HS2022 第4類:酪農品、鳥卵、天然はちみつ及び他の類に該当しない食用の動物性生産品

英語名:Dairy produce; birds’ eggs; natural honey; edible products of animal origin, not elsewhere specified or included. (世界関税機関)


0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの 超要約

  • この類に入る代表例(3〜6個):
    • 牛乳・生乳・クリーム(濃縮していない、無糖)【0401】 (世界関税機関)
    • 粉乳・練乳・加糖練乳など(濃縮/乾燥、または加糖のミルク・クリーム)【0402】 (税関ポータルサイト)
    • ヨーグルト、ケフィア等の発酵/酸性化乳【0403】(HS2022で一定の添加ヨーグルトも対象拡大) (世界関税機関)
    • ホエイ、調製ホエイ、乳成分品【0404】 (世界関税機関)
    • バター/乳脂肪/デイリースプレッド【0405】、チーズ【0406】 (世界関税機関)
    • 殻付き卵【0407】、液卵・卵黄等【0408】、天然はちみつ【0409】 (世界関税機関)
    • 食用の非生体昆虫(条件範囲内)【0410】 (世界関税機関)
  • この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
    • ココア等で香味づけしたミルク飲料 → 第22類 2202(飲料) (税関ポータルサイト)
    • ホエイ由来で乳糖が乾燥基準で 95%超のもの → 第17類 1702(乳糖等) (世界関税機関)
    • ミルクの天然成分を別の物質で置換(例:乳脂肪を植物油脂で置換した“ミルク代替”)→ 1901 または 2106 (世界関税機関)
    • アルブミン類・一定のホエイたんぱく濃縮物(乾燥基準でホエイたんぱくが高いもの等)→ 3502/3504 (世界関税機関)
    • 食用に適さない非生体昆虫 → 0511 (世界関税機関)
    • 食用昆虫でも、味付け等で「調製・保存」されたもの → 原則 第4部(例:第16類)側へ(加工度合いで判断) (世界関税機関)
  • 実務での最重要分岐(1〜3個):
    1. “素材”か“調製品”か(香味・具材・置換の有無で、04類→19/21/22類へ飛びやすい) (世界関税機関)
    2. 成分の閾値(バター定義、ホエイチーズ要件、乳糖95%超の除外など) (世界関税機関)
    3. 昆虫は“非調製”か“調製済み”か(0410か、16類などか) (世界関税機関)
  • この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
    • 乳製品は、**関税率差・割当・協定税率(PSR)**に影響しやすく、分類違いが「税率・原産地・規制(検疫)」の三重で効くことがあります。 (農林水産省)


1. 区分の考え方 どうやってこの類に到達するか

1-1. 分類の基本ルール GIRの使いどころ

  • この類で特に効くGIR
    • GIR1:見出し文言と「注(類注/部注)」が最重要。第4類は、ヨーグルト、バター、ホエイチーズ、昆虫などを注で定義しているため、品名より注を優先して読みます。 (世界関税機関)
    • GIR6:6桁(号)の比較では、脂肪分%など「号の文言」どおりに当てはめます(例:0401の脂肪分区分)。 (世界関税機関)
  • 「品名だけで決めない」ための観点
    • 状態:液体/粉末/濃縮/乾燥(“dried”は脱水・蒸発・凍結乾燥を含む) (世界関税機関)
    • 添加と目的:添加物が「風味付け/具材」なのか、「ミルク成分を置換」なのか(置換なら04類から外れる可能性が高い) (世界関税機関)
    • 成分数値:乳脂肪、水分、乾燥固形分、乳糖%(乾燥基準) (世界関税機関)
    • 加工度:昆虫・卵・乳製品が“単なる保存処理”か“調製(味付け等)”か (世界関税機関)

1-2. 判定フロー 疑似フローチャート

  • Step1:物品は「食用」か、動物由来か
    • 食用でなければ04類ではなく、05類等に寄る可能性(例:食用に適さない昆虫→0511)。 (世界関税機関)
  • Step2:乳製品・卵・はちみつ・その他動物性食品のどれか
    • 乳製品なら 0401〜0406、卵なら 0407〜0408、はちみつは 0409、その他は 0410 を起点に検討。 (世界関税機関)
  • Step3:04類の「除外規定」に当たらないかチェック
    • 乳糖95%超(乾燥基準)→1702、置換乳→1901/2106、アルブミン類→35類等。 (世界関税機関)
  • Step4:該当する項(4桁)を決め、最後に号(6桁)を文言どおりに当てはめ
  • よく迷う境界:
    • 04類(乳製品) vs 22類(飲料):「ミルク飲料」扱いになると22.02へ。 (税関ポータルサイト)
    • 04類(ヨーグルト) vs 19.01/21.06:「具材・置換」で外れやすい。 (世界関税機関)
    • 04類(ホエイ等) vs 17.02(乳糖)/35.02(たんぱく):「乾燥基準の成分比」が決め手。 (世界関税機関)

2. 主な項 4桁 とその内容

2-1. 4桁 項 の主なもの一覧表 必須

項番号(4桁)見出しの要旨(日本語)典型例(製品名)重要な分岐条件/除外/注意点
0401濃縮等していないミルク・クリーム、無糖生乳、牛乳、クリーム濃縮/乾燥/加糖は0402。脂肪分で号が分岐。
0402ミルク・クリーム(濃縮/乾燥、または加糖)練乳、粉乳、加糖粉乳粉末/粒状か、ペースト状濃縮か等で号が分かれる。
0403発酵/酸性化したミルク・クリーム等、ヨーグルトヨーグルト、ケフィア、サワークリームHS2022でヨーグルトの範囲が拡大(条件付き)。
0404ホエイ、調製ホエイ、その他の乳成分品ホエイパウダー、調製ホエイ乳糖95%超(乾燥基準)等の除外に注意。
0405バター等の乳脂肪バター、デイリースプレッド、無水乳脂肪、ギーバター/スプレッドは注の定義に合うかが最重要。
0406チーズ、カードナチュラルチーズ、カード、ホエイチーズホエイ濃縮+ミルク/乳脂肪のものは条件付きで0406。
0407殻付き鳥卵殻付き鶏卵、受精卵(孵化用)孵化用か食用かで号が分岐しやすい。
0408殻付きでない卵・卵黄液卵、乾燥卵黄、冷凍卵白砂糖等の添加可(見出し上)。加工度合いで別類も。
0409天然はちみつはちみつ(瓶詰、巣蜜)原則04.09。規制面では巣蜜等は別途注意。
0410その他の食用動物性生産品ローヤルゼリー、食用昆虫(非調製)HS2022で食用昆虫の定義・細分が明確化。

上表の根拠となる「範囲の定義・除外」は、Chapter 4 Notes(注)と、各項の解説(税関解説)にまとまっています。 (世界関税機関)

2-2. 6桁 号 で実務上重要な分岐 必須

  • 分岐条件の整理(この類で頻出)
    • 脂肪分%:0401(ミルク・クリーム)を中心に号が分岐。 (世界関税機関)
    • 濃縮/乾燥/加糖の有無:0401と0402の最初の分岐。 (世界関税機関)
    • “ヨーグルトとしての本質”:0403(特にHS2022)。 (世界関税機関)
    • 乾燥基準の成分比:乳糖95%超の除外(→1702)、ホエイたんぱく濃縮の除外(→3502)。 (世界関税機関)
    • 加工度(保存処理か調製か):昆虫(0410)と、調製昆虫(主に16類)の線引き。 (世界関税機関)
  • 間違えやすい6桁ペア/グループ(例:5組)
    1. 0401(非濃縮・無糖) vs 0402(濃縮/乾燥/加糖)
      • どこで分かれるか:濃縮・乾燥・砂糖等の添加があるか。 (世界関税機関)
      • 判断に必要な情報:製造工程(濃縮/乾燥)、糖添加有無、製品形状(粉/粒/ペースト)。
      • 典型的な誤り:「粉乳なのに0401で申告」「加糖練乳なのに無糖扱い」。
    2. 0403(ヨーグルト)と 1901/2106 の境界
      • どこで分かれるか:シリアル等を加えていても、ミルク成分の置換目的でなく、かつヨーグルトの重要な特性を保持しているか。 (世界関税機関)
      • 判断に必要な情報:配合表(置換かどうか)、物性・官能、ラベル表示、写真。
      • 典型的な誤り:具材入りを機械的に19.01へ寄せる(HS2022では見直しが入っています)。 (税関ポータルサイト)
    3. 0404(ホエイ等) vs 1702(乳糖)
      • どこで分かれるか:ホエイ由来品でも、乳糖が乾燥基準で95%超なら17.02へ除外。 (世界関税機関)
      • 判断に必要な情報:成分分析(乳糖%を乾燥状態に換算)、水分。
      • 典型的な誤り:乳糖粉末を「ホエイ粉」として0404で申告。
    4. 0405.10(バター) vs 0405.90(ギー/無水バター等)
      • どこで分かれるか:0405の中でも、0405.10の“バター”はギー等を含まない(サブ見出し注)。 (世界関税機関)
      • 判断に必要な情報:水分、乳化剤の有無、製品名称(ghee/anhydrous butter oil等)、仕様書。
      • 典型的な誤り:水分ほぼゼロの乳脂肪を「バター」として0405.10に入れる。
    5. 0410.10(昆虫) vs 第16類等(調製した昆虫)
      • どこで分かれるか:0410の“昆虫”は、一定の保存処理(冷凍・乾燥・塩蔵等)までの「非調製」側。味付け・調理等で“調製/保存”の色が強いと第4部側へ。 (世界関税機関)
      • 判断に必要な情報:加工工程(味付け/加熱/燻製等)、原材料(調味料)、製品形態(スナック等)。
      • 典型的な誤り:「味付き昆虫スナック」を0410で申告。

3. 部注と類注の詳細解釈 条文→実務的な意味

3-1. 関連する部注 Section Notes

  • ポイント要約:
    • Section Iでは、“dried(乾燥)”は脱水・蒸発・凍結乾燥などを含む扱いです。粉乳や乾燥卵などで「乾燥の方法」を問わず“乾燥”として扱いやすい点が実務に効きます。 (世界関税機関)
  • 実務での意味(具体例つき):
    • 例:凍結乾燥の卵粉・乳粉でも、号の「乾燥」区分に当てはめる前提で検討します。 (世界関税機関)
  • “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
    • Section I部注自体で大きく他章へ飛ぶというより、**Chapter 4の類注(注)**で他章へ飛ぶケースが多いです(乳糖95%超→17.02、置換乳→19.01/21.06等)。 (世界関税機関)

3-2. この類の類注 Chapter Notes

Chapter 4は「注」が実務の核心です(要点のみ)。

  • ポイント要約:
    • 注1:ミルクの定義(全乳・脱脂乳を含む)。 (世界関税機関)
    • 注2:ヨーグルトは、一定の添加(香辛料、コーヒー、植物、シリアル、ベーカリー品等)も条件付きで許容。 (世界関税機関)
    • 注3:バター/デイリースプレッドの定義(乳脂肪%・水分等の閾値、乳化剤の扱い)。 (世界関税機関)
    • 注4:ホエイ濃縮+ミルク/乳脂肪の産品でも、条件を満たせばチーズ(0406)。 (世界関税機関)
    • 注5:除外規定(非食用昆虫、乳糖95%超、置換乳、アルブミン等)。 (世界関税機関)
    • 注6:0410の“昆虫”定義(非生体・一定の保存処理まで)。 (世界関税機関)
    • サブ見出し注:0404.10の「調製ホエイ」定義、0405.10のバターにギー等が含まれない点。 (世界関税機関)
  • 用語定義(定義がある場合):
    • バター:乳脂肪80〜95%等の数値基準と「乳化剤なし」など、定義に合致するかが核心です。 (世界関税機関)
    • ホエイチーズ扱い:乳脂肪(乾燥基準)5%以上、乾燥固形分70〜85%、成型可能等の要件が揃うと0406に寄ります。 (世界関税機関)
    • 昆虫:0410では、非生体昆虫で一定の保存処理(冷凍・乾燥・塩蔵等)までの範囲を明確化。 (世界関税機関)
  • 除外規定(除外先の類・項も明記):
    • 乳糖95%超(乾燥基準)→17.02、置換乳→19.01/21.06、アルブミン等→35類、非食用昆虫→05.11。 (世界関税機関)

4. 類注が分類に与える影響 どこでコードが変わるか

  • 影響ポイント1:ヨーグルトの「許容添加」と「置換」の線引き
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 添加物が“風味/具材”なのか、“ミルク成分を置換”なのか
      • ヨーグルトの重要な特性(発酵乳としての性状)が保持されているか (世界関税機関)
    • 現場で集める証憑:
      • 配合表(%)、製造工程図、商品仕様書、商品写真、表示(原材料名・栄養成分表示)
    • 誤分類の典型:
      • シリアル入り=即19.01、コーヒー入り=即飲料、など「品名・見た目」だけで飛ばす。 (税関ポータルサイト)
  • 影響ポイント2:バター定義(0405.10に入るか)と、ギー等(0405.90)との切替
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
    • 現場で集める証憑:
      • 成分分析(COA)、配合、製法説明(無水化工程等)、製品規格書
    • 誤分類の典型:
      • 無水乳脂肪(ギー)を「バター」と誤認して0405.10へ。 (世界関税機関)
  • 影響ポイント3:ホエイ由来品の「0404」か「0406(チーズ)」か
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 乾燥基準の乳脂肪%(5%以上か)、乾燥固形分70〜85%、成型可能か (世界関税機関)
    • 現場で集める証憑:
      • 水分・脂肪の分析、形状写真、製造工程(成型の有無)
    • 誤分類の典型:
      • 「ホエイだから0404」と固定し、注4要件の確認をしない。 (世界関税機関)

5. 分類でよくある間違い 原因→対策

  1. 間違い:ココア入りミルク飲料を0401/0402で申告
    • なぜ起きる:品名が「ミルク」なので乳製品と短絡する
    • 正しい考え方:ココア等で香味づけしたミルク飲料は22.02側に除外される扱い(解説で明示)。 (税関ポータルサイト)
    • 予防策:
      • 確認資料:原材料表、表示、用途(飲料として販売か)
      • 社内質問例:「これは“飲料”としてそのまま飲む商品ですか?ココア等の香味原料は入っていますか?」
  2. 間違い:シリアル入りヨーグルトを19.01(ミルク調製品)で固定
    • なぜ起きる:過去の運用や社内マスタがHS2017前提のまま
    • 正しい考え方:HS2022では、一定の添加(シリアル等)を含むヨーグルトを条件付きで04.03に含める方向で明確化(注2、改正資料)。 (世界関税機関)
    • 予防策:
      • 確認資料:添加目的(置換か否か)、配合%、商品性状
      • 社内質問例:「シリアルは“食感付与”ですか?“乳成分の代替”ですか?」
  3. 間違い:乳糖粉末を0404(ホエイ)で申告
    • なぜ起きる:「ホエイ由来=0404」という単純化
    • 正しい考え方:ホエイ由来でも乳糖が乾燥基準で95%超なら17.02へ除外。 (世界関税機関)
    • 予防策:
      • 確認資料:成分分析(乳糖%を乾燥基準に換算)、水分
      • 社内質問例:「乳糖含有率(乾燥基準)は何%ですか?」
  4. 間違い:無水乳脂肪(ギー)を0405.10(バター)で申告
    • なぜ起きる:商流上“バターオイル”がバターと呼ばれる
    • 正しい考え方:0405.10の“バター”はギー等を含まない(サブ見出し注)。 (世界関税機関)
    • 予防策:
      • 確認資料:水分、製法、商品名(ghee/anhydrous)
      • 社内質問例:「水分はほぼゼロですか?無水化工程がありますか?」
  5. 間違い:ホエイ濃縮+乳脂肪添加品を0404のままにする(0406の可能性を見ない)
    • なぜ起きる:原料がホエイなので0404と思い込む
    • 正しい考え方:注4の3条件(乳脂肪/乾燥固形分/成型性)を満たすと0406(チーズ)。 (世界関税機関)
    • 予防策:
      • 確認資料:乾燥基準脂肪%、乾燥固形分%、成型の有無
      • 社内質問例:「これは“チーズ状に成型”できますか?乾燥固形分は何%ですか?」
  6. 間違い:昆虫(味付け済み)を0410で申告
    • なぜ起きる:「昆虫=0410」と覚えてしまう
    • 正しい考え方:0410の定義は“非調製”側で、調製・保存の度合いが強いと第4部側(例:第16類)に寄る。 (世界関税機関)
    • 予防策:
      • 確認資料:加工工程、調味料の有無、販売形態(スナック等)
      • 社内質問例:「味付け・加熱調理・保存加工(缶詰等)はしていますか?」
  7. 間違い:粉乳等に加えた少量添加物で「調製食品」扱いに飛ばす
    • なぜ起きる:添加=調製品と短絡
    • 正しい考え方:粉乳は再生ミルクの物性維持のため少量でん粉(重量比5%以下)を含み得るとされる考え方が示されています(日本解説)。 (税関ポータルサイト)
    • 予防策:
      • 確認資料:添加物の種類/目的/重量比
      • 社内質問例:「でん粉等は何の目的で、重量比は何%ですか?」
  8. 間違い:殻付き卵(孵化用)と食用卵の区別を取らず0407で雑に申告
    • なぜ起きる:同じ“殻付き卵”と見える
    • 正しい考え方:HS改正で孵化用受精卵等の細分が整備されており、用途・取引実態が重要。 (税関ポータルサイト)
    • 予防策:
      • 確認資料:契約書(用途)、相手先(ふ卵場か)、ラベル表示
      • 社内質問例:「孵化目的(受精卵)ですか?食用ですか?」

6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点

6-1. HSコードとPSR 品目別規則 の関係

  • HSの付番はPSR選択に直結します。
    • 例:ヨーグルトを04.03とみるか、19.01とみるかでPSRが変わり、原産性判断(CTH/CTSH/RVC等)の軸がズレます。 (税関ポータルサイト)
  • よくある落とし穴
    • 最終製品HSだけでなく、非原産材料のHSも同じ版(協定が参照するHS版)で揃える必要があります。 (税関ポータルサイト)

6-2. 協定が参照するHS版の違い HS2012 HS2017 HS2022のズレ

  • 協定により、PSRが参照するHS版が異なります(例:RCEPはHS2022版PSRが採択され、2023-01-01から運用)。 (税関ポータルサイト)
  • ズレる場合の注意(一般論)
    • 実務のHS(通関)をHS2022で付番しても、PSRは協定指定のHS版で確認する必要がある場合があります。
    • その際、税関が公表する相関表や、WCOの相関資料で旧→新の対応関係を取ってからPSR適用を検討します。 (税関ポータルサイト)

6-3. 実務チェック 原産性判断に必要なデータ

  • 最低限そろえる
    • BOM(材料表)、各材料の原産国、非原産材料のHS、工程フロー、原価(RVC計算の前提)、製品仕様書(成分%)。
  • 証明書類・保存(一般論)
    • 監査・事後確認を想定し、HS判定根拠(注に基づく分岐の説明、分析証明)を保存。
  • RCEPの留意
    • 日本税関・外務省もHS2022への置換と運用開始を明示しており、文書様式・記載HSの整合が重要です。 (税関ポータルサイト)

7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い 違うことになった根拠

7-1. 変更点サマリー 必須:表

比較変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更)該当コード変更の要旨実務への影響
HS2017→HS2022範囲変更・号整理0403シリアル・コーヒー等を加えたヨーグルトを、条件付きで04.03に含める趣旨を明確化し、号体系も整理19.01等に置いていた品目が04.03になり得る。税率・PSR・統計に影響
HS2017→HS2022分割・定義明確化0410食用の非生体昆虫を第4類、調製した昆虫を第16類等に整理。0410.10(昆虫)など細分新設昆虫食品の分類根拠が明確化。誤分類(第2類等)を減らす

(税関ポータルサイト)

7-2. 違うことになった根拠 必須

  • 参照した根拠資料と、判断のしかた
    • **WCOのHS2022条文(Chapter 4 Notes)**で、ヨーグルトの許容添加(注2)と、昆虫の定義(注6)が明示されています。 (世界関税機関)
    • **相関表(HS2022-HS2017)**で、0410の細分(0410.10等)や、ヨーグルト側の整理が示されています。 (税関ポータルサイト)
    • 日本税関のHS2022改正解説資料でも、ヨーグルトの範囲拡大と食用昆虫の整理が改正ポイントとして説明されています。 (税関ポータルサイト)

8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード

主要な追加・削除・再編(第4類に関係が大きいもの)を、分かる範囲で整理します。

改正期変更タイプ旧コード→新コード(代表例)ポイント
HS2007→HS2012分割0401.30 → 0401.40(脂肪6〜10%)/0401.50(10%超)ミルク・クリームを脂肪分で細分化(統計把握等)。
HS2007→HS2012分割0407.00 → 0407.11/0407.19(孵化用受精卵)、0407.21/0407.29(その他の生鮮卵)等孵化用と食用の区別を明確化。
HS2012→HS2017実質変更なし(変更点一覧に第4類の記載なし)大きな再編は見当たりません。
HS2017→HS2022範囲変更・号整理0403(ヨーグルト)添加ヨーグルトの分類範囲拡大に対応。
HS2017→HS2022分割・新設0410.00 → 0410.10(昆虫)/0410.90(その他)食用昆虫を明確に区分。

(税関ポータルサイト)


9. 類注違反による通関トラブル 想定事例

  • 事例名:ココアミルクを「粉乳」として申告
    • 誤りの内容:ミルク飲料の除外(22.02)を見落とし (税関ポータルサイト)
    • 起きやすい状況:インボイス品名が“Milk drink”程度で、原材料/用途が見えない
    • 典型的な影響:修正申告、追加納税、食品表示・検査のやり直しで遅延
    • 予防策:原材料表・用途(飲料)・写真を事前提出、分類根拠を社内に残す
  • 事例名:グラノーラ入りヨーグルトを19.01で固定してEPA適用したが否認
    • 誤りの内容:HS2022でのヨーグルト範囲(注2)を踏まえず、PSRを誤選択 (世界関税機関)
    • 起きやすい状況:社内マスタが旧HS前提、レシピ変更が共有されない
    • 典型的な影響:協定税率否認、差額納税、原産地証明の再発給手戻り
    • 予防策:HS版の確認、相関表で旧→新対応、レシピ変更時に分類再点検
  • 事例名:乳糖粉末を0404で申告し、税関で17.02へ更正
    • 誤りの内容:注5(b)(乳糖95%超の除外)を見落とし (世界関税機関)
    • 起きやすい状況:成分分析を取らず、仕入先の通称で判断
    • 典型的な影響:追加納税、事後調査、類似品の一斉見直し
    • 予防策:COA取得、乾燥基準での乳糖%確認をルール化
  • 事例名:ギーを0405.10で申告し、0405.90へ修正
    • 誤りの内容:サブ見出し注(0405.10にギー等を含まない)を見落とし (世界関税機関)
    • 起きやすい状況:商品名に“butter”が入っている
    • 典型的な影響:追加納税、書類差替、輸入計画(コスト)の再計算
    • 予防策:水分・乳化剤・製法の確認、商品規格に“ghee/anhydrous”の明記
  • 事例名:味付き昆虫スナックを0410.10で申告
    • 誤りの内容:0410の昆虫定義は“非調製”側で、調製度が高いと別類になり得る点を見落とし (世界関税機関)
    • 起きやすい状況:新規商材で、社内に過去事例がない
    • 典型的な影響:分類更正、規制(食品/表示)の再確認、納期遅延
    • 予防策:加工工程・調味料情報・写真を揃え、必要なら税関相談

10. 輸出入規制事項 コンプライアンス観点

日本前提で、第4類で頻出の論点を「該当があるものだけ」整理します(一般論)。

  • 検疫・衛生(SPS等)
    • 食品衛生法:輸入食品は、原則として検疫所(厚労省)への届出・審査/検査の対象です。 (厚生労働省)
    • 動物検疫(家畜伝染病予防法)
      • 乳製品は、品目により動物検疫の対象となり、輸入時に手続・証明書が必要となる旨が案内されています。 (農林水産省)
      • 卵(卵殻を含む)は動物検疫対象で、食用生鮮殻付卵については輸入検疫要領が示されています。 (農林水産省)
      • はちみつは(原則として)動物検疫の対象に含まれない旨が明示されていますが、巣蜜・プロポリス等は混入物や加工程度により論点になり得ます。 (農林水産省)
  • ワシントン条約(CITES)等の種規制
    • 第4類の典型品(乳・卵・はちみつ)ではCITES該当は一般に多くありませんが、個別の原料(動物種・由来)が特殊な場合は別途確認が必要です(一般論)。
  • 安全保障貿易管理
    • 食品としての第4類は通常該当しにくい一方、用途・輸出先・取引形態によっては社内の輸出管理フローに乗せる必要があります(一般論)。
  • 確認先(行政・公式ガイド・窓口)
  • 実務での準備物(一般論)
    • HS分類:成分表(%)、仕様書、写真、製造工程、分析証明(脂肪/水分/乳糖%等)
    • 規制:食品等輸入届出関連資料、(該当時)動物検疫の証明書類(輸出国政府機関発行等) (農林水産省)

11. 実務チェックリスト 分類→通関→原産地→規制

  • 分類前チェック(製品情報の収集)
    • 原材料一覧と配合%(置換の有無が分かる形)
    • 状態(液体/粉/濃縮/乾燥、保存処理の種類)
    • 成分分析(脂肪、水分、乾燥固形分、乳糖%乾燥基準)
    • 加工工程(発酵、無水化、味付け、成型の有無)
  • 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
    • ヨーグルト注2、乳糖95%超除外、置換乳除外、バター定義、昆虫定義を再点検 (世界関税機関)
  • 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
    • インボイスの品名に「状態・加工(powdered/concentrated/fermented/seasoned等)」が出るか
    • 税関照会に備え、仕様書・分析表を添付できる状態に
  • FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
    • 協定が参照するHS版を確認(RCEPはHS2022 PSR運用) (税関ポータルサイト)
    • BOM、非原産材料HS、工程、RVC前提を保存
  • 規制チェック(許可/届出/検査)

12. 参考資料 出典

※Web参照の参照日:2026-02-13

  • WCO:HS Nomenclature 2022(Section I Notes 0100_2022E) (世界関税機関)
  • WCO:HS Nomenclature 2022(Chapter 4 0104_2022E:注・サブ見出し注・見出し) (世界関税機関)
  • 日本税関:実行関税率表(HS/国内コード確認の入口) (税関ポータルサイト)
  • 日本税関:関税率表解説 第4類(4r.pdf) (税関ポータルサイト)
  • 日本税関:関税率表(2022年版)第4類注(04r.pdf) (税関ポータルサイト)
  • 日本税関:HS2022改正資料(ヨーグルト範囲拡大、食用昆虫の整理 等) (税関ポータルサイト)
  • 日本税関:相関表 HS2022-HS2017 (税関ポータルサイト)
  • 日本税関:相関表 HS2012-HS2007(0401・0407の細分等) (税関ポータルサイト)
  • 日本税関:RCEP協定 HS2022版PSRの採択・実施案内 (税関ポータルサイト)
  • 外務省:RCEP協定 HS2022に従ったPSR採択の案内 (外務省)
  • 農林水産省 動物検疫所:乳製品の検疫について (農林水産省)
  • 農林水産省 動物検疫所:輸入畜産物の検査手続(検査証明書等) (農林水産省)
  • 農林水産省 動物検疫所:食用生鮮殻付卵の輸入検疫要領(最新版) (農林水産省)
  • 農林水産省 動物検疫所:動物検疫対象の整理(卵・乳製品、はちみつは原則対象外の旨 等) (農林水産省)
  • 厚生労働省:食品等の輸入手続(輸入届出等) (厚生労働省)
  • JETRO:はちみつの輸入手続(食品衛生、巣蜜・プロポリス等の留意) (ジェトロ)
  • MIPRO:食品輸入の手引き(はちみつの検疫上の注意など) (Mipro)

付録A. 国内コード 日本 での主な細分と注意点 任意

  • 注意:HSは6桁まで(号=Subheading)で共通ですが、日本の輸入申告では、さらに桁を延ばした **国内コード(輸入統計品目番号)**で申告します。
  • 実務影響が大きい例
    • 0401(ミルク・クリーム)は、HS6桁でも脂肪分で細分があります(0401.10/0401.20/0401.40…)。国内コードではさらに用途・形態等で細分され得ます。 (世界関税機関)
    • 乳製品・卵は、分類だけでなく検疫(動物/食品)手続の要否確認が必須です(国内コード確定前に、製品仕様を固めるのが近道)。 (農林水産省)

免責事項

本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。

 

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投稿者: shima

嶋 正和 株式会社ロジスティック 代表取締役社長

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