FTA-BPO 001: FTA-BPOという言葉を使うこと

FTA-BPOとはややこしいですね。

原産地証明関連の企業の業務をアウトソーシングで受託する仕事です。

Business Process Outsourcingの略称です

業務受託とかいえばわかりやすいでしょうか。

私たちが実施しているのは、FTAの関連業務を企業の人材が行うのではなくて、私たちが代わりに行う事です。

FTAの関連業務は企業に取っては面倒くさいものです。状況のアップデート(国間の協定ですのでアップデートされることが少なくない)、協定の内容理解、原産地証明をHSコード符番など確実に行うこと、原産判定をする機関とのやりとり、検認時の対応(とても面倒くさい)、証拠書類の確実な保管とアップデートなど専門的知識をもって継続的に行う必要があります。

企業に取って問題なのは、これらの仕事をする人がずっと同じとは限らないこと。

企業では人事ローテーションがあり、3~4年で頑張って学んだら他部門へ異動となることはざら。異動先でも有効な知識ならいいのですが、まず企業ではFTAに関与しない限りは不必要な知識です。

年配者で割と長くFTA業務を行う事もありますが、その人が定年退職した場合、ノウハウを他の人に移転することもなかなか難しい。

こういった問題から、自社で行うよりは、外部のプロに継続的に対応してもらった方が実は安く、かつ、正確に業務を行う事ができるのです。

経験をしたことのない方には理解が難しいでしょうが、FTAでは「検認」があります。

相手国により、FTAの原産地証明を使って関税を減免した数年後に、その証明が正しいかの査察があることです。昔に行った証明が正しいことをきちんと示すことが大事なのですが、以外とこれがむずかしい。担当者が異動・退職していたり、そのせいで証拠書類が見つからないなど、

検認は、企業のコンプライアンスに絡む問題ですので、FTAを活用する以上、企業は本来ちゃんとした体制を組んでおくべきなのですが、企業の経営者はFTAによる関税削減にばかり気を取られて、コンプライアンス部分を知らないことが多いのです。検認で否認されれば、企業に取っては面倒な問題を抱えるのにもです。

また、最近は新規でRCEPなどの大型のFTAがなくて、日本の企業は忘れがち。人材を配置することもなおざりとなっています。

そういった問題を企業が被らないように、FTAに特化した業務受託BPOをプロフェッショナルと一緒に立ち上げたのが、当方のFTA-BPOです。

FTA戦略的活用研究会の新規メンバー

最近、FTA戦略的活用研究会への加入申請が増えました。

最近加入された企業は以下です。

 ・ 株式会社島津製作所

 ・ 日東電工株式会社

 ・ TOTO株式会社

 ・ ヤマハ発動機

もう一社参加を希望される企業がいらっしゃいます。

大きな企業様が多いですが、企業のサイズは関係ありません。逆に、参加企業からの学びが得られるのが大きいですよ。

参加する条件は、その企業のFTAに関する取組みを話せる範囲で話す事。それをして頂ければ、ご参加頂けます。

ご関心のある企業様は、以下へメールを下さい。(事務局:ロジスティック宛て)

info@logistique-inc.com

FTA戦略的研究会 東京会場 第104回は盛況に終わりました

FTA戦略的研究会 東京会場 第104回は2025年6月24日に盛況に終わりました。

新たにメンバーが加わりました。
 ・ヤマハ発動機様

ヤマハ発動機のメンバーの方は以前は別の企業で働いていて、この研究会に参加されていた方で、転職をしてもこの会に参加されるとのこと。

会では、企業の相談事や報告事を企業が出し合い、意見交換をして頂きました。

今回で特に盛り上がったのはFTA原産地証明の業務におけるAIの活用。大阪のメンバーがHSコード符番にAIを活用して成果を出していたのを聞いていて、直接ヒアリングをされ、自社でもAIが活用できるようになったという、研究会の成果ともいえる活動をされていたことを報告されました。

また、8月時の会合ですが、JCCIのEPAシステムでTSVファイルを活用しての申請の仕組みをお話しいただけるとのこと。

従来のFTAのセミナーに比べれば遥かに濃い内容の会合となってきたことをうれしく思います。

FTA戦略的活用研究会にご関心がある企業様は、こちらへ

info@logistique-inc.com

FTA戦略的活用研究会 東京会場 #104が終了しました

FTA戦略的活用研究会 東京会場 #104が終了しました。

今回は参加人数が増えて、会場となる東京国際フォーラムの会議室がいっぱいになりました。

手狭になり、参加者にはご迷惑をおかけしました。

今回、新規の参加企業が1社。うれしい限りです。

議論したトピックは、
 ・日インドCEPAの最新状況。困ったことが発生
 ・AIを使ってのHSコード符番にアプローチした企業の報告。メンバー企業から教わり、かなりできるようになったとのこと。

がメインでした。

共に私にとっても勉強になる内容でした。

次回の105回は7月18日です。

セミナービデオ公開:FTA-BPOセミナー008「CTCルールの活用実態」 TSストラテジー株式会社代表取締役 藤森 陽子 氏 2025年6月18日

セミナービデオをYouTubeに公開しました。

FTA-BPOセミナー008 「CTCルールの活用実態」 

TSストラテジー株式会社代表取締役 藤森 陽子 氏  
・FTA BPOチーム メンバー 

セミナー日時
  2025年6月18日(木) 14:00~15:00

YouTube

無料FTA-BPOセミナー010「日インドCEPA:集まる関心と実務上の課題」

第10回目の無料セミナーのテーマは、日インドCEPA:集まる関心と実務上の課題です。


トランプ関税で先行きが見えない海外販売。その中で販売多角化にインドとの貿易への関心がかなり高まっています。

FTA活用のメリットも高く、日インドCEPAを活用することで関税を削減することが必須となっていますが、他国にはない運用等の課題も多いのがまた、日インドCEPA。


■■ 講師 ■■
株式会社ロジスティック 代表取締役 嶋 正 和 氏

■■ 開催日時 ■■
2025年8月25日(金) 14:00~15:00

■■ セミナー形式 ■■
Webでの開催のみ(Teams利用予定)
セミナーへのご参加は、実際にFTAを活用する企業に限定させていただきます。
お申し込みの後、ご参加頂く方にリンクをお送りいたします。

■■ 申込み ■■
このフォームにご記入の上、送信ボタンを押してください。
Webのみでの開催となります。ふるってご参加下さい。

FTA戦略的活用研究会 大阪会場 #28 HSコード符番のAI活用の話でした

FTA戦略的活用研究会 大阪会場 #28 HSコード符番のAI活用の話でした。

オムロンさんから発表があって、どうやってAIの適用をしているかとか、プラットフォームはどうしているのか、AIが得意な領域と苦手な領域はどうかなど、一般的な話よりは2段階は深掘った内容でした。

原産地証明でのAI利用は難しさがあるね、という意見で一致したのが感慨深いです。

新規では、日東電工さんが参加されていました。

大阪の懇親会は特に盛り上がり、いい研究会でした。

大阪では、次回の#29は、8月29日(金)に開催予定です。

FTA-BPOチームのHSコード専門家でも悩む事象

弊社が行っているサービスでFTAーBPOではHSコード符番の正しさは、大きな売りのポイントでもあります。

その品質を支えてくれるHSコードの専門家は元税関でHSコードを長年担当してこらえた人々で私は絶大な信頼を寄せています。

そういった人でもHSコード符番に悩むことがあります。

HSコードの符番方法には基本的なプロセスがありますが、大事な要素には類注を読み解いて符番をすることがあります。

問題はその類注の日本語が分かりにくいこと。もともと日本語は構造的な言語ではないので、言葉のかかり具合が分かりにくいのです。

その際にはこの注を作り出したオリジナルの文章である英語を読むことになります。それにより内容の正確さをつかみ取り、HSコード符番を行うのです。

その英語でも分かりにくい場合が発生します。そうなると解釈の問題にもなります。

更に問題を悪くするのはオリジナルの文章がHSコードの後半の章ではフランス語だったりするのです。そうなると原点に立ち返っても読むことが難しくなります。

昨今は翻訳ツールも発展していますが、正しく翻訳できているかわからない事もあります。

そういったところで悩んでしまうのです。

こういう問題がありますから、AIを活用したHSコード符番ツールが正しいかどうかは、最終的には人間の判断が必要になる気がしています。

トランプ関税に気を取られて

トランプ関税に右往左往させられている企業は多いですが、その一方で静かにサプライチェーンの変更が進んでいます。

アメリカ行きの荷物をカナダに切り替える動きですね。

事前に察知していたからか、バタバタという感はほとんどなく、動いています。

インド、オーストラリア、ブラジル、韓国など。日本も動いています。

アメリカに依存しない貿易秩序、こちらも見ておく必要がありそうです。