HS2022 第16類:肉、魚、甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲無脊椎動物又は昆虫類の調製品(Preparations of meat, of fish or of crustaceans, molluscs or other aquatic invertebrates, or of insects)

  • HS2022 第16類:肉、魚、甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲無脊椎動物又は昆虫類の調製品(Preparations of meat, of fish or of crustaceans, molluscs or other aquatic invertebrates, or of insects)実務向け整理 (Australian Border Force Website)

用語は次で統一します:類=Chapter、項=Heading(4桁)、号=Subheading(6桁)、部=Section、注=Notes(部注/類注)

0. まず結論:この類に入るもの/入らないもの(超要約)

  • この類に入る代表例(3〜6個):
    • ソーセージ類(肉・くず肉・血ベースのもの)や、それを基にした食品(1601)
    • ハム・ベーコン・缶詰肉・加熱済み肉加工品など「肉(くず肉・血)」の調製品/保存品(1602)
    • 肉・魚介のエキス/ジュース(1603)
    • ツナ缶・サバ缶・いわし油漬けなど「魚の調製品/保存品」(1604)
    • エビ・カニ・貝・イカ/タコ・ナマコ・クラゲ等の調製品/保存品(1605)
    • 食用昆虫の調製品(一定条件下で第16類に含めることを明確化) (税関ポータル)
  • この類から除外されやすい代表例(3〜6個/除外先の類・項も併記):
    • 生鮮・冷蔵・冷凍の肉(第2類)/塩蔵・乾燥・燻製の肉は多くが第2類(例:0210)側で検討
    • 生鮮・冷蔵・冷凍の魚介(第3類)/燻製の魚介は多くが第3類(例:0305)側で検討
    • **食用昆虫そのもの(未調製)**は第4類(0410.10 など)側(※「調製品」は第16類) (税関ポータル)
    • 詰物をしたパスタ等(第19.02項)— 第16類注2(20%ルール)の適用除外 (税関ポータル)
    • ソース類(2103)やスープ類(2104)— 第16類注2(20%ルール)の適用除外 (税関ポータル)
  • 実務での最重要分岐(1〜3個):
    1. 「単なる一次加工(冷凍・塩蔵・乾燥・燻製)」か「調製・調理(加熱・味付・缶詰等)」か(第2/3類 ↔ 第16類)
    2. 複合食品の“20%ルール”(第16類注2)+例外(19.02、21.03、21.04) (税関ポータル)
    3. 魚(1604)か、甲殻類/軟体動物/その他水棲無脊椎(1605)か、肉(1601/1602)か(主原料と形態で決める)
  • (任意)この類で特に“誤分類が高コスト”になりやすい場面:
    • 食肉加工品の輸入:日本では食肉・食肉製品は動物検疫の対象になり得て、書類不備だと通関・搬入が止まりやすい(一般論) (農林水産省)
    • キャビア:ワシントン条約(CITES)関連でラベリング/手続が論点になり得る(一般論) (経済産業省)
    • EPA/FTA:協定の参照HS版がHS2022と違うと、PSR選択や証明書記載HSがズレる(一般論) (経済産業省)

1. 区分の考え方(どうやってこの類に到達するか)

1-1. 分類の基本ルール(GIRの使いどころ)

  • **GIR1(見出し文言+注)**が最重要です。第16類は「調製品/保存品」の世界なので、**類注(特に注2)**で“複合食品の行き先”が変わります。 (税関ポータル)
  • **GIR3(混合物・複合品)**が効きやすいです。例えば「肉+魚介」「肉+野菜+ソース」などは、
    • 第16類注2の条件に当たれば第16類に入り、複数の対象成分を含む場合は最大重量の成分の項へという整理になります(ただし例外あり)。 (税関ポータル)
  • **GIR6(6桁の号の決め方)**では、魚種・容器(密閉/非密閉)・“均質化”など、号の分岐条件を順番に当てます。
  • 「品名だけで決めない」ための観点:
    • 主原料(肉/魚/甲殻類/軟体動物/その他無脊椎/昆虫)
    • 加工度(生鮮・冷凍・塩蔵・乾燥・燻製 ↔ 調理・味付・缶詰・瓶詰)
    • 形態(ホール/切身/ミンチ/練り)
    • 用途(そのまま食べる/調味料的/スープ基材)
    • レシピ(重量%)(20%ルールの判定に必須) (税関ポータル)

1-2. 判定フロー(疑似フローチャート)

  • Step1:主原料が肉/魚介/昆虫の「調製品・保存品」か?
    • ただの生鮮・冷蔵・冷凍 → 第2類/第3類側をまず検討
    • 調理、味付、缶詰、瓶詰、レトルト等 → 第16類が候補
  • Step2:複合食品なら注2(20%ルール)に当たるか?
    • “対象成分の合計が20%超”なら原則第16類
    • ただし 19.02(詰物パスタ)21.03(ソース)/21.04(スープ) は注2の適用除外 (税関ポータル)
  • Step3:第16類内で項(4桁)を決める
    • ソーセージ系 → 1601
    • その他の肉・くず肉・血(+昆虫の調製品もここへ入る場合あり) → 1602
    • エキス/ジュース → 1603
    • 魚(+キャビア) → 1604
    • 甲殻類・軟体動物・その他水棲無脊椎 → 1605
  • よく迷う境界(例:第○類と第○類の境界):
    • 第2類(肉)vs 第16類(肉の調製品):加熱済み・調理済み・缶詰化で第16類寄り
    • 第3類(魚介)vs 第16類(魚介の調製品):缶詰・瓶詰・味付など“調製/保存”の度合い
    • 第16類 vs 第21類(ソース/スープ):製品の性格が“ソース/スープ”として成立するか(注2の例外がある) (税関ポータル)
    • 第4類(食用昆虫そのもの)vs 第16類(昆虫の調製品) (税関ポータル)

2. 主な項(4桁)とその内容

2-1. 4桁(項)の主なもの一覧表(必須)

項番号(4桁)見出しの要旨(日本語)典型例(製品名)重要な分岐条件/除外/注意点
1601ソーセージ類(肉・くず肉・血)およびこれを基とする調製食料品ウインナー、サラミ、ブラッドソーセージ“ソーセージ様”の形態・性格か。単なる肉塊/切身は1602側のことが多い
1602その他の肉・くず肉・血(+昆虫の調製品を含み得る)の調製品/保存品ハム、ベーコン、コンビーフ、レバーペースト、肉団子、昆虫スナック(条件次第)**注2(20%ルール)**で複合食品がここに落ちることがある。1602.10(均質化)など号分岐が多い (税関ポータル)
1603肉・魚介のエキス/ジュースブイヨン濃縮、魚介エキス“調味料/エキス”としての性格。ソース(2103)やスープ(2104)との境界は用途・濃度・成分で要検討
1604魚の調製品/保存品、キャビア・代用品ツナ缶、サバ缶、いわし油漬け、魚卵加工、キャビア1604.11〜.19(ホール/ピースで“ミンチでない”魚)と1604.20(その他の調製魚)の区分。キャビアは1604.31/.32 (外務省)
1605甲殻類・軟体動物・その他水棲無脊椎の調製品/保存品えび加工、カニ缶、貝柱加工、いか/たこ加工、なまこ、うに、くらげ**密閉容器(airtight)**かで号が分かれる品目あり(例:えび 1605.21/1605.29)。種別サブヘディングが多い (外務省)

2-2. 6桁(号)で実務上重要な分岐(必須)

  • 分岐条件の整理(この類で多いもの)
    • 食品の性格(ソーセージ/エキス/魚介加工/肉加工)
    • 主原料の種別(魚種、甲殻類/軟体動物/その他無脊椎)
    • 加工形態(ホール/ピース/ミンチ、均質化)
    • 包装形態(密閉容器か)(特に1605の一部) (外務省)
    • **複合食品の含有量(>20%)**と例外(19.02、21.03、21.04) (税関ポータル)
  • 間違えやすい6桁ペア/グループ(2〜5組):
    1. 1602.10(均質化調製品) vs 1602.90(その他)
      • どこで分かれるか:**“均質化(homogenised)”**され、乳幼児食等の性格を持つか
      • 判断に必要な情報:製造工程(均質化の有無)、粒度、用途、包装形態、表示(ベビーフード等)
      • 典型的な誤り:「ペースト状だから均質化」と短絡(実際は単なるペーストで1602.90相当のことも)
    2. 1604.11〜1604.19(魚:ホール/ピース、ミンチでない) vs 1604.20(その他の調製魚)
      • どこで分かれるか:**“ミンチでない魚”**として列挙魚種に当たるか/それ以外(練り製品、ミンチ、成形品等)か
      • 判断に必要な情報:形状(切身/ほぐし/すり身)、製造工程、商品写真、商品規格書
      • 典型的な誤り:魚種だけで1604.14(マグロ等)にしてしまう(実際はミンチ・成形で1604.20のことがある) (外務省)
    3. 1604.31(キャビア) vs 1604.32(キャビア代用品)
      • どこで分かれるか:**魚卵由来の“キャビア”**か、代用品(別原料で魚卵様にしたもの)か
      • 判断に必要な情報:原材料表示、魚種/卵の有無、製法、商品説明書
      • 典型的な誤り:「粒状=キャビア」と誤認(代用品である場合) (外務省)
    4. 1605.21(えび:密閉容器でない) vs 1605.29(えび:その他)
      • どこで分かれるか:**airtight container(密閉容器)**に該当するか
      • 判断に必要な情報:容器仕様、密閉の定義(実務上は容器の構造・密封性を資料で確認)
      • 典型的な誤り:レトルトパウチを“密閉でない”扱いにしてしまう (外務省)
    5. 第16類注2(20%ルール)による「第16類」 vs 第21類(ソース/スープ)や第19.02(詰物パスタ)
      • どこで分かれるか:肉等(+昆虫等)の合計が全重量の20%超か、かつ **例外品(19.02/21.03/21.04)**に当たらないか (税関ポータル)
      • 判断に必要な情報:配合表(重量%)、内容量、製品の性格(ソース/スープ/パスタ該当性)
      • 典型的な誤り:「肉が多い=必ず第16類」と決め打ち(ソース/スープなら例外に当たり得る) (税関ポータル)

3. 部注と類注の詳細解釈(条文→実務的な意味)

3-1. 関連する部注(Section Notes)

  • ポイント要約:
    • 第16類は**第IV部(調製食料品等)**に属します。第IV部注では、統計等で出てくる **“ペレット(pellets)”**の定義が置かれています(主に飼料等で実務影響)。 (Australian Border Force Website)
  • 実務での意味(具体例つき):
    • 例:第23類の飼料用ペレット等で「ペレット扱い」の解釈に影響(第16類そのものでは頻出ではないが、同じ部内なので“部注の存在”は知っておくと安全です)。 (Australian Border Force Website)
  • “この部注で他章に飛ぶ”代表パターン:
    • 代表的には第23類(飼料)などで影響(第16類から直接飛ぶというより、部内の用語定義として横断的に効くタイプ)。 (Australian Border Force Website)

3-2. この類の類注(Chapter Notes)

  • ポイント要約:
    • **注2(いわゆる20%ルール)**が最大の実務ポイントです。
      • ソーセージ、肉、くず肉、血、(HS2022では)昆虫類、魚介等を1種以上含み、含有量合計が全重量の20%を超える調製食料品は原則として第16類。
      • 2種以上含む場合は最大重量の成分が属する項へ。
      • ただし 19.02(詰物パスタ) と **21.03(ソース)/21.04(スープ)**は例外。 (税関ポータル)
  • 用語定義(定義がある場合):
    • 例:1602.10(均質化調製品)の定義はサブヘディング注で示されます(均質化・小売用容器・幼児食等の性格)。
  • 除外規定(除外先の類・項も明記):
    • 例外として明示されているのは 19.02、21.03、21.04(注2の適用除外)。 (税関ポータル)
    • また、食用昆虫については「食用の昆虫類は第2類に分類されない」「調製品は第16類に含まれるよう明確化」と整理されています。 (税関ポータル)

4. 類注が分類に与える影響(“どこでコードが変わるか”)

この章は「類注があるからこそ起きる分岐」を可視化することが目的。

  • 影響ポイント1:複合食品の行き先が“重量%”で変わる(注2:20%ルール)
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):配合表(重量%)、内容量、製品の用途(ソース/スープ/パスタ該当性) (税関ポータル)
    • 現場で集める証憑:レシピ/配合表、BOM、栄養成分表示(参考)、製造工程表、商品写真
    • 誤分類の典型:
      • 「肉入りだから第16類」としてしまい、実は**ソース(2103)**として成立するのに見落とす
      • 逆に「加工食品だから2106(その他の調製食料品)」に逃がす(注2で第16類に入るケースを取り逃がす) (税関ポータル)
  • 影響ポイント2:HS2022で“昆虫類”が第16類の射程に明確に入った
    • 何を見れば判断できるか(必要情報):昆虫由来原料の有無・重量%、“調製品”か否か(未調製なら第4類側) (税関ポータル)
    • 現場で集める証憑:原材料規格書、製造工程、商品仕様書、成分表
    • 誤分類の典型:昆虫スナックを菓子(1704等)やその他調製食品(2106)に固定してしまう(注2や相関表では第16類への移り得ることが示されている) (税関ポータル)
  • 影響ポイント3:ココア含有の肉料理(チリ等)の“揺れ”を抑える方向の改正(結果的に第16類側が明確化)
    • 何を見れば判断できるか:ココア含有の有無、肉比率、製品の性格(肉料理か、ココア調製品か) (税関ポータル)
    • 現場で集める証憑:配合表、用途説明、商品ラベル、製法
    • 誤分類の典型:ココアが入っているだけで第18類へ寄せる(改正背景ではチリシチュー等が論点になった) (税関ポータル)

5. 分類でよくある間違い(原因→対策)

  1. 間違い:加熱済みの肉加工品を第2類(肉)にしてしまう
    • なぜ起きる:品名が“肉”で、加工度を見落とす
    • 正しい考え方(どの注・どの見出しが根拠か):第16類は“調製品/保存品”で、加工度(調理・缶詰等)で第2類と分かれます(一般論)
    • 予防策:製造工程(加熱・味付・缶詰)を仕様書で確認し、写真で状態確認
  2. 間違い:ツナ缶・サバ缶を第3類(魚介)で申告してしまう
    • なぜ起きる:原材料が魚で、缶詰=保存品の意識が薄い
    • 正しい考え方:第16類1604は“調製/保存した魚”が対象 (外務省)
    • 予防策:包装・保存形態(缶/瓶/レトルト)を資料化、商品説明の“prepared/preserved”表現を確認
  3. 間違い:肉入り複合食品を2106(その他調製食料品)に“逃がす”
    • なぜ起きる:複合食品は2106に入ると思い込み
    • 正しい考え方:第16類注2(20%ルール)に該当すると第16類へ(ただし例外あり) (税関ポータル)
    • 予防策:配合表(重量%)を必ず入手し、注2→例外(19.02/21.03/21.04)をチェック
  4. 間違い:ソース(2103)やスープ(2104)を、肉含有が多いから第16類にしてしまう
    • なぜ起きる:注2の“例外”を見落とす
    • 正しい考え方:注2は21.03/21.04には適用しない(ソース/スープとして成立する場合はそちらを検討) (税関ポータル)
    • 予防策:用途(かける/希釈してスープ)・粘度・食べ方の情報を商品説明で確認
  5. 間違い:キャビア代用品を“キャビア”として1604.31にしてしまう
    • なぜ起きる:外観が似ている
    • 正しい考え方:キャビア(1604.31)と代用品(1604.32)は分かれている (外務省)
    • 予防策:原材料(魚卵か、代替原料か)・製法資料・表示を必ず確認
  6. 間違い:えび加工品の“密閉容器”判定を曖昧にして1605.21/1605.29を誤る
    • なぜ起きる:容器仕様を分類資料に入れない
    • 正しい考え方:1605の一部は“airtight container”で号が分岐 (外務省)
    • 予防策:容器の仕様書、包装形態写真、ラベルの表示(缶/瓶/レトルト)を添付
  7. 間違い:魚肉練り製品(かまぼこ等)を魚種だけで1604.11〜.19に寄せる
    • なぜ起きる:魚製品=魚種分類だと思い込み
    • 正しい考え方:1604.11〜.19は“魚(ミンチでない)”の列挙、練り・成形は1604.20側の検討余地 (外務省)
    • 予防策:形状(ミンチ/練り)・工程(すり身化)を必ず確認
  8. 間違い:昆虫スナックを菓子(1704)に固定してしまう
    • なぜ起きる:見た目がスナック菓子で、昆虫の扱いが新しい
    • 正しい考え方:HS2022では昆虫食の分類が整理され、昆虫の調製品は第16類に含まれ得る。相関表でも他類からの移りが示される (税関ポータル)
    • 予防策:昆虫含有量(重量%)と“調製品”性(味付・加工度)を仕様書で確定

6. FTAやEPAで原産地証明をする際に気をつける点

6-1. HSコードとPSR(品目別規則)の関係

  • HSの付番がPSR選択に直結します。最終製品HSが違うと、必要なCTC(関税分類変更)やRVCの評価軸が変わり、原産性判断が崩れます(一般論)。 (経済産業省)
  • よくある落とし穴:
    • 原材料のHS(例:生肉/冷凍魚)と最終品(調製品)のHSを混同
    • “セット/混合”の扱いで、HSがズレたままPSRを見てしまう

6-2. 協定が参照するHS版の違い(HS2012/2017/2022のズレ)

  • 日本の輸出入申告など国内手続は、2022年1月1日からHS2022表記で運用されています。 (経済産業省)
  • しかし、EPA/FTAのPSRは協定ごとに参照するHS版が異なるため、証明書に記載すべきHSやPSR表の読み方が変わります。 (経済産業省)
  • 代表例(実務で遭遇頻度が高いもの):
    • RCEP:PSR附属書はHS2012に基づく旨が明記 (税関ポータル)
    • CPTPP:PSR(Annex 3-D 等)はHS2012ベースと解説される (Australian Border Force Website)
    • 日EU・EPA:PSR表(Annex 3-B)は**HS分類(2017)**として構成 (外務省)
    • (参考)MOFA掲載のあるPSR附属書では「本附属書は2017年1月1日改正のHSに基づく」と明記されている例があります (外務省)
  • トランスポジション(旧→新対応)の扱い方(一般論)
    • 協定参照HS(例:HS2012)のPSR表でルールを確認しつつ、国内申告(HS2022)とのコード対応表(相関表)で突合します。
    • 第16類はHS2022で**“昆虫”の位置づけが明確化**されているため、昆虫食品は特に“旧HSでどこに置いていたか”の履歴確認が重要です。 (税関ポータル)

6-3. 実務チェック(原産性判断に必要なデータ)

  • 最低限そろえる:
    • BOM(原材料表)、原産国、非原産材料のHS、製造工程、原価(RVCの場合)
  • 証明書類・保存要件(一般論):
    • 仕入書・製造記録・配合表・工程表など、HSの裏付けになる資料を“後から説明できる形”で保存
    • 自己申告制度の場合も、検証対応できるように整理(協定・税関ガイドに従う) (税関ポータル)

7. HS2022とそれ以前のHSコードでの違い(違うことになった根拠)

7-1. 変更点サマリー(必須:表)

比較(例:HS2017→HS2022)変更タイプ(新設/削除/分割/統合/文言修正/範囲変更)該当コード変更の要旨実務への影響
HS2017→HS2022範囲変更(明確化)第16類(類名・注2)食用昆虫(調製品)を第16類に含めることを明確化(注2の対象成分にも昆虫が入る) (税関ポータル)昆虫食品の分類が「各国ばらつき→統一方向」。既存の社内マスタ見直しが必要
HS2017→HS2022範囲変更(相関上の移替)1601.00 / 1602.10 / 1602.90昆虫調製品が、状況により他類(例:2106等)から第16類へ移り得ることを相関表が示す (税関ポータル)昆虫スナック等で、過去の分類根拠・取引実態の再点検が必要
HS2017→HS2022文言修正(除外明確化)第18類注(関連)ココア含有の肉等調製品が第18類にも分類され得る“揺れ”を抑える方向で、第16類側が明確化 (税関ポータル)「ココア入りチリ」等での分類争点が減り、説明がしやすくなる

7-2. 「違うことになった根拠」(必須)

  • 根拠資料として、以下を参照しました:
    • WCO相関表(HS2022↔HS2017):食用昆虫の取扱いを明確化する改正で、1601.00/1602.10/1602.90 への相関が示されます。 (税関ポータル)
    • 日本税関のHS2022解説資料:食用昆虫を第4類(昆虫そのもの)・第16類(調製品)に整理し、第2類には分類しないことを明確化、またココア含有の肉料理の論点を提示しています。 (税関ポータル)
  • これらの資料に基づき、「第16類はHS2022で昆虫調製品を射程に明示的に取り込んだ(範囲明確化/拡張)」、また「ココア含有の肉料理などの境界が整理され、実務上は第16類側が説明しやすくなった」と判断しました。 (税関ポータル)

8. HS2022以前で付け加えられたHSコード/削除されたHSコード

主要論点だけ、実務向けに“代表例”を整理します(第16類は大規模再編が頻繁な章ではないため、ポイントを絞ります)。

版の流れ主な追加・削除・再編(第16類)旧コード→新コード(例)コメント
HS2007→HS2012“その他水棲無脊椎”の一部が独立し、監視・統計のために細分された例例:1605.90(その他)→ 1605.61(なまこ)、1605.62(うに)、1605.63(くらげ)等へ細分 (goods-schedules.wto.org)1605内の種別管理が細かくなり、取引データの精度が上がる
HS2012→HS2017(少なくともWCO相関表で目立つ“第16類の大規模な6桁再編”は限定的) (税関ポータル)実務では“コード自体”よりも、各国国内細分や解釈(説明資料)の差に注意
HS2017→HS2022食用昆虫の体系整備(調製品を第16類へ)1601.00/1602.10/1602.90 等の範囲に昆虫調製品が入る整理 (税関ポータル)昆虫食品の分類統一により、過去の分類慣行とのズレが発生し得る

9. 類注違反による通関トラブル(想定事例)

  • 事例名(短く):肉入り調製食品を2106で申告して差戻し
    • 誤りの内容(どの類注/部注に抵触):第16類注2(20%ルール)の見落とし (税関ポータル)
    • 起きやすい状況:レトルト/冷凍の総菜で、品名が曖昧(“prepared food”)
    • 典型的な影響:修正申告、関税率再計算、原産地証明や規制要件の再点検
    • 予防策:配合表(重量%)を申告前に確保、注2→例外までチェック
  • 事例名:ソース(2103)なのに“肉が多い”として1602で申告
    • 誤りの内容:注2の例外(21.03)を見落とし (税関ポータル)
    • 起きやすい状況:ミートソース/カレーソース等で、用途説明が不足
    • 典型的な影響:分類是正、課税価格・関税率の差、統計誤り
    • 予防策:用途(ソース用途)・粘度・食べ方を商品仕様書に明記
  • 事例名:動物検疫対象品なのに必要書類が揃わず保留
    • 誤りの内容:分類自体より、規制(動物検疫)手続の見落とし
    • 起きやすい状況:ハム・ソーセージ等を輸入、検疫証明等の準備不足
    • 典型的な影響:搬入遅延、保管料、最悪の場合返送/廃棄(一般論) (農林水産省)
    • 予防策:輸入前に動物検疫の要否を確認し、必要な証明書・申請を段取り
  • 事例名:昆虫スナックを菓子で申告→第16類へ更正
    • 誤りの内容:HS2022で整理された昆虫調製品の扱い(注2・相関の趣旨)を反映できていない (税関ポータル)
    • 起きやすい状況:新規商材で社内HSマスタが未整備
    • 典型的な影響:統計・関税・PSRのやり直し
    • 予防策:原材料(昆虫重量%)と加工度の根拠資料を整備し、必要なら事前教示を検討
  • 事例名:キャビア輸出でCITESラベル/制度対応が不十分
    • 誤りの内容:CITES決議に基づく制度(登録・ラベリング等)を理解していない(手続面) (経済産業省)
    • 起きやすい状況:新規にキャビア輸出を開始
    • 典型的な影響:通関での照会、出荷遅延、取引停止リスク
    • 予防策:METI/水産庁の公表資料を確認し、ラベル・登録・申請の社内手順を整備

10. 輸出入規制事項(コンプライアンス観点)

  • 日本前提で、この類で頻出の規制・許認可・検疫を整理(該当があるものだけ)
  • 検疫・衛生(SPS等)
    • 食品衛生法(輸入届出):販売・営業用の食品等を輸入する場合、輸入者に輸入届出義務があり、検疫所で審査・検査要否判断が行われます。 (厚生労働省)
    • 動物検疫(食肉・食肉製品):肉・臓器は「加工品(ジャーキー、ハム、ソーセージ等)を含め」動物検疫の対象となり得ます。輸入時に検査・証明が必要なケースがあります。 (農林水産省)
  • ワシントン条約(CITES)等の種規制
    • **キャビア(チョウザメ目の加工卵)**はCITESの枠組みでラベリング等が論点になります(制度説明・導入が公表されています)。 (経済産業省)
    • 取引形態(輸出/再輸出/個人携帯)で要件が変わり得るため、必ず最新の公的情報で確認(一般論)。
  • 安全保障貿易管理(該当する場合)
    • 第16類は通常は安全保障輸出管理の中心ではありませんが、特定の用途・相手先・制裁対象等の一般的チェックは別途必要です(一般論)。
  • その他の許認可・届出
    • 製品により、食品表示、添加物規制、残留基準等の論点(食品衛生側)が発生します(一般論)。 (厚生労働省)
  • 確認先(行政・公式ガイド・窓口)
  • 実務での準備物(一般論)
    • 成分・配合表、製造工程表、写真、カタログ、輸入届出書類一式
    • 動物検疫対象なら輸出国政府機関の証明等、CITES対象なら許可・ラベル等

11. 実務チェックリスト(分類→通関→原産地→規制)

  • 分類前チェック(製品情報の収集)
    • 原材料(肉/魚介/昆虫)と重量%(注2判定用)
    • 加工状態(加熱、味付、缶詰、瓶詰、冷凍等)
    • 形状(ホール/切身/ミンチ/練り)、魚種・種別
    • 容器(密閉容器か)情報(1605の一部)
  • 分類後チェック(注・除外・境界の再確認)
    • 注2の20%ルールの適用/例外(19.02/21.03/21.04)
    • 1604の“ミンチでない魚” vs “その他の調製魚”の整合
  • 申告前チェック(インボイス品名、数量単位、補足資料)
    • 品名を「prepared/preserved」「canned」「seasoned」等、実態に合わせる
    • 配合表・工程表・写真を“説明できる形”で添付・保管
  • FTA/EPAチェック(PSR・材料・工程・保存)
  • 規制チェック(許可/届出/検査)

12. 参考資料(出典)

免責事項

本資料は、HSコード(品目分類)、通関、FTA/EPA原産地、輸出入規制等に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、特定の取引に対する法的助言、税務・関税上の助言、または通関上の最終判断を提供するものではありません。HSコードの最終的な決定は輸出入国の税関当局の判断により行われ、同一または類似の商品であっても、仕様・成分・用途・形状・加工度・取引実態・提出書類等により分類結果が異なる場合があります。関税率、原産地規則、輸出入規制、必要な許認可・検疫要件等は改正等により変更される可能性がありますので、必ず最新の法令・公的機関の公表情報・協定本文等をご確認ください。重要な取引については、税関の事前教示制度の活用、通関業者、弁護士・税理士等の専門家への相談を含め、必要な検証を行った上でご判断ください。本資料の内容の利用または利用不能により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いません。