米国「相互関税」制度 12月時点の運用確認ポイント


米国「相互関税」制度 12月時点の運用確認ポイント

通関現場でいま起きていることと、企業が外せない実務チェックリスト

2025年の米国通商政策は、「税率いくらか」という話よりも、「どの文書で、いつから、どの申告コードで動くのか」を最後まで追えるかどうかが勝負になっています。 とりわけ「相互関税」は、大統領令で枠組みが動き、HTSUS第99章の追加コードで実装されるため、社内の理解が追いつかないと、過払い・申告誤り・事後調査リスクが一気に顕在化します。 以下では、12月時点の制度の骨格を押さえたうえで、ビジネスパーソンが社内に指示しやすい「運用確認ポイント」を、通関と収益影響の観点から整理します。govdelivery+4


1. そもそも「相互関税」は何として動いているのか

米国の相互関税は、2025年4月2日の大統領令14257(番号は仮に付されており、実務上は後続の修正・補足も含めて読む必要があります)を起点に、国家緊急事態権限を根拠として関税を調整する枠組みとして整理されました。 具体的な税率は、HTSUS第99章の見出し(9903.02.xxなど)の追加コードで運用され、通常の1〜97章の分類に「上乗せ」または「置換」される形で適用されます。cassidylevy+2

その後、2025年7月31日の大統領令とそれを受けたCBPガイダンスにより、8月7日12時01分(米東部時間)から適用される国別の相互関税率と申告コードの運用が明確化されました。 関係文書では、国別税率が0%から15%(一部の国はそれより高率)までのレンジで設定され、表にない国には基準率(多くの実務解説は10%を想定)を適用する整理が示されています。dimerco+3

重要なのは、これは単なる「税率のニュース」ではなく、「申告実務の仕様変更」だということです。 輸入申告では、通常の品目分類(1〜97章)に加え、第99章の相応しいコードを正しく付番して初めて、意図した税率で課税されます。buckland+2


2. 12月時点の特徴は「合意で税率ロジックが変わる」こと

相互関税は、単純な「国別一律上乗せ」ではなく、交渉・合意の内容に応じて「合計税率の上限・下限」を設定するロジックへ置き換わるケースが増えています。 実務上は、対象国を「相互関税の計算ロジック別」に分類して整理することで、申告ミスを減らすことができます。geodis+2

代表例がEUです。EU原産品については、Column 1(一般税率)が15%以上の品目には追加相互関税を課さず、15%未満の品目については「一般税率+相互関税=15%」となるように調整する特則が、第99章見出し9903.02.19/9903.02.20として明記されています。govdelivery+2

日本についても、相互関税がMFN税率(Column 1)と連動し、15%を基準にロジックが分岐する仕組みが、CBPの通知・民間通関解説で一貫して示されています。 さらに12月時点では、韓国との「戦略的貿易・投資協定(Korea Strategic Trade and Investment Deal)」の関税要素が、連邦官報告示を通じてHTSUS改正として順次実装されています。westernoverseas+5


3. 企業が必ず押さえるべき運用確認ポイント

3-1. 適用関税の「足し算ルール」を誤解しない

初期のCBPガイダンスでは、ベースラインの関税と相互関税を一律に単純加算するのではなく、MFN税率と相互関税率の組み合わせ方が国・品目ごとに定義されていることが明確にされています。 EU・日本など一部の国では、「合計15%ルール」のように、最終税率のキャップ・フロアが決まっており、単純な「MFN+α」という理解では誤差が生じます。dimerco+3

このロジックを誤解すると、原価計算が体系的にずれ、営業見積・価格改定・顧客交渉など、収益関連の前提が崩れます。 ここは通関担当だけでなく、経理・営業とも共有すべきポイントです。geodis+1

3-2. 原産地の定義が「税率のスイッチ」になる

相互関税は国別税率で運用されるため、原産地判定がそのまま税率スイッチになります。 さらに、意図的・実質的な迂回輸出と認定された場合には、通常の相互関税とは別枠の追加関税(例:40%)が課され得るとするガイダンスも公表されており、CBPは迂回認定時に第99章コードを9903.02.01などの高率項目に切り替えて課税する運用を案内しています。jsconnor+2

したがって、サプライチェーンの上流段階から、原産地の根拠資料を「説明できる形」で整備することが不可欠です。 単なる原産地証明書の有無では不十分であり、製造工程・加工実態・トレーサビリティに基づいて、迂回と誤解されないストーリーを示せるかどうかが問われます。jsconnor+1

3-3. 第99章コードの付与ミスは「過払い」か「追徴」になる

EU向けの相互関税では、Column 1が15%以上か未満かによって、9903.02.19と9903.02.20のどちらを使用するかが分かれます。 ここを誤ると、不要な15%を多く払うか、逆に不足分が事後調査で追徴されるか、いずれかのリスクが生じます。buckland+3

日本品については、CBP通知と民間の通関実務解説によれば、Column 1が15%以上の場合は9903.02.72(追加0%)、15%未満の場合は9903.02.73(合計15%)を使用する整理が示されています。 併せて、Section 232対象品(鉄鋼・アルミ・銅、自動車・自動車部品など)は相互関税の対象から除外され、引き続き9903.01.33など従来のSection 232コードを使用するように指示されています。customscourt+4

3-4. 日付条件は「船積み」と「通関」の二段階で管理する

2025年7月31日の大統領令では、8月7日以前に最終輸送モードで積み込まれ、10月5日までに輸入申告が完了した貨物について、旧税率を適用できる経過措置が設けられました。whitehouse+1

この種の経過措置は、「船積み基準」と「輸入申告基準」という二つのタイミングをまたぐため、輸出側の船積み管理と輸入側の通関管理を分断すると漏れが生じます。 フォワーダー・ブローカー・輸入者の三者が、対象貨物リストを同じ定義・同じデータで共有することが必須です。fedex+1

3-5. 還付・ドローバックの余地を最初から織り込む

相互関税についても、一定条件のもとでドローバック(還付)が認められることが、初期のガイダンスや各種実務解説で明確にされています。 税率や対象国が頻繁に変わる局面では、過払いが起きやすく、後追いで回収できる権利を確保するために、輸入時点から証憑・データを適切に保存する設計が現実的です。 この領域は、財務・税務と通関担当が連携してルール化する必要があります。dimerco+1

3-6. 記録保存は「5年」を標準に、監査対応型で組む

複数の追加関税が並行して適用される中で、通関実務が不透明になりやすいこと、また将来の還付や事後調査に備えて通関書類の保存が重要であることは、各種実務レポートや日本語解説でも繰り返し指摘されています。 米国側の一般的な保存期間(5年)を前提に、監査対応型のファイル体系を組むことが望ましいとされています。geodis

ここでいう書類は、インボイスやB/Lだけでは不十分で、第99章コード選定の根拠、原産地判定メモ、分類根拠、社内決裁ログなどを含めた「説明パッケージ」を整えることがポイントです。buckland+1

3-7. 係争リスクを踏まえ、権利保全の姿勢を決める

IEEPA権限を用いて広範な相互関税を課すこと自体が、憲法・通商法の観点から争点となっている訴訟も係属しており、控訴審を経て最高裁に持ち込まれる可能性が示唆されています。 無効判断が出た場合でも、その効力の遡及範囲や差止の射程が争点となり得るため、企業としては「過払いの可能性」と「どの手続で権利を保全するか」をあらかじめ決めておくことが現実的です。cassidylevy+1


4. 12月時点の社内向けチェックリスト

  • 対象国ごとに、相互関税のロジック(単純上乗せ型/合計15%型など)を分類し、一覧表にする。govdelivery+1
  • 品目分類(1〜97章)と第99章コードの組み合わせルールを社内で文書化し、ブローカー任せにしない。jsconnor+1
  • Section 232対象の有無を確認し、相互関税から除外される場合の申告コード(例:9903.01.33)の運用を明確化する。jsconnor+2
  • 原産地根拠をサプライチェーン上流まで遡って整備し、迂回輸出認定による高率追加関税リスク(例:40%)を抑え込む。govdelivery+1
  • 経過措置など日付条件の対象貨物を抽出し、船積み・通関の両方のプロセスで共通管理する。whitehouse+1
  • ドローバックや還付の可能性を見越して、関係書類・データを輸入時から体系的に回収する。dimerco+1
  • 書類保存を5年基準で統一し、監査・還付・係争のいずれにも対応できるファイル構成とする。geodis
  • 連邦官報、ホワイトハウス発表、CBP通達(CSMSやGovDelivery)を定点監視し、変更を社内手順・マスターデータに即時反映する体制を作る。federalregister+2

まとめ

米国の相互関税は、税率そのものよりも、第99章コード運用と、合意に伴うロジック変更、さらに日付条件と原産地の説明責任が実務の主戦場になっています。 12月時点では、「制度は常に動くもの」として前提を置き直し、過払いと追徴の双方を抑え込む社内統制に落とし込めるかどうかが、企業のコストとリスクを分ける状況にあります。cassidylevy+3

注:本稿は一般情報であり、個別案件に対する法的助言ではありません。具体的な申告・還付・不服申立てについては、通関業者や米国通商・関税の専門家と連携して判断してください。geodis

  1. https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2025/07/2025ReciprocalTariffs_7.31.eo_.pdf
  2. https://content.govdelivery.com/accounts/USDHSCBP/bulletins/3ec7b5e
  3. https://www.westernoverseas.com/updated-guidance-on-japan-agreement/
  4. https://geodis.com/us-en/resources/customs-corner/us-tariffs-client-updates
  5. https://www.federalregister.gov/documents/2025/12/04/2025-21940/implementing-certain-tariff-related-elements-of-the-us-korea-strategic-trade-and-investment-deal
  6. https://www.cassidylevy.com/news/modifications-to-reciprocal-tariffs-signal-further-development-in-trump-trade-policy/
  7. https://hts.usitc.gov/search?query=European+Union
  8. https://dimerco.com/news-press/us-tariff-update-2025/
  9. https://www.buckland.com/wp-content/uploads/2025/09/Buckland-Tariffs-Presentation-New-U.S.-Tariff-Reality-September-2025.pdf?x64846
  10. https://jsconnor.com/tariffs/cbp-issues-guidance-on-increased-reciprocal-tariffs/
  11. https://www.customscourt.com/updated-tariff-guidance-u-s-japan-agreement-brings-15-baseline-rate/
  12. https://info.expeditors.com/newsflash/cbp-publishes-guidance-on-tariffs-and-duties-for-imports-from-japan
  13. https://www.govinfo.gov/app/details/FR-2025-12-04/2025-21940
  14. https://www.fedex.com/content/dam/fedex/us-united-states/International/United_States_-_South_Korea_trade_deal_implementation.pdf
  15. https://jsconnor.com/tariffs/updated-guidance-on-new-tariff-structure-for-products-of-japan/
  16. https://content.govdelivery.com/accounts/USDHSCBP/bulletins/3f2c91c
  17. https://www.federalregister.gov/public-inspection/2025-21940/implementing-certain-tariff-related-elements-of-the-us-korea-strategic-trade-and-investment-deal
  18. https://www.federalregister.gov/documents/2025/09/16/2025-17908/implementing-certain-tariff-related-elements-of-the-united-states-japan-agreement
  19. https://ustr.gov/about/policy-offices/press-office/fact-sheets/2025/november/fact-sheet-united-states-and-korea-agree-korea-strategic-trade-and-investment-deal
  20. https://www.chrobinson.com/resources/insights-and-advisories/client-advisories/2025q3/09-17-2025-client-advisory-us-japan-agreement-implementation-trade-agreement-tariff-modifications/

米国史上最大の通関詐欺和解:Ceratizit社に5400万ドル罰金


米国史上最大級と報じられた通関詐欺和解とは何か

Ceratizit社 5400万ドル決着が示す通関コンプライアンスの新常識
なぜこのニュースがビジネスに効くのか

2025年12月、米司法省は、タングステンカーバイド製品の米国内ディストリビューターであるCeratizit USA LLC(ノースカロライナ州シャーロット)が、未払い関税等をめぐる虚偽請求取締法(False Claims Act)に基づく民事案件について、5,440万ドルの支払いに合意したと発表しました。 これは、False Claims Actに基づく関税関連案件としては過去最大級の和解額と報じられており、通関分野における民事責任リスクの水準を象徴する事案です。 論点は、中国原産品に対するSection 301追加関税の回避、誤ったHSコード申告、原産地表示義務違反という、通関実務の中核そのものであり、申告の「結果責任」が改めて可視化されたといえます。finance.yahoo+2


事案の全体像

司法省および和解契約書によると、問題とされたのは主に次の3点です。grcreport+2

  1. 原産地の虚偽申告
    中国で製造されたタングステンカーバイド製品が台湾を経由して米国に輸入される過程で、原産地を台湾と申告し、中国原産品に課されるSection 301関税の支払いを免れたとされています。 対象期間は2020年8月から2024年3月までとされており、この間、中国製品を台湾原産と表示して輸入したとのアレゲーションが示されています。wttlonline+2
  2. HSコードの誤申告による関税低減
    和解契約書によれば、本来は工具用タングステンカーバイド製品(TCPs)をHTSコード8209.00.00(一般税率約4.6%)で申告すべきところ、HTSコード8311.90.00(一般税率Free)として申告したとされています。 対象期間は2015年6月頃から2024年3月までとされており、約9年にわたり関税率の低いコードへの誤分類が継続したと主張されています。hts.usitc+3
  3. 原産地表示義務違反とマーキングデューティ
    一部貨物について、原産地表示(country-of-origin marking)を欠いたまま米国内に供給し、本来支払うべきマーキングデューティを支払っていないとのアレゲーションが含まれています。 対象期間は2019年5月から2024年3月とされ、原産地ラベリングと追加関税負担の双方が問題化しました。justice+1

経緯を時系列で整理

  • 2015年6月頃から
    HSコードの誤申告による関税低減が始まったとされています(タングステンカーバイド製品を8311.90.00として申告)。justice+1
  • 2019年5月頃から
    原産地表示を欠いた貨物の輸入とマーキングデューティ不払いが問題になった期間とされています。grcreport+1
  • 2020年8月〜2024年3月
    中国製品を台湾原産として申告し、Section 301追加関税を回避したとされる期間です。wttlonline+1
  • 2022年10月
    内部通報者(リレイター)がFalse Claims Actのqui tam条項に基づく民事訴訟を提起したことが、和解契約書で示されています。finance.yahoo+2
  • 2025年12月
    司法省が和解を公表しました。支払総額は5,440万ドルであり、このうち内部通報者には約975万ドルの報奨金が支払われると報じられています。justice+2

なお、司法省は2025年8月に省庁横断の「Trade Fraud Task Force」を立ち上げ、関税逃れを含む貿易不正の摘発強化を明言しており、本件はその流れの中で象徴的な大型案件と位置付けられています。mdm+2


和解条件のポイント

和解契約書によれば、Ceratizitは総額5,440万ドルを支払うことに合意しており、そのうち約2,720万ドルはレストリビューション(政府の損失回復に充てられる性格)として位置付けられ、残額は民事制裁金等として扱われます。 また、支払額には一定の利息条件が付されている点も明記されています。justice+1

一方で、和解はCeratizitによる違法行為を認めるものではなく、司法省が主張する内容はあくまでアレゲーションであり、裁判による確定的な違法認定が行われたわけではない点も明確にされています。news.bloomberglaw+1


日本企業の実務に置き換えると、どこが危ないか

この案件が突き付けるリスクは、米国向け輸出企業だけでなく、米国に輸入者・販売子会社・ディストリビューターを持つ企業全般に直接響くものです。grcreport+1

  • 原産地は輸送経路ではなく実質で決まる
    第三国経由の物流自体は違法ではないものの、原産地の判断は実質的な製造国や実質的変更の有無で行われます。 経由国を形式的に原産地として申告する運用は、Section 301関税のような追加関税が絡む場面では最も危険な「地雷」となります。customsmobile+3
  • HSコードは価格ではなくルールで決まる
    税率がFreeのコードに「寄せたくなる」誘惑は常にありますが、分類は技術仕様と品目定義・通則に基づき決定されます。 本件のように長期間にわたり誤分類が継続すると、過少納付関税が累積し、一気に巨額の追徴・和解額に跳ね上がる可能性があります。usitc+4
  • 原産地表示は後回しにすると高くつく
    原産地表示義務の欠落は、単なるラベルミスにとどまらず、マーキングデューティという追加負担や、在庫隔離・リワークコストに連鎖し得ます。 製品本体・包装・同梱書類を含めた一貫した表示設計と、その監査プロセスの構築が不可欠です。justice+1
  • 内部通報が巨額回収の入口になる
    本件は内部通報者がqui tam訴訟を提起し、その結果として政府が介入し、回収額の一部が通報者報奨金として支払われる典型パターンです。 通関・関税領域でも、内部通報が現実の経営リスクとなっていることを示す象徴的な事案といえます。finance.yahoo+2

すぐに着手できる再発防止のチェックポイント

ビジネスマン向けに、優先度の高いポイントを整理すると、以下のとおりです。mdm+1

  • 原産地判定の根拠を、製造工程ベース(部材構成・加工内容・実質的変更)で文書化する。
  • 第三国経由取引について、物流スキームと通関申告上の原産地ロジックが整合しているかを定期的に検証する。
  • HSコードは、誰が・どの根拠で決定し、いつ見直すか(図面・仕様変更時など)を明文化し、監査可能なプロセスとする。
  • 原産地表示(本体・包装・ラベル・取扱説明書)の設計レビューを出荷前工程に組み込み、マーキングデューティ発生リスクを事前に抑制する。
  • 米国子会社や通関業者に丸投げせず、輸出者側でもインボイス・仕様書・バインディングルーリング等の証跡を一元管理し、自ら検証できる体制を整える。

まとめ

Ceratizit社の5,440万ドル和解は、関税逃れが疑われた論点が「原産地」「HSコード」「表示義務」という通関コンプライアンスの基本要素に集中していた点で、どの業界にも高い再現性を持つ事案です。 米国当局はTrade Fraud Task Forceの創設などを通じて貿易不正の取り締まり強化を明言しており、通関コンプライアンスはコスト削減のためのオプションではなく、事業継続の基盤として再設計すべき局面に入っています。mdm+2

  1. https://www.justice.gov/opa/pr/ceratizit-usa-llc-agrees-pay-544m-settle-false-claims-act-allegations-relating-evaded-0
  2. https://finance.yahoo.com/news/record-breaking-settlement-ceratizit-usa-214600318.html
  3. https://www.grcreport.com/post/ceratizit-to-pay-54-4-million-to-settle-allegations-of-evaded-customs-duties
  4. https://www.justice.gov/opa/media/1421296/dl
  5. https://www.wttlonline.com/stories/austrian-firm-settles-duty-evasion-case-for-544-million,14607
  6. https://hts.usitc.gov/search?query=8209000060
  7. https://rulings.cbp.gov/ruling/n343124
  8. https://www.mdm.com/news/legal-regulatory-issues-in-wholesale-distribution/cohort-legal/doj-settles-with-2-u-s-distributors-over-tariff-evasion-goods-smuggling/
  9. https://news.bloomberglaw.com/litigation/ceratizit-to-pay-54-4-million-in-fca-customs-duties-doj-deal
  10. https://www.customsmobile.com/rulings/docview?doc_id=NY+N238531&highlight=NY+N238531
  11. https://ustr.gov/sites/default/files/enforcement/301Investigations/Tariff%20List%20(83%20FR%2047974,%20as%20amended%20and%20modified%20by%2083%20FR%2049153).pdf
  12. https://www.usitc.gov/publications/docs/tata/hts/bychapter/1000c82.pdf
  13. https://hts.usitc.gov/reststop/file?release=currentRelease&filename=Chapter+82
  14. https://www.mlex.com/mlex/trade/articles/2424344/us-settles-with-north-carolina-firm-accused-of-evading-duties-on-chinese-tungsten
  15. https://www.mofa.go.jp/files/100096004.pdf
  16. https://www.freightamigo.com/en/blog/hs-code/hs-code-for-tungsten-carbide/
  17. https://hoodline.com/2025/12/charlotte-based-ceratizit-usa-settles-for-54-4m-in-customs-duty-evasion-allegations-under-false-claims-act/
  18. https://hts.usitc.gov/search?query=8311900000
  19. https://hts.usitc.gov/search?query=9903.01.25
  20. https://www.usitc.gov/tata/hts/archive/0000/000c82.pdf