AFTAにおけるシンガポール経由のBack to Back CO取引例

シンガポールは**ASEAN最大の中継貿易港(トランジットハブ)**として機能しており、AFTA(ATIGA)のBack to Back CO発給件数が突出して多い国です 。以下に代表的な取引例を示します。[jetro.go]​


基本取引例①:インドネシア→シンガポール→ベトナム

[インドネシア工場]
↓ 輸出(ATIGAのForm D 原産品)
[シンガポール倉庫] ← 一時保管のみ・加工なし
↓ Back to Back CO発行(Singapore発給機関)
[ベトナム輸入通関] ← ATIGA特恵関税を適用

ATIGAの典型例です 。インドネシアが発行したOriginal Form Dをシンガポールの発給機関に提示し、シンガポールから**新たなForm D(Back to Back CO)**を発行してもらいます。シンガポールの倉庫内では加工を一切行わず、インドネシアで取得した原産資格がそのまま維持されることが条件です 。tarifflabo+1


基本取引例②:マレーシア→シンガポール(仕分け・分割)→インドネシア・フィリピン

[マレーシア工場]
↓ まとめて輸出(ATIGA Form D)
[シンガポール物流センター]
↓ 仕分け・コンソリ出荷
┌───────────────┐
[インドネシア] [フィリピン]
Back to Back CO Back to Back CO

Original COの数量の範囲内で分割出荷に対応したBack to Back COを複数枚発行できるのが、この制度の実務上の最大のメリットです 。在庫をシンガポールに置いてオーダーに応じて各国へ出荷するスタイルで広く利用されています。[jastpro]​


実務ケース③:日系企業の三国間取引(インドネシア委託工場→シンガポール→ベトナム得意先)

日系企業がインドネシアの委託先工場で生産した製品を、ベトナムの得意先へ三国間貿易で輸出する際、シンガポールでBack to Back COを発行し、ベトナムでATIGA特恵関税を適用するケースが実際に報告されています 。この場合、AJCEPのBack to Back COとATIGAのどちらを使うかの協定選択も重要な実務判断となります。[jmcti]​


シンガポールが選ばれる理由

要因内容
発給実績中継ぎ貿易港として発給件数が突出して多く、当局の経験値が高い [jetro.go]​
手続き効率Singapore Customs(シンガポール税関)が電子申請(TradeNet)でBack to Back CO発行に対応 [customs.gov]​
積送要件税関管理下での保管・仕分けが明確にルール化されている [global-scm]​
協定網ATIGA・AJCEP・RCEP・CPTPP・日シンガポールEPAなど多数の協定に参加しており、柔軟な協定選択が可能 [jastpro]​

手続き上の主な注意点

  • 元のOriginal Form D(またはe-Form D)の**有効期限(発給日から12か月)**内にシンガポールから最終国へ輸出・輸入申告を終える必要があります[global-scm]​
  • シンガポール発行のBack to Back CO自体も新たな有効期限が設定されるため、二段階の期限管理が必要です[global-scm]​
  • 最終輸入国(例:ベトナム)の税関が疑義を持った場合、元のOriginal COの提示を求められることがあるため、原本または認証コピーを保管しておくことが推奨されます[global-scm]​