HS2022 第1類:生きた動物(Live animals)

0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)

  • この類に入る代表例(3〜6個):
    • 生きている馬(0101)、牛(0102)、豚(0103)、羊・山羊(0104) (wcoomd.org)
    • 生きている家きん(鶏・あひる・がちょう・七面鳥・ほろほろ鳥)(0105) (wcoomd.org)
    • その他の生きた動物(0106):霊長類、ラクダ、うさぎ、爬虫類、鳥類、**みつばち(0106.41)やその他昆虫(0106.49)**など (wcoomd.org)
  • この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
    • 生きている魚・甲殻類・軟体動物・その他水棲無脊椎動物 → 第3類(例:0301、0306、0307、0308) (wcoomd.org)
    • 微生物の培養物など → 第30類 3002 (wcoomd.org)
    • 巡回サーカス・巡回動物園(移動動物園)に属する動物 → 第95類 9508 (wcoomd.org)
    • (実務で頻出の“そもそも生体ではない”例)肉(第2類)、動物の精液等(第5類など)、死体(第5類 0511 など)※ここは類注ではなく一般分類の注意点です。
  • 実務での最重要分岐(1〜3個):
    1. 「生きている」か(生体):生体でなければ第1類ではありません。
    2. 生体でも 水棲(魚介類等)か否か:水棲は原則第3類へ。 (wcoomd.org)
    3. (該当する場合)**純粋種の繁殖用(pure-bred breeding)**か、豚の重量(50kg境界)家きんの185g境界で6桁が変わります。 (wcoomd.org)
  • (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
    • 動物検疫(MAFF 動物検疫所)や輸入停止措置が絡む取引(家畜・家きん等)。手続・証明書不備と相まって、通関遅延や積戻しリスクが上がります。 (農林水産省)
    • CITES(ワシントン条約)対象種特定外来生物が絡む取引(許可・承認・持込可否に影響)。 (経済産業省)

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)

1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)

  • この類で特に効くGIR(例:GIR1/GIR6など):
    • **GIR1(見出しと注で決める)**が中心です。第1類は「どの動物群か」が見出し(項・号)に直結します。 (wcoomd.org)
    • **GIR6(6桁の分岐)**で、純粋種(繁殖用)・重量区分(豚)・185g区分(家きん)などを当てはめます。 (wcoomd.org)
  • 「品名だけで決めない」ための観点(用途、材質、状態、加工度など)
    • 第1類は「材質」よりも、生体であること/分類対象が“動物そのもの”かが最優先です。
    • “用途”は通常は二次的ですが、**pure-bred breeding animals(純粋種繁殖用)**のように用途(繁殖用)と裏付け(血統・証明)がコードに影響する例があります。 (wcoomd.org)

1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)

  • Step1:対象は「動物そのもの」か?(飼料・器具・精液・胚・肉などではないか)
  • Step2:生体か?(生体ならStep3へ/生体でないなら第1類から外れる可能性が高い)
  • Step3:生体なら、魚介類等の水棲無脊椎・魚類に該当しないかを確認
    • 該当するなら第3類(0301/0306/0307/0308)へ。 (wcoomd.org)
  • Step4:水棲除外に該当しない生体なら、動物群で項(4桁)を決定(0101〜0106)
  • Step5:号(6桁)で分岐(純粋種/重量/185g/動物群の細分類)
  • よく迷う境界(例:第○類と第○類の境界):
    • 第1類 vs 第3類:「生体の魚介類」(第3類)か、それ以外の生体動物(第1類)か。 (wcoomd.org)
    • 第1類 vs 第95類:移動サーカス・移動動物園の動物は第1類から除外され得る点。 (wcoomd.org)

2. 主な項(4桁)とその内容

2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)

(第1類は4桁見出しが少ないため全列挙します。) (wcoomd.org)

項番号(4桁)見出しの要旨(日本語)典型例(製品名)重要な分岐条件/除外/注意点
0101生きている馬・ろば・らば・ヒニー競走馬、乗馬、繁殖馬、ろば、らば6桁で「馬(純粋種/その他)」「ろば」「その他(らば等)」に分岐。 (wcoomd.org)
0102生きている牛(bovine)乳用牛、肉用牛、繁殖牛、水牛6桁で「cattle」「buffalo」「その他の牛科」に分岐。純粋種(繁殖用)区分あり。 (wcoomd.org)
0103生きている豚種豚、子豚、肥育豚6桁で「純粋種繁殖用」or「その他」+その他は50kg境界で分岐。 (wcoomd.org)
0104生きている羊・山羊羊、山羊6桁は羊/山羊で分岐(シンプル)。 (wcoomd.org)
0105生きている家きん(鶏等)初生ひな、採卵鶏、ブロイラー、あひる、がちょう6桁で**185g以下(初生ひな相当)**とその他に大別。種類(鶏/七面鳥/あひる等)で分岐。 (wcoomd.org)
0106その他の生きた動物犬猫、サル、ラクダ、うさぎ、ヘビ、インコ、ダチョウ、みつばち、その他昆虫哺乳類/爬虫類/鳥類/昆虫/その他に分岐。**みつばち(0106.41)**など昆虫は専用号あり。 (wcoomd.org)

2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)

  • 分岐条件の整理(この類で効きやすいもの)
    • 純粋種の繁殖用(Pure-bred breeding animals)か否か(0101/0102/0103.10など) (wcoomd.org)
    • 重量(豚:50kg未満/以上) (wcoomd.org)
    • 雛の重量(家きん:185g以下/その他) (wcoomd.org)
    • 動物群(種・科・用途ではなく“見出しの範囲”)(例:牛= cattle / buffalo / other) (wcoomd.org)
  • 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
    1. 0103.91(50kg未満) vs 0103.92(50kg以上)
      • どこで分かれるか:輸入時点の個体重量(閾値50kg) (wcoomd.org)
      • 判断に必要な情報:出荷時体重表、輸送書類、獣医証明(体重記載があれば)、到着時計量記録
      • 典型的な誤り:平均体重で一括申告/実測の裏付けなし
    2. 0105(185g以下)グループ vs 0105(その他)グループ
      • どこで分かれるか:185g以下(初生ひな相当)かどうか (wcoomd.org)
      • 判断に必要な情報:孵化日(day-oldか)、梱包形態、出荷証明(重量レンジ)、品種(鶏/あひる等)
      • 典型的な誤り:「初生ひな」と品名にあるのに0105.94/0105.99側で申告(逆もあり)
    3. “Pure-bred breeding animals”系(例:0101.21/0101.29、0102.21/0102.29、0103.10/0103.91・92)
      • どこで分かれるか:純粋種としての血統・登録繁殖用の裏付け (wcoomd.org)
      • 判断に必要な情報:血統書、登録証、輸出国当局/公認機関の証明、売買契約(用途)、(日本の場合)税関が求める証明要件の確認
      • 典型的な誤り:「繁殖用だから純粋種」と自己判断(証明がない)
    4. 0106.41(みつばち)/0106.49(その他昆虫)/0106.90(その他)
      • どこで分かれるか:対象が昆虫か、昆虫ならみつばちか (wcoomd.org)
      • 判断に必要な情報:学名(属・種)、用途(受粉用等)、数量・梱包、検疫要否
      • 典型的な誤り:昆虫を一括して0106.90「その他」へ寄せる

3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)

3-1. 関連する部注(Section Notes)

  • ポイント要約:
    • 部注(Section I)には、**「動物の若齢(幼獣・雛)も当該動物として扱う」**という趣旨の規定があります(文脈上不要な場合を除く)。 (wcoomd.org)
  • 実務での意味(具体例つき):
    • 例:子牛は0102、子豚は0103、は0105/0106(鳥類)という“動物群”の考え方がブレません。
      ただし、子豚は50kg境界、家きん雛は185g境界など、若齢ゆえに6桁分岐が重要になります。 (wcoomd.org)
  • “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
    • 第1類は「生体」が前提なので、加工・状態(乾燥等)で他章に飛ぶより、“そもそも生体でない”“水棲動物”・**“サーカス等の一体取扱い”**で他章になるケースが中心です(次の類注参照)。 (wcoomd.org)

3-2. この類の類注(Chapter Notes)

  • ポイント要約:
    • 第1類は原則「すべての生きた動物」を含みますが、次は明確に除外されます:
      1. 魚介類等(0301/0306/0307/0308)、2) 微生物培養物等(3002)、3) 9508の動物(移動サーカス等) (wcoomd.org)
  • 用語定義(定義がある場合):
    • 第1類の注そのものは定義より“除外”が中心です(実務上は各号の表現=動物群が定義的に働きます)。 (wcoomd.org)
  • 除外規定(除外先の類・項も明記):
    • 魚・甲殻類・軟体動物・その他水棲無脊椎動物 → 第3類(0301/0306/0307/0308) (wcoomd.org)
    • 微生物の培養物等 → 第30類 3002 (wcoomd.org)
    • 移動サーカス等の動物 → 第95類 9508 (wcoomd.org)

4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)

この章は「類注があるからこそ起きる分岐」を可視化することが目的。

  • 影響ポイント1:水棲(第3類)へのジャンプ
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 対象が魚類か、甲殻類/軟体動物/その他水棲無脊椎か(学名・分類群)
      • 生体の状態(生きたまま輸送か)
    • 現場で集める証憑:
      • 学名入り仕様書・カタログ、輸出国の検疫/衛生証明、写真(形態が分かるもの)
    • 誤分類の典型:
      • 生きたエビ・カニ・貝を「その他の生きた動物(0106)」に入れてしまう(実際は第3類へ)。 (wcoomd.org)
  • 影響ポイント2:移動サーカス等(9508)へのジャンプ
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):
      • 取引実態が「動物単体」か「巡回サーカス/巡回動物園としての一体(ショー・興行)取扱い」か
    • 現場で集める証憑:
      • 契約書(興行・展示の契約形態)、インボイス記載(“travelling circus/menagerie” 等)、輸送単位(機材一式か)
    • 誤分類の典型:
      • “サーカス用の動物”を単体物品として0106にしてしまい、9508の射程を検討しない。 (wcoomd.org)

5. 分類でよくある間違い(原因→対策)

  1. 間違い:生体なのに「肉(第2類)」や「食用内臓」系で検討してしまう
    • なぜ起きる:品名に「食用」「食肉用」など用途が入っている
    • 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):第1類は“生体”が対象。用途ではなく状態(生きているか)を先に確定します。 (wcoomd.org)
    • 予防策:写真(生体輸送形態)、獣医証明、輸送温度帯(生体輸送か)を収集
  2. 間違い:生きた魚介類を0106(その他の生きた動物)に入れる
    • なぜ起きる:「魚以外なら0106」と短絡する
    • 正しい考え方:類注で魚介類等は第3類に除外(0301/0306/0307/0308)。 (wcoomd.org)
    • 予防策:学名・分類群の確認、社内で「水棲無脊椎か?」を必ず質問
  3. 間違い:豚の0103.91/0103.92を体重確認なしで決める
    • なぜ起きる:出荷ロットが均一だと思い込む/体重証憑を取っていない
    • 正しい考え方:0103は50kg境界で6桁が明確に分岐。 (wcoomd.org)
    • 予防策:出荷時体重リスト・到着時計量の運用を標準化
  4. 間違い:家きんの雛(初生ひな相当)を0105の「その他」側で申告
    • なぜ起きる:「雛=鶏」だけで0105.94に寄せる
    • 正しい考え方:0105はまず185g以下かどうかで分岐し、さらに種類で分岐。 (wcoomd.org)
    • 予防策:孵化日、梱包単位、重量レンジの記録を入手
  5. 間違い:みつばちを0106.90「その他」にしてしまう
    • なぜ起きる:昆虫の号(0106.41/0106.49)を知らない
    • 正しい考え方:昆虫は専用の号があり、みつばちは0106.41。 (wcoomd.org)
    • 予防策:対象が昆虫かを最初に判定し、学名で確定
  6. 間違い:「純粋種繁殖用」と称して0101/0102/0103.10に入れるが、証明が弱い
    • なぜ起きる:用途(繁殖)だけで判断
    • 正しい考え方:HSの文言は“Pure-bred breeding animals”。実務では血統・登録などの裏付けが重要(国により要求資料が異なり得ます)。 (wcoomd.org)
    • 予防策:血統書・登録証・輸出国当局の証明、契約用途をセットで準備(必要に応じ税関相談)
  7. 間違い:動物そのものではなく「微生物培養物」等を第1類で検討
    • なぜ起きる:輸入形態が“生きている”ので混同
    • 正しい考え方:類注で微生物培養物等は3002に除外。 (wcoomd.org)
    • 予防策:対象が動物(多細胞生物)か、微生物製剤かを研究部門に確認
  8. 間違い:HS分類は合っているが、検疫・届出(行政手続)要否を見落とす
    • なぜ起きる:分類と規制を別部署が別管理している
    • 正しい考え方:日本では家畜・家きん・犬猫等はMAFF動物検疫所の枠組みで手続が必要になり得ます。また、別枠で厚労省検疫所の「動物の輸入届出制度」対象動物もあります。 (農林水産省)
    • 予防策:分類確定後に「動物検疫」「CITES」「外来生物法」「感染症系届出」のチェックリストを必ず回す

6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点

6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係

  • HSの付番がPSR選択に直結すること(誤ると原産性判断が崩れる)
    • 第1類は「生体」で、製造工程よりも**出生・飼養(肥育)**の事実が原産性に直結しやすい領域です。HSを誤ると、参照すべきPSR(またはWO判定)がズレます。
  • よくある落とし穴(材料のHS、最終製品HS、工程の評価軸)
    • 生体動物は「材料→製品」の転換が起きにくいため、PSRが**WO(完全生産)**系の場合、必要証憑(出生・飼養記録)が揃わないと原産主張ができません(一般論)。

6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)

  • 「当該協定が参照するHS版(例:HS2012参照 等)」を明記
    • (本回答は参照協定が未指定のため一般論です)EPA/FTAでは、協定本文・譲許表・PSRが“特定のHS版”に基づいていることがあります。例えば、TPP/(CPTPPの基礎となった)文書の一部ではHS2012と明記された譲許表が用いられています。 (United States Trade Representative)
  • 協定本文・運用が参照するHS版がHS2022とズレる場合の注意
    • 国内申告はHS2022で行っていても、協定側が旧HS版参照の場合、**旧→新の対応(トランスポジション)**が必要です。日本でも、国内のHS改正と協定運用HS版がズレるケースがある旨が案内されています。 (日本商工会議所)
  • トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論)
    • ①協定の附属書で参照HS版を確認 → ②旧HSでPSR条文を特定 → ③相関表でHS2022コードに対応付け → ④最終的に「協定上の品目」と「申告コード」の整合を社内記録化、が実務的です。

6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)

  • 材料表(BOM)、原価、工程、原産国、非原産材料のHS、RVC計算の前提
    • 生体動物の場合は、BOMよりも 出生地証明・飼養(肥育)履歴・移動履歴が重要になりがちです(協定ルール次第)。
  • 証明書類・保存要件(一般論)
    • 出生証明、飼養管理記録、獣医証明、取引契約(用途)などを、協定の保存要件に合わせて保管します。

7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)

7-1. 変更点サマリー(必須:表)

比較(例:HS2017→HS2022)変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更)該当コード変更の要旨実務への影響
HS2017→HS2022変更なし(少なくともHS6桁レベル)Chapter 01(0101〜0106)WCO相関表(2017↔2022)の改正対象リストにChapter 01の掲載がなく、HS6桁の新設・削除・分割等が確認されませんHS6桁レベルでは分類体系は継続。※国内コード(8/9桁)は国ごとに改正あり得るため要確認

7-2. 「違うことになった根拠」(必須)

  • 根拠資料と判断内容:
    • WCOが公表するHS相関表(HS2017→HS2022)は、改正のあったコードの対応を列挙する形式ですが、当該表(Table II)にChapter 01(第1類)のコードが登場しません。このため、HS6桁の観点では第1類に改正(新設・削除・分割・統合等)がないと判断できます。 (wcoomd.org)
    • 併せて、HS2022の法文(第1類の見出し・注)を確認しても、体系はHS2012以降と同型です(次章でHS2007との差分を整理)。 (wcoomd.org)

8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード

(ここではHS6桁の主要な再編に絞ります。国内コードの追加・削除は別途「国内コード」として確認してください。)

期間主要な追加・削除・再編(HS6桁)旧コード→新コード(例)補足(実務への示唆)
HS2007→HS20120101が細分化(馬の純粋種/その他、ろば、らば等を明確化)0101.10/0101.90 → 0101.21/0101.29/0101.30/0101.90「どの動物か」をより明確に統計把握する方向。 (wcoomd.org)
HS2007→HS20120102が細分化(cattleとbuffaloを分離)0102.10/0102.90 → 0102.21/0102.29/0102.31/0102.39/0102.90水牛等の区分が明確化。 (wcoomd.org)
HS2007→HS20120105(雛の一部)細分化(あひる/がちょう/ほろほろ鳥等)0105.19 → 0105.13/0105.14/0105.15(等)“185g以下”でも鳥種で分かれる。 (wcoomd.org)
HS2007→HS20120106の拡充(海獣の範囲拡大、新号新設:ラクダ、うさぎ、昆虫など)0106.12(範囲拡大)、0106.13/0106.14/0106.41/0106.49 新設0106は「その他」の受け皿だが、統計目的で細分が増えた。 (wcoomd.org)
HS2012→HS2017変更なし(第1類の相関表改正対象なし)HS6桁は継続。 (税関ウェブサイト)
HS2017→HS2022変更なし(第1類の相関表改正対象なし)HS6桁は継続。 (wcoomd.org)

※類注(除外先)の表記も、HS2007では03.08が存在しないため除外列挙が短く、HS2012以降は03.08が加わっています(第1類注の見え方が変わる点として注意)。 (wcoomd.org)

9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)

  • 事例名(短く):生きたエビを0106で申告してしまった
    • 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):第1類注で、水棲無脊椎(03.06等)が除外される点の見落とし (wcoomd.org)
    • 起きやすい状況:品名が「live animal」程度で、学名・分類群情報がない
    • 典型的な影響:修正申告、検査強化、検疫・規制手続の手戻りによる遅延(一般論)
    • 予防策:学名・分類群を仕様書に必須化、写真添付、社内QAで「水棲か?」を必ず確認
  • 事例名:初生ひな(185g以下)を“その他家きん”で申告
    • 誤りの内容:0105の6桁分岐(185g以下/その他)を取り違え (wcoomd.org)
    • 起きやすい状況:インボイスが「chicks」だけで、孵化日・重量が書かれていない
    • 典型的な影響:統計・税率・国内コード要件のズレ、書類差戻し(一般論)
    • 予防策:孵化日、重量レンジ、梱包単位をインボイス補足欄に追記
  • 事例名:みつばちを0106.90「その他」で申告
    • 誤りの内容:0106.41(bees)の存在を見落とし (wcoomd.org)
    • 起きやすい状況:受粉用の昆虫全般をまとめて処理
    • 典型的な影響:統計・規制確認(外来生物等)のチェック漏れ、修正対応(一般論)
    • 予防策:昆虫は0106.41/0106.49を先に検討、学名(Apis mellifera等)を確認
  • 事例名:移動サーカスの動物を“単体の生体動物”として申告
    • 誤りの内容:第1類注で9508の動物が除外される点の見落とし (wcoomd.org)
    • 起きやすい状況:興行契約・機材一式の輸入なのに、動物だけ切り出して申告
    • 典型的な影響:分類更正、通関遅延(一般論)
    • 予防策:取引実態(興行一体か)を契約書で確認、必要なら税関相談

10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)

  • 日本前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
    • 検疫・衛生(SPS等)
      • 動物検疫(MAFF 動物検疫所):家畜等の輸入には、輸出国政府機関(検疫機関)の検査合格・証明書添付が必要となる旨が案内されています(家畜衛生条件に基づく)。 (農林水産省)
      • 犬・猫:狂犬病関連の要件(抗体検査等)を含む手続が定められており、動物検疫所ページで案内されています。 (農林水産省)
      • 生きた家きん:鳥インフルエンザ発生等に伴う輸入停止・解除の情報が動物検疫所で更新されます(変動リスクが高い)。 (農林水産省)
      • 追加で留意:税関も動物検疫が必要な物品例を案内しています(一般的な確認導線)。 (税関ウェブサイト)
    • ワシントン条約(CITES)等の種規制
      • CITES対象の動植物等は、輸出国側のCITES書類に加え、日本側での輸入承認手続が必要となる旨が経産省(METI)で案内されています。 (経済産業省)
      • 取引種の所管・手続はケースで異なり得るため、CITES該当性(附属書)と所管窓口の確認が必要です(例示的説明)。 (ジェトロ)
    • その他の許認可・届出
      • 外来生物法(特定外来生物):特定外来生物は輸入等が原則禁止で、環境省および税関が注意喚起しています。 (環境省)
      • 厚労省の「動物の輸入届出制度」:届出対象動物(および死体)を輸入する際に検疫所への届出が必要である旨が案内されています(動物検疫所対象と別枠で並走し得る点が実務の落とし穴)。 (厚生労働省)
  • 確認先(行政・公式ガイド・窓口):
  • 実務での準備物(一般論):
    • 学名・写真・仕様書(対象同定)
    • 輸出国政府機関の健康/検査証明(必要な場合) (農林水産省)
    • CITES書類(該当する場合) (経済産業省)
    • 外来生物法の該当性確認資料(該当疑いがある場合) (環境省)
    • (HSの分岐に必要)体重記録、孵化日、血統・登録証など

11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)

  • 分類前チェック(製品情報の収集)
    • 生体か否か(写真・輸送形態)
    • 学名(属・種)/動物群(cattle/buffalo等)
    • 体重(豚)、雛の重量・孵化日(家きん)
    • 純粋種繁殖用の証明(該当する場合)
  • 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
    • 第1類注の除外(第3類、3002、9508)に当たらないか (wcoomd.org)
    • 0106で“その他”に寄せていないか(昆虫・海獣等の専用号の有無)
  • 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
    • インボイスに「live」「学名」「数量」「体重/孵化日」等の補足
    • 検疫・許可で求められる原本/写しの手当て
  • FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
    • 協定の参照HS版(HS2012等)を確認し、HS2022との差分があれば相関表で対応 (日本商工会議所)
    • 生体は出生・飼養履歴の証憑を整備
  • 規制チェック(許可/届出/検査)

12. 参考資料(出典)

  • WCO(HS2022条文、相関表、改正パッケージ等)
    • WCO “HS Nomenclature 2022 Edition” Section I Notes(参照日:2026-02-12) (wcoomd.org)
    • WCO HS2022 Chapter 1 “Live animals”(参照日:2026-02-12) (wcoomd.org)
    • WCO Correlation Tables HS2017–HS2022(参照日:2026-02-12) (wcoomd.org)
  • 日本 税関・公的機関のガイド
    • 農林水産省 動物検疫所「動物の輸出入」(参照日:2026-02-12) (農林水産省)
    • 農林水産省 動物検疫所「犬、猫の日本への入国(輸入)」等(参照日:2026-02-12) (農林水産省)
    • 農林水産省 動物検疫所「生きた家きん等の輸入停止情報」(参照日:2026-02-12) (農林水産省)
    • 経済産業省(METI)「ワシントン条約規制対象貨物の輸入承認手続き」(参照日:2026-02-12) (経済産業省)
    • 環境省「外来生物法(概要・規制)」(参照日:2026-02-12) (環境省)
    • 税関「特定外来生物」(参照日:2026-02-12) (税関ウェブサイト)
    • 厚生労働省「動物の輸入届出制度」(参照日:2026-02-12) (厚生労働省)
  • 相関表・HS改正関連
    • 日本税関(WCO著作権表記の相関表)HS2012–HS2007 相関(参照日:2026-02-12) (税関ウェブサイト)
    • WCO HS2007 Chapter 1 “Live animals”(参照日:2026-02-12) (wcoomd.org)
    • WCO HS2012 Chapter 1 “Live animals”(参照日:2026-02-12) (wcoomd.org)
  • FTA/EPA(HS版ズレの一般論)
    • 日本商工会議所(JCCI)「経済連携協定に基づくHSコード取扱い(HS版のズレ注意)」(参照日:2026-02-12) (日本商工会議所)
    • USTR(TPP関連資料:Tariff Schedule “HS2012”表記の例)(参照日:2026-02-12) (United States Trade Representative)

免責事項

本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。

 

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投稿者: shima

嶋 正和 株式会社ロジスティック 代表取締役社長

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