用語の統一(本資料内):類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)
0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)
- この類に入る代表例(3〜6個):
- 固形せっけん(トイレ用・洗濯用など):3401(例:固形石けん、洗濯石けん)
- 液体・クリーム状で小売りの皮膚洗浄剤(ハンドソープ等):3401.30
- 台所用・住居用などの洗浄/清掃用調製品:3402(例:食器用洗剤、浴室用洗剤)
- 調製潤滑剤(切削油、グリース、防錆・離型など潤滑を基礎とするもの):3403
- ポリッシュ/クレンザー等の磨き剤・研磨剤(ワックス3404を除く):3405
- ろうそく:3406、モデリングペースト/歯科用ワックス等:3407
- この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
- シャンプー/歯磨き/シェービング剤/入浴剤(せっけん等を含んでいても) → 第33類(33.05〜33.07)
- 化学的に単一の化合物(“単体の化学品”) → 原則:第28類・第29類側で検討(第34類注で除外)
- 食用の油脂の混合物で離型用に用いる種類のもの → 第15類 1517
- 鉱物ろう(パラフィン等) → 第27類 2712(“鉱物ろう”)
- 殺虫・消毒など(主目的が防除等)の製剤 → 多くは第38類(例:3808)側で検討(表示・主目的が鍵)
- 実務での最重要分岐(1〜3個):
- 3401(せっけん/皮膚洗浄)か 3402(その他の洗浄・清掃)か:用途(皮膚用か)、形状(固形/液体)、小売り形態がカギ
- “界面活性剤(3402)”として扱えるか:注の試験条件(0.5%水溶液・表面張力など)を満たすかが論点になることがあります
- 3402の号の並びがHS2022で変わった:協定PSRや社内マスターの旧コード(3402.11等)を新コード(3402.31等)へ置換する必要が出ます
- (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
- FTA/EPAでPSR検索に使うHS版を誤る(協定HSと申告HSのズレ)
- 潤滑剤・溶剤・アルコール等で危険物(消防法)やSDS提供が絡み、書類不備で止まりやすい

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)
1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)
- この類で特に効くGIR
- GIR1(見出し+注が最優先):第34類は注(特に「除外」「定義」)が強く、まず注で“入る/入らない”を固めます(例:33類へ飛ぶ除外、せっけんの定義、界面活性剤の定義)。
- GIR6(6桁の分岐):3401の「トイレ用/その他」、3402の「アニオン/カチオン/非イオン」等。
- GIR3(b)(セット):2液混合型の研磨剤・洗浄剤など“混ぜて使うセット”は、部注(Section VI注3)の条件に合えば完成品の見出しで整理しやすいです。
- 「品名だけで決めない」ための観点
- 用途(皮膚用か/住居用か/工業用か/潤滑目的か)
- 形状・包装(固形バー、粉、液、含浸不織布、小売包装)
- 成分(単体化学品か、混合物か、石油油分の比率など):3403は“石油油が70%以上を基礎成分とするもの”を除外する設計です。
1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)
- Step1:第34類に“入らない”除外に当たらないか?
- シャンプー/歯磨き/シェービング/入浴剤 → 33類へ
- 単一化合物 → 28/29類側へ
- Step2:せっけん・皮膚洗浄(3401)か?
- 固形のせっけん(バー等)/皮膚洗浄の液体・クリーム(小売)/洗剤含浸紙・不織布 → 3401
- Step3:洗浄・清掃用調製品(3402)か?
- 3401以外の洗浄剤・清掃剤・界面活性剤(注の定義を満たすかも確認)→ 3402
- Step4:潤滑・離型・防錆など“潤滑を基礎”にする調製品(3403)か?
- 切削油、ボルト外し、離型、防錆、繊維・皮革の油脂処理など → 3403(ただし石油油70%以上基礎成分は除外)
- Step5:ろう(3404)か、磨き剤(3405)か、ろうそく(3406)か、工作・歯科(3407)か?
- 人造ろう・調製ろう → 3404(注の定義・除外が重要)
- 研磨(クレンザー)・靴/床/家具用ポリッシュ → 3405
- ろうそく → 3406、モデリングペースト・歯科用ワックス等 → 3407
- よく迷う境界:
- 33類(シャンプー等) vs 34類(せっけん・洗剤)
- 3401(皮膚洗浄の小売液体) vs 3402(住居・台所などの洗浄)
- 3401(研磨粉入りでも“バー形状”なら残る) vs 3405(粉・ペーストのクレンザー)
2. 主な項(4桁)とその内容
2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)
| 項番号(4桁) | 見出しの要旨(日本語) | 典型例(製品名) | 重要な分岐条件/除外/注意点 |
|---|---|---|---|
| 3401 | せっけん、石けんとして使用する界面活性製品(バー等)、皮膚洗浄用の液体/クリーム(小売)、洗剤含浸の紙・不織布等 | 固形石けん、洗濯石けん、液体ハンドソープ、洗剤含浸ワイプ | 「せっけん」は水溶性に限る。研磨粉入りでもバー/成形品なら3401に残るが、粉・ペーストなら3405へ。 |
| 3402 | せっけん以外の有機界面活性剤、界面活性調製品、洗浄剤・清掃剤(3401以外) | 食器用洗剤、住居用洗剤、工業用界面活性剤(原料) | 有機界面活性剤の定義は注に試験条件あり(0.5%水溶液・表面張力等)。HS2022で6桁構成が変更(3402.31等)。 |
| 3403 | 調製潤滑剤(切削油、離型、防錆等を含む)・繊維等の油脂処理用調製品 | 切削油、グリース、離型剤、防錆スプレー | 石油油70%以上を基礎成分とするものは除外(別章検討)。日本の分類例規で「グリース」定義(JISのちょう度等)に触れる例あり。 |
| 3404 | 人造ろう・調製ろう | PEG系ワックス、ワックス混合品、樹脂や鉱物粉を含む調製ワックス | 注で「ワックス」の範囲と除外(15.21、27.12、液媒体に分散したワックス等)を規定。 |
| 3405 | 靴・床・家具等のポリッシュ/研磨ペースト・粉/類似品(3404除く) | 靴クリーム、床用ワックス(磨き剤側のもの)、クレンザー | 3401の注2の“研磨粉入りの扱い”が重要(バー形状を外れると3405へ)。 |
| 3406 | ろうそく、ろうそく芯つきの類似品 | キャンドル、テーパー | 香り付きでも基本は3406(ただし“他の本体”が主なら別分類も)。 |
| 3407 | モデリングペースト、歯科用ワックス・印象材、石こう基材の歯科用調製品 | 工作用粘土、歯科用ワックス、印象材、石こう系歯科材 | 歯科用途でセット/小売包装の形態条件が出やすい。 |
2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)
- 分岐条件の整理(よく効く軸)
- 3401(石けん/皮膚洗浄):トイレ用(3401.11)かその他(3401.19)か/固形以外の石けん(3401.20)か/皮膚洗浄の液体・クリーム(3401.30)か
- 3402(洗浄・清掃/界面活性剤):アニオン(3402.31/3402.39)・カチオン(3402.41)・非イオン(3402.42)等/小売用調製品(3402.50)/その他(3402.90)
- 3403(潤滑):石油油を含むか、用途(繊維・皮革処理用か)などで分岐
- 3405(研磨):用途(靴/木製家具/車体/研磨粉)で枝分かれ
- 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
- 3401.30(皮膚洗浄の液体/クリーム・小売) vs 3402.50(小売用の洗浄/清掃調製品)
- どこで分かれるか:“洗う対象が皮膚か(toilet/skin washing)”、小売形態か。
- 判断に必要な情報:用途表示、販売チャネル、製品説明(手肌/ボディ用か、キッチン/住居用か)、容器表示写真
- 典型的な誤り:「液体=洗剤=3402」と短絡(ハンドソープは3401.30側に寄ります)。
- 3401(研磨粉入り石けん) vs 3405.40(研磨ペースト/粉=クレンザー)
- どこで分かれるか:研磨粉入りでもバー/ケーキ/成形品なら3401に残り得るが、粉・ペースト形状は3405。
- 判断に必要な情報:形状、包装(固形成形か)、研磨材の有無、用途
- 典型的な誤り:研磨粉入りを一律3405にする/逆に粉クレンザーを3401にする。
- 3402(界面活性剤) vs 第29類(単一化合物)
- どこで分かれるか:第34類注で化学的に単一の化合物は除外。ただし実務上、界面活性剤は“同族体の混合”になっていることが多く、成分の作り(単体か混合か)の確認が必要です。
- 判断に必要な情報:SDS(成分が単一か/混合か)、CAS、規格書(炭素鎖分布など)
- 典型的な誤り:界面活性剤=必ず3402、と決め打ち。
- 3403.19(石油油等を含む潤滑)に関する“グリース”の扱い(国内運用)
- どこで分かれるか:日本の分類例規では、グリースをJIS試験(ちょう度等)で説明する例があり、液状潤滑剤と混同しやすいです。
- 判断に必要な情報:基油の種類、増ちょう剤(石けん等)有無、ちょう度(JIS K2220)等、用途
- 典型的な誤り:名称だけで「油=27類」「グリース=一律3403」とする。
- 3401.30(皮膚洗浄の液体/クリーム・小売) vs 3402.50(小売用の洗浄/清掃調製品)
3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)
3-1. 関連する部注(Section Notes)
- ポイント要約:
- Section VI注3:2つ以上の成分を混ぜて最終製品を得るセットは、条件を満たせば“最終製品の見出し”で分類します(例:混合して使う洗浄剤・研磨剤のキット)。
- Section VI注2:小売・定量包装で特定見出しに該当するものは当該見出しに固定されますが、列挙対象は主に33類等で、34類は直接は入っていません(ただし34類注の除外とセットで理解すると混乱が減ります)。
- 実務での意味(具体例つき):
- 例:2液混合型の研磨ペーストセット
- セット要件(同梱・補完関係など)を満たすなら、完成品(3405等)側で整理しやすいです。
- 例:2液混合型の研磨ペーストセット
- “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
- 例:せっけん成分を含む製品でも、**シャンプー等(33類)**は第34類注で除外されます(34類注1(c))。
3-2. この類の類注(Chapter Notes)
- ポイント要約:
- 注1:食用離型用油脂(15.17)、単一化合物、シャンプー等(33.05〜33.07)を除外
- 注2:3401の「せっけん」=水溶性のせっけんに限る。研磨粉入りは“バー等の成形品”のみ3401、それ以外は3405へ
- 注3:3402の「有機界面活性剤」=0.5%水溶液(20℃)で1時間放置などの条件と、表面張力(45 dyne/cm以下)等の基準
- 注5:3404の「人造ろう・調製ろう」の定義と、除外(15.21、27.12、液媒体中のワックス等)
- 用語定義(定義がある場合):
- 「有機界面活性剤」(3402):上記の試験条件・表面張力の基準が定義として効きます。
- 除外規定(除外先の類・項も明記):
- シャンプー等 → 33.05〜33.07
- 鉱物ろう → 27.12、動植物ろう(単体)→ 15.21 など(3404注の除外)
4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)
- 影響ポイント1:注2(3401)で、研磨粉入り石けんが 3401↔3405 に割れる
- 何を見れば判断できるか(必要情報):研磨材の有無、形状(バー/成形か、粉/ペーストか)、用途表示
- 現場で集める証憑:現品写真(形状・成形)、仕様書、成分表
- 誤分類の典型:粉クレンザーを“せっけん扱い”で3401にしてしまう。
- 影響ポイント2:注3(3402)で、“界面活性剤扱いできるか”が論点になる
- 何を見れば判断できるか(必要情報):0.5%水溶液での状態(透明/安定乳化等)と表面張力基準に合うか
- 現場で集める証憑:SDS、規格書(界面活性の試験データがあると強い)、用途資料
- 誤分類の典型:「洗剤っぽい」だけで3402に寄せ、実は別章(単一化合物等)だった。
- 影響ポイント3:注1(c)で、せっけん入りでも“化粧・トイレタリー”は33類へ飛ぶ
- 何を見れば判断できるか(必要情報):製品がシャンプー・歯磨き・シェービング・入浴剤に該当するか
- 現場で集める証憑:表示・用途、配合、販売形態
- 誤分類の典型:「石けん入り=34類」と短絡。
5. 分類でよくある間違い(原因→対策)
- 間違い:ハンドソープを3402.50にしてしまう
- なぜ起きる:液体洗剤は全部3402という思い込み。
- 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):皮膚洗浄用(液体/クリーム・小売)は3401.30の設計です。
- 予防策(確認すべき資料/社内で聞くべき質問例):
- 「洗う対象は皮膚?食器?住居?」を営業/企画に確認
- 容器表示(用途)と商品説明ページを保存
- 間違い:シャンプーや入浴剤を“せっけん入りだから34類”にしてしまう
- なぜ起きる:成分(soap)に引っ張られる。
- 正しい考え方:第34類注で、これらは33.05〜33.07に除外されています。
- 予防策:
- 製品カテゴリ(シャンプー/浴用など)を先に確定
- 33類の見出し(33.05〜33.07)も同時に確認
- 間違い:研磨粉入りの製品を一律3405にする(または一律3401にする)
- なぜ起きる:注2(形状条件)を見落とす。
- 正しい考え方:研磨粉入りでもバー/成形品なら3401に残り得て、粉・ペーストは3405へ。
- 予防策:
- 現品写真で形状を確認(粉/ペースト/成形)
- “成形しているか”を製造に確認
- 間違い:界面活性剤原料(工業用)を、根拠なく3402に置く
- なぜ起きる:用途が洗剤だから、という短絡。
- 正しい考え方:34類注で単一化合物は除外。3402の定義(試験条件)も踏まえ、成分の“単体/混合”を確認します。
- 予防策:
- SDSで「単一物質か混合物か」を確認(CASが複数か等)
- 同族体混合(炭素鎖分布)かどうかをメーカーに質問
- 間違い:潤滑剤を“石油製品だから27類”で処理してしまう(逆も)
- なぜ起きる:基油だけで判断。
- 正しい考え方:3403は“調製潤滑剤”の見出しで、用途・調製の実態で判断。一方、3403は石油油70%以上基礎成分のものを除外します。
- 予防策:
- 基油比率、添加剤、用途(切削・離型・防錆等)を仕様書で回収
- 日本の分類例規(例:グリースの説明)も参照して整理
- 間違い:HS2022改正(3402の号変更)を反映せず、旧コードのままPSR・社内マスターを運用
- なぜ起きる:見出し(4桁)は同じなので見落としやすい。
- 正しい考え方:HS2022で3402の6桁体系が置換されました。
- 予防策:
- 旧→新対応表を社内に持ち、マスター更新(後述の7章・8章参照)
- 協定の採用HS版でPSRを検索(税関注意書き)
6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点
6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係
- HSの付番がPSR選択に直結します。特に第34類は3402の6桁構成が変わっているため、材料HS・最終品HSのどちらも“どのHS版で見ているか”がブレやすいです。
- よくある落とし穴
- 旧3402.11等のまま協定PSRを読んでしまう(HS2022では該当しない)
- “洗浄剤”として一括で材料HSを置き、CTC(タリフジャンプ)検討が崩れる
6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)
- 日本税関のPSR検索は、協定ごとに採用HS版が異なるため、採用版で検索すべきこと、ただし輸入申告は最新HSを使うことを明記しています。
- トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論)
- WCO相関表(Correlation Table)で旧HS→新HSの対応を確認し、社内で根拠を残します(税関PSR検索も相関表参照を案内)。
6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)
- 材料表(BOM)、原価、工程、原産国、非原産材料のHS、RVC計算の前提
- 3402(界面活性剤)を材料に使う場合は、HS版差をまたぐので:
- “協定のHS版での材料HS”と“申告HS(最新)”を対照表で管理
- 証明書類・保存要件(一般論)
- 協定のガイダンス/税関ポータルの説明に沿って整備
7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)
7-1. 変更点サマリー(必須:表)
| 比較(例:HS2017→HS2022) | 変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更) | 該当コード | 変更の要旨 | 実務への影響 |
|---|---|---|---|---|
| HS2017→HS2022 | 分割/置換(号の再編) | 3402 | 旧:3402.11〜3402.19、3402.20 → 新:3402.31(LAS等)/3402.39、3402.41〜3402.49、3402.50(小売)、3402.90へ置換 | 旧コードの社内マスター・PSR参照・統計の突合で“コード不一致”が発生しやすい。変換表の整備が必須。 |
7-2. 「違うことになった根拠」(必須)
- 参照した根拠資料:
- WCOの相関表(HS2017→HS2022)Table Iにて、3402.11〜3402.19および3402.20を削除し、3402.31〜3402.50へ置換した旨が示されています。
- HS2022の第34類本文に、3402.31(Linear alkylbenzene sulphonic acids and their salts)等の新しい号構成が明示されています。
- 以上より、本資料では 「HS2017→HS2022で、第34類のうち3402のHS6桁体系が再編された」 と整理しています(他の3401/3403/3404/3405/3406/3407については、相関表Table Iに“範囲変更・新設としての記載”が見当たらないため、少なくともHS6桁の大改正は確認できません)。
8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード
| 版の比較 | 主要な追加・削除・再編(第34類、HS6桁) | 旧コード→新コード(概要) |
|---|---|---|
| HS2002→HS2022(長期の見通し) | 3402の6桁が、旧体系(3402.11〜3402.20)から新体系(3402.31〜3402.50)へ再編 | 旧:3402.11(アニオン)等/3402.20(小売) → 新:3402.31(特定のアニオン:LAS等)/3402.39、3402.50(小売)など |
| HS2017→HS2022 | 上記のとおり 3402 の置換が主要点 | 7章参照 |
- 補足:
- 2002版でも3402.11(アニオン)等の旧体系が確認でき、2022版では3402.31等に変わっています。
9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)
- 事例名(短く):ハンドソープを食器用洗剤扱いにしてしまった
- 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):3401(皮膚洗浄・小売)の設計を無視して3402.50で申告
- 起きやすい状況:商品名に“ソープ/クリーン”などが混在、用途表示を見ていない
- 典型的な影響:修正申告、税番根拠資料の追提出
- 予防策:用途表示写真・製品説明を分類前に回収し、皮膚用かを先に確定
- 事例名:研磨粉入り製品の形状を見落として3401↔3405を誤る
- 誤りの内容:3401注2の“バー形状条件”を外しているのに3401で申告
- 起きやすい状況:現品確認をせず、成分(せっけん)だけで判断
- 典型的な影響:差戻し・補足説明、サンプル提出
- 予防策:現品写真(粉/ペースト/成形)+仕様書で形状を立証
- 事例名:シャンプー(石けん入り)を34類で申告
- 誤りの内容:34類注1(c)の除外(33.05〜33.07)に抵触
- 起きやすい状況:成分表の“soap”だけ見て判断
- 典型的な影響:修正申告、規制(表示・区分)側の確認も巻き込む
- 予防策:製品カテゴリ(シャンプー等)を先に確定し、33類も並行チェック
- 事例名:HS2022の3402改正を反映せず旧コードで書類作成
- 誤りの内容:3402.11等の旧HSをそのままインボイス・原産地関連書類に記載
- 起きやすい状況:社内マスター未更新、協定PSRのHS版と申告HSの混同
- 典型的な影響:照会、原産地手続のやり直し、通関遅延
- 予防策:協定採用HS版でPSR確認+相関表で変換根拠を保存
10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)
- 日本前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
- 検疫・衛生(SPS等)
- 一般の洗剤・潤滑剤は食品検疫の中心領域ではありませんが、家庭用品として流通する場合、別法令(表示・有害物質規制)の対象になり得ます(下記)。
- その他の許認可・届出
- 家庭用品品質表示(合成洗剤):消費者向けの合成洗剤は、品名や成分表示ルールが示されています(表示設計に影響)。
- 有害物質を含有する家庭用品の規制(家庭用品規制法):対象物質群・規制の考え方が整理されています(対象製品の場合は該当確認が必要)。
- 消防法(アルコール等):アルコール類は危険物として取扱い注意喚起が出ています(芳香・洗浄系で高濃度アルコール品は要注意)。
- 化管法(PRTR/SDS):対象化学物質やそれを含有する製品を事業者間で譲渡・提供する際、SDS情報提供義務があり得ます。
- 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
- 税関(分類・原産地)
- 消費者庁(家庭用品品質表示)
- 経産省(化管法SDS)
- 消防庁(危険物・注意喚起)
- 厚労省(家庭用品規制法の枠組み)
- 実務での準備物(一般論):
- SDS、成分表(含有率)、用途・表示案、製品写真、危険物該当性(引火点等)、BOM・原産国情報
11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)
- 分類前チェック(製品情報の収集)
- 用途(皮膚/台所/住居/工業/潤滑/歯科)
- 形状(バー/粉/ペースト/液/含浸不織布/セット)
- 成分(単一化合物か混合か、石油油比率、研磨材の有無)
- 包装(小売か業務用か)、表示・説明書
- 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
- 34類注1(c)(シャンプー等は33類へ)
- 34類注2(研磨粉入りの形状条件)
- 34類注3(界面活性剤の定義)
- 3403の70%石油油除外(該当なら別章再検討)
- 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
- 品名は用途が分かるように(例:“liquid hand soap for skin washing”, “dishwashing detergent”, “lubricating grease”)
- 形状・用途・成分が分かる資料(SDS、写真、カタログ)を添付できる状態に
- FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
- 協定が採用するHS版でPSR検索(税関の注意書きどおり)
- 3402はHS2022で号体系が変わるため、旧→新の対応根拠(相関表等)を保存
- 規制チェック(許可/届出/検査)
- 消費者向け合成洗剤:表示(品名・成分等)
- 危険物:高濃度アルコール等の取扱注意
- 事業者間取引:化管法SDS提供の要否
12. 参考資料(出典)
- WCO(HS2022条文、相関表、改正パッケージ等)
- HS2022 Chapter 34(注・号構成)(参照日:2026-02-20)
- Section VI Notes(セット等)(参照日:2026-02-20)
- WCO Correlation Tables(HS2017→HS2022、Table I)(参照日:2026-02-20)
- HS2002 Chapter 34(旧体系の例:3402.11等)(参照日:2026-02-20)
- 日本税関・公的機関のガイド
- 税関「関税率表解説(第34類)」(参照日:2026-02-20)
- 税関「分類例規(第34類)」(参照日:2026-02-20)
- 税関「品目別原産地規則(PSR)検索」注意事項(HS版差・最新HSで申告)(参照日:2026-02-20)
- 税関「EPA・原産地規則ポータル」(参照日:2026-02-20)
- 規制(日本)
- 消費者庁:合成洗剤の表示(ガイド/規程)(参照日:2026-02-20)
- 経産省:化管法SDS制度(対象事業者・制度概要)(参照日:2026-02-20)
- 消防庁:消毒用アルコールの安全な取扱い(危険物)(参照日:2026-02-20)
- 厚労省:家庭用品規制法に関する説明資料 (参照日:2026-02-20)
付録A. 国内コード(日本)での主な細分と注意点(任意)
- 国内実務はHS6桁に国内細分(統計品目番号:輸出入で9桁等)を使います。HS(6桁)と国内コードを混同しないでください。
- 第34類はとくに3402のHS6桁がHS2022で置換されているため、国内細分の更新も含めて、社内マスター(商品・材料・BOM・原産地)を一括点検するのが安全です。
付録B. 税関の事前教示・裁定事例の探し方(任意)
- 迷う境界(例:3401↔3402、3401↔3405、3402↔29類、34類↔33類)がある場合、税関の公開資料(解説・例規)を当たり、重要取引は事前相談(一般論)を検討します。
- 相談を早めるために揃えるもの(一般論):
- 用途表示(ラベル・説明書)、現品写真(形状)、SDS、成分表(含有率)、工程・用途資料、想定HS候補と迷点
免責事項
本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。
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