第1章:HSの全体像と構造

この章のゴール

この章では、HSコードがどんな階層構造でできているかを、図がなくても頭の中で組み立てられるようにします。

HSの構造が分かると、分類のときに迷ったとしても、どの階層で迷っているのかが明確になり、調べ方が速くなります。

この章を終えると、次のことが説明できるようになります。

  1. HSはどこまでが国際共通で、どこからが国別なのか
  2. 部 類 項 号という階層が何を意味するのか
  3. 2桁 4桁 6桁の読み方と、番号の役割

HSは階層構造でできている

HSは、商品を分類するための目次のようなものです。

大きいグループから小さいグループへ、段階的に細かくなります。

基本の階層は次のとおりです。

部(Section)

かなり大きな分類単位です。例として、機械類、化学品、繊維などの大きなまとまりがあります。

部は目安として便利ですが、分類は部注や類注とセットで理解する必要があります。

類(Chapter)

2桁で表される単位です。

例 84類は機械類、85類は電気機器のように、分野の大枠を示します。

項(Heading)

4桁で表される単位です。

分類の実務では、この4桁の項を正しく見つけられるかが大きな分かれ道になります。

号(Subheading)

6桁で表される単位です。

国際的に共通の骨格はこの6桁までです。

ここまでが、各国が共通で使うHSの中心部分です。

この階層を理解するだけで、分類は一気に整理しやすくなります。

2桁 4桁 6桁の意味

HSコードは、左から順に意味が積み上がります。

考え方は単純です。

左に行くほど大分類、右に行くほど細分類です。

例として、ある6桁コードがあったとします。

  1. 最初の2桁は類を示す
  2. 最初の4桁は項を示す
  3. 最初の6桁は号を示す

重要なのは、4桁と6桁は単なる桁数の違いではなく、分類の深さの違いだという点です。

4桁は品目の中心的な定義に近く、6桁はその中での細分です。

国際共通は6桁まで、8桁以降は国ごとに違う

実務で混乱しやすいのがここです。

HSは国際共通の制度ですが、各国の関税率表は国ごとの運用があります。

国際共通の範囲

HSの6桁までは、原則として世界共通です。

輸出入の相手国と話をするとき、まず6桁で合意するのが基本になります。

国別の範囲

8桁 9桁 10桁などは、国が独自に細分している部分です。

この部分は国によって桁数も中身も異なります。

同じ6桁でも、国によって8桁の分け方や税率が違うことがあります。

実務上の結論

分類の議論は、まず6桁の確定を優先します。

そのうえで、輸入国の関税率表で国別の細分を確認し、最終的な申告番号を決めます。

見出し文と注記が分類の土台になる

HSには、品目の見出し文と、注記というルールの文章があります。

見出し文だけ読んで決めると、誤分類が起きやすいです。

見出し文

項や号の言葉そのものです。商品を当てはめる入口になります。

注記(部注 類注など)

範囲を広げたり、逆に除外したりするルールです。

注記があることで、同じような商品でも分類が分かれます。

分類は、見出し文と注記の両方で決まるという前提を持つことが大切です。

この講座では、次章以降で注記の読み方を扱いますが、まずは、注記が分類の決定に影響するという事実を押さえてください。

HSと関税率表は同じではない

ここも初心者が混同しやすいポイントです。

HS

商品分類のルールと体系です。番号を決めるためのものです。

関税率表

HSの体系に税率や例外規定などを乗せたものです。

同じHSでも、協定税率や暫定税率、対象国による違いなどがあり、税率は条件によって変動します。

つまり、HSコードを決める作業と、税率を決める作業は、同じ流れの中にありますが、役割は別です。

まず分類を固め、その後に税率や制度条件を確認します。

HSは定期的に改正される

HSは固定されたものではなく、定期的に見直されます。

実務では、どの版のHSで話しているかが重要になります。

商品分類の検討資料や社内マスターでは、HS2022のように版を意識して管理することが安全です。

まとめ

HSは、部 類 項 号という階層でできている。

2桁は類、4桁は項、6桁は号で、6桁までが国際共通の骨格である。

8桁以降は国別で、最終申告は輸入国の関税率表で確認する。

分類は見出し文だけではなく、注記が土台になる。

次章では、分類の成否を決める商品情報の集め方を学びます。

 

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投稿者: shima

嶋 正和 株式会社ロジスティック 代表取締役社長

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