FTAに対する組織と経営陣の関与

最近、FTAに関する企業の経営陣への啓発プレゼンテーションをすることが多くなりました。

FTA戦略的活用研究会でのプレゼンテーションの刺激もあったのでしょうが、いいことです。

やはり痛感するのは、経営者の理解の程度(の低さ)と楽観的なものの見方ですね。

「自社は完璧ではないができている。」と思われている方がいかに多いか。

RCEPも発効に向けて各国着実に進めています。担当者も準備をせかされる一方で、プラスαとしてのFTA対応業務ではできないことを痛感しての経営陣への啓発なんでしょう。

今までは穏便な報告しか経営陣には上げていない会社が多かったのですが、問題点を赤裸々に提示して、対策のための経営陣のスポンサーシップをお願いするようになったのは大きな進歩です。

昔からよくある問い合わせ

EPA相談デスクや弊社への問い合わせで多いのが、並行輸出でのFTA利用です。

日本で商品を仕入れ、海外で販売するケースで、メーカーからの承認を得ない並行輸出(?)で、輸入者からFTAの原産地証明書を要求され、どうしたら作成できるかという問い合わせが昔からよくあります。

昨日も同様の質問がありました。

電機製品をベトナムに輸出するのですが、そのメーカーからベトナムでの販売を認められていない中でのFTA適用。

パーツリストがあるので、証拠書類は作れるのでは?といわれましたが、その証拠書類をメーカーが正しいとは判断しないので、無理ですよとお答しました。

他の会社が同様の環境で商工会議所から原産地証明書を取得できているとのことで、自分たちも出来ると思ったようです。

過去と現在では、商工会議所の証拠書類提出義務やそのチェックの厳密性は違うため、その会社はその枠をすり抜けることができたのかもしれません。

テクニカルには証拠書類が準備出来るでしょうが、メーカーの承認の無いものだと、その証拠書類が正しいとは言えないため、企業には「やめた方がいいですよ。」とお伝えしています。

仮に、商工会議所により原産が承認されたとしても、検認時にその正当性が問われた場合、メーカーは「承認していない」となるはずなので、原産性が否認されます。そうなると、輸入者は関税相当額とその他諸々を支払う義務が出ます。

それらが全て輸出者に転嫁されるため、費用負担とビジネスを失うリスクを生じさせます。

余りいい未来が見えません。

FTA戦略的活用研究会7~9月度の会場

昨年、一昨年もありましたが、オリンピック準備及び開催で、東京国際フォーラムが使えなくなるようです。ですので、本来、本日は7月度の予約が出来る予定でしたが、出来ませんでした。

オリンピックが出来るかどうかを見定めて、代替地も検討していきます。