日EU EPAに則った原産地証明書の検認がEUからやって来たようです。
いよいよですね。
世界で有利に戦うためのコツ
6月21日に第34回のFTA戦略的活用研究会を行いました。
トムソン・ロイターのFTA関連サービスのアップデート、そして私からは、FTAにおける検認リスクをカバーする保険の可能性を討議させて頂きました。
保険はとても関心があるのですね。次回は保険会社にも参加頂き、その可能性とチャレンジを深掘りたいと思っています。
保険は「大数の法則」が必須であり、現時点では統計を国が公表していないので正直実現が困難です。しかし、この研究会を母体とすれば可能性は十分あると思っています。
また、企業プレゼンでは小林産業から、今後のFTAを活用した企業戦略のお話しがありました。かなりチャレンジングな内容で、その為にFTA戦略的活用研究会で意見が聞きたいとのこと。
チャレンジも多いですが、そのビジネスに乗ることを検討してもいいという会社もありました。
FTA戦略的活用研究会も、単なる勉強の場から様々な広がりを見せ始めました。
次回から9月まで東京国際フォーラムが改修でお休みとなります。その間はサポート企業の会議室をお借りすることになっています。次回は7月19日で赤坂にあるトムソン・ロイターさんで開催致します。
とあるお客様のリクエストで、原産地証明の証拠書類作成を請け負い、日本商工会議所に申請をしました。
インドネシアEPAでのエビデンス(証拠書類)の確認で4日ほどで判定が下りました。商工会議所様の迅速なご対応、ありがとうございます。
遡及ができないので、時間が経つことが許されず、少々ナーバスにはなっておりました。
ここまですべきかと思う点も道中ございましたが、必要な情報を的確に記載すれば時間は判定は早いのだと言うことを再確認しました。
皆さんも、エビデンスをおっくうがらず、必要なものを確実に作成することをお勧めします。
ちなみに、当社が提唱しているフォーマットは以下のサイトからダウンロード可能です。(エクセルになります)
様々なところで、FTAの検認に対する保険は可能かという議論をさせて頂いています。
検認時に、否認された場合、保険金やペナルティを支払ってもらう保険が想定されるものです。
そもそもリスクがあるのか、正しい証明をすれば要らない、という観点に立てば保険が成立する可能性も現実ないきもしますが、現状の原産地証明の支援環境を考えると、経営としてはあると助かる部分でもあります。
保険として成立しないと考えるのは、やはり、検認確率が明確に出来ないこと。特に官庁は検認の発生に関する情報をほとんど開示していません。
保険は「大数の法則」に基づくもの。その根拠となるデータが開示されない限り、保険の商品化は難しいでしょう。協定によりその発生率も違うのは保険の成立を阻むもので、成立するとしても協定別の掛け率となると思われます。
また、自動車と同じで、証明する企業、人により証明の精度が違うため、自動車保険の「等級」の様なものが必要でしょうし、生命保険時の「問診」のような、証明能力の査定も必要となると思われます。
現実味が少々薄い保険ですが、「出来るとすればどうやればいいか」を検討することも決してムダではないので、出来れば次回のFTA戦略的活用研究会で少しでも討議したいと思っています。
現在のお客様で、FTAのサプライヤ証明に対して、当方のアドバイスを汲み、迅速に対応している企業があります。
サプライヤ証明は、自社の証明品質の一部を他社に委ねてしまうもので、その企業が確からしい証明をしているかどうか正直測りかねる、厄介なものです。
納入される商品の品質は、検査することで確認できますが、サプライヤ証明は、その証明書を信じるか、証拠書類も提出させ、品質の自社管理におくかどうかという施策になりがちです。
ロジスティックとしては、以下の流れで対応しています。
今のお客様はたまたま、サプライヤ協力会の会合があったため、上記の整理をした上で、
というプロセスを踏むことが出来ました。納得性を双方に作り出すことができ、サプライヤ証明の証明品質もまず問題なくなると思います。
FTAでの成功はやはり、経営者とサプライヤの理解が重要であることを再確認でき、うれしく思います。
最近のFTAに関するコンサルティングが多いのは「サプライヤ証明」をどうするかというものです。
サプライヤ証明は原産地証明の必要な部品の原産性を証明してもらうもので、ここが崩れると自社の証明も正しいものでなくなるので、大事な部分です。
昨今はサプライヤにFTAの原産地証明について対応してもらうための説明会を開き、証拠書類の作り方を説明する会社も増えています。
ただ、本当にそれで十分なのか、理解が足りているのか。
現実は、「サプライヤのFTA理解が不十分」というのが現状だと思います。
先日訪問した会社では、サプライヤ説明会の参集通知が来た場合、営業が参加するそうです。話を聞いて、それを本社に丸投げしてくるとのこと。参加した営業の価値は何だったのでしょうかね。
私がサプライヤ説明会を支援する場合は、必ず、「営業の参加があってもいいが、本社の担当者を呼ぶように」とアドバイスしています。ですが、半分以上の会社でそれを守って頂けませんね。
ケーススタディを用いたワークショップを行ったところで、効果もかなり限定的です。
説明会、ワークショップが限定的であれば、どうすればいいか。
現在、試行錯誤中ですが、方向性が見えてきた気がします。
どうすべきかは、またお話しするとしましょう。
ただ言えるのは、現在の状況ではサプライヤに依存した部分のある証明だと、問題を内包したままだと言うことです。
本日、とある商社から、「商工会議所でのEPA原産地判定の所要時間が長くなっていて困っている。他にも同様の事態は起こっているのか」との電話がありました。
全ての案件において、原産地判定の証拠書類の提出義務がなされてから、判定までにとても長い時間がかかり、2週間では終わらないことが多くなったそうです。
FTA戦略的活用研究会でも判定に時間がかかったかどうかを訪ねたところ、長くなったという声もある一方で、既に1週間以上かかっていたので、現実的にはさほど問題とはなっていないという声も上がっています。
「どういう対策を練るべきですか」との質問を受けましたが、こればっかりは商工会議所の処理のバックオーダーが尋常ではない数になっていることから、「輸出に対し、ゆとりを持って申請をするしかない」と言うことしか当方は言えません。
日本企業の証明の品質問題もさることながら、余りにも細すぎる指摘を商工会議所が行うことも課題だと思っています。
FTAが使いたくてもこの環境では使えなくなりつつある事実。「企業に責任がある」のなら、官庁・商工会議所は不介入とすべきです。
先日のFTA監査でもあったことですが、協定を読めばわかることを、読まないことで悩み、そして証明を間違えているケースがすくなくありません。
FTAの協定文はそのボリュームが確かに多い。ですが、原産地規則の章に限れば大したページ数はありません。
目を通しておくだけで、こういった問題は十分回避できます。
こうなる理由は二つだと思います。
一つは、協定の日本語文が読みにくいため。縦書き、法律文書の難しさから敬遠して読まない。
もう一つが、FTAの活用を促進したいがために、セミナーなどで気をつけるべき点を省略しており、誤認識を誘発している。
FTAを利用されるみなさんはぜひ、協定の原産地規則に立ち戻ることを是非ともお勧めしますq。
昨日、とある企業のFTA監査に伺いました。
その企業では、税関出身の方がいらっしゃって、最近税関を訪問されたそうです。その際に、税関の原産地調査官の方が弊社の「FTA協定を読み解く」シリーズの日EU・EPAをご利用になっていたとのこと。
横書きで、数字もアラビア数字にしているため大編読みやすいとご評価頂いていたとのことです。
昨日は、私もその書籍を持って行っていたので、それを見てびっくりされて、「どこで買ったんですか?」「うちで発刊しているんですよ。」とのやりとりが。
とてもうれしいお話しでした。
YouTube によるFTA活用講座の専門編の新しいパートをアップしました。
基礎編 2-4「原産地規則の把握」 ~FTAのメリットを享受するためのプロセス(4)~
FTAでは、輸出する商品のHSコード毎に原産地規則が設定されており、原産であることを示すために、原産地規則を満たしていることを示す必要があります。 その原産地規則の見つけ方を説明します。
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