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セミナー資料

日米「15%相互関税」枠組みの適用範囲と時期


輸出側(日本企業)にとっては見積もりと契約条件、輸入側(米国側の輸入者)にとっては申告実務に直撃するのが、この「15%」です。ポイントは、15%が一律上乗せではなく、原則として米国の通常税率(Column 1=MFN)を含めた合算で15%になる設計だという点です。japan.kantei+1

1. 今回の「15%」は何を意味するのか

日米合意の実装として、米国は日本原産品について、原則「ベースライン15%」の関税枠組みを適用しました(ほぼ全品目が対象)。一方で、自動車・同部品、航空宇宙(民間航空機)などは別扱いのルールが設定されています。whitehouse+1

ここで誤解が多いのが、15%が「追加で15%」だと思われやすい点です。実務上のコアは次のロジックです。

2. 適用ロジック:MFN込みで合算15%

CBP(米国税関・国境警備局)のガイダンスでは、日本原産品の相互関税は、品目ごとのColumn 1税率(従価税、または従価税相当)に応じて決まります。whitehouse

基本ルール(一般品目)

Column 1税率が15%以上の場合
追加の相互関税は0%(実務上は専用のChapter 99番号9903.02.72を申告)whitehouse

Column 1税率が15%未満の場合
Column 1と相互関税の合算が15%になるように調整(いわば「15%までの上乗せ」、HTSUS番号9903.02.73を使用)whitehouse

特定税率(従量税など)の扱い

Column 1が従量税や複合税率の場合は、税額を課税価格で割って従価税相当に換算し、その換算率が15%未満かどうかで判定します。whitehouse

実務上の要点

ACE(米国の電子申告システム)は、所定のChapter 99番号を組み合わせて申告すると、結果として15%になるよう計算を置き換える運用が示されています。whitehouse

3. 適用範囲:対象と例外をどう切り分けるか

対象の基本

対象は「日本原産品」です。出荷地が日本かどうかではなく、米国の原産地判定(実質的変更など)で日本原産と扱われるかが起点になります。実務では、サプライチェーン上の加工地が絡む製品ほど、原産地の取り違えがコスト差に直結します。

例外1:民間航空機(Civil Aircraft Agreement)

民間航空機協定(WTOの民間航空機協定)に該当する日本原産の民間航空機(軍用機と無人機を除く)および関連部品等は、相互関税に加えて、アルミ・鉄鋼・銅など一部の232条追加関税から外れる扱いが明示されています(専用のChapter 99番号9903.96.02で申告)。whitehouse

例外2:232条対象品目は原則「相互関税の対象外」

日本原産品でも、232条措置(鉄鋼、アルミ、銅、自動車・同部品など)対象は、相互関税の上にさらに重ねるのではなく、232条側の枠組みで扱う整理が示されています。jetro+1

例外3:特定の医薬品や天然資源など(ゼロ化の可能性)

大統領令では、米国内で入手困難な天然資源やジェネリック医薬品などについて、相互関税率を0%に修正できる枠組みが置かれています。該当性の判断と運用は、今後の当局通知とHTS改正の具体化を前提に、個社での品目当て込みが必要です。whitehouse

4. 時期:いつから何が変わったのか(実務の時系列)

今回の論点は「発効日が1回ではない」ことです。大枠は次の理解が安全です。

重要日程

2025年8月7日(米国東部時間00:01以降)
日本原産品に対する相互関税の適用が開始されました。初期運用では専用のHTS番号9903.02.30で申告する扱いが示されました。japantimes+2

2025年9月4日
日米合意を実装する大統領令が公表され、15%ベースラインと、セクター別扱いの枠組みが明示されました。govinfo+1

2025年9月16日(米国東部時間00:01以降)
申告用のChapter 99番号が更新され、従来番号9903.02.30がACE上で使用不可となり、新番号9903.02.72と9903.02.73へ移行しました。加えて、自動車・同部品と民間航空機の取り扱いがこの日から明確に運用開始となっています。whitehouse

遡及と修正の実務

大統領令には、2025年8月7日以降の輸入に遡って適用する旨が置かれ、CBPが返金や修正の手順を案内する形になりました。特に2025年8月7日から9月15日の間に輸入実績がある企業は、当時の申告内容が新ルール下で適切か、輸入者と通関業者と一体で棚卸しする価値があります。federalregister+2

5. 自動車・同部品:別建てで「MFN込み15%」へ

自動車・同部品は232条の枠で再設計され、2025年9月16日以降に輸入される日本原産の自動車・同部品について、Column 1税率に応じて「合算15%」となるよう調整する運用が示されています。whitehouse

  • 自動車でColumn 1税率が15%以上:HTSUS 9903.94.40(追加関税0%)
  • 自動車でColumn 1税率が15%未満:HTSUS 9903.94.41(合算15%)
  • 自動車部品でColumn 1税率が15%以上:HTSUS 9903.94.42(追加関税0%)
  • 自動車部品でColumn 1税率が15%未満:HTSUS 9903.94.43(合算15%)whitehouse

6. ビジネスマン向け:現場が最初に確認すべき3点

自社品目のColumn 1税率が15%未満か
未満なら、原則として15%まで引き上げられるため、価格と利益への影響が大きくなります。whitehouse

232条対象に該当しないか(鉄鋼、アルミ、銅、自動車など)
相互関税で処理するのか、232条側で処理するのかで、申告番号も請求書の説明も変わります。jetro+1

申告の「番号」と「順番」
Chapter 99番号は付ければよいのではなく、複数の追加関税や救済関税が重なる場合に、CBPが示すシーケンスに沿って並べる必要があります。現場では、輸入者側の通関ルールとテンプレート改修が先行課題になります。whitehouse

まとめ

米日15%相互関税枠組みは、単純な一律上乗せではなく、MFN込みで合算15%に調整する設計です。発効は2025年8月7日、申告番号の更新と自動車・民間航空機の具体運用は2025年9月16日が節目となりました。まずは自社品目が「15%未満か」「232条か」「例外(民間航空機等)か」を切り分け、輸入者・通関業者と一緒に申告ルールと過去実績の点検まで進めるのが、最短で損失を止める動きになります。japan.kantei+2


免責事項
本稿は公開情報に基づく一般的な解説であり、個別案件の法的助言ではありません。実際の適用は、最新のHTS改正、CBPのCSMS、通関実務(ACE設定)に従って確認してください。


    1. https://japan.kantei.go.jp/103/statement/202508/07kaiken.html
    2. https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/08/4599e222a3e3b82d.html
    3. https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/07/further-modifying-the-reciprocal-tariff-rates/
    4. https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/09/implementing-the-united-states-japan-agreement/
    5. https://www.japantimes.co.jp/business/2025/08/07/economy/reciprocal-tariff-effective/
    6. https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2025-09-09/html/2025-17389.htm
    7. https://www.federalregister.gov/documents/2025/09/16/2025-17908/implementing-certain-tariff-related-elements-of-the-united-states-japan-agreement
    8. https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/09/df5c001da8c7a39e.html
    9. https://www.congress.gov/crs-product/IN12608
    10. https://www.youtube.com/watch?v=JRLUQvYLK1w
    11. https://www.thompsoncoburn.com/insights/u-s-japan-trade-agreement/
    12. https://www.nri.com/jp/media/column/kiuchi/20250708.html
    13. https://www.chrobinson.com/it-it/resources/insights-and-advisories/client-advisories/2025q3/09-17-2025-client-advisory-us-japan-agreement-implementation-trade-agreement-tariff-modifications/
    14. https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/08/df401b87949acc2a.html
    15. https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/us_tariff/pdf/00_20250822.pdf
    16. https://www.jetro.go.jp/ext_images/biz/seminar/2025/4692b7c6204944b6/gaiyo20250925.pdf
    17. https://www.pref.toyama.jp/documents/49618/2_jetro0827.pdf
    18. https://www.meti.go.jp/tariff_measures/pdf/2025_0901_02.pdf

    中国が日本向けデュアルユース輸出を「禁止」へ


    企業が直面する実務リスクと、いま取るべき対応

    2026年1月6日、中国商務部は「商務部公告2026年第1号」を公表し、日本向けの両用物項(デュアルユース品目)について輸出管制を大幅に強化しました。 公告の要点は、特定の最終ユーザー・最終用途向け輸出を全面的に禁止し、さらに第三国を経由した移転や提供まで規制の射程に含めた点であり、サプライチェーン全体への影響が大きい措置になっていることです。mofcom+2

    本記事では、中国商務部の公告(一次資料)と報道官コメントをベースに、ビジネス現場で誤解されやすいポイントを整理しつつ、調達・輸出入・コンプライアンスの観点から「今日からできる実務対応」を具体的に解説します。nikkei+2


    1. 何が起きたのか:公布日から即時適用

    中国商務部は2026年1月6日付の「商務部公告2026年第1号」で、「日本向けの両用物項に対する輸出管制を強化する」とし、同公告を公布した日から正式に実施すると明記しました。 公告では、輸出管制強化の法的根拠として「中華人民共和国輸出管制法」など関連法令が引用されています。npc+1

    同日付で公表された報道官の記者問答では、日本の指導者による台湾をめぐる最近の発言が「武力による台湾海峡への関与を示唆し、中国の内政に粗暴に干渉するもの」と位置付けられ、こうした動きに対する対応措置として今回の輸出管制が決定されたと説明されています。scmp+1


    2. 規制の核心:品目リストではなく「最終用途・需要者」起点の禁止

    公告の核心部分は、次の3点の禁止規定です。aa+1

    • 日本の軍事ユーザー向けの両用物項輸出を禁止すること。
    • 日本の軍事用途向けの両用物項輸出を禁止すること。
    • 日本の軍事力向上に資するその他の最終ユーザー・最終用途向け両用物項輸出を禁止すること。

    ここで重要なのは、公告本文が個別品目リストやHSコードを列挙していない点です。禁止対象は「すべての両用物項」でありながら、その判断は最終ユーザー・最終用途(日本の軍事ユーザー/軍事用途/軍事力向上に資する用途)を軸に行うよう設計されているため、単純な品目名ベースの線引きでは対応しきれない構造になっています。mofcom+2

    企業実務上、さらに重いインパクトを持つのが次の一文です。mofcom+2

    「いかなる国家と地域の組織および個人であっても、上記規定に違反して、原産地が中華人民共和国である関連両用物項を日本の組織または個人に転移または提供した場合、法律に基づき法的責任を追及する。」

    この規定は、中国原産の両用物項を第三国経由で日本に移転・転売・横流ししたり、グループ会社間移転や修理返送などの形で日本側に提供したりする行為も対象に含める趣旨と解釈されます。 結果として、一次調達ルートだけでなく、第三国の販売会社や海外グループ会社を経由するサプライチェーン全体が、規制リスクの影響下に置かれることになります。mofcom+5


    3. 「デュアルユース」とは何か:貨物だけでなく技術・サービスにも拡張

    中国の輸出管理法制において「両用物項(デュアルユース品目)」は、「民生用途にも軍事用途にも利用可能、または軍事能力の増強に資する」物品を意味し、貨物に加えて技術およびサービスも含む広い概念として定義されています。 輸出管理法は、特に兵器や大量破壊兵器などの設計・開発・製造・使用に関連し得る物品・技術・サービスを重点対象としていると説明されています。chinalawtranslate+1

    また、輸出管理法上の「管理対象」には、関連物品に関する技術情報やデータも含まれ得ることが明示されており、管理対象行為も「国外への移転」(輸出)だけでなく、「外国の組織・個人への提供」という形態まで含めると規定されています。 そのため、企業側としては「部品の輸入」だけの問題と捉えるのではなく、契約・設計図・ソフトウェア・技術支援・リモートサポート等の提供行為まで影響が及び得る、という前提でリスク評価を行う必要があります。mofo+4


    4. どんな企業が影響を受けやすいか:鍵は「用途」と「顧客構造」

    今回の措置は、「最終用途」と「最終ユーザー」による禁止対象の判断が中心となるため、業種区分以上に、顧客構造や用途説明の仕組みの強さが影響の大きさを左右します。scmp+2

    影響が出やすい典型例は次の通りです。

    • 防衛関連企業、または防衛関連企業向けのサプライヤー全般。
    • 航空宇宙、通信機器、レーダー・センサー、測位システム、先端材料、精密工作機械、半導体製造装置・材料など、軍事転用懸念が想定されやすい分野。
    • トレーダー経由・汎用品の反復取引・最終顧客が見えにくい販売モデルなど、用途説明が弱い商流。

    一部報道では、レアアースなどの重要素材や、ドローン・半導体関連を含むハイテク分野が影響例として取り上げられていますが、公告自体は具体的な品目リストを示していません。 このため、現場レベルでは「軍事転用の可能性が少しでも疑われる取引は、念のため保留・停止する」といった保守的な運用が広がるリスクが大きいと言えます。bloomberg+4


    5. 日本企業が今日から取るべき対応:調達・物流・法務の実務チェック

    A. 最初の48時間でやること(緊急対応)

    • 中国原産の部材・材料・装置・ソフトウェア・図面提供が関わる取引を棚卸しし、一覧化する。
    • 取引単位で「最終顧客」「最終用途」「軍事転用の可能性」を、社外説明用に1枚で示せる状態に整理する。
    • 中国側サプライヤーに対し、当該品目が両用物項として輸出管理対象となり得るか、出荷条件および要求される書類(用途証明書など)を確認する。
    • 第三国経由の調達についても原産国情報を再確認し、「実質的に中国原産の両用物項を取得していないか」をチェックする。商社経由や海外グループ会社経由の取引ほど慎重な確認が必要です。

    B. 次の30日でやること(再発防止・制度化)

    • 用途証明(End Use Statement)および需要者情報(End User)の取得・保存方法を社内標準として整備し、テンプレート化する。
    • 調達・販売契約に「輸出管理法令により出荷が停止し得る」こと、「停止時の通知義務」およびリードタイム等への影響の取り扱いを明記する。
    • グループ会社間の部品移転や修理返送、貸出機材など、社内物流も含めた移転フローを棚卸しし、中国原産の両用物項が日本に戻るパターンを洗い出す。
    • 代替サプライヤー・代替材料・在庫戦略(安全在庫の積み増しや調達先分散)を検討し、「停止した場合のバックアップ」を事前に設計する。

    6. そのまま使える用途証明のたたき台(例)

    日本企業が中国側サプライヤーから求められることが多いのは、用途の透明性と、軍事転用防止に関するコミットメントです。 以下は、社内でドラフトを用意する際の例文です(実際の運用にあたっては、必ず自社の法務・輸出管理担当と協議してください)。orrick+1

    日本語例(たたき台)
    本製品は民生用途のみに使用され、軍事用途には使用しません。本製品の最終需要者は〇〇であり、第三者への転売、用途変更、または日本国内外の軍事目的への転用は行いません。

    英語例(たたき台)
    The item will be used solely for civilian end use and will not be used for military purposes.
    The final end user is [Name]. We will not resell, retransfer, or change the end use in any way that could support military purposes.

    この種の文書は、サプライヤー側の出荷可否判断の材料として重視される一方、内容に虚偽や管理不備があれば、後の調査・監査において自社の説明責任に直接跳ね返ります。 形式だけを整えるのではなく、契約書・仕様書・顧客情報・用途説明資料などの裏付けと、保存ルールまで一体で設計することが安全です。allbrightlaw+4


    7. まとめ:今回の措置を「調達の話」で終わらせない

    今回の中国の措置は、単に「日本向けの輸出が難しくなる」というレベルの話ではなく、最終用途・最終ユーザーの説明力が弱い企業ほど、突然サプライチェーンが止まりやすくなるタイプのリスクです。 さらに、中国原産の両用物項を第三国経由で日本に移転・提供する行為についても法的責任追及の対象になり得る旨が明記されており、商流やグループ構造が複雑な企業ほど影響を受けやすくなります。mofcom+4

    最優先で取り組むべき実務は、次の2点です。

    • 中国原産品が関与する取引を見える化し、用途と需要者を第三者に説明できる状態にすること。
    • 供給が止まった場合の代替調達・在庫戦略と、契約上の手当て(不可抗力・出荷停止条項・通知義務など)を先に作っておくこと。

    公告文そのものは短くても、サプライチェーンとコンプライアンスの影響は中長期的に尾を引きます。 公告が出た直後のタイミングだからこそ、社内の棚卸しと標準書式・ルールの整備に一気に着手できるかどうかが、数カ月後の混乱度合いを大きく左右します。mofo+4

    1. https://www.mofcom.gov.cn/zwgk/zcfb/art/2026/art_8990fedae8fa462eb02cc9bae5034e91.html
    2. https://www.mofcom.gov.cn/xwfb/xwfyrth/art/2026/art_1f25cb39adfa4561b34b4ea46d2bcee7.html
    3. https://www.chinalawtranslate.com/en/export-control/
    4. http://www.npc.gov.cn/englishnpc/c2759/c23934/202112/t20211209_384804.html
    5. https://asia.nikkei.com/politics/international-relations/japan-china-tensions/china-bans-exports-of-dual-use-items-for-military-purposes-to-japan
    6. https://www.aa.com.tr/en/asia-pacific/china-bans-sale-of-dual-use-items-to-japanese-end-users-for-military-purposes/3791611
    7. https://www.scmp.com/economy/global-economy/article/3338907/china-bans-exports-military-related-goods-japan-dispute-intensifies
    8. https://www.mofcom.gov.cn/zcfb/dwmygl/art/2025/art_65480a162cd745c2b0863d67553a4b05.html
    9. https://www.mofo.com/resources/insights/241216-china-s-new-export-control-framework-key-changes
    10. https://www.orrick.com/en/Insights/2024/11/China-Issues-Regulation-on-Export-Control-of-Dual-Use-Items
    11. https://www.allbrightlaw.com/EN/10475/c5ca6770ad261d5d.aspx
    12. https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-01-06/china-bans-exports-of-dual-use-items-to-japan-military-users
    13. https://www.japantimes.co.jp/news/2026/01/06/asia-pacific/china-dual-use-export-ban/
    14. https://sms.mofcom.gov.cn/cms_files/filemanager/676898164/attach/20249/7e465a3c4b3c4f11be09a3a4f6d09916.pdf
    15. http://wzs.mofcom.gov.cn/api-gateway/jpaas-web-server/front/document/download?fileUrl=YW5UzzlvCwcM%2FNHHX%2FtT6JV7pJDyrvTvKb1f3uS6fJXqmWZcN8LioM60YFZjuMLTHKpbESMgqZ0JCMOFxV9%2FJeOMI%2FgV3L4AdDIgOv3UlubfFQWCFgR4969NwUd2gyxHt1%2FWiuInMXIyFqwnbHXyC38LGlNx9uttfBTIn%2FKoRt0%3D&fileName=%E5%A4%96%E5%95%86%E6%8A%95%E8%B5%84%E6%8C%87%E5%BC%952025_%E8%8B%B1%E6%96%87.pdf
    16. https://fdi.mofcom.gov.cn/resource/pdf/wx2024/2024EN.pdf
    17. https://www.mofcom.gov.cn/zwgk/zcfb/art/2025/art_7fc9bff0fb4546ecb02f66ee77d0e5f6.html
    18. http://images.mofcom.gov.cn/chinawto/202004/20200416184851866.pdf
    19. https://data.mofcom.gov.cn/report/%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%8A%95%E8%B5%84%E6%8A%A5%E5%91%8A2023-%E8%8B%B1%E6%96%87%E7%89%88.pdf
    20. http://cys.mofcom.gov.cn/article/glml/

    米国相互関税の最新運用まとめ(2026年第1週):申告実務で事故を起こさないための要点

    2026年1月上旬時点で、米国の相互関税は「税率そのもの」よりも「エントリー(申告)で正しく表現できるか」が勝負どころです。枠組みは大統領令(IEEPA)とHTSUS(Chapter 99)改定で動き、CBPはCSMSで申告手順を更新してきました。(連邦官報)

    本稿は、2026年1月6日(日本時間)時点で確認できる一次情報(CBP CSMS、大統領令、Federal Register相当の公開情報)をベースに、現場でミスが出やすい論点だけに絞って整理します。(content.govdelivery.com)

    まず押さえるべき結論

    ・国別の「一律上乗せ」ではなく、EU、日本、韓国、スイス、リヒテンシュタインなどは「Column 1関税率が15%未満なら合計15%になるよう上乗せ、15%以上なら上乗せゼロ」という置換型(キャップ型)に寄っています。(The White House)
    ・申告では、Chapter 99を複数付ける場面が多く、並び順と「どの税番に何%のDutyを紐付けるか」を誤ると、税率が合っていてもACEでエラーや過不足が起きます。(content.govdelivery.com)
    ・農産品の追加免除(2025年11月13日以降)など、免除の拡張が続き、免除を「税番で宣言」できないと過払いになります。(content.govdelivery.com)
    ・遡及適用や見直しがあるため、すでに出したエントリーもPSCやプロテストで是正する運用が前提です。(content.govdelivery.com)
    ・回避目的の積み替え(transshipment)認定では、追加40%の枠が用意され、事後の訂正や清算時徴収もあり得ます。(content.govdelivery.com)

    2026年第1週に効く「直近アップデート」整理(主に2025年11月以降)

    運用を変えた更新だけ、日付順に並べます。

    1) 農産品の免除拡大(2025年11月13日以降に適用)

    2025年11月14日のCSMSは、農産品237分類と追加11カテゴリを相互関税の対象外に追加し、免除の申告に9903.01.32(原則)または9903.02.78(特定カテゴリ)を使うよう示しました。(content.govdelivery.com)

    実務の要点は、同じ商品でも「免除対象のHTSUSに正しく分類できるか」で課税・非課税が分かれる点です。免除対象を掴んでいても、税番で宣言できなければ過払いになります。(content.govdelivery.com)

    2) 日本:基準15%(一般品)+自動車・航空は別建て(2025年9月の実装)

    日本品は「ほぼ全品に基準15%」を適用しつつ、自動車・部品、航空宇宙は別の扱いという設計がCSMSで明確化されています。(content.govdelivery.com)

    一般品の相互関税は、Column 1の税率が15%以上なら追加ゼロ(9903.02.72)、15%未満なら合計15%になるよう調整(9903.02.73)です。(content.govdelivery.com)
    さらに、民間航空機(WTO民間航空機協定の対象、無人機は除外)は追加関税の対象外として9903.96.02を使う整理です。(content.govdelivery.com)
    また、日本の自動車・部品はSection 232側の枠で、Column 1に応じて合計15%にする見せ方(9903.94.40〜.43)が示されています。(content.govdelivery.com)

    3) EU・日本・英国:置換税のDutyの載せ方(2025年9月の補足)

    CSMSは、EU(9903.02.20)と日本(9903.02.73)の「合計15%」系について、DutyをChapter 99側に15%として載せ、Chapter 1〜97側はDuty 0でラインバリューを載せる、といった申告の作法を明確にしました。(content.govdelivery.com)

    英国についても、自動車部品のSection 232枠で「合計10%」(Column 1が10%未満の場合に調整)という扱いと、申告税番(9903.94.32)が示されています。(content.govdelivery.com)

    4) 韓国:Column 1のGeneral/SpecialとSPIが鍵(2025年12月)

    韓国品は、Column 1(GeneralまたはSpecialの適用側)に基づき、15%以上なら追加ゼロ、15%未満なら合計15%という形です。(content.govdelivery.com)
    ここで重要なのは、KORUSのSpecialを使うためのSPI「KR」の存在がDuty判定に影響する、と明記されている点です。(content.govdelivery.com)

    5) スイス・リヒテンシュタイン:合計15%、しかも遡及(2025年12月)

    スイス・リヒテンシュタインも、Column 1が15%以上なら追加ゼロ、15%未満なら合計15%で、税番(スイス:9903.02.82/83、リヒテン:9903.02.87/88)が提示されました。(content.govdelivery.com)
    しかも適用開始は2025年11月14日以降に遡及する整理で、過去のエントリー是正が実務課題になります。(content.govdelivery.com)

    6) 中国(香港・マカオ含む):追加10%が継続(2025年11月)

    中国品は、相互関税として10%の追加(例:9903.01.25)が継続する旨がCSMSで再確認されています。(content.govdelivery.com)
    また、相互関税と別のIEEPA関税(いわゆるFentanyl関連)など、複数の追加関税が同時に掛かり得る点も注意喚起されています。(content.govdelivery.com)

    「置換型(合計15%)」を前提に、社内の見方を変える

    相互関税は「一律で何%上乗せ」と思い込むと事故ります。少なくともEUについては、大統領令本文で「Column 1が15%未満なら合計15%、15%以上なら追加ゼロ」というロジックが明記されています。(The White House)

    同じ発想が、日本・韓国・スイス・リヒテンシュタインのCSMSでも繰り返されており、実務的には次の2分岐を常に確認する運用が必要です。(content.govdelivery.com)

    ・Column 1(GeneralまたはSpecial)が15%以上か
    ・15%未満なら、申告上は「合計15%」としてChapter 99に載せるのか、「差分(15%−Column 1)」として載せるのか(Drawback絡みで変わる)

    ここで落とし穴が、Column 1が従量税や複合税の場合です。CSMSは、課税額を通関価格で割って従価換算し、15%との比較を行う方法まで例示しています。(content.govdelivery.com)

    エントリー実務:Chapter 99の並び順とDutyの紐付けが本丸

    CBPのCSMSは、複数HTSUSを同一ラインで申告する際の並び順と、Dutyを正しい税番に紐付けることを強く求めています。異なる税番のDutyを合算してどれか1つに寄せる申告は不可、と明確に書かれています。(content.govdelivery.com)

    基本の並び順(代表例)は次の通りです。(content.govdelivery.com)
    ・Chapter 98(該当時)
    ・Chapter 99(追加関税)
    ・Trade remediesの並び:Section 301 → IEEPA Fentanyl → IEEPA Reciprocal → Section 232/201 → 232/201のクォータ
    ・置換税やMTBなどの別用途Chapter 99
    ・クォータ
    ・Chapter 1〜97(本来の品目)

    さらに、US原産コンテンツが20%以上ある場合(9903.01.34)は、US部分と非US部分を2行に分けて申告し、相互関税は非US部分に対してのみ課す、という手順まで示されています。(content.govdelivery.com)

    免除は「知っている」だけでは足りない。税番で宣言する

    代表的な免除の考え方は、次のように整理されます(詳細は常に最新CSMS優先)。(content.govdelivery.com)

    ・Annex II(対象品目の免除):9903.01.32を使うのが基本。農産品の一部カテゴリは9903.02.78。(content.govdelivery.com)
    ・Section 232対象(鉄鋼、アルミ、自動車・部品、銅など):相互関税の免除として9903.01.33を継続使用。(content.govdelivery.com)
    ・カナダ・メキシコ:一定の条件下で免除のための二次分類(9903.01.26/27)を付す整理。(content.govdelivery.com)
    ・民間航空機:日本は9903.96.02で追加関税から外す整理。韓国やスイス等でも航空関連の免除見せ方が用意されています。(content.govdelivery.com)

    遡及と修正は「例外」ではなく通常運転。PSCとプロテストを前提にする

    韓国やスイス・リヒテンシュタインのように、取決めやFRNにより遡及で税番・税率の見せ方が変わり、ACEにデプロイされるケースがあります。(content.govdelivery.com)

    その場合、未清算ならPSCで返金を狙う、清算済みなら清算後180日以内のプロテストで争う、といった道筋がCSMS内で明示されています。(content.govdelivery.com)
    日本向けの更新では、貨物リリース後10日以内かつ見積税額をデポジットする前に訂正することで、返金手続きを避けやすいという実務的な助言まで入っています。(content.govdelivery.com)

    日本企業向け:米国輸入者が詰まらないための「提供パッケージ」

    相互関税局面で、輸出者側ができる最大の支援は「米国側がChapter 99を正しく選べる材料」を最初から渡すことです。以下は最低限のセットです。

    ・HTS分類の前提情報(用途、材質、機能、型番、仕様書の要点)
    ・原産国判断の根拠(製造工程の要約、主要部材の原産)
    ・取引価格の構成(従価税なので、インボイス値の妥当性が重要)(content.govdelivery.com)
    ・免除対象の可能性がある場合は、その根拠となるHTSUS分類や、該当し得るChapter 99(例:民間航空機、農産品カテゴリ、Section 232対象)(content.govdelivery.com)
    ・USコンテンツ20%ルールに該当し得る場合は、US原産部分と非US部分の値の根拠(行分割申告が必要)(content.govdelivery.com)

    加えて、米国側のブローカーが「置換税(合計15%)」の取り扱いか、「Drawbackを見据えて差分申告」かを選べるよう、社内で方針を決めて共有するのが現実的です。実際、CBPはDrawbackの例外的な載せ方を明示しています。(content.govdelivery.com)

    主要国・枠組みの早見表(2026年第1週時点)

    国名関税率出所備考
    日本原則:合計15%(Column 1が15%未満の場合に調整、15%以上は追加0)CBP CSMS #66242844 (content.govdelivery.com)一般品は9903.02.72/73。自動車・部品はSection 232で9903.94.40〜.43。民間航空機は9903.96.02 (content.govdelivery.com)
    欧州連合(EU)原則:合計15%(15%未満は9903.02.20、15%以上は9903.02.19で追加0)CBP CSMS #65829726 (content.govdelivery.com)大統領令上もColumn 1に応じて合計15%ロジック (The White House)
    韓国原則:合計15%(Column 1 General/Specialに応じて調整)CBP CSMS #66987366 / #67045953 (content.govdelivery.com)KORUSのSPI「KR」がSpecial適用の鍵 (content.govdelivery.com)
    スイス原則:合計15%(15%未満は9903.02.83、15%以上は9903.02.82で追加0)CBP CSMS #67133044 (content.govdelivery.com)2025年11月14日以降に遡及 (Reuters)
    リヒテンシュタイン原則:合計15%(15%未満は9903.02.88、15%以上は9903.02.87で追加0)CBP CSMS #67133044 (content.govdelivery.com)2025年11月14日以降に遡及 (Reuters)
    中国(香港・マカオ含む)追加10%(例:9903.01.25)CBP CSMS #66749380 (content.govdelivery.com)他のIEEPA追加関税等と重複し得る (content.govdelivery.com)
    複数国共通(農産品など)追加相互関税の免除(例:9903.01.32、農産品カテゴリは9903.02.78)CBP CSMS #66814923 / CSMS #65829726 (content.govdelivery.com)2025年11月13日以降に免除拡大 (content.govdelivery.com)

    おわりに:週次で見るべき一次情報の順番

    相互関税は「更新を取り逃さない仕組み」を作った企業が最後に勝ちます。おすすめの確認順は次の通りです。

    ・CBP CSMS(申告実務の手順が最速で更新される)(content.govdelivery.com)
    ・ホワイトハウス大統領令(Annexや適用開始・遡及の根拠がここ)(The White House)
    ・USTRの「Presidential Tariff Actions」整理ページ(関連資料への入口として便利)(United States Trade Representative)

    2026年1月前後に節目を迎える主なFTA/EPA

    2026年1月(実務上は多くが2026年1月1日)に、協定税率が更新・引下げ(または撤廃段階に到達)したことが一次情報で確認できるFTA/EPAは、少なくとも下表のとおりです。

    なお、FTA/EPAの関税は「毎年1月1日に段階的に動く」タイプが多く、品目ベースで網羅すると対象が非常に広くなります。ここでは、協定として税率が動くこと自体が明示されているものを中心に整理します。

    協定名当事国・地域2026年1月の関税率変更(概要)実施日一次情報(根拠)
    CPTPPCPTPP当事国日本を除く当事国は、その後の関税削減(staging)が毎年1月1日に実施されるため、2026年1月1日に協定税率が次段階へ更新。日本は毎年4月1日更新。2026年1月1日(日本は4月1日)(international.gc.ca)
    RCEPASEAN10+日中韓豪NZ(計15)ブルネイ、カンボジア、中国、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、NZ、シンガポール、タイ、ベトナムは毎年1月1日に段階引下げ。インドネシア、日本、フィリピンは毎年4月1日更新。2026年1月1日(国により4月1日)
    豪印ECTAオーストラリア、インド豪州側の関税表で段階区分B5の品目は、年5(2026年1月1日)から無税化に到達(豪州の対印輸入が広く無税化)。2026年1月1日(オーストラリア外務貿易省)
    ChAFTAオーストラリア、中国乳製品などで、中国側の対豪関税(最大20%)が2026年1月1日までに撤廃段階に到達(最終段階の節目)。2026年1月1日までに(オーストラリア外務貿易省)
    KAFTAオーストラリア、韓国一部の高関税(例:乳児用調製粉乳など)で、2026年1月1日までに撤廃段階に到達する旨が明示。2026年1月1日までに(オーストラリア外務貿易省)
    A-UKFTAオーストラリア、英国水産物で、残存関税が2026年1月1日までに段階的に撤廃される旨が明示。2026年1月1日までに(農業省)
    AfCFTA(南ア実装)アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)南アフリカ歳入庁(SARS)が、AfCFTAの関税段階引下げ(phase down)実装のため、2026年1月1日効力で関税率表改正を告知。2026年1月1日(South African Revenue Service)

    補足(日本企業の実務観点)

    • CPTPPとRCEPは、協定そのものとして「毎年の更新日」が明示されているため、2026年1月1日に多くの国で協定税率が動きます(品目数は膨大)。(international.gc.ca)
    • 一方で、日本側の更新日はCPTPPが4月1日、RCEPも(少なくとも日本・インドネシア・フィリピンは)4月1日運用と整理されています。したがって、2026年1月の影響は「日本から輸出する際の相手国側の税率更新」が中心になりがちです。(international.gc.ca)
    • 日本の関税率表自体は、税関サイトに「2026年1月1日現在」が公開されています(参照用)。協定税率の確認導線としては使えます。(日本の税関)

    米国「相互関税」最新指針を確実に確認する方法

    税率より先に、エントリー実務が崩れる。これが相互関税の怖さです。

    米国の相互関税(Reciprocal Tariffs)は、大統領令とHTSUS改定で枠組みが動き、CBP(米国税関・国境警備局)がCSMS(Cargo Systems Messaging Service)で「申告のやり方」をアップデートしていきます。実務上の事故は、だいたい次の形で起きます。foley+1

    • 自社は正しい税率を把握していたが、Chapter 99(二次税番)の付け方や、課税額の載せ方が古いままだった
    • 遡及適用の更新を取り逃し、過払いか、逆に追徴リスクを抱えた
    • 例外(USMCA、輸送中例外、232条対象除外など)を「申告で表現」できずに詰まった

    以下、2026年1月5日時点で確認できる一次情報をもとに、最新指針の確認ルートと、現場が押さえるべき要点をまとめます。


    1. 最新指針を最短で確認するルート

    相互関税は「どこを見るか」を固定すると強いです。おすすめは次の順番です。

    USTRの整理ページを索引として使う

    USTRの「Presidential Tariff Actions」は、相互関税関連の大統領令と付属書への導線がまとまっています。ここを起点にすると、取りこぼしが減ります。foley

    White House(大統領令)とFederal Register(官報)で法令と発効日を確定

    例えば2025年7月31日付の大統領令は、HTSUS改定の発効タイミングや輸送中例外の考え方を明記しています。Federal Registerでは、関税率変更の正式な公告と発効日が確認できます。jdsupra+1

    CBPのCSMSで「エントリーの正解」を確定

    CBPは、Chapter 99の付け方、課税額の載せ方、FTZ(外国貿易地域)・ドローバック・修正手続までCSMSで具体的に指示します。ここが実務の決定版です。natlawreview+1


    2. 2026年1月時点で「最新」と言えるCBP指針はどれか

    相互関税のCSMSは国別・合意別に増えています。2026年1月5日時点で、相互関税の更新として特に新しいものの一つが、**2025年12月17日付のCSMS(スイス・リヒテンシュタインの枠組み実装)**です。ここでは、15%上限ロジック、使用すべきChapter 99、過去エントリーの修正(PSCやProtest)まで踏み込んでいます。jdsupra

    また、2025年12月18日付のFederal Registerでは、米国・スイス間の関税合意の正式な実施要領が公告されています。jdsupra


    3. まず押さえるべき「申告の地雷」5つ

    1) Chapter 99(二次税番)の付与が必須

    相互関税は「通常の1-97類の税番」だけでは申告が完結しません。少なくとも1つのChapter 99二次税番を申告するよう求められています。natlawreview

    2) 課税額を別税番に合算しない

    CBPは「相互関税の税額を、正しいHTSUS(Chapter 99側)に紐づけて載せる」ことを強く要求しています。合算すると後工程(還付、監査、照会)で破綻します。natlawreview

    3) 輸送中例外は期間と条件が命

    例外は「条件を満たす」だけでは足りず、適用期間が明確に区切られます。例:2025年8月7日基準の輸送中例外は2025年10月5日までのウィンドウが設定されています。linkedin

    4) 迂回(Transshipment)認定は40%に置換され得る

    CBPが「相互関税回避のための迂回」と判断すると、相互関税に代えて40%の追加関税(指定税番への置換)を課す運用が示されています。linkedin

    5) 遡及更新がある。後追い修正の手順も指針に含まれる

    スイス等の事例では、過去分のエントリー修正として、未清算はPSC(Post Summary Correction)、清算済は180日以内のProtestという実務導線まで書かれています。jdsupra


    4. ベースライン指針(2025年4月5日開始)を「実務言語」に翻訳すると

    相互関税の初期ガイダンスでは、次がコアでした。natlawreview

    • 原則:追加10%(指定Chapter 99)
    • 例外:カナダ、メキシコ、Column 2国、寄贈品、情報媒体、Annex II列挙品目、232条対象などは、例外用のChapter 99で表現
    • FTZ:一定条件ではPrivileged Foreign扱いを要求
    • Drawback:相互関税も対象になり得る
    • 申告設計:U.S. content 20%ルール等では、行を分割して申告させる

    これらが「相互関税は税率より申告設計」という現実を作りました。natlawreview


    5. 2025年8月7日以降の更新で、何が変わったか

    2025年8月7日以降は、国別の相互関税(Chapter 99体系)が本格稼働し、対象国はAnnex Iに基づく体系へ移っています。CBPは、対象国の申告に9903.02.02~9903.02.71系を使う旨を明示し、EUについては「Column 1(MFN)税率が15%未満なら合計15%、15%以上なら追加0」というロジックを例示しています。linkedin

    加えて、輸送中例外のウィンドウ、迂回判定時の40%置換など、実務上の事故ポイントがこのフェーズでより明確化しました。linkedin


    6. 合意で「ルールが書き換わる」典型例

    相互関税は、合意が出ると次の流れで運用が上書きされます。

    1. 大統領令で枠組みと改定権限を提示
    2. Commerce/USTRがFederal RegisterでHTSUS改定を公告jdsupra
    3. CBPがCSMSで申告手順を確定し、ACEへデプロイjdsupra+1

    EU枠組みの実装ガイダンスは、この構造をそのまま示しています。craneww

    スイス・リヒテンシュタインの最新ガイダンスでは、15%上限ロジックに合わせ、使用すべき税番(例:9903.02.82/83、9903.02.87/88)まで明確です。jdsupra+1


    7. 社内で回す「最新指針取り込み」チェックリスト

    現場に落とすなら、次の6点を定例化するのが効きます。

    1. 自社品目を棚卸し

    一般品、232条対象、例外対象、合意国の特別ロジック対象、輸送中ウィンドウ対象に分類する

    2. COO(原産国)と根拠書類を固める

    迂回認定のリスクは関税率だけでなく、罰則や追加措置の呼び水になりますlinkedin

    3. Chapter 99マッピングを最新版へ

    CSMSの更新ごとに、ブローカー指示書と社内マスタの整合を取り直すjdsupra+1

    4. エントリー行設計の監査

    税額をどのHTSUSに載せるか、合算していないか、行分割が必要かをチェックするnatlawreview

    5. 遡及適用の有無を必ず確認

    発効日と遡及範囲を、Federal RegisterとCSMSで確定するjdsupra+1

    6. 過去分の手当て

    未清算はPSC、清算済はProtest期限を意識して、過払い・誤りを回収するjdsupra


    8. 相互関税の調査結果(主要例、2026年1月5日時点で確認できる範囲)

    国名関税率出所備考
    日本MFN込みで15%となるよう調整(MFNが15%以上は追加0)trade日本政府整理。適用や対象は品目別に要確認
    欧州連合(EU)Column1が15%以上は追加0、15%未満は合計15%linkedin申告税番(例:9903.02.19/20)と運用更新に注意
    スイスColumn1が15%以上は追加0、15%未満は合計15%jdsupra+12025年11月14日以降の取り扱いとして明示(税番も指定)
    リヒテンシュタインColumn1が15%以上は追加0、15%未満は合計15%jdsupra+1スイスと同一枠組み
    中国相互関税部分は10%(別枠関税は別途)news.globalialogisticsnetwork相互関税以外の追加関税と積み上がる可能性に留意

    注意:台湾・インドなどの情報は2026年1月5日時点で最新のCSMSでは未確認のため、記載を保留しています。最新情報は必ずCSMSとFederal Registerで確認してください。jdsupra+1


    9. まとめ

    相互関税で勝負を分けるのは「税率の暗記」ではなく、次の3つです。

    1. 一次情報の取り方(USTR索引 → 大統領令 → Federal Register → CSMS)foley+2
    2. Chapter 99を軸にした申告設計(税額の載せ方、順序、行分割)natlawreview
    3. 遡及更新と修正手続(PSCとProtestの使い分け)jdsupra

    注意事項

    本稿は2026年1月5日時点で公開されている情報に基づく一般的な解説であり、個別案件の法務・通関判断を代替するものではありません。最終判断は必ず最新のCBP公表資料、Federal Register、専門家確認で行ってください。


    1. https://www.foley.com/ko/insights/publications/2025/12/mexican-january-2026-tariff-tsunami-maquilas-arent-immune/
    2. https://natlawreview.com/article/mexican-january-2026-tariff-tsunami-maquilas-arent-immune
    3. https://www.jdsupra.com/legalnews/mexico-proposes-significant-customs-and-3809818/
    4. https://www.jdsupra.com/legalnews/mexico-approves-significant-tariff-5879289/
    5. https://www.linkedin.com/pulse/mexicos-january-2026-tariff-shift-what-means-imports-supply-tian-16cfc
    6. https://www.craneww.com/knowledge-center/trade-advisory-notices/mexicos-2026-tariff-reform/
    7. https://www.trade.gov/market-intelligence/mexico-customs-law-reform
    8. https://news.globalialogisticsnetwork.com/2025/11/07/interview-with-globalia-monterrey-a-look-at-mexicos-2026-trade-reforms/

    メキシコ関税引上げとUSMCA適用の盲点

    メキシコ調達と北米輸出のコストが想定外に膨らむ理由

    2026年1月1日、メキシコは一般最恵国税率(MFN)を広範囲に引き上げました。対象はHS8桁で1,463品目、税率は5%から最大50%まで引き上げられ、繊維・履物、鉄鋼、自動車・自動車部品、プラスチック製品など、サプライチェーンの裾野が広い分野が含まれます。natlawreview+1

    このニュースを見て「うちはUSMCAで北米向け輸出だから大丈夫」と判断すると、原価とキャッシュフローで痛い目を見ることがあります。盲点は一言で言えば、完成品の無税と部材の関税コストは別物という点です。

    まず結論:今回の関税引上げで起きること

    次の3点が、実務インパクトの核心です。

    1つ目:メキシコとFTAがない国からの輸入コストが上がる
    中国、インド、韓国、タイ、インドネシアなど、メキシコとFTAを持たない国からの輸入が主な影響対象になります。linkedin

    2つ目:FTA締結国でも、特恵を使わなければMFNが適用される
    日本は日墨EPAやCPTPPにより多くの品目で特恵税率が見込めますが、特恵申告をせずに輸出するとMFNが適用される点が重要です。vemaps

    3つ目:USMCA輸出でも、メキシコ側の部材関税がコストとして残り得る
    特にIMMEXなど関税繰延べスキームを使う企業ほど、USMCA第2.5条の規律が効いてきます。tuttlelaw+1

    何が変わったのか:メキシコ関税引上げの整理

    メキシコ上院は2025年12月10日、輸出入関税法(LIGIE)の改正を可決し、2026年1月1日から新税率を適用する流れになりました。対象の品目数1,463は維持されましたが、途中で115品目が入れ替わっているため、過去のリストで判断するのは危険です。trade+1

    また、旅客車の一部は50%への引上げが維持されるなど、分野によってはインパクトが極端に大きくなり得ます。vemaps+1

    盲点1 非FTA国だけの話ではない

    日本企業の現場で起きやすい誤解は「日本は対象外だから無関係」というものです。実務の実態は次の通りです。

    • 日本原産であっても、日墨EPAやCPTPPの特恵申告をしなければMFNが適用されるvemaps
    • サプライヤーから原産情報が得られず、特恵が使えない輸入が増えると、関税コストが一気に顕在化する

    JETROも、特恵税率の適用には原産地証明書の取得など所定手続きが必要で、手続きをしない場合はMFN税率になる点を明示しています。vemaps

    盲点2 USMCAがあっても、メキシコ側の部材関税は消えない

    USMCAは北米域内の完成品取引を無税化しやすくする仕組みですが、メキシコが域外から輸入する部材にかかる関税まで自動でゼロにするものではありません。ここで効いてくるのが、**USMCA第2.5条(Drawback and Duty Deferral Programs)**です。prodensa+1

    ポイントは2つあります

    1. 関税繰延べは、輸出時に精算が起き得る
    USMCA第2.5条は、一定の条件下で関税還付や関税繰延べを利用して実質的に関税負担を回避することを制限します。条文上、関税繰延べ制度で輸入した物品を他の締約国へ輸出する場合、輸出側は国内消費向けに引き出したかのように関税を賦課し、その上で限定的に免除・減額できる、という構造です。cbsa-asfc+1

    メキシコのMFNが上がると、この精算額の上限(実務的にはLesser of the Twoと呼ばれる差額)が大きくなり、キャッシュフローと原価に直撃します。natlawreview+1

    具体例(自動車部品)linkedin+1

    • メキシコ輸入時の非FTA部材関税(2026年):25%
    • 米国輸出時の完成品関税(USMCA不適合):10%
    • → IMMEX企業は米国側10%のみ相殺可能で、残り15%はメキシコで納付義務が発生

    2. 60日ルールが資金繰りを揺らす
    USMCA第2.5条には、輸出先で支払った関税額の証憑を一定期間内に提示できない場合、輸出側がいったん関税を徴収する建付けがあります。米国・カナダでは、関連する規定として60日という期限が条文運用上の重要な目安になります。tuttlelaw+1

    書類が遅れるだけで、想定外の納付が先に発生し、後追いで調整する形になり得ます。cbsa-asfc

    盲点3 USMCAの適用は「原産性の主張と証明」が前提

    もう一つの落とし穴は、USMCAでの特恵申告は証明の運用が整っていないと簡単に崩れることです。

    USMCAでは特定の様式の原産地証明書は要求されません。その代わり、Annex 5-Aに定められた最低限のデータ要素を含む認証(Certification)を、任意の形式で提示できることが求められます。preferredship+1

    実務で効くのはここです

    • 形式自由という言葉を、証憑管理が不要と誤解する
    • HS6桁を含む要素が必要なのに、分類とBOMの紐付けが曖昧ustr
    • 輸出者・生産者・輸入者の誰が認証するかが社内で決まっていないpreferredship

    結果として、米国側でUSMCA特恵が崩れ米国関税が発生するだけでなく、メキシコ側の関税繰延べ精算も別問題として残り、二重にダメージを受ける構図になります。natlawreview

    企業が今すぐやるべき実務チェック

    最後に、ビジネスマン向けに優先順位順で整理します。

    1 影響品目の特定

    • 自社の輸入品目(TIGIE 8桁)を洗い出し、1,463品目の対象に入っているか確認trade
    • 途中で品目の入れ替えがあるため、最新版のリストで確認するvemaps

    2 調達国とFTA利用有無の棚卸し

    • FTA締結国原産でも、特恵を使っているかを取引単位で確認
    • 特恵未利用の取引を優先して是正するvemaps

    3 IMMEXなど関税繰延べの前提更新

    • 「輸入時は無税」ではなく「輸出時に精算が起き得る」前提で原価を組み直すprodensa+1
    • USMCA第2.5条に基づく差額精算(Lesser of the Two)、証憑の提出期限(60日)を、社内KPIとして管理するtuttlelaw+1

    4 USMCA認証と証憑の整備

    • 認証は様式自由だが、最低限のデータ要素(HS6桁含む)が必要ustr+1
    • 誰が認証するか、どこに保管するか、更新頻度を決めるpreferredship

    まとめ

    メキシコの関税引上げは、単なる対外政策ではなく、北米サプライチェーンの原価構造を変えるイベントです。特に、IMMEXを使って域外部材を投入し、USMCAで北米に輸出するモデルほど影響が出やすい構造にあります。trade+2

    対策の第一歩はシンプルです。品目、原産地、FTA利用、関税繰延べ、USMCA認証。この5点を一本の台帳でつなぐこと。ここがつながると、コスト試算、取引条件の見直し、調達転換の優先順位が一気に明確になります。


    注意事項

    本稿は一般的な情報提供であり、個別案件の法務・通関判断を代替するものではありません。最終判断は当局公表資料や専門家確認で行ってください。


    1. https://natlawreview.com/article/mexican-january-2026-tariff-tsunami-maquilas-arent-immune
    2. https://www.trade.gov/market-intelligence/mexico-customs-law-reform
    3. https://www.linkedin.com/pulse/mexicos-january-2026-tariff-shift-what-means-imports-supply-tian-16cfc
    4. https://vemaps.com/mexico/mx-06
    5. https://www.tuttlelaw.com/newsletters/2020/7-28-20_usmca_drawback.html
    6. https://www.prodensa.com/insights/blog/the-immex-framework
    7. https://www.cbsa-asfc.gc.ca/publications/dm-md/pdf/d7-4-3-eng.pdf
    8. https://preferredship.com/wp-content/uploads/2020/06/USMCA_CoO_US.pdf
    9. https://ustr.gov/sites/default/files/files/agreements/FTA/USMCA/Text/05_Origin_Procedures.pdf
    10. https://www.foley.com/ko/insights/publications/2025/12/mexican-january-2026-tariff-tsunami-maquilas-arent-immune/
    11. https://www.jdsupra.com/legalnews/mexico-approves-significant-tariff-5879289/
    12. https://news.globalialogisticsnetwork.com/2025/11/07/interview-with-globalia-monterrey-a-look-at-mexicos-2026-trade-reforms/
    13. https://www.craneww.com/knowledge-center/trade-advisory-notices/mexicos-2026-tariff-reform/
    14. https://www.jdsupra.com/legalnews/mexico-proposes-significant-customs-and-3809818/
    15. https://www.jetro.go.jp/ext_images/biz/seminar/orb-200701/doc1.pdf
    16. https://www.trade.gov/sites/default/files/2023-09/fulltext.pdf
    17. https://www.afslaw.com/perspectives/alerts/who-can-make-usmca-certification
    18. https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/11e020.pdf
    19. https://www.pcbusa.com/post/how-to-fill-out-certification-of-origin-under-cusma-usmca-t-mec
    20. https://www.customs.go.jp/roo/english/procedure/index.htm
    21. https://biblioteca.cejamericas.org/bitstream/handle/2015/2837/Mexican_government_changes_IMMEX_regime.pdf?sequence=1&isAllowed=y

    韓国のCPTPP参加の現状まとめ―2026年1月3日時点の公開情報にもとづく―


    はじめに

    CPTPP(包括的・先進的環太平洋パートナーシップ協定)は、関税撤廃だけでなく、デジタル取引、投資、国有企業、競争政策、補助金、政府調達など、企業活動を支える経済ルールを高水準で統一する枠組みです。
    韓国がこの枠組みに加わるかどうかは、実質的な日韓FTA発効に相当し、サプライチェーン設計や販売戦略の前提条件を大きく変える可能性があります。

    現在の進捗状況

    結論から言うと、韓国政府は2025年後半からCPTPP参加の検討を再び加速させていますが、2026年1月時点でニュージーランド(CPTPP寄託国)に正式な加盟申請を提出したという政府発表やニュージーランド政府側の通知は確認されていません。
    つまり現在は、国内調整および加盟国への事前協議段階とみられます。
    (出典: Invest Korea

    2025年12月17日、韓国産業通商資源部は大統領報告を通じて、対中サービス分野のFTA推進と並行してCPTPP参加の再検討方針を明確化しました。これは部門レベルの検討から政府方針への格上げと見られます。
    (出典: Korea Times, 2025年12月17日

    また2025年9月時点でも、韓国政府がCPTPP加入検討を正式に再開する見通しが報じられており、過去に農水産業界の反発や日韓関係の冷え込みを背景に正式申請に至らなかったことが再び指摘されています。
    (出典: Invest Korea

    外交面でも、2025年10月の外務長官寄稿では「CPTPP参加を積極的に検討すべき」と明言され、地政学・経済安全保障の観点でも参加意義が強調されています。
    (出典: 韓国外務省寄稿文

    CPTPP加入プロセスの概要

    CPTPPへの加盟は明確な手続きを経る必要があります。公表情報による一般的な流れは以下の通りです。

    1. 希望国が寄託国ニュージーランドに正式な加盟要請を提出する。
    2. CPTPP委員会(全加盟国で構成)が**全会一致の合意(コンセンサス)**で加盟交渉の開始可否を決定する。
    3. 承認されると**作業部会(アクセスション・ワーキンググループ)**が設置され、協定遵守能力や市場アクセス譲許内容を審査する。
    4. 全加盟国が最終的にコンセンサスで承認すると加盟が認められ、議定書署名・批准を経て正式加盟となる。

    日本の内閣官房も、CPTPP加盟判断の基準として「オークランド三原則」(高水準ルール受容、約束履行の実績、全会一致原則)を明記しています。
    (出典: 内閣官房資料

    韓国が直面する主なハードル

    1. 国内調整の難航
       農水産業界の反発が最大の障壁とされ、正式申請を見送った過去があります。補償策や競争力強化策を含む政治的パッケージが必要不可欠です。
       (出典: Invest Korea)
    2. 加盟国間の合意形成(特に日本との関係)
       CPTPPでは全加盟国の同意が前提。日韓間の懸案事項(例:日本産水産物輸入制限)は交渉上の焦点になると見られます。
       (出典: Korea Joongang Daily, 2025年9月10日
    3. 加盟審査の順番と混雑
       CPTPP委員会は2025年11月の共同声明で、ウルグアイ、UAE、フィリピン、インドネシアを「オークランド三原則に沿う新規候補」と評価し、ウルグアイのプロセス開始を承認しました。他3カ国については、2026年に交渉開始の可能性があるとしています。韓国はこの時点の候補リストには含まれていません。
       日本政府の整理資料でも、正式な要請国として中国、台湾、エクアドル、コスタリカ、ウルグアイ、ウクライナ、インドネシア、フィリピン、UAE、カンボジアを挙げており、韓国は未掲載です。
       (出典: 内閣官房資料同上)

    日本企業への実務的示唆

    韓国がCPTPP参加に近づくほど、企業は二方向の変化に備える必要があります。

    • 競争条件の変化
       韓国企業がCPTPPルール下で域内アクセスを得れば、関税撤廃だけでなく投資・デジタル・サービスルールの整合性により競争条件が変わります。特に第三国市場での「原産地累積」活用を通じた競争力強化が想定されます。
    • サプライチェーン設計の再編余地
       加盟後は累積原産地範囲が拡大し、日本企業も韓国部材を含むサプライチェーンをCPTPP特恵適用設計に組み込みやすくなります。
       このため、BOM構成の再検討、調達先多角化、原産地証明書管理の標準化などが有効な先行対応になります。

    2026年に注視すべきチェックポイント

    次の4点が事実上の注目イベントです。

    1. 韓国が寄託国ニュージーランドへ正式加盟要請を提出する発表があるか。
    2. CPTPP委員会が加盟審査開始を決議し、作業部会が設立されるか。
    3. 日韓間の懸案(特に水産物輸入問題など)が整理されるか。
    4. 農水産分野の国内対策パッケージの具体化が進むか。
      (出典: Invest Korea)

    おわりに

    韓国のCPTPP参加方針は2025年末を契機に再び政治アジェンダとして浮上しました。ただし、2026年1月時点で正式申請はまだ行われておらず、国内・外交の調整局面にあります。
    企業としては、正式要請提出と作業部会設立を分岐点とし、原産地設計・市場戦略の2シナリオを並行検討しておくのが実務上もっとも合理的です。
    (出典: Korea Times, 2025年12月17日)



    メキシコが非FTA品目に最大50%関税へ:2026年1月1日発効、企業が押さえる実務ポイント

    2025年12月29日、メキシコ政府は官報(DOF)で輸入関税(一般税率)を広範に引き上げる政令を公布し、2026年1月1日に発効しました。対象はTIGIE(メキシコ関税率表)上の1,463税番に及び、非FTA国由来の調達や、FTAを使わない輸入に対してコスト・調達戦略・通関実務を一段と厳しくします。

    改正の概要

    項目内容備考
    関税率最大50%(多くは5~35%)2026年1月1日発効。対象は1,463税番(TIGIE 8桁)、20以上の分野にまたがる改正
    対象国非FTA国(中国、韓国、インド、インドネシア、ブラジル等)メキシコと発効済みFTAを持たない国が対象
    有効期限無期限過去の一時措置と異なり、恒久的な法改正
    出所DOF、Reuters、White & Case米国商務省・KPMG・法律事務所等の解説に基づく

    何が変わったのか:「一般税率(MFN)の底上げ」が核心

    今回の改正は、メキシコの輸入関税(IGI)のうち、特定の税番に設定されている一般税率(MFN税率)を引き上げるものです。

    実務上の重要ポイント:

    • 「輸入相手国が非FTAかどうか」だけでなく、「当該貨物がFTAの特恵税率を適用できるか(原産地証明・ルール充足・申告)」で負担が決まる
    • FTAが適用できれば、改正後でも特恵税率が優先され、税率引上げの影響を受けない
    • メキシコは現在52カ国とFTAを発効しており、これらの国からの原産品は従来の特恵税率が引き続き適用される

    つまり、「非FTA国からの輸入」という表現は正確には「FTA特恵が適用されない輸入」を意味します。


    どの品目が重いのか:最大50%は完成車と一部トラック、広い裾野は繊維・鋼材・消費財

    全体像としては、関税引上げは多数品目に及びつつ、税率の山は概ね5~35%に集中し、特定の品目で50%が出ます。

    最大50%対象品目

    完成乗用車:

    • HS 8703.22.99、8703.23.99、8703.24.99
    • HS 8703.32.99、8703.33.99、8703.40.99
    • HS 8703.60.99、8703.80.01など

    トラック・電気自動車:

    • HS 8704.21.99、8704.31.99、8704.41.99
    • HS 8704.51.99、8704.60.02など

    これらは過去の暫定措置で既に50%が適用されていましたが、今回の改正で恒久化されました。

    多くの品目:5~35%が中心

    • 自動車部品:HS 8708.x、8409.x、8511.x、8512.xなど、7~36%の範囲
    • 繊維・衣類:最大35%(繊維製品は20%→35%、繊維材料は10%→15%への引上げ事例あり)
    • その他産業材:プラスチック、鉄鋼、アルミニウム、履物、家具、玩具、家電、紙・段ボール、皮革製品、ガラス、オートバイ、トレーラーなど

    なぜ今か:産業防衛と対外関係、そして歳入

    政府側は、国内産業と雇用の保護を前面に出しています。Reuters報道では、敏感分野(特に繊維)の雇用を守る狙いと、追加歳入の見込みが言及されています。

    背景データ:

    • メキシコの繊維産業は2024年に雇用が最低水準に落ち込んでおり、特に中国製品との価格競争が背景にある
    • 中国からメキシコへの電気自動車輸入は、2024年11月に前年比2,367%増の19,344台を記録
    • こうした急増が政策転換の引き金の一つとなったと見られる

    一方で、市場では「米国との連携強化」や、USMCA(米墨加協定)見直しを見据えた対中姿勢の調整といった見方も出ています。


    日本企業にとっての現実:メキシコ現法の調達網に直撃しやすい

    日本企業(特に自動車・部品)は、メキシコ国内生産のためにアジアから部材を入れる構造が一般的です。タイ、中国、ベトナム、インドネシア等からの調達に触れつつ、メキシコとFTAを結んでいない国からの輸入は引上げの影響を受けます。

    FTA締結状況による差異

    同じアジア調達でも差が出ます:

    • 日本:CPTPP(環太平洋パートナーシップ協定)、日墨EPA経由で無税・低税率の道がある
    • 非締結国:中国、韓国、インド、インドネシア等からの調達は負担増になりやすい

    自動車は「50%」という数字が与えるインパクトが大きい

    完成車に最大50%がかかる設計は、単に輸入コストが上がるだけでなく、以下に波及します:

    • 在庫政策
    • 価格政策
    • 販売戦略

    加えて部品でも税率7~36%(品目による)という設計がされており、BOM(部品表)全体で効いてきます。


    IMMEX(マキラ)でも「完全に無関係」とは言い切れない

    IMMEXは一時輸入の関税免除が前提になりがちですが、輸出先やUSMCAの関税繰延べ規律(いわゆる「Lesser of the Two」ルール)次第で、結果的にメキシコ側で関税負担が発生し得る点を押さえる必要があります。

    USMCA「Lesser of the Two」ルール

    USMCA第2.5条では、メキシコで免除・還付される関税額は、以下のいずれか低い方を上限とします:

    1. 第一USMCA国(メキシコ)への輸入時に支払った関税
    2. 第二USMCA国(米国・カナダ)への輸出・輸入時に課される関税

    具体例:

    非FTA国から25%の関税で部材をメキシコに輸入し、完成品を米国に輸出する際、完成品がUSMCA原産にならないケースを考えます。米国側の関税が0%(USMCA適格でない場合)の場合、メキシコ側で免除できる関税は0%となり、25%がコスト化します。

    IMMEX運用の厳格化

    2024年12月には302品目がIMMEXプログラムで輸入できない品目リストに追加されるなど、プログラム自体の運用も厳格化されています。


    企業が取るべき実務アクション:最短で効く順に

    1. 対象判定

    自社品目のTIGIE 8桁を特定し、改正対象かを機械的に照合する。通関業者任せにせず社内でも持つことが重要です。

    2. 原産地の再設計

    FTA適用可否を棚卸しし、使えるものは確実に使う。

    チェックポイント:

    • 原産地証明の取得
    • CTC(関税分類変更基準)/VA(付加価値基準)の充足
    • サプライヤー証憑の整備

    メキシコはCPTPP、USMCA、日墨EPA、EU-メキシコFTAなど多数のFTAを持ち、適切に活用すれば特恵税率が維持できます。

    3. 調達先の見直し

    非FTA国依存の部材は、FTA圏内調達や加工工程の再配置で「特恵が取れる形」に寄せられないか検討する。

    代替調達先の選択肢:

    • 日本・タイ:CPTPP経由
    • 欧州:EU-メキシコFTA
    • USMCA圏内:米国・カナダ

    特に中国依存度が高い部材は、上記への代替が現実的な選択肢になります。

    4. 価格・契約

    関税増分の負担者(売手・買手)と価格改定条項、インコタームズ、長納期品の在庫方針を再確認。

    特に注意: 2026年1月1日以前に契約したが納品が1月以降になる案件は、契約上の関税負担条項を精査すべきです。

    5. 制度活用

    PROSEC(分野別振興プログラム)の活用:

    • 輸出要件なし
    • 自動車、電子機器、鉄鋼、化学、繊維など特定セクターで原材料・部品・機械を減免税率(ゼロを含む)で輸入可能
    • 該当業種ほど効果が大きい

    その他、メキシコ側の産業施策・許可スキームの適用余地を確認する。

    6. 当局運用の監視

    メキシコ政府は「競争的条件での投入材確保」のために関税調整の仕組みを設け得る、という示唆もあるため、続報を前提にしておく。

    並行する執行環境の厳格化:

    • 2026年1月1日発効の税関法改正では、過少申告調査期間が6カ月→12カ月に延長
    • コンプライアンス強化が同時進行

    まとめ:2026年は「メキシコ向けの関税コスト」を前提にサプライチェーンを作り直す年

    今回の改正は、単発の引上げというより、メキシコが「非FTA調達のコスト」を明確に上げに来たシグナルです。

    押さえるべき特徴:

    • 改正は無期限で、過去の暫定措置とは異なり法律として恒久化
    • 短期は通関コストの増加
    • 長期は調達先・原産地設計・対米輸出規律(USMCA)まで含めた再設計が論点に

    最優先アクション:

    1. 対象税番の照合
    2. FTA適用の取りこぼしゼロ化

    この2点から着手するのが最も費用対効果が高い一手です。


    免責事項

    本稿は一般情報であり、個別案件は貴社の通関実務・契約条件・原産地構成により結論が変わります。最終判断は通関士・現地専門家と一次資料でご確認ください。


    出典

    [1] U.S. International Trade Administration
    [2] KPMG Mexico
    [3] International Trade Compliance Update
    [4] Opportimes
    [5] White & Case
    [6] FedEx International
    [7] Clark Hill
    [8] XPDEL
    [9] Carscoops
    [10] Foley & Lardner
    [11] LinkedIn (Michael Tian)
    [12] Tuttle Law
    [13] U.S. International Trade Administration
    [14] DLA Piper
    [15] Stratego
    [16] Mijares, Angoitia, Cortés y Fuentes

    中大型車両向け232関税を実務目線で整理する


    2025年11月1日以降、米国は通商拡大法232条にもとづき、中型・大型車両(Medium- and Heavy-Duty Vehicles, MHDV)、その部品(Medium- and Heavy-Duty Vehicle Parts, MHDVP)、バス等に追加関税を課しています。 現場が混乱しやすいのは、対象品目そのものよりも、Chapter 99(第99類)の番号が細かく分岐し、他の232関税や相互関税・IEEPA関税との優先関係を含めて申告ロジックを組む必要がある点です。whitehouse+3

    本稿では、CBP(米国税関・国境警備局)がCSMS #66665333で示したエントリー処理指針を、日系企業が実務で使えるレベルまで落とし込んで整理します。govdelivery


    1. 時系列と制度の骨格

    • 2025年10月17日付の大統領布告10984は、MHDVおよび特定MHDV部品に25%、バス等(HTS 8702の特定サブヘディング)に10%の追加関税を課す枠組みを定めています。whitehouse+1
    • 適用開始は、2025年11月1日0時1分(米東部時間)以降に「消費のために輸入」または「保税蔵置から消費のために引き出し」される貨物です。whitehouse+1

    CBPはこの布告を受け、2025年10月28日付CSMS #66665333で輸入者・通関業者向けに、Chapter 99番号の使い分け、例外、申告上の留意点をまとめた「エントリー処理指針」を公表しました。buckland+1


    2. 対象HTSの入口:どの品目が射程か

    • 車両(MHDV本体)は、主にHTS 8701、8704、8705、8706、8709のうち、USMCA用注記38(b)で列挙された特定10桁サブヘディング群が対象です。clarkhill+1
    • バス等は、同注記の(c)に列挙された8702の特定10桁サブヘディングが対象になります。whitehouse

    代表例として、8701.21.00、8704.22.11、8705.40.00、8706.00.03、8709.11.00などのトラック・特殊車両用番号、バス側では8702.10.31、8702.40.61などが挙げられます(あくまで抜粋であり、権威あるリストはHTS本文および注記38の別紙とされています)。chrobinson+1

    部品(MHDVP)はさらに広範囲で、ゴムホース、タイヤ、ガラス、ばね、ロック、エンジンおよびその部品、電装品、車体部品などが、40類・70類・73類・83類・84類・85類・87類・90類・94類といった複数章に散らばって列挙されています。htshub+1
    ここが実務上の第一の落とし穴であり、日本側の感覚で「自動車部品」と一括りにしがちな品目でも、米国では「MHDV部品とみなすのか」「別用途としてMHDV関連の232関税の射程外とするのか」でChapter 99の選択が大きく分かれます。aacb+1


    3. Chapter 99の全体像:どのコードを使うか

    CBP指針の中心は、MHDV・バス・MHDV部品に関して、Chapter 99の9903.74.01〜9903.74.11を組み合わせて申告を構成する点にあります。govdelivery+1

    3-1. 車両(MHDV)とバス

    • 9903.74.01:HTS 8701、8704、8705、8706、8709のうち注記38(b)に列挙されたMHDVに対して25%の追加関税。aacb+1
    • 9903.74.02:バス等(8702のうち注記38(c)に列挙されたサブヘディング)に対して10%の追加関税。chrobinson+1

    整理用のコードとして、次のような例外枠も設けられています。

    • 9903.74.05:対象見出しに分類されるがMHDVに該当しないものは追加関税0%。whitehouse+1
    • 9903.74.07:輸入年の25年以上前に製造されたMHDV・バス・その他対象車両は追加関税0%。fedex+1

    3-2. 部品(MHDVP)

    • 9903.74.08:U.S. Note 38(i)に列挙されるMHDV部品に対して25%の追加関税。htshub+1
    • 9903.74.11:見かけ上は注記38(i)の列挙HTSに当たるが、実態としてMHDV部品ではない場合に用いる0%の整理用コード。aacb+1

    ここに、USMCAや用途証明(certification)に関連する特別なコードが加わります。govdelivery+1


    4. USMCA絡み:車両と部品の扱いの違い

    4-1. USMCA適格MHDV(車両本体)

    布告10984は、USMCAの原産地要件を満たすMHDVについて、商務長官の承認を得た場合に「非米国コンテンツ部分」のみ25%を課す仕組み(9903.74.03と9903.74.06)を規定しています。whitehouse+1
    一方で、CSMS #66665333は、非米国コンテンツ課税(9903.74.03)および米国コンテンツ側(9903.74.06)に関して、別途ガイダンスが出るまでは申告しないよう明確に指示しており、制度の枠は存在するものの実務運用はまだ開始されていない状態です。aacb+1

    4-2. USMCA適格MHDV部品

    部品については、USMCAの原産地要件を満たす「個別部品」について、原則として追加関税0%(9903.74.10)で申告できると整理されています(ただしノックダウンキット等の「部品詰め合わせ」は除外)。whitehouse+1
    車両側は当面25%がフルにかかり得るのに対し、部品側はUSMCA適格であれば0%に落とせる可能性があるため、米国輸入者が原産地判定と証憑整備をどこまで行うかが、日系サプライヤーの価格・キャッシュフローに直接響きます。cassidylevy+1


    5. 用途証明(certification)が求められる場面

    CBP指針は、特に誤りが生じやすい部品領域について、輸入者が申告時点で「用途」を証明する仕組みを設けています。govdelivery+1

    5-1. MHDV向け部品(9903.74.09)

    • 9903.74.09は、輸入者(Importer of Record)が「米国内のMHDV生産または修理用途に使用する」と証明した部品に適用される25%枠として定義されています。unisco+1
    • ただし、HTS72章・73章・76章(鉄鋼・アルミ等)に属する品目や、他の特定の部品枠に入る品目は対象外とされています。whitehouse

    この用途証明は米国輸入者が行うものであり、日本側輸出者が単独で完結できません。輸出者としては、部品の仕様書、用途説明、投入される車種(MHDVか否か)など、MHDVへの投入実態を示す資料を事前に整備し、輸入者に提供できる状態にしておくことが重要です。aacb+1

    5-2. 乗用車・ライトトラック部品の用途証明枠

    今回のCSMSはMHDVだけでなく、乗用車・ライトトラック部品についても、米国内の生産・修理用途として使用する場合に適用されるChapter 99番号を示しています。govdelivery+1

    • 全世界一般の乗用車・ライトトラック部品で用途証明を行う場合は、9903.94.07で25%の追加関税を課す構造です。aacb

    さらに、日本・EU・英国向けには差別化されたレート設計があります。

    • EUおよび日本については、通常税率(Column 1)が15%未満の場合、「通常税率+追加関税の合計が15%になる」よう設計されたコード(EU向け 9903.94.45、日本向け 9903.94.55)と、通常税率が15%以上の場合に追加関税0%とするコード(EU向け 9903.94.44、日本向け 9903.94.54)が用意されています。aacb
    • 英国については、合計10%になるよう設計された別枠(9903.94.33など)が設定されています。aacb

    これらのコードでは、Chapter 99側に合計税率分の税額を計上し、通常のHTS行には価額のみを記載して税額0とする申告方式が明示されており、ACE上の記載癖として社内の通関チェックリストに反映しておく価値があります。govdelivery+1


    6. ACE申告でのChapter 99の並び順

    CBPは、Chapter 99を複数使用する際の「記載順序」について、CSMS #64018403で一般ルールを示しています。govdelivery+1

    • 原則:Chapter 98(該当があれば) → Chapter 99(追加関税等) → Chapter 1〜97(通常品目)という順序で記載すること。govdelivery
    • 貿易救済措置の並び順も明示されており、301条 → IEEPA → 232条・201条 → 割当、という優先順で積み上げるよう定められています。federalregister+1

    今回のMHDV案件では、新設の232(9903.74)に加えて、相互関税(retaliatory tariffs)やIEEPA関連の追加税が絡む事案ほど、並び順の誤りによるACEリジェクトや誤課税が生じやすい構造になっています。govdelivery+1


    7. 重複関税の扱い:累積させるものとさせないもの

    7-1. AD/CVD等は原則上乗せ

    CSMS #66665333は、反ダンピング(AD)・相殺関税(CVD)など、他法令にもとづく課税は、今回の232関税に加えて引き続き課されることを明示しています。govdelivery+1

    7-2. 232系・相互関税等で「適用しない」もの

    同CSMSは、MHDV・MHDVP・バス等について、銅・アルミ・鉄鋼およびその派生品に対する特定の追加関税(例:9903.01.77、9903.01.84など)が適用されないことを列挙し、一定の非累積ルールを示しています。aacb+1
    これは、EO 14289(Addressing Certain Tariffs on Imported Articles)が定めた「複数の大統領措置が同一品目に重なる場合、不要なスタッキングを避ける優先順位付け」の枠組みとも整合しています。presidency.ucsb+2

    7-3. 相互関税・IEEPAとMHDV 232の関係

    CSMSは、特定の相互関税・IEEPA関連の追加税(9903.01.25など、9903.02.01〜9903.02.73の一部)が、MHDVおよびMHDV部品の一部(9903.74.01、.02、.03、.08、.09)には適用されないことを明示しています。govdelivery+1
    さらに、MHDV・MHDVPにかかるChapter 99を申告する際に、相互関税やIEEPA関連追加税の免除を主張するためのコードとして、9903.01.33、9903.01.34、9903.01.83、9903.01.87等を使用する旨が示されており、実務上は輸入者と通関業者が「どのChapter 99をどの順に積むか」を個々の案件ごとに設計する必要があります。aacb+1


    8. FTZ、ドローバック、Chapter 98のポイント

    • FTZ(外国貿易地域)に搬入する場合、2025年11月1日以降に搬入される対象品は、原則としてPrivileged Foreign Statusでの受け入れが求められ、後から有利な税率へ切り替える運用は取りにくくなっています。ghy+1
    • ドローバックについては、MHDV部品および特定の自動車部品に対する232関税に限って、Direct IdentificationとSubstitution Manufacturingの範囲で認めると整理され、その他のタイプは対象外とされています。govdelivery+1
    • Chapter 98の利用時も原則として232追加関税はかかり、9802.00.60については仕向け時のフルバリューに対して課税される点が明記されています。aacb+1

    9. 日本企業が今すぐ取るべき実務アクション

    9-1. 「HTS番号だけ」で該当性判定を終わらせない

    注記38の別紙リストに含まれるHTSであっても、MHDVに該当しない車両やMHDV部品に該当しない部品については、整理用コード(9903.74.05、9903.74.11)を用いて0%に落とせる余地があります。whitehouse+1
    そのため、輸出側は品名・用途・搭載先(MHDVか、乗用車か、汎用品か)を米側に説明できる状態にしておくことが必須です。buckland+1

    9-2. 用途証明に備えた証跡パッケージの準備

    9903.74.09や9903.94.07等は、米国輸入者による用途証明が前提条件です。whitehouse+1
    輸出者側で、製品仕様書、適用車種、取引条件、組立・修理工程における投入方法などが分かる資料パッケージを整えておくことで、通関時のリジェクトや事後監査のリスクを大きく抑えられます。ghy+1

    9-3. 申告の並び順と税額計上ルールを事前にすり合わせる

    Chapter 99の積み方は、ACE上の記載順序がそのままエラー要因になります。govinfo+1
    特に相互関税・IEEPAが絡む企業は、CSMS #64018403とEO 14289に基づく優先順位を前提に、通関業者と社内手順書をアップデートしておく必要があります。presidency.ucsb+1

    9-4. USMCAは「車両」と「部品」で優先順位が違う

    車両側の非米国コンテンツ課税枠(9903.74.03、9903.74.06)は制度として箱があるものの、CBPが「追って指示」としているため、短期的には25%のフル負担を前提にせざるを得ません。whitehouse+1
    一方で、部品側はUSMCA適格であれば0%(9903.74.10)で申告できる枠が明確なため、原産地判定と証憑整備の優先順位を「部品」側から着手する戦略が現実的です。whitehouse+1


    おわりに:日本側ができる最大の支援

    中大型車両向け232関税は、税率(25%・10%)そのものよりも、Chapter 99の運用、他の追加関税との非累積ルール、相互関税・IEEPAとの関係整理が実務の中心になります。 CBPはCSMSを通じて、対象HTSリスト、申告コードの分岐、用途証明、ACEでの並び順、FTZやドローバックまで一通りの論点を提示しており、これをどこまで自社手順書に翻訳できるかが勝負です。govdelivery+3

    日本側の輸出者ができる最大の支援は、米国輸入者が正しく申告できるだけの「用途と実体が分かる情報」を最初から揃えて渡すことです。 Chapter 99が複雑な局面ほど、最初の設計がそのままコンプライアンスとコストの差になるため、品目・用途・原産地情報を一体で設計する視点が求められます。govdelivery+3

    1. https://content.govdelivery.com/accounts/USDHSCBP/bulletins/3f93b75
    2. https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/10/adjusting-imports-of-medium-and-heavy-duty-vehicles-medium-and-heavy-duty-vehicle-parts-and-buses-into-the-united-states/
    3. https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2025/10/2025MediumandHeavyDutyVehicles.Parts_.Buses_.section232.prc_.rel-ANNEX.pdf
    4. https://www.aacb.com/trade-tariff-news/section-232-duties-on-medium–and-heavy-duty-vehicles-mhdvs-medium–and-heavy-duty-vehicle-parts-mhdvps
    5. https://content.govdelivery.com/accounts/USDHSCBP/bulletins/3e0a63e
    6. https://www.buckland.com/news/entry-filing-guidance-for-new-u-s-tariffs-on-medium-and-heavy-duty-vehicles-parts-buses/
    7. https://www.clarkhill.com/news-events/news/section-232-tariffs-expand-to-medium-and-heavy-duty-vehicles-parts-and-buses/
    8. https://www.chrobinson.com/en-us/resources/insights-and-advisories/client-advisories/2025q4/10-20-2025-client-advisory-section-232-tariffs-on-imports-trucks-truck-parts-and-buses/
    9. https://www.htshub.com/us-hs/detail/99037408
    10. https://www.fedex.com/content/dam/fedex/us-united-states/International/Implementation_of_Section_232_tariffs_on_medium_and_heavy_duty_vehicles_parts_and_buses.pdf
    11. https://www.cassidylevy.com/news/section-232-tariff-regimes-introduced-revised-on-trucks-autos/
    12. https://www.unisco.com/hts/99037409
    13. https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2025-05-02/html/2025-07835.htm
    14. https://www.federalregister.gov/documents/2025/05/20/2025-09066/notice-of-implementation-of-addressing-certain-tariffs-on-imported-articles-pursuant-to-the
    15. https://www.presidency.ucsb.edu/documents/executive-order-14289-addressing-certain-tariffs-imported-articles
    16. https://www.federalregister.gov/documents/2025/05/02/2025-07835/addressing-certain-tariffs-on-imported-articles
    17. https://www.ghy.com/trade-compliance/section-232-tariffs-on-heavy-medium-duty-trucks-and-buses-effective-nov-1/
    18. https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2025-05-02/pdf/2025-07835.pdf
    19. https://hts.usitc.gov/search?query=duties
    20. https://www.govinfo.gov/content/pkg/FR-2025-12-04/html/2025-21940.htm

    アフリカ:AfCFTA 2026年段階引下げを施行 企業実務で何が変わるか


    何が起きたのか

    AfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)は、2021年1月に優遇関税の適用が始まっており、その後、各国・各関税同盟が自国の関税率表に段階的な引下げスケジュールを落とし込む作業を続けています。thedtic+1
    2026年1月1日は、その中でも一部の国・関税同盟で「次の段階」の引下げが発動する節目として位置づけられており、とくに南アフリカでは、SARS(南ア歳入庁)がAfCFTAに基づく2026年以降の段階引下げを、関税率表の改正として実装するための告示を2025年に公表しています。amcham+2

    南アフリカについては、2026年1月1日発効予定の改正案により、Part 1 of Schedule No.1の各サブヘディングの差替え等を通じて、AfCFTAの関税引下げスケジュールに沿った税率変更が行われる予定です。sars+1
    同時に、AfCFTA全体の制度設計としては、関税自由化を「Category A(非敏感品)」「Category B(敏感品)」「Category C(除外品)」の3つに区分し、各カテゴリごとに年次で関税を引き下げることが合意されています。macmap+2

    AfCFTAの「段階引下げ」をビジネス目線で整理

    AfCFTAは、域内関税を一気にゼロにするのではなく、関税ラインの少なくとも90%を原則自由化対象とし、敏感品や除外品を別枠として扱う設計です。au+2
    制度説明として、よく使われる整理は次の通りです。macmap+2

    区分典型的な位置づけ2026年との関係のイメージ
    Category A原則の自由化対象(少なくとも90%の関税ライン)macmap+1多くの国で既に段階引下げの途中(2021年基準で5〜10年)thedtic+1
    Category B敏感品目(全体の7%まで。長めのスケジュール)macmap+2多くの国で、中盤以降(6年目以降)に本格的な引下げが始まる設計。2026年頃に「相当部分が動き始める」国が出てくる。[*注1]
    Category C除外品目(最大3%。原則、関税引下げ対象外)macmap+22026年時点でも、原則として自由化対象外のまま

    [*注1] AfCFTAの交渉モダリティでは、敏感品(Category B)は、非LDCで10年、LDCで13年のスパンをかけて引き下げること、かつ「6年目以降」に段階引下げを開始し得ることが示されています。oefse+2
    そのため、実務上は「2026年から一律にCategory Bが始まる」というより、「各国のオファーと基準年(2021年)を踏まえ、2026年前後から敏感品の本格的な削減ステップに入る国・品目が増える」イメージで捉えるのが正確です。macmap+2

    AU(アフリカ連合)や各種ガイドでも、関税自由化は「90%を基本、7%を敏感品、3%を除外」とする枠組みが説明されています。africatradefoundation+3
    ポイントは、同じAfCFTAでも「どの国が、どの品目を、どのスケジュールで引下げているか」が実務の結論を左右することであり、2026年前後は、各国の関税率表改正や税関システム対応が企業実務に具体的な形で現れやすいタイミングだという点です。freelegaladvice+2


    2026年前後に企業が注目すべき3つの変化

    1. 敏感品目の段階引下げが本格化する

    敏感品目(Category B)は、政治的に影響が大きく、自由化スケジュールも長期かつ後ろ倒しに設定されるため、実際の関税削減が動き出すタイミングが企業コストを大きく左右します。thedtic+3
    AfCFTAのモダリティ上は、「少なくとも90%の関税ラインを5〜10年で削減し、敏感品7%は10〜13年のスパンで削減、除外3%は削減なし」という設計であり、2021年を起点としたスケジュールの中で、2026年前後から敏感品の削減ステップに入る国・品目が増えることが想定されています。oefse+3

    そのため、特にCategory Bに入る品目を扱う業種では、「2026年前後に関税率がどの幅で、何年に一度、どれだけ下がるのか」を自国・相手国ごとの関税表で具体的に確認することが、価格・調達戦略に直結します。amcham+3

    2. 関税率表だけでなく「統計コード」「税関運用」も動く

    南アフリカの例では、AfCFTAの段階引下げを実装する一環として、2026年1月1日発効を念頭に、Part 1 of Schedule No.1のサブヘディングの差替えなど「技術的改正(technical amendments)」が行われる旨が案内されています。engineeringnews+3
    これには、新しい8桁サブヘディング等の導入や、関税分類の細分化・整理が含まれ、企業側の品目マスタ(HS、統計番号、品目コード)にも直接影響します。sctsolutions+2

    またSARSは、AfCFTAの税関手続についても、Customs & Exciseクライアント向けにRLAシステム等を通じた自動化・オンライン化を進めており、2025年11月17日の発表では、AfCFTAに係る輸出者・承認輸出者・生産者の登録申請を電子的に受け付ける仕組みが導入されています。sars+2
    制度が「紙の条文」から「システムに実装された運用」へと移るほど、優遇適用可否の判定や証憑の求め方が具体化し、企業間・国間で実務の差が出やすくなります。sars+2

    3. 原産地規則の未決着分が、業界によっては最大のボトルネック

    AfCFTAでは、原産地規則(Rules of Origin)が確定していない品目については、関税を引き下げても優遇は実務上使えません。uneca+2
    2024〜2025年時点で、RoOは全体の約92〜92.4%の関税ラインについて合意済みである一方、繊維・衣類や自動車関連などの分野については交渉が長く続いており、「残る7〜8%」の交渉対象として位置づけられてきました。kohantextilejournal+3

    南アフリカ政府資料でも、衣類・繊維および自動車関連の原産地規則が未決着の交渉事項として列挙されており、「残る10%(Category Bの7%とCategory Cの3%)の関税ラインと、当該分野のRoOを2026年2月頃までに詰める」という方向性が示されています。thedtic+1
    部材比率が複雑な業界ほど「関税削減よりも先に、原産地規則と証憑のハードル」がボトルネックになりやすく、サプライチェーン全体を見た設計が必要になります。tradeunionsinafcfta+3


    日本企業にとっての実務インパクト

    AfCFTAは、日本からアフリカへの輸出関税を直接下げる枠組みではなく、アフリカ諸国間の域内貿易を自由化するFTAです。swp-berlin+2
    一方で、日本企業にとっては、アフリカ市場での収益構造・投資戦略に次のような形で影響します。

    • アフリカ域内での調達と販売がしやすくなる
      各国のカテゴリ別スケジュールに沿って関税が下がることで、一定の原産地要件を満たした「域内産品」については、複数国での販売を前提にした生産・調達設計が取りやすくなります(ただし、優遇の使い勝手は国ごとのスケジュールとRoOの整備状況に依存)。africatradefoundation+3
    • 「アフリカで作る企業」との競争条件が変わる
      域内で関税が下がるほど、現地・域内生産品のコスト競争力が高まり、域外からの完成品輸出との比較で、現地生産の有利性が増す局面が出てきます。documents1.worldbank+3
    • 投資判断が関税より「原産地設計」と「サプライヤー管理」に寄る
      優遇関税を活用するには、AfCFTAのRoOに基づく原産地証明や、サプライヤーからの原産地証明資料の取得が要件となるため、調達先の国だけでなく「部材の原産性をどこまで立証できるか」が投資回収の前提になります。wcoomd+3

    いま社内でやるべきチェックリスト

    AfCFTAの2026年前後の段階引下げをビジネスに取り込むには、「自社の対象国・対象品目」に引き直した確認が必要です。macmap+2

    • 対象国ごとに、関税引下げスケジュールが反映された最新の関税率表を入手する
      各国・各関税同盟のオファーおよび改正タイミング(例:SACU/南アフリカの2026年1月1日発効改正)を確認する。freelegaladvice+2
    • 自社の主要品目について、Category A/B/Cの扱いを確認する
      同じHSコードでも、国ごとにCategory A・B・Cの扱いが異なり得るため、相手国別に「どの割合・どの年限で関税がゼロになるか、あるいは除外されるか」を確認する。macmap+2
    • 原産地規則の要件と、サプライヤー証憑の取得可否を先に確認する
      既にRoOが合意済みの品目か、繊維・衣類・自動車など未決着または直近まで交渉されている品目かを整理し、現状の部材構成で原産資格が取れるか、証憑をどこまで集められるかを評価する。tradeunionsinafcfta+3
    • HSや統計コードの細分変更がないかを確認し、品目マスタと通関指示書を更新する
      南アフリカなどで2026年1月発効の技術的改正により、サブヘディングの差替えや新設が予定されているため、自社マスタ(品目コード、関税分類)と社内システム(通関指示書、請求書コード等)を同期させる。sars+3
    • 現地拠点やフォワーダーに、税関システム側の運用変更(電子化、適用判定の自動化など)を確認する
      SARSのように、AfCFTA関連登録・手続をRLAなどのオンラインシステムに集約する動きが出ているため、現地側での登録要件・運用ルール(承認輸出者制度など)を把握し、実務に落とし込む。freightnews+2

    まとめ

    AfCFTAの2026年前後の段階引下げは、「関税が少し下がる」という表面的な話にとどまらず、実務では次の三点が本質です。thedtic+3

    • 敏感品目(Category B)の本格的な引下げ入りで、品目によってコスト構造が大きく変わる可能性がある。
    • 各国の関税率表改正に伴い、コード体系や税関システム運用が変わり、品目マスタや通関プロセスの更新が必要になる。
    • 優遇活用の成否は、原産地規則と証憑整備(特に繊維・衣類、自動車など複雑なサプライチェーンを持つ分野)に左右される。

    アフリカ市場を単国で見るのではなく、複数国を束ねた供給と販売の設計に切り替える企業ほど、2026年以降の変化を「追い風」に変えやすくなると言えます。africarenewal.un+2

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