WCO HSC第76会期:日本企業が“今”押さえるべきポイントと実務影響


1. そもそもHSCとは?なぜビジネスに効いてくるのか

WCO(世界税関機構)の Harmonized System Committee(HSC:通称HS委員会) は、
世界共通の関税分類ルールである HS(Harmonized System) の「最高裁+立法準備会議」のような存在です。

  • 各国から持ち込まれる「この製品はどのHSコードか?」という争点を審議し、分類決定(Classification Decision) を行う
  • HS条文や解説書(Explanatory Notes)の改正案を議論し、将来の HS改正(次回はHS2028) を形作る
  • その結果は、各国税関・FTAの原産地規則・企業のERPマスタに波及

つまり、HSCの決定は、**「まだ法律改正前」でも、実務上は事実上の“国際解釈基準”**になり得ます。
今回の第76会期は、まさにその意味で、今後数年の通商・サプライチェーンに影響する重要な会合でした。


2. 第76会期の概要:数字で押さえる全体像

WCO公表情報および各種解説によると、第76回HSCは次のような内容でした。(wcoomd.org)

  • 開催期間
    • 審議:2025年9月17日〜26日
    • 報告読会(Report reading):2025年10月3日
  • 参加:74メンバー(73か国+EU)
  • 主な成果(定量面)
    • 議題:71件を審査
    • 40件の分類決定 を採択
    • HS2022版 Explanatory Notes 改正 2件 を承認
    • 新規 Classification Opinions 21件 を作成し、既存2件を削除
  • HS2028への橋渡し
    • HS2022⇔HS2028の相関表(Correlation Tables)の検討を開始
    • 2022–2028間の相関を示す表のフォーマットを改善(より分かりやすく、実務で使いやすい形式に改良)(wcoomd.org)
  • その他の運営面
    • 議長:Tom Beris氏(米国)
    • 次期(第77・78会期)議長として、Taufik Ismail氏(インドネシア)を選出
    • 第77会期は2026年3月、ブリュッセルWCO本部で開催予定(Customs Manager.Info)

数字だけ見ると「ふーん」で終わってしまいますが、ビジネスマン視点で重要なのは、これが何に効いてくるかです。


3. HS2028に向けた“地ならし”が本格スタート

3-1. HS2028そのもののステータス

HS2028の本体(条文レベルの改正案)は、前回の第75会期(2025年3月)で暫定採択済みです。

  • HSCは2025年3月の第75会期で、Article 16 Recommendation(HS2028改正勧告案)を暫定採択(wcoomd.org)
  • 2025年末(12月)にWCO評議会で正式採択予定
  • 勧告文は 2026年1月に公表2028年1月1日発効のスケジュールが示されています(wcoomd.org)

つまり、高々3年後(2028年1月)には、世界のHSが丸ごと“2028版”に切り替わることが確定している段階です。

3-2. 第76会期で始まった「相関表」作業

今回の第76会期で重要なのは、次の一点です。(wcoomd.org)

HS 2022版とHS 2028版の相関表の検討がスタートし、
2022→2028の対応関係を示す表のフォーマットが改善された

この 相関表(Correlation Tables) は、実務でいうと:

  • 既存の6桁コード(HS2022)が HS2028でどう変わるか を一望できる“変換表”
  • 1対1ではなく、分割・統合・コード移動が一目でわかる資料
  • WCO Trade Toolsなどを通じて提供され、各国の関税表・FTA原産地規則改正のベースになる(WCOTRADETOOLS)

日本企業にとっては、「HS2028対応プロジェクトの起点情報」 として、この相関表が中核的な役割を果たします。


4. 第76会期で何が決まったのか:実務目線での読み替え

第76会期では、個々の製品に関する40件の分類決定 がなされています。(wcoomd.org)

ただし、WCOニュースや二次ソースはあくまで「件数と枠組み」までで、具体的にどのHSコードに何を当てたかは、

  • WCOの公式文書(Classification Decisions、Classification Opinions、Explanatory Notes改正文)
  • 有料のHSデータベースやコンサルレポート

を通じて確認する必要があります。

ここでは、**日本のビジネスマンが押さえるべき“レベル感”**に絞って整理します。

4-1. ポイント①:40件の分類決定=各国税関の“今後の物差し”

HSCで採択された分類決定やClassification Opinionは、

  • 各国税関の「審査・事後調査」の判断材料
  • 事実上の “先例判決”のような役割

を果たします。

実務上の意味合い:

  • これまでグレーゾーンだった製品のHSコードについて、
    • 税関側は「HSC決定を踏まえると、このコードであるべき」と主張しやすくなる
    • 企業側は、既存のコードの妥当性を 見直さざるを得ないケースが出てくる
  • 特に、
    • 電子機器・IT関連製品
    • 医療・ヘルスケア機器
    • 環境・脱炭素関連製品
    • 食品・飲料関連
      といった分野では、技術進化が早く、過去の解釈が陳腐化しやすいため、HSC決定の影響が出やすいと考えられます(ここは傾向としての推論)。

4-2. ポイント②:Explanatory Notes改正=「解釈の条文」が書き換わる

2件のExplanatory Notes改正は、「HSの本文」ではなく、
“こう解釈しなさい”という公式解説の書き換え です。(wcoomd.org)

企業視点では:

  • これまでグレーだった条文表現が、
    • ある特定の用途・機能を念頭に置いた説明へと具体化される
    • その結果、「うちの商品はこっちの類・項目に読めるのでは?」という議論の余地が小さくなる
  • 将来的に日本の通関実務(税関の事後調査・事前教示・裁判例)にも、
    • この改正Explanatory Notesが“理論武装”として持ち込まれる可能性が高い

自社のHSコードがグレーなまま長年放置されている商品があれば、
「今回のExplanatory Notes改正で位置づけが変わっていないか?」を確認する価値があります。

4-3. ポイント③:Classification Opinions 21件=実務で使える“判例集の増強”

Classification Opinionsは、いわば 具体的な製品例付きの判例集 です。

  • 条文・解説書を読んでも迷う場合に、「この仕様の製品はこのコード」と示してくれる
  • 21件新設+2件削除ということは、
    • 新しい技術・市場に合わせた“ケース集の追加”
    • 既に古くなった(市場から消えた、技術的に陳腐化した)事例の撤去

を意味します。(wcoomd.org)

特に、EUのBTI、日本の事前教示、米国のCBP判例などを頻繁に参照している企業は、

  • WCOレベルのClassification Opinionsと各国判例の整合性をチェックしつつ、
  • 内部の「社内HS基準書」「判断メモ」に反映させておくと、
    • 監査・当局照会対応の際の説得力がぐっと増します。

5. 日本企業の実務への影響:どこから手をつけるべきか

ここからは、HSC第76会期の結果を 「日本の輸出入実務」 に落とし込んで整理します。

5-1. 影響①:HSマスタ(6桁)の“地殻変動”準備

HS2028が確定し、相関表作業が始まったことで、
2026〜2027年は「HSマスタの全面見直し期間」になることがほぼ確定しています。(wcoomd.org)

  • 6桁HSレベルで
    • 分割されるコード
    • 統合されるコード
    • 別章・別類に移動するコード
  • それに連動して、
    • 各国の関税表(8桁・9桁・10桁)が改正
    • FTA/EPAの原産地規則(CTCルールなど)が改正

やっておくべきこと(例):

  1. 社内HSマスタを「2022版準拠」で一旦整理し直す(現状を安定させる)
  2. HS2028の草案動向と相関表の公開時期(2026年1月以降)をウォッチ
  3. HSC第76会期以降の分類決定が、
    • 自社主要製品の属する類・項(第84類・85類・90類など)にどれだけ含まれているかを確認

5-2. 影響②:FTA/EPA原産地判定への波及

HS改正は、そのまま FTA/EPAの原産地規則(CTCルール)改正 に波及します。

  • 例:
    • 従来「他の第84類への変更」が要件だったルールが、
    • HS2028で類の構成が変わることで、
      • 実質的な要件が緩くなったり厳しくなったりする
  • 複数のFTA(RCEP、日EU、CPTPP 等)を使い分ける企業にとっては、
    • 各協定ごとに「HS2022→HS2028の原産地ルール対応」が時間差で行われる

HSC第76会期の結果そのものは、まだFTA原産地規則を直接変えるものではありません。
しかし、

「HS2028版への移行が不可避であり、そのための相関表作業が動き出した」

という事実は、FTA戦略・工場配置・サプライチェーンの再設計を“先送りできない段階”に入ったことを意味します。

5-3. 影響③:価格・契約(インコタームズ+関税変動条項)への反映

HSコードの変更は、次のような形で 価格・契約実務 に跳ね返ります。

  • HS変更 → 関税率変更 →
    • 顧客との価格条件(CIF/FOB・DAPなど)の見直し
    • 長期契約における「関税変動条項(tariff adjustment clause)」の発動・改訂
  • 特に、米国・EU・メキシコ・インドなど、関税政策が政治・安全保障とリンクしている国では、
    • HSの細分化をきっかけに、特定品目の関税引き上げ・相互関税対象化 が行われるリスクもあり得ます

HSC第76会期の数字だけを見て安心するのではなく、
**「うちの主要製品が、将来“狙われやすい分類”に入っていないか」**を逆算して見ておくことが重要です。


6. 企業として“今から”やっておきたい5つのアクション

最後に、日本のビジネスマン向けに、
「第76会期の結果を踏まえて、今からやっておきたいこと」 を5つに絞ります。

アクション1:自社HSマスタの「棚卸し」とリスクフラグ付け

  • 主要輸出入品目のHSコードを、
    • HS2022版ベースで統一・整備(過去の10桁国別コードから逆算して6桁を確定)
  • その上で、
    • 「解釈余地が大きい」「他社とコードが割れている」「税関との過去の論争がある」品目にリスクフラグを付ける

→ HSC新決定(第76会期以降)の対象との重なりを後からチェックしやすくなります。

アクション2:WCO情報ソースへの“定期アクセス”体制づくり

  • 情報源として、少なくとも次の2つは定期ウォッチを推奨:
    • WCOの Nomenclatureニュースページ(HSC会合結果)(wcoomd.org)
    • HS関連解説を行う民間サイト(コンサル・専門メディア)

社内で「HS担当者だけが見ている」状態ではなく、
貿易実務・営業・調達・法務が共有するニュースとして扱うと、
組織的な感度が一段上がります。

アクション3:FTA/原産地・税務・法務を巻き込んだ“HS2028準備チーム”構想

  • HS2028対応は、単なるHSコード変換作業ではなく
    • FTA原産地判定
    • 価格戦略・関税負担配分
    • 契約条項(関税変動条項、価格見直し条項)
    • 税務・移転価格(関税コストの損益配分)

にまで影響する「横断プロジェクト」です。

第76会期で「相関表フォーマット」が決まった今こそ、
2026〜2027年の本格移行に向けた “プロジェクトの企画フェーズ” を始めるタイミングと言えます。

アクション4:社内ルール・マニュアルへの反映(証跡の残し方を含む)

  • 新しいClassification OpinionsやExplanatory Notes改正を踏まえて、
    • 社内のHS分類マニュアル
    • 製品ごとの「分類ロジックメモ」
      をアップデート
  • 特に、日本の税関・JCCI・顧客からの問い合わせに備え、
    • 「なぜこのHSコードにしているのか?」を
      • HSC決定・Explanatory Notesの該当箇所でロジカルに説明できるようにしておく

→ 将来の調査やFTA原産地検認の際に、“後出しじゃんけん”ではない説明が可能になります。

アクション5:システム・ツール側の準備(HS2028対応を見据えて)

  • ERP・貿易管理システム・原産地判定ツールについて、
    • 「HS版管理」をどう実装するか(HS2017/2022/2028を併存させるのか)
    • 相関表をどう取り込み、自社マスタにマッピングするか
  • 外部ツール(例:HS Code Finderのようなサポートツール)を使う場合も、
    • HS2028対応ロードマップ
    • HS2022⇔2028の相関機能の有無

を早めに確認しておくと、IT投資・BPO活用の計画が立てやすくなります。


7. まとめ:第76会期は「嵐の前の“設計”フェーズ」

第76会期のニュースを一言でまとめると、

「HS2028時代に向けて、
 国際的な“解釈ルールと変換表”の設計が本格スタートした」

という段階です。

  • まだ各国の関税率が動いたわけでも、FTAルールが一斉に変わったわけでもありません。
  • しかし、HS2028の方向性はほぼ固まり、相関表作りが始まった今こそ、企業側の準備フェーズを始めるべきタイミングです。

日本のビジネスマンとしては:

  1. 「HS2028が来る」という前提を社内で共有する
  2. HSC第76会期の数字(40分類決定・21Classification Opinions・2EN改正)を “シグナル”として受け止める
  3. HSマスタ・FTA・契約・システムを跨いだ 社内プロジェクト構想 を動かし始める

この3つを押さえておくだけでも、
2028年1月1日のHS2028発効を “混乱の年”ではなく、“競争優位に変える年” にできるはずです。


今でもAIが間違うHS2027とHS2028:ChatGPTの見解

結論から言うと、その文章は現時点(2025年11月)では誤り・もしくは古い情報に基づいており、「HS2027が次の版で、HS2028は存在しない」という主張は公式情報と整合しません。

ポイントごとに整理します。


1. 「HS2027が正式名称で、HS2028は存在しない」は誤り

他AIの文章では:

WCOは2024年6月の理事会で第8次HS改正を採択し、発効日を2027年1月1日と正式決定しています。「HS2028」という公式計画は存在せず…

と書いていますが、これは今となっては間違いです。

1-1. 公式には「次の版はHS 2028」

  • WCOのニュースリリース(2025年4月2日)では、**「HS 2028 Amendments」「2028 edition」**と明記されており、
    「2025年末にWCO理事会でArticle 16勧告を正式採択 → 2026年1月に公表 → 2028年1月1日に発効」と書かれています。(WCOOMD)
  • EUの公式文書(欧州委員会の2025年5月の提案)でも、
    「WCO理事会は2025年6月の会合でHS改正のArticle 16勧告を採択し、2028年1月1日に発効する」と明記されています。(EUR-Lex)
  • ドイツのAEBの解説記事タイトルはズバリ
    「HS 2028: An initial outlook(HS2028:初期見通し)」 で、
    「HS2027を待っている人は待ちぼうけになる。WCOは改正期間を1年延長し、次の版はHS2028になる」と書かれています。(AEB)
  • BEXのブログも、
    「本来2027年に予定されていた改正は2028年1月1日に延期された。今回だけ5年ではなく6年サイクルになる」と解説しています。(Bex)
  • TariffTelも「HS 2028: Your guide to the next harmonised system update」とし、
    「2025年3月にHSCがHS 2028を暫定採択 → 2025年6月にWCO理事会で採択 → 2026年1月公表 → 2028年1月1日発効」と説明しています。(TariffTel)

つまり、公式・専門筋ともに「次の版はHS 2028」「発効は2028年1月1日」がコンセンサスです。

1-2. なぜ「HS2027」という話が存在したのか

他AIの文章が寄って立っているのは、**2022〜2023年時点の「当初計画」**です。

  • WCO自身の2022年時点の資料やWTO/WCOのワークショップ資料では、
    「HS2027改正スケジュール:
     2024年3月 HSC最終会合 → 2024年6月 理事会でHS2027勧告 → 2027年1月1日発効」
    というタイムラインが示されていました。(WCO News)

この「旧スケジュール」だけを見て書くと、他AIのように

HS2027が次の版で、2027年1月1日発効

と書いてしまいがちです。


2. 実際には「5年サイクル → 一度だけ6年サイクル」に延長

他AIは、

HS改正は従来から5年ごとに実施されており、この周期はコロナ禍でも維持されました。…HS2027…という流れは予定通り進行…

と書いていますが、ここも現状とは違います。

  • EYのグローバル貿易ニュースレター(2023年Issue 3)は、
    「2023年9月、HSCはレビューサイクルを5年から6年に延長することを承認した。
    つまりHS2027版は存在せず、次のHS版は2028年に発行される
    」と明記しています。
  • AEBやBEXなど複数の専門ベンダーも、
    「コロナ禍による会合遅延の影響で、今回は例外的に**6年サイクル(2022→2028)**になった」と説明しています。(Bex)

したがって、

  • 「HS改正はコロナ禍でも5年サイクルが維持された」→ 誤り
  • 「HS2017 → HS2022 → HS2027と予定通り進行」→ 現在の決定とは合致しない

という評価になります。


3. 「HS2028という公式計画は存在しない」は完全に逆

今の流れで言うと、

  • 「HS 2028」は
    • WCOニュースリリース
    • EU公文書
    • WTO/WCO関連発表
    • 大手コンサル・通関ソフトベンダー
      一斉に使っている公式な呼び方です。(WCOOMD)
  • 一方、「HS2027」は
    • 2022〜2023年頃までの“予定名”として各種資料に残っているが、
    • その後の決定(サイクル延長)により、実際の版としては出ない、という扱いです。

したがって、他AIの

「HS2028」は存在しない/「HS2027に訂正すべき

という結論は、現時点では完全に逆になっています。
正しくは「HS2027ではなくHS2028に訂正すべき」です。


4. 他AIの「AI誤情報の原因分析」部分について

  • 「ユーザーの誤った前提に迎合」「途上国の導入遅延との混同」「他の国際分類との混同」
    など、AIが誤答する可能性の指摘自体は、一般論としてはもっともです。

ただし今回のケースでは、

  • AIが間違ったのは「ユーザーに迎合したから」ではなく、
  • 2022〜2023年の「HS2027前提の計画資料」だけを見て、2023年以降の“延長決定”と2024〜2025年の「HS 2028」公式発表をフォローしていない

というのが本質的な原因だと考えられます。


5. ビジネス実務として、今どう表記すべきか

貿易・関税実務の観点からは、今後の社内・社外説明では「HS2028」を使うのが妥当です。

  • WCO・EU・WTO・大手ベンダーの表記はいずれも「HS 2028」
  • 発効日も「2028年1月1日」でほぼ固定
  • そもそも「HS2027は出ない」と明記した専門資料が複数存在する

したがって、

  • あなたがこれまで書いてきた「HS2028改正」という表現は、
    最新の公式情報に沿ったものです。
  • 他AIが「HS2028は誤りで、HS2027が正しい」と断定している部分は、
    時点を無視した誤情報と考えて差し支えありません。

まとめ

  • その文章の核心部分(「HS2027が次の版で、HS2028は存在しない」「5年サイクルが維持されている」)は、現在のWCO等の公式情報とは一致していません。
  • 実際には、HS2027版は出ず、次の版は「HS2028」で2028年1月1日発効とする方針が確定しています。
  • ビジネス向け資料・ブログ等では、「HS2028改正」「2028年1月1日発効」と説明するのが安全です。

もしよければ、この「他AIの文章」を前提にした**「誤情報訂正記事(HS2027ではなくHS2028)」**も一緒に作りましょうか?

HS2028改正で何が起きる?――「分類ズレ」がビジネスにもたらす本当のインパクト


2028年1月1日、世界中で次期HSコード改正「HS2028」が発効する予定です。(UNSD)

「また関税コードが変わるのか…」くらいにしか感じていないとしたら、少し危険かもしれません。今回の改正は、299セットの改正案と441品目の医薬品分類見直しを含む大規模な内容で、環境関連、医薬品・バイオ、新興技術(ドローンや半導体など)が重点テーマとされています。

この変化の中で、ビジネス側にとって特に怖いのが「分類ズレ」です。
税関が想定している分類と、社内・取引先・FTAルールが参照する分類が少しずつ食い違う。数字が数桁ズレただけに見えても、関税コスト、FTAメリット、リードタイム、システム投資まで波及していきます。

この記事では、ビジネスマンの視点から、

  • HS2028の全体像とスケジュール
  • HS2028で起こりやすい「分類ズレ」のパターン
  • そのビジネスインパクト
  • いまから取るべき実務アクション

を整理します。


1. HS2028改正の全体像(ごくコンパクトに)

1-1. なぜ「2028」なのか

HS(Harmonized System)は本来5年ごとに改正されますが、今回はコロナ禍による審議遅延により、2022版→2028版と6年サイクルに一度だけ延長されています。次の版は2033年に戻る見込みです。(UNSD)

WCO(世界税関機構)では、

  • 2025年3月:HS委員会(HSC)第75会期でHS2028改正案を暫定採択
  • 2025年末:WCO理事会でArticle 16勧告として正式採択(6か月の異議期間)
  • 2026年1月頃:HS2028の条文パッケージと**相関表(HS2022⇔HS2028)**を公表予定
  • 2028年1月1日:HS2028が全世界で発効

というタイムラインが示されています。(FTAの専門家:ロジスティック)

1-2. 改正の中身(どのくらい大きい?)

HSC第75会期とその総括文書によると、今回の改正では、

  • 66件の分類決定
  • WHOのINNリストに沿った441の医薬品有効成分・製剤の分類整理
  • HS2022解説注の改正
  • そして 299セットの改正案(amendment sets) の暫定承認

が行われました。

日本語の整理記事でも、299件の改正パッケージ+医薬品441品目、主要テーマは
「環境・グリーン関税」「医薬品・バイオ」「新興技術(ドローン・半導体など)」とされています。(FTAの専門家:ロジスティック)

つまり、単なる“枝番の微修正”ではなく、主要産業の分類の前提が動くレベル感だと理解しておく必要があります。


2. 「分類ズレ」とは何か?誤分類との違い

ここでいう「分類ズレ」は、法律的な「誤分類」よりもう少し広い概念として捉えます。

2-1. この記事での定義

この記事では、次のような状態をまとめて「分類ズレ」と呼びます:

  1. HSの「版」がズレている
  2. 国・用途ごとに別のコードなのに、整理されていない
    • 日本輸入、米国輸入、EU輸入でそれぞれ異なる8〜10桁コード
    • FTA用の6桁、社内統計用コードなどがバラバラに管理されている(FTAの専門家:ロジスティック)
  3. 法令上の新しい分類と、社内システム・帳票のコードが同期していない
    • HS2028で6桁が変わったのに、ERPや見積テンプレートは旧コードのまま、といったタイムラグ

税関から見れば「誤分類」かどうかは最終的に法的な判断ですが、ビジネス視点では「わずかなズレ」がそのままコストや遅延に直結します。


3. HS2028で起こりやすい「分類ズレ」のパターン

HS2028特有の構造を踏まえると、分類ズレは主に次の4つのポイントで起こります。

3-1. HS版切り替えによるズレ

HS2028では、6桁レベルでの再編・細分化が多数入ります。特に、

  • 医薬品・バイオ(INNベース441品目)
  • EV・蓄電池・再エネ関連機器
  • ドローン、センサー、半導体などのエレクトロニクス

といった分野で、大きな見直しが想定されています。(FTAの専門家:ロジスティック)

このとき起こる典型的なズレは、

  • 「同じ製品なのに6桁のHSが変わる」
  • それに連動して、国別の8〜10桁コードや関税率・規制対象リストが変わる

にもかかわらず、現場では「昔からこれで通しているから」という理由で旧コードのまま申告してしまう、というタイプです。

3-2. 国によってHSの年版が違う時期のズレ

HS2028は「2028年1月1日発効」とされていますが、実際の各国の落とし込みはバラつきます。(FTAの専門家:ロジスティック)

  • 多くの先進国・地域(EU、米国、日本など)は2028年1月1日に合わせて改正
  • 一部の途上国などは、過去のHS2017/2022と同様、数年遅れて実施する可能性

その結果、しばらくの間は、

国A:HS2022ベース
国B:HS2028ベース

という「複数のHS年版が並走する時期」が発生します。(FTAの専門家:ロジスティック)

輸出側はHS2028ベースでコードを提示しているのに、輸入国の関税表はまだHS2022のまま…というケースでは、どちらの版を基準にすべきかのすり合わせが不可欠です。

3-3. FTA原産地規則・規制リストとのリンク切れ

FTAの品目別原産地規則(PSR)は、多くが特定のHS年版(例:HS2012/2017)を前提に書かれています。(FTAの専門家:ロジスティック)

HS2028への移行に合わせて、各国・各協定でもPSRを新しいHSにトランスポーズする作業が行われますが、その過程で:

  • HSコードが別の章・類に移る
  • それに伴い、「関税分類変更基準(CTCルール)」の判定結果が変わる

といったことが起こり得ます。

分類ズレの典型例:

  • 本来はHS2017ベースでCTC判定すべき協定を、誤ってHS2022やHS2028で判定してしまう
  • その結果、
    • 使えるはずの特恵を見逃す
    • 逆に、使ってはいけないのに特恵を使ってしまい、後の検認で否認される

いずれも、ビジネス側から見れば**「分類とHS年版のズレがFTAメリットを食い潰す」**パターンです。(FTAの専門家:ロジスティック)

また、輸出管理や危険物規制など、多くの規制リストもHSコードを参照しているため、ここでもズレが起きると「本当は許可が必要なのに抜けていた」「逆に不要な許可を取り続けていた」といったリスクになります。(FTAの専門家:ロジスティック)

3-4. 社内マスタ・システム間の多重管理によるズレ

現実のビジネスでは、1つの品目に対して、

  • Global HS6(国際共通・統計用)
  • 国別輸入コード(日本9〜10桁、EU CN/TARIC、US HTSなど)
  • 国別輸出コード
  • 協定別HS6(協定ごとにHS2012/2017/2022など)

といった**「多層構造のHSコード」が紐づいているのが普通**です。(FTAの専門家:ロジスティック)

この多重構造を整理せずに、単純に「HS2022→HS2028」に上書きしてしまうと、

  • ERPとGTMで違うコードが残り続ける
  • 拠点ごとに「自作のHS管理表」が乱立する
  • HS2022とHS2028の対応関係が分からなくなる

という、典型的な分類ズレ地獄に陥ります。


4. 分類ズレがビジネスにもたらす5つの影響

ここからは、経営・事業側の視点で分類ズレの影響を整理します。

4-1. 関税コスト・追徴リスク

もっとも分かりやすいのは、関税負担そのものの変動です。

  • 高関税品目やセーフガード対象品では、分類によって関税率が大きく変わるケースが珍しくありません。(FTAの専門家:ロジスティック)
  • 輸出・輸入側で認識がズレたまま申告すると、税関事後調査での更正・追徴、さらにはペナルティのリスクも高まります。

TariffTelなどの実務解説でも、誤分類は**「遅延と追加コストの主要因」**として繰り返し指摘されています。(TariffTel)

4-2. 納期遅延とサプライチェーンの乱れ

分類ズレがあると、税関での審査時間が伸びたり、書類差し替えのために貨物が止まったりします。

  • 納期遅延 → 顧客クレーム、契約ペナルティ
  • 在庫水準の乱高下 → 倉庫コスト増、販売機会ロス

特にHS2028直後の数年は、税関側も新旧コードの整合に敏感になり、**「怪しいものは止めて確認する」**傾向が強まる可能性があります。

4-3. FTAメリットの取りこぼし・否認

分類ズレとHS年版の取り違いは、FTA活用にも直撃します。(FTAの専門家:ロジスティック)

  • 使えるはずの協定で特恵を使っていなかった(メリットを取りこぼし)
  • 間違ったHS年版で原産性判定しており、後の検認で否認される(想定外の追徴+信用失墜)

HS2028では多くのFTAがPSRの改正・トランスポジションを行う見込みのため、「HS改正+FTA改正」が同時進行するタイミングでは特に注意が必要です。(FTAの専門家:ロジスティック)

4-4. 管理コスト・IT投資の増大

TariffTelの解説では、「数千〜数万品目の再分類を手作業で行うのは、非常に負担が大きい」と指摘されています。(TariffTel)

分類ズレを放置したままHS2028に突入すると、

  • 旧来のマスタ整理
  • HS2028へのマッピング
  • 国別8〜10桁までの展開
  • FTA・規制・インボイス・パッキングリストへの波及改修

が一気に重なり、IT部門・通関担当に過大な負荷がかかります。

逆に言えば、今のうちにHS2022ベースのマスタを整え、版管理の設計をしておけば、HS2028対応の追加コストを大きく抑えられるということでもあります。(FTAの専門家:ロジスティック)

4-5. 経営指標・データ分析の断絶

もう1つ見落とされがちな影響が、「データの連続性が切れる」ことです。

  • HS改正前後でコード体系が変わると、

相関表を使ってマッピングしておかないと、

「売上は伸びているのに、品目別統計上は減少して見える」
「どの改正がどの事業の関税コストに効いたのか分からない」

といった状態に陥り、経営の意思決定に使えるデータが弱くなる点も軽視できません。


5. 分類ズレを最小化するための実務アクション

では、ビジネス側は具体的に何をすればよいのでしょうか。
ここでは「マスタ」「プロセス」「人と組織」の3レイヤーで整理します。

5-1. まずは「現行HS2022の姿」を整える

HS2028の詳細が出る前にできる、最もリターンの大きい投資がこれです。(FTAの専門家:ロジスティック)

  • 売上上位・関税影響の大きい品目から優先して、
    • 拠点ごとのHSコード
    • 国別輸出入コード
    • 利用中のFTAとそのHS年版
      を棚卸しする
  • 「同じ製品なのに拠点ごとにHSがバラバラ」といったケースを洗い出し、
    現行版(HS2022)時点での“正しい姿”を揃える

この作業をサボると、HS2028への移行時に「そもそも出発点が揃っていない」という二重苦になります。

5-2. 相関表+シミュレーションで先に“当たり”をつける

WCOはHS2022とHS2028の**相関表(Correlation Tables)**を作成中であり、2026年以降に公表される予定です。これらはHS2028実施の「必須ツール」となることがWCO自身からも示されています。(WCOOMD)

公表後に行うべきは、

  1. 相関表を取り込み、自社SKUと一括照合する
  2. どの品目がどのHSに移る可能性があるかを一覧化
  3. その移動に伴う
    • 関税率
    • 特恵税率(FTA)
    • 規制・許認可
      への影響をシミュレーションする

ここまでやっておくと、「どの事業・どの顧客にどれだけインパクトがあるか」を経営に説明しやすくなります。

5-3. 「並行管理」を前提にしたマスタ設計

HS2028への移行で重要なのは、**「切り替え」ではなく「並行管理」**だと考えるべき点です。(FTAの専門家:ロジスティック)

1品目あたり、マスタ上に少なくとも次のスロットを用意するイメージです:

  • Global HS6(HS2022版)
  • Global HS6(HS2028版)
  • 国別輸入コード(日本/EU/米国など)
  • 国別輸出コード
  • 協定別HS6(RCEP用、日EU用…)+それぞれのHS年版

そして、それぞれに

  • 有効期間
  • 参照したHS年版・条文・注
  • 事前教示番号などの根拠情報

を持たせておきます。(FTAの専門家:ロジスティック)

こうしておけば、

マスタ上は「多重HS」だが、申告時にはシステムが国・用途に応じて適切な1つを自動選択する

という設計が可能になり、分類ズレを構造的に減らすことができます。

5-4. FTA・規制リストの「版管理」を明確にする

HS2028は、FTAと規制リストにとっても「大きな節目」になります。(FTAの専門家:ロジスティック)

実務的には、

  • 主要FTA(RCEP、日EU、CPTPPなど)ごとに、
    • 参照HS年版(2012/2017/2022 etc.)
    • HS2028への改正・適用時期
      を一覧化
  • 利用額の大きい品目については、
    • HS2028移行後も原産性を満たせるか
    • むしろ関税メリットが増えるのか/減るのか
      を事前に試算する

規制リスト(危険物・環境条約・デュアルユースなど)についても、HS参照が変わるタイミングで「漏れ」と「やり過ぎ」の両方が出ないよう総点検する必要があります。(FTAの専門家:ロジスティック)

5-5. 経営レポーティングに「HS2028対応KPI」を組み込む

HS2028対応は、担当部署だけのプロジェクトにしない方がうまく回ります。

例えば、経営レポートには次のようなKPIを入れておくと、経営層と同じ言語で議論しやすくなります。

  • HS2028でコード変更が発生するSKU数・売上比率
  • 関税コスト増減の見込み(主要国・主要事業別)
  • FTA利用額のうち、「HS2028でPSR改正対象」となる比率
  • HS2022⇔HS2028のマスタ整備進捗(〇%完了)

これにより、HS2028対応が「単なる通関の話」ではなく、関税コスト・FTA戦略・IT投資を含む経営テーマであることを共有できます。


6. ざっくりタイムライン:2025〜2028年に何をするか

最後に、ビジネス側のロードマップを簡単に整理しておきます。(FTAの専門家:ロジスティック)

〜2025年末:準備フェーズ

  • HS2028の基本情報・対象分野の把握
  • 社内プロジェクト体制の立ち上げ(貿易・調達・営業・IT・経理を巻き込む)
  • HS2022ベースでの品目マスタ棚卸し・ズレ解消

2026年:差分分析フェーズ

  • WCOが公表するHS2028条文・相関表の入手
  • SKUごとの新旧HS6桁マッピング
  • 関税率・FTA原産地・規制への影響分析
  • マスタ・システム改修の詳細設計開始

2027年:システム・実務検証フェーズ

  • ERP/GTM/原産地管理システムなどの改修・テスト
  • 国別8〜10桁コード(日本9桁、EU CN、US HTSなど)の追随状況確認
  • 主要仕向地でのテスト申告(通関業者とのドライラン)
  • 営業・物流・調達部門向けの社内教育

2028年以降:本番運用+継続的なHS改正マネジメント

  • HS2028での本番申告開始
  • 各国の運用差・FTA PSR改正への継続フォロー
  • すでに動き始めているHS2033モダナイゼーションを念頭に、
    「HS改正への対応力」を社内の標準機能にしていく。(AEB)

7. まとめ:分類ズレは「見えにくいが大きな経営リスク」

HS2028改正は、数字だけ見れば「6桁コードが少し動くだけ」に見えます。
しかし実際には、

  • 関税コスト
  • FTAメリット
  • 規制コンプライアンス
  • サプライチェーンの安定性
  • IT投資と運用コスト
  • そして経営指標としてのデータの連続性

といった領域に、じわじわと影響を及ぼします。

その起点にあるのが、今回取り上げた**「分類ズレ」**です。

  • 「1製品=1HSコード」の発想を捨て、
  • 国別・版別・用途別の**“多重HS”を前提としたマスタ設計**を行い、
  • 相関表とシミュレーションを活用して、影響を“見える化”する

これができれば、HS2028改正は「ただ耐えるイベント」ではなく、

・関税コスト最適化
・FTA活用の高度化
・マスタデータ整備と業務標準化

のチャンスにもなり得ます。


最後に

本記事の内容は、2025年11月時点で公表されているWCO資料や各国当局・専門ベンダーの情報をもとに整理しています。(UNSD)

ただし、最終的なHS2028条文・国別の実施スケジュール・各FTAのPSR改正内容は、必ず最新の公式情報で確認したうえで、自社の判断・対応方針を固めてください。

あなたの会社としては、

「HS2028対応=分類ズレをいかにコントロールするかの勝負」

だと捉えると、どこから手を付けるべきかが見えてくるはずです。

HS Code Finder デモンストレーションのご案内

革新的なツールであっても、実務にフィットしなければ意味がありません。

導入前のミスマッチを防ぐためにロジスティックでは、HSCFの操作性や機能を事前に検証できる「トライアル環境」を提供しています。

AIでHSコード迷子から卒業!「HSCF」が貿易実務を劇的にラクにする理由

AIでHSコード迷子から卒業!
「HSCF」が貿易実務を劇的にラクにする理由


貿易実務で、こんなモヤモヤありませんか?

  • この商品のHSコードがどうしても決めきれない
  • 通関業者や社内の“あの人”に聞かないと進まない
  • FTA/EPAの原産地証明で、CTC判定に時間ばかりかかる

HSCF(HSコード・ファインダー / HS Code Finder)は、こうした悩みを“AI+専門家ノウハウ”で一気に軽くするために生まれたツールです。

ここでは、ブログ記事としてその「特徴」をわかりやすく整理してみます。
(そのままコピペして、貴社ブログ用に調整していただいてOKです)


HSCFってどんなツール?

  • 商品名や仕様などの情報を入力
  • 場合によっては写真や仕様書ファイルもアップロード
  • AIが、確度付きで複数のHSコード候補を提示
  • さらに「なぜそのコードなのか」「なぜ他のコードは除外したのか」まで説明

単に“それっぽいコード”を出すのではなく、専門家が考えるプロセスをAIに学習させた「根拠付き」の判定が特徴です。


特徴① 専門家ノウハウ × AIで「根拠付きの候補提示」

HSCFの一番の強みは、ブラックボックスではないAI判定であることです。

  • HS2022ベースでHSコード候補を提示し、将来のHS2028にも対応予定
  • 適用通則や注、WCO Explanatory Notes(解説注)、HS Committee Decisions など、
    実務で重要な根拠情報とセットで提示
  • 「このコードを選んだ理由」「他の候補を除外した理由」「判定のポイント」を一覧で表示

そのため、

  • 日本商工会議所への説明
  • 原産地証明の検認対応
  • 税関からHSコードについて指摘を受けたときの説明資料

といった場面で、“言いっぱなしではない説明可能なHSコード”を準備しやすくなります。


特徴② 入力は“自然な言葉”から“画像”まで柔軟対応

HSCFは、現場で使いやすいように入力インターフェースがとても柔軟です。

  • 自然な日本語での説明文を入力するだけでも検索OK
    • 例)「自動車用のゴム製ガスケット」「リチウムイオンバッテリー内蔵の携帯機器」など
  • スマホで撮った写真をアップロードして判定をサポート
  • 仕様書や図面などのファイルからも情報を読み取り、判定に活用

公式サイトでは、ゴム製ガスケットの写真をアップロードしただけで、

  • 推定HSコード(6桁)
  • 日本・米国・EUの各国別コード例示
  • 判定のポイント(形状・材質・用途など)
  • 他候補との比較と確度(%)

まで表示された実例が紹介されています。

画像はあくまで補助で、より正確な判定には追加情報も必要ですが、「まず当たりをつけたい」「候補を絞り込みたい」という場面では非常に頼りになるアシスタントになります。


特徴③ FTA/EPAも見据えた“マルチイヤー・マルチカントリー”対応

HSコードは「6桁で世界共通」とはいえ、国ごとのサブヘッディング(7桁目以降)や、HS年次の違いが実務で大きな壁になりますよね。

HSCFは、この点にも踏み込んでいます。

  • 輸出先国の国内サブヘッディング(7桁目以降)候補も特定可能
    → 通関時に適用される関税率などを事前に把握しやすくなる
  • HS2022をベースにしつつ、相関表(Correlation Tables)を利用して過去のHS年次も推定
    → FTA/EPAの原産地規則チェックで必要となる「協定発効時点のHSコード」を遡って確認できる

これにより、

  • 「原産地規則の判断に必要なHS年次が違う」
  • 「相手国だけ別コードになっていて混乱する」

といった、これまで属人的な“勘と経験”に頼っていた部分を、システムとして見える化できるのが大きな特徴です。


特徴④ 「足りない情報」を教えてくれる対話型チェックリスト

HSコードを正確に特定するためには、どうしても商品情報の粒度が重要になります。

HSCFは、

  • 現時点の情報での推定結果と確度(%)を提示しつつ、
  • 「もっと精度を上げるためにはこの情報が必要です」という
    追加情報のチェックリストも出してくれます。

たとえば、

  • 材質の詳細(EPDMか、PTFEか、金属積層の有無など)
  • 発泡か非発泡か
  • 用途(配管フランジ用か、セット品か など)

といったポイントを教えてくれるので、
社内の技術部門・設計部門へのヒアリングも効率的になります。


特徴⑤ 最終判断はユーザーに——でも、その根拠づくりを強力サポート

HSCFはあくまで「判定支援ツール」です。

  • 最終的なHSコードの分類は、各国の関税表や税関判断(BTI/Advance Ruling、米国CROSS等)に従う必要があります。
  • HSCFは、頂いた情報にもとづいて「合理的な候補と根拠」を提示することが主眼であり、1つのコードを断定するのではありません。

だからこそ、

  • 通関業者や税関とのコミュニケーション
  • 商工会議所への説明
  • 社内コンプライアンスや監査対応

といった「なぜこのHSコードを選んだのかを説明しないといけない場面」で、HSCFが出力したロジックは非常に強い味方になります。


まとめ:HSCFは「HSコード判定の共通言語」をくれる

HSCFの特徴をひと言でまとめると、

HSコード判定を、人の勘と経験だけに頼らず、
AIと専門家ノウハウで“共通言語化”してくれるツール

です。

  • 属人化していたHSコード判定をチームで共有できる
  • FTA/EPA対応まで含めた中長期の運用を見通せる
  • 説明責任が求められる時代の“根拠づくり”を支えてくれる

もし、社内で
「HSコードがネックになってFTA活用が進まない」
「通関部門・輸出管理部門の負荷が限界」

といった悩みがあるなら、
HSCFはそのボトルネックを外す有力な選択肢になるはずです。


【産業交流展2025】ブースに居候中。3日目の会場から見えた「意外な景色」

今、知り合いのブースにちゃっかり居候させてもらい、「産業交流展2025」に参加しています。

今日で3日目。 隣のイベントが終わったせいか、人の波が引いて、少し静かな金曜日です。

でも、この「余白」の時間、嫌いじゃありません。 慌ただしい中では見落としていたことが、ふと見えてくるからです。

「この状況、自分のビジネスならどう活かす?」

喧騒が去った会場で、次の一手をシミュレーション中。 現場だからこそ得られるヒントを、しっかり持ち帰ろうと思います。

HSCF公式ブログ|はじまりのページ

HSCFのブログへようこそ。
ここは、HSCFの「今」と「これから」をお届けする場所です。

私たちが大切にしている想い、立ち上げのストーリー、日々の活動やイベント情報、ちょっとした裏話まで。公式サイトやSNSだけでは伝えきれない、HSCFの空気感や人となりを、ブログならではのカジュアルさで発信していきます。

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