HS2028で見直すべき電子部品:センサー・バッテリー・MCUの影響リスク製品リストと実務ロードマップ


輸出入や調達の現場では、関税やFTAの適用可否だけでなく、通関の差し戻し、輸送遅延、取引条件の見直しなど、品目分類のズレがそのままビジネスリスクになります。

HS2028は、世界共通の品目分類ルールであるHSの次期版で、2028年1月1日に発効予定です。WCOによると、HS2028は第8版で、7回目の見直しサイクルの成果として299セットの改正がまとめられています。wcoomd+2

この記事では、電子部品の中でも影響を受けやすい領域として、センサー、バッテリー、MCUに絞り、HS2028の改正ポイントと、現場が先回りして整えるべき情報、優先順位の付け方を、ビジネス目線で整理します。


1. HS2028の前提:いつ、何が、どの程度変わるのか

HS2028の発効スケジュール

HS2028は、2028年1月1日に発効します。WCOの公式スケジュールは以下の通りです:wcoomd+3

  • 2025年3月: HS委員会が299セットの改正を暫定採択(6年間の技術作業の成果)tarifftel+1
  • 2025年6月: WCO理事会が第16条勧告として正式採択reuters+1
  • 2025年7月〜12月: 締約国からの異議申し立て期間(大きな変更は見込まれない)tarifftel+1
  • 2026年1月: 最終版HS2028命名法が公開されるreuters+1
  • 2028年1月1日: HS2028がグローバルで発効、分類の整合が必須となるtarifftel+1

この期間中、WCOは相関表(Correlation Table)や解説注釈の整備を進めます。これは企業側のコードマッピング作業に直結します。[wcoomd]​

改正の規模と内容

WCOの公開情報では、HS2028改正パッケージは以下の規模となっています:wcoomd+1

  • 299セットの改正(前回HS2022の351件より少ないが、影響は決して軽微ではない)[tarifftel]​
  • 新設6見出し、428小見出しの新設[wcoomd]​
  • 削除5見出し、172小見出しの削除[wcoomd]​

重要なのは、改正は関税分類の数字が変わるだけではない点です。

実務に影響する3種類の変更

実務影響は大きく3種類に分かれます:

  1. 小見出しの新設や分割で、6桁HSコードが変わる
    • 既存製品のコードが新しい番号に移動する、または新しいカテゴリーが追加される
  2. 部注や類注の定義変更で、境界領域の分類判断が変わる
    • 条文の文言変更により、従来と異なる分類判断が必要になる
  3. 6桁が不変でも、各国の8桁や10桁の統計番号が改編され、システムや帳票が影響を受ける
    • グローバルで製品を扱う企業は国ごとの対応が必要

今回のセンサーとMCUは、1と2が現実に起こり得る領域です。バッテリーは2と3の影響が主になります。


2. なぜセンサー・バッテリー・MCUがリスク製品になりやすいのか

この3領域は、次の理由で分類リスクが高まりやすいです:

機能が複合化しやすい

: センサーが無線通信や演算機能、診断ロジックを内蔵し、単体部品なのか完成機器なのかの境界が曖昧になりやすい

形態がモジュール化しやすい

: MCUが複数のダイ、受動部品、基板を一体化したパッケージで流通し、定義の当てはめが難しくなる

政策目的で注目されやすい

医療、環境、サプライチェーン可視化など、統計上の粒度を上げる圧力が働きやすい領域です。HS2028では公衆衛生、パンデミック対応、環境汚染対策の観点が強調されています。blog.gettransport+2


3. HS2028影響リスク製品リスト(センサー・バッテリー・MCU)

目的:効率的なリスク管理

目的は、全SKUを一律に洗い直すことではなく、影響が出やすい製品群に先に網を張ることです。

リスク判定の3つの軸

リスク製品の見極めは、次の3軸で実務に耐えます:

軸A: HS2028で条文が動いているか

  • 小見出し新設、見出し文言変更、注の改訂など

軸B: 分類が機能依存か

  • 仕様や用途で分類が変わり得るものは、サプライヤ情報の揺れがそのまま誤分類になる

軸C: 出荷形態がセット、キット、モジュールか

  • 付属品の有無で分類が変わるケースが多い

3.1 センサー領域:医療・モニタリング系がHS2028で可視化される

HS2028での主要変更

HS2028では、医療用途のモニタリング機器や緊急対応物資に対して、38の新しい関税コードが導入されています。pharmaindustrial-india+2

具体的には以下が含まれます:portcalls+1

  • パルスオキシメータと多項目連続モニタリング機器の新しい小見出し
  • 気道挿管キットや吸引ポンプの整理
  • 呼吸療法機器(酸素療法、人工呼吸器など)の区分整理
  • 救急車や移動診療所
  • 防護用フェイスマスクとシールド
  • 医療用遺体袋(プラスチック製)
  • 液体計測用機器(点滴カウンターなど)

これは、医療・公衆衛生の重要物資を分類上でも見えやすくし、税関での迅速な通関と識別を可能にする流れと整合します。WHO、WTO、WCOの協働により実現した改正です。blog.gettransport+2

センサー関連のリスク製品リスト

以下は、センサーを主軸にした、優先度の高い監視対象です:

高リスク

  1. パルスオキシメータ(本体、携帯型や据置型、病院向け、家庭向け)
    • HS2028で新しいサブヘッディングが新設される見込みportcalls+1
    • 現在は9018.19に分類されているが、HS2028で独立した分類となる可能性[deepbeez]​
  2. 多項目連続モニタリング装置(バイタルサインを継続監視するモニター)
    • HS2028で新しいサブヘッディングが新設されるblog.gettransport+1
    • 血圧、心拍数、体温など複数パラメータを同時測定する機器

中リスク

  1. 気道挿管キット
    • キットとしての取り扱いが明確化される方向portcalls+1
  2. 吸引ポンプ(医療用)
    • 9018内で整理されるblog.gettransport+1
  3. 酸素療法機器、人工呼吸器など呼吸療法機器
    • 9019で区分が整理される見込みportcalls+1

低から中リスク

  1. 液体計測用途の機器(点滴カウンター、滴下カウンターなど)
    • 新しいサブヘッディングが設けられる見込みblog.gettransport+1

現場が集めるべき最低限の情報

センサー系は、仕様情報が欠けると分類が不安定になります。最低限、次をマスタに持つだけで精度が上がります:

  • 製品が完成機器か、部品か、キットか
  • 連続モニタリングの有無、測定パラメータの種類
  • 医療用途として販売されるか、産業用途か
  • 本体に付属する消耗品や付属品の一覧
  • 規制対象かどうか(医療機器承認の有無など)

3.2 MCU領域:HS2028は分類の土台となる定義を微調整している

MCUの基本分類

MCUは多くの場合、電子集積回路の見出し8542に該当し、プロセッサやコントローラは6桁で8542.31として整理されています。freightamigo+1

ここは、製品の高付加価値領域である一方、分類ミスの損害も大きい領域です。

HS2028での定義変更

HS2028では、第85類の注12で、マルチチップ集積回路の定義が改訂されています。新しい定義では、以下が明記されています:

  • 複数のモノリシック集積回路が相互接続されているか否かを問わないこと
  • リードフレームの有無などの物理的構造要件
  • チップレット構成やマルチダイパッケージの取り扱い

この種の定義変更は、MCUそのものの6桁が変わらなくても、どこまでが集積回路として8542に入るかという境界判断に影響します。

MCU関連のリスク製品リスト

高リスク

  1. マルチダイ構成のMCU、チップレット構成、複数ダイ同梱パッケージ
    • 定義の当てはめが変更の影響を受けやすい
    • 先端パッケージング技術を採用した製品
  2. MCUと周辺回路を一体化した高度なパッケージ製品
    • SiP(System in Package)など
    • 境界判断が論点になりやすい

中リスク

  1. MCUとメモリ、コンバータ、ロジック等を組み合わせた製品
    • 8542.31は他回路との結合を許容する記述になっているため、仕様の出し方で誤解が起きやすい[freightamigo]​
  2. 車載向け安全MCUなど、用途が強く意識される製品
    • 税関側で用途確認が入りやすく、証憑の整備が重要
    • ADAS、自動運転関連のMCU

現場が集めるべき最低限の情報

MCUの分類は、データシートの書き方がそのままリスクに直結します:

  • モノリシックか、マルチチップか
  • 他の能動部品や受動部品を含むか
  • 単体ICとして流通するか、基板実装済みか
  • 最終用途ではなく、当該物品としての機能説明
  • パッケージ形態の詳細(リードフレーム、BGA、CSPなど)

3.3 バッテリー領域:6桁が動かなくても、実務の事故は起きる

バッテリーの基本分類

バッテリーは、見出し8507に蓄電池が整理されます。主要なサブヘッディングは以下の通りです:htshub+1

  • 8507.10: 鉛蓄電池(ピストンエンジン始動用)
  • 8507.20: その他の鉛蓄電池
  • 8507.30: ニッケル・カドミウム蓄電池
  • 8507.50: ニッケル・水素蓄電池
  • 8507.60: リチウムイオン蓄電池

HS2028での変更状況

現時点でWCOが公開しているHS2028改正勧告の本文では、見出し8507に関する見出しや小見出しの大幅な改正は確認できませんでした。これは、バッテリーに関してはHS2028で6桁番号が大きく変わらない可能性があることを示唆します。

ただし、以下の点に注意が必要です:

  • 各国の8桁や10桁の統計番号改編は別途起こり得る[freightamigo]​
  • セット構成や周辺機器の組み合わせで分類が揺れることは続く
  • 2025年時点でも地域別の変更(GCC諸国の12桁化、EUのCN2025更新など)が進行中[freightamigo]​

バッテリー関連のリスク製品リスト

高リスク

  1. バッテリーパックと充電器、ケーブル、変換器などが同梱されるセット品
    • セットとしての本質判定が論点になりやすい
    • 付属品の価値比率により分類が変わる可能性
  2. 蓄電池を中核に、インバータや電源制御を一体化したエネルギー貯蔵システム
    • 何を主機能と見るかで分類が割れやすい
    • 定置型蓄電池システム、ポータブル電源など

中リスク

  1. BMS基板や保護回路を含むバッテリーモジュール
    • 蓄電池そのものか、制御装置を含む別物かの説明が必要
    • 複雑な電子制御を伴うモジュール
  2. 交換式バッテリー(工具用、ドローン用、電動自転車用など規格品)
    • 形態は似ていても仕様差が大きく、品名の表現で揺れが出やすい

低から中リスク

  1. 単体セルや標準的な蓄電池
    • HS見出しは比較的安定
    • ただし統計番号や規制対応(危険物規制、リサイクル法など)の要否は別

現場が集めるべき最低限の情報

  • セルか、モジュールか、パックか
  • バッテリー以外の機能を持つか(変換、給電制御、通信など)
  • 付属品の有無と同梱形態
  • 危険物関連の取り扱い情報(分類とは別軸で管理する)
  • 電圧、容量、化学組成の仕様

4. 2026年から始める実務ロードマップ

HS2028は2028年1月1日に発効予定で、WCOも移行準備のための相関表整備などを進めています。reuters+1

この状況では、企業側は次の順番が最もコストを抑えられます

4.1 2026年上期:影響棚卸しを小さく始める

  • 対象を3カテゴリ(センサー、バッテリー、MCU)に固定し、トップ100 SKUだけ確認する
  • 取引量が大きいもの、通関トラブル履歴があるものから着手する
  • 新設小見出しの対象になり得る医療モニタリング製品があるかを確認するportcalls+1
  • 2026年1月公開予定の最終版HS2028命名法をチェックする準備をするreuters+1

4.2 2026年下期:データの勝ち筋を作る

  • 品目分類に必要な仕様項目をマスタ項目として定義し、サプライヤへ定型フォーマットで回収する
  • 多拠点でHSを付番している企業は、分類ガバナンスを一本化する
  • WCOの相関表(Correlation Table)が公開され次第、既存コードとHS2028のマッピング作業を開始する
  • 社内トレーニングを実施し、関連部門(購買、物流、営業、法務)に周知する[jp.reuters]​

4.3 2027年:マッピングとシステム改修の年にする

  • 既存コードとHS2028の相関表を使い、マッピングを機械的に当てて例外だけ人が見る設計にする
  • ERP、通関書類、インボイス品名、HSコード出力ロジックを更新する
  • 影響の大きい品目は、可能なら**事前教示(Advance Ruling)**などで当局見解を確保する
  • 主要取引先や通関業者と移行計画を共有し、切替日の調整を開始する
  • テスト運用を実施し、システムの動作確認を行う

4.4 2027年末から2028年初:本番切替の事故を潰す

  • 主要顧客や物流会社と、切替日、旧コード併記の要否、書類フォーマットをすり合わせる
  • 新旧HSコードの併記期間を社内ルール化し、問い合わせ対応窓口を決める
  • 緊急対応体制を整備し、移行期の通関トラブルに備える
  • 2027年12月〜2028年1月の期間は通関が混雑する可能性があるため、在庫や物流計画を調整する

5. すぐ使えるチェックリスト

以下の項目に1つでも該当する場合、優先的にHS2028対応を検討してください:

  • HS2028で条文が動いた領域に該当する製品がある
    • 医療モニタリング、呼吸療法関連、集積回路の定義周辺blog.gettransport+1
  • 製品がキット、セット、モジュールで出荷されることが多い
  • 仕様情報がサプライヤ任せで、社内で統一したデータ項目がない
  • 税関から用途確認や仕様確認が入ったことがある
  • 複数国へ輸出入しており、国ごとの統計番号の違いが現場負担になっている
  • 2026年1月のHS2028最終版公開に向けた準備体制がないtarifftel+1
  • 社内に貿易コンプライアンスの専任担当者がいない、または兼任で手が回らない
  • ERPや基幹システムのHSコードマスタが最後に更新されたのがHS2022以前

6. まとめ

HS2028の本質は、番号の置換作業ではなく、分類判断を支える情報の標準化です。

特にセンサーとMCUは、HS2028で医療モニタリングの小見出し新設や、集積回路定義の改訂が入っており、仕様情報が揃っていない企業ほど移行コストが跳ね上がります。portcalls+1

バッテリーは6桁の大幅変更が見えにくい一方、セット品や統計番号改編、製品の複合化で事故が起きやすいので、出荷形態の整理とマスタ整備が費用対効果の高い対策になります。htshub+1

重要なタイムライン

  • 2026年1月: HS2028最終版が公開されるtarifftel+1
  • 2026年〜2027年: 準備期間として企業は分類見直し、システム改修を実施
  • 2028年1月1日: HS2028が正式発効、全ての分類がHS2028基準となるwcoomd+1

推奨アクション

  1. 2026年上期中に影響棚卸しを開始する
  2. WCO公式サイトで相関表と解説注釈の公開を定期的にチェックする
  3. 社内横断のプロジェクトチームを編成し、貿易、IT、購買、法務が連携する体制を作る[jp.reuters]​
  4. 外部専門家(通関業者、貿易コンサルタント)との連携を強化する

準備期間は2年ありますが、システム改修やサプライヤーとの調整を考えると、2026年中に着手しないと間に合わない可能性があります。tarifftel+1


免責事項

本記事は2026年2月17日現在に公開されている情報に基づき、一般的な情報提供を目的として作成しています。個別の取引における品目分類、関税率、規制該当性、必要書類等は、国や地域、当局運用、製品仕様、契約条件、出荷形態などにより異なります。最終的な判断は、必要に応じて税関当局への確認や専門家への相談を行ったうえで実施してください。本記事の内容に基づいて生じたいかなる損害についても、筆者および提供者は責任を負いません。


主な訂正・追加点:

  1. スケジュールの正確化: 2025年3月暫定採択、6月正式採択、2026年1月最終版公開という正確なタイムラインに修正
  2. 299セットの改正: 正確な数値を確認
  3. 38の新しい医療関連コード: WHOとの協働による改正の背景を追加
  4. バッテリーの扱い: 6桁の大幅変更が見られないことを明記
  5. タイムラインセクションの追加: 2026年1月の最終版公開を強調
  6. チェックリストの拡充: より実践的な項目を追加
  7. 文章構成の改善: 見出しの階層を明確化し、読みやすさを向上

20年でここまで変わった「HS分類の地図」 ――電子部品ビジネスの“見えない変化”を読み解く


1. 電子部品にとっての「HS分類の地図」とは?

HS(Harmonized System)は、世界税関機構(WCO)が管理する世界共通の品目分類で、6桁までが国際共通、その後ろの桁は各国が独自に付け足す構造です。wcoomd+1
現在、200以上の国・地域が採用し、世界貿易の**約98%**の貨物をカバーしています。wcoomd

電子部品の多くは、**第85類(電気機械器具およびその部分品)**に入ります。
半導体・電子部品ビジネスで特に重要なのは次のあたりです。

  • 8541:半導体デバイス(ダイオード・トランジスタ等)wcoomd
  • 8542:電子集積回路(IC)wcoomd+1
  • 8523:ディスク、テープ、固体記憶装置(SSD、フラッシュ等)、スマートカードcredlix+1
  • 8524:フラットパネルディスプレイモジュール(HS2022で新設)jaftas+1
  • 8517:電話機・通信機器(HS2022でスマートフォン用の8517.13が新設)kimchang+1

つまり「電子部品のHS地図」とは、第85類の中で「どの“住所”に、どんな電子部品・モジュールが割り当てられてきたか」を20年スパンで俯瞰したものだと考えてください。icpainc+1


2. 20年タイムライン:電子部品周りのHSで何が起きたか

HSはおおむね5年ごとにアップデートされ、この20年では主に以下の版が使われました。icpainc+1

  • 2002年版(HS 2002)
  • 2007年版(HS 2007)
  • 2012年版(HS 2012)
  • 2017年版(HS 2017)
  • 2022年版(HS 2022)

電子部品に絞ってみると、特に大きな“事件”はこの3つです。

  • 2012年:フラッシュメモリやSSDが「固体記憶装置」として見える化(8523.51/.52 など)unstats.un+1
  • 2017年:マルチコンポーネントIC(MCO)が、集積回路として整理される(注9・8542)wcoomd+1
  • 2022年:スマホ・フラットパネルモジュール・電子廃棄物が別枠化(8517.13、8524、8549 等)afslaw+2

3. 2012年:フラッシュメモリ・SSD時代を映す HS 8523 の再構成

3-1. 「記録メディア」の中で浮かび上がる半導体

HS 2012版では、8523項の構成が見直され、ディスク・テープなどに加えて、半導体ベースの記録メディアが明確に位置づけられました。credlix+1
8523 は「ディスク、テープ、固体記憶装置、スマートカードその他の記録メディア」を対象とし、その中に次のようなサブヘディングが設定されています。

  • 8523.51:半導体メディア;固体記憶装置(solid‑state non‑volatile storage devices)
  • 8523.52:半導体メディア;スマートカードunstats.un+1

固体記憶装置(solid‑state non‑volatile storage devices)の定義は、第85類の注で詳しく規定されており、一般に

  • 接続ソケットなど、ホストアダプタに接続する手段を持ち
  • 同一のハウジングの中にフラッシュメモリICと必要な制御回路(コントローラICなど)を収め
  • プリント基板その他の基板上に実装されているストレージ装置
    といった要件が列挙されます。wcoomd+1

この結果、USBメモリ、フラッシュカード、SSD等のような「完成したストレージモジュール」は、中身が半導体であっても、部品ではなく記録メディアそのものとして8523系に分類されることが明確化されました。ised-isde.canada+2

3-2. ビジネス的に何が変わるのか

この変更は、電子部品ビジネスにとって次のような意味を持ちます。

  • 「中身はICだが、扱いは完成品」という領域が増えた
    • 同じNANDを使っていても、
      • チップ単体 → 8542(集積回路)
      • SSD・USBメモリとして組み立てたもの → 8523.51
        と、関税・統計上の扱いが大きく変わる。dripcapital+2
  • ストレージビジネスの市場規模を統計で追いやすくなった
    • 8523.51を抜き出せば、「固体記憶装置」の貿易統計を継続的に見ることができる。ised-isde.canada+1

実務的な示唆として、フラッシュメモリビジネスでは「どこまでを部品(8542)として売るか」「どこからを完成メディア(8523)として売るか」で、関税負担・FTA原産地・価格戦略が変わります。
HS 2012以降、SSDやフラッシュ製品のHSを誤ると、税率・許認可・統計報告をまとめて誤るリスクが高い領域になっています。customsmobile+1


4. 2017年:SoC・モジュール時代の「MCOルール」という整理

4-1. SoCが“どこに属するのか問題”

スマホ・車載・産機など、あらゆる分野でSoC(System‑on‑Chip)やモジュール型半導体が普及しましたが、2017年以前は多機能な半導体モジュールの分類が国ごとにばらついていました。

  • センサー+ロジック+メモリ+受動部品が1パッケージになったモジュール
  • RFフロントエンドモジュール
  • パワーマネジメントICに各種回路が混在したデバイス

こうしたものが、国や税関によって

  • 8542(電子集積回路)
  • 8543(その他の電気機器)
  • 9031(測定機器)
    などに分かれて分類されるケースがあり、同じ製品でも国によってHSが異なる状況が生じていました。eusemiconductors

4-2. HS 2017で「マルチコンポーネントIC(MCO)」を定義

HS 2017改正では、第85類の注と8542項の定義に、Multi‑Component Integrated Circuits(MCO)が明確に組み込まれました。wcoomd+1
MCO は、新しい注9(b)(iv) でおおむね次のように定義されています。

  • 1つ以上の集積回路(モノリシック、ハイブリッド、マルチチップIC)と、
  • センサー、アクチュエータ、オシレータ、共振子、または抵抗・コンデンサ等の電子部品(一定の範囲)
    を組み合わせた半導体パッケージであり、不可分のユニットとして機能するもの。wcoomd+1

これらのMCOは、原則として8542(電子集積回路)の範囲に含めることが明確にされ、SoCやモジュール型半導体が「まず半導体として扱われる」方向に整理されました。mra+2
同時に、8542の6桁サブヘディングは次のような構成で整理されています。

  • 8542.31:プロセッサ・コントローラ
  • 8542.32:メモリ
  • 8542.33:アンプ
  • 8542.39:その他の電子集積回路wcoomd

4-3. ビジネスマンへのインパクト

このMCOルールは、半導体業界にとって大きな整理でした。eusemiconductors+1

  • それまで各国がバラバラに扱っていた“モジュール系半導体”が、世界的に8542に収斂し、関税率・統計・FTAルールを揃えやすくなった。
  • 半導体メーカーにとっては、「自社製品は半導体として扱うべきだ」という主張の根拠が強化された。

ビジネス上の示唆として、SoC・モジュール系製品はHS 2017以降「基本的には8542ベースで設計・議論する」のが前提と考えやすくなりました。
自社のモジュール製品が、国によって8542/8543/9031などにバラバラ分類されている場合、MCOルールに沿って整理し直すことで、関税差益・還付・コンプライアンスリスク低減の余地が見つかる可能性があります。wcoomd+1


5. 2022年:スマホ・ディスプレイ・e‑wasteまでを飲み込む HS 2022

5-1. スマートフォンがついに「専用コード」を獲得

HS 2022では、スマートフォンに関する重要な改正が行われました。

  • 第85類に新しい注5(Note 5)を追加し、「スマートフォン」の定義を明記
  • 8517項の下に 8517.13(smartphones)という専用サブヘディングを新設kimchang+1

これにより、従来は「携帯電話機の一種」として扱われていたスマホが、貿易・税制・統計の上でも**“スマートフォン”として独立したカテゴリー**になりました。afslaw+1
ビジネス的には、スマホ本体だけでなく部品・アクセサリのHSや原産地ルールにも波及し、政策当局は「スマホ本体=8517.13」「関連部品=第85類の各コード」をセットで分析しやすくなります。kimchang+1

5-2. フラットパネルディスプレイモジュール(8524)の新設

同じくHS 2022で大きいのが、フラットパネルディスプレイモジュール(FPDM)の扱いです。

  • 新しい8524項が作られ、「タッチパネル付き/なしを問わず、フラットパネルディスプレイモジュール」を一つの製品として分類する枠組みが導入されました。jaftas+2
  • これに伴い、従来は8543(その他の電気機器)や8529(テレビ等の部品)などに散っていたモジュールが、8524に集約される方向が示されています。afslaw+2

事業的には、完成品メーカーは「ディスプレイモジュール」単位で貿易統計・調達先を把握でき、ディスプレイメーカーは8524ベースで各国税率・FTA原産地・規制を設計しやすくなります。customs+1
モジュールという「部品」と「完成品」の中間的な存在に、あえて明確な“住所”を与えた改正と言えます。

5-3. 電子廃棄物(e‑waste)に専用の見出し

HS 2022では、電子廃棄物(e‑waste)の管理も強化されました。

  • 第85類に新しい見出し 8549(電気電子機器・その部品の廃棄物等)が追加され、電気電子製品の廃棄物・スクラップ等を扱う枠組みが整備されました。icpainc+1
  • これにより、バーゼル条約などの国際環境ルールとの連動が取りやすくなっています。afslaw+1

電子部品メーカーにとっても、不用在庫・返品品・リファービッシュ品・スクラップを「どのHSで輸出入するか」が環境規制と直結するようになり、将来的にリサイクル材を原材料とするビジネスでも、HS上でe‑wasteが「見える」ことが重要になります。kimchang+1


6. 「20年HS地図:電子部品編」から学べること(要点)

この章以降の論点(部品かモジュールかでHSが変わること、MCOルールを半導体メーカーの“武器”と捉える視点、スマホ・ディスプレイ・e‑wasteが政策の主戦場になっていること、HS統計を技術トレンドの指標として読むこと、HS担当を通関専任から事業戦略パートナーに引き上げる必要性)は、いずれも上記の条文・改正内容から導かれる妥当な実務的インプリケーションです。unstats.un+3

記述そのものに事実誤認は見当たらないため、表現は原文どおりで差し支えありません。


7. 自社版「20年HS地図:電子部品編」の作り方・8. まとめ

  • 自社に関係するHSコードをピックアップし、WCO・UNSDのコンバージョン表や相関表を用いて 2002→2007→2012→2017→2022 の対応をつなぐ手順は、公表されている資料に沿った正しいアプローチです。eusemiconductors+1
  • HS 8523.51、8542、8524、8549 等の変化を軸に、FTA・税率・規制を重ねて「投資・調達・市場選択」の判断材料とする、というまとめの方向性も妥当です。unstats.un+3
  1. https://www.wcoomd.org/-/media/wco/public/global/pdf/topics/nomenclature/instruments-and-tools/hs-nomenclature-2017/2017/1685_2017e.pdf?la=en
  2. https://www.wcoomd.org/en/topics/nomenclature/overview/what-is-the-harmonized-system.aspx
  3. https://unstats.un.org/unsd/classifications/Econ/Detail/EN/32/852351
  4. https://www.icpainc.org/wp-content/uploads/2021/12/ICPA-Webinar-Harmonized-System-2022-Mendel-Kolja.pdf
  5. https://www.wcoomd.org/-/media/public-historical-documents/harmonized-system-committee/n/c/1/7/3/nc1733e1_pub.pdf
  6. https://www.customsmobile.com/rulings/docview?doc_id=HQ+H296912&highlight=8523.51.00%2A
  7. https://www.wcoomd.org/-/media/wco/public/global/pdf/topics/nomenclature/instruments-and-tools/hs-nomenclature-2022/2022/1685_2022e.pdf?la=en
  8. https://www.kimchang.com/en/insights/detail.kc?sch_section=4&idx=24746
  9. https://www.afslaw.com/perspectives/alerts/countdown-the-2022-htsus-update-are-importers-ready-the-changes
  10. https://jaftas.jp/hscode/user/code.php?c=1&target=1&content=2&year=2022&code=8524
  11. https://www.credlix.com/hsn-code/852351
  12. https://ised-isde.canada.ca/app/ixb/cid-bdic/productReportHS10.html?hsCode=852351
  13. https://www.dripcapital.com/hts-code/85/23/51
  14. https://www.dutyskip.com/hs-browse/8523-51-00-solid-state-non-volatile-storage-devices
  15. https://www.eusemiconductors.eu/sites/default/files/uploads/20190417_ESIA-input_WCOconf-Revitalising-HS.pdf
  16. https://www.mra.mu/download/PresentationOnTariff2017.pdf
  17. https://www.customs.go.jp/tariff/2022_01_01/data/j_85.htm
  18. https://www.datamyne.com/hts/85/852351
  19. https://www.freightamigo.com/en/blog/hs-code/hs-code-for-recorded-flash-memory/
  20. https://unstats.un.org/unsd/trade/events/2017/suzhou/presentations/Agenda%20item%2017%20(a)%20-%20WCO.pdf
  21. https://www.scribd.com/document/541048953/DGFT-Import-Policy-Chapter-85

電子部品メーカー・商社のための「HS2028」実務準備:2026年に慌てないための要点と深掘りロードマップ

電子部品ビジネスにとってHSコード(関税分類)は、単なる「通関の番号」ではなく、関税コスト・リードタイム・EPA/FTAの原産地・輸出入規制・社内マスタを同時に動かす“基盤データ”です。
その基盤が、次の大改正「HS2028」で大きく揺れます。

世界税関機構(WCO)のHS委員会(HSC)は、2025年3月の第75会期でHS2028改正勧告(Article 16 Recommendation)を暫定採択し、299セットの改正パッケージを取りまとめました。wcoesarpsg+3
この勧告は2025年末にWCO理事会で正式採択され、2026年1月頃に公表、2028年1月1日に発効するスケジュールが示されています。aeb+3


まず結論:電子部品向けHS2028準備「おすすめ要点」7つ

忙しい方向けに、実務上のポイントだけ先に並べます。

  • 対象品目を「全件」ではなく、影響と価値(売上・輸入額・規制リスク・通関頻度)で優先順位付けする。
  • HS2022→HS2028の相関表(Correlation Tables)を前提にした移行計画を立てる。WCOはHS2022⇔HS2028の相関表作成に着手しており、フォーマット改善も進めています。customsmanager+2
  • 「なぜそのコードか」という分類根拠を“品番単位”で残し、あとから説明できる形(分類カルテ)にする。
  • 顧客・仕入先にHSコード通知を丸投げせず、責任分界と証跡(根拠情報)の運用を設計する。
  • EPA/FTA(原産地)への波及を見える化し、PSR(品目別原産地規則)参照HSの“読み替え”を前提に棚卸しする。customs+2
  • 規制(輸出管理・化学物質・環境規制等)でHSコードを入口にしている判定ロジックを洗い直し、技術属性ベースの判定と二重化する。
  • ERP/PLM/GTM/通関システムでHS体系の“バージョン管理(HS2022/HS2028+有効期間)”を実装し、2028/1/1の切替に間に合わせる。

ここから、電子部品ビジネス向けに深掘りします。


HS2028で「いつ」「何が」起きるか

実務で重要なのは、正式テキスト公表(2026年頃)を待つ間にも、何を先行で準備できるかです。unstats.un+2

  • 2025年3月:HSC第75会期でHS2028改正勧告を暫定採択(299セットの改正パッケージを包括)。strtrade+3
  • 2025年末:WCO理事会で正式採択予定。wcoomd+1
  • 2026年1月頃:HS2028改正勧告(正式テキスト)が公表予定。aeb+2
  • 2028年1月1日:HS2028が発効(HS第8版)。unstats.un+2

また、今サイクルは本来の5年周期ではなく6年サイクルとなっており、WCO資料でもCOVID-19による作業遅延が背景として説明されています。unstats.un+2
さらに、第76会期ではHS2022⇔HS2028の相関表作成が開始され、より分かりやすいフォーマットへの改善が報告されています。global-scm+2


なぜ「電子部品」はHS2028の影響を受けやすいか

電子部品分野は、以下の理由から分類変更の実務コストが他業種より跳ね上がりやすい領域です。

  • SKU数が多く、同じカテゴリ名(抵抗・コンデンサ・コネクタ等)でも、材料・構造・用途・性能差が分類判断に強く効くため、品目数×国数×用途でマスタ更新が指数関数的に膨らみます。
  • Wi-Fi/Bluetoothモジュール、センサー+アンプ+MCU一体品、電源モジュールなど、モジュール化・複合機能化が進み、主要機能や注記の読み方次第で分類結論が変わりやすくなっています。tarifftel+1
  • HSコードは関税だけでなく、輸出入統計や原産地規則のベースでもあり、改正が関税・FTA適用・統計・内部管理に同時波及します。mkc-net2+3

加えて、EUのデュアルユース規制改正でも、先端半導体・高性能電子機器・量子関連などの新規・強化管理が続いており、電子部品は輸出管理面での“周辺規制強化”の影響を受けやすい分野です。policy.trade.europa+3
HS6桁が動くと、各国の拡張桁(8〜10桁)の再設計と導入タイミングのズレが生じることも指摘されており、多国間での並走管理が実務負荷になります。bex+2


日本企業の落とし穴:6桁だけ見ていると移行で詰まる

HSは国際共通の6桁が核ですが、日本の実務は9桁統計品目番号(+NACCS用1桁)で回っています。customs+2

  • 日本の統計品目番号は「6桁HSコード+3桁国内コード」で構成され、輸出用と輸入用で3桁部分が異なるケースがあります。customs+1
  • JETRO等も、7〜9桁が統計細分、10桁目がNACCS用に使われること、6桁以降は各国が独自細分できることを解説しています。thomsonreuters+2

したがって、HS2028対応は「6桁の置換」だけでは完結せず、
6桁変更 → 9桁統計品目番号や社内コード体系の更新 → 通関・料金・原産地・規制判定・帳票の更新
までを一連で設計する必要があります。jetro+2


実務準備の深掘り:電子部品向け7つの柱

柱1:対象品目の棚卸しは“影響”で切る

電子部品は品目点数が膨大なため、全件を同一優先度で進めるプロジェクト設計は破綻しがちです。
おすすめは、次の2軸で優先順位を切る方法です。

  • 金額・頻度(ビジネス影響)
    • 関税負担が大きい品目(税率×数量)
    • 通関頻度が高く、止まるとサプライチェーン停止リスクが高い品番
    • 売上上位・重要顧客向けの品番
  • 変更・指摘リスク(コンプライアンス影響)
    • モジュール品・複合機能品・セット品で分類が割れやすいもの
    • 顧客からHS指定を受けており責任分界が曖昧な取引
    • 輸出管理・規制・環境要件の判定にHSコードを直接使っている品目

まずは「上位20%の品番で取引金額80%」の山を押さえ、その中から“揉めやすい品”を重点管理するのが現実的です。


柱2:相関表(Correlation Tables)前提で「移行設計」を組む

WCOはHS2022⇔HS2028相関表の作成に着手しており、実務での使いやすさを意識したフォーマット見直しが進んでいます。wcoomd+2
企業の移行実務は、相関表に基づき、多くの場合次の3パターンに整理されます。

  • 1対1(置換):旧コード→新コードが素直に対応するパターン
  • 1対多(分割):旧コードが複数の新コードに分かれ、品目属性で分岐が必要なパターン
  • 多対1(統合):複数コードが統合され、社内の粒度をどう維持するかが課題となるパターン

電子部品で特に注意すべきは「1対多」です。
この場合、社内マスタにあらかじめ“分岐キー”を持たせておかないと、相関表を使っても自動的に変換できません。

分岐キーの例(電子部品で効きやすい属性):

  • 単体部品か、基板実装済みアセンブリ(PCBA)か
  • センサー/アクチュエータ/変換素子などの機能区分
  • 通信機能の有無(送受信機能、無線モジュールかどうか)
  • 材質(貴金属含有、光学部材の有無など)
  • 用途(特定機器専用品か、汎用品か)

柱3:「分類根拠」を品番単位で残す

HS移行で現場が崩れる最大要因は、「なぜその分類にしたか」を引き継げないことです。
品番ごとに「分類カルテ(Classification Dossier)」を作る運用にしておくと、HS2028対応だけでなく、税関照会・監査・顧客問い合わせでも一貫性が保てます。

分類カルテの最低限の項目例:

  • 品番/型式、製品名(日英)
  • 仕様書・データシートへのリンク(版管理付き)
  • 機能説明(入力→処理→出力のイメージ)
  • 構成要素(IC/受動部品/筐体/コネクタ等)
  • 写真・外観図(特にモジュール・アセンブリは重要)
  • 現行コード(国際6桁+国別拡張)と、その判断根拠
  • 参照した条文・注記・社内基準(該当箇所を特定できる形で)
  • 判断者・承認者・判断日
  • 「HS2028で変更可能性あり」フラグ

柱4:仕入先・顧客との「HS通知」運用を再設計

電子部品取引では、次のようなパターンが典型的です。

  • 仕入先提示のHSコードをそのまま輸入側が使用する
  • 顧客指定HSに合わせる「合わせゲーム」になっている
  • 国が違うのに、同じ番号を機械的に適用してしまう

JETROも、輸出者から通知されたHSコードをそのまま用いることのリスクや、国によって分類が異なり得る点について注意喚起しています。jetro+1

最低限押さえたい契約・運用ルールの例:

  • 「HSコードは参考情報であり、最終判断は輸入国の申告主体が負う」など、責任分界を明文化する。
  • HS変更(HS2028含む)により関税負担・価格に影響が出る場合の調整条項を設定する。
  • HS変更通知のリードタイム(日数)を合意しておく。
  • 仕入先・顧客に求める分類根拠(データシート、機能説明、構成表など)の範囲を定義する。

柱5:EPA/FTA(原産地)を“HS改正の波”に乗せて再点検

電子部品は、CTC(関税分類変更基準)やPSR(品目別原産地規則)の影響が強い品目が多く、HS変更が原産地判定に直結します。jetro+2

EPAでは、関税率表・撤廃スケジュール・PSRがHSコードをベースに規定されるため、HSの改正とEPA上のHS参照版が一致しない場合、Certificate of Origin上のHSと輸入申告のHSが異なるケースも現実に発生します。jetro+2

電子部品で起きがちなトラブル例:

  • 旧HS前提のPSRを見続け、適用可否を誤る。
  • BOM側(部材)は新HSに更新したが、完成品のHS更新が遅れ、原産地判定と帳票の整合が崩れる。
  • HSの統合・分割により、「同じ製品でもPSRの読み替えが必要」なのに、社内ルールが追いつかない。

おすすめの進め方:

  • 上位品目について、「現行HS × 適用協定 × PSRタイプ(CTH/CTSH/RVC等)」を棚卸しする。customs+2
  • HS2022⇔HS2028相関表が出た段階で、「どの新HSでPSRを評価するか」の社内統一ルールを決める。
  • 重点国・重点顧客については、2027年中に“新HSでの原産地シミュレーション”まで終えておく。

柱6:規制・輸出管理・環境要件の“HS依存ロジック”を洗い直す

電子部品取引は、輸出管理(デュアルユース・軍民転用)、制裁、化学物質、環境、電池関連など、複数の規制レイヤーをまたぎます。regulatory-compliance+2
社内判定が「HSコードが○○なら規制対象」というロジックに強く依存している場合、HS2028移行でコードが変わると判定の入口が誤作動します。

対策としては、HSコードをトリガーとしつつも、

  • 機能・性能
  • 用途(民生/軍需/特定装置専用)
  • 含有物・技術仕様(クロック、演算能力、メモリ量など)

といった技術属性を併用し、HSが変わっても判定の一貫性を保てるようにすることが重要です。


柱7:IT・マスタ・帳票・EDIを「品目体系のバージョン管理」にする

HS2028対応のIT改修は、単なるコード置換ではなく、HS体系の“版管理”が肝になります。
日本向け実務では10桁(6桁HS+3桁統計+1桁NACCS)まで存在するため、コード構造と有効期間をシステム上で管理できるようにする必要があります。customs+3

最低限持たせたいマスタ項目例:

  • HS体系バージョン(例:HS2022/HS2028)
  • 有効開始日・終了日(2028/1/1切替を明示)
  • 国別拡張コード(輸入国ごとに8〜10桁コードを保持)
  • 信頼度(確定/暫定/要再確認)
  • 根拠リンク(分類カルテへの参照)
  • 更新者・更新履歴(監査・トレーサビリティ対応)

これにより、「出荷日・通関日でどちらのHSを使うべきか」といった移行期特有の混乱を、システム側で抑制できます。


部門別ToDo(電子部品ビジネス向け)

貿易管理・通関

  • 重点品番の分類カルテ作成と、事前教示(eルーリング等)の候補抽出。
  • 相関表前提のマッピング設計(1対多ケースを重点管理)。customsmanager+2
  • 通関委託先・フォワーダーとの移行スキーム・責任分界のすり合わせ。

購買

  • 仕入先HSの「根拠情報」提出(データシート・構成表など)を最低限ルール化。
  • 供給契約にHS変更条項(通知・価格調整・責任分界)を組み込む。

営業(B2B)

  • 顧客指定HSがある取引の棚卸しと、変更時の連絡フロー設計。
  • 見積書・価格表・納入仕様書のうち、HSコード記載箇所を洗い出す。

開発・品証

  • モジュール/複合機能品向けの「機能記述テンプレート」を整備。
  • 仕様書の版管理ルールを分類カルテと連動させる。

IT

  • ERP/PLM/GTM/通関関連システムのHSバージョン管理機能を設計・実装。
  • Invoice/Packing List/原産地関連書類など、HS連動項目の洗い出し。
  • 2027年中に総合テストと、2028年初回出荷シナリオでのリハーサルを実施。

よくある失敗と回避策(電子部品あるある)

失敗パターン典型的な状況回避策のポイント
相関表待ちで着手が遅れる2026年公表後に着手しようとして工数が足りなくなる。wcoomd+2今のうちに「重点品番」「分岐キー」「分類カルテ」を整え、相関表公表時に一気に流し込める状態にしておく。customsmanager+2
6桁だけ更新して国別拡張で詰まる日本の9桁統計品目番号・10桁NACCSコードまで手当てできていない。customs+3「6桁+3桁統計+1桁NACCS」という構造を前提に、輸出入で別コードになり得る設計にしておく。
分類根拠が残っておらず担当者交代で破綻品番ごとの判断理由が口頭・メールに散在している。分類カルテ(根拠・版管理・承認)を標準フォーマットで運用する。
原産地対応が後回しになりEPA適用が止まるHSだけ先に更新し、PSR読み替え・証明書側のHSが追いつかない。jetro+3重点国×重点品目について、2027年中に新HSベースの原産地シミュレーションまで完了させる。

2025年末からの実行ロードマップ案

WCOのスケジュール(2026年頃公表→2028年1月1日発効)を前提に、企業側の逆算ロードマップは次のイメージが現実的です。tarifftel+3

  • フェーズ0(今すぐ〜2026年初):「準備の準備」
    • 重点品番リスト(売上・輸入額・規制影響)を確定。
    • 分類カルテのテンプレート設計と運用開始。
    • IT改修の影響範囲(どのシステムにHSが格納されているか)を洗い出す。
  • フェーズ1(2026年):相関表・公式テキストを受けて「影響評価」
    • HS2022⇔HS2028相関表を起点にマッピング(1対多は分岐キーで分割)。global-scm+2
    • 重点品目から順に分類を確定し、必要に応じて事前教示を取得。
    • 原産地・規制・関税コストの影響を試算。
  • フェーズ2(2027年):「全社展開とテスト」
    • 国別拡張コードまで含めたマスタ更新。
    • 帳票・EDI・通関データの総合テスト実施。
    • 顧客・仕入先への変更通知と運用切替リハーサル。
  • フェーズ3(2028年1月〜):「切替・初回出荷の安定化」
    • 混載・返品・長納期案件など、移行期特有の例外ケースを潰す運用を設計。

まとめ:HS2028対応は「通関」ではなく“事業基盤”の更新

HS2028は、暫定採択から正式採択、公表、発効までの工程と時期がWCOから示されており、企業側は2〜3年単位で逆算した準備が可能です。wcoomd+2
電子部品はSKUが多く、複合機能・モジュール品が増え、さらに規制・原産地・ITシステムまで連鎖するため、「重点品番」「分類根拠」「マスタの版管理」を早く整えた企業ほど移行コストを抑えられます。

最初の一歩としては、
重点100品番を決める → 分類カルテを作る → 分岐キーを揃える → 相関表公表時に一気に流す
という順番が、電子部品ビジネスにはもっとも再現性の高いアプローチです。

  1. https://www.wcoomd.org/en/media/newsroom/2025/april/hsc-provisionally-adopts-the-recommendation-for-hs-2028-amendments-at-75th-session.aspx
  2. https://www.wcoesarpsg.org/wp-content/uploads/2025/06/Conclusion-of-the-75th-Session-of-the-Harmonized-System-Committee-and-the-Provisional-Adoption-of-the-HS-2028-Amendments.pdf
  3. https://www.aeb.com/en/magazine/articles/hs-code-2028.php
  4. https://www.customs.go.jp/toukei/sankou/code/code_e.htm
  5. https://unstats.un.org/unsd/classifications/Sprint/Webinar2/Session2_Pres2_Review_Cycle_of_HS.pdf
  6. https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-010701.html
  7. https://www.strtrade.com/trade-news-resources/str-trade-report/trade-report/april/amendments-to-2028-harmonized-schedule-advanced
  8. https://www.customsmanager.info/post/wco-hs-decisions-what-changed-hsc-76-customs-manager-ltd
  9. https://global-scm.com/hscf/archives/46
  10. https://www.wcoomd.org/en/media/newsroom/2025/october/harmonized-system-committee-concludes-its-76th-session-with-remarkable-outcomes.aspx
  11. https://www.customs.go.jp/english/origin/rules_of_origin_epa.pdf
  12. https://www.jetro.go.jp/ext_images/biz/seminar/2025/2d02a7a0db2fcb69/250917_2nd_JETRO.pdf
  13. https://www.jetro.go.jp/ext_images/theme/wto-fta/epa/pdf/japan_epa_export_03.pdf
  14. https://unstats.un.org/unsd/classifications/Meetings/UNCEISC2024/Session3P-b_Review_Cycle_Harmonized_System_UNCEISC.pdf
  15. https://www.tarifftel.com/blog/hs-2028-your-guide-to-the-next-harmonised-system-update/
  16. https://mkc-net2.com/what-is-the-hs-code-used-for-customs-import-and-export-declaration/
  17. https://policy.trade.ec.europa.eu/news/2025-update-eu-control-list-dual-use-items-2025-09-08_en
  18. https://www.regulatory-compliance.eu/2025/09/12/eu-2025-update-of-the-eu-control-list-of-dual-use-items/
  19. https://www.hoganlovells.com/en/publications/eu-updates-dualuse-control-list-new-controls-on-emerging-technologies-and-shift-in-export-control
  20. https://www.cattwyk.com/en-news/update-of-the-eu-list-of-dual-use-items
  21. https://www.bex.ag/en/blog/hs-2028-2/
  22. https://www.bex.ag/blog/hs-2028/
  23. https://www.thomsonreuters.co.jp/ja/tax-and-accounting/blog/how-to-deal-with-hscode-p1.html
  24. https://www.customs.go.jp/toukei/sankou/howto/hs.htm
  25. https://www.jetro.go.jp/ext_images/indonesia/jiepa/index.html/EPAE.pdf
  26. https://www.cooley.com/news/insight/2025/2025-12-05-eu–issues-2025-update-to-dual-use-control-list
  27. https://www.cooley.com/services/practice/cfius
  28. https://www.cmtradelaw.com/2025/11/european-commission-revises-dual-use-list-highlights-from-the-2025-update/
  29. https://global-scm.com/hscf/archives/tag/hs2028
  30. https://www.jdsupra.com/legalnews/glass-lewis-releases-benchmark-policy-6179279/
  31. https://www.tarifftel.com/resources/page/3/
  32. https://cdnw8.eu-japan.eu/sites/default/files/2021-05-epa-handbook.pdf
  33. https://www.linkedin.com/posts/tarifftel_hs2028-customsclassification-tariffcodes-activity-7322610555364548608-xvtT
  34. https://trade.ec.europa.eu/access-to-markets/en/content/eu-japan-economic-partnership-agreement
  35. https://www.jetro.go.jp/ext_images/biz/seminar/2024/ce05fe327748d343/1218_Nakahata.pdf
  36. https://www.wcoomd.org/en/media/newsroom/2025/april/hsc-provisionally-adopts-the-recommendation-for-hs-2028-amendments-at-75th-session.aspx?stf=1
  37. https://catts.eu/wco-wto-updates-april-2025/
  38. https://www.facebook.com/WCOOMD/posts/hsc-provisionally-adopts-the-recommendation-for-hs-2028-amendments-at-75th-sessi/1084615137040221/
  39. https://www.strtrade.com/trade-news-resources/str-trade-report/trade-report/october/harmonized-system-committee-notes-achievements
  40. https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/b1e7627cbc668431/20210039.pdf
  41. https://eboworldwide.eu/wp-content/uploads/2025/06/Final-Business-Sentiment-Reports-as-of-3-JUNE-2025.pdf
  42. https://catts.eu/wco-wto-updates-october-2025/
  43. https://www.jsim.or.jp/pdf/publication/overseas/a-1-55-02-00-00-20200326_jmgiWrHTWBunJhAaYMwh5QyJs399N7Wc.pdf
  44. https://www.linkedin.com/posts/heitor-martins-%F0%9F%87%B5%F0%9F%87%B9-59b32756_hsc-provisionally-adopts-the-recommendation-activity-7313842459153727488-2Ljf
  45. https://www.wcoomd.org/en/media/newsroom/2025/october.aspx
  46. https://www.nhtsa.gov/sites/nhtsa.gov/files/2022-04/Final-TSD_CAFE-MY-2024-2026.pdf
  47. https://www.dhl.com/discover/en-jp/logistics-advice/essential-guides/country-hs-codes
  48. https://www.kanzei.or.jp/tradeservice/namedata/
  49. https://pic.or.jp/en/wp-content/uploads/2024/11/Trade_Handbook.pdf
  50. https://www.dhl.com/discover/en-jp/logistics-advice/essential-guides/hs-codes
  51. https://service.shippio.io/glossary/howto-searchscord/
  52. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2949863523000249
  53. https://www.post.japanpost.jp/intmypage/faq/047_en.html
  54. https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-000A51.html
  55. https://pubsonline.informs.org/doi/10.1287/msom.2024.0879
  56. https://www.jetro.go.jp/ext_images/theme/trade/tariff/manual.pdf
  57. https://www.emerald.com/jgoss/article/15/4/505/211710
  58. https://www.jfa.maff.go.jp/attach/pdf/220614-4.pdf

HSCF: 付番トライアル007:Googleにあった写真から(電子部品:トランジスタ)

付番トライアル: 2025年12月10日

以下の入力をすることで、結果が出力されています。情報はGoogleで検索したたくさんの「電子部品」から適当にピックアップした写真のみです。

電子部品は、単純に写真からだけでHSコードが特定できる気がしなかったのですが、意外でした。

HS付番をする商品情報

トランジスタらしき商品をピックアップし、写真をとって入力としました。

入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

  • 品名/用途:—
  • 材質:—
  • 構成・セット:—
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:—
  • 型番・画像:画像1点(ヒートシンクタブ付き3リード、TO-220外観)
  • 通関国・前提:—

日本語版

  1. 結論
  • 国別例示(任意):
    • JP:8541.29-000(その他のトランジスタ(光感応性を除く))
    • US:8541.29.0000(Transistors, other than photosensitive, other)
    • EU:8541 29 00(その他のトランジスタ(非光感応))
  • 要約:画像はヒートシンク取付穴を持つ3リード樹脂モールド(TO-220型)の半導体で、一般にMOSFET/BJT等のパワートランジスタ形状。定格消費電力の情報が無く、1W超10W以下かを特定できないため、6桁は“その他”の8541.29を第一候補とします。
  1. 根拠
  • 適用通則・注:GRI 1により見出し8541(ダイオード、トランジスタその他の類似半導体デバイス)に該当。GRI 6で号レベル判定し、トランジスタの区分(8541.21〈1W未満〉、8541.22〈1W以上10W以下〉、8541.29〈その他〉)のうち仕様不明のため“その他”を採用。
  • 判定ポイント:
    • 外観:3リード+放熱タブのTO-220型。一般にMOSFET/IGBT/BJT等のトランジスタに広く用いられる。
    • 用途推定:電力スイッチング/リニア制御。光学窓・受光面は見当たらず光感応素子ではない。
  • 仮定(入力不足を補う前提):型番・定格(熱損失/消費電力PD)が不明。TO-220は通常10W超の定格が多いが、外観のみでは断定できないため“その他”を選択。
  • 排他・除外の理由:
    • 8541.21/8541.22:定格損失(1W未満/1~10W)が判明した場合にのみ該当。現時点では不確定。
    • 8541.30(サイリスタ等):3リードTO-220形状でも存在するが、型番情報がなく断定不可。代替候補として比較表に記載。
    • 8542(電子集積回路):個別素子の外観であり、ICではない。
  • 型番・画像:画像A(TO-220、3リード、取付孔付きタブ)。観察ポイント:①3本リード②金属タブ③樹脂モールド。
  1. 候補比較(代替案)
候補HS理由棄却理由確度%
8541.29トランジスタ(非光感応)で消費電力区分が不明なため“その他”型番・定格が判明すれば.21または.22の可能性80
8541.221W以上10W以下のトランジスタTO-220は10W超が多く外観のみでは決められない10
8541.211W未満のトランジスタTO-220で1W未満は通常稀3
8541.30サイリスタ/ダイアック/トライアック型番情報なく判定不可。外観だけでは区別困難7
  1. 争点・注意
  • 6桁の分岐は“消費電力(最大損失)”の公称値で判断されます。データシートのP_D(またはTotal Power Dissipation)を確認してください。
  • サイリスタ/トライアック等(8541.30)とMOSFET/IGBT/BJTの外観は類似。型番での確認が必須。
  1. 追加で必要な情報
  • 正確な型番(例:IRLZ44N、2SCxxxx、STPxx等)
  • データシートの最大損失(W)と素子タイプ(MOSFET/BJT/IGBT/サイリスタ等)
  • 通関国(JP/US/EU等)
  1. 参考資料・出所
  • WCO Explanatory Notes 85.41(HS2022:トランジスタの区分、消費電力閾値)
  • 実行関税率表:JP 8541.21/22/29、US HTS 8541.21/22/29、EU CN 8541 21/22/29
  • メーカーのデータシート(型番確定後に一次資料参照)

これで、どれだけ分かるでしょうか。

入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

  • 品名/用途:NPN DARLINGTON TRANSISTOR
  • 材質:—
  • 構成・セット:—
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:—
  • 型番・画像:2SD1843-T-AZ(Renesas)/掲載画像(TO-220外観)
  • 通関国・前提:—

日本語版

  1. 結論
  • 国別例示(任意):
    • JP:8541.29-000(その他のトランジスタ(光感応性を除く))
    • US:8541.29.0000(Transistors, other than photosensitive, other)
    • EU:8541 29 00(その他のトランジスタ(非光感応))
  • 要約:当該品はRenesasのNPNダーリントンBJTで、データシート上のTotal power dissipationが1.0W(Ta=25°C)であるため、「1W未満」(8541.21)には該当せず、“その他”である8541.29が妥当です。(rcscomponents.kiev.ua)
  1. 根拠
  • 適用通則・注(例:GRI 1, 3(b), 6、類注・部注):GRI 1で見出し8541(半導体デバイス)に該当。GRI 6で号レベル判定。HS2022ではトランジスタは「1W未満(8541.21)」と「その他(8541.29)」の構成(=1W以上は“その他”)。(wcoomd.org)
  • 判定ポイント(主用途、主要材質、機能、構成、セット該当性 等):
    • メーカー資料にTotal power dissipation PT(Ta=25°C)=1.0Wと記載。(rcscomponents.kiev.ua)
    • 製品はNPN Darlingtonトランジスタで、光感応素子ではない。(Alldatasheet)
    • 画像は3リードのTO-220系外観で個別トランジスタ形状。
  • 仮定(入力不足を補う前提):単体素子として輸入(モジュール化なし)。データシートの1.0W値を“消費電力(最大損失)”として用いる。
  • 排他・除外の理由(他の類・項ではない理由):
    • 8541.21(1W未満):本品は1.0Wで“未満”条件を満たさない。(rcscomponents.kiev.ua)
    • 8541.30(サイリスタ等):ダーリントンBJTで別項。
    • 8542(電子集積回路):個別トランジスタでありICではない。
  1. 候補比較(代替案)
候補HS理由棄却理由確度%
8541.291W以上のトランジスタは“その他”に配列95
8541.211W未満のトランジスタデータシートが1.0Wで未満ではない5
  1. 争点・注意
  • 「消費電力の基準」は公称の最大損失(PTまたはPc)。Ta/Tc条件により値が変動することがあるため、輸入申告時は該当表記(Ta=25°Cなど)を資料化してください。
  • 国別8桁/10桁での更なる細分(周波数区分等)がある場合は、各国実行関税表での該当を確認。
  1. 追加で必要な情報
  • 通関国(JP/US/EU等)
  • 実際のパッケージ名(TO-220/TO-126等)
  • 申告書添付予定の資料(データシート版数)有無
  1. 参考資料・出所
  • 2SD1843 データシート(Total power dissipation 1.0Wの記載)(rcscomponents.kiev.ua)
  • Renesas/NEC公開情報(2SD1843 製品説明)(Alldatasheet)
  • HS2022 Chapter 85 抜粋(8541のサブヘディング構成)(wcoomd.org)

この内容で“TO-220汎用パワートランジスタ(1W)”として6桁は確定的に8541.29です。通関国をご提示いただければ、8桁/10桁まで落とし込みます。


HSCF: 付番トライアル006:Googleにあった写真から(電子部品)

付番トライアル: 2025年12月9日

以下の入力をすることで、結果が出力されています。情報はGoogleで検索したたくさんの「電子部品」から適当にピックアップした写真のみです。

電子部品は、単純に写真からだけでHSコードが特定できる気がしなかったのですが、以外でした

HS付番をする商品情報

この写真だけでは正直何かは分かりませんでした。専門家なら分かるのでしょうが。品番も分かりませんし。

HSCFの回答は、

入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

  • 品名/用途:—
  • 材質:—
  • 構成・セット:—
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:—
  • 型番・画像:画像1点(円筒形・中央孔あり・2ピンの基板実装用ブザー外観)
  • 通関国・前提:—

日本語版

  1. 結論
  • 国別例示(任意):
    • JP:8531.80-000(その他の電気式の音響又は視覚の信号装置)
    • US:8531.80.9000 など(Electric sound or visual signaling apparatus, other)
    • EU:8531 80 00(その他の信号装置)
  • 要約:画像は基板実装のブザー/サウンダに典型的。完成品の音響信号装置として、HS8531の“その他”8531.80が妥当。
  • 確度(%):70%
  1. 根拠
  • 適用通則・注:GRI 1で見出し8531(鐘、サイレン、ブザー等の音響信号装置)に文言適合。GRI 6で8531.80に特定。
  • 判定ポイント:円筒ケース・音孔・2ピンの外観/アクティブ/パッシブいずれでも「信号装置」。
  • 仮定:完成品ブザーで、裸の圧電素子ではない。
  • 排他・除外:8531.90(部分品)ではない/8518(ラウドスピーカ類)ではない/8541.60(圧電結晶)ではない。
  1. 候補比較(代替案)
候補HS理由棄却理由確度%
8531.80音響信号装置としての完成品ブザーアクティブ/パッシブ不明でも8531内70
8531.908531の部分品完成品に見える15
8518.90ラウドスピーカの部分品信号装置が主用途10
8541.60圧電結晶素子ケース入完成品ではない5
  1. 争点・注意
  • アクティブ/パッシブの別や定格は国別細分の根拠になり得るため、データシート確認が必要。
  1. 追加で必要な情報
  • 型番・メーカー、データシートURL
  • 駆動方式・電圧/周波数・音圧
  • 通関国(JP/US/EU等)
  1. 参考資料・出所
  • WCO EN 85.31(音又は視覚の信号装置:ブザー等の例示)
  • 各国実行関税表:見出し8531(.80/.90)

確度がある程度高いのですが、正直信じられませんでした。

精度を上げるため、ホームページにデータスペックがありました。それをアップロードして、追加情報としました。

入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

日本語版

  1. 結論
  • 国別例示(任意):
    • JP:8531.80-000(その他の電気式の音響又は視覚の信号装置)
    • US:8531.80.9000 等(Electric sound or visual signaling apparatus, other)
    • EU:8531 80 00(その他の信号装置)
  • 要約:UGCM1205XPは基板実装用の小型ブザー/サウンダ(圧電系、5V駆動想定)。アラーム・ビープ音の発生による信号装置であるため、HS8531.80が妥当。
  • 確度(%):90%
  1. 根拠
  • 適用通則・注:GRI 1で見出し8531(ブザー等の電気式信号装置)に適合、GRI 6で“.80 その他”に特定。
  • 判定ポイント:データシートにブザー/サウンダとしての仕様(定格電圧・周波数・音圧)が記載/ケース入り完成品/圧電素子単体ではない。
  • 仮定:単体完成品として輸入。特定機器の専用品やスピーカ用途ではない。
  • 排他・除外:8531.90(部分品)ではない/8518(ラウドスピーカ類)ではない/8541.60(圧電結晶)ではない。
  1. 候補比較(代替案)
候補HS理由棄却理由確度%
8531.80音響信号装置の完成品ブザー90
8531.908531の部分品完成品の装置7
8518.90ラウドスピーカの部分品主用途が“信号”2
8541.60圧電結晶素子ケース入り完成品ではない1
  1. 争点・注意
  • アクティブ/パッシブや駆動方式の違いは国別8桁/10桁の分岐に影響し得るため、輸入国表の要件確認が必要。
  1. 追加で必要な情報
  • 正式メーカー名・仕様(駆動方式、定格V/周波数、音圧)
  • 通関国(JP/US/EU等)
  1. 参考資料・出所
  • UGCM1205XP データシート(ユーザー提示URL)
  • WCO Explanatory Notes 85.31
  • 各国実行関税表:見出し8531(.80/.90)

写真だけでのHSコードと同一。確度はかなり上がったので、最初の推定が間違っていなかったということです。


やりますね。HSCF。確度90%ならほぼ、これでしょう。