最新情報(2026年3月13日現在)をもとに整理します。ホルムズ海峡は事実上の「閉鎖状態」であり、3月9日時点で通過船舶はわずか3隻にまで激減しています。spglobal

現在の航行制約
主要コンテナ船社・タンカー運航者は軒並み通過を停止または凍結しています。brf-logistics+1
- Hapag-Lloyd:無期限通過停止を宣言brf-logistics
- Maersk:ME11・MECLサービスをケープタウン経由に変更facebook+1
- CMA CGM:全船舶を安全水域に退避、喜望峰ルートに迂回facebook+1
- COSCO / Evergreen / OOCL(Ocean Alliance):アジア-欧州・地中海航路を喜望峰経由に固定facebook
- NYK(日本郵船)・MOL(商船三井):海峡通過を停止・スケジュール調整中facebook
- 多数の船舶がオマーン湾、サウジ中立水域などで錨泊・待機中instagram
- 米海軍はこの時点で商船のエスコート任務を担っていないと明言しており、タンカー護衛は公式には行われていません。nytimes
イラン海軍の残存戦力
2026年2月28日に開始された米・イスラエルによる「オペレーション・エピック・フューリー(Operation Epic Fury)」による打撃は甚大でした。YouTubeasiatimes
無力化・撃沈された主要艦艇(確認分):
- IRINS Makran(最大の前進支援艦・改造タンカー):バンダル・アッバースで炎上・撃沈asiatimes
- IRINS Shahid Soleimani(先導艦):3月3日に米軍が撃沈確認YouTube
- Shahid Sayyad Shirazi(フリゲート):炎上・大破asiatimes
- Shahid Bagheri(ドローン搭載艦):作戦開始直後に撃沈asiatimes
- Jamaran級コルベット1隻:チャフバハール港で撃沈確認asiatimes
- Fateh級沿岸潜水艦(最も能力の高い潜水艦):「船体に穴」で作戦不能と米CENTCOM確認asiatimes
- Ghadir級ミゼット潜水艦:複数撃沈確認YouTubeasiatimes
- ペンタゴン公表:合計20隻以上の海軍・IRGC艦艇が損傷または撃沈asiatimes
残存する脅威(重要):
- IGRCの小型高速艇・ミサイル艇については「数百隻」がバンダル・アッバース、ブーシェフル、アッサルイエの停泊地で攻撃されたとされますが、IRGC独自指揮系統下の小型非対称戦力は依然として相当数が残存しているとみられます。nytimes+1
- 正規海軍の主力は大きく削がれた一方、IRGC海上部隊による「スウォーム攻撃」「機雷敷設」「ドローン攻撃」などの非対称戦の能力は完全には排除できていません。nytimes
機雷の現状(最重要・最新情報)
ここが最も流動的で、かつ深刻な部分です。
3月10日(米側の発表):
- 米軍は機雷敷設任務に従事していた16隻のイラン艦艇を攻撃・撃破したとCENTCOMが発表。latimes+1
- トランプ大統領は「イランが機雷を敷設したとの報告はない。しかし、もし敷設したら直ちに撤去せよ」と警告。latimes
- つまり、この時点では「準備・企図」の段階にあり、大規模な機雷敷設は確認されていませんでした。nytimes
3月12日(英国側の発表):
機雷掃海の担当:
- 米海軍はバーレーン拠点の**タスクフォース56(TF-56)**を機雷掃海に指定。爆発物処理(EOD)専門部隊が自律水中ビークル(AUV)とサイドスキャンソナーを使用して対応中。nytimes
- ただし、掃海作業は敵が「敷設を続ける限り」堂々巡りになる構造的問題があります。
「船が通過できる状況」までの時間見通し
段階別に現実的なシナリオを整理します。
| 段階 | 条件 | 想定時間 |
|---|---|---|
| 軍艦・戦時護衛付きタンカーの限定的通行 | 停戦または大幅な敵対行為停止 + 掃海回廊の暫定確保 | 停戦後 数日〜1週間 |
| 特定国・特定貨物の試験的通行 | 一定期間の安定確認 + 戦時保険のカバー確保 | 停戦後 2〜3週間 |
| 一般商船の本格的な商業通行 | 機雷脅威の大幅低減 + 保険会社の通常条件復活 + 事故ゼロの実績積み上げ | 停戦後 最低1〜3ヶ月以上 |
最大の不確定要素は「政治」:
- 英国が機雷敷設開始を示唆した翌日(3月13日現在)の時点では、停戦の兆しはなく、イランの新最高指導者が「海峡閉鎖維持」を明言した状態です。bloomberg
- 交渉なしで軍事的に解決しようとする場合、機雷の再敷設と対抗の繰り返しで、解決は数ヶ月単位に長期化するリスクが高いと見るべきです。unctad+1
現状は「悪化方向」への最新ニュース(英国による機雷敷設確認)が出ており、今週・来週の外交動向と米軍の掃海進捗を引き続き注視する必要があります。
免責事項
本情報は、2026年3月13日時点において公開されている報道・各船社アドバイザリー・政府発表等の情報をもとに作成したものです。
ホルムズ海峡をめぐる状況は現在進行中の軍事・外交情勢であり、情勢は急速かつ予測不能な形で変化する可能性があります。本情報の作成後に、停戦・交渉の進展、機雷敷設・掃海状況の変化、各国政府・軍の発表、保険条件の変更等が生じた場合、本情報の内容は実態と乖離することがあります。
本情報に含まれる時間的見通し(例:「停戦後〇週間で通行再開」等)は、過去の事例および軍事・海事実務の一般論に基づく推計・シナリオ例であり、特定の事象の発生・実現を保証するものではありません。
本情報は参考目的のみを目的として提供されており、特定の輸送・保険・投資・調達上の意思決定の根拠として単独で使用することは推奨しません。実際の業務判断にあたっては、最新の政府発表、船社・保険会社のアドバイザリー、および専門家の助言を必ずご確認ください。
本情報の利用により生じたいかなる損害・損失についても、作成者は一切の責任を負いかねます。
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