2025年7月24日現在:アメリカの相互関税率:国別一覧

アメリカの相互関税率:国別一覧

現在の状況

2025年4月2日、トランプ大統領は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて相互関税制度を発表しました[1][2]。当初は4月9日から国別の個別税率が適用される予定でしたが、その後複数回延期され、現在は2025年8月1日から実施予定となっています[3][4]。

合意済み関税率一覧

以下は現段階で合意されている相互関税率の国別リストです:

国名関税率状況出所
日本15%2025年7月22日に合意成立[5][6][7]
中国34%8月1日実施予定[8][1]
欧州連合(EU)20%8月1日実施予定[8][1]
ベトナム46%8月1日実施予定[8][1]
韓国25%8月1日実施予定[8][1]
台湾32%8月1日実施予定[8][4]
インド26%8月1日実施予定[8][1]
英国10%8月1日実施予定[1][2]
タイ36%8月1日実施予定[8][4]
スイス31%8月1日実施予定[8][4]
インドネシア32% → 19%引き下げ合意済み[4][9]
マレーシア25%8月1日実施予定[8][4]
カンボジア49%8月1日実施予定[8][2]
南アフリカ30%8月1日実施予定[8][10]
ブラジル10%8月1日実施予定[2]
バングラデシュ37%8月1日実施予定[8]
シンガポール10%8月1日実施予定[11]
イスラエル17%8月1日実施予定[8][3]
フィリピン17% → 19%引き上げ合意済み[10][9]
チリ10%8月1日実施予定[11]
オーストラリア10%8月1日実施予定[12]
パキスタン29%8月1日実施予定[8]
トルコ未定交渉中[4]
スリランカ44% → 30%引き下げ済み[8][4]
コロンビア10%8月1日実施予定[11]
ペルー10%8月1日実施予定[11]
ニカラグア18%8月1日実施予定[8]
ノルウェー15%8月1日実施予定[8]
コスタリカ10%8月1日実施予定[11]
ヨルダン20%8月1日実施予定[8][3]
ドミニカ共和国25%交渉中[3]
アラブ首長国連邦10%8月1日実施予定[11]
ニュージーランド10%8月1日実施予定[11]
アルゼンチン10%8月1日実施予定[11]
エクアドル10%8月1日実施予定[11]
グアテマラ10%8月1日実施予定[11]
ホンジュラス10%8月1日実施予定[11]

追加の国々

その他の対象国(関税率):

  • アフリカ諸国: アルジェリア(30%)、アンゴラ(32%)、ボツワナ(37%)、カメルーン(11%)、チャド(13%)[8]
  • アジア諸国: ブルネイ(24%)、ラオス(48% → 40%)、ミャンマー(44%)[8][4]
  • 欧州諸国: ボスニア・ヘルツェゴビナ(35%)、リヒテンシュタイン(37%)、北マケドニア(33%)、セルビア(37% → 35%)[8][10]
  • その他: フォークランド諸島(41%)、フィジー(32%)、ガイアナ(38%)、モーリシャス(40%)[8][4]

特別な合意・交渉

成立済み合意

  1. 日本: 15%の相互関税率で合意(2025年7月22日)[5][6]
  2. インドネシア: 32%から19%に引き下げ合意[4][9]
  3. フィリピン: 新たに19%の関税率で合意[10][9]

交渉進行中

  • 欧州連合: 15%への引き下げが検討中との報道[9]
  • カナダ・メキシコ: USMCA協定の下で一部免除継続[2]

重要な注意事項

免除対象品目

以下の製品は相互関税の対象外です[1][2]:

  • 鉄鋼・アルミニウム製品
  • 自動車・自動車部品
  • カリ肥料、銅
  • 医薬品、半導体
  • 木材、地金
  • エネルギー関連製品
  • 米国で入手不可能な重要鉱物

基本税率

すべての国に対して基本10%関税が2025年4月5日から適用されており、上記の個別税率はこれに追加されるものです[1][2]。

現在も各国との二国間交渉が継続中であり、8月1日の期限に向けて税率の変更や新たな合意が発表される可能性があります[3][10]。

情報源
[1] Reciprocal Tariffs On All U.S. Trading Partners https://natlawreview.com/article/reciprocal-tariffs-all-us-trading-partners
[2] U.S. Reciprocal Tariffs Announced – 10% Tariffs Starting April 5th https://www.mondaq.com/unitedstates/international-trade-investment/1607272/us-reciprocal-tariffs-announced-10-tariffs-starting-april-5th
[3] Trump 2.0 tariff tracker – Trade Compliance Resource Hub https://www.tradecomplianceresourcehub.com/2025/07/23/trump-2-0-tariff-tracker/
[4] Trump 2.0 tariff tracker https://www.tradecomplianceresourcehub.com/2025/07/17/trump-2-0-tariff-tracker/
[5] Japan and U.S. reach tariff deal with ‘reciprocal’ rate at 15% https://www.japantimes.co.jp/business/2025/07/23/economy/us-japan-trade-deal-trump/
[6] Trump announces ‘massive’ trade agreement with Japan https://www.cnn.com/2025/07/22/business/japan-trade-agreement-us
[7] Trump sets 15% tariff on Japanese imports as part of … https://www.nbcnews.com/business/business-news/trump-sets-15-tariff-japanese-imports-part-investment-agreement-rcna220416
[8] [PDF] ANNEX I Country Reciprocal Tariff, Adjusted Algeria 30% Angola 32 … https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2025/04/Annex-I.pdf
[9] Trump tariffs live updates: Trump strikes deal with Japan as … https://finance.yahoo.com/news/live/trump-tariffs-live-updates-trump-strikes-deal-with-japan-as-eu-us-reportedly-close-in-on-pact-200619932.html
[10] Trump’s Trade Deals, Negotiations, Tariffs for Each Country | TIME https://time.com/7300389/trump-trade-deals-tariff-letters-deadline/
[11] U.S. Tariff Rates by Country – Trump Reciprocal Tariffs, April 2025 https://passportglobal.com/us-tariff-rates-by-country-2025/
[12] U.S. Tariffs by Country – 2025 Overview and Impact Summary https://www.avalara.com/us/en/learn/guides/us-tariffs-by-country.html
[13] See the Trump tariffs list by country – BBC https://www.bbc.com/news/articles/c5ypxnnyg7jo
[14] See the full list of reciprocal tariffs by country from Trump’s … https://www.cbsnews.com/news/trump-reciprocal-tariffs-liberation-day-list/
[15] Tariffs in the second Trump administration – Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Tariffs_in_the_second_Trump_administration
[16] US-Japan trade deal averts worst for global economy https://www.reuters.com/world/china/us-japan-trade-deal-averts-worst-global-economy-2025-07-23/
[17] Regulating Imports with a Reciprocal Tariff to Rectify Trade … https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/04/regulating-imports-with-a-reciprocal-tariff-to-rectify-trade-practices-that-contribute-to-large-and-persistent-annual-united-states-goods-trade-deficits/
[18] Trump announces steep tariffs on 14 countries starting Aug. 1 – CNBC https://www.cnbc.com/2025/07/07/trump-tariffs-trade-letters-japan.html
[19] U.S. Reciprocal Tariff Tracker | C.H. Robinson https://www.chrobinson.com/es-us/resources/insights-and-advisories/trade-tariff-insights/u-s-reciprocal-tariff-tracker/
[20] Presidential 2025 Tariff Actions: Timeline and Status https://www.congress.gov/crs-product/R48549

2025年7月14日現在 ― トランプ大統領が「相互関税(Reciprocal Tariff)」を通知した主な国・地域と公表された税率

(発効予定日:すべて 2025年8月1日。交渉がまとまれば変更・撤回の可能性あり)

区分国・地域税率備考/出典
G7・主要貿易相手欧州連合(EU)30%7月12日付書簡で通知 (Reuters)
メキシコ30%同上(EUと同日付) (Reuters)
カナダ35%7月10日付書簡(Guardian 公開) (ガーディアン)
日本25%ホワイトハウス「Fact Sheet」7月7日公表 (The White House)
韓国25%同上 (The White House)
新興国・地域①ブラジル50%7月9日付書簡(Reuters) (Reuters)
南アフリカ30%ホワイトハウス発表 (The White House)
インドネシア32%同上 (The White House)
カザフスタン25%同上 (The White House)
マレーシア25%同上 (The White House)
バングラデシュ35%同上 (The White House)
セルビア35%同上 (The White House)
ボスニア・ヘルツェゴビナ30%同上 (The White House)
チュニジア25%同上 (The White House)
ラオス40%同上 (The White House)
ミャンマー40%同上 (The White House)
カンボジア36%同上 (The White House)
タイ36%同上 (The White House)
新興国・地域②(少額貿易国)フィリピン20%7月9日付追加書簡(Reuters) (Reuters)
スリランカ30%同上 (Reuters)
アルジェリア30%同上 (Reuters)
イラク30%同上 (Reuters)
リビア30%同上 (Reuters)
ブルネイ25%同上 (Reuters)
モルドバ25%同上 (Reuters)

使い方のヒント

  • 上記は 「書簡を受け取った=現時点で暫定税率が提示された」国・地域のみ をまとめています。
    • 書簡が届いていない国には「包括的10%関税」が既に発動中ですが、個別交渉が始まる可能性があります。 (The White House)
  • 8月1日までに二国間・域間協議がまとまれば、税率が引き下げられたりゼロになるケースも想定されています(EU などは交渉継続中)。 (Reuters)
  • 銅など特定品目に対する セクター別関税(例:銅50%) は上表の「相互関税」とは別枠です。 (Reuters)

最新状況をチェックする方法
これらの発表は大統領の Truth Social 投稿やホワイトハウス発表、主要メディア速報で随時更新されています。動きが早いので、重要品目や取引先国がある場合は 7 月下旬までニュースを逐次確認することを強くお勧めします。

トランプ関税は企業の経営陣の判断力、意思決定力を問うています

FTA戦略的活用研究会の東京と大阪でメンバーと情報と意見交換を1度つづ行いました。

ご存じの通り、まだはっきりしていない状況です。

ジェトロのセミナーやその他企業の情報を収集している会社がほとんどでしょう。

担当者は煩雑な情報をできるだけ整理して、可能性のあるオプションを提示するために日々努力されています。確たるものが出ているわけではないので当然です。

問題は、この状況で部下から提示される情報と可能性のあるオプションを理解し、どうするのがベストかを経営陣に問うているのだと感じています。情報の咀嚼力、洞察力、そして結論を出して行動する判断力が経営陣に問われているのです。

確たるものが現れてから判断するという状況ではありません。不確かなものをより確かなものに煮詰めて経営の意思決定を行う。経営者の仕事といえばそれまでですが、今までにない大役であろうと考えています。

当方もアメリカの大統領選挙前から相談を受けて、意思決定のためのオプション考察、リスクの低減、判断の支援を行ってきました。

誰もが確かな答えを知らない中、経営者の力量が問われています。

必要であれば、最大限の知恵を働かせるお手伝いをいたします。