライヤ連携)。 wtocenter.vn
  • 輸入予定日から逆算して30官庁日前に提出できるスケジュール設計。 NEDA

新聞記事「トランプ政権、トヨタ・ホンダなどへの関税軽減措置を決定へ」の信憑性について:AIによる確認

これは、2025年10月3日にロイター通信が最初に報じ、その後、日本の時事通信などが追って報じたニュースに基づいています。以下に、報道内容の詳細と現時点での注意点をまとめました。


報道内容の詳細まとめ

1. 報道の概要

2025年10月3日、ロイター通信が共和党上院議員や業界関係者からの情報として、「トランプ政権が、米国内で自動車を生産する大手メーカーを対象とした関税負担の軽減措置を拡充・延長する見通しである」と報じました。

2. 主な対象企業

この措置の対象として、米国内での生産比率が高い以下の企業が挙げられています。

  • トヨタ自動車
  • ホンダ
  • フォード・モーター
  • ゼネラル・モーターズ(GM)
  • テスラ

3. 検討されている具体的な措置内容

報道によると、トランプ政権は2025年5月に発動した自動車部品に対する25%の追加関税について、その負担を相殺するための制度を拡充する方向で検討しています。

  • 免除割合の据え置き: 現在、米国内で組み立てた車両の小売価格に対して、関税負担を免除する割合が設定されています。この割合は当初の**3.75%**から段階的に縮小される予定でしたが、これを据え置くことが検討されています。
  • 期間の延長: この負担軽減措置の適用期間を、当初の予定より長い5年間に延長する案が浮上しています。
  • 対象品目の拡大: 自動車本体だけでなく、エンジンもこの軽減措置の対象に含めることが検討されています。

4. 背景

この動きの背景には、2025年4月以降にトランプ政権が発動した一連の自動車関連の追加関税があります。乗用車本体の関税が大幅に引き上げられた一方、サプライチェーンの国内回帰と米国内での生産を促進する目的で、今回のような「アメ」となる措置が検討されているものと見られます。


注意点:現時点での情報の位置づけ

重要な点として、今回の報道はあくまで「見通し」や「検討段階」の内容であり、まだ正式に決定・発表されたものではありません

  • 情報源: 報道は、政府の公式発表ではなく、匿名の業界関係者や一部の与党議員の話に基づいています。
  • 不確定要素: 今後、具体的な措置の内容や条件が変更される可能性や、最終的に実施に至らない可能性も残されています。

したがって、このニュースは「トランプ政権内で有力な検討が進められている」と理解するのが現時点では最も正確です。今後の正式な発表が待たれる状況です。

FTA-BPOセミナー013 「FTA業務でのAI活用:可能性と限界」

FTA-BPOセミナー013 「FTA業務でのAI活用:可能性と限界」の日時が決まりました。


昨今、AI活用が叫ばれており、FTA業務もその例外ではありません。原産地証明、HSコードなど適用領域は多くありますが、その一方でAIを使う事による問題も生じています。

どういう点を考えるべきなのかを、ロジスティックが作ったAIモデルを使っていただき、皆さんと経験を交えてお話ししていきます。

■■ 講演者 ■■
株式会社ロジスティック 代表取締役 嶋 正和 氏

■■ 開催日時 ■■
2025年11月13日(木) 14:00~15:00

■■ 開催場所 ■■
Webのみでの開催(Teams利用予定)

■■ セミナー関連情報 ■■

AIを活用したHS Code Finder

セミナーへのご参加は、実際にHSコードを活用する企業に限定させていただきます。
お申し込みの後、セミナー当日午前中にご参加頂く方にリンクをお送りいたします。

■■ 申込み ■■
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