米国の「相互関税」は、2025年4月に導入(原則10%)。日本向けは当初国別追加率24%が適用予定だったが、9月4日付の大統領令で日本品目は「合計15%へのトップアップ」方式(MFNが15%未満の品目は合計15%に、15%以上は追加0%)へ変更。8月7日に遡って適用され、9月16日頃までに実装される見込み。これにより日本からの対米輸出の関税水準は実務上15%が目安。 The White House+2The White House+2Reuters
9/4:大統領令「Implementing the United States–Japan Agreement」発出。日本は「合計15%にトップアップ」。自動車・航空・一部医薬・資源等は別建て取扱い。8/7に遡って適用。9/16頃までに施行見込みと日側が発表。 The White HouseReuters
付加価値基準(VA: Value Added) 非原産材料の価額の上限(MaxNOM)や、協定域内で付加された価値の割合(RVC)を定める基準です。SP基準の代替として選択できる品目が多くあります。
MaxNOM(Maximum value of non-originating materials):非原産材料価額の上限。 計算式例: MaxNOM=VNM÷EXW×100≤規定の割合(%) (VNM: 非原産材料価格, EXW: 工場渡価格)
RVC(Regional Value Content):域内原産割合。 計算式例: RVC=(FOB−VNM)÷FOB×100≥規定の割合(%) (FOB: 本船渡価格)
不十分な加工(Insufficient Working or Processing) 乾燥、包装、ラベルの貼り付け、単なる混合や組立てなど、産品に実質的な変更を加えないと見なされる軽微な作業です。たとえ品目別規則(PSR)の他の要件を満たしても、これらの作業しか行っていない場合は原産性が認められません。
大統領令は「Modifying The Scope of Reciprocal Tariffs and Establishing Procedures for Implementing Trade and Security Agreements」です。
何を定めた命令か
4/2のEO 14257で導入した「相互関税(reciprocal tariff)」の適用除外リスト(Annex II)を更新し、同時にHTSUSの技術的改定(Annex I)を指示。署名から**3日後=9/8(米東部)**に発効します。The White House
さらに、他国と結ぶ**「貿易・安全保障の枠組み合意/最終合意」を実装するための手順(セクション3〜6)**を整備。例としてEUとの枠組みを挙げ、「条件を満たせば特定品目の相互関税を0%に下げ得る」と明記しています。The White House
大統領は「Aligned Partners向け潜在的関税調整(PTAAP)」の付属書を設け、米国で産出が乏しい天然資源、一定の農産品、航空機・同部品、特許非存続の医薬系品目などを“0%対象候補”として列挙しました(個別合意の内容次第で国ごとに異なる可能性)。The White House+1
Annexの中身(代表例)
Annex I(HTS改定)には、相互関税の扱いを調整する品目として金(7108.11/12.50/13.10/13.55/13.70/20)、ニッケル関連(7501〜7504、7202.60)、天然黒鉛(2504.10.*)、LED素子(8541.41.00)等のHTSが追加。逆にアルミン酸塩(2818.30.00)や一部樹脂類(3907.*)、**シリコーン(3910.00.00)**などは除外リストから削除されています。The White House
Annex II(適用除外の更新版)・**Annex III(PTAAP)**はPDFで公表されています。The White House
「日米物品協定」は入るのか?
この9/5の命令そのものは、既存の2019年の「日米物品貿易協定(USJTA)」を名指ししていません。本命令は“包括的な実装の仕組み”と“品目候補(PTAAP)”を示した総則です。The White House
ただし日本は前日(9/4)の別個の大統領令「Implementing The United States–Japan Agreement」で個別実装されています。そこでは、日本からの輸入に原則15%のベース関税を適用しつつ、自動車・航空機などを別建てで扱い、天然資源や後発医薬品等は相互関税0%にできる権限を商務長官に委任――といった具体が規定されています(自動車等の取扱いや遡及適用日も明記)。The White House
まとめると、2019年のUSJTAそのものが「9/5命令」に自動的に内包されるわけではなく、2025年に新たに合意された「米日合意」は9/4命令で実装、9/5命令はその実装を可能にする共通フレーム+対象候補品目を提示した位置付けです。The White House+1