再製造品の通関を円滑にする保証書戦略

「再製造品の通関を円滑にする保証書戦略」を、すでに再製造ビジネスを行っている企業向けに、実務ベースで整理します。
(=今ある保証書や帳票を「通関に強い仕様」にアップグレードする、という前提です)


1. なぜ「保証書」が通関で効くのか

税関が再製造品をチェックする際の典型的な懸念は:

  • 単なる「中古品」や「廃棄物」の輸入ではないか
  • 安全性・品質が担保されているのか
  • 過度に過小申告された「ジャンク価格」ではないか

です。

保証書は、次の点を客観的に示す“証拠”になり得ます:

  • 「新品同等の性能・品質を持つ、再製造品である」こと
  • 製造者が一定期間の責任(保証)を引き受けている=製品としての価値があること
  • どの工場で・どのプロセスを経て再製造されたかがトレースできること

したがって、うまく設計された保証書は、
「中古・スクラップ」扱いを避け、再製造品としての正当な通関を支えるキー資料
になります。


2. 戦略の全体像(3つのレイヤー)

① 文言戦略(保証書の中身をどう書くか)

  • 「再製造品」であること
  • 「新品同等性能」「保証期間」「トレーサビリティ」などを、税関が読み取りやすい形で明文化

② ドキュメント・パッケージ戦略

  • 保証書だけではなく、
    「工程票・検査成績書・使用部品リスト・ラベル仕様」などとセットで通関資料に使えるようにしておく

③ オペレーション戦略

  • 誰が、いつ、どの様式で保証書を発行し、
    通関トラブル時に誰が修正・追加説明を行うかを社内プロセスとして固定する

3. 保証書の「通関向け」文言設計

3-1 必須要素(最低限ここは押さえたい)

  1. 再製造品である明示
    • 例: 本製品は、当社工場において分解・検査・部品交換・再組立・最終検査を行った**再製造品(remanufactured product)**です。
  2. 新品同等性能の明示
    • 例: 本再製造品は、当社の新品製品と同等の性能および機能を有することを確認しております。
    • 「新品以上」「新品を超える」等の表現は避け、**“新品と同等”**にとどめると法務的にも扱いやすいです。
  3. 保証期間と、新品との比較
    • 例: 保証期間:出荷日より12か月(当社新品製品と同一条件)
    • 税関は「保証期間」からも商業的価値・品質レベルを推定します。新品と同等、またはそれに準じる期間であることを明示。
  4. 保証の範囲
    • 例: 本保証は、通常の使用条件下での材料および製造上の欠陥に限定されます。交換部品および修理工賃を対象とし、二次的損害は対象外とします。
  5. トレーサビリティ情報
    • 保証書のどこかに、最低限次を入れる:
      • 再製造工場名/所在地(国名)
      • 再製造日または出荷日
      • 製品型式・ロット番号・シリアル番号
      • 再製造工程コードや作業指示番号(社内コードでも良い)
  6. 安全・規格・適合情報
    • EU・北米向けなら、必要に応じて:
      • 適用規格(例:IEC、UL等)
      • CEマーキング/UL認証等の有無
    • これを保証書内に簡潔に記載し、詳細は別紙「技術文書」「試験成績書」に飛ばす設計にすると整理しやすいです。

4. 通関で使える「保証書+技術資料パッケージ」の標準構成

実際にうまく回っている企業ほど、次のような**“ひとまとめパック”**を決めています。

  1. 保証書(Customer Warranty Certificate)
    • エンドユーザー/販売先向けだが、税関提出用としても使えるように日英併記にしておくと有利。
  2. 再製造工程フローとチェックシート(1~2枚)
    • 「分解 → 清掃 → 検査 → 交換 → 再組立 → 最終検査」の流れを1枚図に
    • 代表的な検査項目と合否基準を簡潔に記載
  3. 出荷検査成績書(代表値で可)
    • 主な性能項目と合格判定
    • “新品基準”と“再製造品の測定値”を並べるフォーマットにすると、
      「新品同等」の裏付けとして説得力が出ます。
  4. 使用した新品部品の一覧
    • 例:
      • 部品名/部品番号
      • 新品・再利用区分
      • 主要な新品部品(シール類、ベアリング、電子基板等)には、「メーカー純正/同等品」の別も明示
  5. ラベル・マーキング仕様
    • 製品に貼るラベルの見本(PDFで1枚)
    • 以下の項目が読めるように:
      • “Remanufactured by XXX in [Country]”
      • 製品型式・シリアル
      • 再製造日コード
    • 税関に「表示が明確=ユーザーも再製造品と理解して購入している」ことを伝えられます。
  6. 原産地・HSコード関連との紐付け
    • HS分類メモ、原産地判定メモ(RoO)、コスト構成等の記録と、
    • 上記パッケージを同じ案件フォルダで一括管理しておく
    • HS Code Finder/社内HS判定システムの「添付資料」欄に
      • 「保証書」「出荷検査成績書」「再製造工程図」を標準で含める
        というルールにすると、後からの説明資料の入手が非常に楽になります。

5. 実際に行われているオペレーションのイメージ

5-1 A社パターン(日本本社+ASEAN工場 → EU/US向け)

  • 本社(日本)
    • 保証書テンプレートを日英版で作成し、一元管理
    • 改定時は、法務・品質保証・貿易部が合同レビュー
  • ASEAN再製造工場
    • 本社テンプレに従って保証書を発行(製品ラベルと同じLOT/Serialを必ず記載)
    • 出荷検査成績書、工程票、部品リストをロットごとにPDF化
  • 通関・物流(日本/現地販売会社)
    • 税関から照会が来た場合すぐ出せるよう、
      「インボイス/パッキングリスト/HS分類メモ/保証書パック」を1セットにして保管
    • HSコードや「新品/中古/再製造」区分を確認されたときは、
      まず保証書+工程フロー+検査成績の3点セットを先に提示

5-2 B社パターン(自動車部品の再製造サービスパーツ)

  • 部品番号(P/N)単位で保証書を紐付け
    • 部品マスタに「新品」「再製造」「修理品」の区分フラグを持たせる
    • 再製造品には必ず保証条件コードを設定(新品と同等 or 短縮など)
  • 保証書には、次を明示
    • 対象部品番号
    • 適合車種/システム
    • 保証期間と走行距離条件
  • 通関実務
    • HSコード説明依頼の際に、
      「この部品は新品ではなく再製造品だが、メーカー保証付きで新品同等性能である」
      ことを保証書と部品マスタ情報で説明する運用

6. 国・地域別の「見せ方」のコツ(ハイレベル)

※法的アドバイスではなく、実務上よく取られる“説明トーン”のレベル感です。

ASEAN域内(改定ATIGAも意識)

  • 一部加盟国では「中古品・廃棄物」の輸入に慎重
  • 保証書上は:
    • 「新品同等性能」である点
    • 認定工場での再製造である点
    • 簡潔な環境面の意義(廃棄削減・資源活用)を追記すると、担当官に納得感が出る場合が多い

EU向け

  • 環境・安全・エコ設計の観点にも関心
  • 保証書では:
    • 適用規格・指令(例:低電圧指令、EMC指令等)への適合を簡単に触れる
    • 詳細は「技術ファイル」「試験レポート」にリンクさせる設計が無難

米国向け

  • 「Repair/Refurbished/Remanufactured」の違いに敏感な場合あり
  • 保証書では:
    • “Remanufactured”を明示(Refurbishedと混在させない)
    • 保証内容(期間・範囲)をクリアに書くことで、商業的価値と品質水準を説明

7. 社内で今すぐできるチェックリスト

  1. 対象製品の棚卸し
    • 再製造品のラインアップをリストアップ
    • 「保証書が存在するもの」「存在しないもの」「新品と同じ保証書をなんとなく使っているもの」に色分け
  2. 保証書フォーマットの見直し
    • 上記3-1の必須要素が入っているかをチェック
    • 「新品と同じ文言をコピペ」していないか(再製造品の特性が反映されているか)
  3. 技術資料とのリンク
    • 保証書に書いてある内容を裏付ける工程票・検査成績書が、
      ロット別にちゃんと残っているか
    • HS分類メモ・原産地判定メモと同じフォルダに保存されているか
  4. 通関トラブルのフィードバック
    • 過去に「中古扱い」「価格査定」「環境規制」などで指摘を受けた案件を振り返り、
    • そのときに「保証書に何が書いてあれば言いやすかったか」を洗い出し、
      保証書テンプレに反映(テンプレの改訂履歴を残す)

改訂ATIGAでの「再製造品」の扱い

改正ATIGAは、再製造品を「中古品扱い」から「正規商品」として流通させやすくする方向に大きく舵を切ろうとしています。ただし、(1)協定本文はまだ全面公開されておらず、(2)発効もこれからであるため、以下は公表されている公式資料・報道、他FTA(CPTPP等)やWCOの分析をベースにした「現時点で読める範囲の整理とビジネス的インプリケーション」です。fungry+3

1. 改正ATIGA(Upgraded ATIGA)の位置づけとタイムライン

ATIGA(ASEAN Trade in Goods Agreement)は2009年に署名、2010年に発効したASEAN域内の物品貿易自由化の中核協定です。2022年から「アップグレード(改正)」交渉が開始され、持続可能性・循環経済・再製造品・環境と貿易・サプライチェーン連結性など新テーマを取り込むことが目標とされてきました。kenbunsya+3

2025年10月、クアラルンプールで開催された第47回ASEANサミットで「Upgraded ATIGA(第2次改正議定書)」に各国が署名しました。協定は「全加盟国が署名を完了してから18か月後」に発効する見込みとされています(ASEAN事務局の発表)。fungry+2

発効時期の見通し:2025年11月時点では、署名は完了していますが、まだ発効前です。実務的な適用開始は各国の批准スピード次第ですが、早くとも2027年前後と見込まれます。sambushi+3

2. 「再製造品(remanufactured goods)」の定義

WCOや米国・EUのFTAで使われる一般的な定義を整理すると、以下のようになります。c-edge+1

再製造品:中古品や使用済み製品(コア)を回収し、分解・洗浄・摩耗部品の交換・再組立・試験などの工程を経て、新品と同等の性能・寿命・保証を持つレベルまで再生した製品です。例としては、再製造エンジン、再製造トランスミッション、再製造プリンタカートリッジ等が挙げられます。kenbunsya+3

中古品(used goods):使用済みだが、特段の再製造工程を経ていないもの(簡単な清掃や調整のみ)を指します。sambushi+1

修理品(repaired goods):壊れた箇所だけを修理したもので、全体として新品相当の性能・寿命を保証しているとは限りません。fungry+1

多くの国では、再製造品が関税・輸入規制上「中古品」とみなされ、輸入禁止、特別なライセンス義務、高い検査負担などの障壁に直面しています。改正ATIGAは、この扱いを変えて「循環経済の重要な一部としての再製造品」を適切に位置づけ直すことを目的としています。kenbunsya+3

3. 改正ATIGAで再製造品が取り上げられる背景

3-1. 新しい「サステナビリティ・循環経済」軸

改正ATIGAは、従来の関税自由化や原産地規則に加え、「循環経済」「再製造品」「環境と貿易」「サプライチェーン連結性」といった新テーマを包含すると各種公式声明で説明されています。c-edge+1

シンガポールMTIの資料では、サステナビリティの柱として、環境財の貿易障壁削減と再製造品の流通円滑化が明示されています。kenbunsya+1

3-2. 再製造品に特化した新ルールの必要性

米国・CPTPP・EU等のFTAでは、再製造品について明確な定義、原産地規則(どのレベルの再製造をすれば「原産」と認めるのか)、「再製造品である」という理由だけで輸入禁止・差別的規制を課さないこと、ラベリング(再製造品であることの表示)のルールなどを定めるのが一般的になりつつあります。WCOやASEANの研究でも「同様の枠組みを導入すべき」と指摘されていました。sambushi+2

4. 改正ATIGAにおける再製造品ルールの骨格

2025年11月時点では、Upgraded ATIGAの条文全文は公式にはまだ一般公開されていません。専門家レポートでも「テキストは未公表だが、17の新章が含まれる」とされています。fungry+2

以下は、公表されている政府プレスリリース・インフォグラフィック、ASEAN・WCO・EU-ASEAN Business Council等の分析から読み取れる「方向性」です。c-edge+2

4-1. 「再製造品の流通円滑化」の明示

シンガポール貿易産業省(MTI)のプレスリリースでは、サステナビリティの項目として次のポイントが挙げられています。kenbunsya+1

  • 環境財の貿易障壁を下げるための協力
  • 「環境にやさしい製品やリサイクル製品を含む再製造品」の流通円滑化

これは「ASEANのFTAとして新しい特徴」であり、まずは「準備の整った加盟国(ブルネイ、マレーシア、シンガポール)」から導入されます。他の加盟国は、協定発効から以下のスケジュールで実施協議を開始します。sambushi+3

  • インドネシア・フィリピン・タイ:5年以内に実施協議を開始
  • カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム:7年以内に協議開始
  • いずれも協議開始から2年以内に結論を出す

同趣旨の説明は、シンガポール政府のインフォグラフィックでも「再製造品(環境配慮型・リサイクル品を含む)の貿易拡大が期待される」とされており、再製造品が改正ATIGAの重要な要素であることが強調されています。c-edge+1

4-2. 定義・分類・輸入手続き・原産地の整理

ASEAN Investment Report 2025の要約によると、アップグレードでは以下の点が整理されます。fungry+1

  • 再製造品の定義
  • 分類基準(HS・AHTNとの紐づけ方法)
  • 再製造品の輸入手続き・規制のあり方
  • 再製造品の原産地の扱い

US-ASEAN Business Councilのレビューでは、各加盟国が定義、分類基準・輸入手続・原産地の判断などに懸念を示しており、解決策として「循環経済向けのゼロ関税・優遇関税」「再製造品の重要性を前提としたルール化」が提案されています。sambushi+1

つまり、「再製造品をどう定義し、どう税番を付け、どう輸入させ、どの条件で原産品扱いにするか」が改正ATIGAの重要テーマになっていると理解できます。fungry+2

4-3. 関税面:新品との同等・優遇が方向性

EU-ASEAN Business Councilなどのビジネス側からの提言では、「中古・再利用・再製造・リサイクル品に対し、ゼロ関税や優遇関税を明示すべき」と求めており、循環経済推進の観点から、新品と同等またはより良い税率を与える方向性が示されています。c-edge+1

改正ATIGAの全体像としても、域内貿易の「99%超の貿易自由化」を目標としていますので、再製造品についても既存の関税譲許スケジュールに基づき、新品と同じ優遇関税(多くは0%)を適用する方向と見られます。kenbunsya+2

4-4. 原産地規則(RoO)との関係

WCOの研究では、他のFTA(CPTPPやEU協定など)での再製造品ルールとして、以下のパターンが一般的です。sambushi+1

  • 「再製造工程」自体を実質的変更(substantial transformation)として認める
  • 回収コア+新部品を組み合わせた再製造品が原産品となる条件を明記
  • 再製造過程で生じる廃材・回収材の扱い(原産性の付与)を整理

改正ATIGAも、再製造工程をどの程度行えば「原産」とみなすか、ASEAN域内で回収されたコアや部品をどう累積(cumulation)として扱うかなどを整理する方向で設計されているとみられますが、具体的なCTCやVAの数値条件はまだ公表されていません。fungry+1

5. ASEAN各国の導入タイムライン(フェーズ分け)

再製造品に関する新ルールは、加盟国一斉スタートではなく、フェーズ導入が明記されています。kenbunsya+1

グループ対象国導入タイミング(目安)
第1フェーズ:Ready AMSブルネイ、マレーシア、シンガポールUpgraded ATIGA発効とほぼ同時に再製造品規定を実施
第2フェーズインドネシア、フィリピン、タイ協定発効から5年以内に実施方法を協議開始→協議開始から2年以内に結論
第3フェーズカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム協定発効から7年以内に協議開始→協議開始から2年以内に結論

※実際の適用開始日は、各国の国内法整備・批准状況に依存します。c-edge+1

当面(2027年〜2030年頃)は「ブルネイ・マレーシア・シンガポール間」で再製造品ルールが先行し、他のASEAN諸国は中長期的に追随するという時間差が予定されています。sambushi+1

6. 日本企業へのビジネス・インパクト

ここからは、日本企業(特にASEANに生産拠点・販社を持つ企業)の視点で、想定される影響を整理します。fungry+1

6-1. ビジネスチャンス:再製造ビジネスの「公認」ルートの確立

これまで、多くのASEAN諸国では再製造品が「中古品」として扱われ、輸入禁止、数量制限、輸入ライセンス・検査の負担、税関での分類トラブルが頻発していました。c-edge+1

改正ATIGAは、再製造品を循環経済の一部として位置づけた上で「流通円滑化」を明示しているため、再製造品が新品と同じ税番・関税率で扱われ、「再製造品であること」だけを理由にした輸入禁止・差別的扱いが制限される方向が期待されます。kenbunsya+2

これにより、自動車部品・建機部品・産業機械・プリンタ/複合機などでの再製造ビジネス、グリーン調達・循環型ビジネスモデル(リース+回収+再製造)が設計しやすくなります。sambushi+1

6-2. サプライチェーン設計:ASEAN内の「リマニュファクチャリング・ハブ」

実務的には、まずマレーシア・シンガポールを中心に「ASEAN内再製造ハブ」を設け、ASEAN域内の拠点同士をATIGAの優遇関税でつなぐというモデルが現実的です(同2か国は第1フェーズで即時導入)。kenbunsya+1

例えば、タイ・インドネシア等で販売された製品の使用済みコアをマレーシアのリマニュファクチャリング工場に集約し、再製造品として再びASEAN各国に供給する方法が考えられます。将来的に、各国の再製造ルール導入後は、ローカル拠点での再製造ビジネスも拡大する見込みです。fungry+2

6-3. 通関・コンプライアンスで注意すべきポイント

HS分類と「中古品扱い」のリスク

HS上、再製造品も基本的には新品と同じ品目・機能で分類されるのが原則ですが、実務ではしばしば「中古品」扱いされます。改正ATIGAの狙いは、ここを整理・標準化することです。c-edge+3

以下を明確に文書化しておくことが、税関との議論・将来の紛争予防に重要です。sambushi+1

  • HS分類根拠
  • 再製造工程の内容(分解・検査・交換・試験等)
  • 品質保証・保証期間

輸入規制との整合

再製造品ルールができても、各国の廃棄物輸入規制、中古機器規制、衛生・安全・環境関連の国内法は残ります。従って、関税面ではATIGAで優遇される一方、非関税規制は各国法を個別に確認するという二段階アプローチが必要です。fungry+2

原産地証明(Form Dなど)

再製造品の原産地規則がどう整理されるかは今後のポイントですが、回収コアがどこの国から来たのか、どの国でどの工程を行ったか、使用した新部品の原産性などを証明するためのトレーサビリティと記録管理は確実に重要になります。c-edge+1

6-4. 社内的な備え:品質・保証・ラベリング

改正ATIGAの条文を待たずに、現時点から実施可能な対策として以下が挙げられます。sambushi+2

  • 再製造品を新品と同等の性能・保証レベルで設計・運用すること(これが国際的な「remanufactured」の前提)
  • 「ReMAN」「Refurbished」などのラベルや取扱説明書に、再製造工程の概要、性能保証、環境メリット(CO₂削減、資源使用削減など)を分かりやすく盛り込むこと
  • 品質管理・認証(ISO、IATF等)とリンクさせ、規制当局にも説明しやすい形にしておくこと

7. 日本企業が今から取るべきアクション(チェックリスト)

ビジネスマン視点での「当面のTo-Do」は以下のとおりです。c-edge+1

自社ポートフォリオの棚卸し

自動車部品、建機・産機、OA機器など「再製造ビジネスに回せる製品」「コアを回収しやすい製品」を洗い出します。fungry+1

ASEAN内フローのマッピング

どの国で販売し、どの国で再製造が現実的か(特にマレーシア・シンガポール)、将来的な他ASEAN諸国での展開余地を検討します。kenbunsya+1

税関・規制当局との対話チャネル準備

各国の通関業者・法務・業界団体と連携し、再製造品に対する当局のスタンス・ローカル規制を事前に把握しておきます。sambushi+1

原産地・トレーサビリティの仕組みづくり

コア回収・再製造工程・新部品の原産性を追跡できるシステムを構築し、将来のATIGA改正RoOへの対応を見越して、データ項目を設計します。fungry+1

社内の定義統一と教育

「中古品」「修理品」「再製造品」の社内定義を明確化し、営業・サプライチェーン・品質部門に対して、今後のATIGA改正の方向性を周知します。c-edge+1

情報モニタリング

協定本文の公開・各国の批准状況、再製造品に関するガイドライン・通達(特にマレーシア・シンガポール)を定期的にチェックします。kenbunsya+1

まとめ

改正ATIGAは、再製造品を含む循環経済を本格的に組み込んだ「次世代のASEAN物品貿易協定」に進化しつつあります。kenbunsya+2

具体的条文はまだ非公開ですが、再製造品の定義・分類・輸入手続・原産地、新品との同等・優遇関税、非関税障壁削減という方向性は各種公式資料からほぼ明らかです。sambushi+1

当面はマレーシア・シンガポール等での先行導入から、他ASEANへの段階展開となる見込みで、日本企業にとっては再製造ビジネスをASEAN内で立ち上げる好機である一方、原産地管理・品質・規制対応の高度化が求められる時期となります。fungry+3

特定業界(自動車・産機・OA機器など)ごとの影響整理や、「再製造品向けForm D/RoO管理のための社内テンプレート案」など、さらに実務寄りのアウトプットが必要な場合は、追加で作成可能です。c-edge+1

  1. https://c-edge.jp/column/kouseikouetsu/
  2. https://sambushi.jp/article/proofreading/
  3. https://kamisommelier.jp/717/
  4. https://kiji-sniper.com/blog/calibration-discrimination/
  5. https://fungry.co.jp/cnaps/blog/kousei-kouetsu/
  6. https://www.kenbunsya.jp/commusapu/design/4882/