この章のゴール
この章では、HSコードがどんな階層構造でできているかを、図がなくても頭の中で組み立てられるようにします。
HSの構造が分かると、分類のときに迷ったとしても、どの階層で迷っているのかが明確になり、調べ方が速くなります。

この章を終えると、次のことが説明できるようになります。
- HSはどこまでが国際共通で、どこからが国別なのか
- 部 類 項 号という階層が何を意味するのか
- 2桁 4桁 6桁の読み方と、番号の役割
HSは階層構造でできている
HSは、商品を分類するための目次のようなものです。
大きいグループから小さいグループへ、段階的に細かくなります。
基本の階層は次のとおりです。
部(Section)
かなり大きな分類単位です。例として、機械類、化学品、繊維などの大きなまとまりがあります。
部は目安として便利ですが、分類は部注や類注とセットで理解する必要があります。
類(Chapter)
2桁で表される単位です。
例 84類は機械類、85類は電気機器のように、分野の大枠を示します。
項(Heading)
4桁で表される単位です。
分類の実務では、この4桁の項を正しく見つけられるかが大きな分かれ道になります。
号(Subheading)
6桁で表される単位です。
国際的に共通の骨格はこの6桁までです。
ここまでが、各国が共通で使うHSの中心部分です。
この階層を理解するだけで、分類は一気に整理しやすくなります。
2桁 4桁 6桁の意味
HSコードは、左から順に意味が積み上がります。
考え方は単純です。
左に行くほど大分類、右に行くほど細分類です。
例として、ある6桁コードがあったとします。
- 最初の2桁は類を示す
- 最初の4桁は項を示す
- 最初の6桁は号を示す
重要なのは、4桁と6桁は単なる桁数の違いではなく、分類の深さの違いだという点です。
4桁は品目の中心的な定義に近く、6桁はその中での細分です。
国際共通は6桁まで、8桁以降は国ごとに違う
実務で混乱しやすいのがここです。
HSは国際共通の制度ですが、各国の関税率表は国ごとの運用があります。
国際共通の範囲
HSの6桁までは、原則として世界共通です。
輸出入の相手国と話をするとき、まず6桁で合意するのが基本になります。
国別の範囲
8桁 9桁 10桁などは、国が独自に細分している部分です。
この部分は国によって桁数も中身も異なります。
同じ6桁でも、国によって8桁の分け方や税率が違うことがあります。
実務上の結論
分類の議論は、まず6桁の確定を優先します。
そのうえで、輸入国の関税率表で国別の細分を確認し、最終的な申告番号を決めます。
見出し文と注記が分類の土台になる
HSには、品目の見出し文と、注記というルールの文章があります。
見出し文だけ読んで決めると、誤分類が起きやすいです。
見出し文
項や号の言葉そのものです。商品を当てはめる入口になります。
注記(部注 類注など)
範囲を広げたり、逆に除外したりするルールです。
注記があることで、同じような商品でも分類が分かれます。
分類は、見出し文と注記の両方で決まるという前提を持つことが大切です。
この講座では、次章以降で注記の読み方を扱いますが、まずは、注記が分類の決定に影響するという事実を押さえてください。
HSと関税率表は同じではない
ここも初心者が混同しやすいポイントです。
HS
商品分類のルールと体系です。番号を決めるためのものです。
関税率表
HSの体系に税率や例外規定などを乗せたものです。
同じHSでも、協定税率や暫定税率、対象国による違いなどがあり、税率は条件によって変動します。
つまり、HSコードを決める作業と、税率を決める作業は、同じ流れの中にありますが、役割は別です。
まず分類を固め、その後に税率や制度条件を確認します。
HSは定期的に改正される
HSは固定されたものではなく、定期的に見直されます。
実務では、どの版のHSで話しているかが重要になります。
商品分類の検討資料や社内マスターでは、HS2022のように版を意識して管理することが安全です。
まとめ
HSは、部 類 項 号という階層でできている。
2桁は類、4桁は項、6桁は号で、6桁までが国際共通の骨格である。
8桁以降は国別で、最終申告は輸入国の関税率表で確認する。
分類は見出し文だけではなく、注記が土台になる。
次章では、分類の成否を決める商品情報の集め方を学びます。
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