20年でここまで変わったHS分類──「地図」から読み解くグローバルビジネスの潮流

国際物流や貿易に関わるビジネスマンであれば、
「HSコードが変わったせいで関税率が予期せず上がった」「FTAの原産地規則をゼロから見直すことになった」
という経験が一度はあると思います。

そこで役に立つのが、**「20年で変わったHS分類の地図」**です。
2002年から2022年まで、およそ20年分のHS改正を一枚に可視化した“地図”だとイメージしてください。
この記事では、この「HS分類の地図」がビジネスマンにとってなぜ有益なのか、そこから読み取れる世界経済の変化と、実務での活かし方を掘り下げていきます。
(内容は誤解や事実誤認を避けるために丁寧にチェックした最終版です)


1. まず押さえたい:HS分類は「世界標準のビジネス言語」

HS(Harmonized System)コードは、世界税関機構(WCO)が管理する世界共通の品目分類です。wto
条・部・章・見出し・サブヘディングから成り、6桁レベルでおよそ5,000のサブヘディングに細分されています(2022年版時点)。wto

6桁までが「世界共通」のHSコードであり、
それ以降の桁(日本なら9桁・10桁など)は各国が独自に付けるナショナルコードです。wto
このHSは**200前後の国・地域で採用され、世界貿易のほぼ全て(95%超)**をカバーする基盤となっています。tips+1

ビジネスマンにとってHSは、単なる通関用コードではなく、次のような前提条件を決める“言語”です。

  • 関税負担・コスト構造
  • FTA・EPAの原産地判定
  • 輸出管理・制裁・環境規制の対象判定
  • グローバル市場の統計・需要トレンドwto

2. HSは「5年ごとにアップデートされる世界共通ルール」

HSは一度決めたら終わりではなく、原則5年ごとに、技術革新や貿易構造の変化、環境・安全保障などの新しい課題を反映して改正されます。worldcustomsjournal

導入以来の主な改正版は、次の通りです(発効年)。

  • 1996年版
  • 2002年版
  • 2007年版
  • 2012年版
  • 2017年版
  • 2022年版(直近の大改正)wcoomd+1

つまり、**この20年間(2002→2022)で4回も大きな“模様替え”**が行われたことになります。
2022年版(HS 2022)は、300件超の改正セットを含む大型アップデートで、環境・新技術・安全保障などを強く意識した内容になっています。wcoomd


3. 「20年で変わったHS分類の地図」とは何を示すのか

ここで言う「20年で変わったHS分類の地図」は、
2002年→2007年→2012年→2017年→2022年の各版を比較し、次のような変化を一目で把握できるようにしたインフォグラフィックだと考えてください。

  • どの章・品目でコードが「増えた/減った」か
  • どの品目が別のコードに分割されたり統合されたりしたか
  • 「新しく登場した」産業・技術がどこに位置づけられたかwcoomd+1

イメージとしては:

  • 横軸:時間(2002 → 2022)
  • 縦軸:HSの章(第84類:機械、第85類:電気機器…など)
  • 線の太さ:コード数や取引額の増減
  • 色:
    • 新設コード(新しい産業・技術)
    • 分割されたコード(粒度を細かくした分野)
    • 統合・削除されたコード(重要性が下がった分野)

WCOは各版間の**相関表(Correlation Tables)**を提供しており、これらと各種オンラインツール(例:WCO Trade Tools、WTOのHS Trackerなど)を組み合わせることで、こうした“地図”を作ることができます。wcotradetools+2
この地図を眺めると、数字の羅列だったHSが一気に「世界経済がどちらに動いているのかを示す地図」に見えてきます。


4. 地図から見える「3つの大きな変化」

4-1. デジタル・ICTの細分化:スマホ・ドローン・3Dプリンタ・EV

ICT・デジタル関連のHSコード(第84・85類など)は、地図上で年々線が太くなり、分岐が増えているエリアとして目立ちます。wits.worldbank+1
HS 2022では、たとえば次のような製品に新しいコードの新設や見直しが行われました。

  • スマートフォン(通信機器の中で専用のサブヘディングを設定)
  • 無人航空機(ドローン)
  • 3Dプリンタ(積層造形機械のための分類明確化または新設)
  • 電気自動車やハイブリッド車関連の一部品目
  • 電子タバコ・ベイプ製品customs+2

これらは、「もう単なる周辺機器ではなく、独立した市場・規制対象になった」というメッセージとも読めます。goglobalpost

ビジネスマンへの示唆

  • 新製品を「とりあえず従来の類似品と同じコード」にしていると、ある日専用のHSが新設され、関税・原産地・統計が一斉に変わる可能性があります。
  • 地図上で「分岐が増えている」分野は、規制・税制・統計上の注目度が高まっている成長領域と考えることができます。wcoomd

4-2. 環境・サステナビリティを意識したコードの新設

20年の地図で、もう一つ太く伸びているのが環境・資源・廃棄物関連です。
HS 2022では、とくに次のような点が強化されています。

  • **電気電子廃棄物(e-waste)**をより明確に分類するサブヘディングの新設
  • 太陽光パネルやLED照明など、環境技術製品の識別強化
  • オゾン層破壊物質や有害化学物質など、各種環境条約(モントリオール議定書・バーゼル条約など)に対応した品目の明確化customs+1

これにより、各国は環境負荷の高い貿易や環境技術の普及状況を統計的に把握しやすくなりました。wcoomd+1

ビジネスマンへの示唆

  • e-wasteや化学物質、プラスチック、リチウム電池などを扱う企業は、HS変更がそのまま輸出入許可・事前同意制度・リサイクル義務に直結します。wcoomd
  • 環境関連のHS新設は、逆に言えば補助金・優遇税制・グリーンファイナンスの対象になりやすい領域でもあります。

4-3. 安全保障・リスク管理の色が濃くなった

HS改正の背景には、環境だけでなく安全保障・コンプライアンスの観点もあります。
HS 2022の改正概要では、たとえば次のようなテーマが強調されています。

  • 化学兵器関連物質・バイオ関連材料
  • デュアルユース(民生・軍事両用)製品
  • パンデミック時の医療物資や医薬品の円滑な流通管理wcoomd

地図上で、これらに関連する章(化学品、第28〜38類など)の線が細かく分かれたり、注記が追加されていたりするのが見えてきます。wcoomd

ビジネスマンへの示唆

  • HSの変化は、輸出管理や制裁リストの更新速度にも影響します。
  • 「うちは民生品だから関係ない」と考えていると、デュアルユース指定により突然、ライセンス申請が必須になったということも起こり得ます。wcoomd

5. ビジネスマンが「HS分類の地図」から学ぶべき5つのポイント

(1) HSは「コスト表」ではなく「戦略地図」

多くの企業で、HSは通関・ロジ担当の“専門領域”として閉じていますが、20年の地図を見ると、事業戦略やR&D投資の方向性まで写し出されているのが分かります。wits.worldbank

  • 分岐の増えた分野:規制強化・市場拡大・技術進化が進行中
  • 統合・削除された分野:取引量の減少・成熟・代替技術の台頭wcoomd

経営層や事業責任者こそ、HSの変化を**「どの市場に賭けるか」の判断材料**として使うべきです。

(2) 「HS変更=ビジネスモデル変更のサイン」と捉える

例えば:

  • スマホに専用のHSが付く
  • EVコンポーネントの分類が細かくなる
  • e-wasteやリチウム電池に新コードができる

こうした変化は、もはやニッチではなく、主役級の市場になったという合図です。goglobalpost+1
新コードができた分野には、これから規制・優遇・統計分析・金融支援が集中します。

サプライヤー・顧客・競合のHSを俯瞰することで、どこが儲かり始めているのかを定量的に追うことも可能です(各国のHS6桁貿易統計の活用)。wits.worldbank

(3) 改正前後をマッピングして「売上の落とし穴」を避ける

20年の地図は、単なる教養ではなく売上・利益を守るツールにもなります。
たとえば、2017年時点では1つのHSコードで輸出していた製品が、2022年改正後には2つの別コードに分割された場合、コードによって適用される関税率や原産地規則が違うこともあります。wcoomd+1

WCOの相関表を使えば、「旧コード → 新コード」の対応関係を視覚的に追うことができます。wcoomd

実務でのポイント

  • 自社の品目マスタ(品番)に対して、「2017年時のHS」「2022年時のHS」を両方紐づけておく。
  • どの国・FTAで関税率・原産地ルールが変わったかを一括で確認する。
  • 重要顧客向けの見積もりや長期契約の更新時には、「HS改正の影響チェック」を標準プロセスに組み込む。

(4) HSデータをマーケティング・調達のインサイトに変える

HSコードは、各国が発表する貿易統計(輸入量・輸出量・平均価格など)のキーです。wits.worldbank+1
地図と統計を組み合わせると、例えば次のような分析ができます。

  • 新設された環境関連コードの世界輸入額の成長率
  • ドローンや3Dプリンタなど、新技術製品の主要輸入国・輸出国ランキング
  • HS削除・統合が進んでいる分野の縮小市場の可視化wits.worldbank

これにより、

  • 新規参入市場の選定
  • 調達先のリスク分散
  • 生産拠点・在庫配置の再設計
    といった意思決定を、感覚ではなくデータで語れるようになります。

(5) 「HS担当者」を孤立させない

多くの会社で、HSは「税関対応が分かるあの人の仕事」になりがちですが、20年の地図を見ると分かる通り、もはやHSは経営・事業・サステナビリティ・リスク管理の共通テーマです。

  • 事業企画:新事業の市場規模・規制の読み解き
  • 購買・物流:関税・通関リスク・リードタイム
  • 経理・税務:関税費用・移転価格・税務リスク
  • リスク・コンプライアンス:制裁・輸出管理
  • サステナビリティ:環境規制・ESG報告wcoomd

「20年で変わったHS分類の地図」を社内共有し、部門横断で同じ“地図”を見ながら議論するだけでも、意思決定の質は大きく変わります。


6. 今日からできる3つのアクションプラン

アクション1:自社プロダクト × HSの「簡易地図」を作る

  • 自社の主要製品(売上上位20〜50品目)をピックアップ。
  • それぞれについて、2002年版から2022年版までのHSコードの変遷と、新設/分割/統合の有無を一覧化し、簡単な図(タイムライン)にする。

これだけでも、

  • 「どの製品が“注目されている産業”なのか」
  • 「どの製品が“規制・環境リスクの高いゾーン”にいるのか」
    が直感的に見えてきます。wcoomd+1

アクション2:WCOの相関表とオンラインツールを活用する

WCOは、版間の変化を追うために次のような資料を公開しています。

  • HS 1996/2002、2002/2007、2007/2012、2012/2017、2017/2022の相関表wcoomd

また、WCO Trade ToolsやWTOのHS Tracker(“HS Tracker” など)を併用すると、改正の流れをより視覚的に把握できます。hstracker.wto+1

これらを使うと、

  • 「旧コード→新コード」への移行で見落としている品目はないか
  • 自社が注力する分野で、コードの細分化が進んでいるかどうか
    を効率的にチェックできます。

アクション3:HS改正を「プロジェクト」として扱う

HS改正(とくに大改正年)は、実務上次のような広範囲に影響します。

  • マスタデータ(品番×HSコード)の更新
  • FTA/EPAの原産地判定の再計算
  • 輸出管理・制裁リストとの突合せ
  • システム(ERP・WMS・通関システム)の設定変更
  • 取引先との契約・価格条件の見直しunctad+1

そのため、次のような「ミニ・プロジェクト」として扱うのがおすすめです。

  • 影響分析:どの品番・どの国・どの顧客に影響が出るか。
  • 対応計画:期日(施行日)までのタスクと責任者を明確化。
  • コミュニケーション:営業・顧客・通関業者・金融機関との情報共有。

7. まとめ:HS分類の変化を「チャンスの地図」として読む

20年分のHS分類の変化を地図として眺めると、

  • デジタル化・モビリティ革命
  • 環境・サステナビリティ
  • 安全保障・コンプライアンス

といった、ここ20年の世界の大きな潮流が、静かに、しかし確実にコードの形で刻み込まれていることが分かります。wcoomd
そしてその変化は、必ずどこかで

  • あなたの会社の原価
  • マーケットの成長性
  • 規制・コンプライアンスリスク

に跳ね返ってきます。

「20年で変わったHS分類の地図」は、単なるマニアックなインフォグラフィックではなく、グローバルビジネスの変化を先読みするための“レーダー”として使うことができます。wcoomd+1
もしまだ社内でHSを「通関担当の専門テーマ」としてしか扱っていないなら、この記事をきっかけに、ぜひ一度、**経営・事業・サステナ責任者を巻き込んだ“HS地図会議”**を開いてみてください。

  1. https://stats.wto.org/assets/UserGuide/TechnicalNotes_en.pdf
  2. https://www.wcoomd.org/en/topics/nomenclature/instrument-and-tools/hs-nomenclature-2022-edition/amendments-effective-from-1-january-2022.aspx?p=1
  3. https://www.wcoomd.org/en/topics/nomenclature/instrument-and-tools/hs_nomenclature_previous_editions.aspx
  4. https://tradecompetitivenessmap.intracen.org/Documents/TradeCompMap-Trade%20PerformanceHS-Technical%20Notes-EN.pdf
  5. https://www.tips.org.za/files/ITCTradeMAPuserguide_0.pdf
  6. https://hstracker.wto.org
  7. https://www.worldcustomsjournal.org/article/116525-customs-tariff-classification-and-the-use-of-assistive-technologies
  8. https://www.goglobalpost.com/blog/2022-updates-to-the-harmonized-system/
  9. https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/classification/hs2022_shiryo.pdf
  10. https://www.wcotradetools.org/en
  11. https://wits.worldbank.org/trade/country-byhs6product.aspx?lang=en
  12. https://www.wcoomd.org/en/topics/nomenclature/instrument-and-tools/hs-nomenclature-2022-edition/correlation-tables-hs-2017-2022.aspx
  13. https://www.wcoomd.org/es-es/topics/nomenclature/instrument-and-tools/hs-nomenclature-2017-edition/correlation-tables-hs-2012-to-2017.aspx
  14. https://unctad.org/system/files/official-document/ditctab2017d5_en.pdf
  15. https://www.wcoomd.org/en/topics/nomenclature/instrument-and-tools/hs_nomenclature_previous_editions/correlation_table_2002.aspx
  16. https://www.scribd.com/presentation/790911241/Class-6-HS-879681-16763759391848
  17. http://web.wtocenter.org.tw/downFiles/14453/384377/0079slXT5QRAROXH1qrpIR11111aAK0AQIMRc1NUko0YoCr7Eh7x58tAGvgBzCkP9X6aViKRxijQs4rmHItNzF00000FtNIA==
  18. https://new.mospi.gov.in/uploads/publications_reports/publications_reports1763457214315_c3e5d4f3-8e25-4775-85e3-ad42d571652f_NIC_2025_Final.pdf
  19. https://unctad.org/system/files/official-document/ditctab2020d3_en.pdf
  20. https://www.uscc.gov/sites/default/files/2024-03/March_1_2024_Hearing_Transcript.pdf

HSCF: 付番トライアル007:Googleにあった写真から(電子部品:トランジスタ)

付番トライアル: 2025年12月10日

以下の入力をすることで、結果が出力されています。情報はGoogleで検索したたくさんの「電子部品」から適当にピックアップした写真のみです。

電子部品は、単純に写真からだけでHSコードが特定できる気がしなかったのですが、意外でした。

HS付番をする商品情報

トランジスタらしき商品をピックアップし、写真をとって入力としました。

入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

  • 品名/用途:—
  • 材質:—
  • 構成・セット:—
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:—
  • 型番・画像:画像1点(ヒートシンクタブ付き3リード、TO-220外観)
  • 通関国・前提:—

日本語版

  1. 結論
  • 国別例示(任意):
    • JP:8541.29-000(その他のトランジスタ(光感応性を除く))
    • US:8541.29.0000(Transistors, other than photosensitive, other)
    • EU:8541 29 00(その他のトランジスタ(非光感応))
  • 要約:画像はヒートシンク取付穴を持つ3リード樹脂モールド(TO-220型)の半導体で、一般にMOSFET/BJT等のパワートランジスタ形状。定格消費電力の情報が無く、1W超10W以下かを特定できないため、6桁は“その他”の8541.29を第一候補とします。
  1. 根拠
  • 適用通則・注:GRI 1により見出し8541(ダイオード、トランジスタその他の類似半導体デバイス)に該当。GRI 6で号レベル判定し、トランジスタの区分(8541.21〈1W未満〉、8541.22〈1W以上10W以下〉、8541.29〈その他〉)のうち仕様不明のため“その他”を採用。
  • 判定ポイント:
    • 外観:3リード+放熱タブのTO-220型。一般にMOSFET/IGBT/BJT等のトランジスタに広く用いられる。
    • 用途推定:電力スイッチング/リニア制御。光学窓・受光面は見当たらず光感応素子ではない。
  • 仮定(入力不足を補う前提):型番・定格(熱損失/消費電力PD)が不明。TO-220は通常10W超の定格が多いが、外観のみでは断定できないため“その他”を選択。
  • 排他・除外の理由:
    • 8541.21/8541.22:定格損失(1W未満/1~10W)が判明した場合にのみ該当。現時点では不確定。
    • 8541.30(サイリスタ等):3リードTO-220形状でも存在するが、型番情報がなく断定不可。代替候補として比較表に記載。
    • 8542(電子集積回路):個別素子の外観であり、ICではない。
  • 型番・画像:画像A(TO-220、3リード、取付孔付きタブ)。観察ポイント:①3本リード②金属タブ③樹脂モールド。
  1. 候補比較(代替案)
候補HS理由棄却理由確度%
8541.29トランジスタ(非光感応)で消費電力区分が不明なため“その他”型番・定格が判明すれば.21または.22の可能性80
8541.221W以上10W以下のトランジスタTO-220は10W超が多く外観のみでは決められない10
8541.211W未満のトランジスタTO-220で1W未満は通常稀3
8541.30サイリスタ/ダイアック/トライアック型番情報なく判定不可。外観だけでは区別困難7
  1. 争点・注意
  • 6桁の分岐は“消費電力(最大損失)”の公称値で判断されます。データシートのP_D(またはTotal Power Dissipation)を確認してください。
  • サイリスタ/トライアック等(8541.30)とMOSFET/IGBT/BJTの外観は類似。型番での確認が必須。
  1. 追加で必要な情報
  • 正確な型番(例:IRLZ44N、2SCxxxx、STPxx等)
  • データシートの最大損失(W)と素子タイプ(MOSFET/BJT/IGBT/サイリスタ等)
  • 通関国(JP/US/EU等)
  1. 参考資料・出所
  • WCO Explanatory Notes 85.41(HS2022:トランジスタの区分、消費電力閾値)
  • 実行関税率表:JP 8541.21/22/29、US HTS 8541.21/22/29、EU CN 8541 21/22/29
  • メーカーのデータシート(型番確定後に一次資料参照)

これで、どれだけ分かるでしょうか。

入力条件(日本語:ユーザー条件のみ)

  • 品名/用途:NPN DARLINGTON TRANSISTOR
  • 材質:—
  • 構成・セット:—
  • 電気性・測定/通信:—
  • 寸法・仕様値:—
  • 型番・画像:2SD1843-T-AZ(Renesas)/掲載画像(TO-220外観)
  • 通関国・前提:—

日本語版

  1. 結論
  • 国別例示(任意):
    • JP:8541.29-000(その他のトランジスタ(光感応性を除く))
    • US:8541.29.0000(Transistors, other than photosensitive, other)
    • EU:8541 29 00(その他のトランジスタ(非光感応))
  • 要約:当該品はRenesasのNPNダーリントンBJTで、データシート上のTotal power dissipationが1.0W(Ta=25°C)であるため、「1W未満」(8541.21)には該当せず、“その他”である8541.29が妥当です。(rcscomponents.kiev.ua)
  1. 根拠
  • 適用通則・注(例:GRI 1, 3(b), 6、類注・部注):GRI 1で見出し8541(半導体デバイス)に該当。GRI 6で号レベル判定。HS2022ではトランジスタは「1W未満(8541.21)」と「その他(8541.29)」の構成(=1W以上は“その他”)。(wcoomd.org)
  • 判定ポイント(主用途、主要材質、機能、構成、セット該当性 等):
    • メーカー資料にTotal power dissipation PT(Ta=25°C)=1.0Wと記載。(rcscomponents.kiev.ua)
    • 製品はNPN Darlingtonトランジスタで、光感応素子ではない。(Alldatasheet)
    • 画像は3リードのTO-220系外観で個別トランジスタ形状。
  • 仮定(入力不足を補う前提):単体素子として輸入(モジュール化なし)。データシートの1.0W値を“消費電力(最大損失)”として用いる。
  • 排他・除外の理由(他の類・項ではない理由):
    • 8541.21(1W未満):本品は1.0Wで“未満”条件を満たさない。(rcscomponents.kiev.ua)
    • 8541.30(サイリスタ等):ダーリントンBJTで別項。
    • 8542(電子集積回路):個別トランジスタでありICではない。
  1. 候補比較(代替案)
候補HS理由棄却理由確度%
8541.291W以上のトランジスタは“その他”に配列95
8541.211W未満のトランジスタデータシートが1.0Wで未満ではない5
  1. 争点・注意
  • 「消費電力の基準」は公称の最大損失(PTまたはPc)。Ta/Tc条件により値が変動することがあるため、輸入申告時は該当表記(Ta=25°Cなど)を資料化してください。
  • 国別8桁/10桁での更なる細分(周波数区分等)がある場合は、各国実行関税表での該当を確認。
  1. 追加で必要な情報
  • 通関国(JP/US/EU等)
  • 実際のパッケージ名(TO-220/TO-126等)
  • 申告書添付予定の資料(データシート版数)有無
  1. 参考資料・出所
  • 2SD1843 データシート(Total power dissipation 1.0Wの記載)(rcscomponents.kiev.ua)
  • Renesas/NEC公開情報(2SD1843 製品説明)(Alldatasheet)
  • HS2022 Chapter 85 抜粋(8541のサブヘディング構成)(wcoomd.org)

この内容で“TO-220汎用パワートランジスタ(1W)”として6桁は確定的に8541.29です。通関国をご提示いただければ、8桁/10桁まで落とし込みます。