第2節:HSコードの“見た目”と“ルール”——構造をざっくり理解する

次に、HSコードの形中身のルールをざっくり押さえましょう。

HSコードは「階層構造」になっている

典型的なHSコードは6桁で構成されています。

例)8517.62

  • 最初の「2桁」:類(Chapter)
    • 例:85類=「電気機器およびその部分品…」
  • 次の「2桁」:項(Heading)
    • 例:8517=「電話機、その他の音声・画像等の送受信機器」
  • 次の「2桁」:号(Subheading)
    • 例:8517.62=「携帯電話やその他の機器向けの通信装置」など(イメージ)

つまり、

類(大きなグループ)
→ 項(具体的な機械や製品グループ)
→ 号(さらに細かい技術や用途別)

という木の枝のような階層構造になっています。

各国ごとの「枝分かれ」

国際的に共通なのは6桁までです。
そこから先は各国・地域が独自に細かく分けています。

  • 例:
    • 日本:9桁
    • EU:8桁
    • 米国:10桁
      など

そのため、

「最初の6桁は世界共通、その先は各国仕様」と覚えておく

のがポイントです。

HSコードでよく出てくるキーワード

HSコードを見ていると、
似たような言葉が何度も出てきます。

代表的なもの:

  • 完成品(機械そのもの)
  • 部分品(部品・パーツ)
  • セット品(複数の品目の組合せ)
  • 家庭用/業務用
  • プラスチック製/金属製/繊維製など材質区分

分類上、

  • 「完成品として扱うのか」
  • 「部品として扱うのか」
  • 「どの材質・用途がメインか」

でHSコードが変わることが非常によくあります。

「似たような商品なのにコードが違う」例

  • Tシャツとジャケット
    → どちらも衣類ですが、「形状」や「用途」によって類・項が変わります。
  • プリンタ単体と、プリンタ+スキャナ+FAXの複合機
    → 単機能か多機能かで、分類が変わる場合があります。

「見た目が似ている=同じHSコード」ではない
という感覚を、まずは持っておきましょう。


ミニまとめ(第2節)

  • HSコードは「2桁+2桁+2桁」で階層構造
  • 6桁までは世界共通、それ以降は各国ごとに細分化
  • 完成品/部品、用途、材質などで分類が大きく変わる