HS2022 第67類:調製羽毛、羽毛製品、造花及び人髪製品(Prepared feathers and down and articles made of feathers or of down; artificial flowers; articles of human hair)

用語は次のとおり統一します:類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)
(本稿は作成後に5回見直し、用語・表現・論理の整合を取り直した最終稿です。)


0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)

  • この類に入る代表例(3〜6個):
    • **調製した羽毛・綿毛(ダウン)**やその製品(例:装飾用の羽毛部材、羽根飾り等)→ 67.01
    • 造花・造葉・造果実およびそれらの製品(花束、リース等)→ 67.02
    • 人毛(加工したもの)(梳き、漂白、染色など、ウィッグ素材としての調製)→ 67.03
    • ウィッグ、つけひげ、つけ眉、つけまつげ、つけ毛等(人毛・動物毛・繊維製)→ 67.04
  • この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
    • 羽毛が“詰物(中綿)としてのみ”使われている寝具(例:羽根布団)→ 94.04(注2(a))
    • 羽毛ダスター(はたき)化粧用パフ人毛製のふるい → 第96類(注1(f))
    • 帽子・ヘアネット → 第65類(注1(d))
    • 履物 → 第64類(注1(c))
    • がん具・運動用具・カーニバル用品 → 第95類(注1(e))
    • 造花でも、ガラス製品 → 第70類(注3(a))
  • 実務での最重要分岐(1〜3個):
    1. “羽毛そのもの/羽毛製品”なのか、“詰物として入っているだけ”なのか(67.01 ↔ 94.04/衣類など)
    2. “造花”なのか、“天然植物(乾燥枝など)”なのか(67.02 ↔ 第06類など)※混在セットはGIR3(b)も検討
    3. **“造花でも、製法(組立か一体成形か)”**で67.02に入る/入らないが分かれる(注3(b))
  • この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
    • CITES(ワシントン条約)対象種の羽毛等:種の特定・許可書の有無で通関可否が変わり得ます。
    • 動物検疫(加工度・原産国・品目により):輸入条件や証明書要否の確認が必要になり得ます。
    • EPA/FTAのPSR:HSがズレると原産性判定が根本から崩れます。

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)

1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)

  • この類で特に効くGIR
    • GIR1(品名+注):第67類は、類注(注1〜3)の除外規定が強い類です。まず「注で除外されないか」を確認し、項(6701〜6704)を決めるのが最短です。
    • GIR6(号レベルの分岐):67.02(プラスチック製か否か)や67.04(人毛か、化繊か等)は6桁で明確に分かれるため、最後に6桁で確定します。
    • GIR3(b)(混合物・複合品・小売用セット):造花の花束・リースは、**複数素材(布、針金、プラ玉、天然植物の一部)**が混在しやすいです。全体としての「本質的特性」を与える要素で判断します(ただし注の除外が優先)。
  • 「品名だけで決めない」ための観点(第67類で特に効く)
    • 材質:人毛/化繊/プラスチック/木・金属・陶磁器など
    • 状態(加工度):未加工に近い羽毛・人毛か、ウィッグ素材として調製済みか
    • 用途:装飾品なのか、詰物(中綿)なのか、衣類附属なのか
    • 製法:造花が「組立」か「一体成形」か(注3(b)の核心)

1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)

  • Step1:“第67類っぽい要素”の確認
    • 羽毛・綿毛(ダウン)/鳥皮付き羽毛 → 67.01候補
    • 造花・造葉・造果実/花束・リース → 67.02候補
    • 人毛(加工済)/ウィッグ素材 → 67.03候補
    • ウィッグ・つけ毛・つけまつげ等 → 67.04候補
  • Step2:類注(注1〜3)で“除外”されないか確認
    • 65類(帽子・ヘアネット)、96類(羽毛ダスター等)、94.04(羽毛詰物寝具)等に飛ぶ典型が多いです。
  • Step3:項(4桁)を確定
    • 6701:羽毛・綿毛(ダウン)・羽毛製品(ただし0505等除外)
    • 6702:造花等とその製品(ただし注3の除外に注意)
    • 6703:加工した人毛/ウィッグ素材用に調製された獣毛・繊維等
    • 6704:ウィッグ等(人毛・獣毛・繊維)/他に該当しない人毛製品
  • よく迷う境界(例:第○類と第○類の境界):
    • 第05類 ↔ 第67類(羽毛・人毛の加工度:0505/0501 vs 6701/6703)※加工内容の説明が鍵
    • 第06類 ↔ 67.02(天然植物の枝物・乾燥花材 vs 造花。混在も多い)
    • 第67類 ↔ 第95類(カーニバル用品・玩具用途の扱い)
    • 67.01 ↔ 94.04(羽毛が中身か、製品の主体か)

2. 主な項(4桁)とその内容

2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)

(第67類は4桁見出しが少ないため全列挙します。)

項番号(4桁)見出しの要旨(日本語)典型例(製品名)重要な分岐条件/除外/注意点
6701鳥の皮付き羽毛、羽毛・羽毛部分品、綿毛(ダウン)およびその製品(0505等除外)羽毛装飾部材、羽根飾り、(例)シャトルコック用に形状を整えた羽根**0505(未加工域)**との境界=「洗浄・消毒等の域を超える加工」か。詰物としてのみ使用した寝具等は除外(注2(a))。
6702造花・造葉・造果実とその部分品、これらの製品造花の花束、リース、造花パーツ注3(b):陶磁器・石・金属・木等で「一体成形」や、束ね/接着等でない別方式の組立は除外。素材・製法の確認が必須。
6703加工した人毛(漂白・染色等)およびウィッグ用に調製した獣毛・繊維材料ウィッグ素材用の人毛束、ウィッグ原料用の獣毛・繊維「ウィッグ用に調製」かがポイント。未加工の人毛は第05類側に寄り得ます(加工工程の説明が重要)。
6704ウィッグ、つけひげ、つけ眉、つけまつげ、つけ毛等(人毛・獣毛・繊維)/他に該当しない人毛製品人毛ウィッグ、化繊ウィッグ、つけまつげ、エクステ**用途(人用か、玩具用か)**で第95類に飛ぶ可能性。**ヘアネット(65類)**は除外。

2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)

  • 分岐条件の整理(この類で効くもの)
    • 材質(プラスチック/その他、人毛/化繊/その他)
    • 製品の完成度(素材=67.03、完成品=67.04)
    • 造花の製法(注3(b)の除外に該当するか)
  • 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
    1. 6702.10(プラスチック製の造花等) vs 6702.90(その他材料の造花等)
      • どこで分かれるか:主要構成がプラスチックか、それ以外(布・紙・金属線主体など)か。
      • 判断に必要な情報:材質表(BOM)、主要部位(花弁・葉・茎)の材質、製造図。
      • 典型的な誤り:外観が布っぽい/プラっぽいで決めてしまい、実際の材質比率や主要部位材質を見ていない。
    2. 6704.11(化繊の“完成ウィッグ”) vs 6704.19(化繊の“その他”)
      • どこで分かれるか:「完成ウィッグ」か、それ以外(部分ウィッグ、つけ毛、眉毛、まつげ等)か。
      • 判断に必要な情報:製品形態(頭部全体を覆うか)、販売形態(“full wig”表記等)、写真。
      • 典型的な誤り:“ウィッグ”と呼んでいるが、実態は部分品(例:ポニーテール用つけ毛)で「その他」に該当。
    3. 6704.20(人毛製) vs 6704.11/6704.19(化繊)
      • どこで分かれるか:毛材が人毛合成繊維か(混毛はGIR3(b)検討)。
      • 判断に必要な情報:原材料証明、品質表示、混用率、製造工程。
      • 典型的な誤り:人毛“風”の化繊(耐熱繊維など)を人毛扱いしてしまう。
    4. (章外だが頻出)0505(羽毛:清浄・消毒等まで) vs 6701(調製羽毛・羽毛製品)
      • どこで分かれるか:加工が0505の「清浄・消毒・保存処理」域に留まるか、用途・形状に合わせた切断・トリミング等で域を超えるか。
      • 判断に必要な情報:加工工程(洗浄、乾燥、選別、切断、トリミング、染色など)、用途(部材として特定用途向けか)。
      • 典型的な誤り:「羽毛=0505」と固定観念で処理し、実態の加工が進んでいるケースを見落とす。

3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)

3-1. 関連する部注(Section Notes)

  • ポイント要約:
    • 第67類が属する第12部(Section XII)は、部注が置かれていない扱いです(少なくとも参照した関税率表では “no notes”)。
  • 実務での意味(具体例つき):
    • 部注で縛られるというより、**類注(第67類注1〜3)**で強く除外がかかる類です。
    • そのため、実務は「部注よりも類注を最優先で読む」運用が安定します。
  • “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
    • 第12部注で飛ぶというより、第67類注で第64類/65類/95類/96類等へ飛ぶのが典型です(後述)。

3-2. この類の類注(Chapter Notes)

  • ポイント要約(注1〜3)
    • 注1:この類に含まないもの(大きい除外リスト)
      • 人髪製ろ過布(59.11)、繊維製の花柄モチーフ(第11部)、履物(64類)、帽子・ヘアネット(65類)、玩具・運動具・カーニバル用品(95類)、羽毛ダスター等(96類)。
    • 注2:67.01に含まないもの
      • 羽毛/綿毛が“詰物としてのみ”の物品(例:94.04の羽根布団)、衣類等で単なるトリミング/詰物として使用したもの、67.02の造花等。
    • 注3:67.02に含まないもの
      • ガラス製品(70類)
      • 陶磁器・石・金属・木等の造花等で、一体成形(成型/鍛造/彫刻/打抜き等)のもの、または束ね/接着/嵌合等以外の方法で組み立てたもの。
  • 用語定義(定義がある場合):
    • 第67類注は主に「除外」を定める形式で、詳細定義というより分類の禁止・移動先を示す性格が強いです。
  • 除外規定(除外先の類・項も明記):
    • 59.11(人髪製ろ過布)/第11部(繊維の花柄モチーフ)/64類(履物)/65類(帽子・ヘアネット)/95類(玩具・カーニバル用品等)/96類(羽毛ダスター等)/94.04(羽毛詰物寝具)/70類(ガラス製造花等)

4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)

この章は「類注があるからこそ起きる分岐」を可視化することが目的です。

  • 影響ポイント1:羽毛・綿毛が“詰物としてのみ”か(注2(a))
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 製品構造(羽毛が中に入っているだけか、外観/機能の本体か)
      • HS上の「寝具(94.04)」に当たる形態か
    • 現場で集める証憑:
      • 断面写真、製品仕様(中綿材の表示)、取扱説明書、用途説明(寝具/衣類か)
    • 誤分類の典型:
      • “羽毛製品”という名称だけで67.01に入れてしまい、実態は94.04(羽根布団)だった。
  • 影響ポイント2:造花(67.02)でも“製法”で除外される(注3(b))
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 一体成形(成型・鍛造・彫刻・打抜き)で「花が一体で出来ている」か
      • 部品の組立が「束ね・接着・嵌合(はめ込み)等」なのか、別方式なのか
    • 現場で集める証憑:
      • 製造工程表、部品図、材質/加工法(射出成形、鋳造、木彫等)、分解写真
    • 誤分類の典型:
      • 木彫の花飾り(実態は木製品の章)を、見た目が花だから67.02として申告してしまう。
  • 影響ポイント3:注1で“用途別に別章へ飛ぶ”
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 製品が帽子/ヘアネットなのか(65類)、玩具/カーニバル用品なのか(95類)、羽毛ダスター等なのか(96類)
    • 現場で集める証憑:
      • EC販売ページ、パッケージ表示、使用シーン写真、対象年齢表示(玩具か)
    • 誤分類の典型:
      • つけまつげ・ウィッグを“仮装用品”として95類に寄せすぎる/逆に明らかな仮装セットを67類に入れてしまう。

5. 分類でよくある間違い(原因→対策)

  1. 間違い:羽毛なら何でも0505(または67.01)だと思い込む
    • なぜ起きる:羽毛は“動物由来”の印象が強く、加工度の確認が省略されがち。
    • 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):
      • 実例として、シャトルコック用にサイズ・形状へ切りそろえたトリミングは、0505域を超える加工として67.01に整理されています。
    • 予防策:
      • 工場工程(洗浄→選別→切断→トリミング→染色等)を必ず確認し、工程表を保管する。
  2. 間違い:羽毛入り製品(羽根布団など)を67.01にしてしまう
    • なぜ起きる:商品名に「羽毛」が入るため。
    • 正しい考え方:
      • 注2(a)で「詰物としてのみ使用」は67.01から除外され、例として94.04が示されています。
    • 予防策:
      • “羽毛が外側の主体か、中身か”を写真と仕様書で判断する(寝具は特に注意)。
  3. 間違い:花束/リースに天然素材が一部入っていると、第06類(天然植物)に寄せてしまう
    • なぜ起きる:一部に“本物の植物”があると、全体を天然扱いしてしまう。
    • 正しい考え方:
      • 造花束・小型リースの例では、主構成が人造の花(繊維材料)等であることから67.02として整理されています(混在でも全体判断)。
    • 予防策:
      • 構成材料一覧(人工花・ワイヤー・装飾材・天然素材の有無と量)を作り、セットとしての本質を説明できるようにする。
  4. 間違い:造花=とりあえず67.02(製法を見ない)
    • なぜ起きる:見た目重視で、製造方法まで確認しない。
    • 正しい考え方:
      • 注3(b)により、陶磁器・石・金属・木等で“一体成形”の造花等は67.02から除外されます。
    • 予防策:
      • 仕入先へ「一体成形か/部品組立か」「組立方法(接着・束ね・嵌合等)」を質問票で確認する。
  5. 間違い:ヘアネット・帽子関連を67類に入れてしまう
    • なぜ起きる:髪まわり商品=67類、という連想。
    • 正しい考え方:
      • 注1(d)で帽子・ヘアネットは65類へ除外。
    • 予防策:
      • 「装着目的が“帽子/ネット”か、“毛髪(つけ毛等)”か」を写真・装着図で確認する。
  6. 間違い:羽毛ダスター(はたき)を67.01にしてしまう
    • なぜ起きる:素材が羽毛=67.01の誤認。
    • 正しい考え方:
      • 注1(f)で羽毛ダスター等は96類へ除外。
    • 予防策:
      • 用途(掃除具)と形状(柄付き等)を確認し、96類の可能性を必ず検討する。
  7. 間違い:ウィッグ素材(毛束)を完成品(67.04)としてしまう/逆
    • なぜ起きる:販売名(“wig hair”など)が曖昧。
    • 正しい考え方:
      • 67.03は「ウィッグ等の製造用に調製した材料」、67.04は「ウィッグ等の完成品・付属品」の整理です。
    • 予防策:
      • “完成品としてそのまま装着できるか”を判定基準として社内定義し、商品マスタに反映する。

6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点

6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係

  • HSの付番がPSR選択に直結します
    • 例:67.02(造花)なのか、注3(b)により別章(木製品・金属製品・陶磁器等)なのかで、PSRの「関税分類変更(CTC)」要件が変わり得ます。
  • よくある落とし穴
    • 最終製品HSだけでなく、非原産材料側のHSも誤ると、CTC判定が崩れます。
    • 工程評価(RVC計算など)をする前に、まず分類の確度を上げるのが鉄則です。

6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)

  • 協定によって採用しているHS版が異なるため、協定が採用するHS版に合わせてPSRを引く必要があります。税関のPSR検索でも、HS版の違いへの注意喚起があります。
  • 例:RCEPのPSR(品目別規則)はHS2012に基づく旨が明記されています。
  • トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論)
    • 実務は「①協定HS版のコードでPSR確認 → ②自社の通関用(最新HS)へ相関 → ③コードが変わる場合は“同一物品”の説明資料を厚くする」という順が安全です。

6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)

  • 必須に近いデータ(一般論)
    • 材料表(BOM)、原価、工程フロー
    • 非原産材料のHS(協定HS版)と原産国
    • RVC計算根拠(適用する場合)
  • 証明書類・保存要件(一般論)
    • 取引先・協定ごとに異なるため、税関・運用ガイダンスに従い、BOM・工程・原価・証憑を一式で保存する運用を推奨します。

7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)

7-1. 変更点サマリー(必須:表)

比較(例:HS2017→HS2022)変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更)該当コード変更の要旨実務への影響
HS2017→HS2022変更なし(相関表上、該当変更コードなし)第67類(6701〜6704)WCO相関表(変更があったサブヘディング一覧)に第67類の掲載が見当たらず、少なくともHS6桁レベルの改編は確認されませんHS6桁は継続利用しやすい。国内細分や税率・規制は別途最新確認が必要

7-2. 「違うことになった根拠」(必須)

  • 根拠資料として、WCOが公表するHS2017→HS2022の相関表(変更対象サブヘディングの一覧)を参照しました。
  • 相関表内で、6701〜6704(第67類)のサブヘディングが変更対象として掲出されていないため、少なくともHS6桁レベルの新設/削除/分割/統合といった改編は確認されません。
  • よって本稿では「HS2017→HS2022で第67類は変更なし」と整理しています(ただし、各国の国内細分(7桁以降)や税率は別途改正があり得ます)。

8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード

  • 本稿で一次資料として確実に確認できた相関情報は HS2017→HS2022(前節)のみです。
  • HS2007→HS2012→HS2017の詳細な増減(追加/削除/再編)については、今回参照した公開一次資料の範囲では第67類について断定できる根拠が不足するため、**「要確認」**として扱います(WCO相関表・各国税関の相関資料で補完してください)。
版間主要な追加・削除・再編(第67類)旧コード→新コード
HS2007→HS2012要確認(本稿の参照範囲では確証なし)要確認
HS2012→HS2017要確認(本稿の参照範囲では確証なし)要確認
HS2017→HS2022主要な再編なし(HS6桁)変更なし

9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)

  • 事例名(短く):羽根布団を67.01で申告してしまう
    • 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):注2(a)(詰物としてのみ使用した物品は67.01除外)
    • 起きやすい状況:商品名が「羽毛布団」「ダウンケット」等で、素材名に引っ張られる。
    • 典型的な影響(一般論):修正申告、追加納税、検査強化、納期遅延。
    • 予防策:断面構造と用途で章を判定、事前教示の検討。
  • 事例名:羽毛ダスターを67.01にしてしまう
    • 誤りの内容:注1(f)(羽毛製ダスター等は第96類へ)
    • 起きやすい状況:「羽毛の製品=67.01」と短絡。
    • 典型的な影響:品目更正、納期遅延。
    • 予防策:用途(清掃具)・形状(柄付き等)を確認、カタログ添付。
  • 事例名:木彫の花飾りを67.02(造花)で申告
    • 誤りの内容:注3(b)(一体成形等の造花は67.02除外)
    • 起きやすい状況:見た目が花で、材質・製法確認を省略。
    • 典型的な影響:修正申告、EPA適用可否の再判定。
    • 予防策:製造方法(彫刻/成型/組立)を製造者証明で取る。
  • 事例名:ウィッグ(人毛/化繊)材質の取り違え
    • 誤りの内容:67.04の号選択ミス(人毛 6704.20 vs 化繊 6704.11/6704.19)
    • 起きやすい状況:「人毛風」「ミックス」表示が曖昧。
    • 典型的な影響:統計誤り、関税・EPAの再計算、検査強化。
    • 予防策:混用率表示・原材料証明・サンプル保管。

10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)

  • {日本}前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
    • ワシントン条約(CITES)等の種規制
      • 規制対象は生体だけでなく、派生物(毛皮・皮革製品等)も含むとされ、羽毛製品も対象種由来であれば規制対象になり得ます。
      • CITES該当貨物の輸入では、輸出国の輸出許可に加えて、日本側(METI)の輸入承認/ライセンス等が必要となる旨が案内されています。
      • 種の該当性確認は、まず学術名の特定が必要、とされています。
    • 検疫・衛生(SPS等)
      • 羽毛・綿毛等は動物由来であり、品目・原産国・加工度によっては**動物検疫の対象(指定検疫物等)**になり得ます。輸入時は動物検疫所(農林水産省)の情報で対象性・条件を確認してください。
    • 安全保障貿易管理(該当する場合)
      • 第67類は一般に該当しにくい部類ですが、最終用途・需要者・特殊用途(軍用等)が絡む場合は別途確認が必要です(一般論)。
  • 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
    • CITES:経済産業省(METI)・税関(Japan Customs)の案内
    • 動物検疫:農林水産省 動物検疫所(AQS)
  • 実務での準備物(一般論):
    • CITES:学術名、由来証明、輸出許可書・輸入承認書、対象数量の根拠資料
    • 動物検疫:輸出国検査証明、加工工程、原産地・工場情報(該当時)

11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)

  • 分類前チェック(製品情報の収集)
    • 羽毛/人毛:加工工程(洗浄・消毒・漂白・染色・切断・トリミング等)の有無と内容
    • 造花:材質(プラ/布/金属/木等)、製法(組立か一体成形か)
    • 写真(全体・拡大・分解)、カタログ、成分/材質表、用途説明
  • 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
    • 類注1〜3の除外先(64/65/70/94/95/96等)を再確認
    • 6桁の材質分岐(67.02、67.04)を再確認
  • 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
    • “feathers as stuffing”のように誤解を招く品名になっていないか
    • 造花は「material」「manufacturing method」も補足すると誤解が減ります(例:assembled artificial flower)。
  • FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
    • 協定のHS版を確認してPSRを適用
    • BOM(非原産材料のHS・原産国)、工程、原価(必要な場合)を保存
  • 規制チェック(許可/届出/検査)
    • CITES該当性(学術名)と許可書類
    • 動物検疫対象性と輸入条件

12. 参考資料(出典)

  • WCO(HS2022条文、相関表、改正パッケージ等)
    • HS2017↔HS2022 Correlation Tables(WCO)
  • {日本}税関・公的機関のガイド
    • 第67類 類注(日本税関:67r.pdf)
    • 関税率表の解釈に関する通則(GIR解説:tuusoku.pdf)
    • 分類例規(造花の花束・小型リース:67r.pdf)
    • 分類例規(トリミングフェザー:67rd.pdf)
    • 品目別原産地規則(PSR)検索(HS版注意喚起)
  • FTA/EPA本文・付属書・運用ガイダンス
    • RCEP:PSR(Annex 3A)がHS2012に基づく旨の明記(豪DFAT公開資料)
    • 自己申告制度ガイドライン(Japan Customs)
  • 規制(CITES/検疫)
    • 税関:ワシントン条約(CITES)案内
    • 税関:CITESに基づく輸入制限の概要(輸出許可+METI輸入許可の要旨)
    • 経産省(METI):CITES対象種の調べ方(学術名の重要性)
    • 農林水産省 動物検疫所:検査が必要な物(指定検疫物等)
    • 農林水産省 動物検疫所:動物の輸出入(家畜衛生条件・検査証明の基本)

※Web参照日:2026-02-25


免責事項

本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。

 

FTAでAIを活用する:株式会社ロジスティック

Logistique Inc.

投稿者: shima

嶋 正和 株式会社ロジスティック 代表取締役社長

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