日タイEPAに続き、3つの原産地規則・品目別規則の本を発行しました。
部門に1冊、必需品です。
値段はそれぞれ 5,000円+消費税となります。(送料無料となりました)
No.2: 日インドCEPA
No.3: 日インドネシアCEPA
No.4; 日ベトナムEPA
今後発刊予定は、
No.5 日ASEAN CEPA(AJCEP)
NO.6 日マレーシアEPA
です。
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世界で有利に戦うための考え方
日タイEPAのわかりやすい原産地規則・品目別規則の本を発行しました。
部門に1冊、必需品です。
値段: 5,000円+消費税+送料
本の特徴
企業がFTA活用をする際に、FTA協定文で重要な以下の2つを活用しやすいフォーマットにしました。
FTAを活用するなら一度は目を通しておきたい原産地規則
縦書きで読みにくい協定文を横書きに、漢数字をアラビア数字にして読みやすくしました。
表記がわかりにくい品目別規則
協定附属書2を整理し、表記を原産地規則と同じように縦書きを横書きに、漢数字をアラビア数字にするだけではなく、厳密な記述故に読みにくくなった部分を削除し、シンプルにした上で、CTCならどの規則になるか、VAなら何パーセントかも合せて記載しました。
HSコードの比較表を付録に
現在使われているHSコードは2017年のもの。日タイ協定はHS2002で記述されています。変換が必要で、煩わしいもの。それを簡単に行うための変換表を添付しました。
この1冊で日タイEPAの対象商品の原産地規則を調べることが出来る本になっています。
ぜひ、お買い求めください。
第二弾は日インドネシアEPAを予定しています。
購入ご希望の方は、下記のフォームにご記入下さい。追って購入方法をご連絡します。
車生産に足かせ不可避 NAFTA再交渉期限迫る 原産地規則・賃金条項焦点に/米離脱なら混乱 *
2018年5月14日
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30437130S8A510C1EA2000/
自動車メーカーには困った原産地規則になりそうです。
でも、「誰得」なんでしょうかね。これでアメリカがよくなるとは限らない。
日EU EPAの原産地規則が一部明らかになっています。(正しい答えは、正式な協定文まで待っていただき、あくまで参考としてください)
本日は自動車です。
自動車(HS8701-8705)の原産地規則は、非原産材料の比率が45%まで。
但し、乗用車(HS8703)は、条件が最初の6年は少し緩和されています。
また、乗用車には、面白い既定が存在しています。
日本とEUがそれぞれ同じ国とFTAを結んでいる場合(例えばベトナム)、その国の原産材料を累積として使う事が出来る(累積)という条項があります。(自動的に適用できるのではなく、原産証明がある場合)
今あるのは、ベトナム、シンガポール、スイスですね。
ベトナム製の材料を原産材料として見ることも可能になるわけです。
今後、日本やEUのFTAが増え、共通の国が出来れば原産性を証明しやすくなります。
今後どうなるか分かりませんが、日=イギリス、EU=イギリス(EU離脱後にFTA)となれば、日本の部材でイギリスで製造した車に日本製部材を原産とみることも可能になるということです。
FTAでは、原産地証明で適用する原産地規則がかなり大事であると思っています。
原産地規則には3つの種類があります。
企業は適用基準を好きに選べるわけではありません。協定、及び輸出商品の該当するHSコードにより使える原産地規則が決まっています。多くの場合、CTCかVAの選択が出来るようになっています。
大型客船のような一品ものは、付加価値基準(VA)で問題はないとは思いますが、同じ商品が何度も輸出されるような場合は、関税分類変更基準(CTC)の方が断然使い勝手がいいです。
しかし、実際にはVAを使われる企業が多くあります。計算しやすいからとのことですが、私の経験からすると、むしろVAは証明するのが厄介です。
構成部材毎のコストを計算する必要がありますし、その計算根拠もちゃんと出せるようにする必要があります。また、VAの場合は本来は輸出毎に証明をする必要があるのです。現実はそれは無理なので、企業内でのルール作りをして、そのチェック頻度を企業として明確にして、原産性が維持されていることを確認続ける必要があります。
VAが使われるのに、「計算がしやすいから」という理由意外に別に理由があるととある人から聞きました。「監査法人は、VAの方が自分たちの専門性が生きるし、仕事も継続してもらいやすくなるから。」だそうです。
確かに。
原価計算、システム化では彼らに一日の長があります。一方、CTCで必要となるHSコードは素人に等しい。
どれだけ、本当なのかはわかりません。
ただ、多くの工業製品でCTCとVAの選択が出来る場合は、CTCにした方が企業にはメリットが多いし、相手国の検認にも強いですよ。
経済産業省委託事業でEPAアドバイザーをしていますが、いつも悩まされるは、経済産業省や日本商工会議所が記載していることと、企業がそれを解釈することのギャップです。
「生産者」の定義に関して、以前アドバイスをした企業から質問がEPAデスクにあったのですが、「経済産業省のHPと嶋のいうことが違う」というものでした。
設計や品質保証をしているだけでは「生産者」としては認められません。
ただ、企業からすれば「そこまでやっているのだから生産者だろう」という気持ちになります。残念ながら、証明ルール上はそうはならないのです。
ただ、その内容を説明資料の文言から読み解けないことも理解できます。
EPAデスクから丁寧に説明して頂くようお願いしましたが、アドバイザーとして本当に悩ましい。
国はEPA(FTA、TPP)を使え、というのですが、明確な原産地規則を企業がわからない以上、その要望の実現は困難であると思います。これは国のFTA活用推進の大きな課題でしょう。