HSコードは、FTAのためにあるんじゃないんだよ。

原産地証明をする際に、CTCで証明をしようと努力します。

簡単なHSコードもあるのですが、「これなに?証明がほぼ無理じゃないか。」というものに出くわすこともあります。

その際には、かなり細かい部材にまで立ち戻り、証明を試みるのですが、それが大変な手間です。

機械でしたら、沢山の部材がそれに当たるので、本当に厄介です。

HSコードの大家の人にそのことを聞くと、「HSコードは、FTAのためにあるんじゃないんだよ。

そうかもしれませんが、もうすこし、HSコード体系を根本から見直して欲しいです。FTAの証明が出来るかどうか以前に、おかしいと思う部分があるので。

とある産業でのFTA原産地宣誓書

今日会った人から、とある産業では輸入者のリクエストに応じて、何のエビデンスもなく原産地の宣誓書を出す例が後を絶たないのだそうだ。

この産業における原産地規則は特に厳しく、そう簡単にエビデンスは作れないはず。

なのに、ポンポン宣誓書が出ている。これは大変やばいのだとその人は言っていた。

逆に、輸入者から「お宅は対応できないの?」と疑われる始末だそう。

自己証明がもたらすいい加減な対応。これが大きなリスクとして返ってくるだろう。

昨日、Global Edge Forumのセミナーを大阪で開催しました。

昨日、Global Edge Forumのセミナーを大阪で開催しました。

テーマは、「TPPと日EU EPAから見えてきた日本企業の課題

日EU EPAの発効5か月ほどたち、自己証明の中での企業の実情がわかってきました。その中での対策に関してお話ししました。

論点は2つあります。

  • 原産地証明技術
  • サプライヤ証明への対処方法

実際のプロジェクトで見えてきたところをお話ししました。

多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。

大阪では2~3か月後にもセミナーをしようと、共同開催の日立ソリューションズさんとはお話をしていますので、お楽しみに。

第34回FTA戦略的活用研究会終わりました

6月21日に第34回のFTA戦略的活用研究会を行いました。

トムソン・ロイターのFTA関連サービスのアップデート、そして私からは、FTAにおける検認リスクをカバーする保険の可能性を討議させて頂きました。

保険はとても関心があるのですね。次回は保険会社にも参加頂き、その可能性とチャレンジを深掘りたいと思っています。

保険は「大数の法則」が必須であり、現時点では統計を国が公表していないので正直実現が困難です。しかし、この研究会を母体とすれば可能性は十分あると思っています。

また、企業プレゼンでは小林産業から、今後のFTAを活用した企業戦略のお話しがありました。かなりチャレンジングな内容で、その為にFTA戦略的活用研究会で意見が聞きたいとのこと。

チャレンジも多いですが、そのビジネスに乗ることを検討してもいいという会社もありました。

FTA戦略的活用研究会も、単なる勉強の場から様々な広がりを見せ始めました。

次回から9月まで東京国際フォーラムが改修でお休みとなります。その間はサポート企業の会議室をお借りすることになっています。次回は7月19日で赤坂にあるトムソン・ロイターさんで開催致します。

 

インドネシアEPAでの原産判定が4日でおりました。

とあるお客様のリクエストで、原産地証明の証拠書類作成を請け負い、日本商工会議所に申請をしました。

インドネシアEPAでのエビデンス(証拠書類)の確認で4日ほどで判定が下りました。商工会議所様の迅速なご対応、ありがとうございます。

遡及ができないので、時間が経つことが許されず、少々ナーバスにはなっておりました。

ここまですべきかと思う点も道中ございましたが、必要な情報を的確に記載すれば時間は判定は早いのだと言うことを再確認しました。

皆さんも、エビデンスをおっくうがらず、必要なものを確実に作成することをお勧めします。

ちなみに、当社が提唱しているフォーマットは以下のサイトからダウンロード可能です。(エクセルになります)

お役立ちFTA関連サイト

FTAの検認保険は可能か

様々なところで、FTAの検認に対する保険は可能かという議論をさせて頂いています。

検認時に、否認された場合、保険金やペナルティを支払ってもらう保険が想定されるものです。

そもそもリスクがあるのか、正しい証明をすれば要らない、という観点に立てば保険が成立する可能性も現実ないきもしますが、現状の原産地証明の支援環境を考えると、経営としてはあると助かる部分でもあります。

保険として成立しないと考えるのは、やはり、検認確率が明確に出来ないこと。特に官庁は検認の発生に関する情報をほとんど開示していません。

保険は「大数の法則」に基づくもの。その根拠となるデータが開示されない限り、保険の商品化は難しいでしょう。協定によりその発生率も違うのは保険の成立を阻むもので、成立するとしても協定別の掛け率となると思われます。

また、自動車と同じで、証明する企業、人により証明の精度が違うため、自動車保険の「等級」の様なものが必要でしょうし、生命保険時の「問診」のような、証明能力の査定も必要となると思われます。

現実味が少々薄い保険ですが、「出来るとすればどうやればいいか」を検討することも決してムダではないので、出来れば次回のFTA戦略的活用研究会で少しでも討議したいと思っています。

企業のFTAに対する姿勢:日本企業、これでいいの

昨日、とある企業から弊社へ電話を頂戴しました。

「原産地証明の作成支援をお願いしたい。その前に、一つ聞かせてくれ。」

「当社は商品を輸出しているが、商品を仕入れているのみで作っていない。」

「メーカーに聞かず、当社の情報だけで証明した場合、罪に問われるか。」

面倒なのかちゃんとした情報を集めずに原産地証明をしようとする日本企業が多くあります。

証明に必要な情報がきちんとあるのであれば、当然問題はないですが、その場合、日本商工会議所も私の会社も「証拠書類に生産者の捺印をもらってくださいね。」とアドバイスしています。

情報が正しければ、問題なく生産者は捺印するからです。

捺印が出来ないとなると、面倒なのか、やましいところがあるからでしょう。

今、日本商工会議所の多くの事務所は、「捺印をもらってくれ」と指導しています。

しかし、日EUなどで自己証明が進展すれば、捺印をもらう義務がなくなります。証明は企業に委ねられ、証明姿勢がいい加減でも減産としての宣誓は出来てしまいます。

罪に問われるかどうかを考える前に、企業として証明する事への姿勢を考えてほしいものです。

まだまだ小僧

今日、HSコードの大家と会食。

私も年をとったと思っていたが、「小僧」呼ばわり。

もっとも、悪い意味でおっしゃってはいないけどね。

大家は71歳。

来週から南スーダンに行って、HSコードの導入を支援するのだそう。

負けていられない。

第28回GEFセミナー「TPPと日EU EPAから見えてきた日本企業の課題」を大阪で開催します

GEFとして2月以降久しぶりのセミナーです。

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TPP11、日EUが発効し、4か月以上が経ちました。

FTAに対しての関心が高まり、活用が進む一方、新たな課題も表面化してきました。

Global Edge Forumでは,’TPPと日EU EPAから見えてきた日本企業の課題’と題してセミナーを大阪にて行います.

今回は日立ソリューションズ株式会社と共同でのセミナーとなります。

一般のセミナーでは語られることのない、FTA活用でのポイントをお話しすることで、きっと皆様のお役に立つと思っております。

      記

日時: 2019年6月24日(月) 14:00~17:00

場所: 大阪(大阪市北区堂島浜一丁目2番1号 新ダイビル)
・今回はLive配信はございません

講演: 「TPPと日EU EPAから見えてきた日本企業の課題
・株式会社ロジスティック 代表取締役 嶋 正和
FTAソリューションについて
・株式会社日立ソリューションズ

費用:  無料

詳細、申し込みはこちらから

FTAにおけるサプライヤ証明の証明品質を確実にするには

現在のお客様で、FTAのサプライヤ証明に対して、当方のアドバイスを汲み、迅速に対応している企業があります。

サプライヤ証明は、自社の証明品質の一部を他社に委ねてしまうもので、その企業が確からしい証明をしているかどうか正直測りかねる、厄介なものです。

納入される商品の品質は、検査することで確認できますが、サプライヤ証明は、その証明書を信じるか、証拠書類も提出させ、品質の自社管理におくかどうかという施策になりがちです。

ロジスティックとしては、以下の流れで対応しています。

  • 自社商品の証明パターンを最初に整理する
  • サプライヤ証明が必要でないような、またはできる限り少ないサプライヤ証明に出来ないかを考える
  • 該当するサプライヤを絞る。サプライヤの経営陣に
  • サプライヤ証明での原産地規則はCTCとし、VAを使わない
  • 自社でサプライヤ証明の証拠書類を作成し、サプライヤにその妥当性を検証してもらう。サプライヤに手間をかけさせない(かけさせる方が証明品質が不確実となる)
  • 問題なければ、証拠書類に捺印(サイン)をしてもらう

今のお客様はたまたま、サプライヤ協力会の会合があったため、上記の整理をした上で、

  • 協力会の会長に事前にサプライヤ証明の必要性とそのアプローチ方法を説明し、納得を得る
  • お客様の社長から、協力会でFTAに対する企業アプローチとサプライヤ証明に対する取り組み、協力の依頼をしてもらう

というプロセスを踏むことが出来ました。納得性を双方に作り出すことができ、サプライヤ証明の証明品質もまず問題なくなると思います。

FTAでの成功はやはり、経営者とサプライヤの理解が重要であることを再確認でき、うれしく思います。