2025年7月25日:アメリカの相互関税率:国別一覧

最終更新時点:2025年7月24日(JST)/発効予定日:多くが2025年8月1日(米国側レター基準)。数値は米国側が示した「国別相互関税」率(=ベースライン10%を上回る国別率)です。日本・インドネシア・フィリピン・ベトナムなど一部はトランプ大統領のTruth Social投稿やホワイトハウス発表で引き下げが示唆されていますが、連邦官報での最終実装は未公表です。(Trade Compliance Resource Hub, Trade Compliance Resource Hub, The White House, ホランド・アンド・ナイト, Reuters, Reuters, Reuters, ポリティコ, ホランド・アンド・ナイト, フィナンシャル・タイムズ, ヤフーファイナンス)

表形式(国名/関税率/出所/備考)

国名関税率出所備考
アルジェリア30%Reed Smith “Trump 2.0 Tariff Tracker” (2025/7/23更新)8/1発効予定(7/7付レター)
アンゴラ32%同上同上
バングラデシュ35%同上元率37%→7/7改定
ボスニア・ヘルツェゴビナ30%同上元率36%→7/7改定
ボツワナ37%同上8/1発効予定
ブラジル50%(脅威)同上8/1発動予告/USTRが301条調査開始
ブルネイ25%同上元率24%→7/9改定
カンボジア36%同上元率49%→7/7改定
カメルーン11%同上8/1発効予定
カナダ0%(相互関税免除)同上USMCA品目等免除/別途232・フェンタニル関税あり
チャド13%同上8/1発効予定
中国34%(国別率)※現在一時停止中同上5/14〜8/12は10%ベースライン適用
コートジボワール21%同上8/1発効予定
コンゴ民主共和国11%同上8/1発効予定
EU30%(7/12改定)同上/FT報道15%案で協議中、未確定
フォークランド諸島41%同上8/1発効予定
フィジー32%同上8/1発効予定
ガイアナ38%同上8/1発効予定
インド26%同上8/1発効予定/25%脅威も併記
インドネシア19%(引下げ発表)Reuters/White House/同上元32%→7/15発表、実装待ち
イラク30%同上元39%→7/9改定
イスラエル17%同上8/1発効予定
日本15%(引下げ発表)White House Fact Sheet/Reuters/同上元25%→7/22発表、実装待ち
ヨルダン20%同上8/1発効予定
カザフスタン25%同上元27%→7/7改定
ラオス40%同上元48%→7/7改定
レソト50%同上8/1発効予定
リビア30%同上元31%→7/9改定
リヒテンシュタイン37%同上8/1発効予定
マダガスカル47%同上8/1発効予定
マラウイ17%同上8/1発効予定
マレーシア25%同上/Reuters交渉中(20%報道を否定)
モーリシャス40%同上8/1発効予定
メキシコ0%(相互関税免除)同上USMCA対象/別途25%“フェンタニル”関税脅威
モルドバ25%同上元31%→7/9改定
モザンビーク16%同上8/1発効予定
ミャンマー40%同上元44%→7/7改定
ナミビア21%同上8/1発効予定
ナウル30%同上8/1発効予定
ニカラグア18%同上8/1発効予定
ナイジェリア14%同上8/1発効予定
北マケドニア33%同上8/1発効予定
ノルウェー15%同上8/1発効予定
パキスタン29%同上8/1発効予定
フィリピン19%(引下げ発表)Reuters/Politico/同上元20%→7/22発表、実装待ち
セルビア35%同上元37%→7/7改定
南アフリカ30%同上8/1発効予定
韓国25%同上8/1発効予定
スリランカ30%同上元44%→7/9改定
スイス31%同上8/1発効予定
シリア情報未掲載現時点で公式率確認不可
台湾32%同上8/1発効予定
タイ36%同上8/1発効予定
チュニジア25%同上元28%→7/7改定
バヌアツ22%同上(原文“Vanuata”)8/1発効予定
ベネズエラ15%同上8/1発効予定/ベネズエラ産油購入国への追加関税注意
ベトナム20%(引下げ発表)Politico/H&K/同上元46%→7/2発表、実装待ち
ザンビア17%同上8/1発効予定
ジンバブエ18%同上8/1発効予定

(「同上」= Reed Smith LLP “Trump 2.0 Tariff Tracker”, 2025年7月23日更新。複数国のレートを一括参照。) (Trade Compliance Resource Hub, Trade Compliance Resource Hub)
(日本:ホワイトハウス資料/Reuters。インドネシア・フィリピン・ベトナム:Reuters/Politico/Holland & Knight。EU:FT報道で15%案、未確定。) (The White House, Reuters, Reuters, Reuters, ポリティコ, ホランド・アンド・ナイト, フィナンシャル・タイムズ, ホランド・アンド・ナイト, ヤフーファイナンス)


補足

  • ベースライン関税:現在10%(4/5発動)だが、トランプ大統領は“15〜20%へ引き上げ”を示唆(法的文書未発表)。(Trade Compliance Resource Hub)
  • 法的根拠:大統領令14257ほか/IEEPA。7/7・7/16などで改定・延長。(The White House, The White House)
  • 実装状況:多くは「8月1日発効予定」。官報掲載・HTSUS改正待ちのため、輸入申告直前に再確認を推奨。(ホランド・アンド・ナイト)

現時点では、カナダとメキシコには「相互関税(Reciprocal Tariffs)」は課されていません(免除=0%)。 Sandler, Travis & Rosenberg, P.A.Trade Compliance Resource Hub

ただし注意点:

更新が頻繁なので、申告直前に官報・CBP告知で再確認してください。 Sandler, Travis & Rosenberg, P.A.

2025年7月24日現在:アメリカの相互関税率:国別一覧

アメリカの相互関税率:国別一覧

現在の状況

2025年4月2日、トランプ大統領は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて相互関税制度を発表しました[1][2]。当初は4月9日から国別の個別税率が適用される予定でしたが、その後複数回延期され、現在は2025年8月1日から実施予定となっています[3][4]。

合意済み関税率一覧

以下は現段階で合意されている相互関税率の国別リストです:

国名関税率状況出所
日本15%2025年7月22日に合意成立[5][6][7]
中国34%8月1日実施予定[8][1]
欧州連合(EU)20%8月1日実施予定[8][1]
ベトナム46%8月1日実施予定[8][1]
韓国25%8月1日実施予定[8][1]
台湾32%8月1日実施予定[8][4]
インド26%8月1日実施予定[8][1]
英国10%8月1日実施予定[1][2]
タイ36%8月1日実施予定[8][4]
スイス31%8月1日実施予定[8][4]
インドネシア32% → 19%引き下げ合意済み[4][9]
マレーシア25%8月1日実施予定[8][4]
カンボジア49%8月1日実施予定[8][2]
南アフリカ30%8月1日実施予定[8][10]
ブラジル10%8月1日実施予定[2]
バングラデシュ37%8月1日実施予定[8]
シンガポール10%8月1日実施予定[11]
イスラエル17%8月1日実施予定[8][3]
フィリピン17% → 19%引き上げ合意済み[10][9]
チリ10%8月1日実施予定[11]
オーストラリア10%8月1日実施予定[12]
パキスタン29%8月1日実施予定[8]
トルコ未定交渉中[4]
スリランカ44% → 30%引き下げ済み[8][4]
コロンビア10%8月1日実施予定[11]
ペルー10%8月1日実施予定[11]
ニカラグア18%8月1日実施予定[8]
ノルウェー15%8月1日実施予定[8]
コスタリカ10%8月1日実施予定[11]
ヨルダン20%8月1日実施予定[8][3]
ドミニカ共和国25%交渉中[3]
アラブ首長国連邦10%8月1日実施予定[11]
ニュージーランド10%8月1日実施予定[11]
アルゼンチン10%8月1日実施予定[11]
エクアドル10%8月1日実施予定[11]
グアテマラ10%8月1日実施予定[11]
ホンジュラス10%8月1日実施予定[11]

追加の国々

その他の対象国(関税率):

  • アフリカ諸国: アルジェリア(30%)、アンゴラ(32%)、ボツワナ(37%)、カメルーン(11%)、チャド(13%)[8]
  • アジア諸国: ブルネイ(24%)、ラオス(48% → 40%)、ミャンマー(44%)[8][4]
  • 欧州諸国: ボスニア・ヘルツェゴビナ(35%)、リヒテンシュタイン(37%)、北マケドニア(33%)、セルビア(37% → 35%)[8][10]
  • その他: フォークランド諸島(41%)、フィジー(32%)、ガイアナ(38%)、モーリシャス(40%)[8][4]

特別な合意・交渉

成立済み合意

  1. 日本: 15%の相互関税率で合意(2025年7月22日)[5][6]
  2. インドネシア: 32%から19%に引き下げ合意[4][9]
  3. フィリピン: 新たに19%の関税率で合意[10][9]

交渉進行中

  • 欧州連合: 15%への引き下げが検討中との報道[9]
  • カナダ・メキシコ: USMCA協定の下で一部免除継続[2]

重要な注意事項

免除対象品目

以下の製品は相互関税の対象外です[1][2]:

  • 鉄鋼・アルミニウム製品
  • 自動車・自動車部品
  • カリ肥料、銅
  • 医薬品、半導体
  • 木材、地金
  • エネルギー関連製品
  • 米国で入手不可能な重要鉱物

基本税率

すべての国に対して基本10%関税が2025年4月5日から適用されており、上記の個別税率はこれに追加されるものです[1][2]。

現在も各国との二国間交渉が継続中であり、8月1日の期限に向けて税率の変更や新たな合意が発表される可能性があります[3][10]。

情報源
[1] Reciprocal Tariffs On All U.S. Trading Partners https://natlawreview.com/article/reciprocal-tariffs-all-us-trading-partners
[2] U.S. Reciprocal Tariffs Announced – 10% Tariffs Starting April 5th https://www.mondaq.com/unitedstates/international-trade-investment/1607272/us-reciprocal-tariffs-announced-10-tariffs-starting-april-5th
[3] Trump 2.0 tariff tracker – Trade Compliance Resource Hub https://www.tradecomplianceresourcehub.com/2025/07/23/trump-2-0-tariff-tracker/
[4] Trump 2.0 tariff tracker https://www.tradecomplianceresourcehub.com/2025/07/17/trump-2-0-tariff-tracker/
[5] Japan and U.S. reach tariff deal with ‘reciprocal’ rate at 15% https://www.japantimes.co.jp/business/2025/07/23/economy/us-japan-trade-deal-trump/
[6] Trump announces ‘massive’ trade agreement with Japan https://www.cnn.com/2025/07/22/business/japan-trade-agreement-us
[7] Trump sets 15% tariff on Japanese imports as part of … https://www.nbcnews.com/business/business-news/trump-sets-15-tariff-japanese-imports-part-investment-agreement-rcna220416
[8] [PDF] ANNEX I Country Reciprocal Tariff, Adjusted Algeria 30% Angola 32 … https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2025/04/Annex-I.pdf
[9] Trump tariffs live updates: Trump strikes deal with Japan as … https://finance.yahoo.com/news/live/trump-tariffs-live-updates-trump-strikes-deal-with-japan-as-eu-us-reportedly-close-in-on-pact-200619932.html
[10] Trump’s Trade Deals, Negotiations, Tariffs for Each Country | TIME https://time.com/7300389/trump-trade-deals-tariff-letters-deadline/
[11] U.S. Tariff Rates by Country – Trump Reciprocal Tariffs, April 2025 https://passportglobal.com/us-tariff-rates-by-country-2025/
[12] U.S. Tariffs by Country – 2025 Overview and Impact Summary https://www.avalara.com/us/en/learn/guides/us-tariffs-by-country.html
[13] See the Trump tariffs list by country – BBC https://www.bbc.com/news/articles/c5ypxnnyg7jo
[14] See the full list of reciprocal tariffs by country from Trump’s … https://www.cbsnews.com/news/trump-reciprocal-tariffs-liberation-day-list/
[15] Tariffs in the second Trump administration – Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Tariffs_in_the_second_Trump_administration
[16] US-Japan trade deal averts worst for global economy https://www.reuters.com/world/china/us-japan-trade-deal-averts-worst-global-economy-2025-07-23/
[17] Regulating Imports with a Reciprocal Tariff to Rectify Trade … https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/04/regulating-imports-with-a-reciprocal-tariff-to-rectify-trade-practices-that-contribute-to-large-and-persistent-annual-united-states-goods-trade-deficits/
[18] Trump announces steep tariffs on 14 countries starting Aug. 1 – CNBC https://www.cnbc.com/2025/07/07/trump-tariffs-trade-letters-japan.html
[19] U.S. Reciprocal Tariff Tracker | C.H. Robinson https://www.chrobinson.com/es-us/resources/insights-and-advisories/trade-tariff-insights/u-s-reciprocal-tariff-tracker/
[20] Presidential 2025 Tariff Actions: Timeline and Status https://www.congress.gov/crs-product/R48549

アメリカへの輸出は新たな時代を迎える

日本からの輸入に対して相互関税が15%と決まりましたが、それで終了というわけではないですね。

WTOによる貿易の時代は、一部の国とFTA利用をのぞき、同じ関税が適用されていましたが、トランプ大統領により、輸出国の違いで適用される相互関税が違うという事態になりました。

まだ交渉中でしょうか、例えばブラジルから輸入した場合に50%の関税が課せられる時代となります。同じ商品なら日本からの輸入だと15%のところをです。

つまり、その商品の原産地がどこかということが関税を左右させることになるわけです。

アメリカでは原産地の判定は「実質的変更基準 (Substantial Transformation)」が採用されます。例えば、基幹の部材までは中国で製造、組み立てをして、残りの簡単な生産を日本で行ってアメリカに輸出した場合、日本産とは認められず、中国産となるというのがこのルールです。

商品の作り方いかんでは別の国で作られたという判断をされるわけですね。日本が交渉で関税を15%にしたところで、実質的変更基準を満たさなければ、日本原産にはならないのです。現実的ではないですが、主たる部分をブラジルで作って、最終生産を日本で行ったのであれば、日本産ではなく、ブラジル産と判断される可能性があるということになります。その場合、関税は15%ではなく、50%ということになるわけです。

この基準が今回のトランプ関税の設定では大きな意味を持ちます。日本の企業はこの実質的変更基準を元にして原産国を自分たちの意図通り明確にできるようにサプライチェーンを再考する必要があります。

私の会社のロジスティックは、この実質的変更基準の適用・不適用は日本企業にとって大切な要素であると捉え、この基準で日本産であるかどうかを判断する模擬評価を行うサービスを始めました。「アメリカ原産地評価プログラム

無料というわけにはいきませんが、日本産から外れる可能性を検証するサービスを行います。

実質的変更基準では、事前教示が受けることができます。一番確かなのはアメリカでこの事前教示を受けることが安全な策となります。

ただ、その事前の段階で自社の商品に問題がないか、あるとすればどう対策すればいいかを把握し、改善することがこのサービスでわかりますので、是非お使い下さい。

本サービスに関して質問がございましたら、info@logistique-inc.com までお知らせ下さい。

相互関税の合意ですが、これで成功ですかね。

相互関税15%でさも成功したように政府はいっていますが、今までは平均3%の関税が15%になったんですよ。それも80兆円の投資とお米の市場のおまけ付き。

EUの落とし所がどこかわかりませんが、日本の自動車業界には大きなブレーキとなるのは間違いないです。その他の業界に対しても同様。

15%もの関税がかかれば、アメリカでの自動車販売価格は値上げ必至。

日本の企業はアメリカ以外の市場での拡販を真剣に考えないと、売り上げが減ることは必須。

状況を客観的に見ている企業は、他のマーケットへのアプローチを真剣に考えています。日インドCEPAの利用が増えているのが何よりの証左。

日本に相互関税15%で合意 コメ・自動車市場開放―米国に80兆円投資・トランプ氏

日本に相互関税15%で合意 コメ・自動車市場開放―米国に80兆円投資・トランプ氏

2025年7月23日

時事通信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2025072300215&g=int#goog_rewarded

2025年7月22日 時点:トランプ政権が提示・交渉中の「相互関税」国別レート(主な18 + αヶ国)

2025年7月22日 時点

トランプ政権が提示・交渉中の「相互関税」国別レート(主な18 + αヶ国)

国・地域通告レート*現状・交渉状況主な出所
中国125 %(4 月9 日通告)*5 月12 日 EO で一時停止 → 8 月12 日までは10 %ベースライン6 月26 日「予備合意」後も細部協議中(Fox Business, Trade Compliance Resource Hub)
ブラジル50 %通告のみ。正式協議入りを模索(ABC News)
カナダ35 %協議継続・USMCA 対象品は除外(ABC News)
EU30 %7 月22 日現在も交渉加速中(Reuters)
メキシコ30 %7 月12 日通告。交渉難航(Reuters)
日本25 %8 月1 日発効回避へ協議中(ABC News)
韓国25 %農産物・自動車を巡り交渉(ABC News)
インド26 %「暫定合意」見送り濃厚(ニューヨーク・ポスト)
パキスタン29 %7 月18 日訪米‐協議継続(Reuters)
インドネシア19 %7 月15 日合意(米国輸出品は0 %)(ホーランド・アンド・ナイト)
ベトナム20 %(違法トランシップ品は40 %)ベトナム側は未署名(ホーランド・アンド・ナイト)
フィリピン20 %大統領訪米を前に協議(ホーランド・アンド・ナイト)
タイ36 %レート引下げ交渉を継続(Reuters)
カンボジア36 %交渉停滞(ABC News)
バングラデシュ35 %交渉未開始(ABC News)
マレーシア25 %20 %への引下げ要請中(East Asia Forum)
スイス31 %草案合意済み・署名待ち(ホーランド・アンド・ナイト)
台湾―(対象外)良好な交渉継続(ホーランド・アンド・ナイト)

*「通告レート」は 2025 年8 月1 日(中国のみ 8 月12 日)に発効予定の水準。二国間合意が成立すれば削減または撤回される可能性があります。


全体像と留意点

  • ベースライン 10 %:4 月2 日 EO で全輸入品に課された統一関税。大半の国には 90 日間の猶予が与えられ、7 月22 日現在も交渉が続く。(The White House)
  • レート算定ロジック:各国の対米貿易黒字・既存障壁・為替操作度合いを加味して「相殺」するという政府説明。
  • 変更余地:大統領は IEEPA 権限でレートを随時上下できると表明しており、実際 7 月10 日には「ベースラインを15–20 %へ拡大する構想」も示唆。(Trade Compliance Resource Hub)
  • 法的リスク:5 月の連邦地裁判決で IEEPA 超権限との指摘が出たが、控訴中のため関税は現行のまま。(ホーランド・アンド・ナイト)

実務上のヒント

  1. 8 月1 日(中国は 8 月12 日)までに二国間合意が発表されるケースが増える見込み。自社製品の原産国別シミュレーションを早めに行う。
  2. 合意後も HTSUS Chapter 99 の追加番号でレートが細分化される可能性があるため、輸入申告時の番号変更に注意。
  3. レート確定後も、USMCA・CPTPP・FTA 特恵が残る品目は例外扱いになることが多い(カナダ・メキシコ・ベトナムなど)。

2025年7月22日時点:トランプ政権が交渉中の「相互関税」国別一覧

トランプ政権が交渉中の「相互関税」国別一覧

(2025年7月22日時点・公表レターやホワイトハウス文書などを基に整理)

国・地域通知済み関税率※交渉状況・補足主な情報源
アルジェリア30%8月1日発動予定の通知書送付11
バングラデシュ35%7月7日付レターで発表22
ボスニア・ヘルツェゴビナ30%7月7日付レターで発表22
ブラジル50%7月9日Truth Socialで公表33
ブルネイ25%7月9日付通知11
カンボジア36%7月7日付レター22
中国―(特別枠組み下で暫定合意)一時合意により別途協定交渉中44
フィジー32%実施延期(8月1日予定)55
ガイアナ38%実施延期(8月1日予定)55
インド26%レター送付・協議継続55
インドネシア32%(7月15日に19%へ減免示唆)レター送付済み55
イラク30%7月9日付通知11
イスラエル17%延期扱いで通知55
日本25%7月7日付レター、交渉難航2626
ヨルダン20%レター送付55
カザフスタン25%7月7日付レター22
ラオス40%7月7日付レター22
リビア30%7月9日付通知11
マダガスカル47%レター送付55
マラウイ17%レター送付55
マレーシア25%7月7日付レター22
モルドバ25%7月9日付通知11
モザンビーク16%レター送付55
ミャンマー40%7月7日付レター22
ナミビア21%レター送付55
ナウル30%レター送付55
ニカラグア18%レター送付55
ナイジェリア14%レター送付55
北マケドニア33%レター送付55
ノルウェー15%レター送付55
パキスタン29%レター送付55
フィリピン20%7月9日付通知、マルコス大統領が協議要請1717
ロシア25%(発動予告)1月22日・3月24日に警告55
セルビア35%7月7日付レター22
南アフリカ30%7月7日付レター22
韓国25%7月7日付レター、協議継続2828
タイ36%7月7日付レター22
チュニジア25%7月7日付レター22
英国―(合意済みと米側発表)最初の正式合意国33
ベトナム―(暫定合意)米側が「合意済み」と説明33

※通知レターに明記された「Reciprocal Tariff(相互関税)」率。発動日を迎える前に再修正・減免の可能性あり。

概要

  • 2025年4月の「Liberation Day」宣言以降、米国はほぼ全世界へ10%の基礎追加関税を課し、交渉不成立国には個別レターで更なる上乗せ率を通知。
  • 7月初旬にホワイトハウスがまとめて公開したレターでは、アジア・アフリカを中心に40超の国が対象となり、最大50%(ブラジル)までの高率を提示23
  • 実際の発動日は一律8月1日に延期されており、各国は駆け込み交渉を継続中68
  • 例外的に中国、英国、ベトナム、インドネシア(一部減免)は暫定もしくは「合意済み」と米側が主張し、高率関税リストから外れている435
  1. https://www.aljazeera.com/economy/2025/7/9/trump-issues-new-tariffs-for-six-countries-including-iraq-and-the-philippines
  2. https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/07/fact-sheet-president-donald-j-trump-continues-enforcement-of-reciprocal-tariffs-and-announces-new-tariff-rates/
  3. https://time.com/7300389/trump-trade-deals-tariff-letters-deadline/
  4. https://en.wikipedia.org/wiki/Tariffs_in_the_second_Trump_administration
  5. https://www.tradecomplianceresourcehub.com/2025/07/17/trump-2-0-tariff-tracker/
  6. https://www.politico.com/news/2025/07/16/trump-tariffs-small-countries-00456401
  7. https://www.aljazeera.com/news/2025/7/21/philippines-marcos-to-meet-trump-seeking-trade-deal
  8. https://www.cnn.com/2025/07/08/business/countries-respond-trump-tariffs-intl
  9. https://economictimes.com/news/international/us/trump-drops-massive-tariff-list-after-japan-and-south-korea-these-nations-face-heat-is-your-country-on-it/articleshow/122305068.cms
  10. https://economictimes.com/news/international/global-trends/trumps-tariff-letters-trumps-tariff-war-check-full-list-of-22-countries-got-tariff-letters-from-washington/articleshow/122360506.cms
  11. https://timesofindia.indiatimes.com/business/international-business/donald-trump-releases-tariff-letters-japan-korea-to-face-25-duties-from-august-1-2025-check-details-of-us-reciprocal-tariffs-countries-list-india/articleshow/122301007.cms
  12. https://uk.finance.yahoo.com/news/trump-tariffs-live-updates-eu-vows-to-retaliate-if-us-sticks-with-baseline-10-tariff-200619916.html
  13. https://www.bbc.com/news/articles/c5ypxnnyg7jo
  14. https://www.cbsnews.com/news/trump-reciprocal-tariffs-liberation-day-list/
  15. https://finance.yahoo.com/news/live/trump-tariffs-live-updates-eu-readies-its-reprisals-as-trump-pushes-for-higher-tariffs-200619060.html
  16. https://www.npr.org/2025/07/07/nx-s1-5407873/trump-tariff-rates-trade
  17. https://www.foxbusiness.com/economy/here-every-country-working-trade-deals-us
  18. https://uk.finance.yahoo.com/news/trump-tariffs-live-updates-china-hits-back-hikes-tariffs-on-us-goods-to-125-from-84-191201925.html
  19. https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/20250705_11/
  20. https://timesofindia.indiatimes.com/business/international-business/trade-war-donald-trump-threatens-2050-tariff-on-23-nations-check-details/articleshow/122414263.cms

FTA戦略的活用研究会 東京会場終了しました

本日は東京会場の研究会です。

企業プレゼンテーションは、ヤマハ発動機。

グローバルでのFTA活用の素晴らしさを教えてもらいました。質疑応答もヤマハさんからも参加者からも多く出て、活発な意見交換がなされました。

そして、FTA関連の企業の意見交換

テーマとしては、企業の定める原産地基準。トランプ関税とアメリカの原産地規則などいろいろなポイントが提起されました。

本日は私からも現段階の国別相互関税リストを配ってあります。いろいろな意見が飛び交いました。

そして最後のテーマは私が作成しつつあるAIによるHSコード符番システム。そのデモや成果物を見せてのお披露目会です。

皆さんには感心を持ってもらえたと思います。

懇親会は6名の方が参加しました。これくらいのサイズだと活発な意見が飛び交い、大変勉強になりました。

米国「相互関税」最新一覧(2025 年 7 月 17 日時点)

米国「相互関税」最新一覧(2025 年 7 月 17 日時点)
◎=直近1週間で公表・変更があった国

国名関税率出所
Algeria30 %The White House
Angola32 %The White House
Bangladesh37 %The White House
Bosnia & Herzegovina35 %The White House
Botswana37 %The White House
◎ Brazil50 %Reuters
Brunei24 %The White House
Cambodia49 %The White House
Cameroon11 %The White House
◎ Canada35 %Reuters
Chad13 %The White House
China34 %The White House
Côte d’Ivoire21 %The White House
DR Congo11 %The White House
◎ EU30 %supplychaindive.com
Falkland Islands41 %The White House
Fiji32 %The White House
Guyana38 %The White House
India26 %The White House
◎ Indonesia19 %Reuters
Iraq39 %The White House
◎ Japan25 %Reuters
Jordan20 %The White House
Kazakhstan27 %The White House
Laos48 %The White House
Lesotho50 %The White House
Libya31 %The White House
Liechtenstein37 %The White House
Madagascar47 %The White House
Malawi17 %The White House
Malaysia24 %The White House
Mauritius40 %The White House
◎ Mexico30 %supplychaindive.com
Moldova31 %The White House
Mozambique16 %The White House
Myanmar44 %The White House
Namibia21 %The White House
Nauru30 %The White House
Nicaragua18 %The White House
Nigeria14 %The White House
North Macedonia33 %The White House
Norway15 %The White House
Pakistan29 %The White House
Philippines17 %The White House
Serbia37 %The White House
South Africa30 %The White House
South Korea25 %The White House
Sri Lanka44 %The White House
Switzerland31 %The White House
Syria41 %The White House
Taiwan32 %The White House
Thailand36 %The White House
Tunisia28 %The White House
Vanuatu22 %The White House
Venezuela15 %The White House
Vietnam46 %The White House
Zambia17 %The White House
Zimbabwe18 %The White House

補足説明

  • 基礎資料は大統領令 14257 号の別表(Annex I, 2025 年 4 月 2 日改正版)で示された「調整後 reciprocal tariff」値がベースです。
  • ◎印の国は 2025 年 7 月 以降に公表された追加書簡・会見・報道で率が変更・確定したものです(いずれも 2025 年 8 月 1 日発効予定)。
  • USMCA など協定原産品は除外される場合があります(例:カナダ・メキシコで協定要件を満たす品目)。

出所の読み方