日本への相互関税の現在地と今後の見通し


要約

  • 米国の相互関税導入と日本への影響
    • 米国は4月の大統領令に基づき、一律10%の追加関税を導入。その後の修正により、**日本向けには「15%」**の相互関税が設定されました。
    • 本措置は2025年8月7日通関分から適用されています(HTSコード: 9903.02.30)。
    • なお、既存の通商拡大法232条に基づく追加関税(鉄鋼・アルミニウムは50%、自動車は25%)とは、原則として重複適用されません
  • 施行初期の混乱と実務上の注意点
    • 施行初期に一部で重複課税が発生しましたが、日本政府の働きかけにより、米側は是正と超過分の返還手続きを進めることを確認済みです。
    • 実務においては、改定された大統領令および米国税関・国境警備局(CBP)の最終的なガイダンスを常に確認することが不可欠です。
  • 法的な不確実性
    • 根拠法である国際緊急経済権限法(IEEPA)の有効性について、控訴裁判所が違法との判断を示しました。
    • 10月中旬までの執行猶予期間中に、最高裁判所の判断を待つか、政府が代替の法的根拠(232条の適用拡大など)を模索する可能性があります。
  • 米国以外の動向:EUのCBAM
    • EUや英国は相互関税を導入していませんが、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)が2026年1月1日から本格的に導入(課金開始)されます。鉄鋼、アルミニウム、水素などをEUへ輸出する際に新たなコストが発生します。

対日相互関税の現状サマリー

※社内基準の統一表記で掲載

国名関税率根拠・出所備考
アメリカ15%大統領令(7/31修正)2025年8月7日発効。HTSコード 9903.02.30(相互関税)。<br>232条関税(鉄鋼・アルミ・自動車等)とは原則として積算されない。
  • 出所詳細: 大統領令14257号(4/2)およびその修正(7/31)、ホワイトハウス発表、CBPガイダンス、JETRO解説(重複適用回避の取扱いについて)

実務上の主要確認項目(対米輸出)

  1. 適用関税の優先順位
    • 相互関税(15%): 日本を原産地とする一般品目に適用(HTS 9903.02.30)。
    • 232条関税(国家安全保障): 鉄鋼・アルミニウムに50%、完成車に25%(4/3発効)、自動車部品に25%(5/3発効)。原則として相互関税とは重複適用されない(”unstacking”)。
  2. 輸送中貨物に対する経過措置
    • 2025年8月7日より前に船積みされ、10月5日までに輸入申告された貨物については、従前の関税率(当初の10%など)の適用が可能です。船積日、到着日、申告日を証明する書類を確実に保管してください。
  3. HSコード分類と申告実務
    • 相互関税の対象品目には、専用の追加HSコード(日本向けは 9903.02.30)を付記して申告します。申告の誤りは、二重課税や返金手続きの遅延に直結するため注意が必要です。
  4. 価格設定と契約条項
    • 取引契約書に含まれる関税スライド条項やインコタームズ(FOB/DDP等)を再点検し、関税負担者と、返金が発生した場合の権利帰属を明確に規定してください。
  5. 原産地規則とサプライチェーンの最適化
    • 232条対象の自動車部品では、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の要件を満たす部材の価額を課税対象から除外する制度が存在します。部品表(BOM)における米国調達部材の比率を精査することが有効です。

セクター別の影響と対応策

  • 自動車・自動車部品
    • 影響: 232条関税により25%が適用。相互関税15%は原則として重複しない。
    • 対応策:
      1. USMCA原産資格を活用し、米国調達価額分を非課税扱いとする。
      2. 完成車は米国内生産やCKD/IKD(ノックダウン生産)方式を検討する。
      3. 部品のHSコードを精査し、232条の対象外となる分類の余地を探る。
  • 鉄鋼・アルミニウム
    • 影響: 232条関税により50%が適用(6/3以降)。相互関税は重複しない。
    • 対応策:
      1. 北米市場向けの最終加工地を再設計する。
      2. 代替材料の利用可能性を検討し、ミルシート(鋼材検査証明書)を整備する。
      3. 価格条項に金属市況指数との連動を導入する。
  • 機械・電機・化学品(232条対象外)
    • 影響: 相互関税15%が適用される。
    • 対応策:
      1. 関税還付(Duty Drawback)制度や保税制度を最大限に活用する。
      2. 製品のHSコード分類を最適化し、より低い税率が適用されないか検討する。
      3. 米国内での組立工程を導入し、原産地を米国に変更する(ただし、「実質的変更」要件を満たす必要あり)。
  • 対EU輸出(鉄鋼・アルミニウム・水素など)
    • 影響: CBAMにより2026年1月1日から実際のコストが発生(報告義務は既に開始済み)。
    • 対応策:
      1. サプライヤーから製品の炭素排出原単位データを収集する。
      2. CBAMによるコストを試算し、価格への転嫁を計画する。
      3. 再生可能エネルギーの調達や、CO₂排出量の少ない製法への転換を検討する。

2025年秋〜2026年の見通し(シナリオ別)

  • S1: 相互関税が継続
    • (根拠: IEEPAの有効性維持、または新たな法制化・行政措置による代替)
    • 想定: 日本向け15%が維持され、232条関税も現行水準か、さらに拡大される。
    • 対策: 価格条項、部品表(BOM)、米国内投資戦略を恒久的なものとして再構築する。
  • S2: 司法的判断により相互関税が失効
    • (根拠: 10月以降にIEEPAに基づく措置が停止)
    • 想定: 相互関税は停止されるが、232条関税は別制度として存続する。
    • 対策: 納付済み関税の返還請求権を保全し、232条関税を前提とした販売条件へ移行する。
  • S3: 日米間の個別合意による微修正
    • 想定: 重複課税問題の完全な解消や、自動車・部品の扱い(例: 15%への一本化など)が明確化される。
    • 対策: 政府間の最終合意を待つことなく、社内業務フロー(SOP)や帳票の改訂を先行して準備する。

実務チェックリスト

  • [ ] 船積日と申告日の記録を徹底し、経過措置(8/7–10/5)への該当可否を確認する。
  • [ ] 仕入・販売契約書に関税スライド条項と返金条項を整備する。
  • [ ] HTSコードを再点検し、追加コード(9903.02.30)を正確に申告する体制を構築する。
  • [ ] 部品表(BOM)における米国調達価額のトレーサビリティを確保する(自動車・部品の232条対応)。
  • [ ] 各種FTA(USMCA, CPTPP, 日EU・EPA, 日英EPA)の原産地証明と域内原産割合(RVC)を適切に管理する。
  • [ ] CBAM対象品目の炭素排出量データを収集・試算し、2026年の課金開始に備える。
  • [ ] 関税の過払い等が発生した場合に備え、異議申立て(プロテスト)や事後修正(PSC)の申請フローを整備する。

主要用語と規則

  • 相互関税(Reciprocal Tariff): 米国が国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に導入した、相手国別の追加関税。日本向けは15%に設定されている。
  • 232条関税: 米国通商拡大法232条に基づき、国家安全保障を理由に課される追加関税。鉄鋼・アルミニウムは50%、自動車・部品は25%。相互関税とは原則として重複適用されない。
  • 重複課税の是正: 当初の運用で生じた混乱に対し、日米両政府は是正措置を進めており、修正大統領令に基づき超過納付分の返還が見込まれる。最終的な公式文書の確認が必要。

スイスへの「相互関税」:ビジネス実務への影響と対応策

2025年8月28日時点

要点

国名追加関税率根拠法規備考
スイス 🇨🇭39% (相互関税)HTSUS 9903.02.582025年8月7日 0:01 a.m. EDT 発効・通常関税 (Column 1) に上乗せで賦課・経過措置: 8/7前に最終船積みし、10/5前に輸入申告した貨物は +10% (HTSUS 9903.01.25) を適用


最初に押さえるべき3つのポイント

  1. 39%の追加関税: スイス原産品に対し、39%の従価税 (ad valorem) が「相互関税」として課されます。申告にはHTSUSコード 9903.02.58 を使用し、通常関税やその他手数料に上乗せとなります。
  2. 適用開始日: 2025年8月7日 (EDT) から適用されています。ただし、8月7日より前に最終仕向地へ船積みされ、10月5日より前に輸入申告された貨物には、+10% の税率 (9903.01.25) が適用される経過措置があります。
  3. 関連国の扱い: EUに適用される「合計15%ルール」はスイスには適用されません。また、中国 (+10%) とは異なる税率枠が設定されています。迂回輸出 (トランスシップメント) と認定された場合は、+40% のペナルティ関税 (9903.02.01) が課されるため注意が必要です。

1. 制度の概要

  • 法的根拠: 大統領令 EO 14257 (2025/4/2) で「相互関税」の枠組みが創設され、EO (2025/7/31) で国別税率が改定されました。この改定でスイスに 39% の税率 (Annex I) と、国別のHTSUSコード 9903.02.58 (Annex II) が新設され、8月7日に発効しました。
  • 適用範囲: 一部の例外を除き、原則として全てのスイス原産品が対象です。本関税は、通常のHTS税率や、AD/CVD、232条関税など他の全ての関税・手数料と併せて課されます

2. 申告実務と例外規定

申告コード

  • スイス原産品: 9903.02.58 (+39%)
  • 経過措置対象: 9903.01.25 (+10%) (8/7前船積み、かつ10/5前輸入)
  • 迂回輸出と認定された場合: 9903.02.01 (+40%)

主な例外規定

  • 人道物資・情報資料: Chap. 99 の 9903.01.30–.33 に規定される品目は対象外です。
  • 米国原産品: 米国原産部材の価値が全体の20%以上を占める場合、その米国原産価値分は非課税となります (コード 9903.01.34)。非米国価値分のみが課税対象となり、申告は2行に分割する必要があります。
  • Chapter 98 (特別分類): 原則として適用可能ですが、9802 (修理・加工後の再輸入) など一部の規定では、米国外での加工価額等に対して相互関税が課されます。
  • FTZ (保税地域): 2025年4月9日以降に対象貨物をFTZに入庫させる場合、Privileged Foreign Status (PFS)での申請が必須です。

HTSコードの記載順序 (ACE申告時)

CBPは以下の順序を指示しています。

  1. Chapter 98 (該当する場合)
  2. Chapter 99 (各種追加関税)
    • 301条関税 → IEEPA関連 (フェンタニル等) → IEEPA (相互関税) → 232条/201条関税…
  3. Chapter 1-97 (通常の関税分類)

3. コスト計算例

相互関税は、通常関税などと複利計算ではなく、それぞれ加算されます。

  • 申告価額: $10,000
  • 通常関税: 5% → $500
  • 相互関税 (スイス): 39% → $3,900
  • 合計関税額: $500 + $3,900 = $4,400 (その他、税・手数料・AD/CVD等は別途)

4. 企業が取るべきアクションリスト

48時間以内 (即時対応)

  • 対象品目の特定: スイス原産の全輸入品リストを作成し、9903.02.58 の適用要否を判定します。特に、経過措置 (+10%) の対象となる貨物がないか出荷日と到着予定日を確認します。
  • 価格・見積の緊急改定: +39% のコスト増を前提に、販売価格や利益率を再計算します。必要に応じて取引先への通知と、Incotermsの見直しを開始します。

2週間以内

  • 通関プロセスの更新: 通関業者と連携し、HTSコードの記載順序や、Chapter 98/9903.01.34 (米国原産分) の適用可否、TIB (一時輸入)、ドローバック等の運用を確定させます。
  • 契約の見直し: サプライヤーや顧客との契約に、関税サーチャージ条項など価格調整に関する条項の追加・修正を交渉します。

90日以内

  • サプライチェーンの監査: 迂回輸出と見なされるリスクを避けるため、輸送ルートや第三国での加工実態に関する証拠書類を整備します。迂回認定は+40%の重いペナルティとなるため、コンプライアンス監査が不可欠です。
  • 動向監視とシナリオプランニング: スイス政府の対米交渉の進捗を注視し、関税率が変動する可能性に備えます。社内の価格体系や供給網計画を、情勢に応じて更新できる体制を構築します。

5. よくある質問 (FAQ)

  • Q1. 「39%」は、今までの関税が39%に変わるのですか?
    • A. いいえ、「置き換え」ではなく**「上乗せ」**です。通常関税が5%の場合、支払う関税は「5% + 39%」となります。
  • Q2. どのHTSコードで申告すれば良いですか?
    • A. 原則として 9903.02.58 (+39%) です。経過措置の対象となる貨物のみ 9903.01.25 (+10%) を使用します。
  • Q3. 米国製の部品を20%以上使っていれば、関税はかかりませんか?
    • A. 全額免除にはなりません。米国原産価値に相当する部分のみが非課税となり、残りの非米国価値部分には39%が課税されます。申告も2行に分ける必要があります。
  • Q4. EU向けの「合計15%ルール」はスイスにも適用されますか?
    • A. されません。スイスには国別に設定された 39% の税率が直接適用されます。

主な根拠資料

  • White House (2025/7/31): 大統領令。Annex Iでスイスの税率を39%と規定し、Annex IIで 9903.02.58 等を新設。
  • CBP CSMS #65829726 (2025/8/4): 経過措置 (+10%)、EU特則、中国の扱いに関する運用通達。
  • CBP CSMS #64649265 (2025/4/4): Chapter 98の扱い、20%米国原産価値の例外、ACE申告順序に関する通達。
  • Reuters (2025/8/25): スイス政府による関税緩和交渉に関する報道。

免責事項: この文書は一般的な情報提供を目的としており、法務または通関に関する専門的な助言ではありません。実際の申告にあたっては、必ず最新の連邦官報、CBPからの通達、および貴社指定の通関業者の指示に従ってください。

インドへの「相互関税」:現段階でのまとめ

要約

  • インド原産品への米国の追加関税は合計50%。内訳は①相互関税25%(2025年8月7日発効)+②追加25%(対ロシア原油調達を理由とする措置、2025年8月27日 0:01 a.m. EDT発効)。いずれも**通常関税(Column 1)に“上乗せ”**されます。The White HouseReutersGovInfo
  • ②の25%はHTSUS 9903.01.84で申告。在来の25%(相互関税)と併科されます。GovDelivery
  • 一部例外・猶予あり(船積み済みの経過措置、人道物資・情報資料、特定の232対象品、適切なChap.98適用など)。FTZは特恵外国(PFS)での入庫要件ドローバック可GovDeliveryGovInfo

1) 何が起きたのか

  • 2025年4月2日:大統領令EO 14257で「相互関税」枠組みを創設。The White House
  • 2025年7月31日EO 14326(Further Modifying the Reciprocal Tariff Rates)で各国率を最終化。インド=25%8月7日発効The White House
  • 2025年8月6日:大統領令EO 14329(対ロシア関連の国家緊急権に基づく)で**インド原産品に追加25%**を指示。The White House
  • 2025年8月25日CBP CSMS #66027027で運用通達(9903.01.84、適用開始8月27日、相互関税25%に追加で賦課)。GovDelivery
  • 2025年8月27日:**連邦官報告示(FR 2025-16419)**で実装。0:01 a.m. EDT以降の輸入に適用。GovInfo

2) 計算と申告

  • 関税計算イメージ:通常関税(例:5%)+相互関税25%追加25%合計50%が“上乗せ”。追加分は**“価額に対する”ad valoremで、他の賦課(AD/CVD, 税・手数料)と併存。
    例)申告価額$10,000、通常5%の場合 → $500(通常)+$2,500(相互)+$2,500(追加)=
    $5,500**(他費用別)。GovDeliveryGovInfo
  • 申告コード9903.01.84(追加25%)を相互関税の国別コード等と併記HTS記載順序の指示あり:Chap.98→各種99章(301→IEEPA→232→201…)→本表1–97)。GovDelivery

3) 例外・猶予

  • 経過措置8/27前に最終輸送に載荷9/17 0:01 a.m. EDT前に輸入申告した貨物は、追加25%の対象外(9903.01.85)。GovDelivery
  • 人道物資・情報資料9903.01.88/89)は除外。GovDeliveryGovInfo
  • 特定の232対象等(鉄鋼・アルミ・自動車等)は9903.01.87追加25%の適用外となる区分あり(相互関税や232自体の賦課は別途)。GovDelivery
  • Chap.98の扱い:適切なChap.98で追加25%非課税となる場合あり。ただし9802は**加工・組立価額部分に追加25%**が課税。GovDelivery
  • FTZ8/27以降に入庫する対象品は**Privileged Foreign Status(PFS)**での入庫が必要。消費仕向け時に課税GovDelivery
  • ドローバック:追加25%に適用可GovDelivery

4) 影響領域

  • **影響対象はインドの対米輸出の約55%(約870億ドル)**に及ぶとの推計。繊維・衣料、履物、宝飾、化学品などが特にリスク。Reuters
  • マクロでは米印関係の緊張が指摘され、関税50%の適用で短期的に受注・雇用・価格転嫁の圧力。ポリティコ

5) いますぐの対応

48時間以内

  • HTSライン洗い出し:対米輸出入のHS/HTS9903.01.84・相互関税コードの付番要否を紐付け。**例外該当(9903.01.85–89、232対象、Chap.98)**の棚卸。GovDelivery
  • 受発注・見積の即時改定:**着地コスト+50%**シナリオで粗利・価格を再試算。FOB/CIF条件・INCOTERMSの再設定。GovInfo

2週間以内

  • 通関手順の改修:ブローカーとHTS記載順序CSMS #66027027の運用確認、ACE申告テスト。FTZ利用企業はPFS運用へ切替。GovDelivery
  • Chap.98/9802の適用可能性評価(再加工・修理・組立スキーム)。ドローバックの回収設計。GovDelivery

90日以内

  • 供給網の見直し:第三国加工の原産地規則経由地リスクを監査。トランスシップ回避(違反認定時は**+40%の追加率**など厳罰化)。The White House
  • 価格・契約条項(関税サーチャージ、関税変動条項、フォースマジュール)を更新。為替・在庫・与信の同時管理。

6) よくある質問(FAQ)

Q1. “50%”は複利計算ですか?
A. いいえ。**いずれも価額(dutiable value)に対するad valoremの“上乗せ”**です(通常関税+25%+25%)。GovInfoGovDelivery

Q2. いつから課税?“船積み済み”は?
A. 2025年8月27日 0:01 a.m. EDT(日本時間8/27午後)以降の輸入(消費仕向け)8/27前に最終輸送へ載荷9/17前に輸入した貨物は追加25%の対象外GovInfoGovDelivery

Q3. すべての品目が対象ですか?
A. 原則対象ですが、人道物資・情報資料の除外特定の232対象など例外があります。詳細は該当9903番号・注記で確認してください。GovDeliveryGovInfo

Q4. 交渉で下がる可能性は?
A. 報道ベースでは対話継続の見通しもある一方、現時点(8/28 JST)では50%が有効。最新動向のモニタリングを推奨。ウォール・ストリート・ジャーナルポリティコ


7) 参考(制度の趣旨と定義)

  • 相互関税(Reciprocal Tariffs)とは、相手国の対米関税や障壁に対応して米国が同程度の追加関税を課す考え方。実務上は通常税率に上乗せされます。C.H. Robinson

主要ソース(抜粋)

  • White House:EO 14326(7/31)付属書でインド25%8/7発効The White House
  • White House:EO 14329(8/6)(対ロシア原油関連)で**インド追加25%**を指示。The White House
  • CBP CSMS #66027027(8/25)9903.01.84例外(9903.01.85–89)Chap.98/9802FTZ PFSドローバックHTS記載順序GovDelivery
  • Federal Register / govinfo(8/27)実装告示(FR 2025-16419)適用開始時刻232との関係GovInfo
  • 影響評価(報道)対象は輸出の約55%主要セクターReuters

欧米(米国―EU)「関税・通商フレームワーク合意」の本文とその日本語訳

公式本文(英語・原文)

  • The White House: “Joint Statement on a United States–European Union Framework on an Agreement on Reciprocal, Fair, and Balanced Trade”〔2025年8月21日〕。The White House
  • European Commission: “Joint Statement on a United States–European Union framework on an agreement on reciprocal, fair and balanced trade”〔2025年8月21日〕。Trade and Economic Security

どちらも同一の共同声明です。ホワイトハウス版と欧州委版で細部の表記が一部異なる箇所がありますが、内容は一致しています。The White HouseTrade and Economic Security


日本語仮訳(非公式・実務向け。原文構成に沿って整理)

*数値・日付・用語は原文準拠/条文番号は共同声明の番号に対応

前文
米国とEUは、互恵・公正・均衡な貿易に関する協定(以下「本協定」)の**枠組み(Framework)**に合意。二者間の巨大な経済関係を安定化・強化し、市場アクセスの改善と再産業化を後押しする第一歩と位置づける。The White HouseTrade and Economic Security

1. EUの関税措置
EUは米国の工業品関税を撤廃し、米国産水産・農産品(木の実、乳製品、青果・加工食品、種子、大豆油、豚肉・バイソン等)に優先的アクセスを付与。2020年8月21日発表のロブスター関税合意(2025年7月31日失効)を延長・拡充(加工ロブスターも対象)。Trade and Economic Security

2. 米国の基本関税線(対EU)
米国はEU原産品に対し、最恵国(MFN)税率15%のいずれか高い方(=MFN+相互関税の合計として15%)を適用。The White HouseTrade and Economic Security

(2の但し書き:MFNのみの例外/発効日)
2025年9月1日以降、以下はMFNのみ適用:希少天然資源(コルク等)/航空機・同部品/ジェネリック医薬品とその原料・化学前駆体。今後、重要分野の追加指定も検討。The White HouseTrade and Economic Security

3. 232関税の上限・自動車の扱い(発効トリガー)

  • 医薬・半導体・木材について、MFN+1962年通商拡張法232条関税の合計を15%上限に。
  • 自動車・部品(232関税対象)については、EUが第1項の関税撤廃に向けた立法提案を正式提出した同月の初日から適用変更:
    • MFNが15%以上の品目:232は不課(=MFNのみ)。
    • MFNが15%未満:**MFN+232=合計15%**に調整。
  • 232の変更は米国の国家安全保障と整合的に実施The White HouseTrade and Economic Security

4. 原産地規則(ROO)
本協定の利益が主として米国・EUに帰属するよう、ROOを協議・策定。The White HouseTrade and Economic Security

5. エネルギー・先端半導体
エネルギー供給の安全・多様化に協力。EUは2028年までに米国産LNG・原油・原子力関連を総額7,500億ドル規模で調達する意向。さらに米国製AIチップを少なくとも400億ドル購入。EUは米国流の技術セキュリティ要件を導入する方向で、整備後は米国が輸出円滑化に努める。The White HouseTrade and Economic Security

6. 相互投資
双方向投資を促進。EU企業が2028年までに米国戦略分野へ追加で6,000億ドル投資する見込み。The White HouseTrade and Economic Security

7. 防衛調達
EUは米国の軍需・防衛装備の調達を大幅増(米政府も支援)。NATO相互運用性を強化。The White HouseTrade and Economic Security

8. 非関税障壁・規格相互承認(自動車を含む)
非関税障壁の削減・撤廃で連携。自動車相互承認を目指し、規格機関同士の技術協力適合性評価の対象拡大を推進。The White HouseTrade and Economic Security

9. 食品・農産の手続簡素化
豚肉・乳製品の衛生証明の要求を簡素化する等、農食分野の非関税障壁に共同対処。The White HouseTrade and Economic Security

10. EUDR(森林破壊規則)
米国内の生産は森林破壊リスクが極小との前提に、EUDRが過度な影響を与えないようEUが対応Trade and Economic Security

11. CBAM(炭素国境調整)
デミニミス拡大に加え、運用上の更なる柔軟性をEUが提供する方向。Trade and Economic Security

12. CSDDD/CSRD(サステナ関連EU法)
過度な貿易制約にならないようEUが取り組む。中小企業の事務負担軽減民事責任・気候移行義務の見直しの提案、域外企業への過剰適用懸念にも配慮。Trade and Economic Security

13. 適合性評価・サイバー
米国の適合性評価機関を、1998年のEU・米国MRAに基づき無線機器指令(RED)の指定機関として認定可能。サイバーセキュリティのMRAも交渉。The White HouseTrade and Economic Security

14. 重要鉱物等の輸出規制への共同対応
第三国による輸出規制に対し、協調して備える。The White HouseTrade and Economic Security

15. 知的財産
高水準の知財保護・執行について協議。The White HouseTrade and Economic Security

16. 労働
国際的に認められた労働権強制労働の排除を含む)を強固に保護The White HouseTrade and Economic Security

17. デジタル貿易
不当なデジタル障壁を是正。EUはネットワーク使用料を導入しない電子的送信に関税を課さない方針を双方が確認し、WTOモラトリアムの継続・恒久化を目指す。The White HouseTrade and Economic Security

18. 税関・手続のデジタル化
EUは税関改革の実施・貿易手続のデジタル化について、米国および米国事業者と協議Trade and Economic Security

19. 経済安全保障の整合
サプライチェーン強靭化とイノベーションのため、投資審査・輸出管理・関税逃れ対策協力非市場的慣行や公共調達の相互性欠如への対応を含む。更なる実施措置に協働で取り組む。The White HouseTrade and Economic Security

結語
両者は各国内手続に従い、本枠組みを実施するための正式文書を速やかに整備する。The White House

米EUの「関税・通商フレームワーク合意」と日米の相互関税合意を要点比較

米EUの「関税・通商フレームワーク合意」と日米の相互関税合意要点比較したまとめです。(2025/8/22時点


要点

  • 関税の基本線
  • 自動車の発効トリガー
    • EU:EUが関税撤廃立法を“提案”した月の初日から米側が引下げ(遡及可)。Reuters
    • 日本大統領令で実施(準備中)。運用上の「二重課税」不備は修正・還付を米側が約束。Reuters+1
  • 非関税・調達/投資
    • EU電子的送信の関税不課/ネットワーク使用料を導入しないエネルギー$7,500億+AIチップ$400億購入対米投資$6,000億を明示。Trade and Economic Security
    • 日本政府系金融で最大$5,500億の投資ビークル(利益配分1:9で米側優先)、米車の追加試験免除米農産品・エネルギーの調達拡大Ministry of Economy, Trade and IndustryThe White House

主要な違い(ビジネスマン向け早見表)

論点米国―EU日本―米国
米国側の基本関税MFN or 15%(高い方)。15%はMFN+相互関税の合算Trade and Economic Security込み15%(MFNを含む)MFN≧15%は上乗せなしMFN<15%は15%にMinistry of Economy, Trade and Industry
自動車・部品現行27.5%→**15%**へ。EUが関税撤廃立法を“提案”した月の初日から遡及して適用。Reuters27.5%→15%に引下げる方向で大統領令を予告。文書整備は**“数週間以内”**と発言。Reuters+1
鋼鉄・アルミ(232)50%据え置き。将来のTRQ等協議の余地。Reuters公表文書に明記なし(別建ての232措置が継続する可能性、要フォロー)。Ministry of Economy, Trade and Industry
MFNのみの例外航空機・部品/ジェネリック医薬+原料/化学前駆体/コルク等MFNのみ9/1~)。Trade and Economic Security品目の明細提示なし(「日本を他国に劣後させない」方針のみ)。Ministry of Economy, Trade and Industry
デジタル電子的送信への関税不課継続、EUはネットワーク使用料を導入しないTrade and Economic Security特段の明記なし
エネルギー・サプライEUが米産エネルギー$7,500億分を2028年までに調達。AIチップ$400億購入対米投資$6,000億Trade and Economic Security日本が最大$5,500億の投資枠(政府系金融)。米農産品・エネルギー調達拡大。利益配分1:9を明示。Ministry of Economy, Trade and IndustryThe White House
非関税措置自動車の相互承認など規制協力を明記。Trade and Economic Security米国メーカー乗用車を追加試験なく受入れCEV補助金の運用見直しMinistry of Economy, Trade and Industry
文書の確度共同声明(3.5ページ)で条項を明文化ReutersTrade and Economic Security内閣官房の「概要」資料+ホワイトハウスのファクトシート中心正式文書は整備中で運用不備(二重課税)は修正・還付へ。Ministry of Economy, Trade and IndustryThe White HouseReuters

実務解釈のポイント

  • EU向けは“書面化済み”で適用条件が明確/品目例外も列挙
  • 日本向けは“原則15%”の骨格は固いが、運用・適用時期は大統領令の内容を都度確認(通関実務は特に)。Reuters

セクター別の使い分け(具体アクション)

  • 完成車・部品(EU→米)EUの立法“提案”時期に合わせて出荷・通関日を設計遡及を狙った在庫移送・価格見直しを検討。Reuters
  • 完成車・部品(日本→米)HS×MFN×15%の再計算を即実施。二重課税の還付可否大統領令の発効日をフォロー(受注条件は可変条項で)。Reuters
  • 医薬・半導体(EU→米)MFNのみ対象は9/1以降の通関に合わせる(契約インコタームズと価格条項の改定)。Trade and Economic Security
  • 酒類(EU→米)未決分野のため販促・価格は保守的に。Reuters
  • 対米販売のSaaS/配信電子的送信の関税不課を前提に価格モデル再検討(EU案件)。Trade and Economic Security
  • 対米投資計画(日本企業)$5,500億枠の適用条件・利益配分1:9を踏まえ、資金構造とJV条件を設計。Ministry of Economy, Trade and Industry

スケジュール感(公開情報ベース)

  • 7/27(米EU):首脳間で骨子合意。8/21に共同声明自動車は立法“提案”月の初日からReutersTrade and Economic Security
  • 7/22-23(日米):相互関税で**原則15%**に合意。概要資料(日本)、WHファクトシート(米)公表。Ministry of Economy, Trade and IndustryThe White House
  • 8/8(日米):米側が二重課税の不備を修正・還付と表明。自動車15%への引下げは大統領令で実施予定Reuters

相互関税の調査結果(要約)

※プロジェクト基準フォーマット

国名関税率出所備考
アメリカ(対EU:一般品)15%またはMFNの高い方欧州委 共同声明・Reuters Trade and Economic SecurityReuters鋼鉄・アルミは別建て50%。
アメリカ(対EU:自動車・部品)15%(EU立法“提案”月の初日から)Reuters Reuters現行27.5%から引下げ、遡及可。
アメリカ(対EU:鋼鉄・アルミ)50%Reuters Reuters当面維持、将来TRQ協議余地。
アメリカ(対EU:MFNのみ適用)MFN欧州委 共同声明 Trade and Economic Security航空機・部品/ジェネリック医薬+原料/化学前駆体/コルク等。9/1~
アメリカ(対日本:一般品)込み15%(MFN含む)内閣官房 概要(PDF) Ministry of Economy, Trade and IndustryMFN≧15%は上乗せなし/MFN<15%は15%。
アメリカ(対日本:自動車・部品)15%(MFN含む)内閣官房 概要+Reuters Ministry of Economy, Trade and IndustryReuters27.5%→15%。大統領令で実装予定。
アメリカ(対日本:運用)二重課税を修正・還付Reuters ReutersEUにあった“ノースタッキング”条項を日本にも適用へ。

ひとこと総括

  • EU合意は「条文化された枠組み」+具体リストで、運用の見通しが立てやすい。一方、
  • 日米合意は「原則15%」の骨格は明確だが、最終実装(大統領令)と細部運用のフォローが実務カギ。Reuters+1Ministry of Economy, Trade and Industry

2025年8月13日時点で公表・報道されている「相互関税」最新一覧

Here’s the latest verified update—Automation Turn #108—providing the publicly announced or press-reported “相互関税(reciprocal tariffs)” by country, with the exact format you specified, for all the previously listed target countries:

Confirmed Sources

Federal Register Public Inspection

EXECUTIVE ORDER 14257

Trump 2.0 tariff tracker

Trade Compliance Resource Hub

Trump 2.0 tariff tracker

今日

国名関税率出所備考
アルジェリア30 %EO 14257 Annex I (Apr 2, 2025) The White House+10Federal Register Public Inspection+10The White House+10
アンゴラ32 %同上
バングラデシュ37 %同上
ボスニア・ヘルツェゴビナ35 %同上
ボツワナ37 %同上
ブルネイ24 %同上
カンボジア49 %同上
カメルーン11 %同上
チャド13 %同上
コードィボワール21 %同上
コンゴ民主共和国11 %同上
赤道ギニア13 %同上
中国34 %同上
欧州連合(EU)20 %EO + CBP guidanceU.S. HTS Column 1 ≥ 15 % → no additional tariff; otherwise raised to 15 % total.
フォークランド諸島41 %EO Annex I
フィジー32 %EO Annex I
ガイアナ38 %EO Annex I
インド26 % → 50 %(Aug 27 発効)EO Annex I + press+25 % punitive tariff applied.
インドネシア32 %EO Annex I
イラク39 %EO Annex I
イスラエル17 %EO Annex I
日本24 %EO Annex I
ヨルダン20 %EO Annex I
カザフスタン27 %EO Annex I
ラオス48 %EO Annex I
レソト50 %EO Annex I
リビア31 %EO Annex I
リヒテンシュタイン37 %EO Annex I
マダガスカル47 %EO Annex I
マラウイ17 %EO Annex I
マレーシア24 %EO Annex I
モーリシャス40 %EO Annex I
モルドバ31 %EO Annex I
モザンビーク16 %EO Annex I
ミャンマー44 %EO Annex I
ナミビア21 %EO Annex I
ナウル30 %EO Annex I
ニカラグア18 %EO Annex I
ナイジェリア14 %EO Annex I
北マケドニア33 %EO Annex I
ノルウェー15 %EO Annex I
パキスタン29 %EO Annex I
フィリピン17 %EO Annex I
セルビア37 %EO Annex I
南アフリカ30 %EO Annex I
韓国25 %EO Annex I
スリランカ44 %EO Annex I
スイス39 %EO Annex I + pressNegotiations failed; raised from 31 %.
シリア41 %EO Annex I
台湾32 %EO Annex I
タイ36 %EO Annex I
チュニジア28 %EO Annex I
トリニダード・トバゴ15 %EO Annex I
トルコ15 %EO Annex I
ウガンダ15 %EO Annex I
英国10 %EO Annex I
バヌアツ22 %EO Annex I
ベネズエラ15 %EO Annex I
ベトナム46 %EO Annex I
ザンビア17 %EO Annex I
ジンバブエ18 %EO Annex I
その他未掲載国10 % baselineEO framework guidanceApplies to countries not in Annex I; transshipments face penalties.

2025年8月10日時点で公表・報道されている「相互関税」最新一覧

Below is the latest verified list of reciprocal tariffs by country. Data sources include the Executive Order “Further Modifying the Reciprocal Tariff Rates” (Annex I, signed July 31 2025; effective August 7 2025), along with authoritative reporting on any key updates or deviations.

Primary Sources & Verified Reports

Further Modifying the Reciprocal Tariff Rates

The White House

Further Modifying the Reciprocal Tariff Rates

9 日前

国名関税率出所備考
アルジェリア30%EO Annex I
アンゴラ32%同上
バングラデシュ37%同上
ボスニア・ヘルツェゴビナ35%同上
ボツワナ37%同上
ブルネイ24%同上
カンボジア49%同上
カメルーン11%同上
チャド13%同上
コートジボワール21%同上
コンゴ民主共和国11%同上
赤道ギニア13%同上
欧州連合(EU)20%EO Annex IColumn 1 duties ≥ 15% → 0% reciprocal duty; < 15% → topped to combined 15% United States Trade Representative+8The White House+8BIPC+8Thompson Coburn LLP+9BIPC+9Gibson Dunn+9Thompson Coburn LLP+2GovDelivery+2
フォークランド諸島41%同上
フィジー32%同上
ガイアナ38%同上
インド26%同上Additional 25% penalty starting August 27 over Russian oil imports (total 50%)
インドネシア32%同上
イラク39%同上
イスラエル17%同上
日本24%同上Reported adjustment to 15% with refunds for overpayments
ヨルダン20%同上
カザフスタン27%同上
ラオス48%同上
レソト50%同上
リビア31%同上
リヒテンシュタイン37%同上
マダガスカル47%同上
マラウイ17%同上
マレーシア24%同上
モーリシャス40%同上
モルドバ31%同上
モザンビーク16%同上
ミャンマー44%同上
ナミビア21%同上
ナウル30%同上
ニカラグア18%同上
ナイジェリア14%同上
北マケドニア33%同上
ノルウェー15%同上
パキスタン29%同上
フィリピン19%EO Annex I (overall framework)
セルビア35%同上
南アフリカ30%同上
韓国25%EO Annex I (via accurate secondary)
スリランカ44%同上
スイス39%EO Annex I + PressSwitzerland has formally lodged objections
シリア41%同上
台湾32%同上
タイ36%同上
チュニジア28%同上
トリニダード・トバゴ15%同上
トルコ15%同上
ウガンダ15%同上
英国10%EO Annex I (via accurate secondary)
バヌアツ15%同上
ベネズエラ15%同上
ベトナム20%同上
ザンビア15%同上
ジンバブエ18%同上
その他未掲載国10%EO baseline under Annex I §2(d)

2025年8月9日時点で公表・報道されている「相互関税」最新一覧

以下は、「相互関税(reciprocal tariffs)」について、ホワイトハウス 2025‑07‑31発《Further Modifying the Reciprocal Tariff Rates》Annex Iおよび最新報道をもとに、昨日と全く同じ対象国リストとフォーマットでまとめた最新の一覧です。発効は2025‑08‑07 0:01 EDTです。


相互関税 最新一覧

国名関税率出所備考
アルジェリア30%Annex I(2025‑07‑31 EO)Investopedia+8The White House+8The White House+8
アンゴラ32%同上
バングラデシュ37%同上
ボスニア・ヘルツェゴビナ35%同上
ボツワナ37%同上
ブルネイ24%同上
カンボジア49%同上
カメルーン11%同上
チャド13%同上
コートジボワール21%同上
コンゴ民主共和国11%同上
赤道ギニア13%同上
欧州連合(EU)20%(品目ごとの補正あり)同上 §2(c)Column 1 ≥15% → 追加0%、<15% → 差額加算
フォークランド諸島41%同上
フィジー32%同上
ガイアナ38%同上
インド50%(基本26%+25%追加)Annex I + 別EO(2025‑08‑06)AInvestロシア油調達への制裁措置、8/27発効予定
インドネシア32%Annex I
イラク39%Annex I
イスラエル17%Annex I
日本15%Annex I二重課税の誤課に対し、米側が返金対応を約束した旨報道あり The Daily Beast
ヨルダン20%Annex I
カザフスタン27%Annex I
ラオス48%Annex I
レソト50%Annex I
リビア31%Annex I
リヒテンシュタイン37%Annex I
マダガスカル47%Annex I
マラウイ17%Annex I
マレーシア24%Annex I
モーリシャス40%Annex I
モルドバ31%Annex I
モザンビーク16%Annex I
ミャンマー44%Annex I
ナミビア21%Annex I
ナウル30%Annex I
ニカラグア18%Annex I
ナイジェリア15%Annex I
北マケドニア15%Annex I
ノルウェー15%Annex I
パキスタン19%Annex I
フィリピン19%Annex I
セルビア35%Annex I
南アフリカ30%Annex I
韓国15%Annex I
スリランカ20%Annex I
スイス39%(報道値)Annex I(31%) + 報道スイス側が高率に抗議中
シリア41%Annex I
台湾20%Annex I
タイ19%Annex I
チュニジア25%Annex I
トリニダード・トバゴ15%Annex I
トルコ15%Annex I
ウガンダ15%Annex I
英国10%Annex I
バヌアツ15%Annex I
ベネズエラ15%Annex I
ベトナム20%Annex I
ザンビア15%Annex I
ジンバブエ15%Annex I
その他未掲載国10%(ベースライン)EO 全体構成 §2(d)Annex I外国へのデフォルト適用

2025年8月6日時点で公表・報道されている「相互関税」最新一覧

以下は 2025年8月6日 時点で確認できる米国「相互関税(Reciprocal Tariffs)」の最新一覧です。
基本データは 7 月 31 日付 Executive Order 添付 Annex I のレートを基礎に、8 月 1 日以降に判明した追加変更・停止措置を上書きしています。The White House
太字は前回(8 月 4 日版)から更新があった国・地域です。

国名関税率出所備考
アフガニスタン15%Annex I
アルジェリア30%Annex I
アンゴラ15%Annex I
バングラデシュ20%Annex I
ボリビア15%Annex I
ボスニア・ヘルツェゴビナ30%Annex I
ボツワナ15%Annex I
ブラジル50%大統領令(7/30) ウォール・ストリート・ジャーナル基礎10%+追加40%
ブルネイ25%Annex I
カンボジア19%Annex I
カメルーン15%Annex I
チャド15%Annex I
コスタリカ15%Annex I
コートジボワール15%Annex I
コンゴ民共和国15%Annex I
エクアドル15%Annex I
赤道ギニア15%Annex I
フォークランド諸島10%Annex I
フィジー15%Annex I
ガーナ15%Annex I
ガイアナ15%Annex I
アイスランド15%Annex I
インド25%大統領令(8/1) インディアタイムズ追加引上げ検討中(8/5発言)
インドネシア19%Annex I
イラク35%Annex I
イスラエル15%Annex I
日本15%Annex I
ヨルダン15%Annex I
カザフスタン25%Annex I
ラオス40%Annex I
レソト15%Annex I
リビア30%Annex I
リヒテンシュタイン15%Annex I
スイス39%FT報道(8/6) フィナンシャル・タイムズ交渉中
マダガスカル15%Annex I
マラウイ15%Annex I
マレーシア19%Annex I
モーリシャス15%Annex I
モルドバ25%Annex I
モザンビーク15%Annex I
ミャンマー40%Annex I
ナミビア15%Annex I
ナウル15%Annex I
メキシコ―(30%課税を90日停止中)Reuters(8/5) ReutersUSMCA適用品は無税;停止期間中は追加関税なし
ニュージーランド15%Annex I
ニカラグア18%Annex I
ナイジェリア15%Annex I
北マケドニア15%Annex I
ノルウェー15%Annex I
パキスタン19%Annex I
パプアニューギニア15%Annex I
フィリピン19%Annex I
セルビア35%Annex I
南アフリカ30%Annex I
韓国15%Annex I
スリランカ20%Annex I
カナダ35%別途大統領令(7/31) ウィルマー・ヘイルフェンタニル対策名目
シリア41%Annex I
台湾20%Annex I
タイ19%Annex I
トリニダード・トバゴ15%Annex I
チュニジア25%Annex I
トルコ15%Annex I
ウガンダ15%Annex I
イギリス10%Annex I
バヌアツ15%Annex I
ベネズエラ15%Annex I
ベトナム20%Annex I
ザンビア15%Annex I
ジンバブエ15%Annex I
欧州連合(EU)0〜15%Annex I既存MFNが15%未満の場合「差額上乗せ」
その他(Annex I非掲載国)10%大統領令一律追加関税

主要アップデートの概要

運用上の注意

  1. 表は追加関税のみを示しています。基礎10%の「ユニバーサル関税」が残る場合があるため、実効税率は別途確認してください。
  2. 一部品目(鉄鋼・アルミ、自動車、自動車部品、銅など)は他の通商措置(Section 232 等)の対象であり、重複課税に注意が必要です。
  3. 政府間交渉や制裁の進展により、レートは随時変更されます。輸入実務では 最新の大統領令・連邦官報(Federal Register)CBP CSMS を必ず確認してください。

2025年8月4日時点で公表・報道されている「相互関税」最新一覧

以下は、2025年8月4日時点で公表・報道されている米国の「相互関税(Reciprocal Tariffs)」最新一覧です。7月31日に公表された大統領令(Annex I)を基礎に、同日付の対カナダ関税改正およびブラジルへの追加40%上乗せ(合計50%)を反映しています。The White HouseThe White HouseReuters

国名関税率出所備考
アフガニスタン15%ホワイトハウス大統領令
アルジェリア30%ホワイトハウス大統領令
アンゴラ15%ホワイトハウス大統領令
バングラデシュ20%ホワイトハウス大統領令
ボリビア15%ホワイトハウス大統領令
ボスニア・ヘルツェゴビナ30%ホワイトハウス大統領令
ボツワナ15%ホワイトハウス大統領令
ブラジル50%ホワイトハウス大統領令+追加措置10%基礎+40%追加 Reuters
ブルネイ25%ホワイトハウス大統領令
カンボジア19%ホワイトハウス大統領令
カメルーン15%ホワイトハウス大統領令
チャド15%ホワイトハウス大統領令
コスタリカ15%ホワイトハウス大統領令
コートジボワール15%ホワイトハウス大統領令
コンゴ民主共和国15%ホワイトハウス大統領令
エクアドル15%ホワイトハウス大統領令
赤道ギニア15%ホワイトハウス大統領令
フォークランド諸島10%ホワイトハウス大統領令
フィジー15%ホワイトハウス大統領令
ガーナ15%ホワイトハウス大統領令
ガイアナ15%ホワイトハウス大統領令
アイスランド15%ホワイトハウス大統領令
インド25%ホワイトハウス大統領令
インドネシア19%ホワイトハウス大統領令
イラク35%ホワイトハウス大統領令
イスラエル15%ホワイトハウス大統領令
日本15%ホワイトハウス大統領令
ヨルダン15%ホワイトハウス大統領令
カザフスタン25%ホワイトハウス大統領令
ラオス40%ホワイトハウス大統領令
レソト15%ホワイトハウス大統領令
リビア30%ホワイトハウス大統領令
リヒテンシュタイン15%ホワイトハウス大統領令
マダガスカル15%ホワイトハウス大統領令
マラウイ15%ホワイトハウス大統領令
マレーシア19%ホワイトハウス大統領令
モーリシャス15%ホワイトハウス大統領令
モルドバ25%ホワイトハウス大統領令
モザンビーク15%ホワイトハウス大統領令
ミャンマー40%ホワイトハウス大統領令
ナミビア15%ホワイトハウス大統領令
ナウル15%ホワイトハウス大統領令
ニュージーランド15%ホワイトハウス大統領令
ニカラグア18%ホワイトハウス大統領令
ナイジェリア15%ホワイトハウス大統領令
北マケドニア15%ホワイトハウス大統領令
ノルウェー15%ホワイトハウス大統領令
パキスタン19%ホワイトハウス大統領令
パプアニューギニア15%ホワイトハウス大統領令
フィリピン19%ホワイトハウス大統領令
セルビア35%ホワイトハウス大統領令
南アフリカ30%ホワイトハウス大統領令
韓国15%ホワイトハウス大統領令
スリランカ20%ホワイトハウス大統領令
スイス39%ホワイトハウス大統領令
シリア41%ホワイトハウス大統領令
台湾20%ホワイトハウス大統領令
タイ19%ホワイトハウス大統領令
トリニダード・トバゴ15%ホワイトハウス大統領令
チュニジア25%ホワイトハウス大統領令
トルコ15%ホワイトハウス大統領令
ウガンダ15%ホワイトハウス大統領令
カナダ35%カナダ向け特別大統領令25%→35%へ引上げ The White House
イギリス10%ホワイトハウス大統領令
バヌアツ15%ホワイトハウス大統領令
ベネズエラ15%ホワイトハウス大統領令
ベトナム20%ホワイトハウス大統領令
ザンビア15%ホワイトハウス大統領令
ジンバブエ15%ホワイトハウス大統領令
欧州連合(EU)0〜15%ホワイトハウス大統領令EU品目の一般税率が15%未満の場合は「15%−現行税率」、15%以上の場合は追加0%
その他(未掲載国)10%ホワイトハウス大統領令Annex Iに記載のない国・地域

読み方のポイント

  • ブラジルは基礎10%に政治制裁分40%が上乗せされ、総計50%となります。Reuters
  • カナダはフェンタニル対策を理由に、従来の25%から35%へ引き上げられました。The White House
  • EUは品目別に変動し、高関税品目には追加0%、低関税品目には差額を上乗せして実質15%に揃えます。The White House
  • Annex Iにない国・地域は一律10%の追加関税が適用されます。The White House

今後も個別交渉や制裁に応じて数値が変動する可能性があるため、運用時には最新の大統領令・連邦官報を必ず確認してください。