海外の取引先から届いた見積書やインボイスを見ていると、
「HS:8517.62」など、よくわからない数字の羅列が書いてあることがあります。
「これ、何の番号?」
「営業の自分にも関係あるの?」
そんな疑問を持ったビジネスマン向けに、
“専門用語をできるだけ使わずに” HSコードの全体像を説明していきます。
第1節:そもそもHSコードって何?——ビジネスマン目線の概要
HSコードとは?
HSコードは、
Harmonized Commodity Description and Coding System
(「品目分類の統一システム」)
の略で、世界共通の「モノの分類コード」です。
簡単にいうと、「この商品は何か?」を示すための国際ルールの品番です。
HSコードはどこで使われている?
主な用途はこんな感じです。
- 税関での品目分類
→ 荷物が輸出入されるとき、「これは何の品物か?」を判定するため - 関税率の決定
→ どのHSコードかによって、適用される関税率が変わる - 貿易統計
→ 「どの国から、どの商品を、どれだけ輸入・輸出しているか」の統計に使用
どんなビジネスシーンで登場する?
ビジネスマンの皆さんがHSコードを目にする典型的な場面は、例えば:
- 海外サプライヤーからの見積書・インボイス
- 社内の輸出入申告書類
- 契約書の中で「商品分類」や「関税」について触れている部分
- 新製品の価格設定・採算シミュレーション
「貿易部門や物流部門だけの話でしょ?」と思われがちですが、
実は営業・購買・経理・企画・法務など、幅広い部門に関わってきます。
HSコードを間違えると何が起きる?
- 関税額の過少申告 → 追加徴収・追徴課税
- 場合によっては罰則やペナルティの対象
- 税関でのチェックが増え、通関が遅延
- 見積もり時の関税計算を誤り、採算割れ・赤字案件に…
自分が直接HSコードを決めない立場でも、
**「この番号が売価や納期のリスクに直結する」**という理解を持っておくと、
仕事の見方が一段レベルアップします。
ミニまとめ(第1節)
- HSコード=世界共通の「モノの分類コード」
- 関税・規制・統計など、貿易に関するほぼすべての入口
- 間違えると「お金・時間・信用」のリスクに直結

