FTA戦略的活用研究会の第12回研究会が8月25日に開催されました。

FTA戦略的活用研究会の第12回研究会が8月25日に東京国際フォーラムで開催されました。

ゲストの方もいらっしゃってかなり盛り上がった会でした。

会の内容は以下の様なものです。

  • 講演
    • 「原産地証明書の取消し」 TSストラテジー株式会社 藤森 陽子 氏
  • 企業のFTAの取り組み発表
    • 株式会社MORESCO
  • FTA戦略的活用研究会の1年とこれからの1年
    • 株式会社ロジスティック
  • 研究会メンバー意見交換会
    • 「レバンテ」(東京国際フォーラム2階)

この会は、企業の方の参加と、省庁・関連組織、その業界のプロからのご参加で成立しています。

企業の悩みに対して、様々な方からのご意見が飛び交う活発な会です。

講演の内容をふりかえりますと、

  • 財務省: TPP原産地規則について ー輸出の観点からー
  • ロジスティック: FTA原産地証明の企業実情
  • アールFTA研究所: 国際情勢に揺れ動くメガFTA交渉(第2章)
  • ジェトロ: AECの中でのAFTAとASEAN+1FTA
  • 日立ソリューションズ: 揺れ動く国際情勢の中で高まるグローバルサプライチェーン 設計の重要性
  • 外務省: 我が国のFTA戦略
  • トムソン・ロイター: Export Audits – FTA Origin Verification
  • 東京共同会計事務所: 日本企業が直面しているFTA活用での闇
  • ジェトロ: 日本企業の海外展開動向とFTA
  • トムソン・ロイター: Japan and Free Trade: Opportunities & Challenges
  • ロジスティック: FTAへの取り組み方 ~My idea, your idea~
  • 東京共同会計事務所: エッセンシャル解説/GSCMのための国際税務のイロハ
  • TSストラテジー株式会社: 原産地証明書の取り消し

この会も1年が経ちました。

メンバー企業のプレゼンテーションが一通り終わり、新たな取り組みを行うのと、新しいメンバーを現在募集しています。

  • この会は、参加者は必ず1度FTAに関するプレゼンをする事が参加条件になっています。

こちらに、会の案内書がありますので、ご参考にして下さい。

 

2年目の運用は楽しみでもあるのと、より内容の濃いものを期待されるので、頑張っていきます。

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュール(工業品の日本への輸入)

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュールを記します。

今回は「工業品の日本への輸入」です。

  • 工業用アルコール(変性アルコール、エチルアルコール)
    • 11年目撤廃、10%~27.2%、38.1円/ℓ
  • 石油(軽油、重油、灯油、揮発油等すべて)
    • 即時撤廃、2.7%~7.9%、ほか従量税
  • 化学(プラスチック原料・製品、ゴム原料・製品、有機化学品、無機化学品などすべて)
    • 11年目撤廃
      • 皮革:(1次)12%~16%、(2次)30%
      • 革靴:(1次)17.3%~24%、(2次)30%または2,400~4,300円/足の高い方
      • かばん、ハンドバッグなど:2.7%~18%
      • 16年目撤廃
        • 毛皮、野球用グローブなど:6.7%~30%
        • ゼラチン、にかわ:17%
  • 繊維・繊維製品
    • 即時撤廃
      • 糸・繊維・織物:2%~12.5%、ほか従量税
      • 衣類:3.3%~13.4%
  • 非鉄金属(銅、亜鉛、鉛、フェロアロイ、ニッケルなど全て)
    • 即時撤廃、2%~7.5%、ほか従量税

注:%は2013年4月時点のMFN税率(有税品目)です。

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュール(その他)

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュールを記します。

今回は「その他」です。

  • 陶磁器
    • 即時撤廃、5%~12%
  • 照明
    • 即時撤廃、2.7%~5.7%
  • 筆記器具
    • 即時撤廃、1.7%~3.7%
  • 化粧筆
    • 即時撤廃、3.7%

注:%は2013年4月時点のMFN税率です。

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュール(精密機器・楽器・光学機器など)

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュールを記します。

今回は精密機器・楽器・光学機器などです。

  • 光ファイバー、光ファイバーケーブル
    • 即時撤廃、2.9%
  • カメラ用レンズ
    • 4年目撤廃、6.7%
  • 眼鏡、サングラス
    • 即時撤廃、2.2%~2.9%
  • 写真用のフラッシュライト
    • 即時撤廃、3.2%
  • マイクロメーター、パス、ケージ
    • 即時撤廃、2.7%
  • 回転計、生産量計
    • 6年目撤廃、1.9%
  • ストロボスコープ
    • 6年目撤廃、2.6%
  • 楽器
    • 即時撤廃、1.7%~4%

注:%は2013年4月時点のMFN税率です。

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュール(家電、産業用機械)

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュールを記します。

今回は家電、産業用機械です。

  • ディーゼルエンジン(船舶、自動車用除く)
    • 即時撤廃・4年目撤廃、4.2%
  • ガスタービン
    • 即時撤廃・4年目撤廃、4.1%
  • エアコン
    • 即時撤廃・4年目撤廃、2.2%~2.7%
  • 横旋盤
    • 4年目撤廃、2.7%
  • 産業用ロボット
    • 即時撤廃、1.7%
  • 射出式・圧縮式のゴム・プラスチック成形用の型
    • 即時撤廃、1.7%
  • 油圧電動装置用、空気圧電動装置用の弁
    • 即時撤廃、2.2%
  • リチウムイオン電池
    • 即時撤廃、2.7%
  • カラーテレビ
    • 6年目撤廃、14%
  • ベアリング
    • 即時撤廃・6年目撤廃・8年目撤廃、7.7%~8.0%

注:%は2013年4月時点のMFN税率です。

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュール(鉄鋼・鉄鋼製品、非鉄金属)

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュールを記します。

今回は鉄鋼・鉄鋼製品、非鉄金属です。

  • 鉄鋼
    • 即時撤廃、1.7~7%
  • ステンレス鋼製の管用継手
    • 即時撤廃、3,7%
  • 鉄鋼製のチェーン、ばね
    • 即時撤廃、2.7%
  • 鉄鋼製のねじ
    • 即時撤廃、3.7%
  • 鉄器の一部(南部鉄器等)
    • 即時撤廃、3.2%
  • アルミニウムの箔
    • 即時撤廃・6年目撤廃、7.5~10%
  • チタンの粉、くず等
    • 即時撤廃・6年目撤廃、5~7%
  • のこぎり、ブレード
    • 即時撤廃、1.7~2.7%
  • 卑金属製の手工具
    • 即時撤廃、2.7%
  • ナイフ
    • 即時撤廃・6年目撤廃、2.7%~8.5%
  • 卑金属製の錠
    • 即時撤廃、2.7%
  • 自動車用の卑金属製の取り付け具(蝶番及びキャスターを除く)
    • 即時撤廃、2.7%

注:%は2013年4月時点のMFN税率です。

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュール(繊維・繊維製品)

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュールを記します。

今回は繊維・繊維製品です。

  • 毛の糸・織物
    • 即時撤廃、3.2~8%
  • 綿の糸・織物
    • 即時撤廃、4~8%
  • 化合繊の糸・織物
    • 即時撤廃、3.8~8%
  • 不織布、特殊糸
    • 即時撤廃、4~12%
  • コーテッド織物類(工業用繊維など)
    • 即時撤廃、4~8%
  • 衣料品(ジャケット、ネクタイなど)
    • 即時撤廃、6.3~12%
  • リネン類(タオルなど)
    • 即時撤廃、6.9~12%

注:%は2013年4月時点のMFN税率です。

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュール(化学)

日EU・EPAでの関税撤廃スケジュールを記します。

今回は化学です。

  • 医薬品の原料
    • 即時撤廃・4年目撤廃、4~6.5%
  • 合成樹脂の一部
    • 即時撤廃、5~6.5%
  • プラスチック製のフィルム
    • 即時撤廃、5.7~6.5%
  • 印刷用・筆記具用カラーインキ
    • 4年目撤廃・8年目撤廃、6.5%
  • X線用写真フィルム
    • 即時撤廃、6.5%

注:%は2013年4月時点のMFN税率です。

日EU・EPAの原産地証明書は・・・

日EU・EPAの原産地証明書は、TPPに引き続き、自己証明とのことです。

いよいよ自己証明が趨勢になりそうですね。

EUは、FTAで検認を行うので有名です。

韓国とEUのFTAでも際だった検認(FTA利用における原産地証明の確からしさを輸入国から確認を要求すること)の数が記録されています。

年間に2800件以上、つまりは営業日当り13件弱の検認が韓国EUでなされています。これが日本になると経済規模からもっと多くの検認がされる事になるでしょう。

検認で「証明が否認」されれば、FTA活用で関税の減免を受けたメリット金額は全て払うことになることは当然として、追加でペナルティを支払うことになります。

日EU・EPAが自己証明となれば、企業側の運営は大変なことになります。原産地証明が正しくても、検認への対応をせねばならないし、もし間違っていたら、とても面倒なことになります。

その準備は今から初めても遅くはありません。

当社では、会社のFTA原産地証明が妥当かどうかの検証をするサービスをしております。

詳しくはこちらにリーフレットがあります。