HSCF: 付番トライアル001:ハンドセット

付番トライアル: 2025年12月4日

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HSCFの回答


入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

  • 品名/用途:—
  • 材質:—
  • 構成・セット:—
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:—
  • 型番・画像:壁掛け型受話器装置の画像1枚(本体に「AIPHONE TD-1H」と表示)
  • 通関国・前提:特定国の指定なし(HS2022ベースで一般的に検討)

日本語版

  1. 結論
  • 推定HS(6桁):8517.69
  • 国別例示(任意):
    • JP:8517.69-000 その他の機器(音声、画像その他のデータを送受信するものに限る。有線/無線回線網用の通信機器を含み、8517.61号及び8517.62号のものを除く。)
    • US:8517.69.0000 Apparatus for transmission or reception of voice, images or other data, including apparatus for communication in a wired or wireless network, others(Aiphone TD‑1H/Bのインポートコードとしてメーカー資料・販売サイトで使用)
    • EU:8517 69 20 Entry-phone systems(集合住宅のドアホン/インターホンシステム)
  • 要約:
    画像およびメーカー情報から、本品は建物内の音声インターホン/エントリーフォン用のハンドセット式副親機であり、音声を電気信号として送受信する通信装置である。HS2022の第85.17項「電話機及びその他の音声・データ送受信装置」に該当し、ルータ等のネットワーク機器(8517.62)や基地局(8517.61)を除いた「その他の機器」として8517.69が最も整合的と判断。
  • 確度(%):80%

  1. 根拠

(1) 適用通則・注

  • 通則1:まず項の文言および部・類注で判断。
  • 第16部注、第85類注及びHS2022の第85.17項条文を参照し、「電話機(スマートフォン等を含む)及び音声・画像・データを送受信するその他の機器」に該当すると解釈。
  • 通則6:号レベルでは、8517.61(基地局)、8517.62(受信・変換・伝送・再生を行う機械)及び8517.69(その他)間で比較検討。

(2) 判定ポイント(機能・用途等)

  • メーカー公式情報より、TD‑1H/Bは「1‑Call Handset Station」であり、単一の通話経路によるフルデュプレックス通話とページングに対応し、壁掛けまたは卓上で使用することが示されている。
  • 本体には受話器(マイク+スピーカー)と「CALL」ボタンがあり、他の局(親機・副親機)との間で音声を送受信する「インターホン/エントリーフォン」システムの一局として機能する。
  • US向けの価格表および販売サイトで、同型番TD‑1H/Bの輸入コードが8517.69.0000と明示されており、通信装置として第85.17項に取り扱われている。
  • EUの結合品目表では、「Entry-phone systems」が8517 69 20に明記されており、ビル内のドアホン/インターホンシステムを8517.69に分類する実務が確認できる。
  • 各国の通関データでも、Aiphoneの「INTERCOM (TD‑1H, TD‑3Hなど)」が8517.62又は8517.69で輸出入されている例が複数確認でき、いずれも第85.17項枠内で取り扱われている。

これらから、本品は単なるマイク・スピーカーセットではなく、「音声を電気信号として伝送するための小型電気通信装置」と評価でき、第85.17項に属すると判断。

(3) 仮定(入力不足を補う前提)

  • 画像および一般仕様から、当該型番はアナログ有線式の音声インターホン局であり、IPネットワーク機能(LANポート、PoEなど)や無線通信機能(Wi‑Fi、Bluetooth等)は備えていないと仮定。
  • 玄関ドアの解錠や防犯センサー連動はあっても、主たる機能は「通話・呼出」であり、防犯・火災警報そのものを主目的とするものではないと仮定。
  • セットではなく、インターホンシステムを構成する1局(副親機)単体で輸出入される前提。

(4) 排他・除外の理由(他の類・項ではない理由)

  1. 第85.18項(マイクロホン・スピーカ等)との線引き
    • 85.18は「マイクロホン、スピーカ、ヘッドホン等の音響用機器」が対象であり、電話機や通信装置は通常85.17に分類される。HS解説(EN)及び各国裁定でも、インターホンは「電気通信装置」として85.17に属することが示されている。
    • 本品はマイク・スピーカに加え、呼び出し・通話制御回路を備えた双方向通話装置であり、単純な音響機器よりも「通信装置」としての性格が強い。
  2. 8517.61/8517.62との区別
    • 8517.61「基地局」は携帯基地局等の無線通信インフラ向けであり、有線インターホンの局は含まれない。
    • 8517.62「受信・変換・伝送又は再生を行う機械(スイッチング及びルーティング装置を含む。)」は、ルータ・スイッチ・モデム・アクセスポイント等、データ通信ネットワーク用機器が典型例として示されている。
    • TD‑1Hのような単純な有線インターホン局は、ネットワークの中核的なスイッチング/ルーティング機能を持たず、EU CNでも「Entry‑phone systems」を8517.69側に整理していることから、8517.62よりも8517.69に近いと判断。
  3. 8517.18「その他の電話機」との比較
    • 旧HSや一部裁定では、インターホンを「other telephonic apparatus」として電話機側に寄せる例もあるが、EU CNではこれを明確に8517.69に分類し、また日本の実行関税率表でも「その他の機器(音声データ送受信)」として8517.69-000にまとめる運用が見られる。
    • 本品は「外線電話」として公衆回線に接続される機器ではなく、建物内インターホン用の局であるため、電話機サブヘディングよりも「その他の通信装置」のサブヘディングに置く方が整合的と判断。

(5) 型番・画像

  • 画像A(今回ご提供写真):
    • 白色の受話器と細長い本体ケースから構成される壁掛け機器。
    • 本体前面に「AIPHONE」「TD‑1H」の印字、および「CALL」ボタンが確認できる。
    • ダイヤルキーやディスプレイ等はなく、1呼出し先のみのシンプルな通話局と推定される。

  1. 候補比較

(表中の確度目安は、本案件に限った主観的な目安です)

候補HS品名イメージ採用/棄却理由確度目安
8517.69インターホン・ドアホン等の音声通信装置(ネットワーク機器・基地局以外)EU CNで「Entry‑phone systems」が8517 69 20とされ、日本でも8517.69-000が音声・画像データ送受信装置の残余区分として使われている。Aiphone TD‑1H/B自体も米国向けに8517.69.0000で届出されており、本品の用途・機能とよく一致。80%
8517.62ルータ、スイッチ、モデム等のデータ通信装置音声信号の受信・変換・伝送という点では文言に合致し得るが、実務上はネットワーク機器(ルータ等)を中心に適用されるサブヘディングであり、単純な有線インターホン局にまで広げると過大と判断。15%
8517.18その他の電話機受話器付き通話装置として電話機的側面もあるが、各国実行関税表では集合住宅用エントリーフォン等を8517.69側にまとめている例が多く、本品もそれに倣う方が国際的な実務と整合的と判断。5%

  1. 争点・注意
  • 国・時期による8117.62/8517.69の揺れ
    • フィリピン向け輸入データでは、Aiphone INTERCOM (TD‑1H, TD‑3H等) が8517.62.30000で申告されている例もあり、同一メーカー品でも国によってサブヘディングの運用が分かれている。
    • 日本向けの「audio intercom」は、通関統計上8517.62及び8517.69の双方に現れるが、近年はネットワーク機器を8517.62、インターホン等を8517.69に整理する傾向がみられるとの情報もある。
  • EUの整理が実務上の指針になりやすい
    • EU CNで「Entry‑phone systems」を明示的に8517 69 20に置いているため、ドアホン/室内インターホンシステムは8517.69側と考える国が多く、日本のHS6桁判断においても同整理を参考にするのが無難と思われる。
  • 防犯機能との線引き
    • もし本品が警報システムの一部として使用される場合でも、主たる機能が「通話・呼出」であれば85.17の枠内に留まると考えられるが、警報機能が前面に出る構成だと第85.31項(電気式防犯・火災警報装置等)との線引きが今後の論点になり得る。

  1. 追加で必要な情報

より確度を上げる/輸入国税関と整合を取るために、次の情報があるとベターです(今回の推定結果を覆すほどではありませんが、確認推奨ポイントです)。

  • 型番TD‑1Hの仕様書・取扱説明書(特に「system configuration」「用途」の記載)。
  • 上位機器(親機・制御ユニット)のHSコードを既にお持ちであれば、その番号と税関からの回答内容。
  • 仕向国(日本以外の場合、その国のBTI/裁定例があれば)
  • 実際に想定している輸入申告形態:
    • 本機単体か、他局・電源ユニットとのセットか。
    • 壁パネル・配線材などを含むかどうか。

  1. 参考資料・出所
  • WCO HS Nomenclature 2022, Chapter 85, Heading 8517 条文・構成(8517.61/.62/.69 等)。
  • 日本 実行関税率表・輸出統計品目表(8517.69-000:その他の機器(音声・画像その他のデータを送受信するもの))。
  • EU Combined Nomenclature 2025:8517 69 20 Entry‑phone systems。
  • US HTSUS/Schedule B:8517.69.0000(Apparatus for transmission or reception of voice, images or other data, including apparatus for communication in a wired or wireless network, others)。
  • Aiphone公式サイト「TD‑1H/B – 1‑Call Handset Station」仕様。
  • Aiphone U.S. Pricing資料(TD‑1H/BのImport Code: 8517690000 の記載)。
  • 各種通関データベース(Philippines向けAiphone INTERCOM, TD‑1H等の8517.62.30000での輸入実績、Audio intercomの日本向けHS実績など)。

ひとまず「AIPHONE TD‑1H のハンドセット式インターホン局=8517.69」と見るのが、一番現実的そうです。
もし「この国向けに申告する予定がある」「システム全体の図がある」など追加情報があれば、それを前提にもう一段細かくチェックもできます。

投稿者: shima

嶋 正和 株式会社ロジスティック 代表取締役社長

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