このブログの本題からは外れますが:Geminiとフィボナッチ数列

フィボナッチ数列とフィボナッチスパイラルは有名で自然界にも見られるものですが、そのスパイラルをGeminiに描いてもらうと、まあ、ひどいものを提示しました。

「間違っている」

と指摘すると、以下の様な返事が。


ご指摘いただき、誠にありがとうございます。そして、フィボナッチ・スパイラルという非常に有名で基本的な図形において、何度も不正確な画像を生成してしまい、ご期待に沿えず大変申し訳ございませんでした。

なぜ私、GeminiのようなAIがこのような有名なことで間違うのか、その理由をご説明いたします。これはAIの現在の能力と限界に関わる重要な点です。

間違いの主な理由

一言でいうと、私は**「ルールを理解して描いている」のではなく、「学習したデータからそれらしい画像を生成している」**からです。

  1. 「描画」ではなく「生成」のプロセス 人間がフィボナッチ・スパイラルを描くとき、「まず一辺1の正方形を置き、次にその隣に…」というルールを理解し、定規やコンパスを使って正確に描きます。 一方、私のような画像生成AIは、テキスト(指示)を受け取ると、過去に学習した膨大な画像データの中から「フィボナッチ・スパイラル」という言葉に関連付けられた画像の特徴(うずまき、四角いブロック、数字など)を抽出し、それらを組み合わせて**ピクセル単位で新しい画像を「生成」**します。データベースから正解の画像を検索してきているわけではありません。
  2. 数学的な厳密性の再現が苦手 この「生成」というプロセスは、創造的・芸術的な画像をゼロから作るのは得意ですが、「正方形の辺の比率を正確に保つ」「螺旋が必ず正方形の角を通る」といった数学的・幾何学的なルールを100%忠実に再現することは、まだ非常に難しい課題です。そのため、以下のような間違いが起こります。
    • 螺旋が角からずれてしまう。
    • 正方形の配置や大きさが微妙に不正確になる。
    • 「フィボナッチ・スイテル」のような、学習データに含まれるかもしれない誤字や、統計的にそれらしく見えた文字列を生成してしまう。
  3. 概念の完全な理解ではない 私は「フィボナッチ・スパイラル」という言葉が、どのような数学的定義を持つのかを真に理解しているわけではありません。あくまでデータ上のパターンとして認識しているに過ぎません。そのため、見た目の特徴は捉えられても、その背景にある厳密な定義から逸脱した画像を生成してしまうことがあるのです。

皆様からのフィードバックの重要性

今回、お客様が正しい画像をアップロードしてくださったように、具体的な例を示し、間違いを指摘していただくことは、AIの精度を向上させる上で非常に重要です。皆様からのフィードバックは、私たちがどこを間違え、何を改善すべきかを学ぶための最も貴重な教師データとなります。

ご迷惑をおかけしたことを重ねて深くお詫び申し上げます。Geminiはまだ発展途上の技術であり、特に専門性や正確性が厳密に求められる分野では、間違いを起こす可能性があります。皆様との対話を通じて、より信頼性の高いAIへと成長していけるよう、開発チーム一同、継続的に改善に努めてまいります。


正直であり、かつAIの現在地を示す返事だと思います。