- (用語の統一)
類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)
0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)
- この類に入る代表例(3〜6個):
- 三輪車・スクーター等の車輪付き玩具、人形、その他の玩具、パズル(95.03)
- 家庭用ゲーム機(外部モニターに映すタイプ)や、画面内蔵の携帯型ゲーム機(95.04のうち、主に9504.50の対象)
- クリスマス装飾などの祝祭用品(95.05)
- スポーツ・屋外遊戯用の用具(ゴルフ、テニス、卓球、プール等)(95.06)
- 釣りざお・釣針・リール等の釣具(95.07)
- 遊園地の乗り物(ジェットコースター等)、ウォーターパーク設備、射的場などの興行用設備、巡回劇場設備等(95.08)
- この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
- ゲームソフト(ディスク等の記録媒体):85.23(第95類注1(m)や95.04の解説で明示)
- 無人航空機(いわゆるドローン):88.06(第95類注1(p)で除外)
- ストリングライト(イルミネーション等):94.05(第95類注1(u)/95.05の除外でも言及)
- 玩具っぽい外観でも、実体がポンプ・モーター・フィルター等の機械/電気機器:84類・85類など(第95類注1(m)で例示)
- 実用性のある生活用品(衣類・寝具・リネン等):材質により別類(注1(x)の考え方)
- 実務での最重要分岐(1〜3個):
- 「遊ぶ/競う/運動する」ための品か、それ以外の実用品(機械・電気製品・衣類等)か(注1で“他章へ飛ぶ”頻度が高い)
- ゲーム機本体(95.04)と、ゲームソフト(85.23)の切り分け
- 95.08(遊園地・興行設備)に該当する“設備”の範囲(ユニット同時提示・本質的必要ユニットの考え方)
- (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
- 家庭用ゲーム機・アーケード筐体(9504.30/9504.50の分岐、周辺機器・ソフトの除外)
- 遊園地設備(95.08)(大型・高額で、誤ると税率や許認可確認、PSR(原産地規則)へ波及しやすい)

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)
1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)
- 第95類は、見出し(品名)だけで決めると事故りやすい類です。理由は、注1で機械・電気・実用品などへ広く除外されるためです。
- 実務では次が効きます:
- GIR1:まず見出しと注(特に類注)で当たりを付ける
- GIR6:4桁(項)→6桁(号)の分岐に落とす(例:9504.30 vs 9504.50、9508の細分など)
- GIR3(b):複数品の組合せ(セット)で「主要な性質(essential character)」が問題になるケース(玩具の組合せ等)
- 「品名だけで決めない」ための観点:
- 用途(遊戯・運動・興行設備か/実用機器か)
- 機能の実体(“玩具風デザイン”でも中身がポンプ・モーター等なら注1(m)で除外されうる)
- 提示のされ方(95.08は“設備として一式”かが重要)
1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)
- Step1:その品は「玩具/ゲーム/祝祭用品/スポーツ用品/釣具/遊園地・興行設備」のいずれですか?
- Step2:第95類注1の除外に当たりませんか?
- 記録媒体(85.23)、無人航空機(88.06)、ストリングライト(94.05)、機械・電気機器(84/85類)等
- Step3:95.03〜95.08のどれに最も素直に当てはまりますか?(2章の表で確認)
- Step4:6桁(号)まで落として、分岐条件(支払手段の有無、設備の類型、水上か否か等)を確認
- よく迷う境界:
- 玩具(95.03) vs 無人航空機(88.06)(“飛行するもの”は注1(p)の影響が大きい)
- ゲーム機本体(95.04) vs 記録媒体(85.23)
- 家庭用遊具(公園・住宅向け) vs 95.08(遊園地設備)(95.08の定義・要件で整理)
2. 主な項(4桁)とその内容
2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)
- 原則:
- 第95類は4桁(項)が多くないため、**実務上は原則「全列挙」**が読みやすいです。
| 項番号(4桁) | 見出しの要旨(日本語) | 典型例(製品名) | 重要な分岐条件/除外/注意点 |
|---|---|---|---|
| 9503 | 玩具(車輪付き玩具、人形、縮尺模型、パズル等) | 三輪車・キックボード(玩具)、人形、レゴ等、ジグソーパズル | 注1(m)(p)(u)等の除外に注意(ドローン/電気機器/記録媒体等) |
| 9504 | ビデオゲーム機・卓上/室内ゲーム、コイン作動娯楽機等 | 家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、トランプ、ビリヤード用品、アーケード筐体 | 9504.30(支払手段で作動)と9504.50(家庭用等)の分岐、ゲームソフト(85.23)除外 |
| 9505 | 祝祭・カーニバル等の装飾用品、手品用品、いたずら用品 | クリスマス飾り、仮装用小物(実用品でないもの)、手品道具 | 実用性がある物品(衣類・食器等)は除外、ストリングライト(94.05)除外 |
| 9506 | スポーツ・屋外遊戯・プール等 | ゴルフクラブ、テニスラケット、卓球用品、スキー用品、プール | 章内で細分が多い。衣類・靴・バッグ等は別類になりやすい |
| 9507 | 釣具 | 釣りざお、釣針、リール、釣り具セットの一部 | 糸など未仕上げは別類、周辺小物も材質・用途で除外あり |
| 9508 | 遊園地の乗り物、ウォーターパーク設備、興行用設備(射的場等)、巡回劇場設備、巡回サーカス/動物園設備 | ジェットコースター、回転木馬、ウォータースライダー設備、射的設備 | “設備として一式”要件/ユニット同時提示、他類により特定される設備は除外 |
(注)WCOのHS上、**[95.01]・[95.02]は欠番(表示のみ)**で、実務的には9503以降が中心です。
2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)
- 分岐条件の整理(頻出ポイント):
- 9504.30 vs 9504.50:
- 9504.50は「外部画面に映すコンソール」または「画面内蔵のビデオゲーム機」等をカバーし、
- 硬貨・紙幣・カード・トークン等の“支払手段で作動するもの”は9504.30へ、という整理が明示されています。
- ゲームソフト(記録媒体):ゲーム機に専ら使う光ディスク等でも、記録媒体は85.23へ除外されます(95.04の解説で明示)。
- 9508の細分(HS2022で重要度が上がった):
- 9508.10:巡回サーカス・巡回動物園の設備
- 9508.21〜.29:遊園地の乗り物/ウォーターパーク娯楽設備(ジェットコースター等、水上設備等)
- 9508.30:興行用設備(射的場等)
- 9508.40:巡回劇場の設備
- 9504.30 vs 9504.50:
- 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
- 9504.30(支払手段で作動) vs 9504.50(それ以外のビデオゲーム機)
- どこで分かれるか:“コイン等の支払手段で作動するか”
- 判断に必要な情報:
- 筐体がアーケード用途か(運用形態)
- 支払モジュール(コインメック等)の搭載有無、仕様書
- 典型的な誤り:家庭用ゲーム機を9504.30に入れる/逆にアーケード筐体を9504.50に入れる
- 95.04(ゲーム機本体) vs 85.23(ゲームソフト等の記録媒体)
- どこで分かれるか:“物がハードか、記録媒体か”
- 判断に必要な情報:
- 商品形態(ディスク・カートリッジ・ダウンロードコード等)
- セット販売の内訳(インボイス明細)
- 典型的な誤り:ゲームディスクを95.04扱い
- 9503(玩具) vs 8806(無人航空機)
- どこで分かれるか:“無人航空機(88.06)に該当するか”(第95類注1(p)で95類から除外)
- 判断に必要な情報:
- 飛行のための構造・機能(仕様書、取説、カタログ)
- 用途(単なる玩具か、航空機としての機能を持つか)
- 典型的な誤り:“玩具だから9503”と即断する(注1(p)の見落とし)
- 9508(設備) vs 「単品部材」
- どこで分かれるか:通常の活動に本質的に必要なユニットを含む“設備一式”か。また、単独なら他類の物品でも、設備を構成し同時提示される場合に95.08となりうる、という整理があります。
- 判断に必要な情報:
- 出荷単位(ユニット構成表、据付図、BOM)
- 同時提示(同梱)か、別送か
- 典型的な誤り:設備一式を部材単品として別類へ分断して申告
- 9504.30(支払手段で作動) vs 9504.50(それ以外のビデオゲーム機)
3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)
3-1. 関連する部注(Section Notes)
- ポイント要約:
- 第95類の注1(k)で参照される「はん用性の部分品(Section XV 注2)」は、玩具・スポーツ用品に使うものであっても、原則として各材質の類で扱う、という考え方と相性が良いです。
- 実務での意味(具体例つき):
- 例:スポーツ用具の「汎用ボルト・ナット」「汎用ヒンジ」「汎用バネ」等は、部品だからといって95類に寄せず、まず“はん用性の部分品”かを疑います。
- “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
- 「専用品に見えるが、寸法・規格が一般用で流通している」=はん用性の部分品として別章へ
3-2. この類の類注(Chapter Notes)
- ポイント要約:
- 注1:第95類からの広範な除外(記録媒体85.23、無人航空機88.06、ストリングライト94.05、機械・電気機器84/85類など)
- 注3(部品・附属品):原則として“当該物品に専ら又は主として使用する”部品・附属品は同じ項で扱うが、注1で除外される物品は含めない(=部品でも注1で落ちる)
- 注6(95.08の用語定義):遊園地の乗り物/ウォーターパーク設備/興行用設備の範囲・定義が整理され、さらに「95.04の設備は含まない」「他で特定される設備は除く」等の方向性が示されます。
- 用語定義(定義がある場合):
- 95.08の「amusement park rides」「water park amusements」「fairground amusements」等の定義と、95.04との境界(95.04の設備は含まない)が整理されています。
- 除外規定(除外先の類・項も明記):
- 記録媒体:85.23
- 無人航空機:88.06
- ストリングライト:94.05
4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)
この章は「類注があるからこそ起きる分岐」を可視化することが目的。
- 影響ポイント1:注1(m)で “玩具っぽい電気製品/メカ” が95類から落ちる
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 中核機能(ポンプ、モーター、トランス、フィルター等)と該当章(84/85類)
- 記録媒体(85.23)かどうか
- 現場で集める証憑:
- 仕様書、回路図、取説、構成部品表、販売ページ(用途表示)
- 誤分類の典型:
- 「子ども向けデザイン」だけで玩具扱い
- 逆に、玩具としての遊戯機能が主であるのに機器扱いへ寄せる(用途・市場実態の見落とし)
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 影響ポイント2:注1(p)で “無人航空機(88.06)” が95類から除外
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 飛行のための構造・性能(推進、制御、滞空など)
- 商品説明・用途(撮影等の機能)
- 現場で集める証憑:
- 仕様書、取説、技術資料、構造図、販売カタログ
- 誤分類の典型:
- “玩具ドローン”を一律に9503へ(注1(p)の見落とし)
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 影響ポイント3:注3(部品・附属品)で「部品=一律部品分類」にならない
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 専用性(専ら又は主として95類品に使用か)
- 注1で除外される部品(例:記録媒体85.23等)ではないか
- 現場で集める証憑:
- 互換表、適用機種一覧、図面、取説、梱包表示
- 誤分類の典型:
- ゲームソフト(85.23)を“ゲーム機の部品”として95類に寄せる
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 影響ポイント4:95.08は「設備一式」か「単品」かでコードが変わり得る
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
- 設備として通常活動に必要なユニットを含むか、同時提示か
- 現場で集める証憑:
- 据付図、ユニット構成表、出荷単位、契約範囲(EPC範囲)
- 誤分類の典型:
- 設備一式を部材単位に分断して別類へ(結果として税関説明が難しくなる)
- 何を見れば判断できるか(必要情報):
5. 分類でよくある間違い(原因→対策)
- 間違い:ゲームディスク(ソフト)を95.04に入れる
- なぜ起きる:商品名が「ゲーム」で同じに見える
- 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):
- 記録媒体は注1(m)で例示され、95.04の解説でもゲームソフトの光ディスクは85.23と整理されています。
- 予防策:
- インボイスで「console」「controller」「disc」等を分ける
- 形態(媒体か機器か)の写真を添付
- 間違い:家庭用ゲーム機を“コイン作動機”側(9504.30)へ入れる
- なぜ起きる:アーケードと家庭用の境界を見ず、見た目で判断
- 正しい考え方:
- 9504.50のカバー範囲と、9504.30への除外(支払手段で作動)を確認します。
- 予防策:
- 支払手段の有無、運用形態(店舗設置か家庭用か)を仕様書で確認
- 間違い:“玩具っぽい外観の電気製品”を無条件に玩具(9503)へ
- なぜ起きる:キャラクター形状=玩具と短絡
- 正しい考え方:
- 注1(m)で機械・電気機器への除外が広く示されます。
- さらに日本では電安法上、子供向け装飾等の条件で「電熱式おもちゃ/電動式おもちゃ」相当になるかの考え方も示されています(分類ではなく規制面の注意ですが、製品属性整理に役立ちます)。
- 予防策:
- 目的(遊戯か調理・乾燥等の実用か)を取説・広告で確認
- 電源・発熱・駆動部の仕様を入手
- 間違い:祝祭柄の“実用品”(食器・衣類など)を95.05へ
- なぜ起きる:“クリスマス柄”だけで祝祭用品と思い込む
- 正しい考え方:
- 95.05の解説では、祝祭デザインでも実用性がある物品(衣類、リネン等)は除外されます。
- 予防策:
- 「使い捨て装飾か/通常使用の実用品か」を機能で判断
- 間違い:イルミネーション(ストリングライト)を95.05へ
- なぜ起きる:クリスマス装飾=95.05と連想
- 正しい考え方:
- 注1(u)および95.05の除外で、ストリングライトは94.05に整理されています。
- 予防策:
- 電気照明か否か(電源、光源)を必ず確認
- 間違い:飛行する機体(ドローン)を“玩具”として9503へ
- なぜ起きる:“子ども用”表示だけで決める
- 正しい考え方:
- 注1(p)で無人航空機(88.06)が除外されます。
- 予防策:
- 飛行性能・構造を確認し、88.06の検討を必須化
- 間違い:95.08(設備)を単品部材扱いでバラバラ申告
- なぜ起きる:輸送・工事都合で分納され、税番も分けたくなる
- 正しい考え方:
- 95.08は「通常の活動に本質的に必要な全ユニットを含む場合」に属し得る、という枠組みが示されます。
- 予防策:
- 契約範囲(設備一式)と出荷単位を紐付け、税関説明資料(ユニット表)を準備
6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点
6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係
- HSの付番がPSR(品目別規則)の選択に直結します。最終製品HSが誤ると、PSRの条項自体がズレます。
- よくある落とし穴:
- 材料HS(部材の税番)と最終製品HSの混同
- 95.04(ハード)と85.23(ソフト/媒体)の取り違えが、PSR・材料表を崩す
6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)
- 協定により参照HS版が異なる場合があり、HS2022の6桁とPSRの6桁がズレることがあります。
- 日本税関の原産地関連情報(PSR検索等)では、協定・品目による取り扱いを確認できます。
- トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論):
- まず協定が参照するHS版を特定
- 次に相関表(WCO/税関の対応表)でコード対応を確認
6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)
- 材料表(BOM)、原価、工程、原産国、非原産材料のHS、RVC計算の前提
- 証明書類・保存要件(一般論):
- 工程図、原価計算根拠、仕入書、製造記録などを“後から説明できる形”で保存
- 95.08のような設備案件は、ユニット構成・据付範囲の説明資料が重要
7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)
7-1. 変更点サマリー(必須:表)
| 比較(例:HS2017→HS2022) | 変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更) | 該当コード | 変更の要旨 | 実務への影響 |
|---|---|---|---|---|
| HS2017→HS2022 | 分割(細分化) | 95.08(9508.90等→9508.21〜.40等) | 95.08の構造が再設計され、遊園地の乗り物・ウォーターパーク設備・興行設備・巡回劇場等がより明確に区分 | 9508周りのトランスポジション必須。設備案件の分類説明・PSR適用にも影響 |
| HS2017→HS2022 | 範囲変更(注の影響) | 注1(p)関連 | 新設の88.06(無人航空機)へ品目移転があり、95類では無人航空機が除外に明示 | “玩具ドローン”の扱い検討が増える。輸入規制・航空法等の確認にも波及 |
7-2. 「違うことになった根拠」(必須)
- 95.08の細分化については、HS2022-HS2017相関表側で「95.08の構造が再設計された」旨が明記され、かつ日本税関の解説でも9508.21〜9508.40等の区分が示されています。
- 無人航空機(88.06)の新設と品目移転は、HS2022-HS2017相関表で新設理由(無人航空機のための新見出し)とともに示され、また第95類注1(p)で95類からの除外が確認できます。
8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード
(主要なものを抜粋。詳細は相関表で最終確認してください)
| 期間 | 主な動き | 旧コード → 新コード(代表) | コメント |
|---|---|---|---|
| HS2007→HS2012 | ビデオゲーム関連の再整理 | 9504.10(TV用ビデオゲーム)→(2012以降は9504.50側へ整理) | HS2007の9504.10はHS2012以降の構造で置換された位置づけ |
| HS2017→HS2022 | 95.08の細分化 | 9508.90(等)→ 9508.21〜.29、9508.30、9508.40 など | 95.08の範囲自体というより、統計・監視等を意識した区分の明確化 |
| HS2017→HS2022 | 無人航空機の新設に伴う整理 | (旧:88.02の一部等)→ 88.06新設、95類からも除外明示 | 95類での“飛行する玩具”の検討が増える |
9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)
- 事例名:ゲーム機とソフトを一括で「9504」申告して差戻し
- 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):注1(m)の見落とし(記録媒体85.23)
- 起きやすい状況:セット販売、インボイスが「game set」とだけ記載
- 典型的な影響:修正申告、資料要求、審査長期化(一般論)
- 予防策:ハード・媒体・周辺機器を明細分離、写真添付
- 事例名:“玩具ドローン”を9503で申告→88.06の疑いで保留
- 誤りの内容:注1(p)の見落とし(無人航空機は88.06へ)
- 起きやすい状況:商品名にtoy/droneが混在、仕様書なし
- 典型的な影響:分類照会、輸入規制(航空法等)の追加確認(一般論)
- 予防策:飛行仕様・用途を示す資料を準備(取説、仕様表)
- 事例名:祝祭柄の衣類を95.05で申告して否認
- 誤りの内容:実用性ある物品は除外(95.05解説の考え方)
- 起きやすい状況:コスチューム・仮装衣装の境界
- 典型的な影響:税番修正、繊維製品側の追加要件確認(一般論)
- 予防策:素材・縫製・耐久性・反復使用性を整理し、実用品か仮装用かを説明
- 事例名:遊園地設備(95.08)の“分納”で税番が分断
- 誤りの内容:95.08の「設備一式(本質的必要ユニット)」の考え方の不整合
- 起きやすい状況:建設工事案件、複数船積
- 典型的な影響:説明困難、審査・検査の増加(一般論)
- 予防策:ユニット構成表・据付図・契約範囲で“設備一式”として説明できるよう整備
10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)
- {COUNTRY}前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
製品安全(乳幼児用玩具:子供PSCマーク)
- 令和7年(2025年12月25日)から、3歳未満向け玩具(乳幼児用玩具)に新たな規制が開始され、技術基準適合、警告表示、子供PSCマーク等が求められます(製造・輸入事業者の義務、販売事業者の販売規制も記載)。
- 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
- 経済産業省(乳幼児用玩具の規制案内)
- 消費者庁(子供PSCマークの周知)
- 実務での準備物(一般論):
- 対象年齢根拠(設計意図、試験、説明書)
- 技術基準適合の確認記録、表示版下、サプライヤー情報
食品衛生(指定おもちゃ等)
- おもちゃに関する食品衛生の基準行政は、2024年4月1日に厚生労働省から消費者庁へ移管された旨が明記されています。
- 「指定おもちゃ」の考え方(乳幼児が口に入れたり舐めたりすることが想定されるもの等)や、運用上の“乳幼児”の扱い(例:6歳未満として運用)など、通知Q&Aで整理されています。
- 確認先:
- 消費者庁(食品衛生基準審査)
- 関連通知・Q&A(厚労省掲載資料として参照可能)
電気安全(電安法:電熱式おもちゃ/電動式おもちゃに該当し得るもの)
- 子供向けの装飾を施した電気製品が、状況により「電熱式おもちゃ」または「電動式おもちゃ」として扱われ得る判断基準例(対象年齢表示、玩具としての販売形態、装飾の占める割合(例:投影面積の1/16超)等)が示されています。
- HS分類そのものとは別ですが、**製品の性質整理(用途・販売実態)**に関して通関実務にも影響し得るため、該当可能性がある場合は早めに確認するのが安全です。
ドローン(無人航空機:HS上は95類除外になり得る)
- HS上、無人航空機(88.06)は第95類から除外されます。
- さらに日本では、無人航空機の登録や飛行ルール等の制度案内が国交省から提供されています(分類の前後でコンプライアンス確認が必要になる典型例)。
11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)
- 分類前チェック(製品情報の収集)
- 仕様書(機能・材質・サイズ・電源・対象年齢)
- 写真(全体、銘板、付属品)
- 取説・カタログ(用途表示、販売実態)
- 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
- 注1(85.23、88.06、94.05等)に当たらないか
- 95.04はハード/媒体の切り分けができているか
- 95.08は設備一式の要件整理ができているか
- 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
- 「console」「disc」「controller」等、形態別に明細化
- セット品は内訳と主要性(GIR3(b)想定)を説明できるように
- FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
- 協定が参照するHS版の確認、相関表でのトランスポジション
- 規制チェック(許可/届出/検査)
- 乳幼児用玩具:子供PSCマーク制度、表示、技術基準適合
- 指定おもちゃ:食品衛生関連の対象確認
- 無人航空機:登録・飛行ルール等(必要に応じて)
12. 参考資料(出典)
- WCO:HS Nomenclature 2022 Edition, Section XX / Chapter 95(参照日:2026-03-02)
- 日本税関:関税率表解説 第95類(95r.pdf)/分類例規(95rd.pdf)(参照日:2026-03-02)
- 日本税関:HS2022-HS2017 相関表(参照日:2026-03-02)
- WCO:HS2007/HS2012(Chapter 95)および日本税関HS2012-HS2007相関表(参照日:2026-03-02)
- 経済産業省:乳幼児用玩具の新規制(子供PSCマーク等、開始日含む)(参照日:2026-03-02)
- 消費者庁:子供PSCマーク周知(参照日:2026-03-02)
- 厚生労働省:器具・容器包装、おもちゃ関連(食品衛生基準行政の移管案内含む)(参照日:2026-03-02)
- 厚生労働省(通知資料):指定おもちゃの範囲等に関するQ&A(参照日:2026-03-02)
- 経済産業省:電気用品安全法の解釈(電熱式/電動式おもちゃ判断例)(参照日:2026-03-02)
- 国土交通省:無人航空機登録・飛行ルール等(参照日:2026-03-02)
- 日本税関:EPA/原産地関係(PSR検索等)(参照日:2026-03-02)
免責事項
本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。
FTAでAIを活用する:株式会社ロジスティック
